JPH0686762A - 脳波を用いた生理状態評価方法及び装置 - Google Patents

脳波を用いた生理状態評価方法及び装置

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JPH0686762A
JPH0686762A JP4264275A JP26427592A JPH0686762A JP H0686762 A JPH0686762 A JP H0686762A JP 4264275 A JP4264275 A JP 4264275A JP 26427592 A JP26427592 A JP 26427592A JP H0686762 A JPH0686762 A JP H0686762A
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JP
Japan
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electroencephalogram
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brain wave
relaxation
degree
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JP4264275A
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English (en)
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Kazuhiko Sawada
和彦 沢田
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脳波測定により得られたパワー値から算出し
たリラックス度と密接な関係のある数値を使って、リラ
ックス度を適確かつ簡便に評価することを可能にするた
めの方法及び装置を提供することである。 【構成】 少なくとも1箇所の測定部位で得られる電極
毎の脳波信号より、8HZ〜11Hzの範囲に属する周
波数帯域の脳波パワー値を電極毎に算出し、算出された
脳波パワー値の総和を用いて生理状態を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脳波信号の8HZ〜1
1HZの範囲に属する周波数帯域についての脳波パワー
値の総和を用いて、人の生理状態を客観的に評価するた
めの脳波を用いた生理状態評価方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】脳波を用いた人の生理状態の評価として
は、癲癇患者等の異常な脳波の検出や、睡眠状態または
その前後における脳波モニターによる診断、あるいは観
察に役立てることが一般的に行なわれている。しかし、
脳波を用いて健常者の覚醒時における生理状態を評価す
ることは、脳波に詳しい専門家による診断といった極め
て限られた形でしか行なわれていない。特にリラックス
度の評価については、効果的な方法が実施されていない
のが実情である。。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ストレスと、ストレス
が引き起こす体調不良や様々な疾患との関係が明らかに
されているので、ストレスから解放されている度合いを
示す「リラックス度」(生理状態)を適確に、しかも簡
便に測定あるいは評価することは、健康管理の立場から
大変有用であり、その出現が強く望まれていた。
【0004】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
のであり、本発明の目的は、脳波測定により得られたパ
ワー値から算出したリラックス度と密接な関係のある数
値を使用し、リラックス度を適確かつ簡便に評価するこ
とを可能にした方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極を用いて
検出された脳波信号をフーリエ変換し、各周波数帯域毎
のパワー値を処理して得られる数値を表示するようにな
っている脳波を用いた生理状態評価方法に関するもので
あり、本発明の上記目的は、少なくとも1箇所の測定部
位で得られる前記電極毎の脳波信号より、8Hz〜11
Hzの範囲に属する周波数帯域の脳波パワー値を前記電
極毎に算出し、算出された前記脳波パワー値の総和を用
いて生理状態を評価することによって達成できる。ま
た、本発明の脳波を用いた生理状態評価装置は、測定部
位に装着された電極からの脳波信号をフーリエ変換して
脳波パワースペクトルを得るフーリエ変換手段と、前記
脳波パワースペクトルから8Hz〜11Hzに属する周
波数帯域の脳波パワー値を抽出する抽出手段と、前記抽
出された脳波パワー値の総和値を算出する算出手段と、
前記算出された総和値を標準値と比較して生理状態を評
価する評価手段とを設けることによって達成される。
【0006】
【作用】本発明では、脳波信号の8〜11Hzの範囲に
属する周波数帯域の脳波パワー値の総和値が、リラック
ス度と極めて密接な相関関係を有することに着目し、被
測定者の脳波信号の8〜11Hzの範囲に属する周波数
帯域(例えば8.5〜9.5Hz、9〜10.5Hz)
の脳波パワー値の総和値を求め、この総和値を予め求め
られている標準値と比較することによってリラックス度
(生理状態)を客観的に評価するようにしている。リラ
