JPH0686763A - 磁気共鳴診断装置 - Google Patents

磁気共鳴診断装置

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JPH0686763A
JPH0686763A JP4239401A JP23940192A JPH0686763A JP H0686763 A JPH0686763 A JP H0686763A JP 4239401 A JP4239401 A JP 4239401A JP 23940192 A JP23940192 A JP 23940192A JP H0686763 A JPH0686763 A JP H0686763A
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JP
Japan
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magnetic field
image
shim coil
magnetic resonance
region
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Application number
JP4239401A
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English (en)
Inventor
Yasutoshi Ishihara
康利 石原
Kiyomi Mori
清巳 守
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 装置が備えているシムコイルに誤差が生じて
いる場合に、有限個のシムコイル特性を有限次数の直交
基底関数で近似して、この特性を基に磁場不均一性を調
整した時場合に磁場の均一性が乱れる事を抑制し、より
高精度に磁場均一性を調整するための手段を備えた磁気
共鳴診断装置を提供する。 【構成】 シムコイル特性(磁場分布)を画像パターン
としてとらえるために固有値展開(特異値分解)を行
い、シムコイルの特性パターンならびに固有値(特異
値)を予め記憶しておき、これらの固有パターン、特異
値をもとに磁場の不均一性を展開・評価し、シムコイル
に流す電流値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴現象を利用し
て、被検体の解剖学的情報や、生化学的情報を得る磁気
共鳴診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に磁気共鳴診断装置では、静磁場の
不均一性は画像、並びにスペクトルの歪を引き起こす。
特に、1 H−MRSI(Magnetic Resonance Spectrosc
opicImaging )、EPI等の超高速MRIの場合には高
い磁場の均一性が望まれる。静磁場(主磁場)の不均一
性を補正するために、磁性体を配置したパッシブシムあ
るいは、磁場補正用のコイルに流す電流を調整するアク
ティブシムが用いられている。特に、生体を静磁場中に
挿入することによって生じる磁場の不均一性を軽減する
ためには、被検体毎に磁場均一性調整を行う必要があ
り、シムコイルを用いた調整方法の良否が最終的な磁場
の均一性を決定している。
【0003】シムコイルは、通常複数個用意されてお
り、各コイルお互いに直交基底関数に従う磁場分布を生
じるように設計されている。このように定めることで静
磁場の不均一性をシムコイルの持つ関数系に展開するこ
とができ、次式のように磁場の不均一性の大きさ、分布
△Bに応じた電流値を算出・調整することで、磁場の不
均一性を補正することができる。
【0004】
【数1】 △B(r)=a1 Ф1 (r)+a2 Ф2 (r)+a3 Ф3 (r) +・・・+an Фn (r)+・・・・…(1) a:展開係数 Ф:直交基底関数(シムコイル関数) r:位置ベクトル 直交基底には、球面調和関数に従う関数系をとることが
便利である。ここで、磁場の不均一性を完全に補正する
ためには、無限項の級数展開を行うことが必要となる。
被検体内の分布が一様に近いものであれば、磁場の不均
一性は有限項の級数和として近似できることが知られて
いるが、生体などの内部構造が複雑で、組織によって異
なる帯磁率を持つ被検体の場合には、生体固有の磁場の
