JPH0685446B2 - 非晶質シリコンを用いた光電変換装置 - Google Patents

非晶質シリコンを用いた光電変換装置

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JPH0685446B2
JPH0685446B2 JP60158406A JP15840685A JPH0685446B2 JP H0685446 B2 JPH0685446 B2 JP H0685446B2 JP 60158406 A JP60158406 A JP 60158406A JP 15840685 A JP15840685 A JP 15840685A JP H0685446 B2 JPH0685446 B2 JP H0685446B2
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amorphous silicon
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稔 野上
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Shizuoka University NUC
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  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換
し、あるいは、光像、X線像等の輻射エネルギー像を電
荷像に変換する広義の光電変換装置に関し、特に、水素
化非晶質シリコンを用いたこの種光電変換装置を、広い
波長域に亘つて高効率が得られるようにするとともに、
高感度・高解像度の電荷像が得られるようにしたもので
ある。
(従来の技術) この種光電変換装置としては、近来、水素化非晶質シリ
コン(a−Si:H)を用いたものが注目されており、例え
ば、水素化非晶質シリコンを用いて製作したpin構造の
太陽電池が従来知られており、この太陽電池は光検出器
としても用い得るものである。しかして、水素化非晶質
シリコン(a−Si:H)は、一般に、その禁制帯幅(Eg)
が1.7〜1.8eVと広く、光吸収の波長域は禁制帯幅によつ
て制限されるので、650nmを超える長波長領域において
は実質的に光電変換を行い得ない。したがつて、かかる
長波長領域においても有効な感度を有するようにするた
めに、禁制帯幅(Eg)が水素化非晶質シリコンの禁制帯
幅(Eg)より狭い物質、例えば、ゲルマニウム(Ge)あ
るいは錫(Sn)を混入させることにより、禁制帯幅(E
g)を従来より狭くして、長波長領域の光に対して有効
な感度を呈するようにする試みがなされたが、かかる試
みによつては、有効感度波長領域は拡げられたが光電変
換膜の膜質変化によつて光電変換効率の低下を来たし、
結局、良好な光電変換装置とすることができなかつた。
また、水素化非晶質シリコン(a−Si:H)と結晶シリコ
ン(C−Si)とのヘテロ接合を構成し、結晶シリコン
(c−Si)の狭い禁制帯幅を利用して上述と同様に有効
感度波長領域を拡げる試みもなされた。しかしながら、
結晶シリコン(c−Si)としては、大面積の結晶シリコ
ンを量産するのが容易な多結晶シリコンを用いることに
なるが、従来は、溶融により形成した多結晶シリコンの
インゴットを截断したウエハーを用いており、良質であ
るが製作が容易ではない単結晶シリコンを用いるのと、
製作工程上は大差がなく、多結晶シリコンを用いる利点
が活かされていなかつた。
したがつて、その利点を活かすには、大面積素子の製作
が容易な化学気相堆積(CVD)法によつて製作した多結
晶シリコンを用いるのが望ましいが:CVD法によつて製作
した多結晶シリコンを用いて形成したヘテロ接合光電変
換装置においては、ヘテロ接合の部分に空乏層が拡がら
ず、光電変換による正孔が流れ難くて有効な感度が得ら
れない。しかも、一般に、結晶シリコンは間接遷移型半
導体であつて吸収係数が小さく、長波長の近赤外領域に
おいて良好な有効感度を得るためには、長波長光を吸収
し得るように膜厚を厚くする必要があるのに対し、ヘテ
ロ接合部分に生ずる空乏層の拡がりに比して膜厚が厚い
