JPH0694521A - 焦電センサとそれを用いた空調制御法 - Google Patents

焦電センサとそれを用いた空調制御法

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JPH0694521A
JPH0694521A JP4242922A JP24292292A JPH0694521A JP H0694521 A JPH0694521 A JP H0694521A JP 4242922 A JP4242922 A JP 4242922A JP 24292292 A JP24292292 A JP 24292292A JP H0694521 A JPH0694521 A JP H0694521A
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JP
Japan
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pyroelectric
sensor
measurement
pyroelectric sensor
data
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Application number
JP4242922A
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English (en)
Inventor
Susumu Kobayashi
晋 小林
Koji Arita
浩二 有田
Nobuyuki Yoshiike
信幸 吉池
Katsuya Morinaka
克也 森仲
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、赤外線を測定する焦電素子を用い
た焦電センサとそれを用いた空調制御法に関するもので
あり、測定データ上で被測定空間を複数のブロックに分
割し、該ブロックの平均輻射熱を検出し、室内の熱分布
に応じた空調制御を可能にすることを目的とするもので
ある。 【構成】 回転部5には受光部を複数個ライン状に設け
たアレイ状の焦電素子2と、該焦電素子の前面に赤外線
を該焦電素子に集光するためのシリコンからなる赤外線
レンズ3を設け、さらに、レンズ前面には該レンズ3に
入射する赤外線を断続的に遮断するチョッパー4を設け
る。該回転部5はステッピングモータ6に機械的に接続
する。このような機構をとることにより、ステッピング
モータ6によって回転部を断続的に回転駆動させてセン
サおよびレンズが面している方向を左右に走査させなが
ら、前述と同様にチョッパーを駆動させて温度分布を測
定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線を測定する焦電
素子を用いた焦電センサとそれを用いた空調制御法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住居や職場等の居住空間における
快適性の追求に関心が高まりつつあり、それと同時に室
内環境を評価する新しい指標として、温熱要素としては
気温、平均輻射温度、気流、湿度の4因子、また人体側
要素として代謝量、着衣量の2因子を導入することが試
みられている。この中でも輻射熱の検知あるいは制御は
その重要性に比して現在まで最も考慮されなかった因子
であった。
【0003】ところで、一般に輻射熱の検知には、サー
モパイル、焦電型赤外線センサ、量子型赤外線センサ等
が用いられる。このうちサーモパイルは安価ではあるが
感度が悪く、量子型赤外線センサは高感度であるものの
非常に高価でかつ使用に際し液体窒素等による冷却が必
要であり、前者は防犯用や工場ライン制御等のさほど精
度を必要としない用途に、また後者は科学実験や軍事目
的等の限られた用途に用いられることが多い。焦電型赤
外線センサは比較的感度が高く、またさほど高価でない
ため最も広範に用いられる赤外線センサである。
【0004】一般家庭においては各部屋は勿論のこと一
つの部屋であっても壁面材が各壁面でまちまちである場
合も多く、即ち輻射熱量を一律に扱いきれない場合が多
い。従って、上述のような温熱環境制御を行なう場合、