不均一性を示すため、より高次項まで考慮した展開が必
要となり、シムコイルの数もそれに伴い増加する。
【0005】一方、シムコイルが製作誤差等の要因によ
り、直交基底関数に従う1次独立な特性を備えていない
場合には、主成分以外の磁場成分あるいは、展開に用い
る直交基底関数で容易に展開できない成分を発生する。
【0006】すなわち、予め測定されているシムコイル
の特性自身も、装置が備えているシムコイルの展開次数
まで(1) 式に従い評価することが通常であったため、直
交基底関数の選び方、用いる展開項数によっては、シム
コイル特性を十分に記述できない場合があった。
【0007】このような場合には、磁場の不均一性が低
次の直交基底関数のみで完全に記述される場合でさえ一
意に複数のシムコイルの電流値を決定することができな
かったり、あるいは、これら不要磁場成分の影響で磁場
の均一性が乱される場合が生じる場合があった。
【0008】一方、磁気共鳴診断装置としての磁気共鳴
映像(MRI)装置は良く知られているように、固有の
磁気モーメントを持つ核が静磁場中に置かれたときに、
特定の周波数で回転高周波磁場エネルギーを共鳴的に吸
収する原理を利用して、物質の化学的および物理的な微
視的情報を磁気共鳴信号の形で収集し、これを画像再構
成する装置である。磁気共鳴映像法を用いることによ
り、特定原子核の空間的な密度比・密度分布を計測する
ことが可能となるため、映像化された画像は生体組織の
形態的な変化や状態を知ることができる。
【0009】磁気共鳴現象を起こし観測の対象となる物
質としては、プロトン(1 H・水素の原子核)が代表的
であるが、化合物として生体の代謝活動に関与し存在し
ているカーボン(13C・炭素の原子核)やリン(31P・
燐の原子核)も知られている。特に、31PはPCr(ク
レアチンリン酸)、ATP(アデノシン三リン酸)、A
DP(アデノシン二リン酸)等の31P化合物やPi(無
機リン)等として生体内に存在し、種々のエネルギー代
謝(エネルギーの獲得、保存、消費)に関わっている。
【0010】プロトン画像においては、カーボンおよび
リン等の化合物の化学シフト画像に対し生体内における
プロトンの存在率が高く、体積あたりのS/Nが確保で
きるため高精細(高分解能)な画像を得ることができ
る。このような点を利用し生体内の局所を画像化するズ
ーム処理(ズーミング、ズーミング処理とも呼ばれる)
は、一度広範囲の画像を低分解能で撮像しディスプレイ
上に表示した後、局所的に高分解能で観察したい部分
(関心領域)を指定し、新に関心領域に対し撮像を行
い、表示するものである。なおここで用いられる広範囲
な画像とは、画像マトリックス数が例えば128*12
8、256*256または512*512といった値で
あり、関心領域を含み、その分解能はおおよそ1mm程度
の画像である。そして関心領域の高分解能画像とは、画
像マトリックス数が例えば256*256または512
*512といった値で、その分解能は100μm程度あ
るいはそれ以下で広範囲画像より十分に小さく細いもの
である。
【0011】磁気共鳴映像装置において画像化を行う
際、サンプリングクロックを長くして信号を狭帯域化し
高S/N化を計るシーケンス等を用いる場合は、磁場の
不均一性を受けやすく、画像劣化が起こる。従来、磁場
の不均一性は無視して画像化を行ったり、ファントムな
ど生体を模擬したものにおいて広範囲な領域に対し調整
を施す程度で、画像化に至るのが一般的であったため、
撮像対象領域に対し最適な磁場均一性調整(以後、磁場
調整と略す)を施してから画像化するようなことは無か
った。
【0012】図8に従来行われていたズーム処理のプロ
セスについて説明する。まず磁石内に被検体・送受信コ
イルを設定し、MR信号収集に先立ち広範囲な磁場調整
を行う(ステップS1,S1a、但し行なわない場合も
ある)。次に位置決めの参照にする広範囲画像のMR信
号収集を行い、電子計算機内において再構成・メモリへ
の蓄積、およびディスプレイへの表示を行う(ステップ
S2〜S4)。広範囲画像において関心(拡大)領域の
指定を行う(ステップS5〜S6)。次に関心領域を高
分解能画像として撮像するためシステム設定を施す。指
定された位置を参考に勾配強度や励起領域の計算等を行
い、システム設定終了後、高分解能画像のMR信号収集
を行う(ステップS7〜S8)。電子計算機内において
