JPH0694643A - 表面欠陥検出方法 - Google Patents

表面欠陥検出方法

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JPH0694643A
JPH0694643A JP24770392A JP24770392A JPH0694643A JP H0694643 A JPH0694643 A JP H0694643A JP 24770392 A JP24770392 A JP 24770392A JP 24770392 A JP24770392 A JP 24770392A JP H0694643 A JPH0694643 A JP H0694643A
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JP24770392A
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Inventor
Satoshi Maruyama
智 丸山
Osamu Sonobe
治 園部
Masakazu Yokoo
雅一 横尾
Hiroyuki Uchida
洋之 内田
Susumu Moriya
進 守屋
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】作業者の経験や能力に依存せず、かつ、信頼性
の高い鋼板表面の欠陥検出方法を提供する。 【構成】鋼板表面およびライン操業上に関する情報を入
力し、情報を教師なし学習モデルにより統計処理のため
の類別を行う。作業者が目視で得た情報を教師つき学習
モデルに教示し、教師つき学習モデルのパラメータを変
更する。次いで鋼板表面等の新情報を入力し、新情報を
教師なし学習モデルにより上記と同様に類別を行う。類
別の結果により教師つき学習モデルのパラメータを変更
する。教師つき学習モデルの出力により表面欠陥の有無
を判断するが、モデルと作業者の判断の一致、不一致に
より、フローチャートのループを変更し、表面欠陥が生
じないように操業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面欠陥検出方法に関
し、さらに詳しくは、ラインを搬送中の検査対象材料の
表面欠陥、特に熱延鋼板の表面欠陥を検出する手段に関
する。
【0002】
【従来の技術】工業製品の表面欠陥を検出する方法は多
く考えられている。その中でも鉄鋼の熱延プロセスでの
熱延鋼板の欠陥を検出する方法は、高熱であること、対
象である熱延鋼板が高速で移動していること、水蒸気な
どの表面の観察に対してノイズとなる成分が多いことな
どから、実現が困難とされている。しかし、多量の信号
を高速に処理しなければならないことから、信号処理の
方法に工夫を凝らす必要があり、各種方式が提案されて
いる。
【0003】このような信号処理の一方式として公知で
あるものに、特開平4−142412号公報で開示され
ている装置がある。これは検査対象物の表面を光電的に
操作して撮像する検出器と、この検出器の画像信号から
欠陥の特徴量を抽出する特徴抽出回路と、抽出された特
徴量を入力として欠陥の種類を判定出力する第1のニュ
ーラルネットと、前記特徴量と第1のニューラルネット
の出力とを入力として欠陥の等級を判定する第2のニュ
ーラルネットとを備えた装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、欠陥の種類
と欠陥の等級判定を行う2つのニューラルネットに分け
ても欠陥を表わす特徴量の算出方法が当を得たものでな
ければ、ニューラルネットの処理がいくら良いものであ
っても、欠陥を完全に検出することができない。またニ
ューラルネットが欠陥検出に万能であるという保証は全
くない。
【0005】本発明では、学習方式の異なる2種類の手
段を組み合わせることにより、作業者の経験や能力に依
存せず、かつ、信頼性の高い欠陥検出方法を提供するこ
とを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明で利用するのは、
複数の鋼板表面に関する情報及び操業に関する情報を教
師つき学習と教師なし学習という二つの異なる方法によ
って類別することにより、検出された表面欠陥を作業員
が目視結果によって得られたものと近似させることを目
的とするものである。さらに経時変化に耐えることと、
作業員が目視で得られない情報をも欠陥として認識しよ
うと試みることである。それには、目視との対応を重く
見る教師つき学習と、同じ入力からは同じ出力が出ると
いう物理法則を重要視した教師なし学習の双方を用いる
