JPH0687806A - 新規2−アミノ−2−エチニルマロン酸エステル誘導体 - Google Patents

新規2−アミノ−2−エチニルマロン酸エステル誘導体

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JPH0687806A
JPH0687806A JP4260583A JP26058392A JPH0687806A JP H0687806 A JPH0687806 A JP H0687806A JP 4260583 A JP4260583 A JP 4260583A JP 26058392 A JP26058392 A JP 26058392A JP H0687806 A JPH0687806 A JP H0687806A
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JP
Japan
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following general
compound
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JP4260583A
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Yoshimitsu Nagao
善光 長尾
Ken Kin
權 金
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 【化1】 (式中、Rは、水素原子、置換されてもよいアリール基
若しくはアラルキル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基、置換されてもよい低級アルキル基又はトリ低
級アルキルシリル基を意味し、R1は水素原子、低級ア
ルキル基又はアラルキル基を意味し、R2は水素原子又
はアミノ保護基を意味し、R3は低級アルキル基を意味
する)で示される2−アミノ−2−エチニルマロン酸誘
導体〔I〕、イナミド誘導体〔II〕及び3−アルキルチ
オ−2−アミノ−3−ブテン酸誘導体〔III〕、並びに
その製造方法。 【効果】本発明化合物は、抗菌剤、抗真菌剤、酵素阻害
剤等の医薬品として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌剤、抗真菌剤、酵
素阻害剤として有用な新規2−アミノ−2−エチニルマ
ロン酸誘導体、イナミド誘導体及び3−アルキルチオ−
2−アミノ−3−ブテン酸誘導体、並びにその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ酸のアミノ N−アルキル基のα
位にエチニル基を有する化合物は、酵素阻害に基づいた
新薬の発見という見地からして非常に興味深い化合物で
ある。例えば、α−アセチレン化 3,4−ジヒドロキ
シフェニルアラニン(DOPA)が、DOPA脱炭酸酵
素作用の非可逆的な阻害活性を有することは以前から知
られている(Biochem.Phamacol.,
97828(8),1331−5)。また、ストレプ
トマイセス・カテニュラエ(Streptomyces
catenulae)の発酵ブロス(broth)か
ら見出されたL−エチニルグリシン(N−アセチル誘導
体として単離)が、グラム陽性菌に対する抗菌剤として
有用であることは既に知られているが(J.Antib
iot.1980,33,125)、この誘導体がアラ
ニンラセマーゼのごときビタミンB6依存性酵素の自殺
不活性化剤(suicide inactivato
r)であることも明らかにされている(J.Antib
iot.,198033,132)。また、γ−アミ
ノ酸のアセチレン誘導体であるγ−エチニル γ−アミ
ノブチル酸(GABA)もシュードモナス フルオレッ
センスにから得られたGABAアミノトランスフェラー
ゼの強力な失活剤であることが確認されている(Bio
chem.Biophys.Res.Commun.,
197567,301)。更に、最近に至り、ビタミ
ンB6依存性GABAアミノトランスフェラーゼの阻害
に関する詳細な機構的な研究の報告もなされている
(J.Am.Chem.Soc.,1991113
9392)。このように、アミノ N−アルキル基のα
位にエチニル基を有するアミノ酸化合物は、各種酵素阻
害剤、ひいては抗菌剤、抗真菌剤等としての有用性が期
待されるものであり、興味深い化合物である。しかしな
