JPH0695125A - ポリシラン配向膜の製造方法 - Google Patents

ポリシラン配向膜の製造方法

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JPH0695125A
JPH0695125A JP24379392A JP24379392A JPH0695125A JP H0695125 A JPH0695125 A JP H0695125A JP 24379392 A JP24379392 A JP 24379392A JP 24379392 A JP24379392 A JP 24379392A JP H0695125 A JPH0695125 A JP H0695125A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】基板上にポリシラン薄膜を形成する。続いて、
前記ポリシラン薄膜に対し、特定の一方向に振動成分を
有するエネルギー線を吸収させることによって、前記ポ
リシラン薄膜中のポリシラン分子のうち、前記エネルギ
ー線の振動成分の方向と略直交する方向に配向した成分
を選択的に残存させる。 【効果】ポリシラン分子のSi−Si主鎖が、全面に亘
って秩序良く一定方向に配向したポリシラン配向膜を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向膜等に適用可
能なポリシラン配向膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシランは、Si−Si結合からなる
主鎖を有する高分子化合物であり、この主鎖の特性を利
用して、特に薄膜の形で各種材料への応用が進められて
いる。例えば、ポリシラン薄膜は、分子の方向、即ちS
i−Si主鎖の方向に沿って大きな分極率を有するた
め、当該薄膜上では、同方向に沿って液晶分子が強く配
向することが確認されている。この特性に基づき、液晶
表示素子における配向膜、即ち、その液晶と接する表面
において液晶分子を一定方向に配向させる膜(液晶配向
膜)としてポリシラン薄膜を用いれば、当該素子の性能
向上が期待できる。
【0003】従来より、ポリシラン薄膜は、スピンコー
ト法、キャスト法、LB法(ラングミュア -ブロジェッ
ト法)等の多種に亘る一般的な製膜プロセスによって形
成されている。しかしながら、これらプロセスによって
形成されたポリシラン薄膜では、ポリシラン分子の配向
が一定ではない。このため、Si−Si主鎖の特性が充
分に機能せず、各種材料として期待される性能が達成さ
れない。例えば、当該ポリシラン薄膜が上述したような
液晶配向膜として用いられる場合では、Si−Si主鎖
が一定方向に配向していないことに起因して、膜表面全
体に亘って液晶分子を均一且つ規則的に配向させること
ができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたもので、その課題とするところは、Si
−Si主鎖が、全面に亘って秩序良く一定方向に配向し
たポリシラン配向膜を得ることの可能な、ポリシラン配
向膜の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明のポリシ
ラン配向膜の製造方法は、 (a)基板上にポリシラン薄膜を形成する工程と、
【0006】(b)前記ポリシラン薄膜に、特定の一方
向に振動成分を有するエネルギー線を吸収させることに
よって、前記ポリシラン薄膜中のポリシラン分子のう
ち、前記エネルギー線の振動成分の方向と略直交する方
向に配向した成分を選択的に残存させる工程とを具備す
る。
【0007】本発明の方法によれば、工程(a)におい
て、一般的なプロセスに従ってポリシラン薄膜が形成さ
れる。次に、工程(b)において、ポリシラン薄膜中の
ポリシラン分子のうち、照射されたエネルギー線の振動
成分と同一方向または近接する方向に配向している成分
については、当該エネルギー線を吸収して異なる構造の
分子に変化すると共に、低分子量化する。一方、エネル
ギー線の振動成分の方向と略直交する方向に配向してい
る成分は、分子構造が変化せず選択的に残存する。即
ち、工程(b)の後において薄膜中に存在するポリシラ
ン分子は、ある一方向に配向した成分だけが残存する。
こうして、ポリシラン分子が一定方向に秩序良く配向し