本来個々の壁面輻射熱に対し個別に然るべき検知および
制御を行なうことが望ましい。
【0005】また、室内各壁面の輻射熱を個別に測定し
ようとするとき、設置の手間や美観などの観点から、複
数の赤外線センサを併用してこれを行なう手法は一般家
庭には馴染まない。従って、室内の固定点から、例えば
光学的あるいは機械的走査により全壁面を測定する手法
が望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来この手法
には以下に述べるような課題があった。
【0007】まず、室内固定点にセンサを設置しここか
ら室内全域を測定する場合には、当然のことながらセン
サと各測定部位の相対的位置(距離、測定角度等)は一
様でない。センサに入射する赤外線入射強度はこれらの
要因により著しく左右されるため、測定範囲全域にわた
って信頼性のある測定データを得るためには、各測定デ
ータにつきセンサとその測定部位との相対位置を明らか
にし、それに応じた適当な位置補正を行なう必要があ
る。しかし、従来の赤外線センサはこのことにたいする
配慮が欠けており、故に測定部位毎の輻射熱は正確に検
知できず、即ち室内の平均的な熱環境しか検知できなか
った。
【0008】次に、このことに起因して以下のような課
題があった。例えば暖房機、調理器等が放射する赤外線
強度は壁面等が放射するそれより著しく大きい。従っ
て、これらの機器が作動することにより、体感上の温熱
環境が充分に快適であっても測定データからは不快と判
定される場合がある。これを防ぐためには、測定データ
上で特異的な熱環境に起因する部分を削除する等の信号
処理が必要となるが、上述のように従来の赤外線センサ
においては、測定部位と測定データの整合がとれない故
にこれが不可能であった。
【0009】さらに、校正法が不十分であった。一般
に、焦電型赤外線センサにおいては入射赤外線強度と焦
電出力が比例する。また一般に、物体の放射赤外線強度
は、物体の温度にその物質固有の輻射率を乗じて求める
ことができる。従って、焦電センサの校正は温度及び輻
射率既知の物体を一定の条件下で測定したときの焦電出
力を基準に行なわれるべきものである。従来本法による
校正は製作時もしくは工場出荷時にのみ行なわれてき
た。しかし、使用時の校正は製作時以上に重要であるに
もかかわらず、従来これが考慮されることは殆どなく、
あるいは温度のみを校正因子とした不十分なものであ
り、それがデータの低信頼性の一因でもあった。
【0010】以上の説明より明らかなように、従来輻射
熱を制御因子とする空調制御は、主に検知装置及び検知
手段の不備により不可能であった。
【0011】本発明は上記課題を解決するもので、精度
のよい焦電センサと、状況にあった空調制御法を提供す
ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、焦電素子と、赤外線を断続的に遮断するチ
ョッパーと、チョッパー駆動手段と、測定データ上で被
測定空間を複数のブロックに分割しこのブロックごとの
平均輻射熱を検出する手段を備えたものである。
【0013】また、被測定空間と焦電センサの相対的位
置関係に係る情報を記憶するメモリ部と、該情報に基づ
く数学的処理により被測定空間を複数のブロックに分割
する手段を備えており、また、被測定部位の少なくとも
一部が、温度測定手段を備え輻射率既知である基準測定
部である。基準測定部が輻射率既知の校正板であり、温
度センサであることが好ましい。
【0014】基準測定部の温度測定手段より得られる温
度測定データと、該基準測定部を測定して得られる焦電
素子出力を照合する手段を備え、基準測定部測定データ
により、その他の測定部計測データを補正する構成であ
る。
【0015】また、上記の焦電センサの出力信号を空調
を制御する因子とする構成である。
【0016】
【作用】本発明は上記した構成により、測定部毎の輻射
熱を正確に検知する事ができ、測定部位と整合の取れな
い測定データ部を除くことができる。 これにより体感
温度に近い温度を検知し、空調などの機器に応用するこ
とができるものである。
【0017】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の一実施例を説明するための