がら、この種の化合物については一部の研究者により合
成が試みられているのみであり、本発明のごとき2−ア
ミノ−2−エチニルマロン酸誘導体やイナミド誘導体、
3−アルキルチオ−2−アミノ−3−ブテン酸誘導体は
知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明者は
上記のごとき技術背景のもとに、ビタミンB6依存性酵
素の新たな阻害剤として(アミノ)エチニルマロン酸に
注目し、一連の非天然型抗菌剤、即ち合成抗菌剤に関す
る研究を行った。その結果、優れた酵素阻害活性、特に
ビタミンB6依存性酵素の阻害活性を有し、新たな酵素
阻害剤、抗菌剤、抗真菌剤として有用な新規な化合物を
見出し本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、新規2
−アミノ−2−エチニルマロン酸誘導体は、下記一般式
〔I〕で表され、
【0005】
【化1】
【0006】新規イナミド誘導体は下記一般式〔II〕で
表され、
【0007】
【化2】
【0008】新規2−アルキルチオ−2−アミノ−3−
ブテン酸誘導体は下記一般式〔III〕で表される。
【0009】
【化3】
【0010】ここで、Rは水素原子、置換されてもよい
アリール基若しくはアラルキル基、シクロアルキル基、
シクロアルケニル基、置換されてもよい低級アルキル基
又はトリ低級アルキルシリル基を意味し、R1は水素原
子、低級アルキル基又はアラルキル基を意味し、R2
水素原子又はアミノ保護基を意味する。また、本発明の
他の目的は、上記のごとき一般式〔I〕で表される新規
2−アミノ−2−エチニルマロン酸誘導体の製造方法、
及び一般式〔II〕で表される新規イナミド誘導体の製造
方法の提供であり、より具体的には下記の通りの製造方
法である。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1及びR2は前記と同じ)で示さ
れるイミノマロン酸誘導体と、一般式
【0013】
【化5】
【0014】(式中、Rは前記と同じ)で示されるリチ
ウムアセチライドを反応させることを特徴とする、一般
式〔I〕
【0015】
【化1】
【0016】(式中、R、R1及びR2は前記と同じ)で
示される2−アミノ−2−エチニルマロン酸誘導体の製
造方法。
【0017】
【化1】
【0018】(式中、R、R1及びR2は前記と同じ)で
示される2−アミノ−2−エチニルマロン酸誘導体を有
機溶媒中で塩基の存在下に加水分解並びに脱炭酸反応に
付することを特徴とする、一般式〔II〕
【0019】
【化2】
【0020】(式中、R、R1及びR2は前記と同じ)で
示されるイナミド誘導体の製造方法。
【0021】なお、本明細書中における置換基に関する
用語の意味は下記の通りである。「アリール基」とは、
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ビフェ
ニル基等の芳香族炭化水素基を意味し、特に好ましくは
フェニル基である。「アラルキル基」とは、ベンジル
基、フェネチル基等のフェニル低級アルキル基を意味
し、特に好ましくはベンジル基である。これら「アリー
ル基」、「アラルキル基」はメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基等の低級アルキル基;水酸基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の低級アルコ
キシ基等の置換基の1つ以上で置換されてもよい。「シ
クロアルキル基」とは、炭素数3乃至7の飽和脂肪族炭
化水素環であり、具体的には、シクロプロピル基、シク
ロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又は
シクロヘプチル基を意味する。「シクロアルケニル基」
とは、上記のごときシクロアルキル基の飽和脂肪族炭化
水素環中の少なくとも1つの隣接炭素原子が二重結合で
結ばれた、例えばシクロペンテニル基、シクロヘキセニ
ル基等を意味する。「低級アルキル基」とは、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基等の、直鎖又は
分岐の炭素数1乃至4のアルキル基を意味する。これら
「アルキル基」は、水酸基;メルカプト基;カルボキシ
基;低級アルコキシカルボニル基等の置換基、特に好ま
しくは水酸基で置換されてもよい。「トリ低級アルキル
シリル基」とは、例えばトリメチルシリル基、トリエチ
ルシリル基である。「アミノ保護基」とは、通常のアミ
