JPH069424A - 経粘膜用製剤 - Google Patents

経粘膜用製剤

Info

Publication number
JPH069424A
JPH069424A JP5084602A JP8460293A JPH069424A JP H069424 A JPH069424 A JP H069424A JP 5084602 A JP5084602 A JP 5084602A JP 8460293 A JP8460293 A JP 8460293A JP H069424 A JPH069424 A JP H069424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agent
factors
peptide
microliters
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5084602A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Igari
康孝 猪狩
Minoru Yamada
稔 山田
Shigehisa Taketomi
滋久 武冨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP5084602A priority Critical patent/JPH069424A/ja
Publication of JPH069424A publication Critical patent/JPH069424A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】生理活性ペプチドまたは蛋白質の経粘膜用製剤
を提供する。 【構成】生理活性ペプチドまたは蛋白質とシチジンヌク
レオチド誘導体とを含有する製剤を製造した。 【効果】上記製剤化によって通常では粘膜吸収されにく
い生理活性ペプチドまたは蛋白質であっても粘膜からの
吸収が良好である。従って、患者への苦痛を伴う注射で
はなく鼻粘膜、腟粘膜、消化管粘膜などの粘膜に自己投
与できることから、長期間連投が必要な生理活性ペプチ
ドまたは蛋白質の投与用製剤として極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生理活性ペプチドまたは
蛋白質を含有する経粘膜用製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生命活動を維持するためにホルモンある
いはサイトカインなどのペプチドが多種多様かつ重要な
働きを生体内でおこなっていることが近年明らかになっ
てきた。また、最近の合成技術、遺伝子工学の進歩によ
り天然に存在するペプチドあるいは蛋白質もしくはこれ
らのアミノ酸組成を変化させたものが、純粋にかつ大量
に生産されるようになり医薬品としての応用が期待され
ている。ところが、一般的にこのような生理活性ペプチ
ドあるいは蛋白質は胃腸管内で消化液によって分解され
たり、あるいは消化管壁の酵素により加水分解を受ける
ことが知られており、また吸収も悪いことが知られてい
る。従って充分な薬効を期待するためにはこれらの生理
活性ペプチドあるいは蛋白質の投与法は通常、経口投与
ではなく注射による投与が行なわれているが、患者に与
える苦痛は大きく、また自己投与が出来ないことも患者
には大きな負担であり、特に連続投与時において問題で
ある。最近、このような生理活性ペプチドあるいは蛋白
質を簡便に投与する方法として鼻粘膜、消化管粘膜ある
いは腟粘膜からこれらの生理活性ペプチド等を吸収させ
る経粘膜投与法が提案されている。この場合、カルシト
ニン、インスリン、副甲状腺ホルモン(PTH)などの分
子量の大きいペプチドあるいは蛋白質はそのまま単に投
与しても吸収され難いため、吸収促進剤を含有させるこ
とが行なわれている。このような製剤としては、次のよ
うなものが知られている。
【0003】特開昭58−189118号公報には生理
活性を有するポリペプチドと粘膜吸収促進剤としてシク
ロデキストリンを含有する経鼻投与製剤の技術が開示さ
れている。特開昭59−89619号公報、および特開
昭59−130820号公報には両性、カチオン性など
のイオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤が
吸収促進剤として用いられ、その中でも非イオン性であ
るポリオキシエチレンラウリルエーテルのようなエーテ
ル型界面活性剤の吸収促進効果が特にすぐれていること
が開示されている。しかしながら、このエーテル型界面
活性剤は鼻粘膜を破壊し、これにより内部への薬物透過
機能を発揮するもので、組織障害性を有しており、その
まま実用化するには問題があるといわれている。特開昭
59−89619号公報、特開昭59−130820号
公報、特開昭61−194034号公報、特開昭64−
50823号公報、特開平1−501550号公報およ
び特開平2−503915号公報には例えばベンザルコ
ニウムクロライド、あるいは胆汁酸塩、あるいは燐脂質
などの表面活性剤を吸収促進剤として含む鼻腔内投与用
医薬組成物の技術が開示されているが、粘膜への刺激は
さけられず長期に渡る連続投与は難しいといわれてい
る。
【0004】特開昭61−118325号公報には塩基
性および/または中性アミノ酸を、特開昭61−126
034号公報にはアルドースを、特開昭61−2675
28号公報にはポリエチレングリコール400を、そし
て特開昭63−39822号公報には蔗糖脂肪酸エステ
ルをそれぞれ吸収促進剤として含有するカルシトニン経
鼻剤の技術が開示されている。しかしながら、これらの
吸収促進剤についても粘膜障害性があることが多い。
【0005】特開平1−501550号公報にはフォス
ファチジルコリンおよびフォスファチジルエタノールア
ミンなどの燐脂質の誘導体を吸収促進剤として含有する
インスリンなどのポリペプチドの鼻腔内投与用製剤の技
術が開示されている。また、特開平2−503915号
公報にはリゾレシチン、リゾフォスファチジルエタノー
ルアミン、リゾフォスファチド酸等を界面活性剤として
含有する技術が開示されている。これらは生体内に存在
しかつ生体で代謝されるものであるが、界面活性剤の一
種であるので刺激性が懸念される(スーザン、チャンド
ラーら、インターナショナル ジャーナル オブ ファー
マシューティックス、76巻、61−70ページ、19
91年)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生理活性ペ
プチドあるいは蛋白質を鼻粘膜、消化管粘膜、腟粘膜等
あるいは肺粘膜から、吸収良くしかも粘膜に障害性が無
い経粘膜製剤を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意研究をおこなった結果、シチジンヌ
クレオチド誘導体と生理活性ペプチドとを含有する製剤
を経鼻あるいは経腟投与したところ、該ペプチドの粘膜
よりの吸収が著しく促進されることを見いだし、さらに
鋭意研究をおこなった結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は生理活性を有するペプチドまたは蛋
白質とシチジンヌクレオチド誘導体とを含有する経粘膜
用製剤である。
【0008】本発明における生理活性を有するペプチド
または蛋白質としては、たとえば抗生物質、増血剤、感
染症治療剤、抗痴呆剤、抗ウィルス剤、抗腫瘍剤、解熱
剤、鎮痛剤、消炎剤、抗潰瘍剤、抗アレルギー剤、抗欝
剤、向精神薬、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降
圧利尿剤などの降圧剤、糖尿病治療剤、抗凝血剤、コレ
ステロール低下剤、骨粗しょう症治療剤、ホルモン剤、
ワクチンなどとして用いられるものが挙げられるが、こ
れに限定されるものではない。
【0009】本発明においては、生理活性を有するペプ
チドあるいは蛋白質としては、2個以上のアミノ酸残基
から構成される生理活性を有するペプチドおよびその誘
導体が用いられる。その分子量は約200−20000
0のものが好ましい対象としてあげられる。さらに好ま
しくは分子量約200〜100000、特に好ましくは
分子量約200〜50000である。該生理活性ペプチ
ドまたは蛋白質は単独投与で粘膜から吸収されるもので
もよく、吸収されにくいものでもよい。ここでいう吸収
されにくいとは、吸収促進剤が存在しないと通常の投与
量では治療効果が発現するほどは吸収されないことをい
う。また、これらペプチドの作用機作としてアンタゴニ
スト、アゴニスト、またはこれらの可溶性リセプターお
よびそれらの誘導体も挙げられる。また、該ペプチドの
アミノ酸構造の一部を変更あるいは追加あるいは削除し
たミューテイン(mutein)も含まれる。さらに、これら
ペプチドまたは蛋白質はその活性を有するかぎりこれら
のフラグメントも含まれる。また、糖鎖を有するものに
ついてはその構造の異なるものも含まれる。場合によっ
て、ポリエチレングリコールなどの合成ポリマーあるい
はヒアルロン酸などの天然ポリマーで修飾されていても
よいし、ガラクトース,マンノース等の任意の糖、ある
いは糖鎖あるいは非ペプチド性化合物で修飾されていて
もよい。該修飾において付加される物質は任意のレセプ
ター、抗体などへ結合しうるものでもよく、また燐脂
質,脂肪酸などの生理活性ペプチドまたは蛋白質に脂溶
性を付加するものでもよい。また、本来の薬理活性を発
現するのに必要なアミノ酸配列に加えて、例えば任意の
レセプター、抗体などへ結合しうるペプチドを付加した
ハイブリッドペプチドも含まれる。また、複数のペプチ
ドを化学的に結合したものあるいはこれら複数のペプチ
ドの機能を一つのペプチドの中に持つように合成した遺
伝子から発現されるペプチドも含む。
【0010】本発明におけるペプチド、蛋白質としては
上記のものが挙げられ、以下にその具体例を示すが、こ
れ以外の公知のペプチド、蛋白質を除外するものではな
い。該ペプチド、蛋白質は天然に生産されるものでもよ
く、遺伝子組み換えの手法によるものでもよく、また、
化学合成によるものでもよい。該ペプチド、蛋白質の例
としてはサイトカイン、ペプチドホルモン、成長因子、
心臓血管系に作用する因子、細胞接着因子、中枢および
末梢神経系に作用する因子、体液電解質および血液有機
物質に作用する因子、骨および骨格に作用する因子、消