た薄膜、即ち配向膜が得られる。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0008】本発明の方法において使用され得るポリシ
ランは、Si−Si主鎖を有する高分子化合物であれば
特に限定されない。具体例としては、下記一般式(1)
で表される反復単位を有するポリシランが挙げられる。
【0009】
【化1】 式中、R1 ,R2 ,Xは夫々以下のものを示す。 R1 :炭素数1〜24の置換もしくは非置換アルキル
基、または炭素数6〜24の置換もしくは非置換アリー
ル基。 R2 :炭素数1〜24の2価の有機基。
【0010】X:水酸基、アミノ基、カルボン酸基、ま
たはアミド結合、エステル結合、カルバメート結合、及
びカーボネート結合から成る群より選ばれた少なくとも
一種を有する親水基。
【0011】この反復単位(1)を有するポリシラン
は、Si−Si主鎖に対し、一方の側鎖には親水基Xを
有し、他方の側鎖に疎水基R1 を有する点、即ち両親媒
性である点で特徴的である。
【0012】本発明の方法における工程(a)では、多
種に亘る製膜プロセスが採用され得る。その具体例とし
ては、ロールコーター法、スピンキャスト法、LB法等
が挙げられる。
【0013】これらの方法のうち、ロールコーター法及
びスピンキャスト法では、まず、ポリシランを有機溶媒
に溶解し、得られたポリマー溶液を所定の基板上に塗布
する。続いて、塗布後の基板をホットプレートまたは乾
燥機を使用して乾燥し、所定の膜厚を有するポリシラン
薄膜を形成する。
【0014】一方、LB法による薄膜の形成は、上述し
たような反復単位(1)を有する両親媒性のポリシラン
を用いて行われる。まず、反復単位(1)を有するポリ
シランを有機溶媒に溶解し、得られたポリマー溶液を水
等の液面上に滴下する。このとき、反復単位(1)を有
するポリシランでは、親水基Xが液面に接し、疎水基R
1 が液面から遠ざかるような配向をとるため、非常に安
定した単分子膜が形成される。次に、この単分子膜を所
定の表面圧に圧縮し、膜面積を制御して該表面圧を一定
に保った状態で、予め疎水化処理等を施した基板を膜面
に対して垂直な方向に浸漬し、その後引上げる。この操
作において、基板の浸漬時もしくは引上げ時、またはそ
の両方において、基板上に前記単分子膜が移しとられ
る。引続き、この基板を浸漬する操作を複数回繰り返
し、基板上にポリシラン薄膜(累積膜)を得る。以上の
LB法による操作は、一般的なLB膜作製装置を用いて
行うことができる。
【0015】上記の如くLB法によって形成されるポリ
シラン薄膜では、ほとんどのSi−Si主鎖が基板表面
と平行に配列し、しかも多くのポリシラン分子のSi−
Si主鎖が液面からの基板の引上げ方向に配向してお
り、膜全体に亘って分子の配列状態が既に制御されてい
る。従って、工程(a)としてLB法を採用すれば、最
終的にポリシラン分子がより高秩序に配向した配向膜を
得ることができる。
【0016】本発明の方法における工程(b)では、ポ
リシラン薄膜に吸収させるエネルギー線として、例え
ば、紫外線が用いられる。当該工程では、紫外線を偏向
プリズム等の偏光子に通すことによって、特定の一方向
に振動成分を有するエネルギー、線、即ち偏光UVと
し、工程(a)で得られたポリシラン薄膜に照射する。
ここで、エネルギー線の照射量は、好ましくは約0.1
mJ/cm2 〜10 J/cm2 程度とする。
【0017】このとき、ポリシラン薄膜中のポリシラン
分子のうち、照射されたUVの振動成分と同一方向また
は近接する方向に配向している成分については、Si−
Si主鎖がUVを吸収してシロキサン構造(Si−O構
造)からなる分子に変化し、且つ低分子量化する。一
方、UVの振動成分の方向と略直交する方向に配向して
いる成分については、Si−Si主鎖が変化せず残存す
る。
【0018】工程(b)では、ポリシラン薄膜に吸収さ
れるエネルギー線の振動成分の方向を適宜設定すること
によって、当該薄膜中の特定の方向に配向するポリシラ
ン分子のみを意図的に残存させることができる。ひいて
は、あらゆる分子配列状態を有するポリシラン配向膜を
自在に製造することが可能になる。
【0019】尚、工程(a)においてLB法によりポリ
シラン薄膜を形成した場合、当該薄膜では、エネルギー
線の照射前に既にSi−Si主鎖の多くが液面からの基
板の引上げ方向に配向している。従ってこの場合、工程
(b)では、薄膜に吸収させるエネルギー線の振動成分
の方向を上記基板の引上げ方向と略直交する方向に設定