ノ酸化学の分野で用いられる(保護基であり、アミノ基
又はイミノ基を諸反応から保護するものであれば、いか
なる保護基も採用し得る。例えば、ホルミル基、アセチ
ル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基等の置
換又は非置換の低級アルカノイル;フタロイル基;te
rt−ブトキシカルボニル基(Boc)等の低級アルコ
キシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基(Z)
等のアリールオキシカルボニル基;ベンゼンスホニル
基、トシル基等のアリールスルホニル基;トリチル基、
ベンジル基等のアラルキル基を挙げることができる。次
に、本発明に係る新規2−アミノ−2−エチニルマロン
酸誘導体〔I〕、イナミド誘導体〔II〕、及び3−アル
キルチオ−2−アミノ−3−ブテン酸誘導体〔III〕の
製造方法について述べるが、これら新規誘導体〔I〕、
〔II〕、〔III〕の製造は下記方法に限定されるもので
ないことは勿論である。
【0022】
【化6】
【0023】(第1工程) 化合物(3)の製造 この工程自体は、アザ−ビッティヒ(aza−Witt
ig)反応としてよく知られている(Tetrahed
ron Lett.,22(46),4607(198
1))。化合物(1)は、ケトマロン酸のジエステル体
であり、例えばジエチル ケトマロン酸エステル、ジメ
チル ケトマロン酸エステル、ジベンジル ケトマロン
酸エステル、ジフェナセチル ケトマロン酸エステル等
を挙げることができる。化合物(2)は、アセチル基、
tert−ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジル
オキシカルボニル基(Z)、p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル基等のアミノ保護基(R2)で保護されてな
るイミノトリフェニルホスフィンであり、好ましくはア
セチルイミノトリフェニルホスフィンである。化合物
(3)は、化合物(2)を無水テトラヒドロフラン(T
HF)、無水ジオキサン等の有機溶媒に溶解させた後、
更に同溶液中に1当量の化合物(1)を加え、不活性ガ
ス雰囲気下で数時間乃至数十時間反応させることによっ
て得ることができる。
【0024】(第2工程) 化合物〔I〕の製造 化合物〔I〕は、第1工程で得られた化合物(3)を単
離し、又は単離することなくそのままリチウムアセチラ
イド(4)と不活性ガス雰囲気下、−10℃〜−80℃
の条件下に反応させてエチニル化することによって得ら
れる。リチウムアセチライド(4)は、例えば対応する
置換基Rを有するアセチレン化合物をn−ブチルリチウ
ムと無水THF、無水エーテル、無水ジメトキシエタン
等の有機溶媒中で交換反応に付することにより容易に得
ることができる。なお、R基としてヒドロキシ置換低級
アルキル基、例えば2−ヒドロキシエチル基を有する化
合物〔I〕を望む場合は、化合物(4)としてLi−C
≡C−C24−OLiのごときを用いればよい。
【0025】(第3工程) 化合物〔I〕(但し、R=
−H)の製造 前記第1工程及び第2工程の方法に従ってトリメチルシ
リルエチニル基を有する化合物(5)、例えばエチル
2−アセトアミド−2−エトキシカルボニル−4−トリ
メチルシリル−3−ブチン酸エステルを得た後、脱シリ
ル化することにより容易にトリメチルシリル基を脱離さ
せて、Rが−Hである目的化合物〔I〕を得ることがで
きる。具体的には、化合物(5)をTHF、ジオキサ
ン、アセトン等の非反応性の極性有機溶媒に溶解させ、
不活性ガス雰囲気下、20℃乃至−80℃、好ましくは
−80℃で、1当量乃至2当量の酸の存在下に反応させ
ることによりトリメチルシリル基を脱離することができ
る。好ましい酸としては、酢酸、シュウ酸、クエン酸等
の有機酸、または塩酸等の無機酸を挙げることができ
る。特に好ましいのは酢酸であり、この場合更にテトラ
ブチルアンモニウムフルオリド等の四級アミンのフッ素
塩を併用することにより好結果が得られる。
【0026】(第4工程) 化合物〔II〕の製造 転移反応を伴ったイナミド化合物〔II〕は、化合物
〔I〕を通常のアルカリ加水分解反応に付することによ
り得ることができる。より具体的には、第2工程乃至第
3工程で得られた化合物〔I〕をエタノール、THF、
ジオキサン等の有機溶媒、好ましくはエタノールに溶解
させた後、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
