JPH068847U - 変速装置 - Google Patents

変速装置

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JPH068847U
JPH068847U JP30592U JP30592U JPH068847U JP H068847 U JPH068847 U JP H068847U JP 30592 U JP30592 U JP 30592U JP 30592 U JP30592 U JP 30592U JP H068847 U JPH068847 U JP H068847U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動変速の機能を有すると共に変速比の範囲も
制限されず、また、簡単な構造で占有体積も小さくコス
ト的にも優れ、更に、保守・修理に際しての利便性を達
成し得る変速装置を提供すること 【構成】駆動側スプロケット15の回転速度の変速を行
う第1変速装置1は、太陽歯車13、141及び遊星歯
車14を備え芯軸411に第1の回転速度を生じさせる
第1歯車列12と、芯軸に第1の回転速度よりも速い第
2の回転速度を生じさせるラチェット手段16と、ラチ
ェット手段を切り換えるクラッチ手段17とを有する。
また、芯軸の回転速度の変速を行う第2変速装置3、3
´は、芯軸が所定の回転速度よりも速い速度で回転した
ときに遠心力により作動する遠心力クラッチ手段32、
32´と、太陽歯車35、36及び遊星歯車34を備え
芯軸に第3、第4の回転速度を生じさせる第2歯車列と
を有する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、車両等における動力伝達機構に組み込まれる変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自転車で用いられる変速装置にあっては、異なった直径を有する多種 類のスプロケットが後輪の車軸に設けられており、チェーンを掛け渡す後輪側の スプロケットを適宜選択することで多段変速の操作を行うことができるようにな っている。この種の変速装置は、後輪側のスプロケットに掛け渡されたチェーン を軸方向に沿って移動させる変移手段と、バネ付勢された張力歯車とを有し、こ の張力歯車によって、スプロケットの径が異なることによるチェーンの弛みを吸 収するようになっている。
【0003】 尚、内燃機関が搭載された車両にあっては自動変速装置が設けられているが、 これらの自動変速装置は一般に油圧機構によって構成されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、従来使用されている変速機、例えば自転車の多段式変速装置にあって は、下記の欠点が見受けられる 1.スプロケットが多数設けられているが、操作上で実際に使用されているも のは2、3のスプロケットに過ぎず、多数のスプロケットは変速の緩衝となり、 据付や使用の不便となり、保守や修理の際にも不便である。
【0005】 2.チェーンが別のスプロケットへ移動して変速するときには、スプロケット から離れなければならないので、ペダルを踏む動作と、自転車の運転に影響し、 更に、チェーンが頻繁に脱落するという欠点もある。
【0006】 3.最高速と最低速は、スプロケットの最小直径と最大直径によって決まるが 、最大のスプロケットと最小のスプロケットとの直径比は一定であり、かつ実用 上制限があることから、自転車の変速比の範囲が制限されている。
【0007】 4.従来の自転車の変速装置は、手動操作の変速制御で、自動変速の機能がな いため、変速操作にも注意力が分散されるため、自転車の走行としては不便であ る。
【0008】 尚、内燃機関が搭載された自動車等では自動変速装置が設けられているが、こ れらの自動変速装置は油圧機構によって構成されているため、構造が複雑で設置 するための占有体積も大きく、またコスト的にも高価なものとなる。更に、保守 ・修理の点でも困難であるため、自転車等のように簡便な変速装置が要求される ものにあっては油圧機構による自動変速装置は適したものではない。
【0009】 本考案は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、入 力軸の駆動力を出力軸に伝達する動力伝達機構に組み込まれる変速装置であって 、自動変速の機能を有すると共に変速比の範囲も制限されず、また、簡単な構造 で占有体積も小さくコスト的にも優れ、更に、保守・修理に際しての利便性を達 成し得る変速装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本考案は、 1.入力軸(10)に対して回転自在に取り付けられた入力軸側ホイル(15)と、出 力軸(411) に設けられた出力軸側ホイル(21)とが動力伝達部材(2) を介して連結 される動力伝達機構に組み込まれ、前記入力軸(10)と前記入力軸側ホイル(15)と の間に設けられて前記入力軸側ホイル(15)の回転速度の変速を行う第1変速手段 (1) と、前記出力軸側ホイル(21)と前記出力軸(411) との間に設けられて前記出 力軸(411) の回転速度の変速を行う少なくとも1つの第2変速手段(3) とを有す る変速装置であって、前記第1変速手段(1) は、正回転(R1)する前記入力軸(10) に駆動されて正回転(R1)する太陽外歯歯車(13)と、この太陽外歯歯車(13)の外周 を覆うように固定された太陽内歯歯車(141) と、これら太陽歯車(13,141)に噛み 合うと共に前記入力軸側ホイル(15)に軸支された遊星歯車(14)とを介して前記入 力軸側ホイル(15)を駆動して、前記出力軸(411) に第1の回転速度を生じさせる 第1歯車列(12)と、正回転(R1)する前記入力軸(10)に駆動されて正回転(R1)する と共に前記入力軸側ホイル(15)の軸直交側面に噛み合い自在及び解除自在となる ように前記入力軸(10)に摺動自在に設けられ、前記入力軸側ホイル(15)と噛み合 って前記入力軸(10)に駆動されて正回転(R1)するときに前記入力軸側ホイル(15) を駆動して、前記出力軸(411) に前記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度 を生じさせるラチェット手段(16)と、前記入力軸側ホイル(15)の軸直交側面に対 する前記ラチェット手段(16)の噛み合い及び解除を切り換えるクラッチ手段(17) とを有し、前記第2変速手段(3) は、前記出力軸(411) に回転自在に設けられた クラッチ盤(33)と、このクラッチ盤(33)と前記出力軸側ホイル(21)との間に設け られ、前記出力軸(411) が前記第2の回転速度よりも速い所定の速度で回転した ときに、前記出力軸(411) の回転に伴う遠心力により前記出力軸側ホイル(21)と 前記クラッチ盤(33)とを係合する遠心力クラッチ手段(32)と、この遠心力クラッ チ手段(32)により前記出力軸側ホイル(21)と前記クラッチ盤(33)とが係合された ときに、前記出力軸(411) に設けられた太陽外歯歯車(35)と、この太陽外歯歯車 (35)の外周を覆うように固定された太陽内歯歯車(36)と、これら太陽歯車(35,36 ) に噛み合うと共に前記クラッチ盤(33)に軸支された遊星歯車(34)とを介して前 記出力軸(411) を駆動して、当該出力軸(411) に前記第2の回転速度よりも速い 第3の回転速度を生じさせる第2歯車列とを有してなる変速装置である。