し、前記引上げ方向とは大きく異なる方向に配向した少
数のSi−Si主鎖を他の構造に変化させることが好ま
しい。こうして、ポリシラン分子が前記基板の引上げ方
向に高秩序に配向してなる配向膜を得ることができる。
【0020】本発明の方法、及び同方法によって形成さ
れるポリシラン配向膜は、液晶表示素子における配向
膜、即ち液晶配向膜に応用され得る。以下に、本発明の
方法によって得られるポリシラン配向膜を液晶配向膜と
して用いた液晶表示素子について、図1及び図2を参照
して説明する。
【0021】図1は、当該液晶表示素子の断面構造を示
す図である。同図において、111及び112 はガラス
等の素材で形成された基板であり、夫々の対向面には、
ITO(Indium Tin Oxide)等の素材からなる透明電極
121 (表示電極)及び122 (走査電極)が形成され
ている。透明電極121 及び122 の表面には、夫々、
液晶配向膜131 及び132 が形成されている。更に、
液晶配向膜131 及び132 の間には、液晶14が封入
されている。
【0022】このような構造の素子において、液晶配向
膜131 及び132 には、本発明の方法により形成され
るポリシラン配向膜が用いられている。即ち、液晶配向
膜131 及び132 は、夫々透明電極121 及び122
上で本発明の方法を適用することによって形成されたポ
リシラン配向膜である。この配向膜のポリシラン分子の
配向によって、封入された液晶14の分子の配向が制御
される。
【0023】尚、この場合、液晶配向膜131 及び13
2 として用いられるポリシラン配向膜は半導体性を有す
るため、表示電極等の駆動部上では、短絡防止の観点か
ら、例えばポリシラン分子を全てシロキサン構造に変化
させるか、あるいは予めポリイミド等の絶縁性高分子膜
を形成して絶縁性を高めることが好ましい。図2は、図
1における液晶配向膜131 を構成するポリシラン分子
の配向状態、及びこれによって制御される液晶分子の配
向状態を模式的に示す。
【0024】同図において、液晶配向膜131 では、S
i−Si主鎖を有するポリシラン分子21が、一定方向
に配向しているのに対し、ポリシラン分子21の配向方
向以外では、Si−O構造からなるシロキサン分子22
がランダムに配列している。この液晶配向膜131 は、
本発明の方法に従って、Si−Si主鎖がランダムに配
列しているポリシラン薄膜に対し、一定方向に振動成分
を有する偏光UVを吸収させることによって形成された
ものである。即ち、前述したポリシラン薄膜に、この偏
光UVを照射すると、前記偏光UVの振動成分の方向2
4に対し略直交する方向に配向したSi−Si主鎖が残
存し、一方、前記偏光UVの振動成分の方向24と同一
方向または近接する方向に配向したSi−Si主鎖は、
UVを吸収してシロキサン構造に変化して低分子量化
し、この結果、上記の如くポリシラン分子21の配向状
態が形成されている。
【0025】ここで、液晶配向膜131 を構成する分子
のうち、Si−Si主鎖を有するポリシラン分子21
は、主鎖の方向に沿って大きな分極率を有するため、液
晶分子23に対する配向制御能を有する。一方、シロキ
サン分子22等の他の分子は液晶分子23の配向にはほ
とんど寄与しない。よって、液晶分子23は、液晶配向
膜131 の表面付近においてポリシラン分子21の配向
方向に沿って秩序良く配向している。例えば、ブチル
(m-ヒドロキシフェニル)ポリシランを用いた場合、こ
のSi−Si主鎖に沿ってP型液晶分子が秩序良く配向
する。
【0026】尚、このようなポリシラン配向膜を液晶配
向膜として用いた液晶表示素子では、どのような種類及
び分子量の液晶分子を用いてもよい。但し、N型液晶分
子を用いた場合、液晶分子の配向状態が若干変化する。
また、前記液晶表示素子は、一般的な液晶表示方式、即
ち、単純マトリックス方式、アクティブマトリックス方
式の何れのタイプについても適用され得る。但し、後者
のタイプに適用される場合、表示電極に接する形で、薄
膜トランジスタ(TFT)、MIM素子等の駆動素子が
実装される。
【0027】ところで、従来より、液晶配向膜は、基板
上にポリイミド等の絶縁性高分子膜を形成し、その表面
にラビング処理、即ち膜表面を繊維状物質によって被覆
されたローラによって擦る(ラビングする)処理を施
し、液晶分子に対する配向制御能を付与することによっ
て形成されている。しかしながら、この方法では、ラビ
