JPH0684305B2 - イソカルバサイクリン類を活性成分として含有する血中脂質低下剤 - Google Patents

イソカルバサイクリン類を活性成分として含有する血中脂質低下剤

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JPH0684305B2
JPH0684305B2 JP27816787A JP27816787A JPH0684305B2 JP H0684305 B2 JPH0684305 B2 JP H0684305B2 JP 27816787 A JP27816787 A JP 27816787A JP 27816787 A JP27816787 A JP 27816787A JP H0684305 B2 JPH0684305 B2 JP H0684305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、下記式[I] で表わされるイソカルバサイクリン類を活性成分として
含有する血中脂質低下剤に関する。
〈従来の技術〉 プロスタグランジン類は、強い血小板凝集抑制作用,血
圧降下作用,胃酸分泌抑制作用,平滑筋収縮作用,利尿
作用,細胞保護作用等多彩な生理作用を有しており、末
梢循環障害,心筋梗塞,狭心症,動脈硬化,高血圧症,
胃潰瘍,十二指腸潰瘍,分娩誘発,中絶等の治療、また
は予防に有用な物質である。
最近、これらのプロスタグランジン類のある種のもの
は、血中のコレステロール,トリグリセライド等の脂質
を低下させる作用を有することがわかってきた。例え
ば、ミソプロストールを代表とする16−低級アルキル−
16−ヒドロキシプロスタグランジン類を高コレステロー
ル血症の患者に投与すると、その血中コレステロール値
を低下させることが報告されている[米国特許第4,459,
310号明細書参照]。
また、エンプロスチル及びの誘導体を血清コレステロー
ル値の高い患者に投与することによっても、その血清コ
レステロール値が低下することが報告されている[特開
昭61-180718号公報参照]。
また、Kudryashovらは、培養ヒト動脈細胞中の脂質含量
を検討し、プロスタサイクリン(PGI2),カルバサイク
リン(9(O)−メタノカルバサイクリン),PGE1,PG
E2,PGD2,6−ケト−PGE1は、この培養細胞中のコレステ
ロール含量を低下させることを報告している[Biomed.B
iochim.Acta.,43巻,284-286頁,1984年参照]。
ところで天然プロスタサイクリンは、生体において、主
として動脈の血管内壁で産出される局所ホルモンであ
り、その強力な生理活性、例えば血小板凝集抑制活性,
血管拡張活性等により生体の細胞機能を調節する重要な
因子であり、このものを直接医薬品として供する試みが
行なわれている[ピ−・ジェー・ルイス,ジェー・オー
・グラディー(P.J.Lewis,J.O.Grady)ら,“クリニカ
ル・ファーマコロジー・オブ・プロスタサイクリン(Cl
inical Pharmacology of Prostacyclin)",Raven Pres
s,N.Y.,1981)。しかし天然プロスタサイクリンは分子
内に非常に加水分解されやすいエノールエーテル結合を
有するため、中性又は酸性条件では容易に失活し、医薬
品としてはその化学的不安定性のため好ましい化合物と
はいえない。このため天然プロスタサイクリンと同様の
生理活性を有する化学的に安定な合成プロスタサイクリ
ン誘導体が内外で鋭意検討されている[シンセシス(Sy
nthesis),1984年 449頁参照]。本発明者らは、プロ
スタサイクリンの6,9位の酸素原子をメチレン基(−CH
=)に置き換えることにより、化学的安定性を充分に満
足するプロスタサイクリン類である9(O)−メタノ−
6(9α)−プロスタグランジンI1類(イソカルバサ
イクリン類)の合成に成功し報告している[特開昭59-2
10044号公報参照]。この誘導体は、天然プロスタサイ
クリンに匹敵する強力な血小板凝集抑制作用,血圧降下
作用等の生物活性を有しており、循環器用剤として有用
であることを報告した[特開昭59-210044号,同61-1975
18号公報参照]。
〈発明の目的〉 本発明者らは、種々のプロスタグランジン類の血中脂質
低下作用を評価したところ、特に下記式[I]で表わさ
れるイソカルバサイクリン類に高い活性を見出し、本発
明に到達したものである。
〈発明の構成及び作用効果〉 すなわち本発明は、下記式[I] で表わされるイソカルバサイクリン類を活性成分として
含有する血中脂質低下剤である。
上記式[I]において、R1は水素原子,C1〜C10のアル
キル基または1当量のカチオンを表わす。C1〜C10のア
ルキル基としては、例えば、メチル,エチル,n−プロピ
ル,iso−プロピル,n−ブチル,sec−ブチル,tert−ブチ
ル,n−ペンチル,n−ヘキシル,n−ヘプチル,n−オクチ
ル,n−ノニル,n−デシル等の直鎖状又は分岐状のものを
挙げることができる。1当量のカチオンとしては例え
ば、Na+,K+などのアルカリ金属カチオン;1/2Ca2+,1/2M
