JPH068608A - 小間物印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被印刷物が形状において多種類であっても、
形状の種類に応じて正確な保持形態を簡単に組み、所定
個所に正確に能率良く印刷できる小間物印刷機を提供す
る。 【構成】 被印刷物としての小間物を置く鉄板製の印刷
テーブルと、印刷テーブルの上に支持アームを介して設
けられる押印装置と、小間物に縁付けする複数の保持フ
レームと、押印装置を作動させるスイッチとからなり、
そのうち、押印装置が、支持アームの先端に上下調整可
能に取り付けられる基盤と、その上に立設される圧シリ
ンダと、その下に圧シリンダのロッドを軸に回転可能に
装着され、ロッドにより押印動作をなす押印器と、押印
器の軸回転を止める位相調整装置とからなり、また、保
持フレームが、テーブルに吸着される電磁石の側面に尺
状フレームを縦幅に固着してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、被印刷物の形状が多
様であっても、その形状の種類に即応できる小間物印刷
機に関する。

【０００２】

【従来の技術】印刷手法には、木版印刷、活版印刷、凹
版印刷、石版印刷、写真製版等の種類があり、そのいず
れの手法を用いる印刷機も、全て加圧方式をとってお
り、これを平圧機、円圧機、輪転機の三つに分類するこ
とができる。

【０００３】平圧式印刷機は、平らな圧板によって均等
に圧力を加える方式をとるもので、名刺等の小型印刷に
多様される。また、ゴム印も広義には、平圧式である。

【０００４】円圧式印刷機は、平圧式では、大きな面積
に一様に圧力を加えることができないという不都合を解
消したもので、版は平らであるが、紙は円筒に巻いて刷
られる。輪転印刷機は、円圧式では版が往復運動をする
ために、高速化に限度があることから、版の方も円筒に
して連続回転運動させるようにしたものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の印刷機のうち、
円圧式印刷機や輪転印刷機は、規模が非常に大きくなる
ために、雑誌や新聞等の刊行物の大量印刷には適して
も、形状が雑多な小間物の印刷には適しない。

【０００６】平圧式印刷機は、版の上下運動方式をとる
ために、規模を小さくすることができるが、名刺等の印
刷に用いられる手フート機等では、印刷紙が規格された
寸法において位置決めされるために、形状が雑多である
小間物の印刷には適しない。ゴム印は、それを手で押圧
するために、印刷紙を一個所に位置決めしておく必要が
なく、その限りでは小間物の印刷には適する。

【０００７】しかし、ゴム印の場合であると、押印に手
を使う必要があるために、多量に印刷する場合には、手
が疲れることはもとより、非能率的で作業性が悪い。ま
た、押圧個所が定まらないので、体裁良く一定の個所に
正確に押印することができないという問題がある。

【０００８】この発明は、上記のような実情に鑑みて、
被印刷物が形状において多種類であっても、形状の種類
に応じて正確な保持形態を簡単に組み、所定個所に正確
に能率良く印刷できる小間物印刷機を提供することを目
的とした。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明による小間物印刷機は、被印刷物として
の小間物を置く鉄板製の印刷テーブルと、印刷テーブル
の上に支持アームを介して設けられる押印装置と、小間
物に縁付けする複数の保持フレームと、押印装置を作動
させるスイッチとからなり、そのうち、押印装置が、支
持アームの先端に上下調整可能に取り付けられる基盤
と、その上に立設される圧シリンダと、その下に圧シリ
ンダのロッドを軸に回転可能に装着され、ロッドにより
押印動作をなす押印器と、押印器の軸回転を止める位相
調整装置とからなり、また、保持フレームが、テーブル
に吸着される電磁石の側面に尺状フレームを縦幅に固着
してなることを特徴とする。

【００１０】

【作用】小間物印刷機を上記のように構成したから、小
間物に印刷を施す時には、その一個を試しのサンプルと
して取り出し、印刷テーブルの上に印刷敵性個所に置い
てから、複数の保持フレームをそのサンプルの端に合わ
せて、サンプルが動かなく、且つ、前方から差し入れ可
能であるように配置し、その状態において電磁石を起動
させる。そうすると、保持フレームにより小間物の保持
形態が構成されるから、スイッチ（例えば足踏みスイッ
チ）を押して印刷を試みる。

