JPH0688185A - 耐衝撃密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
耐衝撃密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Abstract
特に低温での耐衝撃密着性を、プレス成形性を低下させ
ずに改善し、自動車車体の外板にも適用可能にする。 【構成】 前焼鈍炉内の予熱工程において鋼板表面の酸
化皮膜量が 0.1〜5g/m2となるように前酸化を行った
後、還元工程で還元処理し、溶融亜鉛めっきを施した
後、30℃/sec以上の昇温速度で鋼板温度 420〜700 ℃の
温度領域内に加熱して合金化を行う。
Description
有し、種々の用途、例えば、自動車用鋼板の内板はもと
より、外板としても適用可能な、耐衝撃密着性に優れた
合金化溶融亜鉛めっきの製造方法に関する。
鋼板」と称する) は、塗装後の耐食性および塗膜密着性
に優れた材料であるため、従来から建材や家電製品など
の用途のほかに、自動車車体用の防錆鋼板としても使用
されている。自動車車体に適用する場合、以前は、孔あ
き腐食対策用として、例えば、フロアー、メンバー、イ
ンナーパネルといった内板用材料として使用されてきた
が、最近では、GA鋼板製造技術の向上と防錆目標の高
度化が相まって、表面欠陥や塗装性などに対して非常に
厳しい外板用材料 (例、ドアー、フード、フェンダー、
シル) としても、既存の電気亜鉛めっき鋼板および電気
亜鉛合金めっき鋼板と同様に適用されている。
は、Pの添加により強度が著しく高まることから、通称
P添加ハイテン鋼と呼ばれ、自動車車体用鋼板の高張力
化、軽量化の要求に伴って、自動車車体の内外板に25〜
45 kg/mm2 のレベルで使用されるようになってきた。従
って、GA鋼板の母材鋼板としてもP添加鋼が使用され
ることがある。
側では、その内面側とは異なり、走行時に飛来する石、
砂などによりいわゆるチッピング衝撃を受ける。ところ
が、GA鋼板のめっき皮膜は、FeとZnの金属間化合物で
あり、純亜鉛めっきに比べて硬度が高く、かなり脆いた
め、前記チッピング衝撃によりめっき皮膜が下地鋼板か
ら剥離し易い傾向にある。
は、低温 (−20〜−40℃) のために塗膜が硬化して、め
っき皮膜への拘束力が高くなるとともに、凍結防止のた
めに路面上に散布される岩塩によりチッピングを生じる
ために、めっき皮膜の剥離が極めて発生し易い。めっき
皮膜の剥離が発生した部分は、その周りに残存するめっ
き皮膜によるある程度の犠牲防食作用を期待することは
できるものの、それには限界があり、最終的には自動車
車体の外板にGA鋼板を用いた効果が失われてしまう。
は、従来から、成形時の皮膜剥離 (パウダリングまたは
フレーキング) を軽減する目的から、合金化温度やヒー
トパターンといったGA鋼板の操業条件の影響などに関
する研究が行われ (日本鉄鋼協会講演大会: CAMP-ISIJ
vol. 1 (1988): 655頁) 、また特公平2−39585 号公報
に提案されているように、めっき皮膜の構造、生成形
態、組成などを限定することも試みられている。
撃時のめっき皮膜密着性、とりわけ低温での耐衝撃密着
性は、前記のような成形時のめっき皮膜剥離とは異な
る。本発明者らの調査では、前記方法によっても、GA
鋼板鋼板では、主に北米で自動車車体外板に現在使われ
ている電気亜鉛めっき鋼板のような充分な耐衝撃密着性
の性能を得ることができなかった。
板は、一般のAlキルド低炭素鋼や深絞り成形用の極低炭
素Ti(Nb)添加鋼を母材とするGA鋼板に比べ、同一めっ
き組成 (合金化度) において、成形加工時の耐パウダリ
ング (粉状剥離) 性能は同等以上の性能を示すものの、
耐衝撃密着性は劣り、その改善が要望されている。
外板で問題となる耐衝撃密着性とは異なるが、鋼板表面
の結晶粒界への亜鉛の拡散侵入を利用してFe濃度が8〜
17%(重量%、以下も特に指定しない限り、%は重量%
を意味する) のGA鋼板のエナメルヘアー (即ち、塗装
