JPH0688910B2 - ヘモフイルス・プルロニユ−モニエの粉状ワクチン製造法 - Google Patents

ヘモフイルス・プルロニユ−モニエの粉状ワクチン製造法

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JPH0688910B2
JPH0688910B2 JP18264485A JP18264485A JPH0688910B2 JP H0688910 B2 JPH0688910 B2 JP H0688910B2 JP 18264485 A JP18264485 A JP 18264485A JP 18264485 A JP18264485 A JP 18264485A JP H0688910 B2 JPH0688910 B2 JP H0688910B2
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進 上田
洋二 長澤
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財団法人日本生物科学研究所
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明はヘモフィルス・プルロニューモニエ(Haemophi
lus pleuropneumonia)の粉状ワクチン製造法に関す
る。
〔発明の背景〕 ヘモフィルス・プルロニューモニエは、ブタの繊維性胸
膜肺炎の原因菌でグラム陰性菌の一つとして公知であ
り、前記歯に感染発病したブタは、発熱、元気食欲の減
退ないし廃絶がみられる。また湿性の咳、開口腹式呼吸
など激しい呼吸器症状を呈し、おう吐するものもみられ
致命率は高い。
しかし菌自体の伝播力は弱く、爆発的な流行を呈するこ
とは少ないが、一度発生すると常在化し易く、養豚界に
及びす被害は甚大である。
また本病に対するワクチンは、既に多くの研究者によっ
て試作され、その感染防御効果は認められている。
ところで、一般的方法に従って製造されるワクチンに
は、病原微生物をホルマリン等の化学的手段を用いて死
菌化する不活化ワクチンと、病原微生物を生物学的手段
を用いて弱毒化する弱毒生ワクテンとがあり、前記ヘモ
フィルス・プルロニューモニエ菌についての前記試作ワ
クチンもこれら前記に属する。
しかしこれらのワクチンは、微生物由来のタンパク、
糖、脂質などを含んでいる等の理由から、抗原性を長期
に亘って維持することが困難である。そこで長期保存の
ためには、凍結乾燥、凍結、冷蔵保存等の条件が採用さ
れるが、このうち最も保存効果の優れたものとされる凍
結乾燥法では、これを実施するために多大な設備投資が
必要になりまた電力消費も大きいという問題がある。
このような現状から、抗原性の寿命が長期に亘るワクチ
ンの簡便な製造法の提供が望まれる。
また前記病原菌に対するワクチンの製造に際して望まれ
る他の課題は、製造されたワクチンの運搬、取扱い性の
容易化を実現することである。従来の液状または凍結乾
燥ワクチンでは、大量運搬に難があったり特殊な運搬手
段が必要になるからである。
〔発明の目的〕
本発明は、前述した従来ワクチンとは異なり、ホルマリ
ンで菌の感染性と毒素を不活化した菌液のpHを下げ、特
定の極性溶媒を使用することによってヘモフィルス・プ
ルロニューモニエ菌の回収を図ると共に、更に極性溶媒
を使用した簡便なる方法により歯の脱水乾燥を図り、抗
原性の寿命が長期に亘る粉状ワクチンを提供することを
目的とする。
また本発明の別の目的は、常温下でも保存できる粉状ワ
クチンを提供するところにある。
〔発明の概要〕
前記した目的を実現するためになされた本発明の特徴
は、ヘモフィルス・プルロニューモニエ菌のホルマリン
不活化培養菌液に、あるいはこれより沈殿分離した前記
菌をNaCl添加緩衝液又は生理食塩水に懸濁させた菌液
に、該菌液の2〜6倍量の極性溶媒を加えて生成する沈
殿を回収し、回収した沈殿を極性溶媒に懸濁させて再度
沈殿を回収し、これを減圧下で乾燥させるようにしたと
ころにある。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明においては、ヘモフィルス・プルロニューモニエ
菌を含む液を製造材料として下記操作を順次に行なうこ
とにより、感染性の不活化された抗原が脱水乾燥された