高分解能画像の再構成を行い、再構成データの蓄積およ
びディスプレイへの表示を行う(ステップS9〜S1
1)。
【0013】実際、被検体が生体である場合において例
えば図9に示す正常組織領域50内に腫瘍51が存在す
る時には、腫瘍51の磁気的な性質の影響のため、局所
的に磁場均一性の悪い領域が現れる。このため、対象と
する領域全体の磁場不均一性を補正するような調整手段
では関心領域の磁場均一性は必ずしも最適とはならず、
得られる画像は劣化を受ける。この劣化が大きいと、組
織領域の診断が困難となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように従来におけ
る磁気共鳴診断装置では、装置が備えているシムコイル
に誤差が生じている場合に、有限個のシムコイル特性を
有限次数の直交基底関数で近似して、この特性を基に磁
場不均一性を調整した時には、採用した直交基底関数で
は展開できない不要磁場成分(高次項)によって磁場の
不均一性を高精度に調整することができないばかりか、
逆に磁場の均一性を乱す場合があった。
【0015】一方、従来における磁気共鳴診断装置で
は、高分解能画像を収集するプロセスにおいて、不均一
磁場の調整を省いたり、または広範囲領域で磁場均一性
を調整していたため関心領域の磁場均一性は良好でな
く、特に磁場不均一性が反映してくるシーケンスなどを
使用した場合、画像の劣化を引起こしてしまうと言う問
題があった。
【0016】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その第1の目的は、高精度に
磁場均一性を調整することのできる磁気共鳴診断装置を
提供することである。
【0017】また、第2の目的は、特定領域の画像の分
解能を向上させることのできる磁気共鳴診断装置を提供
することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、静磁場中におかれた被検体に高周波パル
スを印加して画像・スペクトル情報を収集する磁気共鳴
診断装置において、磁場の不均一性を補正するシムコイ
ルの特性自身をも直交基底行列に用いてこれを画像パタ
ーンとして記憶する手段と、磁場の不均一性を測定する
手段と、磁場の不均一パターンを前記シムコイル特性が
持つ画像パターンを基底として展開する手段と、展開係
数を基に各シムコイルに流す電流値を決定する手段と、
を有することが特徴である。
【0019】また、他の発明では、被検体に高周波パル
スを印加し、発生した磁気共鳴信号を収集して画像化す
る磁気共鳴診断装置において、先に画像化する第1の領
域の磁場分布を求め、この画像化データを得る手段と、
前記第1の領域内の第2の領域を選択する手段と、前記
第2の領域内の磁場不均一性を前記第1の領域の磁場分
布から求め、これを均一に調整する手段と、前記第2の
領域から得られる磁気共鳴信号を収集して磁気共鳴画像
を得る手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
【作用】上述の如く構成された本発明では装置が備えた
シムコイル特性(磁場分布)を画像パターンとしてとら
えるために固有値展開(特異値分解)を行い、シムコイ
ルの特性ならびに固有値(特異値)を予め記憶してお
き、これらの固有パターン、特異値をもとに磁場の不均
一性を展開・評価し、シムコイルに流す電流値を算出す
る。これにより、不要成分による磁場均一性の乱れを抑
制し有限個のシムコイルで達成可能な最適な磁場均一性
を得ることができる。これは、シムコイル特性を直交基
底関数に展開するのではなく、磁場分布の画像パターン
として認識するため、シムコイルが生じる磁場分布が低
次の直交基底関数で展開できない不要成分をもつ場合で
も均一性調整後の磁場分布が乱されることなく、装置が
備えた有限個のシムコイルにて達成可能な最適な磁場均
一性を得ることが可能となる。
【0021】また、他の発明では、関心領域(高分解能
画像の撮像対象領域)の不均一磁場分布の測定は、あら
かじめ広範囲な領域の磁場分布を測定し電子計算機内の
メモリに記憶してあるため、高分解能画像撮像の都度施
す必要がなく、またさらにこの関心領域が複数ある場合
でも、既に測定し記憶してある磁場分布情報を参考に領
域毎に磁場調整を施すため、局所的な特定部位に対し高
精度な磁場均一性調整ができ、不均一磁場が画像へ影響
