JPH0687927B2 - 汚泥脱水装置 - Google Patents

汚泥脱水装置

Info

Publication number
JPH0687927B2
JPH0687927B2 JP2156341A JP15634190A JPH0687927B2 JP H0687927 B2 JPH0687927 B2 JP H0687927B2 JP 2156341 A JP2156341 A JP 2156341A JP 15634190 A JP15634190 A JP 15634190A JP H0687927 B2 JPH0687927 B2 JP H0687927B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
slat
passage
voltage
conductive ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2156341A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04126507A (ja
Inventor
治郎 中村
憲男 室谷
肇 森本
和久 三村
尚 折下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanki Engineering Co Ltd
Original Assignee
Sanki Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanki Engineering Co Ltd filed Critical Sanki Engineering Co Ltd
Priority to JP2156341A priority Critical patent/JPH0687927B2/ja
Publication of JPH04126507A publication Critical patent/JPH04126507A/ja
Publication of JPH0687927B2 publication Critical patent/JPH0687927B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、下水処理場から発生する汚泥に直流電圧を印
加し、電気浸透作用により脱水する汚泥脱水装置に関す
る。
〔従来の技術〕
一般に、下水処理場から発生する汚泥は、脱水された
後、埋め立て,焼却,コンポスト等にして処分されてい
る。
一方、汚泥を埋め立て,焼却,コンポスト等にするため
には、汚泥を十分に脱水することが望ましい。
そこで、従来、汚泥をベルトプレス脱水機や加圧脱水機
等により簡易脱水して形成された脱水ケーキに直流電圧
を印加し、電気浸透作用により脱水する汚泥脱水装置が
開発されている(例えば、特公昭61−5914号公報および
特開昭60−25597号公報参照。) 第25図は、この種の汚泥脱水装置を示すもので、符号11
は、簡易脱水した脱水ケーキ13を押圧するプレスベルト
を示している。このプレスベルト11の下方には、フィル
ダーベルト15が一定距離を置いて配置され、このフィル
ダーベルト15とプレスベルト11の下部との間には、脱水
ケーキ13の通路17が形成されている。
そして、このフィルターベルト15は、フィルターベルト
15が弛まないように絶縁性の支持ローラ19により支持さ
れている。
また、フィルターベルト15とプレスベルト11との間に
は、一定電圧が印加されている。
このような汚泥脱水装置では、通路17に送られた高含水
率の脱水ケーキ13が、フィルターベルト15とプレスベル
ト11により加圧され、脱水ケーキ13に電圧が印加される
と、脱水ケーキ13中の水分が陰極側のフィルターベルト
15側に集水する電気浸透作用により、脱水ケーキ13中の
水分が濾液集水チェンバー21に集水され、脱水ケーキ13
を脱水することができる。
しかしながら、このような汚泥脱水装置では、脱水ケー
キ13を脱水するにつれて、脱水ケーキ13の電気抵抗が大
となり、また、脱水ケーキ13の体積が縮小するため、脱
水ケーキ13に十分な電圧や加圧力を付与することができ
なくなり、通路17の出口側に行くほど脱水することがで
きなくなるという問題があった。
第26図は、脱水ケーキ13の脱水状態に応じて、脱水ケー
キ13に十分な電圧を印加することができる汚泥脱水装置
を示すもので、この汚泥脱水装置では、高含水率の脱水
ケーキ13を押圧するプレスベルト11が三台配置され、こ
れ等のプレスベルト11とフィルターベルト15との間に
は、脱水ケーキ13の通路17の出口側に行くほど高い電圧
が印加されている。
第27図は、脱水ケーキ13の脱水状態に応じて、脱水ケー
キ13を十分に加圧することができる汚泥脱水装置を示す
もので、この汚泥脱水装置では、プレスベルト11がフィ
ルターベルト15に対して斜めに配置されており、プレス
ベルト11とフィルターベルト15との間の脱水ケーキ13の
通路17が、入口側から出口側に行くほど狭小とされてい
る。
また、第28図に示すような汚泥脱水装置では、回転ドラ
ム23が直流電源装置25の陽極に接続され、この回転ドラ
ム23とフィルターベルト15との間隙が、脱水ケーキ13の
通路17の入口側から出口側に行くほど狭小とされてい
る。
以上のように構成された汚泥脱水装置では、脱水ケーキ
13の脱水状態に応じて十分な電圧や加圧力を付与するこ
とができ、通路17の出口側でも入口側と同様に脱水ケー
キ13の脱水を行なうことができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、第25図乃至第27図に示した汚泥脱水装置
では、ベルト11,15を支持ローラ19が線接触した状態で
支持していたため、ベルト11,15に撓みが生じて均一に
加圧することができず、脱水ケーキ13に作用する加圧お
よび電圧印加が瞬間的となり、十分な脱水効果を得るこ
とができないという問題があった。
また、第28図に示した汚泥脱水装置でも、回転ドラム23
により、脱水ケーキ13をフィルターベルト15側に線接触
した状態で加圧するため、加圧および電圧印加が瞬間的
となり、十分な脱水効果を得ることができないという問
題があった。
ところで、汚泥脱水装置の電極を、高い導電性を有する
ステンレス鋼,ニッケル鋼により形成することが考えら
れるが、この場合には、脱水ケーキ13への電圧の印加に
より、電極のうち陽極の成分がイオン化して、脱水ケー
キ13内に溶出し、陽極が次第に損耗し、陽極の寿命が短
くなるという問題があった。
これにより、陽極の交換を頻繁に行なわなければならな
いという問題があった。また、ステンレス鋼,ニッケル
鋼から形成された陽極では、この陽極から重金属イオン
が脱水ケーキ13内に溶出し、二次公害を引き起こす虞が
あった。
一方、陽極を、その成分のイオン化による損耗も微量で
あり、導電性にも優れている白金等の貴金属により形成
することも考えられるが、この場合には、陽極が高価に
なり、実用的でないという問題があった。
さらに、陽極を導電性を有するセラミックを焼結して形
成する場合には、脱水ケーキ13を押圧する際に破損する
虞があり、機械的強度が小さいという問題があった。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされた
もので、請求項1または2記載の汚泥脱水装置は、脱水
ケーキを両側から面接触した状態で押圧して十分の脱水
効果を得ることができる汚泥脱水装置を提供することを
目的とし、請求項3乃至6記載の汚泥脱水装置は、陽電
極の脱水ケーキへの溶出を従来よりも大幅に低減するこ
とができるとともに、機械的強度を従来よりも大幅に向
上することができる汚泥脱水装置を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1記載の汚泥脱水装置は、水平方向に所定間隔を
置いて対向配置された上側チェーンの間に多数の上側ス
ラットを掛け渡してなる上側スラットコンベヤと、この
上側スラットコンベヤの下方に配置されるとともに水平
方向に所定間隔を置いて対向配置された下側チェーンの
間に多数の下側スラットを掛け渡してなり前記上側スラ
ットコンベヤの下部との間に汚泥の通路を形成する下側
スラットコンベヤと、前記上側スラットまたは前記下側
スラットを前記汚泥の通路側に向けて押圧して前記汚泥
の通路をその入口側から出口側に向けて順次狭める加圧
機構と、前記上側スラットおよび前記下側スラットにそ
れぞれ形成される電極間に前記汚泥の通路の入口側から
出口側に向けて順次大なる電圧を印加する電圧印加機構
と、前記通路をその幅方向に設けられた絶縁体により少
なくとも異なる電圧が印加される電圧印加区域毎に区画
し各区画の汚泥を絶縁する絶縁機構と、陽極が前記電圧
