JPH0684559A

JPH0684559A - 電気コネクタ

Info

Publication number: JPH0684559A
Application number: JP23433692A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Inoue; 正明井上
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1992-09-02
Filing date: 1992-09-02
Publication date: 1994-03-25

Abstract

(57)【要約】【目的】コネクタ結合時の挿入力を軽減し、コンタク
トバネの増加を可能とし、コネクタの結合操作性と接触
信頼性を向上させる。【構成】雄側コネクタを雌側コネクタに挿入して、雄
側コネクタのコンタクトを、雌側コネクタの複数のコン
タクトバネに接触させる電気コネクタにおいて、雄側コ
ネクタのコンタクトに、雌側コネクタへの挿入動作に伴
い、複数のコンタクトバネと、それぞれ異なる挿入深度
で接触する接触面を設け、コネクタの結合時に、雌側コ
ネクタの多数のコンタクトバネの全てが、雄側コネクタ
のコンタクトに同時に接触しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、大きな電流を高信頼に
接続するために多数の導電性コンタクトバネを用いた大
電流用の電気コネクタに係わり、特に、コネクタの結合
挿入時における作業者の負荷を軽減するのに好適な電気
コネクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電子部品間の電気的接続に用いる電気コ
ネクタにおいて、そのコネクタの結合挿入時における操
作者の負荷を軽減させる従来技術には、例えば、特開平
３−１５５０７３号公報に記載のように、細長い筒状の
雌側コネクタのソケットの各コンタクトバネを、雄側コ
ネクタのピンの挿入口に対してそれぞれ異なる位置に配
置することにより、挿入初期の挿入負荷の軽減を図るも
のがある。

【０００３】しかし、この従来技術では、筒状のソケッ
トのコンタクトバネをそれぞれ異なる位置に設けること
により、結合挿入時での、雄側コネクタのピンとの接触
点のずれを得ているため、構造が複雑で製造が難しく、
例えば、接触の信頼性を向上させるために、多数のコン
タクトバネを必要とする電気コネクタには、有効に適用
することができない。

【０００４】また、近年、電子部品の高密度化に伴い、
これらの電子部品に供給する電源も低電圧大電流化が進
んできた。そのため、筒状ではなく、多数のコンタクト
バネを平面上に並べた雌側コネクタに、一つの板状のコ
ンタクト部材を有する雄側コネクタを挿入することによ
り、より確実なコンタクト同士の接触を可能とする大電
流用電気コネクタが開発されている。

【０００５】図５は、従来の大電流用電気コネクタの構
成を示す断面図である。雄側コネクタ５０には、板状の
コンタクト５１が、また、雌側コネクタ１には、多数の
コンタクトバネ３が、雄側コネクタ５０のコンタクト５
１との接触面４上に配列されている。雄側コネクタ５０
のコンタクト５１の先端は、挿入時に、コンタクトバネ
３を容易に押し広げることができるように、テーパー５
２が設けられ、先細りの形状となっている。

【０００６】しかし、このテーパー５２の稜線と、雌側
コネクタ１の各コンタクトバネ３の並びは平行であり、
雄側コネクタ５０の雌側コネクタ１への挿入時に、コン
タクト５１のテーパー５２の稜線が、雌側コネクタ１の
各コンタクトバネ３に同時に接触する。そのために、雄
側コネクタ５０の挿入時には、雌側コネクタ１の全ての
コンタクトバネ３を、同時に押し広げなければならず、
大きな力が必要となる。特に、近年の電子部品の高密度
化に伴う低電圧大電流化に対応して、確実な接触を行な
うために、一つの大電流用電気コネクタ当たりのコンタ
クトバネ３の増加と大型化が進んでいる。そのために、
コネクタの結合時においては、より大きな挿入力が必要
となっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来の技術は、筒状のソケットのコンタクトバネ
をそれぞれ異なる位置に設けることにより、結合挿入時
の接触点のずれを得るものであり構造が複雑となり製造
が難しく、電気的接続を確実に行なうために多数のコン
タクトバネを必要とする大電流用の電気コネクタには有
効に利用できない点である。本発明の目的は、これら従
来技術の課題を解決し、接触を確実にするために設けた
多数のコンタクトバネによる結合挿入時の負荷を、簡素
な構造で、効率良く軽減でき、接触の信頼性と操作性の
向上を可能とする電気コネクタを提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電気コネクタは、（１）雄側コネクタを雌
側コネクタに挿入して、雄側コネクタのコンタクトを、
雌側コネクタの複数のコンタクトバネに接触させる電気
コネクタにおいて、雄側コネクタのコンタクトに、雌側
コネクタへの挿入動作に伴い、複数のコンタクトバネ
と、それぞれ異なる挿入深度で接触する接触面を設ける
ことを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明においては、コネクタの結合時に、雌側
コネクタの多数のコンタクトバネの全てが、雄側コネク
タのコンタクトに同時に接触しないように、雄側コネク
タのコンタクトの先端形状の形成を行なう。すなわち、
コネクタの結合挿入時には、雄側コネクタのコンタクト
の挿入に連れて、限られた数のコンタクトバネが、時間
差をもって、順次に、押し広げられるようにする。この
ことにより、コンタクトバネを押し広げるために必要な
挿入力が、時間的に分割されるようになり、挿入力を軽
減させることができ、コネクタの挿入操作が容易とな
り、コンタクトバネの数、もしくは、バネの力を増加さ
せて、コネクタの接触信頼度を向上させることができ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。図１は、本発明の電気コネクタの本発明に係
わる構成の第１の実施例を示す断面図である。本図にお
いて、１は凹型の雌側コネクタで、２は雄側コネクタの
板状のコンタクトである。雌側コネクタ１では、導電性
とバネ性を兼ね備えた銅合金性材料等からなる多数のコ
ンタクトバネ３が、板状のコンタクト２との接触面４か
ら突出した状態で、コンタクト２が挿入される側の前端
面７に平行に配列されている。また、コンタクト２の先
端には、挿入時にコンタクトバネ３を押し広げるための
テーパー５と、本発明に係わり、雄側コネクタの挿入に
連れて、限られた数のコンタクトバネ３に、時間差をも
って、順次に接触して、多数のコンタクトバネ３を分割
して押し広げるための傾斜６が形成されている。

