JPH0686016U - 高所護岸パラペット天端の水準測量装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 測量者が直接高所護岸パラペット天端上に上
がることなく、高精度で直接高所護岸パラペット天端水
準測量を実施する。 【構成】 高所護岸パラペット天端の水準測量を行う装
置であって、水平をだす二方向に水準気泡を備えた水準
台１４と水準測量装置本体部４を垂直に固定する筒状固
定部１６を有する三脚と、前記筒状固定部１６に嵌挿可
能で、かつ自動昇降する格納自在の水平バー６を有し、
該水平バー６の高さ検出器９と制御装置１０を内蔵し、
高さ表示盤１１を備えた水準測量装置本体部４とからな
る。 【効果】 地上で高所護岸パラペット天端の水準測量を
正確に実施でき、作業性ならびに安全面が極めて優れて
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、埋立地または既設高所護岸パラペット天端の水準測量を行うため の高所護岸パラペット天端水準測量装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

埋立地または既設高所護岸パラペット天端の基準点測量、法線測量および沈下 測定のための水準測量は、図５に示すとおり、測量者５１が護岸パラペット５２ の天端５３に上がり、トランシットまたは水準測量機５４を設置し、直接標尺５ ５を立てて測量しなければならない。この場合、測量者５１の墜落、落下を防止 するためには、護岸パラペット５２天端５３上に所定間隔で単管の支柱５６を取 付けたのち、支柱５６間に親綱５７を張って測定者の墜落防止対策としている。 また、測定者の墜落防止対策としては、護岸パラペット天端に固定式の測量台 を設置して水準測量を実施し、測定者の墜落防止対策としている。

【０００３】 また、他の護岸上からの落下防止装置としては、護岸パラペット天端とほぼ同 じ幅の軽量パイプの枠体４隅にロック付きキャスターを取付け、該枠体下部に護 岸パラペットを挟持するロック付きキャスターを有する挟持部材を設け、前記枠 体上部に両側水平位置まで傾転可能に複数の支柱を設けて安全ネットを張設した 装置を、本発明者らが既に実願平３−４９７２５号として出願している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記護岸パラペット天端に固定式の測量台を設置する場合は、固定式であるた め移動できないので数多く測量台を設置しなければならない。また、固定式測量 台は、鋼製のものが多く設置場所が海岸付近のため腐食が激しく耐用年数が短い 。さらに製作した測量台は、護岸パラペット天端に設置するにはクレーン等が必 要になるという欠点がある。 一方、護岸パラペット天端上の支柱間に親綱を設置する場合は、護岸パラペッ ト天端の全長に設置しなければならず多額の費用を要する。また、固定式支柱の 場合は、支柱の腐食および親綱の劣化が激しく、取外し式支柱の場合は、取付け 、取外しに手間がかかりすぎるという欠点がある。 さらに、実願平３−４９７２５号に開示の装置は、測量者が直接高所護岸パラ ペット天端上に上がり、装置を設置しなければならないため、安全上の問題があ る。

【０００５】 この考案の目的は、測量者が直接高所護岸パラペット天端上に上がることなく 、高精度で直接高所護岸パラペット天端水準測量を実施でき、しかも簡単に持運 びが容易な高所護岸パラペット天端水準測量装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案者らは、上記目的を達成すべく種々試験検討を重ねた。その結果、地上 に高所護岸パラペット天端水準測定装置を設置し、垂直の水準測量装置本体部を 昇降する水平バーを護岸パラペット天端面に当接させ、コンクリート床面または 地盤面からの高さを自動表示させることによって、測量者が直接高所護岸パラペ ット天端上に上がることなく、高精度で直接高所護岸パラペット天端水準測量を 実施できることを確認し、この考案に到達した。

