JPH0687414U - 座 金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 角パイプ製の柱に桟を斜めに通して桟を柱に
連結する際の連結部に使用するのに好適な座金を提供す
る。 【構成】 内側部材と外側部材とから構成し、それらを
ともに閉鎖枠状板材の内周および外周全体を片面側に突
出させることにより筒状の縁を形成し、その内周側縁が
外周側縁より長く突出させた部材にして、両部材の内周
側縁を摩擦抵抗で係合させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、角パイプ製の柱に桟を通して、ア−チ状橋の欄干を施工する際、角 パイプの柱と桟の連結部に使用するのに好適な座金に関する。

【０００２】

【従来技術】

船が通過する幅の広い川や臨海埋め立て地の運河などにかける橋は、船の通過 部を高くするため、ア−チ状にしているので、欄干の施工も橋の形状に沿ってア −チ状にしなければならない。この欄干の施工は、図５に示すように、橋１に角 パイプ製の柱２を垂直に立てて、その頂部に笠木３を固着し、中間部にパイプ製 の桟４を数段平行に通す方法で行われている。

【０００３】 しかし、柱２に桟４を通す場合、桟４もア−チ状にしなければならないため、 図６のように、桟４は柱２に対して斜めに通さなければならない。しかし、柱２ に対して桟４をこのように斜めに通して、桟４の周囲に隙間が生じないようにす るには、柱２の前後に桟４の傾斜に沿った高さの異なる穴５を正確にあけなけれ ばならない。このため、柱２への穴あけ作業が非常に難しいという問題があった 。また、橋１の傾斜は中心部側と両端部側とでは異なるため、橋１の傾斜に応じ て前後の穴あけ位置を変更しなければならないという問題もあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

そこで、本考案は、このような柱２への穴あけ作業を改善できる座金を提供す るものである。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、座金が内側部材と外側部材から構成され、それらがともに閉鎖枠状 板材の内周および外周全体を片面側に突出させることにより筒状の縁を形成し、 その内周側縁が外周側縁より長く突出させた部材からなり、両部材の内周側縁の 断面形状は相似形で、内側部材の内周側縁は先端側が外側部材の内周側縁の外径 より拡大した内径に、また、基部側が外周側縁と密嵌する内径となっており、外 側部材の内周側縁は内側部材の内周側縁先端より基部側まで達する長さになって いるものにした。

【０００６】

【作用】

本考案の座金は、内側部材の内周側縁に外側部材の内周側縁を差し込むことに より係合させて使用する。この差し込みの際、内側部材の内周側縁は、先端側内 径が外側部材の内周側縁外径より大きいので、両部材の内周側縁を対向させて押 し合わせれば、外側部材の内周側縁を内側部材の内周側縁の先端部に容易に案内 できる。また、内側部材の基部側が外側部材の内周側縁と密嵌する内径になって いて、外側部材の内周側縁は内側部材の内周側縁先端より基部側まで達する長さ になっているので、その密嵌による摩擦抵抗より強い力で両部材を押し合わせれ ば、両部材は係合し、容易に抜けない状態になる。

【０００７】 外側部材の差し込みにより両部材の外周側縁は接近するので、両部材の内周側 縁が係合状態にあるときに両外周側縁が角パイプの周壁を当接するようにしてお けば、両外周側縁の間に角パイプの周壁を存在させることができる。そこで、角 パイプに穴をあけて、その穴の内側より内側部材の内周側縁を出した後、外側部 材を差し込めば、周壁に両外周側縁を当接することができる。

【０００８】 両部材を係合させると、両部材が角パイプにあけた桟を通すための穴の周囲を 覆うので、穴は桟の太さより大きく形成しておいても隙間を隠すことができる。 また、両部材は係合していても、角パイプの長さ方向に移動させることができる ので、穴を桟の太さより大きく形成しておけば、桟の傾斜を調整できる。従って 、内周側縁の内径を桟の太さに合わせておきさえすれば、外観上問題が生じない 。なお、両部材の係合は、内側部材を角パイプより長い角棒の中間に乗せて、角 パイプの内部に挿入した後、内周側縁を角パイプの穴より外側に出して、角棒の 両端を支えながら外側部材の内周側縁を嵌合させればよい。