【0011】 2.また、前記第1変速手段(1) の前記第1歯車列(12)は、前記入力軸(10)が 正回転(R1)するときにこの入力軸(10)に固着された第1ラチェット(131) と係合 する係合爪(132) が設けられた太陽外歯歯車(13)と、前記入力軸(10)を保持する ボス部(10a) に前記太陽外歯歯車(13)の外周を覆うように固定された内歯歯車リ ング(141) と、これら太陽歯車(13,141)に噛み合う複数の遊星歯車(14)とを有し 、前記入力軸側ホイル(15)は、動力伝達部材としてのチェーン(2) と噛み合うス プロケットから構成されると共に軸受(151) を介して入力軸(10)に対して回転自 在に取り付けられ、この入力軸側ホイル(15)の軸直交両側面のうち前記太陽歯車 (13,141)に対向する一方の側面に前記遊星歯車(14)が軸支され、他方の軸直交側 面に前記ラチェット手段(16)と噛み合う噛合部材(153) が形成され、前記ラチェ ット手段(16)は、前記入力軸(10)に摺動自在に設けられた第2ラチェット(161) と、前記入力軸(10)が正回転(R1)するときに前記第2ラチェット(161) と係合す る係合爪(162) が設けられた輪盤(160) とを備え、この輪盤(160) の軸直交両側 面のうち前記入力軸側ホイル(15)に対向する側面に前記入力軸側ホイル(15)の噛 合部材(153) と噛み合う噛合部材(163) が形成され、前記クラッチ手段(17)は、 前記入力軸(10)の軸方向に沿ってスライド自在に設けられ、前記輪盤(160) の外 周縁部(164) に係合する係合凹部(171) を有している。
【0012】 3.また、前記入力軸側ホイル(15)の前記噛合部材(153) 、及び、前記ラチェ ット手段(16)の前記噛合部材(163) のそれぞれは、前記正回転(R1)の回転方向で 相互に噛み合う平板状ラチェット歯より構成されている。
【0013】 4.また、前記入力軸(10)に形成したボール穴(168) 内に、前記入力軸(10)の 径方向外方に向けてばね付勢されたボール(166) を収納し、前記ラチェット手段 (16)の基端部に、前記ボール(166) と係合するリング状を呈する2つの凹溝(165 ,165) を前記入力軸(10)の軸方向に沿って形成してある。
【0014】 5.また、前記第1ラチェット(131) は、前記入力軸(10)が正回転(R1)すると きには前記太陽外歯歯車(13)の前記係合爪(132) と係合して前記太陽外歯歯車(1 3)を正回転方向(R1)に駆動する一方、前記太陽外歯歯車(13)が前記入力軸(10)の 回転速度よりも速い速度で正回転方向(R1)に回転するときには前記係合爪(132) と係合しないことを特徴とする変速装置である。
【0015】 6.また、前記出力軸側ホイル(21)は、前記出力軸(411) に固着された内方ラ チェット(25)と、正回転(R1)するときに前記内方ラチェット(25)と係合して前記 出力軸(411) を正回転方向(R1)に回転駆動する係合爪(24)が設けられ、リング状 に突出する支持リング(31)が軸直交側面に形成された外方ラチェット(23)と、正 回転(R1)するときに前記外方ラチェット(23)と係合して当該外方ラチェット(23) を正回転方向(R1)に回転駆動する係合爪(22)が設けられ、動力伝達部材としての チェーン(2) と噛み合うスプロケットとから構成され、前記クラッチ盤(33)は、 その外周縁部に前記支持リング(31)に対向するように設けられると共にこの支持 リング(31)との間に設けた前記遠心力クラッチ手段(32)が前記出力軸(411) の回 転に伴う遠心力により係合するクラッチ凸片(331) を有し、前記クラッチ盤(33) と前記支持リング(31)との間に、前記クラッチ盤(33)が正回転(R1)したときのみ に前記支持リング(31)と連結して前記外方ラチェット(23)を回転駆動するカップ リング(30)を設け、前記第2変速手段(3) の前記第2歯車列は、正回転(R1)する ときに前記出力軸(411) に固着されたラチェットと係合して前記出力軸(411) を 正回転方向(R1)に回転駆動する係合爪(351) が設けられた太陽外歯歯車(35)と、 固定された軸ケース(361) の内周面に前記太陽外歯歯車(35)の外周を覆うように 設けられた内歯歯車(36)と、これら太陽歯車(35,36) に噛み合うと共に前記クラ ッチ盤(33)に軸支された複数の遊星歯車(34)とを有している。
【0016】 7.また、前記遠心力クラッチ手段(32)は、前記クラッチ凸片(331) の内周面 に当接する弾性材料からなる摩擦シューライニング(324) の内面に金属板(323) を一体的に取り付けて構成され、円弧形状を呈する複数の膨張クラッチシュー(3 20) と、隣接する前記膨張クラッチシュー(320) を相互に連結する弾発手段(322 ) とを有している。
【0017】 8.また、前記各膨張クラッチシュー(320) の両端部に凹部(321) を形成する と共に、前記膨張クラッチシュー(320) の前記金属板(323) の内周面に形成した 複数の外方ほぞ穴(323a)と、前記支持リング(31)の外周面に形成した複数の内方 ほぞ穴(313) との間に支えほぞ(312) を配置し、隣接する前記膨張クラッチシュ ー(320) の前記凹部(321) の間に挿入される複数の突起支持ブロック(311) を前 記支持リング(31)の外周面に形成し、前記支持リング(31)が正回転(R1)したとき に、前記膨張クラッチシュー(320) の端部を押圧してこの膨張クラッチシュー(3 20) を径方向外方に向けて拡開する傾斜面を前記突起支持ブロック(311) に形成 してある。
【0018】 9.また、前記カップリング(30)は、前記支持リング(31)の内周面(301) に対 向するように設けられたクラッチ盤(33)の内環(306) の外周面に、前記内周面(3 01) との間の隙間が逆回転方向に沿って小さくなる複数の楔形部(303) を形成し 、この楔形部(303) と前記内周面(301) との間にボール(304) を配置して構成さ れている。
【0019】 10.また、前記第2変速手段(3) に連設される第2番目の第2変速手段(3') は、前記出力軸(411) に回転自在に設けられた第2クラッチ盤(33') と、この第 2クラッチ盤(33') と前記太陽外歯歯車(35)との間に設けられ、前記出力軸(411 ) が前記第3の回転速度よりも速い所定の速度で回転したときに、前記出力軸(4 11) の回転に伴う遠心力により前記太陽外歯歯車(35)と前記第2クラッチ盤(33' ) とを係合する第2遠心力クラッチ手段(32') と、この第2遠心力クラッチ手段 (32') により前記太陽外歯歯車(35)と前記第2クラッチ盤(33') とが係合された ときに、前記出力軸(411) に設けられた第2太陽外歯歯車(35') と、この第2太 陽外歯歯車(35') の外周を覆うように固定された第2太陽内歯歯車(36') と、こ れら第2太陽歯車(35',36') に噛み合うと共に前記第2クラッチ盤(33') に軸支 された第2遊星歯車(34') とを介して前記出力軸(411) を駆動して、当該出力軸 (411) に前記第3の回転速度よりも速い第4の回転速度を生じさせる歯車列とを 有している。
【0020】 11.また、前記入力軸(10)は自転車のペダル(11)に連結され、前記出力軸(4 11) は自転車の後輪(4) の車軸である。
【0021】
【作用】