【００１１】雌側コネクタ１は、図示していないが、接
触面４およびコンタクトバネ３に相対する接触面とコン
タクトバネを具備しており、この相対するコンタクトバ
ネとコンタクトバネ３との間隔Ｌ１は、雄側コネクタの
コンタクト２の厚さＬ２よりも小さく形成されている。
このことにより、雄側コネクタを雌側コネクタ１に挿入
する時に、テーパー５によりコンタクトバネの間隔Ｌ１
を押し広げてコンタクト２が挿入されると、コンタクト
バネ３のバネ性により、コンタクト２との接触力が発生
する。

【００１２】雄側コネクタのコンタクト２は、先端が側
面から見て斜めにカットされ、傾斜６を有し、雄側コネ
クタの挿入時には、コンタクト２が、雌側コネクタ１の
コンタクトバネ３に、下端から順次に接触する。そし
て、一つのコンタクトバネ３の間隔を広げると、次のコ
ンタクトバネに接触し、このコンタクトバネの間隔を押
し広げ始める。このようにして、全てのコンタクトバネ
３を順次に押し広げるので大きな力を必要とせずに、コ
ネクタの結合が容易になる。

【００１３】この第１の実施例では、雄側コネクタの板
状コンタクトの先端形状を変えることにより、コネクタ
結合時の挿入力の軽減を図っているが、その先端形状
は、次の図２で示すような形状でも良い。

【００１４】図２は、本発明の電気コネクタの本発明に
係わる構成の第２の実施例を示す断面図である。本第２
の実施例は、図１における板状のコンタクト２の先端形
状を変えたコンタクト２１を用いるものであり、本図に
おいて、１、３、４、７のそれぞれは、図１における凹
型の雌側コネクタと、コンタクトバネ、接触面、およ
び、前端面であり、コンタクトバネ３は、コンタクト２
１との接触面４から突出した状態で、雌側コネクタ１の
前端面７と平行に配列されている。

【００１５】本第２の実施例のコンタクト２１は、挿入
操作時にコンタクトバネ３を押し広げるためのテーパー
２２を有する先端２３が、弧状に突出しており、雄側コ
ネクタの挿入に連れて、中央部から、限られた数で、時
間差をもって、コネクタバネ３に順次に接触して、この
コネクタバネ３を押し広げる。このように、順次、コン
タクトバネ３の押し広げを行なうことにより、コネクタ
の結合に伴う操作者の挿入力負荷を軽減することができ
る。

【００１６】図１、および、図２における第１、第２の
実施例では、雄側コネクタの板状コンタクトの先端形状
を変えて、その先端と、雌側コネクタのコンタクトバネ
との接触タイミングをずらすことにより、コネクタ結合
時の挿入力の軽減を図っているが、次の図３、および、
図４で示すように、図５の従来例で示した板状のコンタ
クト５１のテーパー５２の形状を変えて厚みを順次に変
化させることでも可能である。

【００１７】図３は、本発明の電気コネクタの本発明に
係わる構成の第３の実施例を示す断面図である。本第３
の実施例は、図５における板状のコンタクト５１の先端
のテーパー５２の形状を変えたコンタクト３１を用いる
ものであり、また、本図において、１、３、４、７のそ
れぞれは、図１における凹型の雌側コネクタと、コンタ
クトバネ、接触面、および、前端面であり、コンタクト
バネ３は、雌側コネクタ１の前端面７に平行に配列され
ている。

【００１８】本第３の実施例のコンタクト３１では、雌
側コネクタ１側から見て、その先端部の中央から、接触
面へ斜めにカットしてテーパー３２を形成し、さらに、
先端部の上端と下端のそれぞれから、コンタクトバネ３
との接触面３５の中央へ、斜めにカットしてテーパー３
３、３４を形成している。このように、コンタクト３１
の先端部のテーパーを形成して、コンタクト３１の厚み
を上端、および、下端方向に順次に変化させることによ
り、雌側コネクタ１のコンタクトバネ３との接触タイミ
ングを、時間的にずらすことができる。すなわち、雄側
のコネクタを、雌側コネクタ１に挿入すると、コンタク
ト３１は、中央部から、上端、および、下端の方向で、
順次に、コンタクトバネ３と接触する。