リチウム等の無機塩基水溶液を加えて、氷冷下に5乃至
20分反応させることによって97〜100%の高収率
で化合物〔II〕を得ることができる。これら溶媒、塩基
の組み合わせの代わりに、0.1M程度のフォスフェー
ト緩衝液(pH7.5)を用いてもよい。化合物〔II〕
の化学構造は、1H及び13CNMR、マススペクトル、
元素分析によって確認した。面白いことに、THF中で
ナトリウムエトキシドを用いて室温下、12時間、また
THF中でナトリウムハイドライドを用いて0℃、2時
間でこの反応を試みたが、このような無水塩基性条件下
では決して上記のような反応は起こらず、そのかわりに
出発物質としての化合物〔I〕が96〜98%回収され
た。このことから、当反応には少量の水乃至アルコール
が必要であり、加水分解及び脱炭酸が重大に関している
と推定される。ここに参考までに、上記新規イナミド形
成の為の反応経路を提案する。
【0027】
【化7】
【0028】即ち、化合物〔I〕中の1つのエトキシカ
ルボニル基のアルカリ加水分解は、結果的にカルボン酸
(6)の脱炭酸を引き起こし、次いで活性アレン中間体
(7)を与え、該中間体分子内における環化は強制的に
不安定なアジリジン環(8)、次いで(9)を与えるで
あろう。OH-による化合物(9)の環開裂はエチニル
基の再形生を伴い、エノレート(10)を与え、更に最
終生成物〔II〕を与える。
【0029】(第5工程) 化合物〔III〕の製造 化合物〔III〕は、ソフト求核反応剤、エタンチオール
を用いたマイケル(Michael)型付加反応を利用
して化合物〔I〕から製造できる。より具体的には、化
合物〔I〕をエタノール等の有機溶媒中で水酸化カリウ
ム等の塩基の存在下に、当量のエタンチオールを用いて
5分乃至数10分、氷冷下に反応させることにより目的
とするE−オレフィン性チオール付加物〔III〕が93
〜97%の高収率で、しかも高度の立体選択性をもって
得ることができる。参考の為、推定されるこの反応機構
(但し、R=−Ph、R1=−Et、R2=−Ac)を下
記スキーム3に示す。
【0030】
【化8】
【0031】上記のごとくして得られた、新規2−アミ
ノ−2−エチニルマロン酸誘導体〔I〕、イナミド誘導
体〔II〕、及び3−アルキルチオ−2−アミノ−3−ブ
テン酸誘導体〔III〕は、ビタミンB6依存性酵素阻害
剤、抗菌剤、抗真菌剤として有用であり、その化学構造
が従来のそれと著しく異なることから、実用化が期待さ
れるものである。
【0032】
【実施例】以下、実施例を以て説明するが、本発明はこ
れら実施例によって何等限定されるものでない。 (実施例1)エチル 2−アセトアミド−2−エトキシ
カルボニル−4−フェニル−3−ブチン酸エステルの製
【0033】
【化9】
【0034】アセチルイミノトリフェニルホスフィン
(1.5g、4.69mmol)を40mlの無水テト
ラヒドロフラン(THF)に溶解させ、ジエチルケトマ
ロン酸エステル(0.7ml、4.69mmol)を室
温下に加えた後、混合物を窒素ガス雰囲気下に10時間
加熱還流する。反応液を−78℃に冷却し、フェニルア
セチレン(0.515ml、4.69mmol)とn−
ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.80ml、4.6
9mmol)からTHF中で調整して得られたリチウム
フェニルアセチリドを窒素ガス雰囲気下に10時間かけ
て滴下する。−78℃で3時間反応させた後、反応混合
物に5%HClを加え、室温まで昇温する。反応液をエ
チルエーテルにて抽出、エーテル層をNaHCO3の飽
和水溶液で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄した後、硫酸
マグネシウムにて乾燥し溶媒を減圧下に留去する。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー上でエチルエー
テル/ヘキサン(5:1)にて溶出分離して淡黄色油状
の標記化合物(1.0g、収率67%)を得た。 IR(neat)cm-1: 3362,2985,2239,1752,1673,14911 H-NMR(200MHz,CDCl3): 1.33(t,6H,J=7.1Hz),2.10(s,3
H),4.36(q,4H,J=7.1Hz),7.04(br s,1H),7.21〜7.52(m,5
H)13 C-NMR(100MHz,CDCl3)δ: 13.88, 22.80, 60.72, 63.