入力軸が正回転すると、第1変速手段の太陽外歯歯車も入力軸に駆動されて正 回転し、この太陽外歯歯車と太陽内歯歯車とに噛み合う遊星歯車は、太陽外歯歯 車の回りを正回転方向に回転する。遊星歯車が回転することにより入力軸側ホイ ルは、入力軸の回転速度よりも低速に変速されて正回転方向に回転し、この入力 軸側ホイルに動力伝達部材を介して連結された出力軸側ホイルも正回転方向に回 転する。これにより、出力軸は第1の回転速度で正回転方向に回転する。 また、正回転する入力軸に駆動されて正回転するラチェット手段を、クラッチ 手段により入力軸側ホイルの軸直交側面に噛み合わせた場合には、入力軸側ホイ ルは入力軸の回転速度と同じ速度に変速されて正回転方向に回転する。これによ り、出力軸は前記第1の回転速度よりも高速の第2の回転速度で正回転方向に回 転する。 また、出力軸が第2の回転速度よりも速い所定の速度で回転した場合には、第 2変速手段の遠心力クラッチ手段が作動して、出力軸側ホイルとクラッチ盤とが 係合される。クラッチ盤が回転することにより第2変速手段の遊星歯車が出力軸 に設けられた太陽外歯歯車の回りを正回転方向に回転し、この太陽外歯歯車が出 力軸を回転駆動する。これにより、出力軸は前記第2の回転速度よりも高速の第 3の回転速度に変速され、正回転方向に回転する。
【0022】
【実施例】
以下、本考案に係る一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は、駆動軸側ホイルの回転速度の変速を行う第1変速装置を示す要部断面 図、図6は、従動軸の回転速度の変速を行う第2変速装置を示す要部断面図であ る。
【0023】 本考案に係る変速装置は、駆動軸や他の駆動装置に連設されると共に駆動軸側 ホイルの回転速度の一次変速を行う第1変速手段と、従動軸や他の従動装置に連 設されると共に従動軸の回転速度の二次変速を行う第2変速手段とを有する。特 に、図示する変速装置は、自転車に適用した場合を示しており、自転車は、図1 に示すように、ペダル11により駆動される駆動軸(入力軸に相当する)10に 取り付けられた駆動側スプロケット(入力軸側ホイルに相当する)15と、図6 に示すように、後輪4の車軸42が挿通された芯軸(出力軸に相当する)411 に取り付けられた従動側スプロケット(出力軸側ホイルに相当する)21とを有 し、両スプロケット15、21の間には、動力伝達部材としてのチェーン2が掛 け渡されている。
【0024】 図1に示すように、駆動側スプロケット15の回転速度を変速する第1変速装 置1は、駆動側スプロケット15に第1の回転速度を生じさせる第1歯車列12 と、第2の回転速度を生じさせるラチェット手段16と、駆動側スプロケット1 5における第1と第2の回転速度を切り換えるクラッチ手段17とを有する。
【0025】 前記第1歯車列12は、図1、図2に示すように、駆動軸10に固着された第 1ラチェット131と係合する複数の係合爪132が設けられた太陽外歯歯車1 3と、この太陽外歯歯車13の外周を覆うように設けられた内歯歯車リング14 1と、太陽外歯歯車13と内歯歯車リング141とに噛み合う遊星歯車14とを 有している。係合爪132は、駆動軸10と同心円上で太陽外歯歯車13にばね 付勢されて軸支され、太陽外歯歯車13は、駆動軸10が図2中矢印R1 で示す 正回転方向に回転すると、係合爪132が第1ラチェット131と係合すること によって、同じ正回転方向R1 に回転するようになっている。内歯歯車リング1 41は、駆動軸10を保持するボス部10aに固定された円盤140の外周縁部 に、太陽外歯歯車13の外周を覆うように設けられている。また、遊星歯車14 は、両太陽歯車13、141と噛み合って、駆動軸10を中心に回転運動を行う ようになっている。この遊星歯車14は、駆動側スプロケット15に設けられて いる。
【0026】 駆動側スプロケット15は、図1、図3に示すように、ベアリング等からなる 軸受151を介して駆動軸10に対して回転自在に取り付けられ、外周にチェー ンと噛み合うスプロケット歯152が形成されている。この駆動側スプロケット 15の軸直交両側面のうち前記太陽歯車13、141に対向する図1中左側面に 軸142が設けられ、この軸142に前記遊星歯車14が軸支されている。また 、駆動側スプロケット15の図1中右側面には、ラチェット手段16と噛み合う スプロケット側噛合部材153が形成されている。このスプロケット側噛合部材 153は、図3に示すように、弧形又はサイクロイド形状に刻まれた平板状ラチ ェット歯より構成され、径方向に沿った壁部と、隣り合う壁部の間で正回転方向 R1 に上り傾斜する傾斜面とが形成されている。
【0027】 前記ラチェット手段16は、図1、図4に示すように、駆動軸10に摺動自在 に設けられた第2ラチェット161と、この第2ラチェット161と係合する複 数の係合爪162が設けられた輪盤160とを有している。この輪盤160は駆 動側スプロケット15とほぼ同じ直径を有し、第2ラチェット161は輪盤16 0と同心円でその中央部分に配置されている。係合爪162は、駆動軸10と同 心円上で輪盤160にばね付勢されて軸支され、この輪盤160は、駆動軸10 が正回転方向R1 に回転すると、係合爪162が第2ラチェット161と係合す ることによって、同じ正回転方向R1 に回転するようになっている。一方、第2 ラチェット161が逆回転する際には、第2ラチェット161と係合爪162と の係合は解除される。また、輪盤160の軸直交両側面のうち前記駆動側スプロ ケット15に対向する図1中左側面には、スプロケット側噛合部材153と噛み 合う輪盤側噛合部材163が形成されている。この輪盤側噛合部材163は、図 4に示すように、弧形又はサイクロイド形状に刻まれた平板状ラチェット歯より 構成され、径方向に沿った壁部と、隣り合う壁部の間で正回転方向R1 に下り傾 斜する傾斜面とが形成されている。これにより、ラチェット手段16と駆動側ス プロケット15は、正回転方向R1 に回転する場合に両噛合部材153、163 が係合することになる。ラチェット手段16は、クラッチ手段17によって駆動 軸10に沿って摺動され、駆動側スプロケット15に対する両噛合部材153、 163の噛み合い及びその解除が切り換えられるようになっている。
【0028】 前記クラッチ手段17は、図1に示すように、駆動軸10の軸方向に沿ってス ライド自在に設けられ、前記輪盤160の外周縁部に形成された突縁164に係 合する係合凹部171が設けられている。図5に示すように、駆動軸10に形成 したボール穴168内には、スプリング167により駆動軸10の径方向外方に 向けてばね付勢されたボール166が収納されており、ラチェット手段16の基 端部には、前記ボール166と係合するリング状の2つの凹溝165が軸方向に 沿って形成されている。図5に示すように、ボール166が図中左側の凹溝16 5と係合することによって、ラチェット手段16は、駆動側スプロケット15と の噛み合いを解除した状態で固定される。また、ボール166が図中右側の凹溝 165と係合することによって、ラチェット手段16は、駆動側スプロケット1 5に噛み合った状態で固定されるようになっている。クラッチ手段17は、例え ば自転車ハンドル等に取り付けたレバー(図示せず)とワイヤー等を介して連結 され、乗員がレバーを手動操作することによって、このクラッチ手段17が作動 するようになっている。