【０００７】 すなわちこの考案は、高所護岸パラペット天端の水準測量を行う装置であって 、水平をだす二方向に水準気泡を備えた水準台と筒状の水準測量装置本体部を垂 直に固定する固定部を有する三脚と、前記水準測量装置本体部の固定部に嵌挿可 能で、かつ自動昇降する格納自在の水平バーを有し、該水平バーの高さ検出器と 制御装置を内蔵し、高さ表示盤を備えた水準測量装置本体部とからなる高所護岸 パラペット天端の水準測量装置である。

【０００８】

【作用】

この考案の高所護岸パラペット天端の水準測量装置は、水平をだす二方向に水 準気泡を備えた水準台と水準測量装置本体部を垂直に固定する筒状固定部を有す る三脚と、前記水準測量装置本体部の固定部に嵌挿可能で、かつ自動昇降する格 納自在の水平バーを有し、該水平バーの高さ検出器と制御装置を内蔵し、高さ表 示盤を備えた水準測量装置本体部とからなり、高所護岸パラペット近傍の地上に 三脚を据付し、水平をだす二方向の水準気泡を見ながら水平調整ねじを操作して 水準台を水平となし、しかるのち、水準測量本体部の水平バーを水平となし、水 準測量本体部を三脚の筒状固定部に嵌挿して所定位置で固定すれば、護岸パラペ ット天端の水準測量準備が完了する。 しかるのち、昇降スイッチを操作して水準測量装置本体を護岸パラペット天端 より上まで伸ばした後、昇降スイッチを操作して水平バーを下降させ、水平バー が護岸パラペット天端に接触させて停止すると、内蔵した高さ検出器によりコン クリート床面または地盤面から水平バーまでの高さが計測され、制御装置により デジタルに変換され、高さ表示盤にデジタル表示される。

【０００９】 この考案におけるコンクリート床面または地盤面から水平バーまでの高さを検 出する高さ検出器としては、コンクリート床面または地盤面から水平バーまでの 高さを検出できるものであればよく、特に限定されないが、セルシンにより計測 するのが得策である。 この考案における水準測量装置本体部および三脚等は、全てをアルミニウム製 とすれば、軽量で持運びが容易となると共に、海岸付近であっても耐久性に優れ る。 水準測量装置本体部の水平バーの格納は、水平バーおよび水平バー保持金物を 折り畳み式となし、折り畳めば水準測量装置本体部内に格納でき、かつ、格納し た水平バーを引出して水平バー保持金物で保持すれば、水平に保持されるように 構成する。

【００１０】

【実施例】

以下にこの考案の詳細を実施の一例を示す図１ないし図４に基づいて説明する 。図１はこの考案の高所護岸パラペット天端の水準測量装置による護岸パラペッ ト天端の水準測量の状態図、図２はこの考案の高所護岸パラペット天端の水準測 量装置の立面図、図３は水準測量装置本体部の要部詳細図、図４は三脚の詳細図 である。 図１ないし図４において、１はコンクリート床面または地盤面、２は護岸パラ ペット、３は護岸パラペット２の天端、４は高所護岸パラペット天端の水準測量 装置本体部、５は水準測量装置本体部４を垂直に保持する三脚、６は水準測量装 置本体部４に昇降自在に設けた格納自在の水平バー、７は水平バー６を水平に保 持する格納自在の水平バー保持金物である。

【００１１】 前記水準測量装置本体部４に設けた昇降自在の水平バー６および水平バー保持 金物７は、スイッチ８を操作することにより図示しない駆動モータにより昇降す る。 ９は前記駆動モータの回転軸の位置を計測するセルシンで、セルシン９で計測 された水平バー６の位置は、制御装置１０に入力され、アナログからデジタルに 変換されて高さ表示盤１１に表示されるよう構成されている。 １２、１３は三脚５の水準台１４の二方向に設けた水準気泡、１５は水準台１ ４の水平度を調整する水平調整ねじで、三脚５の水準台１４の二方向に設けた水 準気泡を見ながら水平調整ねじ１５を操作すれば、水準台１４を水平に調整でき る。 １６は三脚５に設けた水準測量装置本体部４を垂直に固定する筒状固定部で、 筒状固定部１６に水準測量装置本体部４が挿嵌固定されるよう構成されている。

