JPH0684114A - ディジタルデータ記録再生装置 - Google Patents

ディジタルデータ記録再生装置

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JPH0684114A
JPH0684114A JP14066193A JP14066193A JPH0684114A JP H0684114 A JPH0684114 A JP H0684114A JP 14066193 A JP14066193 A JP 14066193A JP 14066193 A JP14066193 A JP 14066193A JP H0684114 A JPH0684114 A JP H0684114A
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JP14066193A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Yamakawa
秀之 山川
Terumi Takashi
輝実 高師
Naoki Sato
直喜 佐藤
Yoshiteru Ishida
嘉輝 石田
Kazunori Iwabuchi
一則 岩渕
Kazuhisa Shiraishi
和久 白石
Akihiko Hirano
章彦 平野
Shoichi Miyazawa
章一 宮沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 等化器の回路規模が小さく、少ない消費電力
で記録再生特性のバラツキを補償し、データ再生時の信
頼性の向上を図る。また、故障時の取扱を簡単にする。 【構成】 フィルタ外部からの設定でその伝達特性を調
整することができる特性可変フィルタ(等化器)3と、
該特性可変フィルタ3に設定する設定情報を記憶する記
憶手段(係数メモリ)4と、該記憶手段4に記憶された
設定情報を前記特性可変フィルタに設定する設定手段
(メモリ制御手段40)とを有するディジタルデータ記
録再生装置(磁気ディスク装置)1において、前記ディ
ジタルデータ記録再生装置1の外部から任意の情報を前
記記憶手段4に記憶させる手段(テスター装置)2を備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置で用
いる波形等化器の伝達特性を記録再生特性に合わせて設
定することができるディジタルデータ記録再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】円盤状の記録媒体を用いる磁気記録装置
(磁気ディスク)は一般に複数の磁気ヘッドおよび複数
のシリンダを備えている。ここで、記録媒体、磁気ヘッ
ドには特性バラツキが存在し、また記録媒体上の内周側
と外周側では記録線密度が異なるため記録再生特性が一
定とならない。
【0003】従来、このような記録再生特性のバラツキ
を補償する技術として、入力信号の特性に応じて伝達特
性を変化させる適応等化技術が検討されてきた。この適
応等化技術については、シモンハイキン著、武部幹訳の
1987年9月10発行「適応フィルタ入門」(現代工
学社)[P.8〜P.11]などの文献に詳しく記述さ
れている。この技術では、磁気ヘッドから読み出された
信号を適応等化することにより、記録媒体や磁気ヘッド
の特性バラツキ、あるいはデータを再生するトラック位
置にかかわらず均一の再生波形を得ることができる。
【0004】また、他の方法として、特開昭64−80
116に開示された方法がある。この方法では、ディレ
イライン及びアンプから構成される余弦等化回路によっ
て、あらかじめディスクに記録した2種類の周波数の信
号データを再生することにより、データ再生を行うトラ
ック位置に対応するディレイラインへの入力クロックを
求め、遅延時間とゲインを制御する構成となっている。
【0005】さらに、他の従来例として、特開平3−1
2802に開示された方法がある。この方法では、全デ
ィスクの所定の2つのトラックに2種類の周波数の信号
データを記録・再生することにより各トラック位置にお
ける等化特性が最適となる余弦等化回路の等化量をまず
求め、この等化量を磁気ディスク装置内のメモリに記憶
させ、データ再生時には、このメモリに記憶された等化
量で波形等化を行う構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで適応等化技術
