JPH068498U

JPH068498U - シールドカッター用ビット

Info

Publication number: JPH068498U
Application number: JP2996192U
Authority: JP
Inventors: 仁堀江; 裕介井寄
Original assignee: Hitachi Tool Engineering Ltd
Current assignee: Moldino Tool Engineering Ltd
Priority date: 1992-04-07
Filing date: 1992-04-07
Publication date: 1994-02-04

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】超硬粒子を鋳物で結合させて被覆・肉盛りさ
せることにより、耐摩耗性に優れたシールドカッター用
ビットを提供する。【構成】被覆・肉盛りは、硬質部分を超硬粒子、すな
わち超硬の焼結体を粉砕等により形成し、それを鋳物に
より鋳ぐるみ結合させた被覆・肉盛りしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、トンネル工事等に使用されるシールドカッターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

本考案に使用されるカッター用ビットは、砂礫、岩石等の掘削に適するように超硬製チップを先端にロー付けして、掘削効率、寿命を向上させている。更に、寿命を安定させるため、超硬チップの配置を複数にしたり、超硬チップの形状を様々に変化させたりして、安定化が計られている。超硬チップ以外の耐摩耗性の向上を計る例としては、実開昭５５−１３１４００号に超硬チップに連なる台金部に硬装合金を肉盛りする例が、またその改良として実公昭６３−２３５０７号に、超硬チップと台金の境界部に線幅の露出部を設けた例がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、タングステンカーバイト系の表面硬装合金は、ＷＣ−Ｗ₂Ｃ共晶をＦｅで結合させた合金であるため、炭化物としての硬さ、肉盛り後の合金としての硬さも、結合金属としてのＦｅ量が４０〜５０％となるため、ビッカース硬さで８００〜９００程度であり、また、ＷＣ−Ｗ₂Ｃ共晶自体、その粒子内部にはポアがあり、粒子をＦｅで包含するように肉盛りをしないと脱落等のトラブルを生ずるため肉盛り部の硬さを上げることは困難であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そのため、本願考案は、硬質相としての超硬粒子、結合金属として鋳物を使用することにより、金属中に分散複合した焼結体であり、上記のような問題に対処するため、溶融金属である鋳物と、超硬合金／サーメット粒子すなわちＷＣ等の硬質相とＣｏ等の結合相からなる焼結体の粉末または粉砕物程度の粒子を用いて行うため、超硬合金／サーメット粒子と鋳物とが界面に脆化相を生じることなくよく密着し、かつ超硬合金／サーメット粒子の緻密化は十分行われているため粒子の大きさが広くとれ、高密度な被覆・肉盛りが行うことができる。さらに、超硬合金／サーメットの粒子をあらかじめ分散させて、表面硬装（ＷＣ−Ｗ₂Ｃ共晶を軟鋼で結合させた合金）を行うことも可能である。

【０００５】

【作用】

本考案は、鋼製の台金の頭部に形成した溝に超硬合金からなる刃を固着して成るシールドカッター用ビットにおいて、前記台金の頭部に部分的に、硬質相として超硬粒子、結合相として鋳物を使用し、超硬合金／サーメットの焼結体または粉砕された超硬粒子を、溶融金属を流し込み複合化一体化させた層で被覆・肉盛りしたことを特徴とするシールドカッター用ビットであり、被覆・肉盛りに使用する超硬合金／サーメットの粒子は、あらかじめ焼結されていると共にその組成が結合金属量１５％以下の超硬合金・サーメットであることを特徴とするものである。

【０００６】まず、本願考案の超硬粒子に使用する原料は、超硬合金／サーメットの焼結体であればよく、特にその材質は特に限定されるものではない。特に、硬さを必要とする場合には、超硬スクラップ、中でも切削工具に使用されたスローアウェイチップの使用済みのものや、ＴｉＣＮ基サーメットを使用するためである。またサーメットの密度は鋳物と近似のため、粒子として一部叉は全部使用すれば、表面硬装合金で問題となる肉盛りの厚さ方向で、ＷＣ−Ｗ₂Ｃ共晶がその密度が大きく肉盛り中に沈んでしまい下のほうに密となる欠点を補うことができる。そのため、表面硬装合金の改良として、超硬合金／サーメツトの粒子をあらかじめ分散させて、表面硬装することにより、従来の欠点を補うこともできる。