71, 82.47, 84.70,121.87,128.15,128.86,132.16,165.0
8,168.73 C14153N; 計算値 C 64.34, H 6.03, N 4.41 実測値 C 63.88, H 6.24, N 4.28
【0035】(実施例2〜7)リチウムフェニルアセチ
リド(Li−C≡C−Ph)の代わりに下記化合物
【0036】
【化10】
【0037】を用いて実施例1と同様にして表−1の化
合物を合成した。
【0038】
【表1】
【0039】(実施例8)エチル 2−アセトアミド−
2−エトキシカルボニル−3−ブチン酸エステルの製造
【0040】
【化11】
【0041】実施例4で製造したエチル 2−アセトア
ミド−2−エトキシカルボニル−4−トリメチルシリル
−3−ブチン酸エステル(157mg、0.5mmo
l)の無水テトラヒドロフラン(12ml)溶液へ窒素
ガス気流中攪拌下に、−78℃で酢酸(0.057m
l、1mmol)、次いでテトラブチルアンモニウムフ
ルオリドのTHF溶液(1ml、1mmol)を加え
る。−78℃で3時間攪拌後、反応液にアンモニウムク
ロライド(3.1g)を加える。反応混合物を室温で、
減圧下に濃縮し、酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層
を水洗し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムを用いて
乾燥の後、溶媒を減圧留去する。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー上でエチルエーテル/ヘ
キサン(5:1)で溶出、分離精製することにより白色
固体状の標記化合物(95mg、収率80%)を得た。
【0042】(実施例9)エチル 2−N−フェニルエ
チニルアセトアミドアセテートの製造
【0043】
【化12】
【0044】実施例1で製造したエチル 2−アセトア
ミド−2−エトキシカルボニル−4−フェニル−3−ブ
チン酸エステル(118mg、0.37mmol)を1
0mlのエタノールに溶解させ、その溶液に0.4ml
の1M KOH溶液を0℃で加える。0℃で15分間攪
拌の後、反応液を10%HClにて酸性となし、エチル
エーテルで抽出する。エーテル層を水洗、次いで飽和食
塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥の後、溶媒
を減圧下に留去する。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー上でエチルエーテル/ヘキサン
(1:1)の混液にて溶出し、分離精製することにより
黄色油状の標記化合物(102mg、収率98%)を得
た。 IR(neat)cm-1: 3030,2982,2358,1708,1616,13781 H-NMR(200MHz,CDCl3): 1.40(t,3H,J=7.1Hz),2.42(s,3
H),4.34(s,2H),4.40(q,2H,J=7.1Hz),7.15〜7.45(m,5H)13 C-NMR(100MHz,CDCl3)δ: 13.79, 14.38, 31.97, 61.