によって記録再生特性のバラツキを補償した場合は、等
化器の回路規模が増大し、また消費電力が大きくなると
いう問題がある。特に、小型磁気ディスク装置などでは
回路規模や消費電力に対する制約が厳しく、適応等化技
術を応用することは難しい。また、特開昭64−801
16に示された方法では、消費電力の問題は少ないが、
最適の等化量を求める具体的な方法が明示されておら
ず、さらに、遅延時間を変えるので、そのための専用の
クロック発生回路が必要となる。
【0007】また、特開平3−12802に示された方
法においては、全てのシリンダ・ヘッドの組み合わせの
等化量を回路基板上のメモリに記憶しているので、磁気
記録媒体と回路基板は1対のペアとなり、もし、磁気記
録装置が故障し、回路基板を交換しなければならない場
合、等化量を再び求め直すかメモリを取り外して対とな
るメモリを取付け直すなどの何らかの処置が必要となっ
てしまい、取扱が面倒になってしまう。さらに、回路基
板上に最適の等化量を求める手段を備える必要があるた
め、回路規模の問題が解決できない。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたもので、その第1の目的は、等化器の回
路規模を小さくできるディジタルデータ記録再生装置を
提供することにある。また、第2の目的は、少ない消費
電力で記録再生特性のバラツキを補償できる、データ再
生の信頼性の高いディジタルデータ記録再生装置を提供
することにある。さらに、第3の目的は、基板を交換す
るような場合でも取り扱いが面倒になることのないディ
ジタルデータ記録再生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の手段は、フィルタ外部からの設定でその伝達
特性を調整することができる特性可変フィルタと、該特
性可変フィルタに設定する設定情報を記憶する記憶手段
と、該記憶手段に記憶された設定情報を前記特性可変フ
ィルタに設定する設定手段とを有するディジタルデータ
記録再生装置において、前記ディジタルデータ記録再生
装置の外部から任意の情報を前記記憶手段に記憶させる
手段を備えた構成になっている。
【0010】第2の手段は、同様の前提の装置におい
て、記憶手段をディジタルデータ記録再生装置から分離
および接続する手段を備えた構成になっている。
【0011】第3の手段は、同様の前提の装置におい
て、ディジタルデータ記録再生装置と他の機器を接続し
て情報の送受信を行うための接続手段と、接続手段で受
信した情報を記憶手段に記憶させる手段とを備えた構成
になっている。
【0012】第4の手段は、同様の前提の装置にさらに
目的とするデータが記録されている記録媒体上の位置情
報を出力する手段を設けたものにおいて、位置情報を受
信し、記憶手段に記憶された設定情報を選択して特性可
変フィルタに設定するための選択信号を出力する信号変
換手段を備えた構成になっている。
【0013】第5の手段は、フィルタ外部からの設定で
その伝達特性を調整することができる特性可変フィルタ
と、該特性可変フィルタに設定する設定情報を記憶する
記憶手段と、該記憶手段に記憶された設定情報を前記特
性可変フィルタに設定する設定手段とを有するディジタ
ルデータ記録再生装置において、ディジタルデータ記録
再生装置の外部から特性可変フィルタに設定する設定情
報を記憶手段に記憶させる手段を備えた構成になってい
る。
【0014】第6の手段は、フィルタに設定する値によ
ってその伝達特性を変えることができる特性可変フィル
タを記録再生回路に備えたディジタルデータ記録再生装
置において、記録されたデータを再生する際に使用する
第1のフィルタの設定値を該ディジタルデータ記録再生
装置の記録媒体に書き込み、第1のフィルタの設定値を
読み出すために調整された第2のフィルタの設定値を前
記記録再生回路の記憶手段に記憶させる構成になってい
る。この場合、第2のフィルタの設定値は、平均的な記
録再生特性を有するディジタルデータ記録再生装置の第
1の設定値が記録されたシリンダ位置の記録再生特性か
らあらかじめ求められた最適の設定値、またはディジタ
ルデータ記録再生装置の特性のバラツキを考慮しないで
設計段階であらかじめ求められた設定のいずれかの値が
選択される。
【0015】第7の手段は、第12の手段と同様の前提
の装置において、データを再生する際に使用する第1の
フィルタの設定値とこの第1のフィルタ設定値を読み出