粉状のものとして好適に製造される。
(a)極性溶媒を用いた菌の回収 (b)極性溶媒を用いた菌の脱水乾燥 製造材料 本発明において使用される製造材料には、ヘモフィルス
・プルロニューモニエの培養菌液が用いられる。
ワクチンに混入する培地成分等を積極に分離除去する場
合には、遠心法を用いて培養菌液中の培地成分を除去
し、得られた菌分画をNaClを含む緩衝液(リン酸塩緩衝
液、トリス塩酸緩衝液等)又は生理食塩水に懸濁させた
菌液を用いてもよい。
菌の培養は一般的方法に従って行なわれるが、使用され
る培地の一例を示せば次の通りである。
培地:1000ml中 獣肉製ペプトン 10 g 酵母エキス 5 g ブドウ糖 5 g 塩化ナトリウム 5 g 5W/V%β‐NAD液※ 1 ml 25W/V%乾燥酵母抽出液※ 12.5ml ウシ心筋浸出液 残量 ※は、ろ過滅菌し、他の組成を121℃、15分間高圧滅菌
して、冷却したのち添加する。
菌の不活化および回収 菌の不活化は、前記製造材料としての菌液に、通常0.25
V/V%ホルマリンを加えて37℃で一夜静置することによ
って行なわれる。
菌の回収においては、上記不活化菌液に塩酸を添加しpH
を4.5位に下げた後極性溶媒を加えて撹はんする。その
後所定時間静置し、沈殿が生じて沈殿と上清が明確に区
分できる時点で上清を除去し、沈殿を回収する。
前記極性溶媒としては、メタノール、エタノール、アセ
トンが挙げられる。
前記菌液に加えるべき極性溶媒は、冷却して用いること
が望ましい。また菌液に対して加えるべき量は通常は2
〜6倍量、好ましくは2〜3倍量とされる。
極性溶媒を加えることにより、菌液中の懸濁物は誘電率
の低下に伴なって凝集沈殿を生じるが、極性溶媒の加え
る量が少ないと沈殿の生成が十分でなく、反対に多すぎ
る場合には、得られる沈殿が塊状のものとなって次段の
脱水乾燥の操作の際に、充分な脱水が達成されないこと
になる。
なお、菌の回収のためには、前記極性溶媒の他に硫酸ア
ンモニウム、ポリエチレングリコール等も使用できる
が、次段の脱水乾燥の操作に先立ってこれらの除去操作
を行なう必要があるため、簡便な製造方法を実現する目
的から適当でない。
また極性溶媒を加えることで生成される沈殿分画は、一
般的には遠心分離により回収されるが、その他ロ紙、ホ
ロファイバー、メンブレインフィルター等を用いたロ過
によってもよい。
また沈殿と上澄みの明確な区分を得るには、極性溶媒を
加えた溶液を少なくとも1時間以上、好ましくは2〜3
時間程度静置することが望ましい。
菌の脱水乾燥 菌の脱水乾燥においては、前記により回収された菌の沈
殿分画を特定の有機溶媒に懸濁させた後、沈殿を回収し
て減圧下で乾燥する。
前記溶媒としては、菌の回収操作において使用される極
性溶媒(メタノール、エタノール、アセトン)が使用さ
れるが、菌の回収で用いたものと同一であることは要し
ない。
前記の溶媒は、冷却して用いることが望ましい。菌の沈
殿を懸濁させる前記溶媒の量は特に制限されないが、製
造に用いた菌液の約半量程度とされることが望ましい場
合が多い。
また沈殿の回収は、一般的には遠心分離又はロ過によっ
て行なわれる。なお沈殿の回収に先立って懸濁液は1時
間程度以上、好ましくは2〜3時間静置することがよ
い。
減圧乾燥は、回収した沈殿より溶媒を蒸散させるもので
あり、減圧(真空)容器内に前記回収した沈殿を収容さ
せて行なわれる。
以上の菌の脱水乾燥の操作は、前段における菌の回収の
操作による緩やかな脱水作用に相まって、製造されるワ
クチンの好適な乾燥を実現するが、必要ならば脱水乾燥
の操作を2回以上繰り返して行なうようにしてもよい。
前述した菌の回収および脱水乾燥によって製造された粉
状ワクチンは、これをマウスに接種することで行なった
検定試験において好適な感染防御効果を示すことが確認
された。
また粉状ワクチンは、22℃を越えない条件の下で抗原性
の安定な保存が可能であり、4℃以下の最適条件下で
は、2年以上に亘り長期保存もできる。
本発明のフローシートを一例として示すと次の通りであ
る。
全工程は0〜4℃で行なわれる。
菌以外の培地成分が略除去される。
リン酸塩緩衝液(PBS) NaCl 8.0 g KCl 0.2 g Na2HPO4 1.15g KH2PO4 0.2 g 上記試薬を蒸留水に溶解して1000mlとし、その500mlに
菌を懸濁させる。