印加機構に接続され陰極が前記各電圧印加区域における
下側スラットごとに接続される直流電源装置とを備えて
なるものである。
請求項2記載の汚泥脱水装置は、水平方向に所定間隔を
置いて対向配置された上側チェーンの間に多数の上側ス
ラットを掛け渡してなる上側スラットコンベヤと、この
上側スラットコンベヤの下方に配置されるとともに水平
方向に所定間隔を置いて対向配置された下側チェーンの
間に多数の下側スラットを掛け渡してなり前記上側スラ
ットコンベヤの下部との間に汚泥の通路を形成する下側
スラットコンベヤと、前記上側スラットまたは前記下側
スラットを前記汚泥の通路側に向けて押圧して前記汚泥
の通路をその入口側から出口側に向けて順次狭める加圧
機構と、前記汚泥の通路における前記上側スラットおよ
び前記下側スラットにそれぞれ形成された電極間に、ほ
ぼ一定電圧を印加する電圧印加機構とを備えてなるもの
である。
請求項3記載の汚泥脱水装置は、直流電圧が印加される
電極間に、汚泥の通路を形成し、この汚泥通路を流通す
る汚泥を前記電極により挟持して、前記電極間の前記汚
泥に直流電圧を印加し、電気浸透作用により脱水する汚
泥脱水装置において、前記電極を、母材である導電性部
材に導電性セラミックを溶射して、所定膜厚の導電性セ
ラミック層を形成してなる電極板モジュールにより構成
してなるものである。
請求項4記載の汚泥脱水装置は、請求項1または2記載
の汚泥脱水装置において、電極を、母材である導電性部
材に導電性セラミックを溶射して、所定膜厚の導電性セ
ラミック層を形成してなる電極板モジュールにより構成
してなるものである。
請求項5記載の汚泥脱水装置は、請求項1,2,3または4
記載の汚泥脱水装置において、導電性セラミック層を、
導電性セラミックの付着を促進するボンド材を導電性部
材に溶射して形成されたボンド層に、導電性セラミック
を溶射して形成してなるものである。
請求項6記載の汚泥脱水装置は、請求項1,2,3,4または
5記載の汚泥脱水装置において、ボンド材を、モリブデ
ン,チタン,水素化チタンとしてなるものである。
〔作 用〕
請求項1記載の汚泥脱水装置では、高含水率の汚泥から
なる脱水ケーキが、上側スラットコンベヤと下側スラッ
トコンベヤとの間の通路を通過する際に、上側スラット
と下側スラットにより両側から面接触した状態で押圧さ
れる。
また、加圧機構により、脱水ケーキがその脱水状態に応
じて押圧されるとともに、電圧印加機構により、上側ス
ラットおよび下側スラットにそれぞれ形成される電極間
に、通路の入口側から出口側に向けて順次大なる電圧が
印加される。
そして、通路の幅方向に設けられた絶縁機構の絶縁体に
より、通路内の脱水ケーキが、少なくとも異なる電圧が
印加される電圧印加区域毎に区画され、各区画の汚泥が
絶縁され、さらに、直流電源装置の陰極が各電圧印加区
域における下側スラットごとに接続されているので、各
区画内の脱水ケーキの上下方向に、脱水ケーキの脱水状
態および印加電圧の大きさに応じて電流が流れる。
請求項2記載の汚泥脱水装置では、高含水率の汚泥から
なる脱水ケーキが、上側スラットコンベヤと下側スラッ
トコンベヤとの間の通路を通過する際に、上側スラット
と下側スラットにより両側から面接触した状態で押圧さ
れる。
また、加圧機構および電圧印加機構により、脱水ケーキ
がその脱水状態に応じて押圧され、上側スラットおよび
下側スラットにそれぞれ形成された電極間にほぼ一定電
圧が印加され、上側スラットと下側スラットにより挾持
された汚泥にほぼ一定電圧が上下方向に印加され、挾持
された汚泥の脱水状態に応じて電流が流れる。
請求項3記載の汚泥脱水装置では、電極を、母材である
導電性部材に導電性セラミックを溶射して、所定膜厚の
導電性セラミック層を形成してなる電極板モジュールに
より構成したので、導電性セラミックを焼結して形成し
た従来の電極よりも機械的強度が向上されるとともに、
電極の脱水ケーキへの溶出が低減される。
請求項4記載の汚泥脱水装置では、請求項1または2記
載の汚泥脱水装置において、電極を、母材である導電性
部材に導電性セラミックを溶射して、所定膜厚の導電性
セラミック層を形成してなる電極板モジュールにより構
成したので、導電性セラミックを焼結して形成した従来
の電極よりも機械的強度が向上されるとともに、電極の
脱水ケーキへの溶出が低減される。
請求項5記載の汚泥脱水装置では、請求項1,2,3または
4記載の汚泥脱水装置において、導電性セラミック層
を、導電性セラミックの付着を促進するボンド材を導電
性部材に溶射して形成されたボンド層に、導電性セラミ
ックを溶射して形成したので、導電性セラミックのボン
ド層への付着が促進される。
請求項6記載の汚泥脱水装置では、請求項1,2,3,4また
は5記載の汚泥脱水装置において、ボンド材を、モリブ
デン,チタン,水素化チタンとしたので、導電性部材
に、モリブデンまたはチタンあるいは水素化チタンから
なるボンド層が形成され、導電性セラミックのボンド層
への付着が促進される。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細を図面に示す実施例について説明す
る。
第1図乃至第4図は本発明の汚泥脱水装置の第1実施例
を示すもので、図において、符号31は、上側スラットコ
ンベヤを示している。この上側スラットコンベヤ31は、
第4図に示したように、水平方向に所定間隔を置いて対
向配置された上側ローラチェーン33の間に、多数の導電
性を有する上側スラット35を掛け渡して形成されてい
る。
この上側スラット35の外側面には、第5図および第6図
に示すように、横断面コ字状の導電性を有する連結部材
37が配置され、この連結部材37には陽電極38が形成され
ている。
この陽電極38は、上側スラット35の下面に、連結部材37
を介して電極板モジュール39を取り付けることにより形
成されている。この電極板モジュール39は、上側スラッ
ト35の下面に電気浸透脱水の処理能力に応じて必要の枚
数だけ取付可能とされている。
電極板モジュール39は、第7図に示すように、母材であ
る導電性部材40と、この導電性部材40に形成された所定
膜厚のボンド層41と、このボンド層41に形成された所定
膜厚の導電性セラミック層42により構成されている。
母材である導電性部材40は、例えば、チタン,耐蝕性に
優れたステンレス板により形成され、導電性セラミック
層42は、例えば、マグネタイト(Fe3O4)により形成さ
れている。
また、ボンド層41は、導電性部材40の汚泥通路側の面に
24〜100メッシュのスチールグリッドによりブラスト処
理を行ない、バフにより研磨した後、導電性部材40を所
定温度に暖め、例えば、水素化チタン,モリブデンから
なるボンド材をプラズマ溶射して形成されており、その
膜厚は0.1mm程度とされている。尚、バフにより研磨し
なくても良い。
さらに、導電性セラミック層42は、ボンド層41に、例え
ば、15〜50μの粒子径を有するマグネタイトからなる溶
射材料を低温でプラズマ溶射して形成され、その膜厚は
0.1〜1.0mm程度とされている。
このような電極板モジュール39は、導電性部材40の四隅
に固着された螺合部材を、第8図に示す上側スラット35
に形成された挿通孔43に挿入し、その先端にナットを螺
合することにより、上側スラット35に取り付けられてい
る。
この陽電極38と連結部材37とは、電気的に導通してい
る。
また、第5図に示したように、上側スラット35同士およ
び陽電極38同士の接触を防止するため、上側スラット35
と陽電極38の前部および後部には、例えば、ゴムからな
るライニング44が施されている。
さらに、第6図に示したように、上側スラット35の内側
面の左右には、例えば、樹脂等からなる絶縁部材45が配
置され、この絶縁部材45には、第4図に示したように、
先端に上側ローラチェーン33が固定されたアタッチメン
ト47が固着されている。
上側ローラチェーン33は、支持脚48に固着されたブラケ
ット49に支持されている。これ等の上側ローラチェーン
33は、弛みを防止し、アタッチメント47からの漏電を防
止するため、ブラケット49に載置された樹脂等からなる
絶縁部材53上を移動走行している。
また、上側ローラチェーン33は、支持脚48に固定された
減速電動機55により、第3図に示したように、上側ロー
ラチェーン33の左右に配置されるスプロケット5を介し
て回転駆動されている。
一方、上側スラットコンベヤ31の下方には、第3図およ
び第4図に示したように、水平方向に所定間隔を置いて
対向配置された下側ローラチェーン59の間に、多数のス
テンレスからなる下側スラット61を掛け渡してなる下側
スラットコンベヤ63が配置されている。この下側スラッ
トコンベヤ63は陰極とされている。
そして、下側スラットコンベヤ63の下部と上側スラット