ことが是非とも必要となる。
【0007】本発明は、ラインを搬送中の検査対象材料
の表面欠陥を検出する表面欠陥検出方法に適用され、次
の方法を採った。すなわち、予め、検査対象材料の表面
欠陥を検出するために必要な教師なし学習モデルおよび
教師つき学習モデルを設定しておき、次いで、検査対象
材料の表面に関する情報および該ライン操業上の情報を
入力し、該諸情報を該教師なし学習モデルを用いて所定
の統計手法により類別する教師なし学習を行なった後、
作業者により該教師つき学習モデルに表面欠陥の有無や
欠陥の種類とその原因の因果関係について教示し該教師
つき学習モデルのパラメータを変更する教師つき学習を
行なう第1の工程と、所定時間径過後の検査対象材料の
表面に関する情報および該ライン操業上の情報を入力
し、該諸情報を該教師なし学習モデルを用いて該統計手
法により類別する教師なし学習を行ない、その結果に基
づき該教師つき学習モデルのパラメータを変更する第2
の工程とからなり、該教師つき学習モデルの出力から表
面欠陥の有無や欠陥の種類とその原因の因果関係を判断
すると共に、該教師つき学習モデルの出力による表面欠
陥の有無や欠陥の種類とその原因の因果関係の判断が作
業者の判断と異なる場合は該第2の工程に引続き該第1
の工程に移行し、該両判断が一致する場合は該第2の工
程に引続き該第2の工程内の各手順を繰返すことを特徴
とする表面欠陥検出方法である。
【0008】該教師つき学習に用いる教師信号はファジ
ィデータとして記述されていると好適である。該教師な
し学習による情報の類別は回帰分析又はクラスター分析
により求めることができる。
【0009】
【作用】本発明による方法を図1で説明する。まず欠陥
を検出するために必要な、教師なし学習モデルと、教師
つき学習モデルを設定する必要がある。検査対象材料
(以下鋼板という)の表面に関する情報およびライン操
業上の情報を入力する。このような情報として、たとえ
ば、あるスペクトル範囲の2次元分布の強度を複数のス
ペクトル範囲で求めたりする。また鋼板の表面に光線を
照射したときと、照射しないときの強度分布を求めるな
どの方法がある。また直接表面とは関係のない情報、例
えばライン速度や、板の厚さといった操業の情報も場合
によっては必要である。操業条件により欠陥の出現頻度
や種類が異なるかもしれないからである。
【0010】次いで、鋼板の表面や操業に関する諸情報
を教師なし学習モデルを用いて類別する教師なし学習を
行なわせる。すなわち、表面欠陥に関して同一の性質
(位置、大きさ、形状等)を持つと考えられる情報を一
つのクラス(類)とみなすデータ処理である。この教師
なし学習が終了すると、作業者は欠陥に関する情報を教
師つき学習モデルに入力し、モデルに欠陥の種類と原因
の因果関係を教示する。このとき教師つき学習モデルの
パラメータは変更され、教師つき学習が行なわれる。
【0011】作業者は、また、欠陥の大きさや頻度、周
期性などから想定される欠陥の原因を推定する方法を教
師つき学習モデルに教示することもできる。作業者が学
習が終了したとみなした時は、教師つき学習モデルのパ
ラメータは保存される。以上の第1の工程に次いで、次
の第2の工程(a、b、c)が行なわれる。
【0012】a 鋼板の表面や操業に関する新しい情報
が入力される. b 教師なしモデルにより再び情報の類別、すなわち教
師なし学習が行なわれる。 c この新しい情報と、新しい情報から教師なし学習を
行なって得られた情報とを、鋼板表面の欠陥の有無や種
類を表わす教師つき学習モデルに入力し、教師つき学習
モデルのパラメータを変更し保存する。
【0013】この教師つきモデルの出力により、鋼板表
面の欠陥の有無や種類を判別するのであるが、満足する
結果が得られている場合(作業者との判断が一致する)
は、このa、b、cの手順を繰り返す。満足する結果が
得られない場合(作業者との判断が一致しない)は、第
1の工程に移行する。本発明は、教師なし学習による類
別結果によって、若し、鋼板の表面や操業に関する情報
に含まれている雑音成分や、欠陥に対応しない成分があ
ったとしてもそれらが除去されるので、鋼板の表面や操
業に関する情報と欠陥の有無や欠陥の種類とをより正確
に対応させることができる。
【0014】
【実施例】本発明を好適に実施できる装置の構成説明図
を図2に示した。以下この図2に沿って説明する。熱延
鋼板1の上部に光源2が光源架台3の上部に保持されて
いる。この光源により生じた光源パターン4が熱延鋼板
1に現れている。この光源パターンは撮像装置5により
信号として捕らえられる。すなわち、光の強度が電気信