ックス度を示す評価値は、数値の表示または光度の違
い、色相の違い、音の強弱、音の種類、音声、ディスプ
レイを用いた画像または文章による表示等のいずれか、
または2種以上の方法を併用することにより、使用者
(脳波の被測定者または測定者)に報知される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照し詳細に
説明する。図1は本発明の全体構成を示す概念図であ
る。図示のように被測定者の頭部の1箇所ないし2箇所
以上に電極1を装着し、脳波計2(または複数チャンネ
ルの信号処理が可能な増幅器)を用いて必要に応じて増
幅し、それぞれの電極1からの脳波信号をテープレコー
ダ3に入力してアナログ的に記録すると共に、脳波処理
装置及び高速フーリエ変換プログラムを搭載したコンピ
ュータ10に入力する。コンピュータ10ではフーリエ
変換、8〜11Hzの範囲に属する周波数帯域のパワー
値の算出、パワー値の総和値の算出等を行なってリラッ
クス度を示す評価結果を出力する。即ち、図2に示すよ
うに、脳波信号は先ず脳波以外の信号を除去するため
に、ローパスフィルタ(50Hz〜200Hzが望まし
い)に入力され、ここで低周波の信号成分のみが抽出さ
れる。そして、その低周波の脳波信号が高速フーリエ変
換により脳波パワースペクトルに変換され、8〜11H
zの周波数帯域のパワー値を求め、更に、その総和値を
算出し、その結果に対してリラックス度自己評価を与え
る。このような自己評価を繰り返して行なうことによっ
て、総和値とリラックス度との相関が得られるので、標
準的な相関関係を標準値テーブルとして求めておくこと
によって、それと比較することで測定時現在のリラック
ス度を評価することができる。そして、リラックス度の
評価値を種々の方法を用いて使用者に報知する。報知の
手法としては、数値の表示、ランプ等による光度や色相
の違い、スピーカによる音の強弱や種類、音声、ディス
プレイを用いた画像又は文章による表示等があり、種々
組み合せて使用するすることも可能である。
【0008】図3は本発明の装置例をブロック図で示し
ており、電極1からの脳波信号BSはローパスフィルタ
(LPF)11に入力されて、高調波信号が減衰されて
所定周波数以下の周波数成分LSのみがフーリエ変換手
段12に入力される。フーリエ変換手段12でフーリエ
変換して得られる脳波パワースペクトルBPは抽出手段
13に入力され、抽出手段13で8Hz〜11Hzに属
する周波数帯域の脳波パワー値SPを得る。脳波パワー
値SPは算出手段14に入力され、ここで、抽出された
脳波パワー値SPの総和値GTが算出され、総和値GT
は評価手段15に入力され、総和値GTを、予め登録さ
れている標準値テーブル16からの標準値RVと比較す
ることによって現在の生理状態の評価値ESを得ること
ができる。
【0009】次に、8Hz〜11Hzに属する周波数帯
域の脳波パワー値とリラックス度(生理状態)が相関関
係を有していることを、実際の各種実験データを示して
説明する。パネラーA,B,Cに対してそれぞれ測定部
位をP4(国際10−20法)として3分間の脳波測定
を各パネラーにつき12回ずつ行ない、上述の方法に従
い、数値Xを8Hz〜11Hzの周波数帯域のパワー値
の総和として求めた。同時に、脳波測定の後、各パネラ
ーに対してリラックス度の自己評価アンケートを行なっ
た。評価は、被脳波測定者自身の−2〜+4の7段階に
よる評点による。
【表1】 表1はリラックス度の自己評価(評点)を表にして示す
ものであり、上記条件によるパネラーA,B,Cの脳波
パワー値とリラックス度自己評価の相関は次の表2のよ
うになった。
【表2】
【0010】ここで、表2より各パネラーA,B,Cに
ついての相関係数を計算すると、パネラーAは0.95
5、パネラーBは0.924、パネラーCは0.929
となり、脳波パワー値とリラックス度の自己評価との間
に相関があることが明らかとなった。つまり、脳波パワ
ー値とリラックス度(評点)との間には、大略図4に示
すような関係があり、脳波パワー値が大きいとそれに従
ってリラックス度も大きくなる。また、脳波パワー値の
周波数帯域を5〜8Hz、8〜11Hz、11〜14H
zに分けて、各パネラーA,B,Cの相関係数を求める
と、次の表3のようになり、8〜11Hzで最も相関が
高いことが分った。即ち、8〜11Hz以外の周波数で
は相関係数が低く、リラックス度の評価との間に相関関
係を求めることができない。
【表3】 表3に示されているパネラーAについての各周波数帯域
(5〜8Hz、8〜11Hz、11〜14Hz)の脳波
パワー値と評点との実際の詳細関係は、次の表4のよう
であり、この表からパネラーAの評点に対する相関係数
を求めると、表3のパネラーA欄に示す如く周波数帯域
5〜8Hzが0.470、8〜11Hzが0.955、
11〜14Hzが0.624となる。パネラーB及びC
に関してのデータは省略する。
【表4】
【0011】また、次の表5より明らかなように、各パ
ネラーのリラックス度の自己評価による評点が高くなる
につれ、X値が大きくなっていることから、脳波パワー
値Xはリラックス度を表わすのに効果的な数値であるこ
とが確認された。
【表5】
【0012】更にパネラーA,B,Cに対してそれぞれ
測定部位P3,P4(国際10−20法)の2箇所とし
て3分間の脳波測定を行ない、上述した本発明の方法に
従い、数値Xを各電極毎に8〜11Hzのパワー値の総
和として求めた後、各電極のパワー値の和として求め