化器系に作用する因子、腎および泌尿器系に作用する因
子、結合組織および皮膚に作用する因子、感覚器官に作
用する因子、免疫系に作用する因子、呼吸器系に作用す
る因子、生殖器系に作用する因子、および酵素が挙げら
れる。該ペプチド、蛋白質としては、なかでも、サイト
カイン、ペプチドホルモン、成長因子、心臓血管系に作
用する因子、中枢および末梢神経系に作用する因子、体
液電解質および血液有機物質に作用する因子、骨および
骨格に作用する因子、消化器系に作用する因子、免疫系
に作用する因子、呼吸器系に作用する因子、生殖器系に
作用する因子、および酵素が好ましい。
【0011】上記サイトカインの例としては、例えばリ
ンフォカイン、モノカイン、造血因子が挙げられる。該
リンフォカインとしては、例えばインターフェロン類
(例、インターフェロン−α、−β、−γ)、インター
ロイキン類(例、インターロイキン−2〜11)などが
挙げられる。該モノカインとしては、例えばインターロ
イキン−1、腫瘍壊死因子(例、TNF−α、−β)、
悪性白血球阻止因子(LIF)などが挙げられる。造血
因子の例としては、例えばエリスロポエチン、顆粒球コ
ロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球−マクロファー
ジコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージ
コロニー刺激因子(M−CSF)などが挙げられる。該
造血因子として、さらに血小板新生(増殖)作用を持つ
因子が挙げられ、例えば、白血球増殖因子製剤(リュー
コプロール、森永乳業)、スロンボポイエチン、血小板
増殖刺激因子および巨核球増殖(刺激)因子が挙げられ
る。骨および骨格に作用する因子の例としては、例え
ば、骨Glaペプチド、副甲状腺ホルモンまたはその活
性フラグメント(オステオスタチン、Endocrinology,1
29,324(1991))、ヒストンH4−関連骨形
成増殖ペプチド(OGP,The EMBO Journal, 1
1,1867(1992))、またはこれらのミューテ
イン、またはこれらの誘導体、またはこれらのアナログ
が挙げられる。上記成長因子の例としては、例えば、神
経成長因子類(NGF、NGF−2/NT−3)、上皮
細胞増殖因子(EGF)、線維芽細胞成長因子(FG
F)、インスリン様成長因子(IGF)、形質転換成長
因子(TGF)、血小板由来細胞成長因子(PDG
F)、肝細胞成長因子(HGF)などが挙げられる。
【0012】上記ペプチドホルモンの例としては、例え
ばインスリン、成長ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホ
ルモン(LH−RH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACT
H)、アミリン、オキシトシン、黄体形成ホルモンなど
の生殖器に作用する因子またはこれらの誘導体、類縁
体、同族体などが挙げられる。該LH−RHの類縁体と
しては公知のものが挙げられるが、例えば米国特許第4
008209号公報、同4086219号公報、同41
24577号公報、同4317815号公報、同511
0904号公報に記載されたものが挙げられる。心臓血
管系に作用する因子としては血圧、動脈硬化などをコン
トロールする因子、例えばエンドセリン、エンドセリン
インヒビター、エンドセリンアンタゴニスト(例えばヨ
ーロッパ特許公開436189号公報、同457195
号公報、同496452号公報、特開平3−94692
号公報、同130299号公報に記載)、エンドセリン
生成酵素阻害剤、バソプレシン、レニン、アンギオテン
シンI、アンギオテンシンII、アンギオテンシンIII、
アンギオテンシンIインヒビター、アンギオテンシンII
受容体アンタゴニスト、心房ナトリウム利尿ペプチド
(ANP)、抗不整脈ペプチドなどが挙げられる。上記
中枢および末梢神経系に作用を持つ因子としては例え
ば、鎮痛麻酔ペプチド(例、エンケファリン、エンドル
フィン、キョートルフィン)、ニューロトロピックファ
クター(NTF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド
(CGRP)、アデニレートサイクラーゼ活性化ポリペ
プチド(PACAP)、甲状腺ホルモン放出ホルモン
(TRH)、TRHの塩、その誘導体(特開昭50−1
21273(米国特許No.3959247)、特開昭
52−116465(米国特許No.410015
2))、ニューロテンシンなどが挙げられる。消化器系
に作用する因子としては、例えばセクレチン、ガストリ
ンなどが挙げられる。
【0013】体液電解質と血液有機物に作用する因子の
例としては、例えばカルシトニン、アポプロテインE、
ヒルディンなどの血液凝固、プラズマ中コレステロール
濃度や金属イオンの濃度をコントロールする因子などが
挙げられる。細胞接着因子の例としては、例えば、ラミ
ニンや細胞間接着因子1(ICAM1)などが挙げられ
る。さらに腎臓および尿路系に作用する因子として、腎
臓の機能を制御するもの、具体的には脳由来ナトリウム
利尿ペプチド(BNP)、ウロテンシンなどが挙げられ
る。また感覚器官に作用する因子の例として、諸器官の
感受性を支配する因子、例えばサブスタンスPなどが挙
げられる。上述の免疫系に作用する因子として、炎症や
悪性新生物を支配する因子や感染性微生物を攻撃する因
子、例えば走化性ペプチドやブラディキニンなどが挙げ
られ、さらにこれには天然に生産され、あるいは化学合
成または遺伝子工学の手法で生産され抗原になりうるペ
プチドあるいは蛋白質、例えば杉花粉あるいはぶたくさ
花粉などが挙げられる。これらは単独で、あるいはハプ
テンに結合された状態であるいはアジュバンドとともに
本発明の組成で投与される。上述の呼吸器系に作用する
因子の例として、喘息反応を支配する因子などが挙げら
れる。該ペプチド、蛋白質はさらに天然由来のあるいは
遺伝子組み換え法により生産される酵素が含まれてもよ
く、投与可能な酵素として例えばスーパーオキサイドデ
ィスミュターゼ(SOD)、アスパラギナーゼ、カリク
レインなどが挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。これらのペプチド、蛋白質には該ポリペプチドの
可溶性リセプターをその概念に含む。これらのペプチ
ド、蛋白質にはそれぞれポリエチレングリコールのよう
な合成ポリマー、あるいはコンドロイチン、多糖類のよ
うな天然ポリマー、または非ペプチド性物質で化学的に
修飾されたものを含んでもよい。ここでいう非ペプチド
性物質はレセプターに対するリガンドでもよいし、抗体
に対する抗原でもよい。さらに上記のペプチド、蛋白質
は複数のペプチドが化学的な方法または遺伝子組み換え
技術により結合されたものを含んでもよい。
【0014】さらに本発明におけるペプチドまたは蛋白
質としては天然物由来、あるいは遺伝子工学的手法もし
くは化学的手法により合成される副甲状腺ホルモン、そ
のミューテインあるいはこれらの誘導体が挙げられる。
さらに該ペプチドのN末端側の34個のアミノ酸からな
る活性フラグメントが挙げられる。この例としては平成
2年特許願第257490号に記載されているヒトPT
H(1→34)誘導体、即ち、次の一般式〔I〕で示す
ペプチドまたはその塩が例示される。 R1-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-R2-His-Asn-R3-R4-R5-His
-Leu-Asn-Ser-R6-R7-Arg-R8-Glu-R9-Leu-R10-R11-R12-L
eu-Gln-Asp-Val-His-Asn-R13 〔I〕 〔式中R1はSerまたはAibを、R2はMet または天然型の脂
溶性アミノ酸を、R3はLeu, Ser, Lysまたは芳香族アミ
ノ酸を、R4はGly またはDーアミノ酸を、R5はLysまた
はLeuを、R6はMet または天然型の脂溶性アミノ酸を、R
7はGlu, または塩基性アミノ酸を、R8はValまたは塩基
性アミノ酸を、R9はTrpまたは2−(1,3−ジチオラン
−2−イル)Trpを、R10はArgまたはHisを、R11はLysま
たはHisを、R12はLys、GlnまたはLeuを、R13はPheまた
はPhe-NH2を示すが、同時にR1がSer, R2がMet, R3がLe
u, R4がGly, D-AlaまたはD-Pro, R5がLys,R6がMet, R7
がGlu, R8がVal, R9がTrp, R10がArg, R11がLys, R12
がLysである場合を除く〕(配列番号:1) 上記ペプチドにおいてR2, R6における天然型の脂溶性ア
ミノ酸としては天然(動物、植物または微生物)の蛋白
質を構成するアミノ酸のうち脂溶性のものをいい、具体
的にはLeu, Ile, Val, PheおよびTrp等が挙げられる。R
3における芳香族アミノ酸としてはPhe, β−ナフチルAl
a, TrpおよびTyrなどが挙げられる。R4におけるD−ア
ミノ酸としては、D−アミノ酸であれば、特に限定され
るものではなく、具体的にはD-Leu, D-Ile, D-Nle, D-V
al, D-Ser, D-Ser(But), D-Abu,D-Thr, D-Nva, D-Met,
β−ナフチルD-Ala, D-Trp, D-Tyr, D-Lys, D-Lys(Fmo
c), D-Phe, D-Asnなどが挙げられるが、一般に中性アミ
ノ酸が好ましく、例えばD-Ser, D-Leu, β−ナフチルD-
Ala, D-Trp, D-Asn, D-Tyr等が挙げられる。R7, R8にお
ける塩基性アミノ酸としてはArg, Lys, Asn, His等が挙
げられる。これらの置換は一箇所だけではなく、何箇所
かの置換の組み合わせも可能であり、特に3箇所までの
置換の組み合わせが好まれる。
【0015】さらに、PHT作用を有するペプチドとし
ては平成4年特許願第63517号明細書に記載されて
いる次の一般式〔II〕で示すヒトPTH(1→34)誘
導体またはその塩が例示される。 Ser-Val-R1-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys
-His-Leu-R2-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-R3-R4-