焦電センサ本体1概略構成を示すものであって、回転部
5には受光部を複数個ライン状に設けたアレイ状の焦電
素子2と、該焦電素子の前面に赤外線を該焦電素子に集
光するためのシリコンからなる赤外線レンズ3を設け、
さらに、レンズ前面には該レンズ3に入射する赤外線を
断続的に遮断するチョッパー4を設ける。該回転部5は
ステッピングモータ6に機械的に接続する。このような
機構をとることにより、ステッピングモータ6によって
回転部を断続的に回転駆動させてセンサおよびレンズが
面している方向を左右に走査させながら、前述と同様に
チョッパーを駆動させて温度分布を測定することが可能
になる。なおこのとき、縦列の空間分解能は焦電素子中
の赤外線受光部の数に、横(左右)方向の空間分解能は
ステッピングモータ6の1回の回転角にそれぞれ依存す
るものである。例えば、赤外線レンズの画角を80度と
し、焦電素子に10個の受光部を設け(以後便宜上受光
部をA1,A2,---,A10のように呼ぶ。添え字は受光部番
号。)、ステッピングモーターの1回の回転角を3.6
度としてトータル180度回転させた場合には、センサ
位置から見て縦80度、横180度の空間を10×50
の分解能で温度分布を測定できることになる。以後、セ
ンサからみて上述のようにして分解された1つの被測定
空間のことを1視野と呼ぶ。
【0018】図2に測定機7内における電気信号に関す
るブロック図を示す。I/Oポート12にはステッピン
グモータ駆動部11、チョッパー駆動部10、センサ信
号処理回路部8およびCPU13が電気的に接続してお
り、また、CPU13にはクロック発生回路14、デー
タ記録部9が接続している。センサ信号処理回路部8は
焦電センサ本体1の信号を受ける。
【0019】図2、図3を用いて信号処理の方法につい
て説明する。図3に示したように、クロック発生回路1
4からの測定開始信号を受けて、ステッピングモータ駆
動部11にON信号が、またチョッパー駆動部10にも
ON/OFF信号が同時に送信され、モータが回転して
焦電素子およびレンズが測定開始方向へ向けられると同
時にチョッパー部の開/閉がなされる。即ち、ステッピ
ングモーターとチョッパーのON/OFFを同期させる
ことにより、タイミング良く測定が行なわれる。ここ
で、各受光部からはチョッパーの開/閉に合わせて、図
3に示すように測定視野とチョッパーの輻射赤外線の差
に応じた焦電出力が得られ、これで1方向の縦の温度分
布が測定できたことになる。
【0020】この焦電出力はセンサ信号処理回路部8に
おいて輻射熱に変換され、続いてデータ記録部9に保存
される。センサ受光部の数をnとすると、データの番地
は例えば、T1.1,T1.2,−−−,T1.nという形式を
とる。データ保存後、CPU13により、次のステッピ
ングモータ駆動信号が送信されると同時に、チョッパー
駆動ON/OFF信号が送信されて、一定角度だけモー
ターが回転し次の方向に対する測定が開始される。測定
後、同様の信号処理を行ないデータの番地をT2.1,T
2.2,−−−,T2.nとしてデータ記録部に保存する。こ
のようにm回方向を変えて測定し一回目の測定が完了す
る。
【0021】測定終了後、データ記録部よりデータを呼
び出しデータマトリクス T1.1,T2.1,−−,Tm.1 T1.2,T2.2,−−,Tm.2 −− −− −− −− T1.n,T2.n,−− Tm.n を作成する。これは即ち被測定空間の空間分解能n×m
の輻射熱分布に他ならない。その後ステッピングモータ
ー駆動部に信号が送られてセンサおよびレンズの方向が
最初の位置に戻り次回の測定を開始する。
【0022】以降、Tm.n(mはステップ数、nは受光
部番号)とは受光部番号nにおけるステップ数mのとき
の焦電出力である。また、Tm.*とはステップ数mにおけ
るデータの総称であり、T*.nとは受光部番号nのデータ
の総称であり、T*.*とは全データを表す。
【0023】続いて本焦電センサの補正法について説明
する。ここに、補正とは被測定部位の位置に基づく焦電
出力の変化を修正することである。一般に焦電出力は被
測定物との距離あるいは角度に大きく左右されるため、
正確な測定の為には常にこれを補正する必要がある。
【0024】ところで、上述したように本焦電センサに