g2+,1/3Al3+などの2価もしくは3価の金属カチオン;
アンモニウムイオン,テトラメチルアンモニウムイオン
などのアンモニウムカチオンなどが挙げられる。R1とし
ては特に水素原子及びメチル基が好ましい。
上記式[I]においてR2は水素原子またはメチル基を表
わし、特に水素原子が好ましい。
上記式[I]においてR3は直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10
アルキル基;直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10アルケニル
基;直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10アルキニル基;置換さ
れていても良いC3〜C10シクロアルキル基;置換されて
いてもよいフェニル基;置換されていてもよいフェノキ
シ基;または置換されていてもよいフェニル基,置換さ
れていてもよいフェノキシ基もしくは置換されていても
よいC3〜C10シクロアルキル基で置換されている直鎖も
しくは分岐鎖C1〜C5アルキル基を表わす。
直鎖もしくは分岐鎖C3〜C10アルキル基としてはn−プ
ロピル,n−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシル,n−ヘプチ
ル,n−オクチル,n−デジル,1−メチルペンチル,1−メチ
ルヘキシル,1,1−ジメチルペンチル,2−メチルペンチ
ル,2−メチルヘキシル,5−メチルヘキシル,2,5−ジメチ
ルヘキシル基等が挙げられ、好ましくはn−ブチル,n−
ペンチル,n−ヘキシル,(R)−もしくは(S)−もし
くは(RS)−1−メチルペンチル,(R)−もしくは
(S)−もしくは(RS)−2−メチルヘキシル基が挙げ
られる。
C3〜C10アルケニル基としては、2−ブテニル基,2−ペ
ンテニル基,3−ペンテニル基,2−ヘキセニル基,4−ヘキ
セニル基,2−メチル−4−ヘキセニル基,2,6−ジメチル
−5−ヘプテニル基等が挙げられる。
C3〜C10アルキニル基としては2−ブチニル,2−ペンチ
ニル,3−ペンチニル,2−ヘキシニル,4−ヘキシニル,2−
オクチニル,5−デシニル,1−メチル−3−ペンチニル,1
−メチル−3−ヘキシニル,2−メチル−4−ヘキシニル
基等が挙げられる。
置換されていても良いC3〜C10シクロアルキル基として
は、シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチ
ル基,シクロヘキシル基,シクロヘプチル基,シクロオ
クチル基,(C1〜C5)アルキルシクロペンチル基,(C1
〜C4)アルキルシクロヘキシル基,ジメチルシクロペン
チル基,ジメチルシクロヘキシル基,クロロシクロペン
チル基,ブロモシクロヘキシル基,ヨードシクロペンチ
ル基,フルオロシクロヘキシル基等が挙げられるが、好
ましくはシクロペンチル基,シクロヘキシル基である。
置換されていてもよいフェニル基,置換されていてもよ
いフェノキシ基の置換基としては例えばハロゲン原子,
ヒドロキシ基,C2〜C7アシロキシ基,ハロゲン原子で置
換されていてもよいC1〜C4アルキル基,ハロゲン原子で
置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基,ニトリル
基,カルボキシル基等が好ましい。ハロゲン原子として
は、弗素,塩素又は臭素等、特に弗素または塩素が好ま
しい。C2〜C7アシロキシ基としては、例えばアセトキ
シ,プロピオニルオキシ,n−ブチリルオキシ,プロピオ
ニルオキシ,n−バレリルオキシ,iso−バレリルオキシ,
カプロイルオキシ,エナンチルオキシまたはベンゾイル
オキシを挙げることができる。ハロゲンで置換されてい
てもよいC1〜C4アルキル基としては、メチル,エチル,n
−プロピル,iso−プロピル,n−ブチル,クロロメチル,
ジクロロメチル,トリフルオロメチル等を好ましいもの
として挙げることができる。ハロゲンで置換されていて
もよいC1〜C4アルコキシ基としては、例えばメトキシ,
エトキシ,n−プロポキシ,iso−プロポキシ,n−ブトキ
シ,クロロメトキシ,ジクロロメトキシ,トリフルオロ
メトキシ等を好ましいものとして挙げることができる。
(C1〜C6)アルコキシカルボニル基としては、例えばメ
トキシカルボニル,エトキシカルボニル,ブトキシカル
ボニル,ヘキシルカルボニル等を挙げることができる。
置換フェニル基または置換フェノキシ基は、上記の如き
置換基を1〜3個、好ましくは1個持つことができる。
置換されていてもよいフェニル基,置換されていてもよ
いフェノキシ基,置換されていてもよいC3〜C10シクロ
アルキル基で置換されている直鎖もしくは分岐鎖C1〜C5
アルキル基のうちで置換されていてもよいフェニル基,
置換されていてもよいフェノキシ基としては前記のもの
をそのまま好適にあげることができる。C3〜C10シクロ
アルキル基としても前記のものをそのまま好適にあげる
ことができ、また置換基も上記した置換フェニル基,置
換フェノキシ基の置換基と同様のものが挙げられる。直