R5-Leu-Gln-Asp-Val-His-Asn-R6 〔式中R1はSerまたは炭素数4以下のD−αアミノ酸
を、R2、R3、R4およびR5は水溶性α−アミノ酸を、R6
PheまたはPhe NH2を示す。(ただし同時にR1がSer,R2
がAsn,R3がArgまたはHis,R4がLysまたはHis,R5がLy
s,LeuまたはGlnである場合を除く)〕 さらに、WO92/00753号公報に記載のPTH
(1→34)誘導体や特開平4−247034号公報に
記載のヒトPTHフラグメントも本発明の対象となり得
る。
【0016】本発明でいうシチジンヌクレオチド誘導体
のシチジンヌクレオチドとは、シチジンの糖部分におけ
る任意の−OH基が1個以上リン酸化されたものであ
り、モノ、ジまたはトリリン酸体のいずれであってよ
い。また、該誘導体とは上記のシチジンヌクレオチドの
リン酸部位の一ないし複数の酸素原子が他の原子あるい
は置換基で置換されているものをいい、ここでいう他の
原子としては、例えばイオウ,窒素などが、また置換基
としては、低級アルキル,低級アルコキシ,アミドなど
が挙げられる。さらに、該誘導体としてグルコースなど
の糖,コリンなどの4級アンモニウム化合物がエステル
結合しているものが挙げられる。本発明のシチジンヌク
レオチド誘導体は、生理的に許容しうるものであって、
生理活性ペプチドまたは蛋白質を粘膜から吸収させる際
に、その吸収を促進させる作用を持つものであればよ
い。ペプチド、蛋白質が粘膜から吸収される際には、そ
れぞれの性質に応じて様々なルートが考えられる。例え
ば粘膜を構成する細胞の間隙を経由して血管壁に到達す
るルート、あるいは受動的あるいは能動的に細胞に取り
込まれた後、これをそのまま排出することを繰り返して
血管壁に到達するルートなどが考えられる。本発明のシ
チジンヌクレオチド誘導体はペプチド、蛋白質がこれら
のルートを通過するのを促進させてもよいし、また、粘
膜局所の血管壁に直接作用することにより吸収を促進さ
せてもよい。また、これに限定されず他のメカニズムに
よりペプチド、蛋白質の吸収を促進させてもよい。ま
た、本発明のシチジンヌクレオチド誘導体はペプチド、
蛋白質と相互作用し複合体を形成することにより、吸収
促進させてもよい。その具体例としては一般名シチコリ
ン(Citicoline)、化学名シチジンジフォスフェートコ
リン(Cytidine diphosphate choline)、分子式C14
264112で表される物質が挙げられる。本物質は脳
外傷時の燐脂質代謝異常と意識及び脳の機能並びに病態
変化に関する生化学的、薬理学的研究から開発された薬
物であり、臨床的に脳損傷に伴う意識障害、脳梗塞急性
期意識障害、脳卒中片麻痺、パーキンソン病に対して有
用性が認められている(ニコリンH注射液使用説明書、
武田薬品)。また、急性膵炎、慢性再発性膵炎の急性増
悪期、または術後の急性膵炎に対して蛋白分解酵素阻害
剤との併用療法にも用いられている。本化合物はレシチ
ンの分解を抑制し、燐脂質生合成を促進することにより
燐脂質代謝を改善することが知られている。多くの臨床
使用実績から、その安全性は確立されている。従って該
化合物と生理活性ペプチドまたは蛋白質とを含有する医
薬組成物の鼻粘膜、腟粘膜等の粘膜から安全に投与する
ことができる。
【0017】生理活性ペプチドまたは蛋白質対シチジン
ヌクレオチド誘導体の重量比は、好ましくは10000
0:1〜1:100000、さらに好ましくは1000
0:1〜1:10000、より好ましくは100:1〜
1:10000、もっとも好ましくは1:1〜1:10
000である。また、例えば、液剤の場合にはシチジン
ヌクレオチド誘導体の配合濃度は約0.01〜25%
(w/v)、好ましくは0.1〜15%(w/v)、さ
らに好ましくは0.1〜10%(w/v)、もっと好ま
しくは0.1〜5%(w/v)である。その他の剤型の
場合には、本発明におけるシチジンヌクレオチド誘導体
の吸収促進効果が発揮され、かつ当該製剤の性質を損な
わないように前記の配合割合で配合される。本発明の製
剤のpHは生理活性ペプチドまたは蛋白質の活性に大 き
な影響を与えずに、生理的に許容できる範囲内のpHが
用いられる。好ましく は約pH2〜pH10である。さ
らに好ましくは約pH3〜pH9である。特に好ましくは
約pH3.5〜pH8である。生理活性ペプチドまたは蛋
白質の種類によっ ては中性付近よりも酸性側、あるい
は塩基性側のpHが該ペプチドの安定性ある いは吸収性
を高めるために好まれる場合もある。本発明の製剤が液
剤である場合の張度は0.9%(w/v)の生理食塩水が
示す張度を基準にして決定されるが、適用する粘膜に不
可逆的な変化を引き起こさない張度になるように調整さ
れる。0.9%(w/v)の生理食塩水が示す張度の1/
3から3倍、好ましくは1/2から2倍、特に好ましく
は3/4倍から1.7倍の張度に調整される。
【0018】本発明の経粘膜製剤の製造において、シチ
ジンヌクレオチド誘導体は直接に生理活性ペプチドまた
は蛋白質と配合してもよく、また、親水性高分子中、生
分解性高分子中あるいは他の高分子中に配合しておいて
から生理活性ペプチドまたは蛋白質と配合してもよい。
場合によっては、有形の製剤の粘膜などへの適用面にコ
ーティングまたは適用面の表面相に含ませておいてもよ
い。要は、生理活性ペプチドまたは蛋白質とシチジンヌ
クレオチド誘導体とが共存下で粘膜に投与される形態で
あればよい。
【0019】本発明の製剤には上記2成分に加えて、製
剤を構成する上において許容される各種の添加物、ある
いは必要に応じてこれらの物質を分散させるための基剤
が一般に含まれる。該添加物として、例えばpH調節剤
としてアルギニン、水酸化ナトリウム、グリシン、塩
酸、クエン酸、局所麻酔剤としてベンジルアルコール、
等張化剤として食塩、マンニトール、ソルビトール、吸
着防止剤としてトィーン80(Tween 80)、溶解補助
剤としてシクロデキストリン類またはその誘導体、安定
化剤として血清アルブミン、あるいは還元剤としてグル
タチオンなどが挙げられるがこれらに限定されない。ま
た粘膜あるいは投与雰囲気下には各種の蛋白分解酵素が
存在するため、本製剤には必要に応じて蛋白分解酵素阻
害剤を配合することにより、投与対象の生理活性ペプチ
ドまたは蛋白質の分解を抑制し、バイオアベイラビリテ
ィーをさらに向上させることが可能になる場合もある。
該蛋白分解酵素阻害剤としては、例えばメシル酸ガベキ
サート、α1ーアンチトリプシン、アプロチニン、ロイ
ペプシン、α2マクログロブリン、ペプスタチン、卵白
または大豆トリプシンインヒビターなどが挙げられる
が、これらに限定されるものでは無い。これらは1種ま
たは2種以上が使用される。該蛋白分解酵素阻害剤は、
予めペプチドと配合してもよく、また、親水性高分子中
に配合しておいてもよく、また、有形の製剤の粘膜など
への適用面にコーティングまたは適用面の表面相に含ま
せておいてもよい。
【0020】本発明の製剤中には、生理活性ペプチドま
たは蛋白質の吸収と拡散をさらに促進するために吸収助
剤を添加してもよい。該吸収助剤は製剤上許容されるも
のであるならばいずれでもよいが、例えばサリチル酸ソ
ーダおよびその誘導体(アセチルサリチル酸、サリチル
酸コリン、サリチルアミドなどが挙げられる)、アミノ
酸およびその塩(グリシン、アラニン、フェニルアラニ
ン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどのモノアミノカ
ルボン酸、セリンなどのオキシアミノ酸、アスパラギン
酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸、リジンなどの塩
基性アミノ酸、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩などが挙げられる)、N−アセチルアミノ酸(N
−アセチルアラニン、N−アセチルフェニルアラニン、
N−アセチルセリン、N−アセチルセリン、N−アセチ
ルグリシン、N−アセチルリジン、N−アセチルグルタ
ミン酸、N−アセチルプロリン、N−アセチルヒドロキ
シプロリンなどが挙げられる)およびその塩(アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩)、乳化剤として使用され
る物質(オレイル燐酸ソーダ、ラウリル燐酸ソーダ、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエステルなどが挙げられる)、カプロン酸、
乳酸、リンゴ酸、クエン酸およびそのアルカリ金属塩、
ピロリドンカルボン酸、アルキルピロリドンカルボン酸
エステル、N−アルキル−ピロリドン、プロリンアシル
エステルなどが挙げられる。該吸収助剤は生理活性ペプ
チドまたは蛋白質の溶解度を変化させたり、あるいはエ
マルジョンを形成させるなどのメカニズムが考えられる
が、本発明製剤を構成する生理活性ペプチドまたは蛋白
質およびその他の配合される物質の組み合わせにより粘
膜表面の性質を大幅に変えることなく長期連続投与に適
切なものを選択すればよい。本発明における上記各成分
はさらに基剤中に分散されていてもよい。
【0021】本発明の製剤における基剤としては親水性
化合物が挙げられ、ペプチド、添加物などを分散させる
機能を有するものであればよい。該親水性化合物とし
て、その分子量が1千以上、好ましくは1万以上、より
好ましくは10万以上である。製剤上許容されるもので
あればいずれでもよく、代表的なものとしては以下のよ
うなものがあげられるが、これに限定されるものではな
い。ポリカルボン酸およびその塩類または無水カルボン
酸(無水マレイン酸など)と他のモノマー(メチル(メ
タ)アクリレート、アクリル酸など)との共重合体、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドンなどのビニル系の親水性高分子化合物、ヒドロキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースな
どのセルロース誘導体、キトサン、コラーゲン、アルギ
ン酸ソーダ、ゼラチン、ヒアルロン酸あるいはこれの無
毒金属塩などの天然高分子が挙げられる。またポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの合