【００１１】この試し印刷が正確であれば、そのまま印
刷を続行して行くが、不正確であれば、保持フレームの
配置を改めたり、押印装置の位相を変えたりして、正し
い印刷位置を直ぐに確定できる。

【００１２】小間物の形状が雑多であっても、大凡その
二辺が保持フレームに当てられると、その位置が確定す
るから、保持フレームの位置決めの設定後は、小間物の
差し入れ、引き出しの手作業と、スイッチの例えば足踏
み動作とをそれぞれ順次繰り返しながら、多数の小間物
に印刷を施し得る。

【００１３】

【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１４】図１ないし図３は、一実施例を示したもの
で、小間物印刷機は、印刷テーブル１と、それに支持ア
ーム３を介して取り付けられる押印装置５と、被印刷物
としての小間物２を印刷可能に位置決めする複数の保持
フレーム７，７と、押印装置５を作動させる足踏スイッ
チ１７とから構成される。

【００１５】印刷テーブル１は、磁性体としての鉄板に
より腰高に構成され、その一端に逆Ｌ字形の支持アーム
３を突設し、支持アーム３の先端に押印装置５の取付け
用のフランジ９が縦に形成される。

【００１６】押印装置５は、支持アーム３に対する取付
け基盤１１と、それに装着されるエアシリンダ１３、押
印器１５および位相調整装置１６とから構成される。

【００１７】基盤１１は、水平に保持されるように基端
に支持アーム３のフランジ９と当接する摺動フランジ１
９が形成され、それにねじ２１を通す左右一対の縦長孔
２３，２３を設け。ねじ締めにより高さ調整可能になっ
ている。これにより、押印装置５の高さが調整されるの
で、小間物２の厚みに対応できる。

【００１８】エアシリンダ１３は、基盤１１の先端部の
一角寄りに立設され、そのロッド２４が基盤１１の下に
突出している。エアシリンダ１３へ空気を送るコンプレ
ッサ、その他空調装置については特別のものではないの
で図面上省略する。

【００１９】押印器１５には、市販のスタンプ器（セル
フインカーとも称され、郵便局の窓口で多用されるも
の）を使用した。これは、昇降フレーム２５の上に突設
されるノブ２６を押すと、インク含浸体の収納ケース２
７から印判２８が昇降フレーム２５と共に降下し、反転
して押印面が下向きとなるものである。

【００２０】取付けについては、基盤１１の下に二股状
の取付けフレーム２９を装着し、その上端を貫通してロ
ッド２４がノブ２６に回転可能に連結され、昇降フレー
ム２５と取付けフレーム２９とが常時一定の位相を保持
するようになっている。そして、ロッド２４を軸として
取付けフレーム２９が回転するようになっている（エア
シリンダ１３が同時に回転するようにしても良い）。し
たがって、印刷３１は、その回転により自由に方向が変
えられる。

【００２１】位相調整装置１６は、この方向の固定を可
能にしたもので、基盤１１にロッド２４を中心として円
弧形の案内溝３３を設け、取付けフレーム２９にその案
内溝３３から突出する軸３５を突設し、軸３５に固定用
板３７を軸着し、その先端に押すねじ３９を螺着し、押
すねじ３９を締めると、その先端が基盤１１に圧接する
ために、軸３５の位置、つまり、押印器１５の位相が固
定される。

【００２２】足踏スイッチ１７は、床上に置かれてそれ
に片足を乗せながら操作するもので（図２参照）、それ
を踏むとエアシリンダ１３のロッド２４が降下して、印
判２８が反転して押印がなされる。

【００２３】保持フレーム７は、電池を内蔵した電磁石
４１の側面に鉄板からなる尺状フレーム４３を取り付
け、それに磁力を及ぼすようにしたものである。取付け
については、幅面を縦にして一端を電磁石４１にねじ止
めされる。しかし、取付け位置は中央部であっても良い
（図４、図５参照）。