【００１２】 上記のとおり構成したことによって、護岸パラペット２の天端３の水準測量を 行う場合は、この考案の高所護岸パラペット天端の水準測量装置を測量する護岸 パラペット２の天端３位置に対応するコンクリート床面または地盤面１まで移動 させ、水準測量装置本体部４を護岸パラペット２の天端３より上まで伸ばした後 、水準測量装置本体部４に収納した水平バー６を水平バー保持金物７で保持させ 、スイッチ８を操作して水平バー６および水平バー保持金物７を水準測量装置本 体部４の上端まで上昇させたのち、水準測量装置本体部４を三脚５の筒状固定部 １６に挿嵌固定して三脚５を据付け、水準台１４の二方向に設けた水準気泡１２ 、１３を見ながら水平調整ねじ１５を操作して水準台１４を水平に保持するれば 、水準測量装置本体部４は垂直に立設され、水平バー６は水平に保持される。

【００１３】 しかるのち、スイッチ８を操作して水平バー６および水平バー保持金物７を下 降させ、水平バー６が護岸パラペット２の天端３に当接すれば自動停止し、セル シン９で計測されたコンクリート床面または地盤面１から水平バー６までの高さ は、制御装置１０に入力され、アナログからデジタルに変換されて高さ表示盤１ １に表示される。 したがって、測量者が墜落、落下の危険がある高所護岸パラペット天端３上に 上がることなく、護岸パラペット２の天端３の水準を正確に測量することができ る。

【００１４】 また、他の護岸パラペット２の天端３の水準測量を実施する場合は、この考案 の高所護岸パラペット天端の水準測量装置を測量位置まで運んで行き、上記と同 様操作を行うことにより護岸パラペット天端の水準測量を容易に測定することが できる。 水準測量が終了すれば、水準測量装置本体部４を三脚５の筒状固定部１６から 取外し、水平バー保持金物７を水平バー６から取外し、水平バー６および水平バ ー保持金物７を折り畳んで水準測量装置本体部４に収納する。 なお、三脚５ならびに水準測量装置本体部４をアルミニウム製とすれば、耐久 性に優れるばかりでなく、軽量となるので持運びが容易となる。

【００１５】

【考案の効果】

以上述べたとおり、この考案によれば、測量者が墜落、落下の危険がある高所 護岸パラペット天端上に上がることなく、地上で高所護岸パラペット天端の水準 測量を正確に実施することができ、作業性ならびに安全面が極めて優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の高所護岸パラペット天端の水準測量
装置による護岸パラペット天端の水準測量の状態図であ
る。

【図２】この考案の高所護岸パラペット天端の水準測量
装置の立面図である。

【図３】水準測量装置本体部の要部詳細図である。

【図４】三脚の詳細図である。

【図５】従来の高所護岸パラペット天端の水準測量の状
態図である。

【符号の説明】 １ コンクリート床面または地盤面 ２、５２ 護岸パラペット ３、５３ 天端 ４ 水準測量装置本体部 ５ 三脚 ６ 水平バー ７ 水平バー保持金物 ８ スイッチ ９ セルシン １０ 制御装置 １１ 高さ表示盤 １２、１３ 水準気泡 １４ 水準台 １５ 水平調整ねじ １６ 筒状固定部 ５１ 測量者 ５４ 水準測量機 ５５ 標尺 ５６ 支柱 ５７ 親綱

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高所護岸パラペット天端の水準測量を行
   う装置であって、水平をだす二方向に水準気泡を備えた
   水準台と水準測量装置本体部を垂直に固定する筒状固定
   部を有する三脚と、前記水準測量装置本体部の固定部に
   嵌挿可能で、かつ自動昇降する格納自在の水平バーを有
   し、該水平バーの高さ検出器と制御装置を内蔵し、高さ
   表示盤を備えた水準測量装置本体部とからなる高所護岸
   パラペット天端の水準測量装置。