00,127.00,127.43,128.71,128.76,136.36,157.47,160.1
4,162.28 C14153N; 計算値 C 68.54, H 6.17, N 5.71 実測値 C 68.26, H 6.24, N 5.53
【0045】(実施例10〜13)以下実施例9と同様
にして、実施例2、実施例3及び実施例4乃至実施例8
の化合物から下記表−2に示す化合物を得た。
【0046】
【表2】
【0047】(実施例14) エチル 2−アセトアミ
ド−(E)−3−エチルチオ−4−フェニル−3−ブテ
ン酸エステルの製造
【0048】
【化13】
【0049】実施例1に従って得たエチル 2−アセト
アミド−2−エトキシカルボニル−4−フェニル−3−
ブチン酸エステル(100mg、0.315mmol)
を10mlのエタノールに溶解させ、その溶液にEtS
H(0.023ml、0.315mmol)を加える。
0℃で0.315mlの1MKOHを加えた後、混合物
を0℃で10分間攪拌する。0.1mlの10%HCl
にて酸性とした後、エチルエーテルにて抽出する。エー
テル層を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、次いで飽和
食塩水で洗浄して硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を
減圧下に留去する。得られた黄色粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー上でエチルエーテル/ヘキサ
ン(1:1)混合溶媒にて溶出分離精製することによ
り、黄色粉末状の標記化合物(93.6mg、収率97
%)を得た。 m.p. : 70℃ IR(KBr)cm-1: 3282,2907,1752,1651,15211 H-NMR(400MHz,CDCl3): 1.28(t,3H,J=7.1Hz),1.33(t,3
H,J=7.4Hz),2.02(s,3H),2.82(q,2H,J=7.4Hz),4.22(q,2
H,J=7.1Hz),5.82(d,1H,J=7.5Hz),6.41(br d,J=7.5Hz),
6.76(s,1H),7.26〜7.47(m,5H) C16213NS; 計算値 MW 307.1242 実測値 m/z 307.1217(M+)
【0050】(実施例15〜17)実施例11、12、
13の化合物を出発物質として、実施例14と同様にし
て下記表−3の化合物を得た。
【0051】
【表3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 229/36 8930−4H 231/12 233/47 7106−4H 323/58 7419−4H 323/59 7419−4H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕 【化1】 (式中、Rは、水素原子、置換されてもよいアリール基
    若しくはアラルキル基、シクロアルキル基、シクロアル
    ケニル基、置換されてもよい低級アルキル基又はトリ低
    級アルキルシリル基を意味し、R1は水素原子、低級ア
    ルキル基又はアラルキル基を意味し、R2は水素原子又
    はアミノ保護基を意味する)で示される2−アミノ−2
    −エチニルマロン酸誘導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式〔II〕 【化2】 (式中、R、R1及びR2は前記と同じ)で示されるイナ
    ミド誘導体。
  3. 【請求項3】 下記一般式〔III〕 【化3】 (式中、R、R1及びR2は前記と同じ。R3は低級アル
    キル基を意味する)で示される3−アルキルチオ−2−
    アミノ−3−ブテン酸誘導体。
  4. 【請求項4】 下記一般式 【化4】 (式中、R1及びR2は前記と同じ)で示されるイミノマ
    ロン酸誘導体と、下記一般式 【化5】 (式中、Rは前記と同じ)で示されるリチウムアセチラ
    イドを反応させることを特徴とする、下記一般式〔I〕 【化1】(式中、R、R1及びR2は前記と同じ)で示さ
    れる2−アミノ−2−エチニルマロン酸誘導体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 下記一般式〔I〕 【化1】(式中、R、R1及びR2は前記と同じ)で示さ
    れる2−アミノ−2−エチニルマロン酸誘導体を有機溶
    媒中で塩基の存在下に脱炭酸反応に付することを特徴と
    する、下記一般式〔II〕 【化2】(式中、R、R1及びR2は前記と同じ)で示さ
    れるイナミド誘導体の製造方法。
JP4260583A 1992-09-04 1992-09-04 新規2−アミノ−2−エチニルマロン酸エステル誘導体 Pending JPH0687806A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006090377A1 (en) * 2005-02-22 2006-08-31 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem One-pot non-symmetric heterobifunctional coupling of organic molecules through malonic acid derivatives

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WO2006090377A1 (en) * 2005-02-22 2006-08-31 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem One-pot non-symmetric heterobifunctional coupling of organic molecules through malonic acid derivatives

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