コンベヤ31との間には、脱水ケーキ65の通路67が形成さ
れている。
この脱水ケーキ65の通路67を形成する下側スラットコン
ベヤ63の上部には、濾布69が配置され、この濾布69は下
側スラットコンベヤ63とともに移動している。
この濾布69の幅方向の外面には、第9図および第10図に
示すように、複数の絶縁体70が濾布69の長手方向に所定
間隔を置いて、接着剤等により固着されており、この濾
布69の絶縁体70が、通路67を、その入口側から出口側に
複数に区画する絶縁機構71とされている。絶縁体70の間
隔は、スラット35,61の幅の長さとされている。
即ち、濾布69が、通路67内に配置されることにより、通
路67には複数の絶縁体70が突出して配置され、これらの
絶縁体70が上側スラット35のライニング44と当接するこ
とにより、通路67内を流通する脱水ケーキ65が、スラッ
ト35,61の幅間隔毎に区画され、絶縁される。
また、下側スラット61の内側面には、第11図および第12
図に示すように、車輪72が配置され、この車輪72はレー
ル73により支持されている。このレール73は、脱水ケー
キ65の通路67を形成する下側スラット61だけを支持して
おり、レール73は支持脚48に固定されている。
脱水ケーキ65の通路67を形成する下側スラット61の中央
部には、濾液排水孔75が多数形成され、脱水ケーキ65の
通路67の下方には、第3図に示したように、濾液集水チ
ェンバー76が配置されている。
また、下側スラット61の外側面中央部には、第11図およ
び第12図に示したように、例えば、ゴム板からなるガイ
ド部材77が配置されている。
下側スラット61の内側面の左右には、先端に下側ローラ
チェーン59が固定されたアタッチメント79が配置されて
いる。これ等の下側ローラチェーン59は、上側ローラチ
ェーン33と同様に、第4図に示したように、支持脚48に
固着されたブラケット49に支持されている。これ等の下
側ローラチェーン59は、弛みを防止し、漏電を防止する
ため、ブラケット49上に配置された樹脂等からなる絶縁
部材53上を移動走行している。
また、これ等の下側ローラチェーン59は、支持脚48に固
定された減速電動機55により、第3図に示したように、
下側ローラチェーン59の左右に配置されたスプロケット
81を介して駆動されている。
そして、この実施例では、第1図に示したように、上側
スラット35を下側スラット61側に向けて押圧し、脱水ケ
ーキ65の通路67をその入口側から出口側に向けて順次狭
める加圧機構83が配置されている。
この加圧機構83は、上側スラット35を下側スラット61側
に押圧する給電兼用加圧ローラ85と、この給電兼用加圧
ローラ85を支持する加圧ローラ支持部材87と、脱水ケー
キ65の通路67出口側端部の加圧ローラ支持部材87に設け
られる油圧シリンダ89とから構成されている。
加圧ローラ支持部材87の通路67入口側端部は、支持脚48
に固定された支持部材91により回動自在に支持され、加
圧ローラ支持部材87の出口側端部は、支持脚48に固定さ
れた油圧シリンダ89に連結されている。加圧ローラ支持
部材87は、支持部材91を中心に揺動可能とされている。
給電兼用加圧ローラ85は、上側スラット35を下側スラッ
ト61に確実に押圧するため、第2図に示したように、通
路67の出口側に行くほど密に配置されている。
また、この実施例では、第2図および第3図に示したよ
うに、上側スラットコンベヤ31には、通路67の入口側か
ら出口側に形成された3つの電圧印加区域A,B,Cに入口
側から出口側に向けて順次大なる電圧を印加し、通路67
の各電圧印加区域A,B,Cにおける上側スラット35と下側
スラット61との間にそれぞれほぼ同一電圧を印加する電
圧印加機構93が配置されている。
即ち、電圧印加区域Aにおける上側スラット35と下側ス
ラット61との間には、それぞれ電圧E1が印加され、電圧
印加区域Bにおける上側スラット35と下側スラット61と
の間には、E1よりも大きい電圧E2がそれぞれ印加され、
電圧印加区域Cにおける上側スラット35と下側スラット
61との間には、E2よりも大きい電圧E3がそれぞれ印加さ
れる。
この電圧印加機構93は、上側スラット35に当接する給電
兼用加圧ローラ85と、加圧ローラ支持部材87の上部に配
置される三台の電圧ボックス95と、下側スラット61に設
けられた導電性の車輪72と、この車輪72を案内し直流電
源装置97の陰極に接続されるレール73とから構成されて
いる。
レール73は、第13図に示すように、各電圧印加区域A,B,
Cに対応して切断されており、それぞれのレール73は樹
脂等の絶縁部材98により連結されている。これらのレー
ル73は、直流電源装置97の陰極にそれぞれ接続され、こ
れにより、各電圧印加区域A,B,Cにおける下側スラット6
1が、直流電源装置97の陰極にそれぞれ接続されてい
る。
即ち、例えば、電圧印加区域Aにおける下側スラット61
は、電圧印加区域Aにおけるレール73を介して、直流電
源装置97の陰極に接続されており、電圧印加区域Bにお
ける下側スラット61は、電圧印加区域Bにおけるレール
73を介して、直流電源装置97の陰極に接続されている。
また、三台の電圧ボックス95は直流電源装置97の陽極に
接続されており、これ等の電圧ボックス95は、通路67の
入口側から出口側に向けて順次大となる電圧を有してい
る。電圧ボックス95には、第1図に示したように、給電
兼用加圧ローラ85の軸99が一側がスリップリングを介し
て接続されている。
尚、第4図に示したように、下水処理場から発生する生
汚泥或いは消化汚泥を収容する汚泥凝集槽101が、支持
脚48の上端部に配置され、この汚泥凝集槽101には、第
3図に示したように、凝集剤貯槽103からポンプ105によ
り高分子凝集剤が供給されている。
この凝集剤貯槽103の近傍には、高分子凝集剤と攪拌さ
れた汚泥が脱水される重力脱水部107が配置され、ま
た、この重力脱水部107で脱水された高濃度の汚泥を、
二枚の濾布109で挟み込みローラ111で加圧脱水するベル
トプレス部113が形成されている。
また、濾液集水チェンバー69の近傍には、濾液とガスを
分離する濾液分離槽115が配置され、また、濾液および
ガスをそれぞれ外部へ排出するポンプ117が配置されて
いる。
以上のように構成された汚泥脱水装置では、下水処理場
から発生する生汚泥或いは消化汚泥が汚泥凝集槽101に
収容され、凝集剤貯槽103からポンプ105により汚泥凝集
槽101に高分子凝集剤が供給され、汚泥凝集槽101におい
て汚泥と高分子凝集剤とが十分混合され攪拌される。
これ等の汚泥は、重力脱水部107に送られ脱水されて高
濃度の汚泥とされ、これ等の汚泥がベルトプレス部113
に送られて二枚の濾布109で汚泥が挟まれ、ローラ111で
加圧脱水して脱水ケーキ65が形成される。
そして、この脱水ケーキ65が上側スラットコンベヤ31と
下側スラットコンベヤ63との間の通路67に送られ、この
通路67を通過する際に、脱水ケーキ65が加圧機構83によ
り加圧されるとともに電圧印加機構93により電圧が印加
され、電気浸透作用により脱水ケーキ65が脱水される。
脱水ケーキ65から脱水された水分は、下側スラット61の
濾液排出孔75を介して、濾液集水チェンバー76により濾
液分離槽115に集水され、この濾液分離槽115において、
濾液とガスが分離され、濾液およびガスはそれぞれのポ
ンプ117により排出される。
電気浸透作用により十分に脱水した脱水ケーキ65は、埋
め込て,焼却,コンポスト等にして処分される。
しかして、以上のように構成された汚泥脱水装置では、
車輪72を介してレール73に支持された下側スラット61側
に、給電兼用加圧ローラ85により上側スラット35が押圧
され、脱水ケーキ65が両側から面接触した状態で押圧さ
れ、また、脱水ケーキ65の通路67を、その入口側から出
口側に向けて狭小としたので、脱水ケーキ65が脱水状態
に応じて加圧される。
また、同時に、給電兼用加圧ローラ85により、上側スラ
ット35、陽電極38を介して脱水ケーキ65に電圧が印加さ
れ、電気浸透作用によりプラスに帯電されている脱水ケ
ーキ65中の水分が陰極側の下側スラット61に向けて流動
し、水分が濾布63を通過して濾液排水孔75から排水さ
れ、脱水ケーキ65が脱水される。
また、加圧機構83により、脱水ケーキ65がその脱水状態
に応じて押圧され、電圧印加機構93により、通路67の各
電圧印加区域A,B,Cにおける上側スラット35と下側スラ
ット61との間に、入口側から出口側に向けて順次大なる
電圧が印加される。
そして、通路67の幅方向に設けられた絶縁機構71の絶縁
体70により、通路67内の脱水ケーキ65がスラット35、61
の幅の長さ毎に区画され、各区画の汚泥が絶縁され、さ
らに、直流電源装置97の陰極が各電圧印加区域A,B,Cに