成脂肪酸エステル類が挙げられる。親水性高分子は1種
または2種以上を使用することができ、部分結晶化イオ
ン結合、架橋などにより、構造上の成型性を持たせても
よい。これら親水性高分子は座剤、あるいはフィルム状
に成型され、腟あるいは直腸などの粘膜に適用されても
よい。また、公知の方法に従い、マイクロカプセル(マ
イクロスフィアー)などの粒子に成型され、鼻、腟、直
腸などの消化管粘膜に適応されてもよい。また、粉末あ
るいは溶液(粘性を持つ場合もある)で粘膜に適応され
てもよい。これらの親水性高分子とシチジンヌクレオチ
ド誘導体を組み合わせることによりさらに吸収促進が図
られる。
【0022】また、本発明の基剤としては生分解性合成
高分子を用いてもよく、例えばポリ乳酸、ポリ(乳酸−
グリコール酸)共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ
(ヒドロキシ酪酸−グリコール酸)共重合体、またはこ
れらの混合物などが代表的なものとして挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらの生分解性高
分子は座剤、あるいはフイルム状に成型され、腟あるい
は直腸などの粘膜に適用されてもよい。また、公知の方
法に従いマイクロカプセル(マイクロスフィアー)ある
いはナノカプセル(ナノスフィアー)を作成し、生体に
適応可能な分散媒に分散して、鼻、腟、直腸などの消化
管粘膜に適用してもよい。また、生理活性ペプチドはこ
れらの剤型中に公知の方法で分散される。活性ペプチド
のこれらの剤型からの放出は、拡散、該生分解性高分子
の崩壊、あるいはこれに伴う剤型中の水の通路の形成な
どが考えられる。また、該生分解性高分子の硝子転移点
が体温付近あるいはこれより低い場合には、生体に適用
された後に該生分解性高分子が軟化し、拡散速度が増大
することによる生理活性ペプチドの剤型からの放出など
のメカニズムも考えられる。これらの生分解性高分子と
シチジンヌクレオチド誘導体を組み合わせることにより
さらに吸収促進が図られる。また、上記以外の高分子を
基剤として作製したマイクロカプセル(マイクロスフィ
アー)あるいはナノカプセル(ナノスフィアー)中に活
性ペプチドを分散させ、生体に適応可能な分散媒に分散
して、鼻、腟、直腸などの消化管粘膜に適用してもよ
い。例えばミシェルら(ジャーナルオブファーマシーア
ンドファーマコロジー、43、1−5(1991))は
イソブチル−2−シアノアクリレートを用いたナノカプ
セル中にインスリンを封入し消化管の異なる部位の粘膜
に投与することにより血糖降下作用が長時間持続するこ
とを報告しており、該ナノカプセルにシチジンヌクレオ
チド誘導体を組み合わせることによりさらに吸収促進が
図られる。上記の高分子は、通常基剤として機能するも
のであるが、所望とする剤型に応じて、当該製剤の製造
用として通常使用される他の基剤を配合することが好ま
しい。例えば、直腸座剤あるいは腟座剤にあっては、ウ
イテップゾール、カカオ脂、マクロゴール、プロピレン
グリコール、グリセリンなどが必要に応じて使用され
る。
【0023】本発明の製剤には親水性低分子化合物が含
まれてもよい。該親水性低分子化合物は水溶性の生理活
性ペプチドまたは蛋白質が基剤中を拡散して生体表面に
移行し吸収されるための連続的パスを施すものである。
このパスはミクロ的でもよいし、製剤全体がこのパスと
なり得るものでもよい。該親水性低分子化合物は粘膜や
投与雰囲気から水分を吸収し、水溶性活性ペプチドを溶
解させるものであればよい。該親水性低分子化合物とし
ては、例えば分子量が10000以下、好ましくは30
00以下のものが挙げられ、例えばポリオール系化合物
としてシュクロース、マンニトール、ラクトース、L−
アラビノース、D−エリスロース、D−リボース、D−
キシロース、D−マンノース、D−ガラクトース、ラル
トース、セルビオース、ゲンチビオースなどのオリゴ
糖、2糖、単糖類が挙げられる。これ以外のポリオール
としてグリセリンやポリエチレングリコール(平均分子
量200−3000)が例示される。親水性低分子化合
物の他の例としては、Nメチルピロリドン、アルコール
類(例えば、オリゴビニルアルコール、エタノール、エ
チレングリコール、プロピレングリコールなど)が挙げ
られる。該親水性低分子化合物は1種あるいは2種以上
が用いられる。上記の親水性高分子、生分解性高分子、
親水性低分子化合物、吸収助剤、蛋白分解酵素阻害剤、
添加物は本発明において用いられる活性ペプチドのアミ
ノ酸組成、立体構造などの差に応じてそれぞれに適した
ものを選ぶことが好ましい。
【0024】本発明の製剤における生理活性ペプチドま
たは蛋白質の配合量としては、該物質の活性および治療
量の必要性に応じて選択すればよいが、単位投与組成物
中には通常薬用量あるいはバイオアベイラビリティーが
100%でないこと即ち、投与された活性ペプチドが完
全に吸収される訳ではないことを考慮して、多めに配合
することが好ましい。また、液剤、エアロゾルあるいは
他の投与形態で同一容器から複数回の投与をおこなう場
合には、一回あたりの投与量が通常薬用量あるいはそれ
よりも多めに投与できるようにすることが好ましい。ま
た、投与量は人、家畜などの温血動物の種あるいは体重
によって異なることは注意すべきである。
【0025】本発明の製剤の保存は未使用の状態では常
温あるいは冷所に保存されるが、好ましくは冷所であ
る。ここでいう常温あるいは冷所とは日本薬局方におい
て定義されるものである。同一容器から複数回投与され
るような場合には投与時の汚染を避ける工夫、例えば体
液の容器内への逆流を防止するような工夫が必要である
が、さらに冷所保存をすることが好ましい。また、容器
内での雑菌の繁殖を防止するため、製薬上許容される防
腐剤、抗菌剤などが添加されてもよい。
【0026】本発明の製剤は、粘膜に投与されるがその
部位は通常の経粘膜剤と同様である。通常、鼻または腟
の粘膜に好ましく投与されるが、直腸、小腸などあるい
は口腔粘膜への投与も行なわれる。投与対象の生理活性
ペプチドまたは蛋白質の種類あるいは剤型に応じて、ま
たその投与部位により具体的な投与方法を適宜選択すれ
ばよい。以下に例を挙げて簡単に説明するが、これらに
限定されるものではない。溶液として製剤が作成される
場合には、生理活性ペプチドまたは蛋白質を水、生理食
塩水などに溶解し、シチジンヌクレオチド誘導体を添加
したもの、あるいは生理活性ペプチドまたは蛋白質とシ
チジンヌクレオチド誘導体を含む製剤の真空乾燥物ある
いは凍結乾燥物を水あるいは生理食塩水で溶解したもの
を噴霧器、任意の注入器で注入してもよい。また、これ
にアルギン酸ソーダ、ヒアルロン酸ソーダ、ハイドロキ
シプロピルセルロースなどを加えることにより粘性を持
たせ滞留時間を延長させ得る。また、溶液あるいは粉末
などの微粒子として製剤化される場合には、噴霧器を工
夫して噴霧後の粒子径を小さくし鼻あるいは口腔から噴
霧吸引することにより肺(粘膜)に製剤を到達させるこ
とが可能になる(インハレーション)。また、無菌性な
ど注射剤に要求される製剤の条件をクリアする場合には
注射による血管内、皮下などへの投与は制限されない。
【0027】投与方法としては、たとえば直腸座剤に成
型されたものは肛門から指で挿入され、腟座剤に成型さ
れたものは指あるいは任意のアプリケーターを使用して
腟内に挿入される。ナノカプセルを経口的に投与する場
合には通常用いられる経口投与用ゼラチンカプセル内に
充填されたり、あるいは該ゼラチンカプセルにエンテリ
ックコーティングを施すことにより胃内ではナノカプセ
ルが放出されず十二指腸以後で該ナノカプセルが放出さ
れるシステムが用いられてもよい。また、該ナノカプセ
ルあるいはこれにエンテリックコーティングを施したナ
ノカプセルに経口投与に用いられる液体、例えば生理食
塩水、シロップなどを添加、懸濁して経口投与してもよ
い。閉経後の女性においては女性ホルモンの分泌が抑制
されることから、腟粘膜の厚さが薄くなり、薬物の透過
性が高まることが知られている。閉経後の女性に多い疾
患、例えば骨粗鬆症などの治療に用いられるカルシトニ
ン、副甲状腺ホルモンあるいはその活性フラグメントあ
るいはこれらの誘導体などのペプチドの腟投与製剤とし
て本発明の製剤が有利に用いられる。
【0028】
【実施例】以下に参考例と共に実施例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。さらに実験例を挙げて、本発明製剤の
効果を示す具体例も合せて示す。 参考例1 PTH部分ペプチド(1−34位)類縁体の
合成と精製 本ペプチドの合成はメリフィールドらにより開発された
ペプチドの固相合成法(R. B. Merrifield. アドバンシ
ズ イン エンザイモロジー(Adv. Enzymol)32巻、
221−296頁 1969年)の変法に順じて行わ
れ、自動ペプチド合成機430A(アプライドバイオシ
ステムズ社)を用いた。保護ペプチド−樹脂の合成はア
プライドバイオシステムズ社指定のプロトコールを用い
た。カルボキシル末端が遊離カルボン酸の誘導体を得る
場合には保護アミノ酸−pオキシメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂(ポリスチレン−1%ジビニルベンゼ
ン)を、またカルボキシルアミドの誘導体を得る場合に
は4−メチルベンズヒドリル樹脂を出発原料とし、これ
に遂次保護アミノ酸を縮合させた、縮合時に各アミノ酸
のα−アミノ基を保護するため、三級ブチルオキシカル
ボニル(BOC)基を用いた。側官能基保護は次のよう
に行なった。セリンとスレオニンのヒドロキシル基はo
−ベンジルエーテルとして、チロシンのヒドロキシル基
又はp−ブロモベンジルオキシカルボニルエステルとし
て、グルタミン酸及びアスパラギン酸のカルボキシル基
はベンジルエステルとして、ヒスチジンのイミダゾール
窒素はベンジルオキシメチルによって、リジンの側鎖ア
ミノ基は2−クロルベンジルオキシカルボニルで、アル
ギニンのグアニジン官能基はp−トルエンスルホニル基
で、トリプトファンのインドールイミンはホルミル基で
保護した。すべてのアミノ酸は、アプライド・バイオシ
ステムズジャパン社又はバチェム・ケミカルズから入手
した。
【0029】樹脂上に全てのアミノ酸を縮合した後、保
護ペプチド樹脂を合成機から取り出し、乾燥した。ペプ
チド樹脂(1g)を、p−クレゾール(1ml)、1,2