号の強度に変換される。撮像装置5は撮像装置架台6に
より支えられている。本実施例では撮像装置5として1
次元で4096個の固体撮像素子を持つテレビカメラを
用いた。一方、ラインに関する鋼板の速度や平均温度と
いった情報が上位コンピュータ7に格納されている。撮
像装置5によりとらえられた信号及び上位コンピュータ
7の情報は、時系列としての順序を保ちつつメモリ11
に格納される。メモリ11の内容は、短期信号処理装置
12によって幾つかの特徴量(例えば、平均、分散量)
に変換される。
【0015】以上の操作が時系列的に行われ、そのつど
信号特徴記憶装置13に格納される。時系列的に得られ
た複数の特徴量は、教師なし学習装置14によって類別
される。この教師なし学習装置14は、同一時刻内での
特徴量を類別(クラスタリング)したり、ある時刻にわ
たって特徴量のスペクトルを求めたりする装置である。
【0016】これらの信号特徴記録装置13の出力と教
師なし学習装置14の出力のほかに以下の情報を得る。
すなわち作業者判断入力信号15、推論装置16、知識
格納装置17である。作業者判断入力信号15は、メモ
リ11に内容を可視化した像或は他の画像情報によっ
て、作業者が欠陥の有無と、欠陥がある場合はその大き
さ、種類などの情報を入力する。推論装置16は欠陥の
種類とその情報について推論する装置である。例えば、
欠陥がある周期Tで現れ、しかもその周期がロールの周
速度から計算される周期と一致するならば、それはロー
ルの転写疵であると推定する機構が装置内に備えられて
いる。知識格納装置17は推論装置16に用いられる知
識を格納する装置である。作業者が常識として用いる知
識や、物理的な原理に基づく現象が格納されている。
【0017】以上で述べた、信号特徴記憶装置13の出
力、教師なし学習装置14の出力、作業者判断入力装置
15の出力、推論装置16の出力は欠陥認識判定装置1
8に送られる。信号特徴記憶装置13の出力は作業者判
断入力装置15の出力と同時に用いられる。この作業者
判断入力装置15の出力が教師つき学習において教師信
号として利用される。この信号は、例えば欠陥の有無で
あったり、欠陥がある時の大きさや種類であったりす
る。一方教師なし学習装置14の出力も教師つき学習の
入力として利用される。同時に推論装置16も知識格納
装置17の助けを得て、欠陥認識判定装置18への入力
信号を与える。このとき、欠陥認識判定装置18の内部
パラメータを調節して、与えられた欠陥認識判定装置1
8の入力から作業者判断入力信号をもっともよく近似す
るようにする、これは一般に学習と呼ばれる。
【0018】次に作業者が学習を終了させた後の動作を
説明する。信号特徴記録装置13の出力は利用される
が、作業者判断信号は入力されない。他の教師なし学習
装置14、推論装置16、知識格納装置17などはその
まま活用される。すなわち、信号特徴記憶装置13の情
報と、教師なし学習装置14の情報および推論装置16
の情報を欠陥認識判定装置18への入力とし、得られた
欠陥認識判定装置18の出力から、結果を判断するとも
に、表示装置20に表示され作業者に現状を認識させ、
判断を促す動きをする。同時に記憶装置21に記憶さ
れ、過去の判断とつじつまが合っているかどうか、過去
の欠陥発生の頻度はどうだったかなどの統計をとるため
に用いられる。
【0019】次に、本願の方法を詳細に説明する。上記
の実施例において、撮像装置5内の計4096素子は、
それぞれ素子の位置の情報と、素子のある時刻における
強度とが原特徴量である。これらの原特徴量が処理され
て欠陥の判断に有益な統計量の候補となる。本実施例で
は例えばある時刻tにおいて次のような統計量を選ん
だ。 (1)・あるn個の素子の信号強度の平均、標準偏差、
平均偏差 (2)・あるn個の素子の信号強度の最大値、最小値、
中央値 (3)・あるn個の素子の信号強度の上ヒンジ、下ヒン
ジ (4)・(1)〜(3)の値をとる素子の1次元上の位
置 (5)・あるn個の素子の信号強度のヒストグラム (6)・あるn個の素子の信号強度を素子の位置で回帰
したときの最適回帰次数及び回帰係数。
【0020】ここであげたn個の素子とは、隣接してい
るn個の素子でもよいし、等間隔或は不等間隔にとった
n個の素子でもかまわない。対象とする欠陥の種類によ
ってこれらの情報の有益性が評価される。また測定して
いる時間の経過とともに、有益性も変化すると考えるべ
きである。実際には1次元撮像素子からのデータの幅方
向の強度を横方向に並べ、前記データの時間変化を縦方
向に並べて可視化した。その結果を図3に示す。背景部
22と比べて欠陥部23が明るくなっていることを表し