後のめっき鋼板の剪断応力を伴う変形過程における各層
間の密着性能が最も低い部分での界面剥離現象) の発生
を抑制する技術が提案されている。
較的侵入し易い極低炭素Ti(Nb)添加鋼、低炭素鋼などを
めっき母材とする場合には、エナメルヘアーの発生があ
る程度抑制されるが、粒界にPが偏析し、Znの侵入量の
少ないP添加鋼を母材とする場合には効果が少なく、ま
してや、ここで問題としている厳しい低温耐衝撃密着性
に対しては、鋼種を問わずほとんど効果がない。
鋼板の低温での耐衝撃密着性を、その他の重要な性能で
あるプレス成形性 (プレス加工時の耐パウダリング性)
を損なうことなく改善することは、自動車車体外板とし
て使用する際の防錆力向上のために重要な課題である。
を母材とした場合であっても耐衝撃密着性、とりわけ低
温での耐衝撃密着性に優れた、自動車車体の内板用はも
とより、外板用にも適用可能な、GA鋼板の製造方法を
提供することである。
着性が特に劣化し易いP添加鋼を母材とするGA鋼板に
ついて、その原因と改善策について検討し、次のような
知見を得た。P添加鋼は、一般の低炭素鋼、極低炭素鋼
に比べ、合金化処理時のFe、Zn合金化反応速度が遅く、
同一昇温速度、ヒートパターンで合金化した場合には、
マクロ的な合金化度 (Fe%) が同じでも、生成する合金
層が異なる。
溶融亜鉛めっき浴中で溶融めっき後、Fe 8〜11%に合金
化した場合、鋼板/めっき界面には表層よりFe濃度の高
いΓ相 (Fe3Zn10)、或いはΓ1 相 (Fe5Zn21)が形成され
るが、P添加鋼では、同じ合金化度でもΓ相やΓ1 相は
あまり生成しない。Γ相は脆性が高く、プレス加工時の
圧縮−引張り変形による耐パウダリング性を劣化させる
ので、P添加鋼はこの点において有利であり、実際、良
好な耐パウダリング性を示す。
加鋼をめっき母材とするGA鋼板の鋼板/めっき界面
は、Γ相、Γ1 相が形成されにくい反面、非常に平滑な
構造を有し、そのために耐衝撃密着性に劣ることが判明
した。この界面付近の構造は、めっき浴への侵入時の鋼
板温度、めっき浴中Al濃度、めっき浴温度などの操業因
子によっても変化する。しかし、一般的な操業範囲 (浴
中Al濃度0.08〜0.15%、侵入時の鋼板温度 450〜550
℃) ではその影響は小さく、めっき操業因子によるGA
鋼板、特にP添加鋼を母材とするGA鋼板の耐衝撃密着
性の改善は困難である。
に、無酸化炉内である程度前酸化させ、次いで還元した
後、所定のめっきを施し、急速加熱にて合金化処理する
と、耐パウダリング性を損なうことなく、GA鋼板の耐
衝撃密着性が著しく向上することを見出した。この方法
による耐衝撃密着性の向上は、耐衝撃密着性が劣化し易
いP添加鋼板を母材とする場合に特に顕著であるが、低
炭素鋼板や極低炭素鋼板を母材とするGA鋼板について
も有効であることも判明した。
で、「鋼板に合金化溶融亜鉛めっきを連続的に施すにあ
たり、前焼鈍炉内の予熱工程において鋼板表面の酸化皮
膜量が0.1〜5g/m2となるように前酸化を行った後、還
元工程で還元処理した鋼板に所定量の溶融亜鉛めっきを
付着させた後、30℃/sec以上の昇温速度で鋼板温度 420
〜700 ℃の温度領域内に加熱し、この温度領域内で熱処
理して合金化を行うことを特徴とする、耐衝撃密着性に
優れたGA鋼板の製造方法」を要旨とする。
の鋼種は特に限定されない。即ち、GA鋼板の製造に利
用されている任意の種類の鋼種でよく、P添加鋼、低炭
素鋼 (例、アルミキルド低炭素鋼) 、極低炭素鋼 (例、
深絞り用の極低炭素TiまたはNb添加鋼) などが例示され
る。P添加鋼とは、Pを意図的に添加した鋼であって、
通常はP含有量が0.03%以上、0.2 %以下である。P添
加高張力鋼板は、一般にP添加鋼を熱間圧延、酸洗およ
び冷間圧延することにより製造される。
り使用されている連続溶融亜鉛めっきラインを利用して
実施することができる。GA鋼板の連続製造は、一般に
前焼鈍工程→溶融亜鉛めっき工程→合金化工程を経て製
造される。使用する鋼板は、前焼鈍工程の前に、常法に
より表面を洗浄する。洗浄は、アルカリ脱脂、或いはア