おいては、焦電素子中の各受光部は縦方向に一定の大き
さおよび間隔を持って配列しており、その赤外線レンズ
との相対的位置も一定であり、ステッピングモーターの
測定開始位置および1ステップ毎の回転角も一定であ
り、さらに焦電センサは室内の特定部位に固定して用い
る。このときの室とセンサの相対的位置関係を図4に示
す。
【0025】図4においてθsとは水平走査によって生
じた測定開始からの回転角であり、θn(nは受光部番
号)とは赤外線レンズの設計および焦電素子と赤外線レ
ンズとの相対位置によって決まる各受光部固有の測定視
野角である。このときRは室寸法とセンサ取り付け位置
およびθs、θnにより自動的に決定し、個々の視野面積
は赤外線レンズの画角とθs、θn、Rにより自動的に決
定する。即ち、本焦電センサが測定する個々の視野はセ
ンサ本体を中心とする極座標上でこれらのパラメータを
用いて一義的に決定され、かつ測定毎に不変であるの
で、この特性を用いて以下に説明する如く比較的簡単に
補正を行なうことができる。
【0026】簡便のため、例えば、被測定壁面が均一な
温度と輻射率を有している場合、ある特定の受光部から
得られる焦電出力の、ステッピングモーターの回転に伴
う変遷を補正する場合を考える。ステップ数0の場合該
受光部が被測定壁面に正対し、その距離がR0であると
すると、このときの測定視野を基準視野としたときに同
一壁面上のデータは以下の大まかな関係式を満たす。 Tm.n1=T0.n1・(cosθs)・(R0/R1)2 (第一式) ここに右辺第2項は測定角度に起因する焦電出力減少を
表し、右辺第3項は距離起因の焦電出力減少を表す。
【0027】さらに、各受光部の特性が等価であるとい
う前提の基では、ある特定のステップ数において、上記
基準受光部からの出力(Tm.n1)と他の受光部からの出
力(Tm.n2)の間には大まかに以下の関係が成り立つ。 Tm.n2=Tm.n1・(cosθn)・(R1/R2)2 (第二式) となる。上記2式より第三式を得る。 Tm.n2=T0.n1・(cosθs・cosθn)・(R0/R2)2 (第三式) 従って、補正後データをT’m.n2とすると、被測定壁面
が均一の輻射を行なうという前提条件、即ちT0.n1=
T’m.n2を代入し T’m.n2=Tm.n2・(cosθs・cosθn)-1・(R2/R0)2 (第四式) の補正式を得る。
【0028】なお、本補正式は基本概念を示したもので
あり、これに角度依存の被測定面積補正項、角度依存の
レンズ反射光補正項、距離依存の赤外線吸収補正項等を
追加することが可能であり、また実験的に補正式を求め
たり、部屋の状況に応じて適宜補正項を追加・省略する
ことが可能であり、またそれが望ましく、本実施例に限
定すべきものではない。
【0029】なお、本補正式に用いるパラメータ、即ち
ある受光部の特定ステップ数におけるθs、θn、Rは
予め室とセンサの相対位置から計算し、補正式と併せて
データ測定機内に入力、保存される。また、室の寸法と
センサ取り付け位置を入力することにより自動的にこれ
らのパラメータを求める予備プログラムを測定機に常駐
させ、取り付け時にこれを起動させて決定する等の方法
も可能である。
【0030】上述の補正は基準受光部が基準視野を測定
したときの基準焦電出力が、基準視野の輻射熱を正しく
反映していることにより効果が増大する。そこで、基準
焦電出力を校正する必要がある。ここに校正とは、焦電
出力の環境要因(温度その他)に基づく変化を修正する
ことを指す。
【0031】そこで、図5を用いて実際の校正及び補正
法を説明する。センサ本体と対交する壁面上の、基準受
光部(例えばA2)があるステップ数(例えばm=2)にお
いて正対する特定視野を上述の基準視野と定め、これを
完全に覆う輻射率既知かつ温度センサ16を具備した校
正板15を設置する。これは電気的に測定機7に接続さ
れ、タイミングとしては例えば測定開始毎に基準温度信
号を取り込むようにする。測定終了後、測定機内で校正
板温度に輻射率を乗じた実輻射熱を求め、さらにこれを
基準焦電出力(この場合T2.2)で除し、基準受光部に
おける基準距離での単位出力当りの実輻射熱(便宜上T
s)を求める。次に、各データT*.*をデータ記録部9か