た。同時に、脳波測定の後、各パネラーに対して、−2
〜+4の7段階による評点によるリラックス度の自己評
価アンケートを行なった。この結果は次の表6のように
なった。なお、評価基準は表1の自己評価表に従った。
【表6】 表6より、各パネラーA,B,Cについて、X値とリラ
ックス度自己評価の評点の相関関係を求めると、パネラ
ーAは、0.967、パネラーBは0.932、パネラ
ーCは0.927となっており、この場合も両者の間に
極めて深い相関関係があることが確かめられた。つま
り、測定部位は2箇所以上の複数箇所でも良い。また、
表7より明らかなように、全体としてパネラーの自己評
価による評点が高くなるに従って、X値が大きくなって
いることから、X値はリラックス度を表わすのに効果的
な数値であることが確認された。
【表7】
【0013】一方、得られたパワー値を色光により表示
させるため、脳波測定後にスイッチを押すことにより、
得られたパワー値に応じて各色ランプを点灯するように
しても良い。色の設定を、例えば10(μV)未満で
濃い赤色、10(μV)以上15(μV)未満で赤
色、15(μV)以上20(μV)未満でピンク
色、20(μV)以上25(μV)未満でオレンジ
色、25(μV)以上30(μV)未満で黄色、3
0(μV)以上35(μV)未満で黄緑色、35
(μV)以上40(μV)未満で緑色、40(μ
V)以上45(μV)未満で青緑色、45(μV)
以上50(μV)未満で青色、50(μV)以上
60(μV)未満で紺色、60(μV)以上で紫色
とすると、パネラーA,B,Cの各試行についての色光
表示をは次の表8のようになる。
【表8】 この結果、パネラーAでは、赤・ピンクでリラックス度
が低く、黄緑・緑・青緑でリラックス度が高いことが容
易に理解される。パネラーBでは、緑・黄緑でリラック
ス度が低く、紺・紫でリラックス度が高いことが容易に
理解される。また、パネラーCでは、ピンクでリラック
ス度が低く、黄緑でリラックス度が高いことが容易に理
解される。更に、各色光ランプを各色が示すパワー値の
大きさの順番に1列に並べることにより、リラックス度
の高低は一目瞭然となる。これにより、パワー値の数値
に関する理解が十分でない被脳波測定者でも、容易に脳
波測定結果の判定をすることが可能になる。
【0014】更に、評価値報知の方法は使用する色の数
を増減したり、使用する色を変えたり、対応するパワー
値のレンジ設定を変える等によっても達成され、この他
にも音の種類や音の強弱、モニターを用いた文章、図柄
等を用いることによっても有効な報知方法となる。な
お、表8の例ではパワー値に対応して直接色表示してい
るが、このように標準値と比較するのではなく、測定さ
れたパワー値そのものを何らかの手法で報知するように
しても良い。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明の脳波を用いた生
理状態評価方法及び装置によれば、脳波信号の8〜11
Hzの範囲に属する周波数帯域の脳波パワー値の総和値
がリラックス度の自己評点と相関が高いことに基づいて
生理状態を評価するようにしているので、極めて確実に
かつ有効に被測定者のリラックス度を評価することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の動作を説明するための図である。
【図3】本発明の装置例を示すブロック図である。
【図4】脳波パワー値とリラックス度の相関関係を示す
図である。
【符号の説明】
1 電極 2 脳波計 3 データレコーダ 10 コンピュータ 11 ローパスフィルタ 12 フーリエ変換手段 13 抽出手段 14 算出手段 15 評価手段 16 標準値テーブル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を用いて検出された脳波信号をフー
    リエ変換し、各周波数帯域毎のパワー値を処理して得ら
    れる数値を表示するようになっている脳波を用いた生理
    状態評価方法において、少なくとも1箇所の測定部位で
    得られる前記電極毎の脳波信号より、8Hz〜11Hz
    の範囲に属する周波数帯域の脳波パワー値を前記電極毎
    に算出し、算出された前記脳波パワー値の総和を用いて
    生理状態を評価することを特徴とする脳波を用いた生理
    状態評価方法。
  2. 【請求項2】 測定部位に装着された電極からの脳波信
    号をフーリエ変換して脳波パワースペクトルを得るフー
    リエ変換手段と、前記脳波パワースペクトルから8Hz
    〜11Hzに属する周波数帯域の脳波パワー値を抽出す
    る抽出手段と、前記抽出された脳波パワー値の総和値を
    算出する算出手段と、前記算出された総和値を標準値と
    比較して生理状態を評価する評価手段とを具備したこと
    を特徴とする脳波を用いた生理状態評価装置。
JP4264275A 1992-09-07 1992-09-07 脳波を用いた生理状態評価方法及び装置 Pending JPH0686762A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013215281A (ja) * 2012-04-05 2013-10-24 Sony Corp 脳波解析装置、脳波解析プログラム及び脳波解析方法
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