【００２４】図１および図３の場合であると、小間物２
がほゞ直角三角形のダンボールであるために、その二等
辺にそれぞれ保持フレーム７，７を合わせて配置され
る。その配置決めの際には、スイッチ４５を切ってお
き、配置決めの確定により起動させるので、配置決めが
容易であるし、正確な固定がなされる。

【００２５】なお、押印装置５について、前記のように
セルフインカーを使用したから、押印器１５の脚３８と
印刷テーブル１との間には、小間物２を差し込む空間が
設けられ、エアシリンダ１３を作動させると、まず、脚
３８が小間物２に着地してから、印判２８が降下する。

【００２６】図４および図５は、それぞれ小間物２の形
状に合わせた保持フレーム７の配置を示したものであっ
て、図４の場合であると、小間物２が帯状であるので、
その一側辺と、一端辺にそれぞれ保持フレーム７，７が
当たる配置となっている。その二辺により小間物２の位
置が確定する。

【００２７】図５の場合であると、五角形であるので、
三個の保持フレーム７，７，７を使用したが（小間物の
差し入れが可能である）、この場合も、いずれか二個の
保持フレーム７，７の使用により小間物２の位置を確定
できるので、いずれか一個の保持フレーム７を省いても
良い。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、次のような優れた効果がある。

【００２９】１）小間物の形状の種類が雑多であって
も、それに対応して保持フレームを組み、また、位相調
整装置により押印装置の角度を調整することにより、小
間物の位置を確定し、それに正確に印刷を施すことがで
きるため、装置が過大とならなく、少量多品種の印刷を
安価になし得る。

【００３０】２）小間物の位置決めは、その二辺を保持
フレームに当てることによりなし得るため、保持フレー
ムの枠組みについて、前に開放口を設けておくことによ
り、小間物の差し入れ、引き出し操作が容易となり、ま
た、スイッチ（例えば足踏みスイッチ）により印刷動作
をなすようにしたから、疲れることなく能率良く印刷作
業をなし得る。

【００３１】３）保持フレームには電磁石が使用され、
それを鉄板の印刷テーブルに吸着させることにより固定
するようにしたから、配置に制限を受けることがないば
かりか、磁力の帯びない自由な状態において容易に配置
でき、その保持フレームの配置と、圧シリンダ（例えば
エアシリンダ）のロッドを軸とする押印装置の簡単な位
相調整とにより、印刷位置が確定されるために、小間物
の形状の種類に即応して印刷の体裁を整えることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例を示す要部の斜視図である。

【図２】作業状態において示す側面説明図である。

【図３】保持フレームによる小間物の位置決めの一例を
示す平面説明図である。

【図４】保持フレームによる小間物の位置決めの他の例
を示す平面説明図である。

【図５】保持フレームによる小間物の位置決めの他の例
を示す平面説明図である。

【符号の説明】

１ 印刷テーブル ２ 小間物 ３ 支持アーム ５ 押印装置 ７ 保持フレーム １１ 基盤 １３ エアシリンダ １５ 押印器 １６ 位相調整装置 １７ 足踏スイッチ ４１ 電磁石 ４３ 尺状フレーム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被印刷物としての小間物を置く鉄板製の
   印刷テーブルと、印刷テーブルの上に支持アームを介し
   て設けられる押印装置と、小間物に縁付けする複数の保
   持フレームと、押印装置を作動させるスイッチとからな
   り、そのうち、押印装置が、支持アームの先端に上下調
   整可能に取り付けられる基盤と、その上に立設される圧
   シリンダと、その下に圧シリンダのロッドを軸に回転可
   能に装着され、ロッドにより押印動作をなす押印器と、
   押印器の軸回転を止める位相調整装置とからなり、ま
   た、保持フレームが、テーブルに吸着される電磁石の側
   面に尺状フレームを縦幅に固着してなることを特徴とす
   る小間物印刷機。