ている。この図3において線分AA’とBB’上の信号
強度分布を表したものが、それぞれ図4、図5である。
横軸は素子の位置に相当し、縦軸は素子の信号強度に相
当する。強度が強い程素子は強い光を受取ったことにな
る。ただし、この信号強度は光の強度とは正確な対応関
係になく、順序尺度として理解すべきである。実際に
は、信号強度の値は、この場合は素子が飽和する強度を
255として、素子がまったく反応しない強度を0とし
て得られたデータであり、この形で以下の処理を行う。
そして以下に述べる式の中から表面欠陥を判断する上で
適切な特徴量を得ることができる。但し、kは画素の位
置を、p(k)は画素の位置kにおける信号強度を表
す。
【0021】
【数1】
【0022】以上は最小値の場合も同様である。 ・信号強度中央値median=(sort_des
(2047.p(k))+sort_des(204
8.p(k)))/2 (ここでsort_des(i,p(k))はp(k)
を信号強度の大きいものから順番に(降順に)信号を並
び変えたときにi番目にきた信号を表す。)信号強度中
央値の位置は2個所ある。これらはまとめて処理され
る。 ・上ヒンジUhinge=sort_des(4096
/4,p(k)) ・下ヒンジLhinge=sort_des(4096
*3/4,p(k)) また、これらの位置は、この信号強度をとる1次元撮像
上の位置という意味では、今までの統計量に関する説明
と同様である。
【0023】なお、以上の統計量に基づく位置は複数依
存することが多いと考えられる。その場合は、条件を満
たす位置が複数あれば、それらの平均を求めて入力とす
ると同時に、必要に応じて個数、偏差なども統計量とし
て学習装置の入力とすることができる。 ・ヒストグラム hist(m)=number(p
(m),base+m*step.n+(m+1)*s
tep) m番目のヒストグラムhist(m)とは、画素強度p
(m)に関して、信号強度がbase+m*step以
上かつbase+(m+1)*step未満の画素の数
である。定数baseとstepはあらかじめ決めてお
くこともできるし、公知のスタージェスの式などで自動
的に決めることもできる。 ・回帰 hist(m)=number(p(m),b
ase+m*step,n+(m+1)*step) 回帰には大きく分けて多項式回帰と自己回帰がある。多
項式回帰は位置kと信号強度p(k)との関係をkに関
する多項式で表す方法である。一次の多項式の回帰では
未知の係数をa[0],a[1]として p(k)〜a[0]+a[1]*k で近似する方法である。一般にn次の多項式の近似は次
の式で表される。
【0024】 p(k)〜a[0]+a[1]*k+…+a[n]k^n (k^nはkのn乗を表す) 次数nは予め固定してもよいし、また適当な情報量基
準、たとえばAIC(赤池情報量基準)により決定する
こともできる。後者の場合は次数そのものも学習の入力
とすることができる。係数の決定は最小二乗法が使え
る。
【0025】一方自己回帰では、推定すべき画素の強度
p(k)を、直前のn個の画素強度の線形和で回帰する
方法である。具体的には係数をa[1],…a[n]と
して p(k)〜a[1]*p(k−1)+a[2]*p(k
−2)+…+a[n]*p(k−n) で与えられる。次数nの決定は、多項式回帰と同様、固
定方式や、情報量基準による方法がある。次数nが決定
すれば、最小二乗法、ユール・ウォーカー法などによっ
て係数a[k]を決めることができる。 ・クラスター分析 クラスター分析とは、k次元の多変量データxi(i=
[0,N−1])を適当な基準のもとに全部でC個の類
(クラス)に分ける手法である。クラスの数Cを決める
基準、およびデータ同士の分類の基準などは各種提案さ
れている。クラスの数に関しては、例えば、情報処理学
会第38回全国大会講演論文集7C−6(p206−2
07)の「赤池統計量基準による自動クラスタリング最
適化の一手法」などがある。データ同士の分類の基準に
k平均法、ファジィc平均法などがある。前述の「赤池
統計量基準による自動クラスタリング最適化のー手法」
ではk平均法を用いている。実際に欠陥に応用する際に
は、多変量データをいままでの特徴量の中から適切に選
ぶことが必要になる。
【0026】今までは教師なし学習のために類別すべき
項目の候補及び学習の方法について述べてきた。次に教
師つき学習の実際の運用について述べる。教師となる信
号を決めるのは作業者であるが、実際の作業者の判断
は、欠陥の有無についても、「欠陥がありそうだ」、
「欠陥があるかもしれない」、「欠陥があるかないかわ