ルカリと酸洗 (塩酸または硫酸など) により行うのが普
通である。
る前焼鈍炉内で行われる。前酸化炉では、鋼板の表面浄
化を兼ねて鋼板を弱酸化性雰囲気で加熱し、鋼板表面に
薄い酸化皮膜を形成する。代表的な前酸化炉は無酸化炉
と呼ばれているものであり、無酸化炉の前に鋼板を予熱
する予熱炉を設けることもある。本発明においては、還
元炉の前の無酸化炉や予熱炉で行われる加熱をすべて含
めて予熱工程と称する。次いで、還元炉で鋼板表面の酸
化鉄の還元を行い、表面を活性化するとともに、焼鈍ま
たは焼ならしを行う (還元工程) 。
表面を洗浄した鋼板を、前焼鈍炉内の予熱工程において
弱酸化性雰囲気中にて予熱し、鋼板表面の酸化皮膜量が
0.1〜5g/m2、好ましくは 0.3〜3g/m2となるように前
酸化を行う。酸化皮膜量は、重量法、X線回折法などに
より測定できる。従来の溶融亜鉛めっきラインにおける
無酸化炉でも、鋼板にごく薄い酸化皮膜は形成される
が、酸化皮膜量は0.1 g/m2未満である。予熱工程で酸化
皮膜量が 0.1〜5g/m2となるように前酸化を行うには、
予熱工程の加熱炉内の雰囲気 (空燃比) と加熱温度を制
御すればよい。例えば、上記範囲内の皮膜量の酸化皮膜
を形成するには、空燃比は 1.0〜1.3 の範囲内、加熱温
度は鋼板温度で 500〜650 ℃の範囲内とすることが好ま
しい。
可能な炉であればよく特に限定されないが、例えば、ガ
ス燃焼炉、直火加熱炉などが例示される。この加熱炉と
しては、従来の溶融亜鉛めっきラインに設置されている
無酸化炉または予熱炉と無酸化炉をそのまま使用しても
よく、或いは別に専用の加熱炉を還元炉の前に設置して
もよい。
は、後述のように急速加熱により合金化処理した場合で
あっても、得られたGA鋼板の耐衝撃密着性の向上が認
められない。一方、酸化皮膜量が5g/m2を超えると、そ
の後の還元工程で酸化皮膜が充分に還元されないため
か、耐衝撃密着性がかえって劣化し、耐パウダリング性
やめっき外観も不良となる。
いて鋼板を高温の還元雰囲気に保持し、前酸化で生じた
酸化層を還元して表面を活性化すると共に、焼なましま
たは焼ならしを行う。この還元工程の操業条件 (炉内雰
囲気、温度、処理時間) は特に限定されず、従来と同様
でもよいが、前酸化での酸化量が従来より多いため、25
〜30% H2+N2雰囲気で、温度750 〜850 ℃、時間60〜12
0 秒とすることが好ましい。その後、鋼板は冷却帯を経
て大気に触れることなく、溶融亜鉛めっき浴に導かれ
る。
ばよい。例えば、浴中Al濃度は0.08〜0.15%程度、侵入
時の鋼板温度は 450〜550 ℃程度が好ましい。めっき付
着量の制御はガスワイピングなどの慣用手段により実施
でき、それにより所定量の亜鉛が付着した溶融亜鉛めっ
き鋼板が得られる。
合金化炉において、30℃/sec以上の昇温速度で鋼板温度
420〜700 ℃の温度領域内に急速加熱し、この温度領域
内で熱処理して合金化を行い、GA鋼板を得る。この急
速加熱は、鋼板がめっき付着量制御手段 (通常はガスワ
イピング装置) を経た後の初期加熱 (昇温時) に行わ
れ、この状態ではめっきの上層にはZnのη相のみが残存
している。この状態で上記の急速加熱をすることによ
り、耐衝撃密着性の改善効果が現れる。
酸化量がどの程度であっても、耐衝撃密着性の改善効果
は全く認められない。また、たとえ30℃/sec以上の昇温
速度で急速加熱しても、合金化温度が鋼板温度で420 ℃
より低いと、耐衝撃密着性の改善効果は認められない。
一方、この温度が700 ℃を超えると、合金化が進みす
ぎ、耐パウダリング性などの性能が劣化する。
熱、輻射加熱、直火加熱バーナー、通電加熱、高周波誘
導加熱など従来より利用されてきたいずれの方式でもよ
い。また、合金化熱処理時のヒートパターンは、その初
期過程での昇温速度が上記条件を満たす限り、その後の
ヒートパターンは特に制限されない。鋼板温度 420〜70
0 ℃の温度領域内で、合金化炉の滞留時間 (熱処理時
間) やめっき付着量に応じて所望の合金化度が得られる
