JPH0684264U - 太陽熱集熱装置 - Google Patents

太陽熱集熱装置

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JPH0684264U
JPH0684264U JP2662093U JP2662093U JPH0684264U JP H0684264 U JPH0684264 U JP H0684264U JP 2662093 U JP2662093 U JP 2662093U JP 2662093 U JP2662093 U JP 2662093U JP H0684264 U JPH0684264 U JP H0684264U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱媒体への放射熱伝達を充分に行なえること
ができて、熱媒体による熱の媒介量を大きくすることが
でき、もって選択吸収膜の太陽光吸収効率の高さを充分
に活かすことができる。 【構成】 集熱板2の太陽熱を受光して集熱する受光面
の反対側の面に選択吸収膜8より太陽熱集熱温度域の波
長(比較的長い波長)の光の放射率(吸収率)が高い材
料(例えば黒色塗料)を塗布などにより形成し、裏面放
射面9とする。また、選択吸収膜8より比較的長い波長
の光の放射率(吸収率)が高い第2の放射面15を裏面
放射面9と同様の材料などにより、集熱板2の裏面放射
面9とは熱媒体流路5を流通する熱媒体たる空気を挟ん
で対峙して形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、温水などを得るために太陽光エネルギーを熱エネルギーに変換する 太陽熱集熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の太陽熱集熱装置は、受熱箱内に集熱板を配置し、受熱箱の開口部に透明 なカバーガラスを配置し、受熱箱内に断熱材を配置している。図3は、かかる従 来の太陽熱集熱装置の集熱板、カバーガラス、断熱材の配置などの一例を説明す る図である。同図を参照して、太陽光の入光側から、カバーガラス1、太陽熱を 受光して集熱する集熱板2、断熱材3が配置されている。カバーガラス1と集熱 板2との間には断熱空気層4が封入されている。断熱材3と集熱板2との間には 熱媒体としての空気が流通する熱媒体流路5が形成され、集熱板が集熱した太陽 熱を熱媒体たる空気が媒介して、かかる熱を用いて温水などを得ている。熱媒体 たる空気の流れは、図中に矢示で示した。6は断熱材を支持する板材であり、7 は受熱箱底部である。
【0003】 集熱板の太陽光入光側の面、すなわち受光面には選択吸収膜8が形成されてい る。選択吸収膜8は光の波長により吸収率(放射率)が異なる材料によってなり 、比較的長い波長(太陽熱集熱の温度域、大体60〜100℃程度での波長)の光の 吸収率(放射率)は低く、比較的短い波長の光(太陽光)の吸収率(放射率)が 高くなっている。これにより、集熱板2による太陽光の吸収効率を高める一方で 、太陽熱集熱の温度域における集熱板2からの輻射損失を低減させている。この ような選択吸収膜8の具体例については、その構造、基材、形成法などとともに 図4、5に示す。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、集熱板2の熱媒体たる空気に対する伝熱面積の広さには自ずと限界が あり、空気などの熱媒体の熱容量にも自ずと限界があり、熱媒体を無制限に大量 に熱媒体流路4に流通させるわけにもいかず、よって、熱媒体に充分に放射熱伝 達されず、熱媒体による熱の媒介量は充分とはいえないため、選択吸収膜8の太 陽光吸収効率の高さを十分に活かすことができなかった。
【0005】 また、選択吸収膜8としては酸化銅黒、酸化鉄黒が用いられる場合が多いが、 これらは一般的には化成処理により集熱板2に形成されるため、集熱板の受光面 だけではなく、その裏面にも選択吸収膜が形成されてしまうこととなり、かかる 裏面の太陽熱集熱温度域における波長の光の放射率が低くなってしまい、この点 でも、熱媒体に充分に放射熱伝達されず、熱媒体による熱の媒介量は充分とはい えないため、選択吸収膜8の太陽光吸収効率の高さを充分に活かすことができな かった。
【0006】 本考案は、熱媒体への放射熱伝達を充分に行なえることができて、熱媒体によ る熱の媒介量を大きくすることができ、もって選択吸収膜の太陽光吸収効率の高 さを充分に活かすことができる太陽熱集熱装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するための本考案の要旨は、太陽熱を受光して集熱する受光 面を有する集熱板と、該集熱板が吸熱した熱を媒介する熱媒体を流通させる熱媒 体流路とを備え、該熱媒体流路は前記集熱板の前記受光面とは反対の面側に形成 され、比較的長い波長の光より比較的短い波長の光の吸収率又は放射率が高い選 択吸収膜を前記受光面に形成した太陽熱集熱装置において、前記反対側の面を前 記選択吸収膜より比較的長い波長の光の吸収率又は放射率が高い裏面放射面とし たことを特徴とする太陽熱集熱装置にある。