鎖もしくは分岐鎖C1〜C5アルキル基としてはメチル,エ
チル,プロピル,iso−プロピル,ブチル,iso−ブチル,s
ec−ブチル,t−ブチル,ペンチル基などをあげることが
でき、置換基はその任意の位置に結合していてもよい。
R3は、これらのなかで、n−ブチル,n−ペンチル,1−メ
チルペンチル,2−メチルヘキシル,シクロペンチル,シ
クロヘキシル,2,6−ジメチル−5−ヘプテニル,1−メチ
ル−3−ペンテニル,1−メチル−3−ヘキシニルが好ま
しい。
上記式[I]において、nはOであり、従って下記式
[I−1] [式中、R1,R2,R3の定義は、前記定義に同じ。] で表わされる15位の天然型立体配置と、下記式[I−
2] [式中、R1,R2,R3の定義は、前記定義に同じ。] で表わされる15位の非天然型立体配置のどちらか一方ま
たはそれらの任意の割合の混合物を表わし、特にR2が水
素原子の時は、上記式[I−1]で表わされる15位の天
然型立体配置が好ましい。
上記式[I]で表わされるイソカルバサイクリン類の8
位,9位,11位,12位の立体配置は天然プロスタグランジン
と同じあるために特に有用な立体異性体であるが、本発
明ではそれぞれの位置の立体配置が異なることによる立
体異性体、あるいはそれらの任意の割合の混合物をも含
むものである。
本発明により提供されるイソカルバサイクリン類の好ま
しい具体例を挙げれば、例えば次のとおりである。
(1)9(O)−メタノ−△6(9α)−プロスタグラ
ンジンI1イソカルバサイクリン) (2)20−メチル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)
プロスタグランジンI1 (3)16−メチル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)
プロスタグランジンI1 (4)16,16−ジメチル−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 (5)17−メチル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)
プロスタグランジンI1 (6)17,20−ジメチル−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 (7)(6)の(17R)−体 (8)(6)の(17S)−体 (9)15−メチル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)
プロスタグランジンI1 (10)17,18−デヒドロ−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 (11)20−イソプロピリデン−17−メチル−9(O)−
メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1 (12)18,18,19,19−テトラヒドロ−16−メチル−9
(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1 (13)18,18,19,19−テトラデヒドロ−16,20−ジメチル
−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジ
ンI1 (14)(3),(12),(13)の(16S)−体 (15)(3),(12),(13)の(16R)−体 (16)16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロペンチ
ル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラン
ジンI1 (17)16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシ
ル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラン
ジンI1 (18)17,18,19,20−テトラノル−16−(p−フルオロ
フェノキシ)−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロ
スタグランジンI1 (19)17,18,19,20−テトラノル−16−シクロヘキシル
−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジ
ンI1 (20)(1)〜(19)のメチルエステル (21)(1)〜(19)のエチルエステル (22)(1)〜(19)のブチルエステル (23)(1)〜(19)のナトリウム塩 (24)(1)〜(19)のカリウム塩 (25)(1)〜(19)のアンモニウム塩 (26)(1)〜(25)の化合物の鏡像体 (27)(1)〜(25)の化合物の8位,9位,11位,12位,1
5位の立体異性体 などを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
以上の化合物のうち、代表的なものの物性値を下に示
す。(尚、、化合物名の前の( )内の数字は上記例示