おける下側スラット61ごとに接続されているので、各区
画中の脱水ケーキ65の上下方向に、脱水ケーキ65の脱水
状態および印加電圧の大きさに応じて電流が流れる。
しかして、以上のように構成された汚泥脱水装置では、
上側スラットコンベヤ31および下側スラットコンベヤ63
により脱水ケーキ65の通路67を形成し、この通路67をそ
の入口側から出口側に向けて順次狭める加圧機構83を設
けたので、脱水ケーキ65は、脱水ケーキ65の脱水状態に
応じて、上側スラット35と下側スラット61により面接触
した状態で押圧することができ、これにより、電圧を十
分に印加することができ、十分な脱水効果を得ることが
できる。
また、以上のように構成された汚泥脱水装置では、上側
スラット35と下側スラット61との間の脱水ケーキ65に、
脱水ケーキ65の通路67の入口側から出口側に向けて順次
大となる電圧を印加する電圧印加機構93を設けたので、
脱水ケーキ65の脱水状態に応じた電圧を印加することが
でき、これにより、電気浸透作用を促進することがで
き、十分な脱水効果を得ることができる。即ち、脱水ケ
ーキ65は脱水されればされる程大きな電圧が印加される
ため、脱水ケーキ65を強力に脱水することができる。
さらに、この実施例では、下側スラット61の内面に車輪
72を配置し、この車輪72を支持脚48に固定されたレール
73上を移動走行させたので、下側スラット61がレール73
に確実に支持され、下側スラット61が弛むことを防止す
ることができるとともに、給電兼用加圧ローラ85によ
り、上側スラット35と下側スラット61との間の脱水ケー
キ65を確実に押圧することができる。
また、通路67を、その幅方向に設けられた絶縁機構71の
絶縁体70によりスラット35,61毎に区画し、各区画の脱
水ケーキ65を絶縁し、陽極が電圧印加機構93に接続され
た直流電源装置97の陰極を、各電圧印加区域A,B,Cにお
ける下側スラット61ごとに接続したので、各電圧印加区
域A,B,Cに異なる電圧が混入することを防止することが
でき、各電圧印加区域A,B,Cにおける脱水ケーキ65に、
異なる電圧を確実に印加することができ、各区画内の脱
水ケーキ65の上下方向に、確実に電流を流すことができ
る。また、これにより、直流電源装置97を保護すること
ができる。
さらに、この実施例では、上側スラット35と陽電極38の
前部および後部に、ゴムからなるライニング44を施した
ので、電圧ボックス95により給電兼用加圧ローラ85を介
して上側スラット35に異なる電圧を確実に印加すること
ができる。
また、通路67を形成する下側スラットコンベヤ63の上部
に、下側スラットコンベヤ63とともに移動する濾布69を
配置したので、濾液排水孔75から脱水ケーキ65が漏出す
るのを防止して、水分のみを濾液排水孔75から排出する
ことができる。
そして、以上のように構成された汚泥脱水装置では、上
側スラット35の陽電極38を、母材である導電性部材40に
導電性セラミックを溶射して、所定膜厚のマグネタイト
からなる導電性セラミック層42を形成してなる電極板モ
ジュール39により形成したので、導電性セラミックを焼
結した場合よりも機械的強度を大幅に向上させることが
できるとともに、導電性セラミック層42のマグネタイト
の化学的耐蝕性が大きく、汚泥の有する水分が例え酸性
であったとしても、導電性セラミック層42の成分が脱水
ケーキに溶出する量を従来よりも大幅に低減することが
でき、これにより、陽電極38の寿命を従来よりも大幅に
向上させることができる。
第14図は、汚泥脱水装置の陽電極38を、各種材料により
形成した場合の通電に伴う損耗特性を実験するための実
験装置を示している。
この実験装置は、脱水濾過液とほぼ等しい成分を有する
電解液が満たされたアクリル樹脂水槽121と、このアク
リル樹脂水槽121の電解液に入れられた陽電極38および
陰電極123と、直流電圧75ボルトを印加する直流電源装
置125とから構成されている。
この実験では、陰電極123を白金からなる電極に固定し
た状態で、陽電極38を、炭素電極,高珪素鋳鉄からなる
電極,モネルからなる電極,炭化珪素からなる電極,チ
タンからなる導電性部材40に水素化チタンとマグネタイ
トを順次溶射した本発明の電極,チタンからなる導電性
部材40にマグネタイトを直接溶射した電極に順次取り替
え、これらの陽電極38から電解液に溶出する陽電極38の
成分量をそれぞれ測定した。
これらの実験結果を次表に示す。
この表から、陽電極38が、炭素電極や高珪素鋳鉄からな
る電極の場合には、電極表面が薄片状に剥離したり、電
極組成成分が速やかに溶出するため電極の損耗が著しく
早く、電極として使用不能である。また、陽電極38が、
モネルからなる電極の場合には、モネルの組成である重
金属の内ニッケルや有害な銅が溶出するため、電極とし
ては使用できない。さらに、陽電極38が、炭化珪素から
なる電極の場合には、電極表面の抵抗が通電後速やかに
高くなるため、陰電極123との間に電流が殆ど流れなく
なり、陽電極38としては不適であることがわかる。
一方、陽電極38を、チタンからなる導電性部材40に、ボ
ンド材として水素化チタンを溶射した後、マグネタイト
を溶射して形成した本発明の電極の場合には、陽電極38
の表面に損耗が見られなかった。また、陽電極38の表面
のマグネタイト溶射面が1mm厚損耗するに要する時間
は、5700時間以上であり、陽電極38として最適であるこ
とが分かる。従って、他の材質からなる陽電極38より
も、陽電極38の損耗量が少ないので、陽電極38の交換を
行なうことなく長期間の連続運転を可能とすることがで
きる。
尚、実験値としては示さなかったが、1A/dcm2の通電条
件において、軟鋼からなる陽電極38の損耗量は1.040mg/
AH、ニッケル鋼からなる電極の損耗量は1.094mg/AHであ
る。
以上の実験結果等より、陽電極38を、チタンからなる導
電性部材40に水素化チタンとマグネタイトを溶射した本
発明による電極は、表に示したように、軟鋼,ニッケル
鋼からなる陽電極38の損耗量に比較して非常に少ないた
め、軟鋼,ニッケル鋼からなる陽電極38よりも長期間使
用することができ、電極の交換を行なうことなく長時間
の連続運転を行なうことができる。
また、マグネタイトには、クロム等の有害な重金属は殆
ど含有されていないので、陽電極38が損耗しその成分が
イオン化して脱水ケーキ65に溶出したとしても、脱水ケ
ーキ65が汚染されることはなく、また、陽電極38の導電
性部材40であるチタンの溶出も認められないので、非常
に安定した電極であり、汚泥脱水装置の運転に伴う二次
公害の発生を従来よりも確実に防止することができる。
さらに、電極板モジュール39に固着された螺合部材を上
側スラット35に形成された挿通孔43に挿入し、その先端
にナットを螺合することにより、電極板モジュール39を
上部スラット35に容易に取り付けることができ、また、
導電性セラミック層42が損耗した場合には、電極板モジ
ュール39を取り外し、導電性部材40に再度マグネタイト
を溶射することにより、陽電極38としての再使用が可能
となり、経済的にメンテナンスを行なうことができる。
また、導電性部材40にマグネタイトをプラズマ溶射する
ことにより、電極板モジュール39を形成したので、電極
板モジュール39を大量生産することができ、これによ
り、陽電極38を安価に製造することができるとともに、
陽電極38の品質を安定させることができる。
さらに、導電性部材40の下面をサンドブラストし、バフ
により研磨した後、導電性部材40に、水素化チタンまた
はモリブデンを溶射してボンド層41を形成し、このボン
ド層41にマグネタイトを溶射して、導電性セラミック層
42を形成したので、ボンド層41のアンカー効果によりマ
グネタイトを導電性部材40に厚く、かつ、容易に溶着す
ることができる。
第15図乃至第18図は本発明の汚泥脱水装置の第2実施例
を示すもので、図において、符号31aは、上側スラット
コンベヤを示している。この上側スラットコンベヤ31a
は、第18図に示したように、水平方向に所定間隔を置い
て対向配置された上側ローラチェーン33aの間に、多数
の導電性を有する上側スラット35aを掛け渡して形成さ
れている。
この上側スラット35aの外側面には、第19図および第20
図に示すように、横断面コ字状の導電性を有する連結部
材37aが配置され、この連結部材37aには陽電極38aが形
成されている。
この陽電極38aは、上側スラット35aの下面に、連結部材
37aを介して電極板モジュール39aを取り付けることによ
り形成されている。この電極板モジュール39aは、上側
スラット35aの下面に電気浸透脱水の処理能力に応じて
必要な枚数だけ取付可能とされている。
電極板モジュール39aは、第21図に示すように、母材で