ら呼び出し、これにTsを乗じることにより、校正デー
タ(T*.*s)を得る。続いて校正データを上述の補正式
を用いて変換し、測定視野位置の影響を補正した補正デ
ータ(T’*.*s)を求め、再度これを補正後データとし
てT*.*に書き換える。なお、上記の処理は測定と並行
して逐次行なうなどしてもよく、また校正と補正はどち
らが先でも良いなど、タイミングや手順は特に本実施例
に限定されるものではない。
【0032】(実施例2)続いて本焦電センサにおける
データ処理様式の一例を説明する。実施例1に述べたよ
うに、本焦電センサが測定する個々の視野はセンサ本体
を中心とする極座標上で一義的に決定され、かつ測定毎
に不変である。従って、部屋設計図あるいは部屋実測寸
法を基に、どの受光部が何回目から何回目までのステッ
プ数において室内のどの部位を測定するのかを計算し、
これを予め測定機7に記憶させておき、前述のデータマ
トリクスを壁面別のデータブロックに分割させることが
できる。
【0033】例えば、図6に示す部屋を測定する場合、
特定の受光部が測定する視野(便宜上Smnのようにか
く)が上述の計算上以下のようになるとする。 受光部 視野番地 視野の変遷(ステップ数) (0-------10-------15-------20-------30) A1 S01.1〜S30.1 壁面C → → →壁面D A2 S01.2〜S30.2 壁面C → 窓E → 壁面C →壁面D A5 S01.5〜S30.5 床面B → → →床面B このとき、例えば受光部A2がステップ数11〜16において
窓を測定する、あるいは受光部A5はステップ数0〜30ま
で床のみ測定する等の情報を測定機7に記憶させ、図7
に示すように測定データT*.*を分割して記録させるこ
とにより、壁面毎の平均輻射熱を算出する、あるいは
窓、暖冷房器その他を測定した特異データを削除する等
の様々な信号処理が可能になる。
【0034】(実施例3)本実施例は実施例2のより改
良されたデータ処理法であり、データのブロック分割を
測定機7内にて自動的に行なうことを特徴とするもので
ある。
【0035】各々の受光部の測定する視野が、実施例2
と同様の記述を用いて以下のようであるとする。 受光部 視野番地 視野の変遷(ステップ数) (0-----10-----20-----30-----40-----50-----60) A1 S01.1〜S60.1 天井A → → → → → → → → → A2 S01.2〜S60.2 天井A → → → → → → → → → A3 S01.3〜S60.3 壁面A → → → → 壁面C → → → A4 S01.4〜S60.4 壁面A→窓E→壁面B→ 壁面C → → → A5 S01.5〜S60.5 壁面A → → → → 壁面C → → → A6 S01.6〜S60.6 壁面A → → → → 壁面C → → 床面D A7 S01.7〜S60.7 床面D → → → → → → → → → ちなみにこの時、実施例2に示したと同様に測定データ
をブロック分割すると図8のようになる。
【0036】ところで、一般家庭においては壁面、床
面、窓等はそれぞれ異なる材質で構成されているのが一
般的である。この場合、室温が一定かつ均一であっても
室内の各部では輻射熱量が異なるため、データマトリク
スにはこれが反映され、いくつかの等質性のあるデータ
ブロックが現われるため、例えば以下の信号処理手順を
行なうプログラムを測定機に常駐させ、測定データから
再計算によりブロック分割することができる。ただし、
本信号処理は実施例1記載の校正及び補正が正確に行な
われ、全ての測定視野の輻射熱が正しくデータに反映さ
れていることを前提とするものである。
【0037】1 デ−タのm方向への一次分割 一回目の測定において、一回のステッピング毎に得られ
るデータ(Tm.*)より図9に示すような一次分割を行
なう。即ち、Tm.1〜Tm.7を相互比較し、ある特定の有
意水準下で統計的検定を行なうことで類似性のあるもの
をまとめていく。
【0038】例えば上記データの場合、m=1〜10までは
Tm.1とTm.2、あるいはTm.3、Tm.4、Tm.5及びTm.6
は近似した値をとるので、それぞれ同一壁面を測定して
いるものと判断し、この時点でデータを3分割すること