−エタンジチオール(1ml)、2−メルカプトピリジン
(100mg)を含んだ、無水フッ化水素(8ml)と、0
℃で2時間反応させた。反応終了後、フッ化水素を留去
し、残留物をジエチルエーテルで洗浄し、大部分の混合
試薬を除去した。ペプチドを3%酢酸(10ml)で抽出
し、濾過により樹脂を除いた。濾液をセファデックスG
−25を用いるゲル濾過により精製した。ゲル濾過の条
件は、カラムサイズ2.8×60cm、検出波長230も
しくは280nm;溶媒、3%酢酸;流速40ml/時間で
あった。ペプチドを含むフラクションを集めて凍結乾燥
し、得られた粉末標品をさらに逆高速液体クロマトグラ
フィーで精製した。カラムYMC−パック、A−324
ODS(10×250mm)溶出溶媒A,0.1%トリ
フルオロ酢酸−99.9%水;溶出溶媒B,0.1%トリ
フルオロ酢酸−99.9%アセトニトリル;溶出濃度勾
配プログラム、0分(90%A+10%B)、30分
(60%A+40%B)(但し必要ならば他の溶出プロ
グラムを用いる事もある。)溶出速度1.6ml/分、検
出波長230または280nm。純粋な目的物を含むピー
ク画分を集めてバイオラッドAGI×8(酢酸型、1.
8×5cm)のカラムに通し、洗液も集めアセトニトリル
を留去した後、凍結乾燥して掲題のペプチドを得た。
【0030】実施例1 参考例1に記載の方法に準じて作成したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの4ミリグラムを600マイクロリットルの
注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶液の
90マイクロリットルにシチコリン500ミリグラムを
2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田薬品)
の90マイクロリットルを加えて混和した。 実施例2 ヒトPTH(アミノ酸84個から成る)(バッケム( Ba
chem )社)の4ミリグラムを600マイクロリットルの
注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶液の
100マイクロリットルにシチコリン500ミリグラム
を2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田薬
品)の100マイクロリットルを加えて混和した。 実施例3 参考例1に準じて作成したヒトPTHのアミノ基末端か
ら34番目までのアミノ酸からなる活性フラグメント
(固相法で合成)の4ミリグラムを600マイクロリッ
トルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この
溶液の50マイクロリットルにシチコリン500ミリグ
ラムを2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田
薬品)の50マイクロリットルを加え混和した。 実施例4 ヒトPTH(アミノ酸84個から成る)(バッケム( Ba
chem )社)の4ミリグラムを200マイクロリットルの
注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶液の
50マイクロリットルにシチコリン500ミリグラムを
2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田薬品)
の50マイクロリットルを加えて混和した。
【0031】実施例5 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの18.47ミリグラムを154マイクロリ
ットルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。こ
の溶液の5マイクロリットルにシチコリン500ミリグ
ラムを2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田
薬品)の50マイクロリットルと注射用生理食塩水を4
5マイクロリットルを加えて混和した。この内、5マイ
クロリットルを鼻腔に投与する。 実施例6 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの18.47ミリグラムを154マイクロリ
ットルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。こ
の溶液の50マイクロリットルにシチコリン500ミリ
グラムを2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武
田薬品)の50マイクロリットルを加えて混和した。こ
の内、5マイクロリットルを鼻腔に投与する。 実施例7 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの2.03ミリグラムを50.75マイクロ
リットルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。
この溶液の20マイクロリットルにシチコリン500ミ
リグラムを2ミリリットル中に含むニコリンH注射液
(武田薬品)の20マイクロリットルを加えて混和し
た。 実施例8 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの18.47ミリグラムを154マイクロリ
ットルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。こ
の溶液の5マイクロリットルにシチコリン500ミリグ
ラムを2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田
薬品)の50マイクロリットルおよび注射用生理食塩水
45マイクロリットルを加えて混和した。
【0032】実施例9 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの18.47ミリグラムを154マイクロリ
ットルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。こ
の溶液の50マイクロリットルにシチコリン500ミリ
グラムを2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武
田薬品)の50マイクロリットルを加えて混和した。 実施例10 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの14ミリグラムを350マイクロリットル
の注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶液
の50マイクロリットルにシチコリン500ミリグラム
を2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田薬
品)の25マイクロリットルと注射用生理食塩水25マ
イクロリットルを加えて混和した。 実施例11 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの14ミリグラムを350マイクロリットル
の注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶液
の50マイクロリットルにシチコリン500ミリグラム
を2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田薬
品)の10マイクロリットルと注射用生理食塩水40マ
イクロリットルを加えて混和した。 実施例12 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの14ミリグラムを350マイクロリットル
の注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶液
の50マイクロリットルにシチコリン500ミリグラム
を2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田薬
品)の5マイクロリットルと注射用生理食塩水45マイ
クロリットルを加えて混和した。
【0033】実施例13 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの7.8ミリグラムを195マイクロリット
ルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶
液の50マイクロリットルにシチコリン500ミリグラ
ムを2ミリリットル中に含むニコリンH注射液(武田薬
品)の50マイクロリットルを加えて混和した。 実施例14 300万国際単位(約100マイクログラムに相当)の
インターフェロンアルファ2aと5ミリグラムのヒト血
清アルブミンを含むインターフェロンアルファ製剤(キ
ャンフェロンA300:武田薬品)に1ミリリットルの
注射用蒸留水を添加して溶解したものを標準として含量
を酵素免疫法で決定したインターフェロンアルファ2a
の20ミリグラムを注射用生理食塩水の0.5ミリリッ
トルで溶解した。この溶液の50マイクロリットルにシ
チコリン500ミリグラムを2ミリリットル中に含むニ
コリンH注射液(武田薬品)の50マイクロリットルを
加えて混和した。 実施例15 16.75ミリグラムのヒトインスリン(和光純薬)を
155.5マイクロリットルの1/10Mクエン酸緩衝
液(pH3.5)に溶解した。この溶液の50マイクロ
リットルにシチコリン500ミリグラムを2ミリリット
ル中に含むニコリンH注射液(武田薬品)の50マイク
ロリットルを加えて混和した。
【0034】実験例1 ヒトPTHのアミノ基末端から34番目までのアミノ酸
からなる活性フラグメント(固相法で合成)の4ミリグ
ラムを600マイクロリットルの注射用生理食塩水(扶
桑薬品)に溶解した(比較製剤1とする)。SD系雄性
ラット(8週齢)にペントバルビタール(ネンブタール
注射液、大日本製薬)で麻酔を施し、インターナショナ
ルジャーナルオブファーマシューティックス、第7巻、
317ページ(1981年)に記載された方法に従い、
経鼻投与のための手術を施した後、マイクロピペット
(エクセルマイデジ8000、D−5、三光純薬)で3
0マイクロリットルの容量の実施例1の製剤および比較