ように合金化温度やヒートパターンを選択すればよい。
合金化度は特に限定されないが、通常はFe含有量8〜12
%の範囲内に管理する。
融亜鉛めっきライン内で化成処理を施してから製品化し
てもよい。化成処理としては、塗膜密着性を高めるリン
酸塩処理、或いは耐食性を高めるクロメート処理が代表
的であり、これらを併用してもよい。
っき母材とするGA鋼板の前酸化における酸化皮膜量と
低温での耐衝撃密着性との関係について実験結果で示
す。酸化皮膜量は、予熱工程で使用した無酸化炉内の雰
囲気 (空燃比) および予熱温度を変化させることにより
変動させた。めっき後の合金化処理は520 ℃で行い、そ
の際の昇温速度は20℃/sec (破線) および80℃/sec (実
線) とした。耐低温衝撃密着性は、実施例1に記載した
のと同じ方法で評価した。
化初期段階での昇温速度が20℃/secと遅い場合には、前
酸化を皮膜量 0.1〜5g/m2の範囲内の量で行っても、耐
衝撃密着性の改善はほとんど得られない。これに対し、
この昇温速度が80℃/secと急速加熱により合金化処理を
行った場合には、前酸化の皮膜量が0.1 g/m2以上になる
と耐衝撃密着性が無酸化の場合に比べて著しく改善され
る。ただし、酸化皮膜量が5g/m2を超えると、耐衝撃密
着性の改善効果が失われる。
非常に良好な耐衝撃密着性を示す理由は明らかではない
が、適正な皮膜量での前酸化と急速加熱による合金化処
理との複合効果により、密着性を支配するめっき/鋼板
界面にFe含有量がかなり高くミクロな凹凸の多い特異な
合金層が形成されるためではないかと考えられる。
どのプレス成形性の劣化を伴わずに低温での耐衝撃密着
性が改善されたGA鋼板を製造することができる。従っ
て、得られたGA鋼板は、塗装後に低温でチッピング衝
撃を受けても塗膜やめっき皮膜が剥離しにくいので、自
動車車体の内板はもとより、外板用にも充分に適用可能
である。もちろん、建材や家電製品といった用途にも使
用できる。
延鋼板) またはP無添加鋼板をめっき母材とし、前洗浄
として、通常のアルカリ脱脂 (NaOH水溶液中にてブラシ
洗浄) 、水洗、乾燥を行った。その後、ガス燃焼式加熱
炉において炉内の空燃比を0.9〜1.3 の範囲内、加熱温
度を鋼板温度で 400〜650 ℃の範囲内で変化させて前酸
化を行った。炉内の滞留時間は60秒であった。この前酸
化で生成した酸化皮膜量をX線回折法により測定した。
N2の雰囲気にて850 ℃×100 秒間の還元焼鈍を行った
後、外気に触れさせずに直ちに溶融亜鉛めっき浴中に導
入した。めっき浴は、温度460 ℃、Al添加量0.10%であ
り、ガスワイピング装置によりめっき付着量を片面当た
り60 g/m2 に調整した。
置を用いて、周波数100 kHz で加熱することにより合金
化のための熱処理を行った。この熱処理初期過程での昇
温速度を変化させ、ゾーン選択により所定温度に到達し
た時点で加熱を止めるか、或いはさらに合金化を進める
場合にはその到達温度に温度保持するヒートパターンと
した。このようにして、Fe8〜12%の範囲内の合金化度
のGA鋼板を得た。
フレーキング性および耐低温衝撃密着性を、次のように
して測定した、試験結果を母材鋼板の鋼種、P添加量、
前酸化量 (酸化皮膜量) 、合金化初期の昇温速度、合金
化温度範囲、めっき皮膜の合金化度とともに、表1に示
す。
30 mm 、ダイス肩半径3Rの円筒絞り試験を行った後、
外側円筒部のテープ剥離を行い、剥離程度を目視により
4段階 (◎、○、△、×) の4段階で評価した。◎が優
秀、×が不良である。
い、図2に示す装置によりビード付ハット成形試験を行
った。ビード高さは7mm、成形高さは50 mm 、成形速度
は80 mm/sec であった。得られた成形体のビード接触部
内壁側についてテープ剥離を行い、その黒化度からフレ
ーキング性を次の基準で判断した。 ○:使用上問題なし、 △:剥離がやや多い、 ×:
使用不可。
性) 150 ×70 mm の寸法に切り出したGA鋼板の試験片に、
市販の浸漬式リン酸塩処理液を使用してリン酸塩処理し