【０００７】次に形状に関しても、製作する場合にはボールあるいはボールに近いものが好ましいが、粉砕されたままのものでもよい。粒子の大きさ、粒度分布については、その使用する目的、製品の形状、大きさ、等に応じて選択される。また、結合相となる鋳物の種類も使用用途により適鞭選択される。

【０００８】以上のような、超硬合金／サーメット粒子および鋳物を使用した被覆・肉盛りを製造する方法は、まず、焼結体または粉砕された超硬粒子をその基体上におき、その後溶融金属を流し込み複合化する。超硬粒子を厚くする場合には、充填する厚みを増せばよく、また溶融金属を鋳込んだ状態で超硬粒子の分散状態を任意にコントロールすることもできる。

【０００９】

【実施例】

以下、実施例を用いて本考案について具体的に説明する。超硬合金粒子として６％Ｃｏ合金（密度ρ＝１４．６ｇ／ｃｃビッカース硬さＨＶ１５００）、粒子径０．２〜２．０ｍｍの粉砕粒子、および結合金属として鋳物を用いて、図１に示すビット上に充填して、溶湯を流し込んだ。超硬粒子−基体界面に脆化相を生じることなくよく密着し、粒子が分散した肉盛りが行え、さらに超硬粒子が焼結体であるため鋳込み中に結合金属の拡散がほとんどないため、超硬粒子の硬さはほとんど変わらない。

【００１０】また、シールドカッター用ビットでは肉盛りの厚さが３〜５ｍｍ程度であるため、ＴｉＣＮ基サーメットは使用しなかったがより耐摩耗性が要求される場合には、肉盛り層を厚く、かつ超硬粒子自体の耐摩耗性を付与するため、超硬ＪＩＳＰ種、Ｍ種等のＷＣ−ＴｉＣ−ＴａＣ−Ｃｏ系の合金を応用することが可能である。

【００１１】

【考案の効果】

上記のように、本考案の方法によれば、硬質な超硬粒子および靱性のある鋳物を結合相とし、超硬粒子を分散させた後、溶湯を流し込むことにより鋳ぐるみため、超硬粒子と結合相との界面の密着性が優れかつ結合相も緻密化が十分に進んだ高密度の被覆・肉盛りが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本願に使用されるシールドカッター用
ビットの上面図を示す。

【図２】図２は、図１の正面図を示す。

【符号の簡単な説明】

１超硬チップ２台金３肉盛り部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】鋼製の台金の頭部に形成した溝に超硬合
金からなる刃を固着して成るシールドカッター用ビット
において、前記台金の頭部に部分的に、硬質相として超
硬粒子、結合相として鋳物を使用し、超硬合金／サーメ
ットの焼結体または粉砕された超硬粒子を、溶融金属を
流し込み複合化一体化させた層で被覆・肉盛りしたこと
を特徴とするシールドカッター用ビット。
【請求項２】請求項１記載のシールドカッター用ビッ
トにおいて、被覆・肉盛りに使用する超硬合金／サーメ
ットの粒子が、あらかじめ焼結されていると共にその組
成が結合金属含有量１５％以下の超硬合金及び／叉はサ
ーメットであることを特徴とするシールドカッター用ビ
ット。
【請求項３】請求項１記載のシールドカッター用ビッ
トにおいて、超硬合金／サーメットの粒子をあらかじめ
分散させて、表面硬装（ＷＣ−Ｗ₂Ｃ共晶を軟鋼で結合
させた合金）を行うことを特徴とするシールドカッター
用ビット。