ある導電性部材40aと、この導電性部材40aに形成された
所定膜厚のボンド層41aと、このボンド層41aに形成され
た所定膜厚の導電性セラミック層42aにより構成されて
いる。
母材である導電性部材40aは、例えば、チタン,耐蝕性
に優れたステンレス板により形成され、導電性セラミッ
ク層42aは、例えば、マグネタイト(Fe3O4)により形成
されている。
また、ボンド層41aは、導電性部材40aの汚泥通路側の面
に24〜100メッシュのスチールグリッドによりブラスト
処理を行ない、バフにより研磨した後、導電性部材40a
を所定温度に暖め、例えば、水素化チタン,モリブデン
からなるボンド材をプラズマ溶射して形成され、その膜
厚は0.1mm程度とされている。尚、バフにより研磨しな
くても良い。
さらに、導電性セラミック層42aは、ボンド層41aに、例
えば、15〜50μの粒子径を有するマグネタイトからなる
溶射材料を低温でプラズマ溶射して形成され、その膜厚
は0.1〜1.0mm程度とされている。
このような電極板モジュール39aは、導電性部材40aの四
隅に固着された螺合部材を、第22図に示す上側スラット
35aに形成された挿通43aに挿入し、その先端にナットを
螺合することにより、上側スラット35aに取りり付けら
れている。
この陽電極38aと連結部材37aとは、電気的に導通してい
る。
また、上側スラット35a同士および陽電極38a同士の接触
を防止するため、上側スラット35aと陽電極38aの前部お
よび後部には、例えば、ゴムからなるライニング44aが
施されている。
さらに、第20図に示したように、上側スラット35aの内
側面の左右には、例えば、樹脂等からなる絶縁体45aが
配置され、この絶縁体45aには、第18図に示したよう
に、先端に上側ローラチェーン33aが固定されたアタッ
チメント47aが固着されている。
上側ローラチェーン33aは、支持脚48aに固着されたブラ
ケット49aに支持されている。これ等の上側ローラチェ
ーン33aは、弛みを防止し、アタッチメント47aからの漏
電を防止するため、ブラケット49aに載置された樹脂等
からなる絶縁体53a上を移動走行している。
また、上側ローラチェーン33aは、支持脚48aに固定され
た減速電動機55aにより、第17図に示したように、上側
ローラチェーン33aの左右に配置されたスプロケット57a
を介して回転駆動されている。
一方、上側スラットコンベヤ31aの下方には、第17図お
よび第18図に示したように、水平方向に所定間隔を置い
て対向配置された下側ローラチェーン59aの間に、多数
のステンレスからなる下側スラット61aを掛け渡してな
る下側スラットコンベヤ63aが配置されている。この下
側スラットコンベヤ63aは陰極とされている。
そして、下側スラットコンベヤ63aの下部と上側スラッ
トコンベヤ31aとの間には、脱水ケーキ65aの通路67aが
形成されている。
この脱水ケーキ65aの通路67aを形成する下側スラットコ
ンベヤ63aの上部には、濾布69aが配置され、この濾布69
aは下側スラットコンベヤ63aとともに移動している。
また、下側スラット61aの内側面には、第23図および第2
4図に示すように、車輪71aが配置され、この車輪71aは
レール73aにより支持されている。このレール73aには、
脱水ケーキ65aの通路67aを形成する下側スラット61aだ
けを支持しており、レール73aは支持脚48aに固定されて
いる。
脱水ケーキ65aの通路67aを形成する下側スラット61aの
中央部には、濾液排水75aが多数形成され、脱水ケーキ6
5aの通路67aの下方には、第17図に示したように、濾液
集水チェンバー76aが配置されている。
また、下側スラット61aの外側面中央部には、第23図お
よび第24図に示したように、例えば、ゴム板からなるガ
イド部材77aが配置されている。
下側スラット61aの内側面の左右には、先端に下側ロー
ラチェーン59aが固定されたアタッチメント79aが配置さ
れている。これ等の下側ローラチェーン59aは、上側ロ
ーラチェーン33aと同様に、第18図に示したように、支
持脚48aに固着されたブラケット49aに支持されている。
これ等の下側ローラチェーン59aは、弛みを防止し、漏
電を防止するため、ブラケット49a上に配置された樹脂
等からなる絶縁体53a上を移動走行している。
また、これ等の下側ローラチェーン59aは、支持脚48aに
固定された減速電動機55aにより、第17図に示したよう
に、下側ローラチェーン59aの左右に配置されたスプロ
ケット81aを介して駆動されている。
そして、この実施例では、第15図に示したように、上側
スラット35aを下側スラット61a側に向けて押圧し、脱水
ケーキ65aの通路67aをその入口側から出口側に向けて順
次狭める加圧機構83aが配置されている。
この加圧機構83aは、上側スラット35aを下側スラット61
a側に押圧する給電兼用加圧ローラ85aと、この給電兼用
加圧ローラ85aを支持する加圧ローラ支持部材87aと、脱
水ケーキ65aの通路67a出口側端部の加圧ローラ支持部材
87aに設けられる油圧シリンダ89aとから構成されてい
る。
加圧ローラ支持部材87aの通路67a入口側端部は、支持脚
48aに固定された支持部材91aにより回動自在に支持さ
れ、加圧ローラ支持部材87aの出口側端部は、支持脚48a
に固定された油圧シリンダ89aに連結されている。加圧
ローラ支持部材87aは、支持部材91aを中心に揺動可能と
されている。
給電兼用加圧ローラ85aは、上側スラット35aを下側スラ
ット61aに確実に押圧するため、第16図に示したよう
に、通路67aの出口側に行くほど密に配置されている。
また、この実施例では、第17図に示したように、上側ス
ラットコンベヤ31aには、通路67aにおける上側スラット
35aと下側スラット61aとの間に、ほぼ一定電圧を印加す
る電圧印加機構93aが配置されている。即ち、通路67aの
中央部に形成された電圧印加区間Eに位置する上側スラ
ット35aと下側スラット61a間に、電圧印加機構93aによ
りほぼ一定電圧が印加される。
この電圧印加機構93aは、上側スラット35aに当接する給
電兼用加圧ローラ85aと、加圧ローラ支持部材87aの上部
に配置される三台の電圧ボックス95aと、下側スラット6
1aに設けられた導電性の車輪71aと、この車輪71aを案内
し直流電源装置97aの陰極に接続されるレール73aとから
構成されている。
三台の電圧ボックス95aは直流電源装置97aの陽極に接続
されており、これ等の電圧ボックス95aは、ほぼ同一電
圧を有する多数の給電端子を有している。この電圧ボッ
クス95aの給電端子には、第15図に示したように、給電
兼用加圧ローラ85aの軸99aの一側がスリップリングを介
して接続されている。
尚、第18図に示したように、下水処理場から発生する生
汚泥或いは消化汚泥を収容する汚泥凝集槽101aが、支持
脚48aの上端部に配置され、この汚泥凝集槽101aには、
第17図に示したように、凝集剤貯槽103aからポンプ105a
により高分子凝集剤が供給されている。
この凝集剤貯槽103aの近傍には、高分子凝集剤と攪拌さ
れた汚泥が脱水される重力脱水部107aが配置され、ま
た、この重力脱水部107aで脱水された高濃度の汚泥を、
二枚の濾布109aで挟み込みローラ111aで加圧脱水するベ
ルトプレス部113aが形成されている。
また、濾液集水チェンバー69aの近傍には、濾液とガス
を分離する濾液分離槽115aが配置され、また、濾液およ
びガスをそれぞれ外部へ排出するポンプ117aが配置され
ている。
以上のように構成された汚泥脱水装置では、下水処理場
から発生する生汚泥或いは消化汚泥が汚泥凝集槽101aに
収容され、凝集剤貯槽103aからポンプ105aにより汚泥凝
集槽101aに高分子凝集剤が供給され、汚泥凝集槽101aに
おいて汚泥と高分子凝集剤とが十分混合され攪拌され
る。
これ等の汚泥は、重力脱水部107aに送られ脱水されて高
濃度の汚泥とされ、これ等の汚泥がベルトプレス部113a
に送られて二枚の濾布109aで汚泥が挟まれ、ローラ111a
で加圧脱水して脱水ケーキ65aが形成される。
そして、この脱水ケーキ65aが上側スラットコンベヤ31a
と下側スラットコンベヤ63aとの間の通路67aに送られ、
この通路67aを通過する際に、脱水ケーキ65aが加圧機構
83aにより加圧されるとともに電圧印加機構93aにより電
圧が印加され、電気浸透作用により脱水ケーキ65aが脱
水される。
脱水ケーキ65aから脱水された水分は、下側スラット61a
の濾液排出孔75aを介して、濾液集水チェンバー76aによ
り濾液分離槽115aに集水され、この濾液分離槽115aにお
いて、濾液とガスが分離され、濾液およびガスはそれぞ
れのポンプ117aにより排出される。