た後、カチオン型電着塗料による下塗り→中塗り→上塗
りの3コート塗装 (合計膜厚:100 μm) を施した。得
られた塗装鋼板を−20℃に冷却保持し、グラベロ試験機
において直径4〜6mmの砂利石10個を空気圧2.0 kg/c
m2、衝突速度 100〜150 km/hr の条件で衝突させ、各衝
突点での塗膜の剥離径を測定した。この剥離径の平均値
(平均剥離径) により耐低温衝撃密着性を評価した。
明方法により適量の前酸化を行った後、還元、溶融亜鉛
めっきを施し、次いで急速加熱により合金化処理したG
A鋼板は、耐パウダリング性および耐フレーキング性を
良好に保持したまま、低温での耐衝撃密着性が著しく向
上した。この効果は、P添加鋼に限らず、P無添加鋼に
おいても得られた。これに対して、合金化処理時の昇温
速度が30℃/secより低いと、耐衝撃密着性はほとんど改
善されなかった。また、前酸化での酸化皮膜量が 0.1〜
5 g/m2の範囲を外れるか、或いは合金化処理の熱処理温
度領域が 420〜700 ℃の温度領域を外れると、耐衝撃密
着性のみならず、耐パウダリング性か耐フレーキング性
も劣化した。
より、耐パウダリング性や耐フレーキング性といった必
要な他の性能を劣化させずに、耐衝撃密着性、特に衝撃
に弱い低温での耐衝撃密着性が著しく改善されたGA鋼
板を製造することができる。本発明の方法は、耐衝撃密
着性が劣化し易いP添加鋼を母材鋼板とするGA鋼板の
製造において特に大きな耐衝撃密着性の改善が得られる
が、低炭素鋼、極低炭素鋼といった他の鋼種を使用した
GA鋼板の衝撃密着性の向上にも有効である。本発明の
方法により製造されたGA鋼板は、自動車車体の外板に
適しているほか、自動車車体の内板、建材、家電製品と
いった各種用途に有用である。
化皮膜量と低温での耐衝撃密着性 (−20℃でのチッピン
グ試験における平均剥離径) との関係を示すグラフであ
る。
ト成形試験の概要を示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼板に合金化溶融亜鉛めっきを連続的に
施すにあたり、前焼鈍炉内の予熱工程において鋼板表面
の酸化皮膜量が 0.1〜5g/m2となるように前酸化を行っ
た後、還元工程で還元処理した鋼板に所定量の溶融亜鉛
めっきを付着させた後、30℃/sec以上の昇温速度で鋼板
温度 420〜700 ℃の温度領域内に加熱し、この温度領域
内で熱処理して合金化を行うことを特徴とする、耐衝撃
密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4235942A JP2725537B2 (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 耐衝撃密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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JPH0688185A true JPH0688185A (ja) | 1994-03-29 |
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ID=16993513
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JP4235942A Expired - Lifetime JP2725537B2 (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 耐衝撃密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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JP (1) | JP2725537B2 (ja) |
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