化合物の番号を示す。) (1)9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラ
ンジンI1(イソカルバサイクリン) ・NMR(CDcl3,δppm) 0.88(3H,t,J=6Hz), 2.98(1H,m), 3.73(1H,q,J=8Hz), 4.02(1H,q,J=7Hz), 5.28(1H,bs),5.48(2H,m),5.3−5.9(3H,br;D2Oで消
失) ・IR(液膜,cm-1) 3400,3100−2400,1700,1085,965. ・Mass(m/e)332,314,288. (3)16−メチル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)
プロスタグランジンI1 ・NMR(CDcl3,δppm) 0.7−1.1(6H,m), 2.7−3.3(1H,br), 3.5−4.3(2H,br), 5.0−5.3(3H,br;D2Oで消失), 5.30(1H,bs),5.48(2H,m). ・IR(液膜,cm-1) 3350,3400−2400,1705,1085,995,965. (8)(17S)−17,20−ジメチル−9(O)−メタノ−
Δ6(9α)−プロスタグランジンI1 (参考例3)に記載 (16)16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロペンチ
ル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロタスグラン
ジンI1 ・NMR(CDcl3,δppm) 2.7−3.2(1H,br), 3.5−4.0(2H,m), 5.0−5.3(4H,br;D2Oで3H消失), 5.3−5.55(2H,m) ・IR(液膜,cm-1) 3350,3400−2400,1705,1085,995,965. (17)16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシ
ル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラン
ジンI1 ・NMR(CDcl3,δppm) 2.7−3.2(1H,br), 3.5−4.0(2H,m), 5.0−5.3(3H,br;D2Oで消失), 5.29(1H,bs), 5.3−5.55(2H,m). ・IR(液膜,cm-1) 3350,3100−2400,1708,1085,965. (20)−1…(1)のメチルエステル ・NMR(CDcl3,δppm) 0.88(3H,t,J=6Hz), 2.99(1H,m), 3.67(3H,S), 3.75(1H,q,J=8Hz), 4.06(1H,q,J=7Hz), 5.28(1H,bs),5.53(2H,m). ・IR(液膜,cm-1)3360,1740,1090,965. ・Mass(m/e)346,328,302. (20)−2…(8)のメチルエステル ・NMR(CDcl3,δppm) 0.88(6H,m),2.98(1H,m), 3.67(3H,S),3.75(1H,m), 4.12(1H,m),5.29(1H,bs), 5.48(2H,m). ・IR(液膜,cm-1)3380,1740,966. (20)−3…(16)のメチルエステル ・NMR(CDcl3,δppm) 2.7−3.2(1H,br), 3.5−4.0(2H,m), 3.67(3H,S),5.28(1H,bs), 5.49(2H,m). ・IR(液膜,cm-1)3400,1742,968. 上記式[I]で表わされるイソカルバサイクリン類は、
公知の方法により容易に製造され、その製造方法は、例
えば特開昭59-210044号,特開昭61-197518号各公報等に
詳しく記載されている。また例えば、本発明者らが別途
出願した、下記SchemeIに示した方法によっても得るこ
とができる。
上記式中、R2,R3およびnの定義は、前記式[I]で表
わしたイソカルバサイクリン類のR1,R2,nの定義と同じ
であり、R11はC1〜C10のアルキル基または1当量のカチ
オンを表わす。
上記SchemIのStep1はアルキル化反応であり、村橋らの
方法(J.Am.Chem.Soc.,99巻,2361ページ,1977年)に順
じて、アリルアルコール[II]をn−ブチルリチウム、
次いでヨウ化第1銅と反応せしめ、その後さらに下記式
[VI] で表わされる1−[3−リチオプロピル]−4−メチル
−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2.]オクタンとN,N
−メチルフェニルアミノトリフェニルホスホニウム=ヨ
ージドの存在下反応せしめることにより合成することが
できる。上記式[VI]で表わされる1−[3−リチオプ
ロピル]−4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
[2.2.2.]オクタンは、1−[3−ブロモプロピル]−
4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2.]オ