電気浸透作用により十分に脱水した脱水ケーキ65aは、
埋め立て,焼却,コンポスト等にして処分される。
以上のように構成された汚泥脱水装置では、車輪71aを
介してレール73aに支持された下側スラット61a側に、給
電兼用加圧ローラ85aにより上側スラット35aが押圧さ
れ、脱水ケーキ65aが両側から面接触した状態で押圧さ
れ、また、脱水ケーキ65aの通路67aを、その入口側から
出口側に向けて狭小としたので、脱水ケーキ65aが脱水
状態に応じて加圧される。
また、同時に、給電兼用加圧ローラ85aにより、上側ス
ラット35a、陽電極38aを介して脱水ケーキ65aに電圧が
印加され、電気浸透作用によりプラスに帯電されている
脱水ケーキ65a中の水分が陰極側の下側スラット61aに向
けて流動し、水分が濾布63aを通過して濾液排水孔75aか
ら排水され、脱水ケーキ65aが脱水される。
そして、電圧ボックス95aにより、上側スラット35aと下
側スラット61aとの間にほぼ一定電圧が印加され、上側
スラット35aと下側スラット61aにより挾持された脱水ケ
ーキ65aにほぼ一定電圧が印加され、挾持された脱水ケ
ーキ65aの脱水状態に応じて上下方向に電流が流れる。
しかして、以上のように構成された汚泥脱水装置では、
上側スラットコンベヤ31aおよび下側スラットコンベヤ6
3aにより脱水ケーキ65aの通路67aを形成し、この通路67
aをその入口側から出口側に向けて順次狭める加圧機構8
3aを設けたので、脱水ケーキ65aは、脱水ケーキ65aの脱
水状態に応じて、上側スラット35aと下側スラット61aに
より面接触した状態で押圧することができ、これによ
り、電圧を十分に印加することができ、十分な脱水効果
を得ることができる。
また、以上のように構成された汚泥脱水装置では、上側
スラット35aと下側スラット61aとの間の脱水ケーキ65a
に、ほぼ一定電圧を印加する電圧印加機構93aを設けた
ので、脱水ケーキ65aの脱水状態に応じた電流を上下方
向に印加することができ、これにより、電気浸透作用を
促進することができ、十分な脱水効果を得ることができ
る。
さらに、従来の一点に電圧を印加する方法では、最も流
れやすい方向にのみ電流が流れていたため、脱水効果が
一部にしか期待できなかったが、この実施例では、3個
の電圧ボックス95aにより、電圧印加区間Eの上側スラ
ット35a毎にほぼ同一電圧を印加したので、電圧印加区
間Eにおける上側スラット35aと下側スラット61aとの間
に、ほぼ一定電圧を上下方向に印加することができ、通
路67aの電圧印加区間Eにおける脱水ケーキ65aを均一に
脱水することができ、従来よりも脱水効果を向上するこ
とができる。
また、この実施例では、上側スラット35aと陽電極38aの
前部および後部に、ゴムからなるライニング44aを施し
たので、電圧ボックス95aにより給電兼用加圧ローラ85a
を介して、上側スラット35aと下側スラット61aとの間
に、電圧を上下方向に確実に印加することができる。
さらに、この実施例では、下側スラット61aの内面に車
輪71aを配置し、この車輪71aを支持脚48aに固定された
レール73a上を移動走行させたので、下側スラット61aが
レール73aに確実に支持され、下側スラット61aが弛むこ
とを防止することができるとともに、給電兼用加圧ロー
ラ85aにより、上側スラット35aと下側スラット61aとの
間の脱水ケーキ65aを確実に押圧することができる。
また、通路67aを形成する下側スラットコンベヤ63aの上
部に、下側スラットコンベヤ63aとともに移動する濾布6
9aを配置したので、濾液排水孔75aから脱水ケーキ65aが
漏出するのを防止して、水分のみを濾液排水75aから排
出することができる。
そして、以上のように構成された汚泥脱水装置では、上
側スラット35aの陽電極38aを、母材である導電性部材40
aに導電性セラミックを溶射して、所定膜厚のマグネタ
イトからなる導電性セラミック層42aを形成してなる電
極板モジュール39aにより形成したので、導電性セラミ
ックを焼結した場合よりも機械的強度を大幅に向上させ
ることができるとともに、導電性セラミック層42aのマ
グネタイトの化学的耐蝕性が大きく、汚泥の有する水分
が例え酸性であったとしても、導電性セラミック層42a
の成分が脱水ケーキに溶出する量を従来よりも大幅に低
減することができ、これにより、陽電極38aの寿命を従
来よりも大幅に向上させることができる。
尚、上記実施例では、上側スラット35,35aを、脱水ケー
キ65,65aの通路67,67a側に押圧した例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものはなく、下側
スラットを、脱水ケーキの通路側に押圧して、脱水ケー
キを加圧しても、上記実施例と同様の効果を得ることが
できる。
また、第1実施例では、脱水ケーキ65に、三種の異なる
電圧を印加した例について説明したが、本発明は上記実
施例に限定されるものはなく、例えば、脱水ケーキ65に
二種の異なる電圧を印加しても良いことは勿論である。
さらに、第1実施例では、絶縁体70を、スラット35,61
の幅の長さ毎に濾布69に固着した例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものはなく、絶縁
体は、少なくとも異なる電圧が印加される電圧印加区域
毎に、通路を区画するものであれば、濾布に所定間隔を
置いて固着しても良い。
また、第1実施例では、絶縁体70を、スラット35,61の
幅の長さ毎に濾布69に固着した絶縁機構71により、脱水
ケーキ65を区画した例について説明したが、本発明は上
記実施例に限定されるものはなく、絶縁体は、通路の幅
方向に設けられていれば良く、例えば、下側スラットに
固着されていても良い。
さらに、第1実施例では、レール73を、各電圧印加区域
A,B,Cに対応して切断した例について説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものはなく、例えば、レー
ルをスラットの幅の長さ毎に切断し、それぞれのレール
を絶縁部材により連結し、各電圧印加区域における下側
スラットごとに、直流電源装置の陽極に接続しても良
い。
尚、第2実施例では、3個の電圧ボックス95aにより、
電圧印加区間Eの上側スラット35a毎にほぼ同一電圧を
印加した例について説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものはなく、例えば、2個の電圧ボックスに
より、電圧印加区間の上側スラット毎にほぼ同一電圧を
印加しても良く、さらに、電圧印加区間の上側スラット
毎に直接ほぼ同一電圧を印加しても良いことは勿論であ
る。
さらに、第2実施例では、通路67aの中央部に電圧印加
区間Eを形成し、この電圧印加区間Eの上側スラット35
a毎にほぼ同一電圧を印加した例について説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものはなく、例えば、
通路の全域に電圧を印加しても良いことは勿論である。
尚、上記実施例では、導電性部材40,40aに、マグネタイ
トからなる導電性セラミックを溶射して、導電性セラミ
ック層42,42aを形成した例について説明したが、本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、導電性部材
に、例えば、フェライト(Fe2O3)等を溶射して、導電
性セラミック層を形成しても、上記実施例とほぼ同様の
効果を得ることができる。
また、上記実施例では、導電性部材40,40aに、導電性セ
ラミックをプラズマ溶射して、導電性セラミック層42,4
2aを形成した例について説明したが、本発明は上記実施
例に限定されるものではなく、他の方法、例えば、爆発
溶射により、導電性部材に導電性セラミックを溶射し、
導電性セラミック層を形成しても良い。
さらに、上記実施例では、導電性部材40,40aにボンド層
41,41aを形成し、このボンド層41,41aに導電性セラミッ
ク層42,42aを形成した例について説明したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、導電性部材に、
直接導電性セラミック層を形成しても、上記実施例とほ
ぼ同様の効果を得ることができる。即ち、前掲の表に示
したように、チタンからなる導電性部材に直接導電性セ
ラミック層を形成して構成された陽電極の表面のマグネ
タイトが、1mm厚損耗する時間が、5000時間以上とほぼ
同じであり、また、導電性部材のチタンの溶出も認めら
れなかったことから、上記実施例とほぼ同様の効果を得
ることができる。
また、上記実施例では、上側スラット35,35aに、一枚の
電極板モジュール39,39aを固定して陽電極38,38aを構成