製剤1をラット鼻腔より直接鼻腔内に投与した。経時的
に尾静脈より採血し、ヒトPTHの活性フラグメントの
血清中濃度を測定した。血清中ヒトPTH活性フラグメ
ント濃度の時間推移を〔図1〕に示す。比較製剤1投与
群(○)では投与後30分目から血清中濃度が上昇し、
投与後6時間目までほぼ一定の値が持続された。一方、
シチコリンを含有する実施例1の製剤投与群(●)でも
同様に速やかに血清中濃度が上昇するが、その値は比較
製剤1投与群に比較して約2倍の値であり、しかもこの
高い値が投与後6時間目まで維持されることが判明し
た。このことはシチコリンを共存させることにより、ヒ
トPTHの活性フラグメントの鼻粘膜からの吸収が促進
されることを示している。
【0035】実験例2 ヒトPTH(アミノ酸84個から成る)の4ミリグラム
を600マイクロリットルの注射用生理食塩水(扶桑薬
品)に溶解した(比較製剤2とする)。SD系雄性ラッ
ト(8週齢)にペントバルビタール(ネンブタール注射
液、大日本製薬)で麻酔を施し、インターナショナルジ
ャーナルオブファーマシューティックス、第7巻、31
7ページ(1981年)に記載された方法に従い、経鼻
投与のための手術を施した後、マイクロピペット(エク
セルマイデジ8000、D−5、三光純薬)で30マイ
クロリットルの容量の実施例2の製剤および比較製剤2
をラット鼻腔より直接鼻腔内に投与した。経時的に尾静
脈より採血し、ヒトPTHの血清中濃度を測定した。血
清中ヒトPTH濃度の時間推移を〔図2〕に示す。比較
製剤2投与群(○)では投与後30分目から血清中濃度
が上昇し、投与後6時間目までほぼ一定の値が持続され
た。一方、シチコリンを含有する実施例2の製剤投与群
(●)でも同様に速やかに血清中濃度が上昇するが、そ
の値は比較製剤2投与群に比較して約2倍の値であり、
しかもこの高い値が投与後6時間目まで維持されること
が判明した。このことはシチコリンを共存させることに
より、ヒトPTHの鼻粘膜からの吸収が促進されること
を示している。
【0036】実験例3 SD系雌性ラット(7週齢)にペントバルビタール(ネ
ンブタール注射液、大日本製薬)で麻酔を施し、黄体形
成ホルモン放出ホルモンアナログであるリュープロレリ
ンアセテートを約1ミリグラム含むポリ(乳酸−グリコ
ール酸)マイクロカプセルを後頭部皮下に投与した。投
与翌日から腟分泌物をギムザ染色後鏡検することにより
性周期を経時的に観察した。実験に使用したすべてのラ
ットの性周期が発情間期になったことを確認した後、ペ
ントバルビタール(ネンブタール注射液、大日本製薬)
で麻酔を施したラットの腟内に実施例3の製剤の10マ
イクロリットルをマイクロピペット(エクセルマイデジ
8000、D−5、三光純薬)で投与した。経時的に尾
静脈より採血し、ヒトPTHフラグメントの血清中濃度
を測定した。血清中ヒトPTHフラグメント濃度の時間
推移を〔図3〕に示す。シチコリンを共存させることに
より、ヒトPTHフラグメントが腟粘膜から吸収されて
いることを示している。
【0037】実験例4 SD系雌性ラット(7週齢)にペントバルビタール(ネ
ンブタール注射液、大日本製薬)で麻酔を施し、黄体形
成ホルモン放出ホルモンアナログであるリュープロレリ
ンアセテートを約1ミリグラム含むポリ(乳酸−グリコ
ール酸)マイクロカプセルを後頭部皮下に投与した。投
与翌日から腟分泌物をギムザ染色後鏡検することにより
性周期を経時的に観察した。実験に使用したすべてのラ
ットの性周期が発情間期になったことを確認した後、ペ
ントバルビタール(ネンブタール注射液、大日本製薬)
で麻酔を施したラットの腟内に実施例4の製剤の10マ
イクロリットルをマイクロピペット(エクセルマイデジ
8000、D−5、三光純薬)で投与した。経時的に尾
静脈より採血し、ヒトPTHの血清中濃度を測定した。
血清中ヒトPTH濃度の時間推移を〔図4〕に示す。シ
チコリンを共存させることにより、ヒトPTHが腟粘膜
から吸収されていることを示している。
【0038】実験例5 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの2.03ミリグラムを50.75マイクロ
リットルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。
溶液の20マイクロリットルに注射用生理食塩水20マ
イクロリットルを加えて混和した(比較製剤3とす
る)。SD系雄性ラット(8週令)にペントバルビター
ル(ソムノペンチル、ピットマンムーア社)で軽く麻酔
を施し(約0.2ミリリットル/ラット)、実施例7の
製剤または比較製剤3の5マイクロリットルをそれぞれ
直接片側の鼻腔内に投与した(投与量:100マイクロ
グラム/ラット)。投与方法はマイクロピペット(エク
セルマイデジ8000、D−5、三光純薬)の専用のチ
ップを鼻腔に注意深く差し込み投与をおこなった。麻酔
から回復後(約1時間弱)は飼育ケージ内で自由に水お
よび餌を摂取させた。経時的に尾静脈より採血し、ヒト
PTHの活性フラグメントの血清中濃度を測定した。血
清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間推移を〔図
5〕に示す。比較製剤3投与群(○)では、投与直後に
小さい吸収のピークがみられた後、徐々に血清中濃度が
上昇し投与後1時間目から6時間目までほぼ一定の値で
あった。一方、シチコリンを含有する実施例7の製剤投
与群では同様に小さい吸収のピークの後、3時間目まで
血清中濃度が上昇し、比較製剤3投与群の約2倍の値に
なった。このことは、手術を施さない正常なラットで
も、シチコリンを共存させることにより、ヒトPTHの
活性フラグメントの鼻粘膜からの吸収が促進されること
を示している。
【0039】実験例6 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの18.47ミリグラムを154マイクロリ
ットルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。こ
の溶液の5マイクロリットルに注射用生理食塩水95マ
イクロリットルを加えて混和した(比較製剤4とす
る)。SD系雄性ラット(8週令)にペントバルビター
ル(ソムノペンチル、ピットマンムーア社)で軽く麻酔
を施し(約0.2ミリリットル/ラット)、実施例8の
製剤または比較製剤4の5マイクロリットルをそれぞれ
直接片側の鼻腔内に投与した(投与量:30マイクログ
ラム/ラット)。投与方法はマイクロピペット(エクセ
ルマイデジ8000、D−5、三光純薬)の専用のチッ
プを鼻腔に注意深く差し込み投与をおこなった。麻酔か
ら回復後(約1時間弱)は飼育ケージ内で自由に水およ
び餌を摂取させた。経時的に尾静脈より採血し、ヒトP
THの活性フラグメントの血清中濃度を測定した。血清
中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間推移を〔図
6〕に示す。比較製剤4投与群(○)では、投与直後に
小さい吸収のピークがみられたが、徐々に血清中濃度は
低下した。一方、シチコリンを含有する実施例8の製剤
投与群(●)では投与直後に吸収のピークがみられた
後、投与後2時間目に再びピークが現われ、その後は徐
々に血清中濃度は低下した。同じ薬用量のPTH活性フ
ラグメントの皮下投与を基準にして計算されたバイオア
ベイラビリティーはシチコリンを含有する製剤投与群に
おいて約100%であった。このことは、手術を施さな
い正常なラットでも、シチコリンを共存させることによ
り、ヒトPTHの活性フラグメントの鼻粘膜からの吸収
が促進されることを示している。
【0040】実験例7 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの18.47ミリグラムを154マイクロリ
ットルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。こ
の溶液の50マイクロリットルに注射用生理食塩水50
マイクロリットルを加えて混和した(比較製剤5とす
る)。SD系雄性ラット(8週令)にペントバルビター
ル(ソムノペンチル、ピットマンムーア社)で軽く麻酔
を施し(約0.2ミリリットル/ラット)、実施例9の
製剤または比較製剤5の5マイクロリットルをそれぞれ
直接片側の鼻腔内に投与した(投与量:300マイクロ
グラム/ラット)。投与方法はマイクロピペット(エク
セルマイデジ8000、D−5、三光純薬)の専用のチ
ップを鼻腔に注意深く差し込み投与をおこなった。麻酔
から回復後(約1時間弱)は飼育ケージ内で自由に水お
よび餌を摂取させた。経時的に尾静脈より採血し、ヒト
PTHの活性フラグメントの血清中濃度を測定した。血
清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間推移を〔図
7〕に示す。比較製剤5投与群(○)では、投与直後に
小さい吸収のピークがみられた後、徐々に血清中濃度は
低下した。一方、シチコリンを含有する実施例9の製剤
投与群(●)では投与直後に吸収のピークがみられた
後、投与後2時間目で血清中濃度が再び上昇したが、そ
の後は徐々に血清中濃度は低下した。このことは、手術
を施さない正常なラットでも、シチコリンを共存させる
ことにより、ヒトPTHの活性フラグメントの鼻粘膜か
らの吸収が促進されることを示している。
【0041】実験例8 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの14ミリグラムを350マイクロリットル
の注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶液
の50マイクロリットルに注射用生理食塩水50マイク
ロリットルを加えて混和した(比較製剤6とする)。S
D系雄性ラット(8週令)に麻酔用エーテルで軽く麻酔
を施し、実施例10の製剤または比較製剤6の5マイク
ロリットルをそれぞれ直接片側の鼻腔内に投与した(投
与量:100マイクログラム/ラット)。投与方法はマ
イクロピペット(エクセルマイデジ8000、D−5、
三光純薬)の専用のチップを鼻腔に注意深く差し込み投
与をおこなった。麻酔から回復後(約15分弱)は飼育
ケージ内で自由に水および餌を摂取させた。経時的に尾
静脈より採血し、ヒトPTHの活性フラグメントの血清
中濃度を測定した。血清中ヒトPTH活性フラグメント