クタンとt−ブチルリチウムとを反応させることにより
得ることができる[E.J.Coreyら、Tetrahedron Letter
s,24巻,5571ページ,1983年参照]。
Step2はオルトエステルの加水分解反応であり、酸触媒
を用いる通常のオルトエステルの加水分解反応を用いる
ことにより進行する。たとえば、オルトエステル体[II
I]をメタノール水混合溶媒に溶解し、少量のP−トル
エンスルホン酸ピリジン塩を加えることによりジオール
エステル体[IV]を得ることができる。
Step3はエステルの加水分解反応であり通常のアルカリ
加水分解反応により達成できる。例えば、ジオールエス
テル体[IV]のテトラヒドロフラン溶液に水酸化ナトリ
ウム,水酸化ナトリウムなどの水溶液を加え反応させる
ことにより、カルボン酸体[V]を得ることができる。
Step4は脱シリル化反応であり、通常の脱シリル化反応
であるテトラブチルアンモニウムフルオリド,フッ化水
素酸等のフッ素化合物又は酢酸,p−トルエンスルホン酸
等の酸を用いることにより進行させることができる。例
えば、ジシリル体[V]にテトラヒドロフラン中テトラ
ブチルアンモニウムフルオリドを反応させることによ
り、イソカルバサイクリン類[I−3]に導くことがで
きる。
Step5はエステル化反応又は塩生成反応であり、通常の
エステル化法又は塩生成法を用いることにより達成され
る。例えば、ジアゾメタンを使用することによりメチル
エステルを得ることができ、またヨウ化アルキル/ジイ
ソプロピルエチルアミンを用いることによってもアルキ
ルエステルを得ることができる。また例えば、水酸化ナ
トリウム,水酸化カリウム等を用いる通常の塩生成反応
を用いることにより、カルボン酸塩を得ることができ
る。
Scheme Iで示した製造法の原料であるエノール[II]
は、文献既知の方法を用いることにより容易に合成する
ことができる(T.Maseら,Tetrahedron Letters,25巻,50
87ページ,1984年等参照)。
本発明の上記式[I]で表わされるイソカルバサイクリ
ン類は、驚くべきことに非常に強い血中のコレステロー
ルやトリグリセライド等の脂質低下作用を有している。
例えばこれらの化合物はトライトンWR-1339(Triton WR
-1339)投与により誘発される高トリグリセライド,高
コレステロール血症(P.E.Schurretalら,Lipids,7巻,68
-74ページ,1972年)を顕著に抑制することが明らかにな
った。また、肥満,高トリグリセライド血症の自然発症
Zucher fatty ラット(C.Christianら,Arteriosclerosi
s,1巻,186-191ページ,1981年参照)に対しても、有意に
血中トリグリセライド,血中コレステロールを低下させ
ることがわかった。また、遺伝的肥満,高脂血症を有す
るdb/dbマウス(G.F.Tutwillerら,Diabetes,27巻,856-8
67ページ,1978年参照)に対しても、著明に血中トリグ
リセライド,血中コレステロールを低下することが本発
明で明らかにされた。
本発明の化合物は、血中のコレステロールやトリグリセ
リド等の脂質の濃度が高い高脂血症、及びそれによって
引き起こされる各種の疾病の治療及び予防のために投与
することができる。例えば本発明の化合物は、家族性高
コレステロール血症,複合型高脂血症,内因性高トリグ
リセライド血症,ブロードβ病等の脂質異常を改善,治
療することができる。また、高血圧症を合併した高脂血
症,糖尿病を併発した高脂血症,肝疾患に伴う高脂血
症,胆石症に伴う高脂血症,腎障害に伴う高脂血症,及
び高脂血症が原因の1つとなっている動脈硬化及び動脈
硬化性各種疾病の治療,予防のために投与できる。
本発明のイソカルバサイクリン類は、上記目的のため
に、経口的にあるいは直腸内,皮下,筋肉内,静脈内,
経皮等の非経口的に投与されうるが、好適には経口投与
または静脈内投与によるのがよい。
経口投与のためには、固形製剤あるいは液体製剤とする
ことができる。固形製剤としては、例えば錠剤,丸剤,
散剤あるいは顆粒剤がある。このような固形製剤におい
ては1つまたはそれ以上の活性物質が少なくとも1つの
薬学的に許容しうる担体、例えばよく用いられる重炭酸
ナトリウム,炭酸カルシウム,バレイショデンプン,シ
ョ等,マンニトール,カルボキシメチルセルロースなど
と混合される。製剤操作は常法に従って行なわれるが、
上記以外の製剤化のための添加剤、例えばステアリン酸
カルシウム,ステアリン酸マグネシウム,グリセリンの
ような潤滑剤を含有していてもよい。
経口投与のための液体製剤は、例えば乳濁剤,溶液剤,
懸濁剤,シロップ剤あるいはキシル剤を含む。これらの
製剤は一般的に用いられる薬学的に許容しうる担体、例
えば水あるいは流動パラフィンを含む。
ココナッツ油,分画ココナッツ油,大豆油,トウモロコ
シ油等の油性基剤を担体として用いることもできる。
経口投与のために製剤は、例えば上記の如き固形製剤
に、例えばセルロースアセテートフタレート,ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート,ポリビニルア