【0029】 前記第1ラチェット131は、図2に示したように、径方向に沿ったラチェッ ト歯と、隣り合うラチェット歯の間で正回転方向R1 に上り傾斜する傾斜面とが 形成されており、この第1ラチェット131は、駆動軸10が正回転R1 すると 、太陽外歯歯車13の係合爪132と係合し、太陽外歯歯車13を正回転方向R 1 に回転駆動することになる。一方、駆動軸10が逆回転するとき、あるいは、 太陽外歯歯車13の正回転方向R1 の回転速度が第1ラチェット131の正回転 方向R1 の回転速度よりも速い場合には、第1ラチェット131と係合爪132 との係合が解除されるため、太陽外歯歯車13の係合爪132が駆動軸10を回 転駆動することはない。このような第1ラチェット131と係合爪132との関 係により、駆動軸10が正回転方向にのみ駆動作用を行い、ラチェット手段16 の輪盤160が駆動側スプロケット15と噛み合って高速回転したときには、駆 動軸10及び輪盤160の回転は、太陽外歯歯車13と駆動軸10との回転関係 を干渉することはない。
【0030】 そして、駆動軸10が正回転R1 すると、太陽歯車13、141と遊星歯車1 4とを備えた第1歯車列12を介して、駆動側スプロケット15は、駆動軸10 の回転速度よりも低速に変速されて正回転R1 し、この駆動側スプロケット15 にチェーン2を介して連結された従動側スプロケット21も正回転方向に回転す る。これにより、芯軸411は第1の回転速度で正回転方向に回転する。また、 クラッチ手段によりラチェット手段16を駆動側スプロケット15の軸直交側面 に噛み合わせた場合には、駆動側スプロケット15は駆動軸10の回転速度と同 じ速度に変速されて正回転R1 する。これにより、芯軸411は前記第1の回転 速度よりも高速の第2の回転速度で正回転方向に回転する。このとき、第1歯車 列12を介して太陽外歯歯車13の回転速度が駆動軸10の回転速度よりも速く なるため、第1ラチェット131は空転するようになっている。
【0031】 図6、7に示すように、駆動側スプロケット15に噛み合ったチェーン2は、 後輪4の車軸42に設けられた従動側スプロケット21に掛け渡されている。こ の従動側スプロケット21は、図7に示すように、車軸42が挿通された中空の 芯軸411に固着された内方ラチェット25と、正回転方向で前記内方ラチェッ ト25と係合する係合爪24が設けられた外方ラチェット23と、この外方ラチ ェット23と正回転方向で係合する係合爪22が設けられた外側リングとを有す る。前記芯軸411は、後部車輪4の車軸42の軸ボス部41に連設して設けら れている。また、外側リング、両ラチェット23、25は、同心円上に設けられ 、外側リングの外周には、チェーン2と噛み合うスプロケット歯211が形成さ れている。各係合爪22、24のそれぞれは、車軸42と同心円上で外側リング 、外方ラチェット23にばね付勢されて軸支されている。外方ラチェット23、 内方ラチェット25のそれぞれは、径方向に沿ったラチェット歯と、隣り合うラ チェット歯の間で図中時計回りの正回転方向に沿って下り傾斜する傾斜面とが形 成されている。従って、従動側スプロケット21が図中時計回りの正回転方向に 回転すると、外方ラチェット23は、外側リングの係合爪22が係合することに よって、同じ正回転方向に回転する。また、外方ラチェット23が正回転方向に 回転することにより、内方ラチェット25は、外方ラチェット23の係合爪24 が係合して同じ正回転方向に回転し、これに伴い車軸42が正回転方向に回転す ることになる。一方、各ラチェット23、25と各係合爪22、24との関係に より、従動側スプロケット21とこれに噛み合ったチェーン2とは、図中反時計 回り方向に自由に逆回転できるようになっている。また、従動側スプロケット2 1の外方ラチェット23は、図6に示すように、その軸直交側面にリング状に突 出する支持リング31が形成されている。
【0032】 図6に示すように、芯軸411の回転速度を変速する第2変速装置3は、芯軸 411に回転自在に設けられたクラッチ盤33と、車軸42の回転に伴う遠心力 により従動側スプロケット21とクラッチ盤33とを係合する遠心力クラッチ手 段32と、従動側スプロケット21に第3の回転速度を生じさせる第2歯車列3 4、35、36とを有している。
【0033】 前記クラッチ盤33は、図6〜図9に示すように、ベアリング等の軸受を介し て芯軸411に対して回転自在に取り付けられており、その外周縁部には、外方 ラチェット23に設けた支持リング31に対向するようにクラッチ凸片331が 形成されている。このクラッチ凸片331と支持リング31との間に遠心力クラ ッチ手段32が配置されている。この遠心力クラッチ手段32は、芯軸411が 前記第2の回転速度よりも速い所定の速度で回転したときに芯軸411の回転に 伴う遠心力によって作動し、クラッチ凸片331の内周面に係合して、従動側ス プロケット21とクラッチ盤33とを係合するようになっている。また、クラッ チ盤33は、支持リング31よりも内方の部位で、この支持リング31の内周面 301(図10参照)に対向する内環306が形成されている。この内環306 と支持リング31との間にカップリング30が配置されており、このカップリン グ30は、クラッチ盤33が図9中で矢印で示される正回転方向に回転したとき のみ作動し、支持リング31と連結して外方ラチェット23を回転駆動するよう になっている。
【0034】 前記第2歯車列は、図6に示すように、芯軸411に固着された芯軸ラチェッ トと係合する複数の係合爪351が設けられた太陽外歯歯車35と、この太陽外 歯歯車35の外周を覆うように設けられた内歯歯車36と、太陽外歯歯車35と 内歯歯車36とに噛み合う遊星歯車34とを有している。内歯歯車36は、車体 側に固定された軸ケース361の内周面に、太陽外歯歯車35の外周を覆うよう に設けられている。また、遊星歯車34は、両太陽歯車35、36と噛み合って 、芯軸411を中心に回転運動を行うようになっている。この遊星歯車34は、 クラッチ盤33に設けた軸341に軸支されている。係合爪351は、芯軸41 1と同心円上で太陽外歯歯車35にばね付勢されて軸支されている。そして、ク ラッチ盤33が正回転してこれに軸支された遊星歯車34によって太陽外歯歯車 35が正回転方向に駆動されると、係合爪351が芯軸ラチェットと係合して、 芯軸411が正回転方向R1 に回転駆動されるようになっている。
【0035】 前記遠心力クラッチ手段32は、図8、図10に示すように、遠心力により拡 開してクラッチ凸片331の内周面に当接する複数の膨張クラッチシュー320 を有し、各膨張クラッチシュー320は、弾性材料からなる摩擦シューライニン グ324の内面に、金属板323を一体的に取り付けて構成されている。各膨張 クラッチシュー320は円弧形状を呈し、隣接する膨張クラッチシュー320は 弾発手段としての引張スプリング322によって相互に連結されている。また、 各膨張クラッチシュー320の両端部には凹部321が形成され、隣接する膨張 クラッチシュー320の凹部321の間に挿入される突起支持ブロック311が 支持リング31の外周面に複数個形成されている。また、膨張クラッチシュー3 20の金属板323の内周面には複数の外方ほぞ穴323aが形成され、支持リ ング31の外周面には複数の内方ほぞ穴313が形成されている。両ほぞ穴32 3a、313の間には、拡開した膨張クラッチシュー320を支持リング31上 に支持する支えほぞ312が配置されている。