ング処理の際に静電気が発生し、素子の汚染及び破壊が
引き起こされる。また、ラビング処理は精度が不充分で
あるため、得られた液晶配向膜には、液晶分子に対する
配向制御能が膜全体に亘って均一に付与されない。
【0028】これに対し、上述したように本発明の方法
を適用して形成したポリシラン配向膜を液晶配向膜とし
て用いた場合、当該方法がポリシラン薄膜形成及び偏光
UV照射といった化学的プロセスのみを採用しているこ
とに起因して、静電気の発生もなく、素子の汚染、破壊
等が防止される。また、得られたポリシラン配向膜から
なる液晶配向膜は、配向制御能も膜全面に亘ってムラな
く付与されており、更に、可視光領域にある光の吸収が
少ないため、光透過性にも優れている。ひいては、この
ようなポリシラン配向膜を液晶配向膜とした液晶表示素
子では、V−T特性、動画表示状態等の諸性能がより改
善される。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って更に詳細に説
明する。尚、これら実施例は、本発明の理解を容易にす
る目的で記載されるものであり、本発明を特に限定する
ものではない。 実施例1 [ポリシラン配向膜の形成]
【0030】ブチル(m-ヒドロキシフェニル)ポリシラ
ン(平均分子量200,000)をシクロヘキサノンに
溶解し、得られた濃度0.224重量%の溶液を用い、
LB法に従って、透明基板上にポリシラン薄膜(LB
膜)を形成した。尚、LB法の条件を以下の如く設定
し、累積数2,4,6,10,20,30,40,50
の8種類のLB膜を形成した。 ・pH:7.0 ・製膜速度(基板の浸漬 -引上げ速度):5mm/cm ・表面圧力:20 dyn/cm ・水温:15.2〜15.3℃ ・室温:21〜23℃ ・基板上への単分子膜転写方法:垂直浸漬法
【0031】続いて、平行露光機(PLA−105:ニ
コン社製)を用い、前記LB膜の表面に対して、紫外線
透過可能な偏光プリズムを介して、紫外線照射、即ち偏
光UVの照射を行った。紫外線照射量を毎分44 mJ/cm
2 に、照射時間を6分間に設定した。
【0032】次に、紫外線照射後のLB膜、及び比較の
ため紫外線未照射のLB膜について、夫々の偏光UVス
ペクトル二色比の値から、配向秩序度Sを求めた。尚、
配向秩序度Sは、膜を構成する分子の配列及び配向状態
を定量的に表す物理量であり、下式に従って算出され
る。 S=(R−1)/(R+2) R=偏光UVスペクトル
二色比
【0033】図3に、LB膜の層数と配向秩序度との関
係を示す。但し、累積数0のときの配向秩序度は、後述
するような同一のポリシラン分子についてキャスト法に
よって形成された薄膜(キャスト膜)における配向秩序
度の値で近似した。
【0034】同図に示す結果より、LB膜の層数、即ち
累積数が多いほど、ポリシラン分子が高秩序に配向して
いることが判る。また、偏光UVを照射することによっ
て配向秩序度が著しく向上し、優れたポリシラン配向膜
が形成されていることが判る。 [液晶表示素子での評価]
【0035】上記ポリシラン配向膜が形成された基板の
うち、LB膜の層数が同じもの2枚ずつを組み合わせ、
夫々常法に従って液晶セルの作製及び液晶の封入を行っ
た。こうして、前記ポリシラン配向膜を液晶配向膜とし
て有する液晶表示素子を作製した。
【0036】これら各素子について、封入された液晶分
子の配向状態を評価した。この評価は、従来のラビング
法により形成された液晶配向膜を有する素子に対し、画
像表示特性を比較することによって行われた。即ち、ラ
ビング法により形成された液晶配向膜を有する素子にお
ける表示特性を1として比較した。図4に、これらポリ
シラン配向膜を液晶配向膜として有する液晶表示素子に
ついて、液晶分子の配向状態(表示特性)との関係を示
す。
【0037】同図に示す結果より、LB膜の層数が多い
ほど、ポリシラン配向膜においてポリシラン分子が高秩
序に配向することに起因して、液晶分子の配向状態が向
上していることが判る。 実施例2 [ポリシラン配向膜の形成]
【0038】ブチル(m-ヒドロキシフェニル)ポリシラ
ン(平均分子量200,000)をシクロヘキサノンに
溶解し、得られた濃度2.5重量%の溶液を用い、スピ
ンキャスト法に従って、透明基板上にポリシラン薄膜
(キャスト膜)を形成した。スピンキャスト法の条件は
以下の如く設定した。 ・スピナー回転数:500rpm.,5sec 、2500rpm.