と光電変換による正孔が流れ難くなるので膜厚を厚くし
得ない、という欠点あ有している。
一方、上述のようにヘテロ接合を用いた光電変換装置と
しては、従来、CdTeとCdSとのヘテロ接合を用いた太陽
電池が知られており、直接遷移型半導体であつて空乏層
が拡がり易く、膜厚も薄くなし得るので、上述した結晶
質・非晶質両シリコンのヘテロ接合に比すれば遥かに好
適ではあるが、電極との間の界面反応によつてCdS層に
膜質の劣化が生ずる、という欠点を有している。
太陽電池など光電変換装置一般における上述のような従
来の問題の他に、光像を電荷像に変換する撮像装置とし
て用いる光電変換装置においては、さらに、つぎのよう
な問題があつた。すなわち、撮像装置として用いる光電
変換装置においては高感度、高解像度の変換出力電荷像
を得る必要があり、従来、撮像管ターゲットとして種々
の光電変換装置が用いられてるが、微細結晶膜を用いた
光電変換装置としては、PbO、ZnSe、ZnTe、CdSe、CdTe
等の微結晶およびその混晶によつて構成した光電変換装
置は、高い抵抗率と高い光感度とを示すことが知られて
いる。しかしながら、この種の光電変換装置は、微結晶
膜によつて構成されているがために、光電変換によつて
発生した正孔が微細結晶膜中を輸送される過程で微結晶
粒によつて散乱されるので、特に、極めて高い解像度を
必要とする場合には、高解像度を維持し難いという欠点
があつた。
一方、この種撮像装置として、最先に述べた太陽電池の
例と同様に非晶質物質を用いた光電変換装置には、同様
に水素化非晶質シリコン(a−Si:H)を用いたもの、お
よび、Se-As-Te系の非晶質膜を用いたものがあり、いず
れも、非晶質膜であるがために、光電変換出力画像とし
て極めて高い解像度のものが得られる。しかしながら、
水素化非晶質シリコン膜を用いたものは、太陽電池にお
けると同様に長波長領域で良好な感度を得難く、また、
Se-As-Te系非晶質膜を用いたものは、感度が上述した結
晶質膜を用いたものに劣り、強い入射光によつて焼付が
生じ、耐熱性が低い等、種々の欠点を有している。
(発明が解決しようとする問題点) 上述したように、従来の光電変換装置は、いずれも何ら
かの欠点を有しており、特に、水素化非晶質シリコン
(a−Si:H)を用いた光電変換装置は、前述したよう
に、禁制帯幅(Eg)が1.7〜1.8V程度であるがために、
赤色から近赤外に及び長波長領域の感度が低いことがほ
とんど唯一の欠点となつてはいるが、それらの欠点を除
去し、太陽電池あるいは撮像装置として十分に良好な性
能を有する光電変換装置を開発する必要があつた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、緻密な非晶質であるが故に高解像度の光電変
換出力電荷像を高効率で得られるが、長波長領域で良好
な感度の得難い水素化非晶質シリコン(a−Si:H)と、
直接遷移型半導体であつて良好な光感度の光電変換層の
製作が容易であり、長波長領域に良好な感度を有し、II
-IV族半導体金属元素中唯一の容易にp型、n型の双方
に製作し得る多結晶カドミウム・テルライド(pc-CdT
e)とのヘテロ接合によつて光電変換装置を構成し、構
成材料双方の長所を兼ね備えて双方の短所を相補った高
性能・長寿命の光電変換装置を実現し得るようにしたも
のである。
(作用) 上述したように、水素化非晶質シリコン(a−Si:H)と
多結晶カドミウム・テルライド(pc-CdTe)とのヘテロ
接合を形成して多結晶カドミウム・テルライド(pc-CdT
e)の側から光像を入射させると、光感度の高い多結晶
カドミウム・テルライド層で広い波長領域に亘つて発生
した正孔がすみやかに水素化非晶質シリコン層に注入さ
れ、その緻密な高抵抗率の非晶質層に高い解像度を保持
した状態で蓄積される。したがって、近赤外にまで及び
広い波長領域の高感度と高い解像度とを有する光電変換
出力電荷像が得られるという、結晶質と非晶質との双方
の長所を兼備した撮像装置を実現することができる。
さらに、水素化非晶質シリコン(a−Si:H)と多結晶カ
ドミウム・テルライド(pc-CdTe)とのヘテロ接合を形
成してX線に対して大きい吸収係数を有する多結晶カド