【0036】 また、図9に示されるように、突起支持ブロック311の両端面のうち、矢印 で示す正回転方向側の端面は傾斜面に形成されている。支持リング31が正回転 したときには、突起支持ブロック311の前記傾斜面が膨張クラッチシュー32 0の端部を押圧して、この膨張クラッチシュー320を径方向外方に向けて拡開 するようになっている。また、自転車の速度が加速されて遠心力クラッチ手段3 2に所定以上の遠心力が作用すると、拡開した膨張クラッチシュー320が支え ほぞ312によって支持リング31上に支持されることから、遠心力クラッチ手 段32とクラッチ凸片331の内周面との係合が一層強められることになる。
【0037】 前記カップリング30は、図8、図10に示すように、支持リング31の内周 面301に対向する複数のカム輪302と、前記内周面301との間の隙間が変 化する複数の楔形部303とを有し、これらカム輪302、楔形部303は、ク ラッチ盤33の中央部に設けられた内環306の外周面にそれぞれ形成されてい る。楔形部303は、図9の矢印で示される正回転方向とは逆方向に沿って前記 内周面301との間の隙間を小さくするように傾斜している。そして、カップリ ング30は、この隙間内に、スプリング305により保持されたボール304を 配置することにより構成されている。
【0038】 このカップリング30は、クラッチ盤33が正回転して内環306も駆動され ると、ボール304を介して支持リング31に係合して、この支持リング31を 正回転するが、外部から支持リング31を駆動することによりカップリング30 を介して内環306を連動させようとしても、楔形部303の斜面とボール30 4との関係で外部の支持リング31は直接内環306を連動させることができな い。この点については自転車が走行中においてペダル11を踏む足を休めた場合 に特に重要なことであり、内環306、カム輪302と支持リング31と車輪が 回転した慣性力によって引き続き係合しあって回転し、再びペダル11を踏んで チェーン2と従動側スプロケット21を駆動させたときも、従動側スプロケット 21は直ちに駆動されることになる。従って、従来の変速装置でチェーンが掛け られるスプロケットの位置を移動する際に良く見受けられるいわゆる「空踏み」 の不快感が生じることはない。
【0039】 そして、芯軸411が第2の回転速度よりも速い所定の速度で正回転した場合 には、第2変速手段3の遠心力クラッチ手段32が作動し、クラッチ盤33が正 回転する。クラッチ盤33が回転することにより、太陽歯車35、36と遊星歯 車34とを備えた第2歯車列を介して、芯軸411は、前記第2の回転速度より も高速の第3の回転速度に変速され、正回転方向に回転駆動される。このように 第2歯車列を介して芯軸411の回転速度が外方ラチェット23の回転速度より も速くなるため、内方ラチェット25は空転するようになっている。
【0040】 前記第2変速手段3に連設される別の1組である第2番目の第2変速手段3´ は、前述したものと相似したものであり、図6に示すように、太陽外歯歯車35 に連設された支持盤352には、その軸直交側面にリング状に突出する第2支持 リング31´が形成されており、芯軸411に回転自在に設けられた第2クラッ チ盤33´と、車軸42の回転に伴う遠心力により太陽外歯歯車35と第2クラ ッチ盤33´とを係合する第2遠心力クラッチ手段32´と、歯車列34´、3 5´、36´とを有している。
【0041】 第2クラッチ盤33´は、芯軸411に対して回転自在に取り付けられ、その 外周縁部には、第2支持リング31´に対向するようにクラッチ凸片331´が 形成されている。このクラッチ凸片331´と第2支持リング31´との間に第 2遠心力クラッチ手段32´が配置されており、この第2遠心力クラッチ手段3 2´は、芯軸411が前記第3の回転速度よりも速い所定の速度で回転したとき に回転に伴う遠心力によって作動し、クラッチ凸片331´の内周面に係合する ようになっている。また、第2クラッチ盤33´は、第2支持リング31´より も内方の部位でこの支持リング31´に対向する内環が形成されている。この内 環と第2支持リング31´との間に第2カップリング30´が配置されており、 この第2カップリング30´は、第2クラッチ盤33´が正回転したときのみ作 動し、第2支持リング31´を駆動するようになっている。
【0042】 歯車列は、芯軸411に固着された第2太陽外歯歯車35´と、この第2太陽 外歯歯車35´の外周を覆うように設けられた第2内歯歯車36´と、これらに 噛み合って回転すると共に第2クラッチ盤33´に軸支された第2遊星歯車34 ´とを有している。
【0043】 そして、芯軸411が第3の回転速度よりも速い所定の速度で正回転した場合 には、第2遠心力クラッチ手段32´が作動し、第2クラッチ盤33´が正回転 する。第2クラッチ盤33´が回転することにより、太陽歯車35´、36´と 遊星歯車34´とを備えた歯車列を介して、芯軸411は、前記第3の回転速度 よりも高速の第4の回転速度に変速され、正回転方向に回転駆動される。このよ うに歯車列を介して芯軸411の回転速度が太陽歯車35の回転速度よりも速く なるため、太陽外歯歯車35は空転するようになっている。
【0044】 第2太陽外歯歯車35´は、芯軸411に固着されていることから、自転車が 走行中に乗員がペダル11を踏まないときには、自転車はその慣性力で第2太陽 外歯歯車35´を連動し、2組の変速装置3、3´が係合しあって回転する。こ の場合、ペダル11を踏んでチェーン2とスプロケット21とを働かせると、直 ちに駆動されるため、「空踏み」が生じることはない。
【0045】 従動側スプロケット21の直径は、クラッチ盤33、33´の直径とほぼ同じ であり、後輪4側に設けられた遊星歯車装置を回転させると自転車の走行速度が 自動的に増加されることになる。
【0046】 次に、本実施例の作用を説明する。
【0047】 先ず、図1に示されるように、ラチェット手段16が駆動側スプロケット15 から離間した状態を説明する。この場合、ペダル11を踏んで駆動軸10を回転 させると、図2に示すように、第1ラチェット131が太陽外歯歯車13の係合 爪132に係合し、太陽外歯歯車13は正回転方向R1 に回転する。太陽外歯歯 車13の回転に伴って遊星歯車14が内歯歯車リング141との間で回転し、遊 星歯車14を軸支する駆動側スプロケット15も正回転方向R1 に回転する。そ して、駆動側スプロケット15の回転は、チェーン2を介して従動側スプロケッ ト21に伝達される。図7に示すように、従動側スプロケット21が図中時計回 り方向の正回転方向に回転すると、外側リングの係合爪22が外方ラチェット2 3に係合し、更に外方ラチェット23の係合爪24が内方ラチェット25に係合 して、車軸42が正回転方向に回転する。これにより、後輪4が回転して自転車 は、低速(第1の速度)で走行することになる。
【0048】 次いで、クラッチ手段17を作動させてラチェット手段16を駆動軸10に沿 って摺動させ、ラチェット手段16の輪盤側噛合部材163を駆動側スプロケッ ト15のスプロケット側噛合部材153に噛み合わせる。ラチェット手段16が 駆動側スプロケット15に噛み合った状態は、駆動軸10のボール穴168内に 収納したボール166が図5中右側の凹溝165と係合することによって固定さ れている。これにより、駆動軸10の回転が駆動側スプロケット15にそのまま 伝達されてチェーン2が駆動されることになり、自転車の速度が加速されること になる。このようにラチェット手段16で駆動側スプロケット15を駆動すると きには、第1歯車列12を介して、太陽外歯歯車13の回転速度が駆動軸10の 回転速度よりも速くなるため、第1ラチェット131は空転する。