した例について説明したが、本発明は上記実施例に限定
されるものではなく、上側スラットに、電気浸透脱水の
処理能力に応じて複数の電極板モジュールを固定して、
陽電極を構成しても良い。
さらに、上記実施例では、導電性部材40,40aをステンレ
ス,チタンにより形成した例について説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、耐
蝕性に優れた鉄,ニッケルニオブ,タンタル,導電性プ
ラスチック,ステンレスとチタンによるクラッド板や鋼
板とチタンによるクラッド板等のチタンを一方の面に持
つクラッド板により導電性部材を形成しても良く、さら
に、導電性部材は板状のものではない網状,棒状,布等
であっても良い。
また、上記実施例では、ボンド材として水素化チタンや
モリブデンを使用した例について説明したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、例えば、細粒の
チタンであっても良い。
さらに、上記実施例では、陽電極38,38aを、導電性部材
40,40aにボンド層41,41aを形成し、このボンド層41,41a
に導電性セラミック層42,42aを形成して構成した例につ
いて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、陰電極を、導電電性部材にボンド層を形成
し、このボンド層に導電性セラミック層を形成して構成
しても良いことは勿論である。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
電極間に汚泥の通路を形成し、この汚泥通路を流通する
汚泥を電極により挟持して、電極間の汚泥に直流電圧を
印加し、電気浸透作用により脱水する汚泥脱水装置であ
れば、本発明を適用しても良いことは勿論である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、請求項1記載の汚泥脱水装置では、
高含水率の汚泥からなる脱水ケーキが、上側スラットコ
ンベヤと下側スラットコンベヤとの間の通路を通過する
際に、上側スラットと下側スラットにより両側から面接
触した状態で押圧される。
また、加圧機構により、脱水ケーキがその脱水状態に応
じて押圧されるとともに、電圧印加機構により、上側ス
ラットおよび下側スラットにそれぞれ形成された電極間
に、通路の入口側から出口側に向けて順次大なる電圧が
印加される。
そして、通路の幅方向に設けられた絶縁機構の絶縁体に
より、通路内の脱水ケーキが、少なくとも異なる電圧が
印加される電圧印加区域毎に区画され、各区画の汚泥が
絶縁され、さらに、直流電源装置の陰極が各電圧圧印加
区域における下側スラットごとに接続されているので、
各区画内の脱水ケーキの上下方向に、脱水ケーキの脱水
状態および印加電圧の大きさに応じて電流が流れ、脱水
ケーキを両側から面接触した状態で押圧して十分な脱水
効果を得ることができる。
請求項2記載の汚泥脱水装置では、高含水率の汚泥から
なる脱水ケーキが、上側スラットコンベヤと下側スラッ
トコンベヤとの間の通路を通過する際に、上側スラット
と下側スラットにより両側から面接触した状態で押圧さ
れる。
また、加圧機構および電圧印加機構により、脱水ケーキ
がその脱水状態に応じて押圧され、上側スラットおよび
下側スラットにそれぞれ形成された電極間にほぼ一定電
圧が印加され、上側スラットと下側スラットにより挾持
された汚泥にほぼ一定電圧が上下方向に印加され、挾持
された汚泥の脱水状態に応じて電流が流れ、脱水ケーキ
を両側から面接触した状態で押圧して十分な脱水効果を
得ることができる。
請求項3記載の汚泥脱水装置では、電極を、母材である
導電性部材に導電性セラミックを溶射して、所定膜厚の
導電性セラミック層を形成してなる電極板モジュールに
より構成したので、導電性セラミックを焼結して形成し
た従来の電極よりも機械的強度が向上されるとともに、
電極の脱水ケーキへの溶出が低減され、陽極板の脱水ケ
ーキへの溶出を従来よりも大幅に低減することができる
とともに、機械的強度を従来よりも大幅に向上すること
ができる。
請求項4記載の汚泥脱水装置では、請求項1または2記
載の汚泥脱水装置において、電極を、母材である導電性
部材に導電性セラミックを溶射して、所定膜厚の導電性
セラミック層を形成してなる電極板モジュールにより構
成したので、導電性セラミックを焼結して形成した従来
の電極よりも機械的強度が向上されるとともに、電極の
脱水ケーキへの溶出が低減され、陽極板の脱水ケーキへ
の溶出を従来よりも大幅に低減することができるととも
に、機械的強度を従来よりも大幅に向上することができ
る。
請求項5記載の汚泥脱水装置では、請求項1,2,3または
4記載の汚泥脱水装置において、導電性セラミック層
を、導電性セラミックの付着を促進するボンド材を導電
性部材に溶射して形成されたボンド層に、導電性セラミ
ックを溶射して形成したので、導電性セラミックのボン
ド層への付着が促進され、陽極板の脱水ケーキへの溶出
を従来よりも大幅に低減することができるとともに、機
械的強度を従来よりも大幅に向上することができる。
請求項6記載の汚泥脱水装置では、請求項1,2,3,4また
は5記載の汚泥脱水装置において、ボンド材を、モリブ
デン,チタン,水素化チタンとしたので、導電性部材
に、モリブデンまたはチタンあるいは水素化チタンから
なるボンド層が形成され、導電性セラミックのボンド層
への付着が促進され、陽電極の脱水ケーキへの溶出を従
来よりも大幅に低減することができるとともに、機械的
強度を従来よりも大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第3図の脱水ケーキの通路およびその近傍を示
す側面図である。 第2図は第3図の給電兼用加圧ローラおよびその近傍を
示す側面図である。 第3図は本発明の汚泥脱水装置の第1実施例を示す説明
図である。 第4図は第3図の正面図である。 第5図は第1図の上側スラットおよびその近傍を示す平
面図である。 第6図は第5図のVI−VI線に沿う縦断面図である。 第7図は第6図の陽電極を示す縦断面図である。 第8図は第6図の上側スラットを示す平面図である。 第9図は濾布に絶縁体が固着された状態を示す平面図で
ある。 第10図は第9図の側面図である。 第11図は第1図の下側スラットおよびその近傍を示す平
面図である。 第12図は第11図のXII−XII線に沿う縦断面図である。 第13図は絶縁部材により連結されたレールおよびその近
傍を示す側面図である。 第14図は汚泥脱水装置の陽電極の通電に伴う損耗特性を
実験するための実験装置を示す説明図である。 第15図は本発明の汚泥脱水装置の第2実施例において脱
水ケーキの通路およびその近傍を示す側面図である。 第16図は第17図の給電兼用加圧ローラおよびその近傍を
示す側面図である。 第17図は本発明の汚泥脱水装置の第2実施例を示す説明
図である。 第18図は第17図の正面図である。 第19図は第15図の上側スラットおよびその近傍を示す平
面図である。 第20図は第19図のXX−XX線に沿う縦断面図である。 第21図は第20図の陽電極を示す縦断面図である。 第22図は第20図の上側スラットを示す平面図である。 第23図は第15図の下側スラットおよびその近傍を示す平
面図である。 第24図は第23図のXXIII−XXIII線に沿う縦断面図であ
る。 第25図乃至第28図は従来の汚泥脱水装置を示す側面図で
ある。 〔主要な部分の符号の説明〕 31,31a……上側スラットコンベヤ 33,33a……上側ローラチェーン 35,35a……上側スラット 38,38a……陽電極 39,39a……電極板モジュール 40,40a……導電性部材 41,41a……ボンド層 42,42a……導電性セラミック層 59,59a……下側ローラチェーン 61,61a……下側スラット 63,63a……下側スラットコンベヤ 65,65a……脱水ケーキ 67,67a……通路 70……絶縁体 71……絶縁機構 83,83a……加圧機構 93,93a……電圧印加機構 97……直流電源装置 A,B,C……電圧印加区域。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−18410(JP,A) 特開 昭62−61608(JP,A) 特公 昭63−45605(JP,B2) 特公 昭64−2405(JP,B2)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平方向に所定間隔を置いて対向配置され
    た上側チェーンの間に多数の上側スラットを掛け渡して
    なる上側スラットコンベヤと、この上側スラットコンベ
    ヤの下方に配置されるとともに水平方向に所定間隔を置
    いて対向配置された下側チェーンの間に多数の下側スラ