ミウム・テルライド層の膜厚をX線に対し十分吸収し得
る厚さにし、かかる多結晶カドミウム・テルライド層の
側からX線像を入射させると、X線光電変換により発生
した正孔が、上述した光像入射の場合と同様に、すみや
かに水素化非晶質シリコン層に注入されて蓄積されるの
で、高い感度と高い解像度とを有するX線画像化装置を
実現することができる。
(実施例) 本発明者らは、本発明の実施にあたり、まず、第1図に
示すような構成のヘテロ接合光電変換装置を試作して基
礎実験を行った。すなわち、硝子基板GL上に、イソジウ
ム酸化錫(ITO)よりなると透明電極層ITを介し、後述
するホットウオール法により約2μmの厚さに多結晶カ
ドミウム・テルライド層CTを堆積し、その上にドウピン
グしない水素化非晶質シリコン層を約6000Å厚さに堆積
し、さらにその上にマグネシウム(Mg)よりなる電極層
MGを真空蒸着により被着形成した。
上述のように構成した試作光電変換装置の零バイアスに
おける相対分光感度特性をカドミウム・テルライド層CT
側から光を入射させて測定した結果は、第2図に示すよ
うになり、試作時にカドミウム・テルライド層CTが十分
にp型になっていないために短波長領域にピークが生
じ、また、零バイアスでは光電変換層にほとんど電界が
生じないために長波長領域で十分な感度が得られなかつ
たが、カドミウム・テルライド層CTの膜質の向上により
ヘテロ接合の両側に空乏層をよく拡がらせれば、長波長
領域に十分な感度を生じさせ得る見透しが得られた。
上述のような基礎実験に基づいた本発明光電変換装置の
各種の構成例について以下に詳述するに先立ち、 まず、太陽電池もしくは光検出器とするに好適な製作例
を第3図(a)および(b)にそれぞれ示す。第3図
(a)に示す製作例は、硝子基板2上にヘテロ接合より
なる光電変換層を形成したものであり、光1は、硝子基
板2およびその基板2上に形成したイソジウム酸化錫
(ITO)などからなる透明電極4、正孔注入阻止層5、
水素化非晶質シリコン層6、多結晶カドミウム・テルラ
イト(CdTe)層7、を順次に介して電子注入阻止層8に
入射する。また、第3図(b)に示す構成例は、ステン
レス鋼などの金属基板3上にヘテロ接合よりなる光電変
換層を形成したものであり、光1は、その光電変換層上
に形成した上述と同様の透明電極4を介してその光電変
換層に入射する。すなわち、ヘテロ接合よりなる光電変
換層により光エネルギーを電気エネルギーに変換する場
合の製作例においては、ヘテロ接合を構成する水素化非
晶質シリコン層6と多結晶カドミウム・テルライド層7
とのうち、シリコン層6側から光1を入射させて、後述
するような態様の光電変換を行なわさせる。さらに、図
示のように、弱いn型とする水素化非晶質シリコン層6
と透明電極4との間には窒化シリコン(SiNxなどからな
る正孔注入阻止層5を介在させるとともに、多結晶カド
ミウム・テルライド層7上もしくは、その多結晶層7と
金属基板3との間には、クロム(Cr)もしくは白金(P
t)など仕事函数の大きい材料よりなる電子注入阻止層
8を設ける。なお、透明電極4上の窒化シリコン層5は
n+型の水素化非晶質シリコン(n+a-Si:H)層によつて置換
することもできる。
上述のような構成の光電変換装置を製作するにあたり、
第3図(a)に示した製作例については、硝子基板2上
に透明電極4と窒化シリコン膜5とを堆積した後、同じ
堆積装置によつてn型の水素化非晶質シリコン(a−S
i:H)を約5000Å〜8000Åの厚さに堆積し、その後に、
その非結晶シリコン層の温度による劣化を避けるために
300℃程度の比較的低い基板温度にしていわゆるホット
ウォール法により多結晶カドミウム・テルライド(pc-C
dTe)を成長させる。上述したn型の水素化非晶質シリ
コン層6は弱いn型であり、ドープしない状態のままの
水素化非晶質シリコン、もしくは、極めて微量のボロン
を添加してi型に近い状態にした水素化非晶質シリコン
によつて形成する。また、上述したホウトウオール法
は、10-6Torrを超えた高い真空度の容器で、400℃程度
の蒸発源温度と上述した300℃程度の基板温度との中間3
50℃程度に容器壁温を保持し、かかる一定温度の閉容器