濃度の時間推移を〔図8〕に示す。比較製剤6投与群
(○)では、投与直後に吸収のピークがみられた後、徐
々に血清中濃度は低下した。一方、シチコリンを含有す
る実施例10の製剤投与群(●)では投与直後に吸収の
ピークがみられた後、投与後2時間目で血清中濃度が再
び上昇したが、その後は徐々に血清中濃度は低下した。
このことは、手術を施さない正常なラットでも、シチコ
リンを共存させることにより、ヒトPTHの活性フラグ
メントの鼻粘膜からの吸収が促進されることを示してい
る。
【0042】実験例9 参考例1に記載の方法に準じて作製したヒトPTHのア
ミノ基末端から34番目までのアミノ酸からなる活性フ
ラグメントの7.8ミリグラムを195マイクロリット
ルの注射用生理食塩水(扶桑薬品)に溶解した。この溶
液の50マイクロリットルに注射用生理食塩水50マイ
クロリットルを加えて混和した(比較製剤7とする)。
SD系雄性ラット(8週令)の頭部を固定して無麻酔
下、実施例13の製剤あるいは比較製剤7の5マイクロ
リットルをそれぞれ直接片側の鼻腔内に投与した(投与
量:100マイクログラム/ラット)。投与方法はマイ
クロピペット(エクセルマイデジ8000、D−5、三
光純薬)の専用のチップを鼻腔に注意深く差し込み投与
をおこなった。投与後は飼育ケージ内で自由に水および
餌を摂取させた。経時的に尾静脈より採血し、ヒトPT
Hの活性フラグメントの血清中濃度を測定した。血清中
ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間推移を〔図9〕
に示す。比較製剤7投与群(○)では、投与直後に吸収
のピークがみられた後、徐々に血清中濃度は低下した。
一方、シチコリンを含有する実施例13の製剤投与群
(●)では投与直後に吸収のピークがみられた後、投与
後4時間目で血清中濃度が再び上昇したが、その後は徐
々に血清中濃度は低下した。このことは、手術を施さな
い正常なラットでも、シチコリンを共存させることによ
り、ヒトPTHの活性フラグメントの鼻粘膜からの吸収
が促進されることを示している。
【0043】実験例10 300万国際単位(約100マイクログラムに相当)の
インターフェロンアルファ2aと5ミリグラムのヒト血
清アルブミンを含むインターフェロンアルファ製剤(キ
ャンフェロンA300:武田薬品)に1ミリリットルの
注射用蒸留水を添加して溶解したものを標準として含量
を酵素免疫法で決定したインターフェロンアルファ2a
の20ミリグラムを注射用生理食塩水の0.5ミリリッ
トルで溶解した。この溶液の50マイクロリットルに注
射用生理食塩水の50マイクロリットルを加えて混和し
た(比較製剤8とする)。SD系雄性ラット(8週令)
に麻酔用エーテルで軽く麻酔を施し、実施例14の製剤
または比較製剤8の5マイクロリットルをそれぞれ直接
片側の鼻腔内に投与した(投与量:100マイクログラ
ム/ラット)。投与方法はマイクロピペット(エクセル
マイデジ8000、D−5、三光純薬)の専用のチップ
を鼻腔に注意深く差し込み投与をおこなった。麻酔から
回復後(約15分弱)は飼育ケージ内で自由に水および
餌を摂取させた。経時的に尾静脈より採血し、ヒトイン
ターフェロンアルファの血清中濃度を測定した。血清中
ヒトインターフェロンアルファ濃度の時間推移を〔図1
0〕に示す。比較製剤8投与群(○)では、投与2時間
後に吸収のピークがみられた後、血清中濃度は低下し
た。一方、シチコリンを含有する実施例14の製剤投与
群(●)では投与2時間後に吸収のピークがみられた
後、血清中濃度は低下した。投与2時間後のピーク値は
シチコリンを含有する実施例14の製剤投与群のほうが
高く、また、インターフェロンアルファの吸収率の指標
の一つである時間−血中濃度下面積(AUC)もシチコ
リンを含有する実施例14の製剤のほうが約1.5倍大
きかった。
【0044】実験例11 16.75ミリグラムのヒトインスリン(和光純薬)を
155.5マイクロリットルの1/10Mクエン酸緩衝
液(pH3.5)に分散した。この分散液の50マイク
ロリットル注射用生理食塩水の50マイクロリットルを
加えて混和した(比較製剤9とする)。SD系雄性ラッ
ト(8週令)に麻酔用エーテルで軽く麻酔を施し、実施
例15の製剤または比較製剤9の5マイクロリットルを
それぞれ直接片側の鼻腔内に投与した。投与方法はマイ
クロピペット(エクセルマイデジ8000、D−5、三
光純薬)の専用のチップを鼻腔に注意深く差し込み投与
をおこなった。麻酔から回復後(約15分弱)は飼育ケ
ージ内で自由に水および餌を摂取させた。経時的に尾静
脈より採血し、ヒトインスリンの血清中濃度を測定し
た。血清中ヒトインスリン濃度の時間推移を〔図11〕
に示す。比較製剤9投与群(○)では、投与直後に高い
血清中濃度がみられた後、血清中濃度は低下した。一
方、シチコリンを含有する実施例15の製剤投与群
(●)でも投与直後に高い血清中濃度がみられた後、血
清中濃度は低下したが、全ての観察時間にわたって比較
製剤投与群よりも高い値であり、シチコリンを含有させ
ることにより、インスリンの吸収が増大していることが
明らかとなった。
【0045】
【発明の効果】生理活性を有するペプチドまたは蛋白質
とシチジンヌクレオチド誘導体とを含有する本発明の経
粘膜用製剤は、粘膜に障害性を示すことなく、該生理活
性ペプチドあるいは蛋白質を鼻粘膜、消化管粘膜、肺粘
膜あるいは腟粘膜等からの吸収を増大させうる。
【0046】
【配列表】
配列番号(SEQ ID NO):1 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):34 配列の型(SEQUENCE TYPE):アミノ酸(amino acid) トポロジ−(TOPOLOGY):直鎖状(linear) 配列の種類(MOLECULE TYPE):ペプチド(peptide) 配列の特徴(FEATURE) 存在位置(LOCATION):1 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Ser または Aib 存在位置(LOCATION):8 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Met または脂溶性
天然アミノ酸 存在位置(LOCATION):11 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Leu, Ser, Lys ま
たは芳香族アミノ酸 存在位置(LOCATION):12 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Gly または D-アミ
ノ酸 存在位置(LOCATION):13 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Lys または Leu 存在位置(LOCATION):18 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Met または脂溶性
天然アミノ酸 存在位置(LOCATION):19 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Glu または塩基性
アミノ酸 存在位置(LOCATION):21 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Glu または塩基性
アミノ酸 存在位置(LOCATION):23 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Trp または 2-(1,3
-シ゛チオラン-2-イル)Trp 存在位置(LOCATION):25 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Arg または His 存在位置(LOCATION):26 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Lys または His 存在位置(LOCATION):27 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Lys, Gln または L
eu 存在位置(LOCATION):34 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Phe または Phe-NH
2 配列(SEQUENCE DESCRIPTION): Xaa Val Ser Glu Ile Gln Leu Xaa His Asn Xaa Xaa Xaa His Leu Asn 1 5 10 15 Ser Xaa Xaa Arg Xaa Glu Xaa Leu Xaa Xaa Xaa Leu Gln Asp Val His 20 25 30 Asn Xaa
【0047】配列番号(SEQ ID NO):2 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):34 配列の型(SEQUENCE TYPE):アミノ酸(amino acid) トポロジ−(TOPOLOGY):直鎖状(linear) 配列の種類(MOLECULE TYPE):ペプチド(peptide) 配列の特徴(FEATURE) 存在位置(LOCATION):3 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Ser または炭素数
4以下のD-α-アミノ酸存在位置(LOCATION):16 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=水溶性α-アミノ酸 存在位置(LOCATION):25 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=水溶性α-アミノ酸 存在位置(LOCATION):26 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=水溶性α-アミノ酸 存在位置(LOCATION):27 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=水溶性α-アミノ酸 存在位置(LOCATION):34 他の特徴(OTHER INFORMATION):Xaa=Phe または Phe-NH