を与えること無しに正確な生体組織の形態的な変化や状
態(輪郭や濃度分布)を撮像することができる。
【0022】磁場調整を施す領域は、撮像したい関心領
域と同領域、またはその領域を含む大きめの領域である
ため、新たに磁場調整を施す領域として位置の指定をす
る手間と時間が省ける。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明の第1実施例に係る高磁場均
一性を実現する磁気共鳴診断装置を示す図である。
【0024】同図に示す磁気共鳴診断装置は主磁場(静
磁場)を発生するための主磁石10及び主磁石電源11
と直交するX、Y、Zの3軸方向にそれぞれ線形の勾配
磁場分布を持つ勾配磁場を生成するための勾配コイル系
12及び勾配コイル電源13と、複数のシムコイルを含
むシムコイル系14及びシムコイル電源15と、高周波
磁場を印加しかつ、磁気共鳴信号を検出する高周波プロ
ーブ16と、該プローブ16に高周波信号を供給する送
信器17とプローブで検出された磁気共鳴信号を受信し
た後検波及び増幅する受信器18と、シーケンスコント
ローラ19及びCPU/メモリ20、シムコイル特性を
記憶するメモリ21、記憶されているシムコイルデータ
基に観測磁場不均一分布を展開し電流値を算出する専用
プロセッサ22、算出された電流値を設定する電流コン
トローラ23(シーケンスコントローラ19によってシ
ーケンスの途中で電流値が制御される場合もある)によ
って構成される。
【0025】まず初めに装置が備えたシムコイルの特性
を特異値分解により算出しておく必要がある。以下に、
特異値分解について説明する。
【0026】なお、ここでは、簡単のため平面内の磁場
不均一性を補正することを前提に説明を進めるが、空間
3次元の場合にも本原理を拡張することが可能である。
【0027】画像処理の分野で良く知られているよう
に、画像はM×Nの行列[f]として表すことができ、
この離散変換は次式のように行列の積で定義できる。
【0028】[F]=[P][f][Q] ここで、[F]は変換後のM×N行列、[P],[Q]
は変換行列で正則なM×M,N×N行列である。
[P],[Q]は正則であるため上式の逆変換を定義で
きる。
【0029】[f]=[P]-1[F][Q]-1 また、[P],[Q]がエルミートでユニタリならば、 [f]=[P][F][Q] ここで、[P],[Q]を適当に決めることによって、
種々の離散変換ができる。いま、[P]、[Q]に対し
て次式を満たす[U],[V]を用いる。
【0030】 [G][G]T =[U][Λ][U]T [G]T [G]=[V][Λ][V]T Tは、転置を表している。[G]は、任意のM×N行
列、[Λ]は[G][G]T 、または、[G]T [G]
の固有値が対角にならぶ行列、[U]、[V]はそれぞ
れ[G][G]T 、[G]T [G]の固有ベクトルを示
す。固有ベクトルのノルムを1に規格化したとき次式が
成り立つ。
【0031】 [U][U]T =[I] [V][V]T =[I] すると、行列[G]は、
【数2】 ここで、Rは[G][G]T ([G]T [G])行列の
ランクを表しており、上式にように行列[G]を表すこ
とを特異値分解という。すなわち、画像[G]は
[U]、[V]の行列要素できまる固有パターンui
i T を重みλ1/2 を考慮した総和として表すことができ
る。このとき、λi 1/2 は、大きな値を示す順に並べら
れているためiの小さい固有パターンui i T ほどそ
の画像の基本パターンを表している。
【0032】以上の特異値分解の原理を磁場均一性調整
に応用する。この手順を図2に示す。まずシムコイルの
生じる単位電流あたりの2次元磁場分布をすでに良く知
られているPhase Mapping により計測する。ここでは、
簡単のため2つのシムコイルについて考え測定されたシ
ムコイル1、シムコイル2の磁場分布をそれぞれ行列
[S1 ],[S2 ]で表す。
【0033】この[S1 ],[S2 ]を特異値分解によ
りそれぞれ分解する。
【0034】 [S1 ]=[U1 ][Λ1 1/2 [V1 T
【数3】
【数4】 これらの、それぞれのシムコイル特性を表す固有パター
ンはメモリ21に格納され以後の処理に用いられる。
【0035】次に、均一にしたい磁場分布を同様にフェ
イズマッピングにより測定する。このときの磁場分布を
[B]とする。この磁場分布をシムコイル1の備えた固