壁によつて囲まれた状態で一種の蒸着を緩慢に行なう堆
積方法であり、容器壁による熱平衡のもとに良質の結晶
を安価に成長させることができ、ドーピングも容易に施
すことができる。
一方、第3図(b)に示した製作例については、金属基
板3上にクロム(Cr)もしくは白金(Pt)など仕事函数
の大きい材料層を被着し、その上に、カドミウム・テル
ライドを300℃程度の温度で短い時間に蒸着法もしくは
スパッタ法により約5000Å〜8000Åの膜厚に堆積させ、
その後に、400℃〜500℃の温度で熱処理を施して、カド
ミウム・テルライド層を微結晶化し、温度によつて決ま
る結晶粒の大きさが数μm以下になるようにして多結晶
カドミウム・テルライド層7を形成する。その後に、モ
ノシランなどをグロー放電により分解して弱いn型の水
素化非晶質シリコン層6を形成し、その上に、n+型の水
素化非晶質シリコン(n+a-Si:H)もしくは非晶質窒化シリ
コン(a-SiNx)を数100Åの膜厚に被着し、最後に、透明
電極を電子ビームにより加熱する電子ビーム蒸着法によ
つて被着する。
つぎに、撮像装置とするに好適な本発明によるこの種の
光電変換装置の構成例を第4図(a)および(b)にそ
れぞれ示す。第4図(a)に示す構成例は、硝子基板2
上に、酸化錫(ネサ)やインジウム酸化錫(ITO)など
からなる透明電極4を被着し、その上に非晶質窒化シリ
コン(a-SiNx)を数100Åの厚さに被着して正孔注入阻止
層5を形成する。その後に、セレン(Se)層9を数100
Åの厚さに蒸着して次に被着するカドミウム・テルライ
ド層10とのなじみをよくしたうえで、カドミウム・テル
ライド(CdTe)を蒸着もしくはスパッタにより4000Å〜
1μm程度の厚さに被着した後に400〜430℃の温度に加
熱して熱処理を施し、微結晶化させて多結晶カドミウム
・テルライド層10を形成する。その後に、前述したと同
様にモノシランなどをグロー放電法またはスパッタ法に
より2〜3μmの膜厚に堆積させてi型の水素化非晶質
シリコン(ia-Si:H)層11を形成し、最後に、ボロンを
添加した非晶質シリコンカーバイド(a−SiC)を数100
Åの膜厚に堆積させて電荷蓄積層12を形成する。この電
荷蓄積層12は、撮像装置として電子ビーム13により面走
査する場合に電子ビーム13の受容特性を向上させるとと
もに、電子が水素化非晶質シリコン層11へ注入されるの
を阻止するためのものである。
本発明による光電変換層を撮像装置に用いる場合には、
ヘテロ接合を構成する多結晶カドミウム・テルライド
(pc-CdTe)および水素化非晶質シリコン(a−Si:H)
は、いずれもi型に近い高抵抗のものにして光像および
電荷像に対する解像度を保持し得るようにする。特に、
水素化非晶質シリコン層11の堆積にはボロンをモノシラ
ンに対して10-6〜10-5の割合いで添加してi型化する
が、このボロン添加量は、カドミウム・テルライドとの
接合における正孔の注入状況に応じて調整する必要があ
り、極めて重要である。
一方、第4図(b)に示す構成例は、特に、X線像を電
荷像に変換するX線像可視化装置に使用することを意図
したものであり、基板14には、X線に対して良好な透過
率を有するベリリウム(Be)板もしくはアルミニウム
(Al)板を用い、そのX線透過基板14上に、第4図
(a)に示した構成例と同様に各層5,9,10,11および12
を順次に堆積する。なお、基板14は透明電極4を兼用す
る。しかして、各層の堆積条件も上述の構成例と同様に
するが、X線に対する吸収係数が光に対する吸収係数よ
りも小さいので、多結晶カドミウム・テルライド(pc-C
dTe)層10を上述した膜厚より厚くする必要がある。し
たがって、人体等の軟組織用に用いる駆動電圧30KV以下
の軟X線に対しては1μm程度の膜厚とするが、金属等
の硬組織用に用いる駆動電圧30KV以上の硬X線に対して
は10μm程度の膜厚とする必要がある。なお、水素化非
晶質シリコン層11の方は1〜2μm程度の膜厚で充分で
ある。なお、多結晶カドミウム・テルライド層10は、特
に、空乏化が容易に行われるような高い抵抗率を有する
真性のカドミウム・テルライド層とする必要がある。ま
た、非晶質シリコンカーバイド(a−SiC)層12は、上