【0008】 また、前記選択吸収膜より比較的長い波長の光の吸収率又は放射率が高い第2 の放射面を前記裏面放射面とは前記熱媒体流路を流通する前記熱媒体を挟んで対 峙して形成したことを特徴とする前記の太陽熱集熱装置も要旨とする。
【0009】
【作用】
選択吸収膜は比較的長い波長の光より比較的短い波長の光の吸収率又は放射率 が高いため、集熱板は受光面で太陽光(比較的短い波長の光)を高効率で吸収す る。このように太陽光を吸収した集熱板は、選択吸収膜より比較的長い波長の光 の吸収率又は放射率が高い裏面放射面が太陽熱集熱温度域の波長の光(比較的長 い波長の光)を放射しやすいことから、熱媒体に容易に放射熱伝達され、熱媒体 による熱の媒介量を大きくすることができる。
【0010】 さらに、選択吸収膜より比較的長い波長の光の吸収率又は放射率が高い第2の 放射面を形成した前記の太陽熱集熱装置の場合は、第2の放射面は裏面放射面か ら放射される太陽熱集熱温度域の波長の光(比較的長い波長の光)の一部を容易 に吸収して放射するから、熱媒体は裏面放射面と第2の放射面との両側から加熱 され、熱媒体による熱の媒介量を更に大きくすることができる。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の実施例について図面を参照しつつ説明する。図2は本考案の第 1の実施例にかかる太陽熱集熱装置の構造を説明する一部切欠き断面図である。 図3と同一符号の部材は図3を参照しつつ説明した従来の太陽熱集熱装置と同様 機能の部材であり、説明を省略する。10はカバーガラスを支持するためのカバ ーガラス押さえ、11はパッキン、12は受熱箱の外枠、13は断熱材、14は 熱媒体流路5に熱媒体たる空気を導入する熱媒体導入口である。熱媒体たる空気 の流れは図中に矢示で示した。
【0012】 本実施例の太陽熱集熱装置においては、集熱板2の太陽熱を受光して集熱する 受光面の反対側の面に選択吸収膜8より太陽熱集熱温度域の波長(比較的長い波 長)の光の放射率(吸収率)が高い材料を塗装や貼り付けなどにより形成し、裏 面放射面9としている。かかる裏面放射面9の形成は、例えば黒色塗料(東京ペ イント株式会社製のアクリスターALK−YPなどが使用できる。)の塗布など により行なうことができる。例えばこのような黒色塗料は、一般にすべての波長 域の光について放射率が高い。
【0013】 第1の実施例の太陽熱集熱装置の作用について説明すると、選択吸収膜8は比 較的長い波長の光より比較的短い波長の光の吸収率が高いため、集熱板2は受光 面で太陽光(比較的短い波長の光)を高効率で吸収する。このように太陽光を吸 収した集熱板2は、選択吸収膜8より比較的長い波長の光の放射率が高い裏面放 射面9が太陽熱集熱温度域の波長の光(比較的長い波長の光)を放射しやすいこ とから、熱媒体たる空気に容易に放射熱伝達され、熱媒体たる空気による熱の媒 介量を大きくすることができる。
【0014】 次に、本考案の第2の実施例について説明する。図1は、第2の実施例にかか る太陽熱集熱装置の構造を説明する一部切欠き断面図である。図2と同一符号の 部材は既述の第1の実施例の太陽熱集熱装置と同様機能の部材であり、説明を省 略する。
【0015】 本実施例においては、選択吸収膜8より比較的長い波長の光の放射率(吸収率 )が高い第2の放射面15を集熱板2の裏面放射面9とは熱媒体流路5を流通す る熱媒体たる空気を挟んで対峙して形成している。すなわち、図1に示す太陽熱 集熱器では板材6上に形成している。第2の放射面15を形成する素材は、裏面 放射面9と同様の黒色塗料などを用いる。
【0016】 第2の実施例にかかる太陽熱集熱器の作用について説明すると、第2の放射面 15は裏面放射面9から放射される太陽熱集熱温度域の波長の光(比較的長い波 長の光)の一部を容易に吸収して放射するから、熱媒体たる空気は裏面放射面9 と第2の放射面15との両側から加熱され、熱媒体たる空気による熱の媒介量を 更に大きくすることができる。
【0017】
【考案の効果】 以上説明した本考案の太陽熱集熱装置によれば、上述のとおり熱媒体による熱 の媒介量を大きくすることができるから、もって選択吸収膜の太陽光吸収効率の 高さを充分に活かすことができる太陽熱集熱装置を提供することができる。
【0018】 また、第2の放射面を形成した前記の太陽熱集熱装置の場合は、上述のとおり 熱媒体による熱の媒介量を更に大きくすることができるから、もって選択吸収膜 の太陽光吸収効率の高さをより充分に活かすことができる太陽熱集熱装置を提供 することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第2の実施例にかかる太陽熱集熱装置
の構造を説明する一部切欠き断面図である。
【図2】本考案の第1の実施例にかかる太陽熱集熱装置
の構造を説明する一部切欠き断面図である。
【図3】従来の太陽熱集熱装置の集熱板、カバーガラ
ス、断熱材の配置などの一例を説明する図である。
【図4】従来の太陽熱集熱装置に適用する選択吸収膜の
例を示す図である。
【図5】従来の太陽熱集熱装置に適用する選択吸収膜の
例を示す図である。
【符号の説明】
2 集熱板 5 熱媒体流路 8 選択吸収膜 9 裏面放射面 15 第2の放射面