菌を略100%回収した含水状態の沈殿物。
菌を略100%回収し、菌以外の培地成分もいくら
か含む含水状態の沈殿物。
本操作以降は、沈殿*、沈殿*について共
通。
真空デシケータ内に一夜収容。
乾燥した粉状のワクチンのまま。
〔発明の実施例〕
(培養菌液) ヘモフィルス・プルロニューモニエSHP-1株(血清型
2)について、前記一例として示した液体培地により、
37℃、通気、撹はんの条件で17時間培養した後、ホルマ
リンを添加して不活化して培養菌液を作製した。
ヘモフィルス・プルロニューモニエSHP-1株は財団法人
日本生物科学研究所より分与されたものである。
(乾燥粉状ワクチンの製造) 前記した培養菌液を製造材料として、前述のフローシー
トの手順に従い粉状ワクチンを製造した。
その結果を表1に示す。なお菌の回収および脱水乾燥の
ためにはアセトンを使用した。
(粉状ワクチンの力価試験法) 製造された粉状ワクチン、ロット3の0.1mgを、2.5mgの
水酸化アルミニウムゲル*10を含むリン酸塩緩衝液(pH
7.2〜7.4)*9 0.5mlに溶解し、これをマウスの腹腔内
に注射する。注射後2週目に10W/V%ムチン液に浮遊し
た1〜2×109CFUのヘモフィルス・プルロニューモニエ
SHP-1株を腹腔内に注射し、その後1週間生死を観察す
ることで行なった。
また、同ワクチンを約1カ月齢のヘモフィルス・プルロ
ニューモニエに対する抗体フリーの子豚2頭に2週間間
隔で第1回2.5ml、第2回5mlずつをそれぞれ筋肉内に注
射し、第2回注射後3週目に採血し抗体を測定すること
で行なった。
*9 リン酸塩緩衝液(PBS) NaCl 8.0 g KCl 0.2 g Na2HPO4 1.15g KH2PO4 0.2 g 上記試薬を蒸留水に溶解して1000mlとする。
*10 水酸化アルミニウムゲル 硫酸アルミニウム 149.4 g アンモニア水 85.3ml 上記試薬を蒸留水に溶解して1000mlとする。
なお、粉状ワクチンの力価判定は、マウスの生死の結果
を、ワクチン非接種群について同様の菌感染を行なった
ものを対照として、その生死を対比することで行なった
(表2-1、2-2参照)。
さらに、ブタでは1頭を非接種対照としてラテックス吸
着凝集抗原を用いた凝集反応により抗体価を測定した。
抗原はヘモフィルス・プルロニューモニエSHP-1株培養
菌液を超音波処理した遠心上清をラテックス浮遊液に吸
着させたもので、術式はマイクロタイター法によった
(表3参照)。
また粉状ワクチンの抗原性の長期間安定性を判定するた
めに、一定期間保存後の粉状ワクチン、ロット1および
2について前記試験を同様に行なった。
なお、ワクチン注射後2週目のマウスについて、全採血
し血清中のラテックス凝集抗体価も測定した。その結果
を表4-1、4-2に示す。
以上の表2〜4の結果より明らかなように、本発明より
なる粉状ワクチンは、対照との比較において、マウスの
生死およびラテックス凝集抗体価のいずれにおいても抗
原性が確認され、また長期保存後においても抗原性は維
持されていた。ブタにおいても表3の通りであり、抗原
性が確認された。
〔発明の効果〕
本発明によれば、抗原性の寿命が長期に亘って安定し、
かつ製造設備も安価なものによって得られる粉状ワクチ
ンが提供され、ヘモフィルス・プルロニューモニエの感
染防御用ワクチンとしての有用性は極めて高く、その効
果は大なるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘモフィルス・プルロニューモニエ菌のホ
    ルマリン不活化培養菌液に、あるいはこれより沈殿分離
    した前記菌をNaCl添加緩衝液又は生理活性食塩水に懸濁
    させた菌液に、該菌液の2〜6倍量の極性溶媒を加えて
    生成する沈殿を回収し、回収した沈殿を極性溶媒に懸濁
    させて再度沈殿を回収し、これを減圧下で乾燥させるこ
    とを特徴とするヘモフィルス・プルロニューモニエの粉
    状ワクチンの製造法。
JP18264485A 1985-08-20 1985-08-20 ヘモフイルス・プルロニユ−モニエの粉状ワクチン製造法 Expired - Lifetime JPH0688910B2 (ja)

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