25sec ・室温:22℃
【0039】続いて、平行露光機(PLA−105:ニ
コン社製)を用いて、前記キャスト膜の表面に対して、
紫外線透過可能な偏光プリズムを介して、紫外線照射、
即ち偏光UVの照射を行った。尚、本実施例では、照射
量を毎分44 mJ/cm2 に設定し、照射時間を、3分、6
分、9分、12分、15分と変化させ、紫外線照射量の
異なる5種類のキャスト膜を得た。
【0040】次に、紫外線を6分間照射したキャスト
膜、及び比較のため紫外線未照射(照射時間0)のキャ
スト膜について、実施例1と同様に、配向秩序度Sを求
めたところ、紫外線が照射されたキャスト膜ではS=
0.5、未照射のキャスト膜ではSが略0であった。
尚、図3に、この紫外線を照射したキャスト膜における
配向秩序度の値を、LB膜の層数0における値としてプ
ロットした。
【0041】以上の結果より、キャスト法によって形成
されたポリシラン薄膜に対し偏光UVを照射することに
よって、配向秩序度が著しく高められ、優れたポリシラ
ン配向膜が形成されていることが判る。 [液晶表示素子での評価]
【0042】上記ポリシラン配向膜が形成された基板の
うち、紫外線の照射時間が同じもの2枚ずつを組み合わ
せ、夫々常法に従って液晶セルの作製及び液晶の封入を
行った。こうして、前記ポリシラン配向膜を液晶配向膜
として有する液晶表示素子を作製した。尚、比較のた
め、紫外線未照射のキャスト膜が形成された基板1組を
用いて液晶表示素子を作製した。これら各素子につい
て、実施例1と同様の方法で、封入された液晶分子の配
向状態(表示特性)を評価した。
【0043】図5に、これらのポリシラン配向膜を液晶
配向膜として有する液晶表示素子について、キャスト膜
に対する紫外線の照射時間と、液晶分子の配向状態(表
示特性)との関係を示す。
【0044】同図に示す結果より、紫外線の照射時間が
適度に長いほど、ポリシラン配向膜においてポリシラン
分子が高秩序に配向することに起因して、液晶分子の配
向状態が向上することが判る。
【0045】尚、図4に、紫外線の照射時間6分のキャ
スト膜を液晶配向膜として有する液晶表示素子の表示特
性の値を、LB膜の層数0の場合における値としてプロ
ットした。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ポリシラン分子のSi−Si主鎖が、全面に亘って秩序
良く一定方向に配向したポリシラン配向膜を得ることが
できる。このポリシラン配向膜は、Si−Si主鎖の特
性を利用して液晶配向膜等の各種材料に好適に用いるこ
とができ、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって形成されるポリシラン配
向膜を用いた液晶表示素子の構造を示す断面図。
【図2】本発明の方法によって形成されるポリシラン配
向膜を液晶配向膜として用いた場合における、当該膜を
構成するポリシラン分子の配向状態、及びこれによって
制御される液晶分子の配向状態を示す模式図。
【図3】ポリシラン配向膜(LB膜)の層数と、ポリシ
ラン配向膜の配向秩序度との関係を示す特性図。
【図4】ポリシラン配向膜(LB膜)の層数と、液晶表
示素子における液晶分子の配向状態との関係を示す特性
図。
【図5】ポリシラン配向膜(キャスト膜)に対する紫外
線の照射時間と、液晶表示素子における液晶分子の配向
状態との関係を示す特性図。
【符号の説明】
111 ,112 …基板、121 ,122 …透明電極、1
1 ,132 …液晶配向膜、14…液晶、21…ポリシ
ラン分子、22…シロキサン分子、23…液晶分子、2
4…偏光UVの振動成分の方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 伸次 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 早瀬 修二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)基板上にポリシラン薄膜を形成す
    る工程と、 (b)前記ポリシラン薄膜に、特定の一方向に振動成分
    を有するエネルギー線を吸収させることによって、前記
    ポリシラン薄膜中のポリシラン分子のうち、前記エネル
    ギー線の振動成分の方向と略直交する方向に配向した成
    分を選択的に残存させる工程と、を具備するポリシラン
    配向膜の製造方法。
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