【００１９】図４は、本発明の電気コネクタの本発明に
係わる構成の第４の実施例を示す断面図である。本第４
の実施例は、図５における板状のコンタクト５１の先端
のテーパー形状を変えたコンタクト４１を用いるもので
あり、図３における第３の実施例と同様に、凹型の雌側
コネクタ１は、コンタクトバネ３、接触面４、および、
前端面７を有し、コンタクトバネ３は、雌側コネクタ１
の前端面７に平行に配列されている。

【００２０】本第４の実施例のコンタクト４１では、コ
ンタクトバネ３と接触する両面を、接触面中央から先端
の方向に、斜めに円形カットして、テーパー４２を形成
し、コンタクトバネ３と接触する厚みを上端、および、
下端方向に順次に変化させている。そして、図３におけ
るコンタクト３１と同じように、コネクタの結合挿入時
には、コンタクト４１は、中央部から、上端、および、
下端の方向で、順次にタイミングをずらして、コンタク
トバネ３と接触することにより、挿入力を低減する。

【００２１】以上、図１〜図４を用いて説明したよう
に、本実施例の電気コネクタでは、コネクタ結合挿入時
に、雄側コネクタの板状のコンタクトが、雌側コネクタ
の全てのコンタクトバネに、同時に接触しないように、
板状のコンタクトの先端の形状の形成が行なわれてい
る。このことにより、雄側コネクタの挿入につれて、限
られた数の各コンタクトバネが、時間差をもって、順次
に雄側コネクタのコンタクトにより押し広げられ、コン
タクトバネを押し広げるために必要な挿入力が、時間的
に分割され、全ての接点バネ部を同時に押し広げる従来
品に比べ、挿入開始時の負荷を軽減させることができ
る。このようにして、単純な構造で、かつ、コネクタ当
たりの挿入力が小さいコネクタが実現でき、全体の挿入
力増大させることなくコネクタの大容量化が可能とな
る。

【００２２】尚、前述の公知例を利用して、雌側コネク
タの複数のコンタクトバネを、斜めに並べたり、挿入方
向に並べたりすることにより、挿入動作に伴うコンタク
トバネの、雄側コネクタのコンタクトとの接触点をずら
すこともできるが、雌側コネクタの構造が複雑となり製
造コストが上昇してしまう。

【００２３】また、本発明は、図１〜図４を用いて説明
した実施例に限定されるものではない。例えば、図１〜
図４で示した実施例の雄側コネクタのコンタクトは、板
状となっているが、ピン状のものでも、その先端点を中
心からずらせば良く、このことにより、雌側コネクタの
全てのコンタクトバネの位置が同じでも、結合挿入時に
おけるそれぞれの接触点をずらすことができる。また、
図１〜図４では図示していない相対するコンタクトバネ
を、雌側コネクタの前端面から、図示しているコンタク
トバネとは異なる位置に、取り付けることにより、コネ
クタの結合時における挿入力を、さらに、軽減すること
も可能である。また、図示していない相対するコンタク
トバネを用いない片側だけの構成の雌側コネクタでも良
い。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、雄側コネクタのコンタ
クトの形状の簡単な変更により、コネクタ結合挿入時に
おける雌側コネクタの多数のコンタクトと、雄側コネク
タのコンタクトとの接触を、順次に行なうことができ、
コンタクトバネを押し広げるための力を分散して、挿入
の負荷を軽減でき、コネクタの結合操作性を向上させる
ことが可能であると共に、より多くのコンタクトバネを
設けることができ、電気コネクタの接触信頼性を向上さ
せることが可能である。

【００２５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気コネクタの本発明に係わる構成の
第１の実施例を示す断面図である。

【図２】本発明の電気コネクタの本発明に係わる構成の
第２の実施例を示す断面図である。

【図３】本発明の電気コネクタの本発明に係わる構成の
第３の実施例を示す断面図である。

【図４】本発明の電気コネクタの本発明に係わる構成の
第４の実施例を示す断面図である。

【図５】従来の電気コネクタの構成を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１雌側コネクタ２コンタクト３コンタクトバネ４接触面５テーパー６傾斜７前端面２１コンタクトバネ２２テーパー２３先端３１コンタクト３２〜３４テーパー３５接触面４１コンタクト４２テーパー５０雄側コネクタ５１コンタクト５２テーパー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】雄側コネクタを雌側コネクタに挿入し
て、上記雄側コネクタのコンタクトを、上記雌側コネク
タの複数のコンタクトバネに接触させる電気コネクタに
おいて、上記雄側コネクタのコンタクトに、上記雌側コ
ネクタへの挿入動作に伴い、上記複数のコンタクトバネ
と、それぞれ異なる挿入深度で接触する接触面を設ける
ことを特徴とする電気コネクタ。