有パターンによって、展開する。
【0036】[Λs11/2 =[U1 ][R][V1 T このとき仮に、磁場の不均一性[R]がシムコイル特性
と等しいあるいは定数倍のときは、[Λs1]は[Λ1
と等しいあるいは定数倍となり、対角要素しか持たない
行列となる。このような場合には、シムコイル1のみの
電流値の調整によって磁場の不均一性を完全に補正でき
る。しかし、[R]と[S1 ]は通常異なるため、[Λ
s1]は、非対角要素を持つようになる。このばらつき
は、シムコイル1のみでは補正できない磁場成分ならび
にその大きさを示している。同様にシムコイル2による
展開を行った場合にも[Λs2]は非対角要素を示す。
【0037】まず初めにこれらの要素のばらつきの小さ
いシムコイルによるパターンのフィッティングを行い磁
場不均一性の殘差を計算によって算出する。次にこの殘
差分を他方のシムコイルの持つパターンによってフィッ
ティングし、磁場不均一性の殘差を新たに求める。この
殘差を再度シムコイル1で展開し殘差を求め、以後、上
記手順を磁場不均一性の殘差が収束するまで繰り返す。
この反復計算により磁場の不均一性は装置が備えたシム
コイルで達成する事のできる最適なものとなる。シムコ
イルが3ケ以上の場合も同様の手順により各シムコイル
に流す電流値を決定することができる。この時、磁場不
均一性をフィッティングするシムコイルは、全シムコイ
ル(磁場不均一性の殘差を算出する直前に用いたシムコ
イルは除く)に関する固有パターンの展開を行い、前記
同様この時の[Λ]行列の非対角要素のばらつきが小さ
いものを選び以後この操作を繰り返し行う事になる。こ
の処理は、処理時間を考慮して専用プロセッサを付加す
ることが有利である。
【0038】このとき、非対角要素のばらつきの基準と
しては、[Λ]行列要素の要素成分と要素番号を考慮
し、要素成分の大小、要素成分を重みとした要素番号を
距離と考えたモーメント(1次、2次、・・・)、これ
らの和、等種々の基準が考えられる。ただし、これらシ
ムコイル選択順序は、理論的には補正される最終的な磁
場均一性には影響を及ぼさず、収束時間にその効果を与
えるのみである。
【0039】こうして、第1実施例においては最適な磁
場均一性を得ることができるのである。
【0040】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図3は、本発明の第2実施例に係る磁気共鳴映像装
置のブロック構成図である。同図において、静磁場磁石
31は被検体34(例えば人体)に一様な静磁場を印加
する。勾配磁場生成コイル32はシステムコントローラ
40によって制御される駆動回路(駆動アンプ)33に
よって駆動され、被検体34に対して、注目する所望の
断層面内の直行するX、Y方向及びこれらに垂直なZ方
向に磁場強度が直線的に変化する勾配磁場Gx、Gy、
Gzを印加する。被検体34にはさらにシステムコント
ローラ40による制御下で、送信部37からの高周波信
号が送信用プローブ36に印加されることによって発生
される高周波磁場が印加される。
【0041】このような静磁場と勾配磁場および高周波
磁場の印加により、被検体34からプロトン(カーボ
ン、リン)の原子核に関する磁気共鳴信号が発生され
る。核種の磁気共鳴信号は受信用プローブ38で受信さ
れ、受信部39で増幅および検波された後、システムコ
ントローラ40による制御下で、データ収集部41に送
られる。データ収集部41では、受信部39を介して入
力された磁気共鳴信号をシステムコントローラ40の制
御下で収集し、これをA/D変換して電子計算機42に
画像再構成用データとして送る。
【0042】電子計算機42はコンソール43により制
御され、データ収集部41から入力された画像再構成用
データについてフーリエ変換を含む画像再構成処理を行
う。また、電子計算機42はシステムコントローラ40
の制御をも行う。電子計算機42により得られた画像デ
ータは画像ディスプレイ44に送られ、画像が表示され
る。画像ディスプレイ44は例えばCRTディスプレイ
が用いられる。
【0043】なお、本実施例では高周波磁場の発生のた
めの送信用プローブ36と受信用プローブ38を別々に
設定しているが、送信と受信とを共用するプローブにお
きかえてもよい。また、広範囲画像の磁気共鳴信号収集
時と高分解能画像の磁気共鳴信号収集時とで種々の高周