すための第2のフィルタ設定値をディジタルデータ記録
再生装置の記録媒体に書き込み、かつ第2のフィルタの
設定値は波形等化をすることなくデータ再生できる程度
に記録密度を下げて書き込まれた構成になっている。
【0016】第8の手段は、同様の前提の装置におい
て、データを再生する際に使用する第1のフィルタの設
定値をディジタルデータ記録再生装置の記録媒体に書き
込み、かつ第1のフィルタの設定値は波形等化をするこ
となくデータ再生できる程度に記録密度を下げて書き込
まれた構成になっている。
【0017】第9の手段は、同様の前提の装置におい
て、データを再生するために使用される第1のフィルタ
の設定値と第1のフィルタの設定値を読み出すための第
2のフィルタの設定値を記録媒体上に書き込み、等化器
のフィルタを初期化し、第2のフィルタの設定値を記録
媒体より読み出すための第3のフィルタの設定値は記録
再生回路の記憶手段に記憶させた構成になっている。
【0018】第10の手段は、同様の前提の装置におい
て、データを再生するために使用される第1のフィルタ
の設定値を記録媒体上の全シリンダの少なくとも1つの
セクタに書き込み、等化器のフィルタを初期化し、第1
のフィルタの設定値を各々のシリンダより読み取るため
の第2のフィルタの設定値は記録再生回路の記憶手段に
記憶させた構成になっている。
【0019】
【作用】第1の手段では、記憶手段にディジタルデータ
記録再生装置の外部から任意の情報を記憶させることが
できるので、装置内部に最適の等化量を求め、これを記
憶させる手段を備える必要がなくなる。
【0020】第2の手段では、分離および接続する手段
によって記憶手段をディジタルデータ記録再生装置から
任意に接続したり分離したりすることができるので、記
憶手段への書き込み手段を当該記録再生装置内に備える
必要がなくなる。
【0021】第3の手段では、接続手段によってディジ
タルデータ記録再生装置に他の機器を接続して情報の送
受信を行い、受信した情報を当該記録再生装置内の記憶
手段に記憶させることができるので、記憶手段に書き込
む手段を装置内に備える必要がなくなる。
【0022】第4の手段では、信号変換選択手段によっ
て記録媒体上の位置情報を受信し、記憶手段に記憶され
た設定情報を選択して特性可変フィルタに設定できるの
で、ディジタルデータ記録再生装置の記録再生特性のバ
ラツキを補償することが可能になる。
【0023】第5の手段では、記憶手段にディジタルデ
ータ記録再生装置の外部から特性可変フィルタに設定す
る設定情報を記憶させることができるので、ディジタル
データ記録再生装置の内部に最適の伝達特性を求める手
段を備える必要がなくなる。
【0024】第6の手段では、記録再生回路の記憶手段
にあらかじめ記憶させておいた前述の何れかの初期値に
基づく第2のフィルタの設定値を用いて、記録媒体に書
き込まれている第1のフィルタの設定値を読み出して、
この第1のフィルタの設定値を用いて記録されたデータ
を再生する。
【0025】第7の手段では、記録媒体に書き込まれた
第2のフィルタの設定値を波形等化をせずに読み出し、
この第2のフィルタ設定値を用いて第1のフィルタの設
定値を読み出し、この第1のフィルタの設定値を用いて
記録されたデータを再生する。
【0026】第8の手段では、波形等化せずに第1のフ
ィルタの設定値を記録媒体から再生し、この第1のフィ
ルタの設定値を用いて記録されたデータを再生する。
【0027】第9の手段では、記録再生回路の記憶手段
にあらかじめ記憶させておいた第3のフィルタの設定値
を用いて第2のフィルタの設定値を記録媒体から再生
し、再生された第2のフィルタの設定値を用いて第1の
フィルタの設定値を記録媒体から再生し、この第1のフ
ィルタの設定値に基づいて記録されたデータを再生す
る。
【0028】第10の手段では、記録再生回路の記憶手
段にあらかじめ記憶させておいた第2のフィルタの設定
値を用いて記録媒体の前シリンダの少なくとも1つのセ
クタに書き込まれた第1のフィルタの設定値を読み出
し、この第1のフィルタの設定値に基づいて記録された
データを再生する。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の実施例につい
て説明する。
【0030】〔第1の実施例〕図1は本発明の第1の実
施例に係る磁気ディスク装置の記録再生回路およびテス
ター装置を示すブロック図である。
【0031】同図において磁気ディスク装置1は、等化