2 配列(SEQUENCE DESCRIPTION): Ser Val Xaa Glu Ile Gln Leu Met His Asn Leu Gly Lys His Leu Xaa 1 5 10 15 Ser Met Glu Arg Val Glu Trp Leu Xaa Xaa Xaa Leu Gln Asp Val His 20 25 30 Asn Xaa
【図面の簡単な説明】
【図1】血清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間
推移を示す。
【図2】血清中ヒトPTH濃度の時間推移を示す。
【図3】血清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間
推移を示す。
【図4】血清中ヒトPTH濃度の時間推移を示す。
【図5】血清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間
推移を示す。
【図6】血清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間
推移を示す。
【図7】血清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間
推移を示す。
【図8】血清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間
推移を示す。
【図9】血清中ヒトPTH活性フラグメント濃度の時間
推移を示す。
【図10】血清中ヒトインターフェロンアルファ濃度の
時間的推移を示す。
【図11】血清中ヒトインスリン濃度の時間的推移を示
す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生理活性を有するペプチドまたは蛋白質と
    シチジンヌクレオチド誘導体とを含有する経粘膜用製
    剤。
  2. 【請求項2】生理活性を有するペプチドまたは蛋白質が
    抗生物質、増血剤、感染症治療剤、抗痴呆剤、抗ウイル
    ス剤、抗腫瘍剤、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、抗潰瘍剤、
    抗アレルギー剤、抗欝剤、向精神薬、強心剤、不整脈治
    療剤、血管拡張剤、降圧剤、糖尿病治療剤、抗凝血剤、
    コレストロール低下剤、骨粗しょう症治療剤、ホルモン
    剤またはワクチンである請求項1記載の経粘膜用製剤。
  3. 【請求項3】生理活性を有するペプチドまたは蛋白質が
    サイトカイン、ペプチドホルモン、成長因子、心臓血管
    系に作用する因子、細胞接着因子、中枢および末梢神経
    系に作用する因子、体液電解質および血液有機物質に作
    用する因子、骨および骨格に作用する因子、消化器系に
    作用する因子、腎および泌尿器系に作用する因子、結合
    組織および皮膚に作用する因子、感覚器官に作用する因
    子、免疫系に作用する因子、呼吸器系に作用する因子、
    生殖器系に作用する因子または酵素である請求項1記載
    の経粘膜用製剤。
  4. 【請求項4】サイトカインがインターフェロンまたはイ
    ンターロイキンである請求項3記載の経粘膜用製剤。
  5. 【請求項5】ペプチドホルモンがインスリン、成長ホル
    モン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、副腎皮質ホルモ
    ンまたは黄体形成ホルモンである請求項3記載の経粘膜
    用製剤。
  6. 【請求項6】骨および骨格に作用する因子が副甲状腺ホ
    ルモンまたはその活性フラグメントである請求項3記載
    の経粘膜用製剤。
  7. 【請求項7】シチジンヌクレオチド誘導体が、シチジン
    モノ−、ジ−もしくはトリ−リン酸であり、リン酸部分
    の酸素原子が硫黄もしくは窒素原子で置換されているか
    または低級アルキル、低級アルコキシもしくはアミド誘
    導体で置換されていてもよい請求項1記載の経粘膜用製
    剤。
  8. 【請求項8】生理活性を有するペプチドまたは蛋白質と
    シチジン誘導体の配合割合が10,000:1から1:
    10,000(w/w)である請求項1記載の経粘膜用製
    剤。
  9. 【請求項9】シチジン誘導体を0.01から24%(w/
    w)含有する水溶液である請求項1記載の経粘膜用製
    剤。
  10. 【請求項10】経鼻、経消化器、経肺または経腟投与製
    剤である請求項1記載の経粘膜用製剤。
JP5084602A 1992-04-17 1993-04-12 経粘膜用製剤 Withdrawn JPH069424A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5084602A JPH069424A (ja) 1992-04-17 1993-04-12 経粘膜用製剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-97947 1992-04-17
JP9794792 1992-04-17
JP5084602A JPH069424A (ja) 1992-04-17 1993-04-12 経粘膜用製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH069424A true JPH069424A (ja) 1994-01-18

Family

ID=26425615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5084602A Withdrawn JPH069424A (ja) 1992-04-17 1993-04-12 経粘膜用製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH069424A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006674A1 (ja) * 2004-07-14 2006-01-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Pthを含有する経粘膜投与剤
JP2014169280A (ja) * 2013-02-05 2014-09-18 Nitto Denko Corp 経皮または粘膜投与用ワクチン組成物
JP2014169281A (ja) * 2013-02-05 2014-09-18 Nitto Denko Corp ワクチン組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006674A1 (ja) * 2004-07-14 2006-01-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Pthを含有する経粘膜投与剤
JPWO2006006674A1 (ja) * 2004-07-14 2008-05-01 中外製薬株式会社 Pthを含有する経粘膜投与剤
JP2014169280A (ja) * 2013-02-05 2014-09-18 Nitto Denko Corp 経皮または粘膜投与用ワクチン組成物
JP2014169281A (ja) * 2013-02-05 2014-09-18 Nitto Denko Corp ワクチン組成物
US10076491B2 (en) 2013-02-05 2018-09-18 Nitto Denko Corporation Vaccine composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5725852A (en) Transmucosal therapeutic composition
EP1755650B1 (en) A biomolecule-containing suspension formulation of increased stability deliverable via an implantable delivery device
US11541028B2 (en) Peptide pharmaceuticals for treatment of NASH and other disorders
US5814607A (en) Pulmonary delivery of active fragments of parathyroid hormone
JP5628026B2 (ja) 安定した非水性薬学的組成物
US20070275055A1 (en) Compositions capable of facilitating penetration across a biological barrier
JP2009502967A (ja) 粘膜送達を向上させるためのタイトジャンクション調節ペプチド化合物
US20070243163A1 (en) Respiratory tract delivery of interferon-tau
JP2010529956A5 (ja)
JPH06228199A (ja) 血液脳関門通過可能なペプチド結合体
WO1990005535A1 (en) Interferon preparation for nasal administration
JP3770666B2 (ja) 経粘膜吸収製剤用組成物
NZ500777A (en) Pharmaceutical compositions comprising low solubility peptides
JP3047948B2 (ja) ペプチド類経鼻投与用組成物
JPH069424A (ja) 経粘膜用製剤
JP3263598B2 (ja) 経鼻吸収用生理活性ペプチド組成物
JP5212492B2 (ja) 経鼻投与用医薬組成物
JP3655645B2 (ja) 経粘膜投与剤
JP3730667B2 (ja) 注射用組成物
JP6222779B2 (ja) 心血管治療法
JP2007143454A (ja) 細胞膜通過性ペプチド
JP2002193830A (ja) 経鼻投与用医薬製剤

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050412