ルコールフタレート,スチレン無水マレイン酸共重合体
あるいはメタクリル酸,メタクリル酸メチル共重合体の
如き腸溶性物質の有機溶媒あるいは水中溶液を吹き付け
て腸溶性被覆をほどこして腸溶性製剤として製剤化する
こともできる。散剤,顆粒剤などの腸溶性固形製剤はカ
プセルで包むこともできる。
薬学的に許容しうる担体には、その他通常必要により用
いられる補助剤,芳香剤,安定剤,あるいは防腐剤を含
む。
また、この液体製剤はゼラチンのような吸収される物質
でつくられたカプセルに入れて投与してもよい。
直腸内投与のための固形製剤としては、1つまたはそれ
以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法により製造
される坐薬が含まれる。
非経口投与の製剤は、無菌の水性あるいは非水溶性液
剤,懸濁剤,または乳濁剤として与えられる。非水性の
溶液または懸濁剤は、例えばプロピルグリコール,ポリ
エチレングリコールまたはオリーブ油のような植物油,
オレイン酸エチルのような注射しうる有機エステルを薬
学的に許容しうる担体とする。このような製剤はまたは
防腐剤,湿潤剤,乳化剤,分散剤,安定剤のような補助
剤を含むことができる。これらの溶液剤,懸濁剤および
乳濁剤は、例えばバクテリア保留フィルターをとおす濾
過,殺菌剤の配合あるいは照射等の処理を適宜行なうこ
とによって無菌化できる。また無菌の固形製剤を製造
し、使用直前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解し
て使用することができる。
また本発明化合物は、α,β又はγ−サイクロデキスト
リンあるいはメチル化サイクロデキストリン等と包接化
合物を形成せしめて用いることもできる。
経皮投与の剤型としては、例えば軟膏剤などが挙げられ
る。これらは通常の方法によって成形される。
本発明のイソカルバサイクリン類の投与量は投与を受け
る対象の状態,年令,性別,体重,投与経路等により異
なるが、通常約0.01μg〜100mg/kg−体重/日の量で投
与することができる。かかる投与量は、日に1回あるい
は数回、例えば2〜6回に分けて投与することもでき
る。
以下本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(参考例1) (17S)−1,2,3,4−テトラノル−5−ヒドロキシ−17,2
0−ジメチル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロ
スタグランジンI1=11,15−ビス−t−ブチルジメチル
シリルエーテル(化合物(i))3.0g(5.6mmol)のテ
トラヒドロフラン(110ml)溶液を0℃に冷却し、n−
ブチルリウチム(1.6Mヘキサン溶液)4.2ml(6.7mmol)
を加え、室温で30分撹拌した。この溶液をヨウ化第I銅
1.28g(6.7mmol)のテトラヒドロフラン(100ml)懸濁
液に加え、室温で30分撹拌後、−78℃で10分間撹拌し
た。別の容器にエーテル(28ml)を加え、−78℃冷却
下、t−ブチルリチウム(2.0Mペンタン溶液)29.1ml
(58.2mmol)を加え、次いで1−[3−ブロモプロピ
ル]−4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.
2]オクタン9.70g(38.6mmol)のエーテル(180ml)溶
液を−78℃に冷却して加え、−78℃で1.5時間撹拌後、
別途調製した上記アルコキシ銅溶液に加え、−78℃で15
分間撹拌後、N,N−メチルフェニルアミノトリフェニル
ホスホニウム=ヨージド(3.32g,6.7mmol)のジメチル
ホルムアミド(80ml)溶液を加え、−70℃で10分、さら
に、室温で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶
液300mlを加え、ヘキサン(2×300ml)で抽出後、有機
層を飽和食塩水で2回洗浄後硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧蒸去後、得られた残渣をメタノール(60
ml)に溶解し、水0.6ml、次いでピリジウム−p−トル
エンスルホネート100mgを加え、室温で1時間撹拌後、
溶媒を留去し、酢酸エチル(250ml)及び水(100ml)を
加え分液ロートで振とうした。水層をさらに酢酸エチル
(150ml)で抽出後、合わせた有機層を飽和食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し
て得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製すると酢酸エチル:ヘキサン(2:3)溶出部に2.3
8g(収率60%)の(17S)−17,20−ジメチル−9(0)
−メタノ−△6(9(x)−プロスタグランジンI1=2′,2′
−ビスヒドロキシメチルプロピルエステル=11,15−ビ
ス−t−ブチルジメチルシリルエーテル[化合物(i