波磁場送受信用のプローブを用い入替えたりしてもよ
い。このような場合でも、勾配磁場生成コイル32は同
位置に固定されているため、広範囲画像または高分解能
画像の磁気共鳴信号は同位置から得られ、後述するよう
にして表示される位置関係は対応する。
【0044】次に、本実施例による広範囲画像および高
分解能画像のイメージングの手順を説明する。図4は、
この手順を示すフローチャート図である。
【0045】図4を参照すると、まず磁石内に被検体お
よび送受信コイルを設定後、公知の磁気共鳴映像の手法
により、被検体より発生するプロトンの磁気共鳴信号を
収集し、この時同時に広範囲な領域に対し例えばフェイ
ズマッピングによって磁場分布の測定を施し、広範囲画
像データ及び磁場分布データの再構成を行った後に、得
られた広範囲画像データ及び磁場分布データを電子計算
機42内部のメモリに蓄積しておく(ステップS1〜S
4)。また磁気共鳴信号を収集するに先立って、広範囲
画像のシーケンス(の条件)で決定される撮像対象領域
全体に対し磁場調整を行うこともある(ステップS1
a)。なお、広範囲画像データのマトリックス数は、例
えば128*128、256*256または512*5
12といった値が選ばれる。
【0046】次に、拡大表示したい関心領域の指定を行
う。領域の指定は既に撮像されている広範囲画像や磁場
分布画像のどちらに対して行ってもよく、指定法はディ
スプレイ上でマーカペンによるものが一般的に知られて
いる。その後関心領域の画像位置情報をメモリに蓄積し
ておく(ステップS5〜S7)。
【0047】次に、関心領域に対してのみ磁場調整を行
う。この磁場調整を施す対象領域は広範囲画像や磁場分
布画像上で指定され、メモリに蓄積されている位置情報
データを参考に決定される。磁場不均一性は対象領域内
の磁化率などの影響によりその構造が均一で、かつ対象
領域が狭いほど一層均一に調整可能であるため、磁場調
整は領域を若干変えるなどして複数回繰返し行われる場
合もある。対象領域が複数ある場合などは、メモリに記
憶している磁場分布の情報を参考に、撮像対象毎に磁場
調整を行う(ステップS8、S8a)。
【0048】また、高分解能画像のシーケンス(の条
件)に合せ送受信に関するシステム状態の制御も、メモ
リに蓄積されている位置情報データを参考に行われる。
具体的には励起領域に相当する勾配強度、最適パルスま
たデータ読込み時における勾配強度の制御を行う(ステ
ップS9)。
【0049】次に、関心領域である高分解能画像の収集
を行う。公知の磁気共鳴映像の手法により、被検体より
発生するプロトンの磁気共鳴信号を収集し、高分解能画
像データの再構成を行い、得られた高分解能画像データ
をメモリに蓄積する(ステップ(S10〜S12)。
【0050】次に、メモリに蓄積されている高分解能画
像データを表示する(ステップS13)。この表示法の
具体的な二例を説明する。図6は広範囲画像と高分解能
画像を隣接させて別々の領域に表示したもの。図7は同
じ領域に重ね組合せて表示したものである。
【0051】なお広範囲画像を得る前の磁場調整法(ス
テップS1a)と高分解能画像を得る前の磁場調整法
(ステップS8)は公知である調整法または他の調整法
であり、各々の方式が異なっていてもかまわない。
【0052】上記の実施例では広範囲画像や高分解能画
像をプロトン画像として例示したが、本発明はこれらに
限られるものではなく、プロトン以外のリンやカーボン
でも比較的信号強度が高くプロトンと同等に画像が得ら
れるものであれば有効である。
【0053】本手法は高分解能画像のみにとどまるだけ
でなく、MRSI(Magnetic Resonance Spectroscopic
Imaging)における局所スペクトル(画像)を得る際に
も適用可能である。
【0054】図5は、第2実施例の変形例に係る磁気共
鳴映像装置のズーム処理のプロセスを示すフローチャー
ト図である。一般の診断に用いられるMRI画像(T1
強調画像やT2強調画像)の撮像は放射線科の医師によ
り、診断ルーチンの中で行われる。そのため放射線科の
医師は生体内の構造をあらかじめ把握しており、T1強
調画像やT2強調画像等の広範囲画像を見なくても、磁
場分布画像において関心領域の指定が可能となる。図5
は時間短縮のため、広範囲画像のMR信号収集からその
再構成および広範囲画像の表示までを省略したものであ