述したと同様に、電子ビームの受容特性をよくするとと
もに、高解像度を保持し得るように設ける。従来は、三
硫化アンチモン(Sb2S3)がこの目的に使用されており、
耐熱性などの点で非晶質シリコン・カーバイドの方が優
れているが、三硫化アンチモンに置換することもでき
る。
つぎに、上述した各例の作用について詳述する。
第3図(a),(b)に示した太陽電池としての製作例
においては、透明電極4および正孔注入阻止層5を介し
て水素化非晶質シリコン層6に入射した光1のうち、65
0nm程度までの短波長領域の光は水素化非晶質シリコン
(a−Si:H)層6内で吸収されて光電子正孔対に変換さ
れ、第5図の電位図に示すように、電子16は透明電極4
に流れ、正孔17は、ヘテロ接合部を超えて多結晶カドミ
ウム・テルライド層7内に注入されて、電極として作用
する電子注入阻止層8に流れる。したがつて、水素化非
晶質シリコン層6で光電変換されなかつた650nmを超え
る長波長領域の光はカドミウム・テルライド層7に吸収
されて光電子正孔対に変換される。このカドミウム・テ
ルライド層7内で発生した電子16は、ヘテロ接合電界に
より水素化非晶質シリコン層6内に注入されて透明電極
4に輸送され、正孔17は、電極として作用する電子注入
阻止層8に流れる。なお、電子注入阻止層8は、多結晶
カドミウム・テルライド層7との間に生ずるショットキ
ー障壁により電子に対する空乏化を生ずるように作用す
る。以上を要するに、第3図(a),(b)に示した太
陽電池としての製作例においては、ヘテロ接合を構成す
る一方の水素化非晶質シリコン層6によつて650nmまで
の短波長領域の光電変換を受持ち、他方の多結晶カドミ
ウム・テルライド層7によつて650nmから850nmまでの長
波長領域の光電変換を受持つことにより、従来、水素化
非晶質シリコンのみによつは得られなかつた長波長領域
に対する感度を良好に保持し得るようにしてある。
なお、第3図(a)に示した硝子基板2を用いた構成例
と第3図(b)に示した金属基板3を用いた構成例と
は、前述したようにヘテロ接合を構成する2層の製作順
序の相違により各層の製作方法が相違しているが、光電
変換装置としての作用は全く同一である。
一方、第4図(a)および(b)にそれぞれ示した光像
およびX線像の撮像を目的とする本発明装置の構成例に
おいては、多結晶カドミウム・テルライド層10側に光像
及びX線像を入射させて広い波長領域に亘つて電荷像に
変換させ、その電荷像を高い解像度を保持したまま水素
化非晶質シリコン層11に転送して保持させる。しかし
て、第6図(a)に示すように、両電極5,12間に電圧を
印加しない零バイアスの状態においては、ヘテロ接合を
構成する各層を高い抵抗率を有する真性i層にして電荷
像を高解像度に保持させているために、ヘテロ接合電界
が強く生成せず、大きい電位差が生じないので、電子正
孔の流れが生じない。したがつて、両電極5,12間にバイ
アス電圧を印加して第6図(b)に示すように電位差を
生じさせると、多結晶カドミウム・テルライド層10内で
発生した電子正孔対のうち、電子16は透明電極4に流
れ、正孔17は、ヘテロ接合部を介して水素化非晶質シリ
コン層11に注入されたうえで、電荷蓄積層12まで輸送さ
れる。電荷蓄積層12に達した電荷像は非晶質シリコン・
カーバイド層の高い抵抗率により、拡散することなく保
持された状態で電子ビームの走査によつて読出される。
なお、撮像装置としての構成例においては、上述したよ
うに、光電変換層に外部からバイアス電圧を印加して層
内に強い電界を作用させること、および、暗電流を小さ
くする必要があることに基づき、電界が集中する多結晶
カドミウム・テルライド層10と非晶質シリコン・カーバ
イド層5との界面に薄いセレン(Se)層9を介挿するこ
とにより、電界の集中を弱めて耐圧を高くしてある。ま
た、多結晶カドミウム・テルライド層10内に発生した正
孔17が支障なく水素化非晶質シリコン層11に注入される
ようにするために、ヘテロ接合界面における水素化非晶
質シリコン層11は、ボロンを添加して弱いp型にし、そ
の電子エネルギー準位を調整しておく必要がある。
さらに、第4図(b)に示したX線撮像を目的とする構
成例においては、X線像入射側にペリリウム(Be)もし