i)]を得た。
・NMR(CDCl3,δppm) 0.9(24H),2.7=3.1(1H,br), 3.05(2H,t,J=6Hz;−OH), 3.50(4H,d,J=6Hz), 3.7−4.3(2H,m), 4.10(2H,S),5.28(1H,bs), 5.47(2H,m) (参考例2) (17S)−17,20−ジメチル−9(0)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1=2′,2′−ビスヒ
ドロキシメチルプロピルエステル=11,15−ビス−t−
ブチルジメチルシリルエーテル [化合物(ii)]2.0g(2.8mmol)をテトラヒドロフラ
ン25mlに溶解した。4規定水酸化リチウム水溶液15mlを
加え、40℃で3時間撹拌後、有機溶媒を減圧留去後、エ
ーテル50mlを加えた後、飽和硫酸水素カリウム水溶液を
加え、水層をpH3〜4にした後分液ロートで振とうし
た。水層を酢酸エチル(50ml)で再抽出後、合わせた有
機層を飽和食塩水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を減圧留去すると、1.57g(収率97%)の
(17S)−17,20−ジメチル−9(0)−メタノ−△
6(9(α)−プロスタグランジンI1=11,15−ビス−t−ブ
チルジメチルシリルエーテル[化合物(iii)]を得
た。
・NMR(CDCl3,δppm) 0.9(24H),2.98(1H,br), 3.74(1H,m),4.12(1H,m), 5.29(1H,bs), 5.46(1H,dd,J=15Hz,8Hz), 5.50(1H,dd,J=15Hz,8Hz), ・IR(液膜,cm-1) 3400〜2400,1714,1255,968,837,775 (参考例3) (17S)−17,20−ジメチル−9(0)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1=11,15−ビス−t
−ブチルジメチルシリルエーテル[化合物(iii)]1.5
g(2.6mmol)をテトラヒドロフラン15mlに溶解し、テト
ラブチルアンモニウムフルオリド・3水塩4.1g(13mmo
l)を加え、室温で15時間撹拌した。溶媒を減圧留去後
酢酸エチル(100ml)を加え、飽和硫酸水素カリウム水
溶液で洗浄した。水層を酢酸エチル(60ml)で再抽出
後、合わせた有機層を飽和重曹水,飽和食塩水(2回)
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製すると、酢酸エチル:ヘキサン(3:1,0.5%酢
酸を含む)溶出部に914mg(収率93%)の(17S)−17,2
0−ジメチル−9(0)−メタノ−Δ6(9α)−プロ
スタグランジンI2[化合物(iv)]を得た。
・NMR(CDCl3,δppm) 0.88(6H,m),2.98(1H,br), 3.75(1H,q,J=8Hz), 4.13(1H,q,J=7Hz), 5.29(1H,bs), 5.47(1H,dd,J=15Hz,8Hz), 5.50(1H,dd,J=15Hz,8Hz), 5.95(3H,br,D2Oで消失), ・IR(液膜,cm-1) 3350,3400〜2400,1712,1085,995,968 ・Mass(m/e) 360(M−H2O),342,316 ▲[α]21 D▼+7.2°(c0.25,MeOH) (実施例1) トライトンWR−1339により誘発される高脂血症に対する
抑制作用 トライトンWR−1339により誘発される高脂血症に対する
抑制作用(P.E.Schurretalら,リピッド,7巻,69−74ペ
ージ,1972年参照)を、ラットを用いて測定した。すな
わち、24時間絶食した体重200〜250gのウイスター系ラ
ットに、トライトンWR-1339の生理食塩水溶液(200mg/m
l)を静脈内に2ml/kgの投与量で投与した。24時間後に
5%エタノール−0.5%トウィーン80(Tween80)水溶液
とした被験薬を、5ml/kgの投与量で経口投与した。24時
間後に、エーテル麻酔下、下大動脈より採血し、3000rp
mで10分間遠心した。得られた上澄みのトリグリセライ
ド及びコレステロール濃度を測定キット (Triglyceride G-Test Wako,Cholesterol C-Test Wak
o;和光純薬工業株式会社)を用いて測定した。抑制率は
被験薬投与後24時間後のコントロール濃度に対する百分
率で表わした。各群5〜7匹を使用し、実験を行なっ
た。結果を表−1に示す。
表−1から明らかなように、上記イソカルバサイクリン
類は、トライトンWR-1399により誘発された高脂血症ラ
ットの血中コレステロール及びトリグリセライド濃度を
顕著に抑制した。
(実施例2) Zucker fattyラットに対する作用 16〜20週令になるZucker fattyラットを(C-Christian
ら,Arteriosclerosis,1巻,186- 191ページ,1981年参
照)を用いて、血中トリグリセライド,血中コレステロ
ールに対する作用を調べた。5%エタノール−0.5%Twe