【0049】 例えば坂道を登るときには、クラッチ手段17を作動させてラチェット手段1 6を図1に示される右側まで移動し、ラチェット手段16と駆動側スプロケット 15との噛み合いを解除する。ペダル11を踏んで駆動軸10を回転させると、 第1ラチェット131が太陽外歯歯車13の係合爪132に係合して、太陽外歯 歯車13が駆動軸10により回転駆動され、この太陽外歯歯車13が遊星歯車1 4を回転駆動する。そして、自転車は、駆動側スプロケット15が遊星歯車14 を介して駆動されて走行することになる。このとき、駆動側スプロケット15の 回転速度が太陽外歯歯車13及び駆動軸10の回転速度よりも遥かに遅くなるた め、駆動側スプロケット15を駆動する力つまりペダルを踏む力は非常に軽くな る。
【0050】 次ぎに、第2変速装置3、3´の作用を説明する。
【0051】 従動側スプロケット21が未だクラッチ盤33に係合しておらず、遊星歯車3 4や太陽外歯歯車35が従動側スプロケット21と連動しない場合を説明する。 この場合には、図7に示すように、従動側スプロケット21が図中時計回り方 向の正回転方向に回転しており、外側リングの係合爪22が外方ラチェット23 に係合し、更に外方ラチェット23の係合爪24が内方ラチェット25に係合し て、芯軸411が正回転方向に回転する。これにより、芯軸411に連設された 軸ボス部41に取り付けられた後輪4が回転して、自転車が走行する。このとき の速度は、第2変速装置3による「第1速度(低速)」に相当する。
【0052】 次いで、自転車の速度が前記「第1速度(低速)」よりも更に加速されて遠心 力クラッチ手段32に所定以上の遠心力が作用すると、図9に示すように、第2 変速装置3の遠心力クラッチ手段32が作動し、膨張クラッチシュー320が拡 開してクラッチ凸片331の内周面に当接すると共に支えほぞ312によって支 持され、従動側スプロケット21の外方ラチェット23に連設した支持リング3 1と、クラッチ盤33とが係合する。これにより、クラッチ盤33が従動側スプ ロケット21によって回転駆動され、クラッチ盤33に軸支された遊星歯車34 は、これに噛み合う太陽外歯歯車35を加速して回転駆動する。この太陽外歯歯 車35の回転は、係合爪351が芯軸ラチェットと係合することによって芯軸4 11に伝達され、自転車の速度が加速されることになる。このときの速度は、第 2変速装置3、3´による「第2速度」に相当する。このように、遊星歯車34 及び太陽外歯歯車35等を介して芯軸411を駆動するときには、内方ラチェッ ト25の回転速度が外方ラチェット23の回転速度よりも早くなるため、外方ラ チェット23の係合爪24は内方ラチェット25と係合せず、内方ラチェット2 5は空転することになる。
【0053】 自転車の速度が更に加速されると、2つ目の第2変速装置3´が働くことにな る。この場合も前述した1つ目の第2変速装置3と同様にして作動する。つまり 、所定以上の遠心力が作用すると遠心力クラッチ手段32´が作動して、太陽外 歯歯車35に連設された支持盤352に設けた支持リング31´と、クラッチ盤 33´とが係合する。これにより、クラッチ盤33´が太陽外歯歯車35によっ て回転駆動され、クラッチ盤33´に軸支された遊星歯車34´は、これに噛み 合う太陽外歯歯車35´を加速して回転駆動する。太陽外歯歯車35´は芯軸4 11に固着されていることから、太陽外歯歯車35´の回転は芯軸411にその まま伝達され、自転車の速度が更に加速されることになる。このときの速度は、 第2変速装置3、3´による「第3速度」に相当する。このように、遊星歯車3 4´及び太陽外歯歯車35´を介して芯軸411を駆動するときには、芯軸41 1の回転速度が太陽外歯歯車35の回転速度よりも早くなるため、太陽外歯歯車 35の係合爪351は芯軸ラチェットと係合せず、太陽外歯歯車35は空転する ことになる。
【0054】 上述したように、従動側スプロケット21が図7中時計回り方向の正回転方向 に回転する場合には、各係合爪22、24が各ラチェット23、25に係合して 、芯軸411を正回転方向に回転駆動し得るが、逆に、芯軸411が正回転方向 に回転する場合には、各ラチェット23、25は各係合爪22、24と係合せず に空転するので、従動側スプロケット21を回転駆動することはできない。この ことより、第2変速装置3、3´のそれぞれが作動して芯軸411の回転速度が 自動的に変速され加速されたときには、各ラチェット23、25が空転すること になり、従動側スプロケット21とチェーン2との回転動に芯軸411の回転動 が影響を及ぼすことはない。
【0055】 本実施例における第1変速装置1の変速比は、次式で与えられる。 N=B/P −1 ここに、Bは固定された内歯歯車リング14の歯数、Pは太陽外歯歯車13の 歯数である。
【0056】 例えば、内歯歯車リング14の歯数B=48、太陽外歯歯車13の歯数P=3 6の場合には、 N=1/3 となる。これは、駆動側スプロケット15の回転 速度が1/3減じることを示しており、それだけ自転車の速度が遅くなる。
【0057】 また、ラチェット手段16と駆動側スプロケット15とが係合したときには、 駆動側スプロケット15の回転速度(N15)は、ラチェット手段16の回転速度 (N16)と同じ、つまり、N15=N16であるので、駆動側スプロケット15から 出力される回転速度は減速されない。
【0058】 また、同様に、遊星歯車装置の変速原理の応用により、第2変速装置3、3´ の太陽外歯歯車35、35´は、スプロケット15、21によって駆動される遊 星歯車34、34´の回転動によって加速される。
【0059】 従って、仮に第1変速装置1の変速比が2で、第2変速装置3、3´の変速比 が3であるならば、本実施例における変速比の合計は、2×3=6となる。
【0060】 尚、上述した実施例では、第2変速装置による速度を「第1速度」、「第2速 度」及び「第3速度」に自動変速すべく第2変速装置3、3´を2組設けた場合 を図示したが、自転車に応用する場合にあっては、少なくとも1つの第2変速装 置3で「第1速度」、「第2速度」の自動変速を実現する程度で十分である。
【0061】 また、自転車に適用した場合を示したが、本考案はこの場合に限定されるもの ではなく、その他の車両や動力伝達装置に適宜改変を加えて応用することが可能 である。
【0062】 上述したように、本実施例によれば以下の利点がある。
【0063】 1.車の走行速度によって自動的に変速し得るので変速が便利でチェーンの入れ 替えや移動によらず、チェーンが外れる虞がなく、自転車の走行効率が高められ る。
【0064】 2.太陽外歯歯車13、遊星歯車14及び駆動側スプロケット15の操作により 、坂道を登るときには、低速で駆動力が軽くなる。また、ラチェット手段16を 駆動側スプロケット15に噛み合わせたときには速度が増し、更に第2変速装置 3、3´を組み合わせることによって一層速度が増すことになり、低速から高速 にわたる広範囲の制御が自在となる。
【0065】 3.遊星歯車と太陽歯車との間の歯数比を適宜変更することにより、変速し得る 範囲が大きく変更できるため、最高速と最低速の変速比が大幅に高められ、スプ ロケット等の直径の制限を受けることはない。
【0066】 4.遠心力を利用して変速を行うため、変速に伴う振動や機械応力による瞬間的 に負荷が増大することが軽減される。また、拡開した膨張クラッチシュー320 が支えほぞ312によって支持リング31上に支持されることから、遠心力クラ ッチ手段32とクラッチ凸片331の内周面との係合が一層強められ、高速運転 時の係合状態が極めて安定することになる。