ができる。その後m=10〜20の間でTm.3、Tm.4、Tm.5
およびTm.6を比較することでTm.4の特異的を認識しT
10.4〜T20.4を一つのブロックとして分割する。この時
点で分割されたブロック数は4になる。同様にm=60近傍
でT*.6が分割され、ブロック数は5になる。
【0039】2 データのi方向への二次分割 つぎに、各ブロックのm方向への連続性を調べ、図1に
示すような二次分割を行なう。例えばT*.3、T*.5、T
*.6およびT10.4〜T20.4を除くT*.4はこの時点では同
一ブロックに分類されているが、ステップ毎の平均(T
m.3+Tm.4+Tm.5+Tm.6)/4)とそのステップ数ま
でのブロック平均(Σ(Tm.3+Tm.5+Tm.4+Tm.6)
/4)/m)を上述の手法で比較することで、ステップ
数50近傍の不連続性を認識し、2ブロックに分けるこ
とができる。この時点で分割されたブロック数は6にな
る。
【0040】3 特異ブロックの削除 図11に示すように、上述のように分割されたブロック
がある一定の大きさに満たない場合は、特異点とみなし
ブロックとして扱わないことで、データ信頼性を向上す
ることができる。この場合、m=60近傍のT*.6がこれに
あたり、従って床面Dの輻射熱を反映するデータはT*.
7のみとなる。
【0041】以上のように分割されたデータのブロック
平均値を各壁面の平均輻射熱として算出し、実施例2同
様の効果を得る。なお、測定データのブロック分割信号
処理法に関しては他にも種々の方法があり、本実施例に
限定されるものではない。
【0042】(実施例4)実施例2及び実施例3を組合
せ、室内のセンサ設置位置をある程度指定(例えば室内
隅天井より距離20cm程度等)する事により、おおよそ
どのブロックがどの壁面の測定データに相当するか(例
えば受光部A1は常に天井Aを測定し、また受光部A7は常
に床面Dを測定する等)の情報を予め測定機7に記憶さ
せることが可能であり、これにより実施例3記載の自動
ブロック分割の信頼性をより高め、また信号処理プログ
ラムを簡略化し、また信号処理回路の負担を軽くするこ
とができる。この情報は予め行なわれる実験により何通
か用意し、実際使用する部屋の状態に合わせて選ぶなど
することが望ましい。
【0043】(実施例5)本実施例は上述の実施例に基
づく応用制御法の一例である。
【0044】例えば、図5において、壁面B及びCが同
じ材質で構成され天井A、床D及び窓Eが相互に異なる
壁面とは違う材質で構成される室にセンサを設置した場
合を考える。センサの測定視野が上記5箇所にまたがる
場合、室内が熱的に均一(全ての面の温度が等しい)な
らば、上述の測定を行なったときのデータブロック数は
4、即ち天井A、壁面B及びC、床Dおよび窓Eの輻射
熱の差異を反映するものとなる。しかし、例えば窓Eよ
り入る直射日光により床面Dの一部が著しく昇温してい
る、あるいは壁面Cに冷房機を設置したため壁面Bに比
べ著しく冷却されている等の理由で室内が熱的に不均一
な場合には、データブロック数はさらに多くなる。
【0045】即ち、期待されるデータブロック数と実測
データブロック数を照合することにより室内の熱的な不
均一を検知することが可能であり、これは例えば上述の
ような室内構成を勘案して決定される期待ブロック数
(便宜上B1)を入力し、実測ブロック数(便宜上B2)
がこれを大きく上回る(例えばB2>1.2・B1)場合を
判別するプログラムを測定機7内に常駐させる等の手法
により可能となる。
【0046】また、これに加え測定データの全ブロック
平均(便宜上AV.B*)を算出し、これと特定ブロックの
ブロック平均(便宜上AV.Bi、iはブロック分割により
付与されるブロック番号)と照合し、両者に著しい開き
がある(例えばAV.Bi>1.5・AV.B*)場合を判別する
プログラムを測定機内に常駐させる等の手法によっても
室内の熱的不均一を検知することが可能である。
【0047】本実施例の空調制御における意義は以下の
ようなものである。例えば冬季に採暖のため局所暖房器
具を用いた場合、室内の空気循環が不十分であると床に
比べて天井の輻射熱が著しく高くなり、不快であるばか
りでなく暖房器の採暖への寄与が充分でなくなる。この