る。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば静磁
場均一性を装置が備えたシムコイルで達成可能なものと
して最適化できるため、シムコイル特性をある1つの直
交基底関数系列で表した場合に低次項で展開できない不
要磁場成分が大きい場合の磁場均一性の乱れを生じる事
がない。
【0056】また、他の発明では、高分解能画像の収集
に際して、磁場均一性が高均一な状態で撮影可能とな
り、また更には不要なプロセスを省くことにより時間短
縮が計れるため、医用診断装置に適用した場合、適切な
診断を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る磁気共鳴診断装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例による磁場均一性調整手順を示すフ
ローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例に係る磁気共鳴映像装置の
構成を示すブロック図である。
【図4】第2実施例に係る高分解能画像のイメージング
手順を示すフローチャートである。
【図5】第2実施例の変形例に係る高分解能画像のイメ
ージング手順を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例によって得られる高分解能画像の表
示例を示す説明図である。
【図7】第2実施例によって得られる高分解能画像の表
示例を示す説明図である。
【図8】従来における高分解能画像のイメージング手順
を示すフローチャートである。
【図9】正常組織内の腫瘍を示す説明図である。
【符号の説明】
10 主磁石 11 主磁石電源 12 勾配コイル系 13 勾配コイル電源 14 シムコイル系 15 シムコイル電源 16 高周波プローブ 17 送信器 18 受信器 19 シーケンスコントローラ 20 CPU/メモリ 21 メモリ 22 プロセッサ 23 電源コントローラ 31 静磁場磁石 32 勾配磁場生成コイル 33 駆動回路 34 被検体 35 寝台 36 送信用プローブ 37 送信部 38 受信用プローブ 39 受信部 40 システムコントローラ 41 データ収集部 42 電子計算機 43 コンソール 44 画像ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8203−2G G01R 33/22 P 8203−2G Q

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場中におかれた被検体に高周波パル
    スを印加して画像・スペクトル情報を収集する磁気共鳴
    診断装置において、 磁場の不均一性を補正するシムコイルの特性を直交基底
    行列を用いて画像パターンとして記憶する手段と、磁場
    の不均一性を測定する手段と、磁場の不均一パターンを
    前記シムコイル特性が持つ画像パターンを基底として展
    開する手段と、展開係数を基に各シムコイルに流す電流
    値を決定する手段と、を有することを特徴とする磁気共
    鳴診断装置。
  2. 【請求項2】 被検体に高周波パルスを印加し、発生し
    た磁気共鳴信号を収集して画像化する磁気共鳴診断装置
    において、 先に画像化する第1の領域の磁場分布を求めこの画像化
    データを得る手段と、前記第1の領域内の第2の領域を
    選択する手段と、前記第2の領域内の磁場不均一性を前
    記第1の領域の磁場分布から求め、これを均一に調整す
    る手段と、前記第2の領域から得られる磁気共鳴信号を
    収集して磁気共鳴画像を得る手段と、を有することを特
    徴とする磁気共鳴診断装置。
JP4239401A 1992-09-08 1992-09-08 磁気共鳴診断装置 Pending JPH0686763A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017131070A1 (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 株式会社日立製作所 磁場調整装置および磁気共鳴イメージング装置

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