【0067】 5.従来の変速ギア・ボックス等に応用されるような油圧システムを用いること なく変速できるため、構造が簡単で占有する体積も小さくコスト的にも優れ、保 守・修理がし易くなり、また動力を伝達する際の損失が小さくなる。
【0068】 6.自動変速と手動変速とが互いに補い合って操作の選択の幅と利便性とが増す ため、レジャー活動が多くなった現今に適した変速装置となり、変速の選択幅が 増し、趣味に富み、また品位も高くなる。
【0069】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、入力軸の駆動力を出力軸に伝達する動 力伝達機構に組み込まれる変速装置であって、自動変速の機能を有すると共に変 速比の範囲も制限されず、また、簡単な構造で占有体積も小さくコスト的にも優 れ、更に、保守・修理に際しての利便性を達成し得る変速装置を提供することが できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る変速装置における第1変速手段
を示す要部断面図
【図2】 図1の矢印2−2線に沿う矢視側面図
【図3】 図1の矢印3−3線に沿う矢視側面図
【図4】 図1の矢印4−4線に沿う矢視側面図
【図5】 駆動軸へのラチェット手段の取り付け構造を
示す要部拡大断面図
【図6】 本考案に係る変速装置における第2変速手段
を示す要部断面図
【図7】 図6に示される従動側スプロケットを示す断
面図
【図8】 図6に示される遠心力クラッチ手段を示す図
であり、特に、この遠心力クラッチ手段が作動する前の
状態を示す断面図
【図9】 図6に示される遠心力クラッチ手段を示す図
であり、特に、この遠心力クラッチ手段が作動した状態
を示す断面図
【図10】図6に示される遠心力クラッチ手段及び支持
リングの一部を示す分解斜視図
【符号の説明】
1…第1変速装置(第1変速手段) 2…チェーン
(動力伝達部材) 3…第2変速装置(第2変速手段) 10…駆動軸
(入力軸) 12…第1歯車列 13…太陽外
歯歯車 14…遊星歯車 15…駆動側スプロケット
(入力軸側ホイル) 16…ラチェット手段 17…クラッ
チ手段 21…従動側スプロケット(出力軸側ホイル) 32…
遠心力クラッチ手段 33…クラッチ盤 34…遊星歯
車 35…太陽外歯歯車 36…内歯歯
車(太陽内歯歯車) 141…内歯歯車リング(太陽内歯歯車) 411…
芯軸(出力軸)

Claims (11)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸(10)に対して回転自在に取り付けら
    れた入力軸側ホイル(15)と、出力軸(411) に設けられた
    出力軸側ホイル(21)とが動力伝達部材(2) を介して連結
    される動力伝達機構に組み込まれ、前記入力軸(10)と前
    記入力軸側ホイル(15)との間に設けられて前記入力軸側
    ホイル(15)の回転速度の変速を行う第1変速手段(1)
    と、前記出力軸側ホイル(21)と前記出力軸(411) との間
    に設けられて前記出力軸(411) の回転速度の変速を行う
    少なくとも1つの第2変速手段(3) とを有する変速装置
    であって、 前記第1変速手段(1) は、 正回転(R1)する前記入力軸(10)に駆動されて正回転(R1)
    する太陽外歯歯車(13)と、この太陽外歯歯車(13)の外周
    を覆うように固定された太陽内歯歯車(141) と、これら
    太陽歯車(13,141)に噛み合うと共に前記入力軸側ホイル
    (15)に軸支された遊星歯車(14)とを介して前記入力軸側
    ホイル(15)を駆動して、前記出力軸(411) に第1の回転
    速度を生じさせる第1歯車列(12)と、 正回転(R1)する前記入力軸(10)に駆動されて正回転(R1)
    すると共に前記入力軸側ホイル(15)の軸直交側面に噛み
    合い自在及び解除自在となるように前記入力軸(10)に摺
    動自在に設けられ、前記入力軸側ホイル(15)と噛み合っ
    て前記入力軸(10)に駆動されて正回転(R1)するときに前
    記入力軸側ホイル(15)を駆動して、前記出力軸(411) に
    前記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度を生じさ
    せるラチェット手段(16)と、 前記入力軸側ホイル(15)の軸直交側面に対する前記ラチ
    ェット手段(16)の噛み合い及び解除を切り換えるクラッ
    チ手段(17)とを有し、 前記第2変速手段(3) は、 前記出力軸(411) に回転自在に設けられたクラッチ盤(3
    3)と、 このクラッチ盤(33)と前記出力軸側ホイル(21)との間に
    設けられ、前記出力軸(411) が前記第2の回転速度より
    も速い所定の速度で回転したときに、前記出力軸(411)
    の回転に伴う遠心力により前記出力軸側ホイル(21)と前
    記クラッチ盤(33)とを係合する遠心力クラッチ手段(32)
    と、 この遠心力クラッチ手段(32)により前記出力軸側ホイル
    (21)と前記クラッチ盤(33)とが係合されたときに、前記
    出力軸(411) に設けられた太陽外歯歯車(35)と、この太
    陽外歯歯車(35)の外周を覆うように固定された太陽内歯
    歯車(36)と、これら太陽歯車(35,36) に噛み合うと共に
    前記クラッチ盤(33)に軸支された遊星歯車(34)とを介し
    て前記出力軸(411) を駆動して、当該出力軸(411) に前
    記第2の回転速度よりも速い第3の回転速度を生じさせ
    る第2歯車列とを有してなる変速装置。
  2. 【請求項2】前記第1変速手段(1) の前記第1歯車列(1
    2)は、 前記入力軸(10)が正回転(R1)するときにこの入力軸(10)
    に固着された第1ラチェット(131) と係合する係合爪(1
    32) が設けられた太陽外歯歯車(13)と、 前記入力軸(10)を保持するボス部(10a) に前記太陽外歯
    歯車(13)の外周を覆うように固定された内歯歯車リング
    (141) と、 これら太陽歯車(13,141)に噛み合う複数の遊星歯車(14)
    とを有し、 前記入力軸側ホイル(15)は、 動力伝達部材としてのチェーン(2) と噛み合うスプロケ
    ットから構成されると共に軸受(151) を介して入力軸(1
    0)に対して回転自在に取り付けられ、この入力軸側ホイ
    ル(15)の軸直交両側面のうち前記太陽歯車(13,141)に対
    向する一方の側面に前記遊星歯車(14)が軸支され、他方
    の軸直交側面に前記ラチェット手段(16)と噛み合う噛合
    部材(153) が形成され、 前記ラチェット手段(16)は、 前記入力軸(10)に摺動自在に設けられた第2ラチェット
    (161) と、 前記入力軸(10)が正回転(R1)するときに前記第2ラチェ
    ット(161) と係合する係合爪(162) が設けられた輪盤(1
    60) とを備え、 この輪盤(160) の軸直交両側面のうち前記入力軸側ホイ
    ル(15)に対向する側面に前記入力軸側ホイル(15)の噛合
    部材(153) と噛み合う噛合部材(163) が形成され、 前記クラッチ手段(17)は、 前記入力軸(10)の軸方向に沿ってスライド自在に設けら
    れ、前記輪盤(160) の外周縁部(164) に係合する係合凹