en80水溶液とした被験薬を5ml/kgの投与量で経口投与し
た。単回投与群では、被験薬を経口投与後、3時間眼底
静脈よりヘパリン下で採血を行い、10分間3000rpmで遠
心した。得られた上澄みのコレステロール及びトリグリ
セライド濃度を測定キット[(実施例1)と同じキット
を使用]にて測定した。
抑制率は、投与前値に対する百分率から求めた。
各群3〜6位を使用し実験を行った。
連続投与群では被験薬の5%エタノール−0.5%Tween80
水溶液を7日間5ml/kgになるように1日1回投与した。
血中コレステロール及びトリグリセライド濃度の測定
は、単回投与群と同様に行った。
抑制率は投与前値に対する百分率から求めた。
結果を表面−2及び表−3に示した。
表−2,表−3から明らかなように、上記イソカルバサイ
クリン類は、Zucker fatty ラットの血中コレステロー
ル及びトリグリセライド濃度を顕著に低下した。
(実施例3) db/dbマウスに対する作用 12〜16週令になるdb/dbマウス(G.F.Tutwilerら、Diabe
tes,27巻,856-867ページ,1978年)を用いて血中トリグ
リセライド,血中コレステロールに対する作用を調べ
た。5%エタノール−0.5%Tween80水溶液とした被験薬
を5ml/kgの投与量で経口投与した。投与2時間後に限定
静脈より採血を行い3000rpmで10分間遠心後、得られた
上澄みのコレステロール及びトリグリセライド濃度を測
定キット[(実施例1)と同じキットを使用]を用いて
測定した。
抑制率は、コントロール群の値に対する百分率から求め
た。
各群5〜7匹を使用して実験を行った。結果を表−4に
示す。
表−4から明らかなように、上記イソカルバサイクリン
類はdb/dbマウスの血中コレステロール,トリグリセラ
イド濃度を顕著に低下させた。
(実施例4) 1錠が次の組成よりなる錠剤を製造した。
活性成分 20μgあるいは100μg 乳糖 280mg ジャガイモデンプン 80mg ポリビニルピロリドン 11mg ステアリン酸マグネシウム 5mg 376mg 活性成分,乳糖およびジャガイモデンプンを混合し、こ
れをポリビニルピロリドンの20%エタノール溶液で均等
に湿潤させ、120mmメッシュのフルイを通し、45℃にて
乾燥させ、かつ再び15mmのメッシュのフルイを通した。
こうして得た顆粒をステアリン酸マグネシウムと混和
し、錠剤に圧縮した。
活性成分として、代表的に、参考例3の化合物(iv)
[(17S)−17,20−ジメチル−9(0)−メタノ−△
6(9(α)−プロスタグランジンI1]を用いた。
(実施例5) 1カプセルが次の組成を含有する硬質ゼラチンカプセル
を製造した。
活性成分 20μgあるいは100μg 微晶セルロース 195mg 無定形珪酸 5mg 200mg 細かく粉末化した形の活性成分,微晶セルロース及び末
プレスの無定形珪酸を十分に混合し、硬質ゼラチンカプ
セルに詰めた。
活性成分として、代表的に参考例3の化合物(iv)を用
いた。
(実施例6) 参考例3の化合物(iv)を、分画ココナッツ油に溶解し
た。また下記処方による剤皮成文を加温溶解し、1カプ
セル中に参考例3の化合物(iv)が50μg含有するよう
に軟カプセル製造機を用いて、常法により軟カプセル剤
を製造した。
剤皮処方 ゼラチン 10重量部 グリセリン 5 〃 ソルビン酸 0.08〃 精製水 14 〃 (実施例7) (アンプル剤の製剤) 1本のアンプル(5ml容量)に次の組成を含有するアン
プルを製造した。
活性成文 200μg ポリエチレングリコール600 200mg 蒸留水 全量 50ml ポリエチレングリコールおび活性成分を窒素下に水中に
溶解させ、これを沸騰させ、窒素下に冷却させ、かつ蒸
留した。この溶液に前処理した水を加えて与えられた容
量にて、無菌状態下に濾過した。本製造は散光中にて行
われる。
充填は窒素気流中にて行われ、滅菌は121℃にて20分間
行なった。
なお、上記活性成分としては、参考例3の化合物(iv)
を用いた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] で表わされるイソカルバサイクリン類を活性成分として
    含有する血中脂質低下剤。
  2. 【請求項2】R1が水素原子である特許請求の範囲第1項
    記載の血中脂質低下剤。
  3. 【請求項3】R1がメチル基である特許請求の範囲第1項
    記載の血中脂質低下剤。
  4. 【請求項4】R2が水素原子である特許請求の範囲第1項
    〜第3項記載のいずれかの血中脂質低下剤。
  5. 【請求項5】R3が2−メチルヘキシル基である特許請求
    の範囲第1項〜第4項記載のいずれかの血中脂質低下
    剤。
  6. 【請求項6】当該イソカルバサイクリン類が(17S)−1
    7,20−ジメチル−9(O)−メタノ−△6(9α)−プ
    ロスタグランジンI1である特許請求の範囲第1項記載の
    血中脂質低下剤。
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