現象は不均一輻射と言われ、一般に頭近傍と足近傍の気
温差が3度以上になると不快であるといわれる。また、
各壁面の温度差に起因する局部気流が不快感の原因とな
ることがある。これはドラフト効果と呼ばれるが、一般
に冬季では0.15m/s、夏季では0.25m/s以
内の局部気流が望ましいとされている。その他、冬季に
起こる窓表面温度の低下あるいは夏季に起こる直射日光
の入射なども人体に不快感を与えることが知られてい
る。従って、本焦電センサに上述のような動作をさせる
ことにより、人体が不快感を覚える以前に室内の不均一
な熱環境を検知することが可能である。
【0048】なお、不均一検知のための信号処理は他に
も様々あり、本実施例に限定されるものではない。
【0049】(実施例6)また、上述の室内熱的不均一
検知をもとに、空調機器等に然るべき制御を行ない、こ
れを抑制あるいは予防することが可能となる。例えば、
室内の天井、壁面等の適当な位置に冷暖房輻射パネルを
設け、この制御部を電気的に本焦電センサと接続し、実
施例5記載の手法により、熱的不均一の原因と判断され
た特定ブロックに相当する部位を適当に冷暖房する等の
制御が可能である。同様の目的及び手法で、例えばエア
コン等空調機器の温冷風吹き出し方向の制御、あるいは
電気カーペット等局所暖房器具の出力制御、あるいはサ
ーキュレーター等循環器具の運転モード制御等が可能で
ある。また、直射日光を遮断するためのブラインドシャ
ッターの制御、あるいは特に冬季に有効であるカーテン
等開閉による窓近傍部の断熱などにも応用が可能であ
り、接続機器については特に本実施例に限定されるもの
ではない。
【0050】(実施例7)実際に上述の装置を用いて1
0×10×2mの室内の各壁面輻射熱を測定した。セン
サ本体にはPbTiO3からなる8受光部の焦電素子を用い、
また画角80度のSi系赤外線レンズを用い、またステ
ッピングモーターの1ステップ当りの回転角およびステ
ップ数はそれぞれ3.0度、40回に設定した。従って
本焦電センサはセンサを中心に縦80度、横120度の
空間を8×40の空間分解能で測定することができる。
これを室内隅天井近傍に適当な仰角を持たせて設置する
と、天井、床を含む室内のほとんどの部位が測定範囲内
となる。
【0051】まず、本焦電センサの精度を確認するため
以下の実験を行なった。即ち、室内を熱的に均一な状態
に保ち、室内各壁面には輻射率の等しいパネルを貼り、
また校正板として銅板に黒色塗料を塗布したものを用い
た。各壁面及び校正板には熱電対を貼付し、各壁面の温
度と輻射率を乗じた理論輻射熱を基準にセンサの測定精
度を判定した。パネル材質や室温を様々に変化させて上
記実験を行なった結果、補正後の測定データTm.n(デ
ータ数8×40=320)についてはおおよそ80%程度のデータ
が測定誤差±10%以内に収まり、補正を行なわない場合
に比べ3倍近い正確度が得られた。
【0052】続いて、上述のパネルを天井、壁、床につ
いてそれぞれ輻射率の異なるものに変更し実施例3記載
のブロック分割を行なったところ容易にこれが可能であ
り、判別能としてはパネル間の輻射率の差が0.1程度で
識別可能であった。また、窓ガラスや採暖器具、人体な
どの発熱体を認識することが可能であり、またこれらを
特異ブロックとしてデータから削除することも可能であ
った。また、実施例5の検証実験として、熱的に不均一
な室内で本焦電センサの測定と人体による申告実験を並
行して行なった場合、常に人体が不快を感ずる以前に熱
的不均一を検知することが可能であった。さらに実施例
6記載の冷暖房輻射パネルによる空調制御と人体による
申告実験を並行して行なった場合にも、熱的不均一によ
る不快を人体に覚えさせぬような制御が可能であった。
【0053】
【発明の効果】上述の説明より明らかなように、本焦電
センサによれば、従来困難であった被測定部位に左右さ
れない高精度測定が、比較的簡単な制御により可能であ
る。このことにより、被測定空間を熱分布に応じてブロ
ック分割し、各ブロック個別の信号処理を行なうことが
可能であり、もってブロック単位の制御を行なうことを
可能とし、輻射熱も考慮にいれたより体感温度に近い温
度を検知し、空調などの機器に応用することができる。