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽熱を受光して集熱する受光面を有す
    る集熱板と、該集熱板が吸熱した熱を媒介する熱媒体を
    流通させる熱媒体流路とを備え、該熱媒体流路は前記集
    熱板の前記受光面とは反対の面側に形成され、比較的長
    い波長の光より比較的短い波長の光の吸収率又は放射率
    が高い選択吸収膜を前記受光面に形成した太陽熱集熱装
    置において、前記反対側の面を前記選択吸収膜より比較
    的長い波長の光の吸収率又は放射率が高い裏面放射面と
    したことを特徴とする太陽熱集熱装置。
  2. 【請求項2】 前記選択吸収膜より比較的長い波長の光
    の吸収率又は放射率が高い第2の放射面を前記裏面放射
    面とは前記熱媒体流路を流通する前記熱媒体を挟んで対
    峙して形成したことを特徴とする請求項1項記載の太陽
    熱集熱装置。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5986550U (ja) * 1982-12-02 1984-06-12 富士電機株式会社 空気式太陽熱集熱器
JPS60139446U (ja) * 1984-02-27 1985-09-14 中部クリエ−ト工業株式会社 太陽熱集熱保温シ−ト

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60139446U (ja) * 1984-02-27 1985-09-14 中部クリエ−ト工業株式会社 太陽熱集熱保温シ−ト

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