    ットを掛け渡してなり前記上側スラットコンベヤの下部
    との間に汚泥の通路を形成する下側スラットコンベヤ
    と、前記上側スラットまたは前記下側スラットを前記汚
    泥の通路側に向けて押圧して前記汚泥の通路をその入口
    側から出口側に向けて順次狭める加圧機構と、前記上側
    スラットおよび前記下側スラットにそれぞれ形成される
    電極間に前記汚泥の通路の入口側から出口側に向けて順
    次大なる電圧を印加する電圧印加機構と、前記通路をそ
    の幅方向に設けられた絶縁体により少なくとも異なる電
    圧が印加される電圧印加区域毎に区画し各区画の汚泥を
    絶縁する絶縁機構と、陽極が前記電圧印加機構に接続さ
    れ陰極が前記各電圧印加区域における下側スラットごと
    に接続される直流電源装置とを備えてなることを特徴と
    する汚泥脱水装置。
  2. 【請求項2】水平方向に所定間隔を置いて対向配置され
    た上側チェーンの間に多数の上側スラットを掛け渡して
    なる上側スラットコンベヤと、この上側スラットコンベ
    ヤの下方に配置されるとともに水平方向に所定間隔を置
    いて対向配置された下側チェーンの間に多数の下側スラ
    ットを掛け渡してなり前記上側スラットコンベヤの下部
    との間に汚泥の通路を形成する下側スラットコンベヤ
    と、前記上側スラットまたは前記下側スラットを前記汚
    泥の通路側に向けて押圧して前記汚泥の通路をその入口
    側から出口側に向けて順次狭める加圧機構と、前記汚泥
    の通路における前記上側スラットおよび前記下側スラッ
    トにそれぞれ形成された電極間に、ほぼ一定電圧を印加
    する電圧印加機構とを備えてなることを特徴とする汚泥
    脱水装置。
  3. 【請求項3】直流電圧が印加される電極間に、汚泥の通
    路を形成し、この汚泥通路を流通する汚泥を前記電極に
    より挟持して、前記電極間の前記汚泥に直流電圧を印加
    し、電気浸透作用により脱水する汚泥脱水装置におい
    て、前記電極を、母材である導電性部材に導電性セラミ
    ックを溶射して、所定膜厚の導電性セラミック層を形成
    してなる電極板モジュールにより構成してなることを特
    徴とする汚泥脱水装置。
  4. 【請求項4】電極が、母材である導電性部材に導電性セ
    ラミックを溶射して、所定膜厚の導電性セラミック層を
    形成してなる電極板モジュールにより構成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の汚泥脱水装置。
  5. 【請求項5】導電性セラミック層は、導電性セラミック
    の付着を促進するボンド材を導電性部材に溶射して形成
    されたボンド層に、導電性セラミックを溶射して形成さ
    れる請求項1,2,3または4記載の汚泥脱水装置。
  6. 【請求項6】ボンド材は、モリブデン,チタン,水素化
    チタンである請求項1,2,3,4または5記載の汚泥脱水装
    置。
JP2156341A 1989-06-15 1990-06-14 汚泥脱水装置 Expired - Fee Related JPH0687927B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2156341A JPH0687927B2 (ja) 1989-06-15 1990-06-14 汚泥脱水装置

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-154052 1989-06-15
JP15405289 1989-06-15
JP2-93365 1990-04-09
JP9336590 1990-04-09
JP2-104595 1990-04-20
JP10459590 1990-04-20
JP2156341A JPH0687927B2 (ja) 1989-06-15 1990-06-14 汚泥脱水装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04126507A JPH04126507A (ja) 1992-04-27
JPH0687927B2 true JPH0687927B2 (ja) 1994-11-09

Family

ID=27468122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2156341A Expired - Fee Related JPH0687927B2 (ja) 1989-06-15 1990-06-14 汚泥脱水装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0687927B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AUPQ741800A0 (en) 2000-05-10 2000-06-01 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Apparatus for electrodewatering by filtration
US8926819B2 (en) * 2009-06-15 2015-01-06 Dong-il Canvas Engineering Co., Ltd. Electro-penetrative type sludge weight reducing apparatus
JP5564877B2 (ja) * 2009-09-29 2014-08-06 栗田工業株式会社 電気浸透脱水装置
JP2012183453A (ja) * 2011-03-03 2012-09-27 Kurita Water Ind Ltd 電気浸透脱水装置の運転方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04126507A (ja) 1992-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0784501B1 (en) Dewatering process
US4244804A (en) Slime and sludge dewatering
RU96104583A (ru) Способ обработки поверхностей и устройство для его осуществления
ZA200602680B (en) Dewatering treatment system and method
JPS621426A (ja) 電気浸透脱水装置
US4671874A (en) Continuous dewatering apparatus
CN101472669A (zh) 用于处理和/或提高物质干燥度的方法和设备
US6086733A (en) Electrochemical cell for metal recovery
US20050016870A1 (en) Process and apparatus for treating sludge by the combined action of electro-osmosis and pressure
US7578918B2 (en) Process and apparatus for treating sludge
JPS6025597A (ja) 電気浸透式脱水機
JPH0687927B2 (ja) 汚泥脱水装置
KR100452145B1 (ko) 양극 전기드럼 내장형 전기 삼투압식 벨트프레스 탈수장치
US5192413A (en) Electroosmotic dewaterer
KR0137000B1 (ko) 전기침투식 탈수기
EP0046155A1 (en) Process and apparatus for slime and sludge dewatering
KR970006504B1 (ko) 오니탈수장치 (汚尼脫水裝置)
JPH0685845B2 (ja) 電気浸透式脱水機
JPS63256112A (ja) 電気浸透式脱水機
KR100815845B1 (ko) 금속 여과필터를 이용한 슬러지 전기탈수 장치
EP0286714A1 (en) Electroosmotic dewaterer
JPS63256113A (ja) 電気浸透式脱水機
EP1642868A1 (en) Process and apparatus for treating sludge
JPH0346162B2 (ja)
JPH042286B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees