JPH0687702U - 可調節逆止弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 逆止弁のクラッキング圧力の調節をばねを取
替えずに行えるようにする。 【構成】 ばね１９により弁座１４に押し付けられる弁
体１５と、ばね１９の後端を受けるばね受け１８を有す
る調節ねじ１７を設ける。上記調節ねじ１７をねじ込ん
だ筒体１６にはねじ１７の頭２１の位置を指示する指標
ａ、ｂ、ｃを設け、圧力計２２の指針２３が示す指標
ａ、ｂ、ｃの何れかと一致する指標ａ、ｂ、ｃの何れか
に調節ねじ１７の頭２１を合わせるとクラッキング圧力
が調節される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は例えば油圧プレスにおいて、上型などの重量で変動する押上シリン ダを作動させる油圧回路などに組込む可調節逆止弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４は従来の逆止弁を用いた油圧回路の一例を示すもので、１は油圧プレスの ラムを押上げる押上シリンダ、２は四方弁、３はポンプ、４は油タンクである。 そして、ポンプ３の吐出口に連結した送油管の途中にシリンダ１からの逆流を 防止する逆止弁５を設ける。

【０００３】 この回路において、シリンダ１で押上げるラムには上型などを取付けるので、 この上型を交換したとき重量が変化する。 上記のように押上シリンダ１で作用させるラムなどの重量が変化すると、逆止 弁５のクラッキング圧力を調整する必要がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来では各種のクラッキング圧を生じさせるための種々のばねがメーカにより 用意されていて、クラッキング圧力を変更する場合、目的のクラッキング圧に対 応するばねをメーカからその都度購入し、取替えてクラッキング圧力の調節をし ていた。

【０００５】 そのために、逆止弁をその都度解体してばねを交換したのち、組立てるという 手数を要し、その際逆止弁を油圧配管から取外すことによる油もれがあるなどの 問題もあって、ばねの取替えは大変わずらわしいものであった。

【０００６】 この考案の課題は上記のような従来の逆止弁の問題点を解決して、簡単にクラ ッキング圧力の調節ができる逆止弁を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案はばねにより弁座に押し付けられる弁 体と、上記ばねの後端を支持する調節ねじからなり、上記調節ねじの位置により クラッキング圧力を指示する指示手段を設け、上記弁体に油圧を加える油圧機器 の内圧に対応する位置まで上記調節ねじを移動させてクラッキング圧力を調節す る構成を採用した。

【０００８】 また、油圧機器の内圧を測定する圧力計と、この圧力計の測定値に応じてクラ ッキング圧力を自動的に指示する指示手段を設け、上記指示手段が指示する位置 まで調節ねじを移動させてクラッキング圧力を調節する構成のものも採用する。

【０００９】

【作用】

この考案は上記の構成であり、プレスの押上シリンダの作動回路に組込んだ逆 止弁の場合、押上げ動作時の押上シリンダの内圧を測定する。 そして、その圧力が対応する位置まで、指標を見ながら調節ねじを回してクラ ッキング圧を調節する。

【００１０】 また、演算回路によりクラッキング圧力を指示する構成のものは、指針などに より指示された位置まで調節ねじを移動させることによりクラッキング圧が調節 される。

【００１１】

【実施例】

図１ないし図３に示す実施例１において、図３の回路中の１０が実施例の逆止 弁で、１１は逆止弁本体、１２は入口で、図３の油圧回路におけるポンプ３の吐 出口に通じている。１３は出口で、図３の四方弁２のポンプポートＰに通じてい る。 １４は弁座、１５は弁体で、その直上の筒状部に筒体１６をねじ込んで固定す る。

【００１２】 上記筒体１６の上端のねじ孔には調節ねじ１７をねじ込み、その内端に設けた ばね受け１８と弁体１５の間に押ばね１９を装着する。

【００１３】 ２０は棒状の指示手段で、調節ねじの頭２１を指示する指標ａ、ｂ、ｃが色分 けなどの手段により設けられている。 ２２は圧力計で、図３の回路図のように押上シリンダ１によりラムを押上げる 際の油圧を検出する。

【００１４】 図１の実施例では圧力計の目盛の所定の個所に、前記指示手段２０の指標ａ、 ｂ、ｃと同じ色分けの指標ａ、ｂ、ｃを設ける。 この実施例の場合、ばね１９の調節に際しては、プレス機のラム押上げ時にお ける圧力計２２の指針２３の動きを見ながら、その指針２３が示した指標がａで あれば、調節ねじ１７を回してその頭２１を指示手段２０の指標ａの位置にする 。すなわち、圧力計２２の指針２３が示す指標と同じ指標に調節ねじ１７の頭２ １を一致させることにより適正なクラッキング圧力を設定できる。

【００１５】 また、図２の実施例は圧力計２２に、その測定値を電気信号に変換する回路を 設け、その出力信号を演算回路２４に入力し、その出力信号により動く指針２５ を指示手段２０に設けて、圧力計２２の指針２３と指示手段２０の指針２５が同 じ指標を示すようにしてある。

【００１６】 この実施例ではプレス機のラムの押上げ時における指針２３の動きを見て、そ の指針２３が示す指標ａ、ｂ、ｃの何れかの位置まで調節ねじ１７の頭２１を移 動させればよい。 この場合、圧力計２２を見る必要がないので、調節が一層容易となる。

【００１７】

【効果】

この考案は上記のように、調節ねじを回して所定の位置まで移動させるだけで クラッキング圧力を調節できるので、ばねを取替えてクラッキング圧力を調節す るようにした従来の逆止弁に比較して、クラッキング圧力の調節が容易、かつ能 率的に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の縦断側面図

【図２】他の実施例の縦断側面図

【図３】実施例の油圧回路図

【図４】従来例の油圧回路図

【符号の説明】

１１ 逆止弁本体 １４ 弁座 １５ 弁体 １７ 調節ねじ １９ ばね ２０ 指示手段 ２２ 圧力計 ２３ 指針 ２４ 演算回路 ２５ 指針

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ばねにより弁座に押し付けられる弁体
   と、上記ばねの後端を支持する調節ねじからなり、上記
   調節ねじの位置によりクラッキング圧力を指示する指示
   手段を設け、上記弁体に油圧を加える油圧機器の内圧に
   対応する位置まで上記調節ねじを移動させてクラッキン
   グ圧力を調節するようにしたことを特徴とする可調節逆
   止弁。
2. 【請求項２】 油圧機器の内圧を測定する圧力計と、こ
   の圧力計の測定値に応じてクラッキング圧力を自動的に
   指示する指示手段を設け、上記指示手段が指示する位置
   まで調節ねじを移動させてクラッキング圧力を調節する
   ようにしたことを特徴とする請求項１記載の可調節逆止
   弁。