よって快適な温熱環境を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における焦電センサの機構概
略図
【図2】測定機内におけるブロック図
【図3】測定機内における制御信号および測定信号のタ
イミング図
【図4】本発明の一実施例における測定データの補正原
理を示す図
【図5】本発明の一実施例における焦電センサと被測定
空間との相対位置を示す概略図
【図6】本発明の一実施例における測定視野を示す概略
【図7】本発明の一実施例における測定データの処理法
を示す概略図
【図8】本発明の異なる実施例における測定データの処
理法を示す概略図
【図9】本発明の異なる実施例における測定データの処
理法を示す概略図
【図10】本発明の異なる実施例における測定データの
処理法を示す概略図
【図11】本発明の異なる実施例における測定データの
処理法を示す概略図
【符号の説明】
1 焦電センサ本体 2 焦電素子 3 赤外線レンズ 4 チョッパー 5 回転部 6 ステッピングモーター 7 測定機 8 センサ信号処理回路部 9 データ記録部 10 チョッパー駆動部 11 ステッピングモーター駆動部 12 I/Oポート 13 CPU 14 クロック発生回路 15 校正板 16 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森仲 克也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焦電素子と、赤外線を断続的に遮断するチ
    ョッパーと、チョッパー駆動手段と、測定データ上で被
    測定空間を複数のブロックに分割しこのブロックごとの
    平均輻射熱を検出する手段を備えた焦電センサ。
  2. 【請求項2】被測定空間と焦電センサの相対的位置関係
    に係る情報を記憶するメモリ部と、該情報に基づく数学
    的処理により被測定空間を複数のブロックに分割する手
    段を備えたことを特徴とする請求項1記載の焦電セン
    サ。
  3. 【請求項3】被測定部位の少なくとも一部が、温度測定
    手段を備え輻射率既知である基準測定部であることを特
    徴とする請求項1記載の焦電センサ。
  4. 【請求項4】基準測定部が輻射率既知の校正板であり、
    温度センサを備えたことを特徴とする請求項3記載の焦
    電センサ。
  5. 【請求項5】基準測定部の温度測定手段より得られる温
    度測定データと、該基準測定部を測定して得られる焦電
    素子出力を照合する手段を備えたことを特徴とする請求
    項3記載の焦電センサ。
  6. 【請求項6】基準測定部測定データにより、その他の測
    定部計測データを補正することを特徴とする請求項5記
    載の焦電センサ。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5、または6記載
    の焦電センサの出力信号を制御因子とすることを特徴と
    する空調制御法。
JP4242922A 1992-09-11 1992-09-11 焦電センサとそれを用いた空調制御法 Pending JPH0694521A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8809980B2 (en) 2010-03-01 2014-08-19 Rohm Co., Ltd. Infrared sensor
WO2019220631A1 (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 三菱電機株式会社 空気調和機の室内機

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WO2019220631A1 (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 三菱電機株式会社 空気調和機の室内機
JPWO2019220631A1 (ja) * 2018-05-18 2021-03-11 三菱電機株式会社 空気調和機の室内機

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