からない」、等いろいろなレベルがあり、単にある、な
しの区別をつけることはできない。仮に欠陥が確実にあ
ると判定される場合でも、欠陥の種類については「絶対
にこの型に違いない」という確実な判断から、「多分こ
の型だろう」というあやふやな判断まで、大きな差があ
る。欠陥の位置を特定することに際しても同様である。
従って、教師データの扱いには十分注意しなければなら
ない。
【0027】この作業者の判定にあいまいさを取込んで
十分にモデル化できるのがファジィ理論である。実際に
ファジィ理論を応用したモデルとしては、線形回帰モデ
ルの入出力および回帰の係数をすべてファジィ数で置き
換えたモデル、ニューラルネットを構成してあいまい領
域をファジィ数で表現するモデルがある。本発明方法を
好適に実施することができる装置を実際にラインに据付
けデータを収集した。同時にオフラインで同一箇所にあ
たる場所で作業者の目視検査を行い、前記装置のデータ
と比較した。
【0028】まず各種特徴量をクラスタリングにかけた
り、あるいは回帰分析の対象としたりした。その結果の
一部を図6に示す。先に述べた赤池情報量基準によるク
ラスタリングの結果を同時に示している。この図はすな
わち、同一の信号から得られた上ヒンジ強度と最大強度
の近傍(20画素)平均強度を散布図としてプロットし
た結果であり、群31と群32に分かれていることがわ
かる。この結果は予想されるように、欠陥のない信号と
欠陥のある信号とを表していると考えられる。しかし、
この区分の結果は先験的な情報(教師)のない状態で得
られたのであるから、この結果を表す数字を新たに縮約
された情報として使うことができる。この場合は、クラ
スターの数2と、データを回帰した時に多項式回帰で最
善であると判断された多項式の次数1(すなわち直線回
帰)、および回帰次数を入力として教師つき学習に用い
ている。回帰直線33も図6に示してある。
【0029】最大強度近傍平均については、時系列デー
タを得た。その結果を図7に示す。周期性があるように
見え、実際に自己回帰モデルを立てて次数を調べてみる
と、次数50が最大と判定されるモデルが得られた。こ
のモデルによりスペクトルを調べてみると、最大スペク
トル強度を持つ振動数に対応しているのは、ロール回転
の周速度であることが分った。この場合は最適次数と最
大スペクトル強度をもつ周波数を欠陥認識判定装置18
の入力とすることにした。
【0030】さて、入力データは以上のような諸量をは
じめとする多くの有効な量が採取された。一方出力に対
応する教師データはファジィデータの形をとる。その一
例を図8に示す。これは作業者が「欠陥が恐らくあるだ
ろう」という信念に対応したメンバーシップ関数であ
る。このようなファジィ値を出力とする装置として欠陥
認識判定装置18を備えた。すなわち入力に関する重み
がファジィ値を持っているか、或は同一の内容を表す出
力(例えば欠陥存在)を2種類用意しておき、ひとつは
正の判定を行う(すなわち欠陥が存在すれば1を、欠陥
が存在しなければ0を出力する)出力端を、もう一つは
負の判定を行う(すなわち欠陥が存在すれば0を、欠陥
が存在しなければ1を出力する)出力端を用意して学習
させ、結果をファジィ値に換算する方法などがある。
【0031】以上の方法に従って欠陥検出を試みた。従
来方法としては、鋼板をカメラで撮像して、その画像を
二値化して異常領域を欠陥とする方法と、公知の方法と
して先に述べた特開平4−142412号公報による方
法を採用した(以下、この方法を複ニューラルネット法
と呼ぶ)。評価は次のように行った。まず作業者がオフ
ラインで欠陥があると確認する50例ごとに、本方法お
よび比較方法を比べて見る。評価項目は過検出率(作業
者が欠陥と判断しなかったが、装置が欠陥と判断してし
まった率)と不検出率(作業者が欠陥と判断したにもか
かわらず、装置が欠陥と判断できなかった率)の2種類
で比較した。過検出率を比較した図を図9に示す。二値
化方法は過検出率が高い。これはノイズに対する対策が
なされていないからである。一方複ニューラルネット法
は、学習した当初は非常に過検出率が少く、良好な結果
を得ている。ところが、時間が経過するに従って過検出
率が増加している。これはオンライン学習を行う仕組が
ないため、経時変化に追従できないことが原因であると
考えられる。本方法では、安定して低い過検出率を保っ
ていることがわかる。
【0032】図10は不検出率についての図である。図
9と同じように、二値化方法は不検出率が高いこと、複
ニューラルネット法は学習当初は不検出率がよいもの
の、時間が経つに従い不検出率が増大することが分る。
本発明方法では、時間経過後も安定して不検出率が低く