くはアルミニウム(Al)などX線吸収の少ない材料から
なる基板を用いるとともに、抵抗率を充分高くした多結
晶カドミウム・テルライド層10全体を空乏化されるよう
にする必要があり、その光電変換作用は前述した構成例
と同様である。なお、カドミウム・テルライド層10はX
線の吸収係数が大きく、しかも、ヘテロ接合部における
空乏化が容易に行われるものであり、さらに空気中にお
いても安定であつて、大面積化、量産化に有効な要素を
多分に備えているものである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、水素
化非晶質シリコンと多結晶カドミウム・テルライドとの
ヘテロ接合を用いて光電変換装置を構成する各層に高い
抵抗率をもたせることにより、高感度、高解像度の撮像
装置を実現することができ、さらに、多結晶カドミウム
・テルライド層をX線に対して充分な吸収が行われる膜
厚とすることにより、高感度、高解像度のX線撮像装置
を実現することができる、という顕著な効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明光電変換装置の基本構成の例を示す断面
図、 第2図は同じくその基本構成による試作装置の相対分光
感度特性を示す特性曲線図、 第3図(a)および(b)は太陽電池、光検出器とする
光電変換装置の製作例をそれぞれ示す断面図、 第4図(a)および(b)は撮像装置およびX線撮像装
置とする本発明光電変換装置の構成例をそれぞれ示す断
面図、 第5図は太陽電池、光検出器とする光電変換装置におけ
る電位分布の例を示す線図、 第6図(a)および(b)は撮像装置およびX線撮像装
置とする本発明光電変換装置における電位分布の例をそ
れぞれ示す線図である。 GL……硝子基板、IT……透明電極 CT……カドミウム・テルライド層 SH……非晶質シリコン層、MG……電極 1……光、2……硝子基板 3……金属基板、4……透明電極 5……正孔注入阻止層 6,11……水素化非晶質シリコン層 7,10……多結晶カドミウム・テルライド層 8……電子注入阻止層、9……セレン層 12……電荷蓄積層 13……電子ビーム 14……X線透過材基板 15……X線 16……電子 17……正孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正孔注入阻止層と蒸着もしくはスパッタに
    より形成した多結晶カドミウム・テルライド層と水素化
    非晶質シリコン層と電子注入阻止層を兼ねる電荷蓄積層
    とを順次に備え、前記多結晶カドミウム・テルライド層
    と前記水素化非晶質シリコン層とのヘテロ接合よりなる
    光電変換層に前記多結晶カドミウム・テルライド層の側
    から入射した輻射線像を電荷像に変換することを特徴と
    する光電変換装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の装置におい
    て、透明絶縁材基板上に、100Åを超えるとともに500Å
    を超えない厚さの前記正孔注入阻止層と前記光電変換層
    と前記電荷蓄積層とを順次に備え、前記透明絶縁材基板
    の側から入射した光学像を電荷像に変換することを特徴
    とする光電変換装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載の装置におい
    て、X線透過材基板上に、前記正孔注入阻止層と少なく
    とも1μmの厚さの前記多結晶カドミウム・テルライド
    層を有する前記光電変換層と前記電荷蓄積層とを順次に
    備え、前記X線透過材基板の側から入射したX線像を電
    荷像に変換することを特徴とする光電変換装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の装置におい
    て、前記正孔阻止層と前記多結晶カドミウム・テルライ
    ド層との間に100Åを超えない厚さのセレン層を備えた
    ことを特徴とする光電変換装置。
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