【０００９】

【実施例】

図１〜図４は、本考案の座金を示すもので、内側部材６は、全周幅が一定なス テンレス鋼板製の円形リング板の内周と外周とを全体にわたりプレス加工により 片面側に直角に突出させて、内周側縁７と外周側縁８を形成したもので、両縁は ともに円筒状になっている。また、内周側縁７は外周側縁８より長く突出し、先 端側は端部に向かってラッパ状に拡大している。

【００１０】 外側部材９も内側部材６と同様に全周幅が一定なステンレス鋼板製の円形リン グ板の内周と外周とを全体にわたりプレス加工により片面側に直角に突出させて 、突出長さが内側部材６の内周側縁７および外周側縁８にそれぞれ概略等しい円 筒状の内周側縁７ａおよび外周側縁８ａを形成したもので、内周側縁７ａは外径 が内側部材６の内周側縁７の基部側内部と密嵌し、内径が欄干に施工する桟４の 太さと概略等しくなっている。

【００１１】 この座金は、図４に示すように、角パイプ製の柱２に桟４の外径より大きく、 内側部材６の内周側縁７の外径より小さい穴５をあけておき、その穴５の内側か ら内側部材６の内周側縁７を外側に突出させる。この突出させ方は内側部材６を 角棒に乗せた後、柱２の内部に挿入して、穴５の位置まで移動させ、角棒を柱２ に押し付ければよい。内側部材６の内周側縁７を穴５より突出させたなら、角棒 を支持した状態で外側部材９の内周側縁７ａを内周側縁７に合わせ、外周側縁８ ａが柱２に接触するまで強く押し込む。これにより外周側縁８ａが穴５の外周部 分を覆う。柱２はこの状態で橋１に取り付けて、桟４を外側部材９に差し込めば 、内側部材６および外側部材９とも柱２の長さ方向に移動できるので、桟４を橋 １の傾斜に合わせることができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように、本考案の座金は、柱の前後にあける穴の位置を上下にずらす必 要がある場合でも、穴の位置や大きさを正確にしなくともよい。従って、柱加工 の作業能率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、本考案の座金を構成する内側部材と外側部
材の裏面図で、（Ａ）が内側部材、（Ｂ）が外側部材で
ある。

【図２】は、図１に示した内側部材と外側部材の断面図
で、（Ａ）が図１（Ａ）のＭ−Ｍ線での内側部材断面
図、（Ｂ）が図１（Ｂ）のＮ−Ｎ線での外側部材断面図
である。

【図３】は、内側部材と外側部材とが係合させた本考案
の座金の断面図である。

【図４】は、角パイプ製の柱に本考案の座金を使用して
桟を取り付けた場合の断面図である。

【図５】は、ア−チ橋の欄干を示す図である。

【図６】は、欄干の角パイプ製柱に桟を施工する場合の
柱と桟の連結状態を示す図である。

【符号の説明】

１…橋、２…柱、３…笠木、４…桟、５…穴、６…内側
部材、７、７ａ…内周側縁、８、８ａ…外周側縁、９…
外側部材、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内側部材と外側部材とから構成され、そ
   れらがともに閉鎖枠状板材の内周および外周全体を片面
   側に突出させることにより筒状の縁を形成し、その内周
   側縁が外周側縁より長く突出させた部材からなり、両部
   材の内周側縁の断面形状は相似形で、内側部材の内周側
   縁は先端側が外側部材の内周側縁の外径より拡大した内
   径に、また、基部側が外周側縁と密嵌する内径となって
   おり、外側部材の内周側縁は内側部材の内周側縁先端よ
   り基部側まで達する長さになっていることを特徴とする
   座金。