保たれている。以上のデータから、本方法が優れている
ことが分る。
【0033】なお、本実施例では、信号の強度の平均
値、偏差値、最大値などを演算する際、演算数を撮像装
置の素子数と同一の4096を使用したが、必ずしもこ
の必要はなく、演算時間を短くするために、512程度
に選定しても支障がないことも確かめられている。
【0034】
【発明の効果】本発明は教師なし学習と教師あり学習の
相互の利点を生かすようにしたもので、欠陥検出が作業
者によるものと同程度に信頼性があり、しかも経時変化
に追従できるように検出系を構成した。従って、作業者
の負荷が軽減され、作業者毎の経験や能力の違いによる
不具合を除去することができる。よって、産業上に寄与
するところが極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面欠陥検出方法を示す流れ図であ
る。
【図2】本発明を好適に実施できる装置の構成説明図で
ある。
【図3】1次元撮像素子からのデータを可視化した模式
図である。
【図4】図4は図3のAA’線分上の信号強度を表わし
た模式図である。
【図5】図5は図3のBB’線分上の信号強度を表わし
た模式図である。
【図6】2種類の特徴量をクラスタリングした結果と回
帰直線を求めた結果を示すグラフである。
【図7】最大強度近傍の平均の時系列変化を示すグラフ
である。
【図8】欠陥の存在の確信度に関するメンバーシップ関
数の一例である。
【図9】本発明方法と比較例による過検出率の時間変化
を示したものである。
【図10】本発明方法と比較例による不検出率の時間変
化を示したものである。
【符号の説明】
1 熱延鋼板 2 光源 3 光源架台 4 光源パターン 5 撮像装置 6 撮影装置架台 7 上位コンピュータ 11 メモリ 12 短期信号処理装置 13 信号特徴記憶装置 14 教師なし学習装置 15 作業者判断入力装置 16 推論装置 17 知識格納装置 18 欠陥認識判定装置 20 表示装置 21 記憶装置 22 背景部 23 欠陥部 31 群(欠陥のない信号) 32 群(欠陥のある信号) 33 回帰直線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横尾 雅一 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 内田 洋之 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 守屋 進 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラインを搬送中の検査対象材料の表面欠
    陥を検出するにあたり、 予め、検査対象材料の表面欠陥を検出するために必要な
    教師なし学習モデルおよび教師つき学習モデルを設定し
    ておき、次いで、検査対象材料の表面に関する情報およ
    び該ライン操業上の情報を入力し、該諸情報を該教師な
    し学習モデルを用いて所定の統計手法により類別する教
    師なし学習を行なった後、作業者により該教師つき学習
    モデルに表面欠陥の有無や欠陥の種類とその原因の因果
    関係について教示し該教師つき学習モデルのパラメータ
    を変更する教師つき学習を行なう第1の工程と、所定時
    間径過後の検査対象材料の表面に関する情報および該ラ
    イン操業上の情報を入力し、該諸情報を該教師なし学習
    モデルを用いて該統計手法により類別する教師なし学習
    を行ない、その結果に基づき該教師つき学習モデルのパ
    ラメータを変更する第2の工程とからなり、該教師つき
    学習モデルの出力から表面欠陥の有無や欠陥の種類とそ
    の原因の因果関係を判断すると共に、該教師つき学習モ
    デルの出力による表面欠陥の有無や欠陥の種類とその原
    因の因果関係の判断が作業者の判断と異なる場合は該第
    2の工程に引続き該第1の工程に移行し、該両判断が一
    致する場合は該第2の工程に引続き該第2の工程内の各
    手順を繰返すことを特徴とする表面欠陥検出方法。
  2. 【請求項2】 該教師つき学習に用いる教師信号はファ
    ジィデータとして記述されている請求項1記載の表面欠
    陥検出方法。
  3. 【請求項3】 該教師なし学習による情報の類別は回帰
    分析又はクラスター分析により求める請求項1記載の表
    面欠陥検出方法。
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