    部(171) を有してなる請求項1記載の変速装置。
  3. 【請求項3】前記入力軸側ホイル(15)の前記噛合部材(1
    53) 、及び、前記ラチェット手段(16)の前記噛合部材(1
    63) のそれぞれは、前記正回転(R1)の回転方向で相互に
    噛み合う平板状ラチェット歯より構成してなる請求項2
    記載の変速装置。
  4. 【請求項4】前記入力軸(10)に形成したボール穴(168)
    内に、前記入力軸(10)の径方向外方に向けてばね付勢さ
    れたボール(166) を収納し、 前記ラチェット手段(16)の基端部に、前記ボール(166)
    と係合するリング状を呈する2つの凹溝(165,165) を前
    記入力軸(10)の軸方向に沿って形成してなる請求項2記
    載の変速装置。
  5. 【請求項5】前記第1ラチェット(131) は、前記入力軸
    (10)が正回転(R1)するときには前記太陽外歯歯車(13)の
    前記係合爪(132) と係合して前記太陽外歯歯車(13)を正
    回転方向(R1)に駆動する一方、前記太陽外歯歯車(13)が
    前記入力軸(10)の回転速度よりも速い速度で正回転方向
    (R1)に回転するときには前記係合爪(132) と係合しない
    ことを特徴とする請求項2記載の変速装置。
  6. 【請求項6】前記出力軸側ホイル(21)は、 前記出力軸(411) に固着された内方ラチェット(25)と、 正回転(R1)するときに前記内方ラチェット(25)と係合し
    て前記出力軸(411) を正回転方向(R1)に回転駆動する係
    合爪(24)が設けられ、リング状に突出する支持リング(3
    1)が軸直交側面に形成された外方ラチェット(23)と、 正回転(R1)するときに前記外方ラチェット(23)と係合し
    て当該外方ラチェット(23)を正回転方向(R1)に回転駆動
    する係合爪(22)が設けられ、動力伝達部材としてのチェ
    ーン(2) と噛み合うスプロケットとから構成され、 前記クラッチ盤(33)は、 その外周縁部に前記支持リング(31)に対向するように設
    けられると共にこの支持リング(31)との間に設けた前記
    遠心力クラッチ手段(32)が前記出力軸(411) の回転に伴
    う遠心力により係合するクラッチ凸片(331) を有し、 前記クラッチ盤(33)と前記支持リング(31)との間に、前
    記クラッチ盤(33)が正回転(R1)したときのみに前記支持
    リング(31)と連結して前記外方ラチェット(23)を回転駆
    動するカップリング(30)を設け、 前記第2変速手段(3) の前記第2歯車列は、 正回転(R1)するときに前記出力軸(411) に固着されたラ
    チェットと係合して前記出力軸(411) を正回転方向(R1)
    に回転駆動する係合爪(351) が設けられた太陽外歯歯車
    (35)と、 固定された軸ケース(361) の内周面に前記太陽外歯歯車
    (35)の外周を覆うように設けられた内歯歯車(36)と、 これら太陽歯車(35,36) に噛み合うと共に前記クラッチ
    盤(33)に軸支された複数の遊星歯車(34)とを有してなる
    請求項1記載の変速装置。
  7. 【請求項7】前記遠心力クラッチ手段(32)は、 前記クラッチ凸片(331) の内周面に当接する弾性材料か
    らなる摩擦シューライニング(324) の内面に金属板(32
    3) を一体的に取り付けて構成され、円弧形状を呈する
    複数の膨張クラッチシュー(320) と、 隣接する前記膨張クラッチシュー(320) を相互に連結す
    る弾発手段(322) とを有してなる請求項6記載の変速装
    置。
  8. 【請求項8】前記各膨張クラッチシュー(320) の両端部
    に凹部(321) を形成すると共に、前記膨張クラッチシュ
    ー(320) の前記金属板(323) の内周面に形成した複数の
    外方ほぞ穴(323a)と、前記支持リング(31)の外周面に形
    成した複数の内方ほぞ穴(313) との間に支えほぞ(312)
    を配置し、 隣接する前記膨張クラッチシュー(320) の前記凹部(32
    1) の間に挿入される複数の突起支持ブロック(311) を
    前記支持リング(31)の外周面に形成し、 前記支持リング(31)が正回転(R1)したときに、前記膨張
    クラッチシュー(320)の端部を押圧してこの膨張クラッ
    チシュー(320) を径方向外方に向けて拡開する傾斜面を
    前記突起支持ブロック(311) に形成してなる請求項6記
    載の変速装置。
  9. 【請求項9】前記カップリング(30)は、 前記支持リング(31)の内周面(301) に対向するように設
    けられたクラッチ盤(33)の内環(306) の外周面に、前記
    内周面(301) との間の隙間が逆回転方向に沿って小さく
    なる複数の楔形部(303) を形成し、 この楔形部(303) と前記内周面(301) との間にボール(3
    04) を配置して構成されてなる請求項6記載の変速装
    置。
  10. 【請求項10】前記第2変速手段(3) に連設される第2
    番目の第2変速手段(3')は、 前記出力軸(411) に回転自在に設けられた第2クラッチ
    盤(33') と、 この第2クラッチ盤(33') と前記太陽外歯歯車(35)との
    間に設けられ、前記出力軸(411) が前記第3の回転速度
    よりも速い所定の速度で回転したときに、前記出力軸(4
    11) の回転に伴う遠心力により前記太陽外歯歯車(35)と
    前記第2クラッチ盤(33') とを係合する第2遠心力クラ
    ッチ手段(32') と、 この第2遠心力クラッチ手段(32') により前記太陽外歯
    歯車(35)と前記第2クラッチ盤(33') とが係合されたと
    きに、前記出力軸(411) に設けられた第2太陽外歯歯車
    (35') と、この第2太陽外歯歯車(35') の外周を覆うよ
    うに固定された第2太陽内歯歯車(36') と、これら第2
    太陽歯車(35',36') に噛み合うと共に前記第2クラッチ
    盤(33') に軸支された第2遊星歯車(34') とを介して前
    記出力軸(411) を駆動して、当該出力軸(411) に前記第
    3の回転速度よりも速い第4の回転速度を生じさせる歯
    車列とを有してなる請求項1記載の変速装置。
  11. 【請求項11】前記入力軸(10)は自転車のペダル(11)に
    連結され、前記出力軸(411) は自転車の後輪(4) の車軸
    である請求項1記載の変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011528092A (ja) * 2008-07-17 2011-11-10 兆▲ハン▼ 黄 一種の自動車ステップ自動変速器の変速方法
CN109340336A (zh) * 2018-12-03 2019-02-15 李正华 一种摆动旋转组件
KR102465412B1 (ko) * 2021-10-26 2022-11-09 대구가톨릭대학교산학협력단 자동변속제어가 가능한 초소형차량용 2단 변속기구

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