器3、係数メモリ4、磁気記録媒体としての磁気ディス
ク10、磁気ディスク10を駆動するボイスコイルモー
タを制御するVCM制御部11、磁気ディスク10に対
してリード/ライトを行うヘッド用のR/Wアンプ1
2、PLL13、アナログ/ディジタル変換器(AD
C)14、識別器15、変調/復調部16、およびハー
ドディスクコントローラ(HDC)17から基本的に構
成されている。また、テスター装置2は、適応等化器
5、識別器18、係数更新部19、およびシーケンサ2
0からなっている。
【0032】磁気ディスク装置1では、磁気ディスク1
0から読み出された再生信号を増幅した後、同期クロッ
クによってアナログ/ディジタル変換を行い、さらにデ
ィジタル信号処理を行ったあとの信号の振幅によってデ
ータ再生を行う振幅検出方式を用いている。また、HD
C17は、マイクロプロセッサを内蔵し、ホストコンピ
ュータとの入出力制御、磁気ディスク装置1内部の制
御、およびデータ転送制御を行う。
【0033】等化器(EQ)3は図2に示すトランスバ
ーサル型の構成であり、遅延回路44,45の遅延時間
を同期クロック周期に等しくし、また、乗算器47,4
9,51のタップ係数を外部から設定できる構成となっ
ており、これらの出力は加算回路53を経て出力され
る。この等化器3の伝達特性はタップ係数の設定により
変更することができる。なお、図2では3タップ型トラ
ンスバーサルフィルタの例を示したが、タップ数を増や
した場合も原理的には同じであるため3タップの場合に
ついて以下の説明を行う。また、IIRフィルタやラテ
ィスフィルタなど他の型のフィルタについても同様に適
用することができる。
【0034】まず、図1に示した磁気ディスク装置1で
のデータリード時の動作を説明する。なお、この場合は
ディスク装置1にテスター装置2を接続する必要はな
い。ホストコンピュータからのリード要求はHDC17
にて解釈され、リード対象のヘッド番号、シリンダ番号
が決定する。このヘッド番号、シリンダ番号はVCM制
御部11に送られ、磁気ヘッドのシーク動作を開始する
と同時に、係数メモリ4に送られる。
【0035】係数メモリ4では、ヘッド番号、シリンダ
番号に基づいて適切なタップ係数を等化器3に設定し、
磁気ヘッド9のシーク動作完了後に実質のデータリード
を行う。すなわち、磁気ヘッド9で読み出した微弱な信
号をR/Wアンプ12で増幅し、この増幅後の信号から
同期クロックをPLL13で生成し、この同期クロック
によってR/Wアンプ12の出力をアナログ/ディジタ
ル変換器(ADC)14でディジタル信号に変換し、等
化器(EQ)3で波形等化を行う。波形等化後の振幅値
から識別器15でデータの‘1’または‘0’の判定を
行い、変調/復調部16で元の記録データに復調した
後、HDC17を介してホストコンピュータにデータが
送られる。以上のようにして、データリード時の一連の
動作が終了する。この係数メモリ4の構造を図3に示
す。
【0036】係数メモリ4では、各ヘッド番号、シリン
ダ番号に対応して適切な等化特性を得られるようなタッ
プ係数がメモリ41に記憶されている。メモリ制御手段
40では対応するタップ係数が記憶されているメモリア
ドレスを求め、このアドレスのデータをリードする。メ
モリ41から読み出されたタップ係数は、その係数を設
定するタップ番号とともにメモリ制御手段40から等化
器3に出力される。等化器3では、タップ番号からタッ
プ係数を書き込むフリップフロップをデコーダ52で選
択し、選択されたフリップフロップにタップ係数を記憶
させる。例えば、メモリ制御手段40から乗算器47の
係数を設定するには、メモリ制御手段40から乗算器4
7の番号(例えば1番)と設定するタップ係数を出力す
る。デコーダ52では指定されたタップ番号(1番)か
らフリップフロップ46を選択し、メモリ制御手段40
から送られたタップ係数はフリップフロップ46に記憶
される。乗算器47は等化器3の入力信号とフリップフ
ロップ46に記憶されている値の乗算を行う。同様にし
てフリップフロップ48,50にタップ係数を記憶さ
せ、等化器3の伝達特性を調整する。そして、磁気ヘッ
ドが目的のシリンダ位置に到達した後に実際のリード動
作を開始する。なおこの際、等化器3のタップ係数設定
の終了前に磁気ヘッドのシーク動作が終了する場合が考
えられる。しかし、磁気ヘッドのシーク動作は通常数ミ
リ秒かかるのに対し、タップ係数の設定は数マイクロ秒
で終了するためこのようなケースは稀である。万一、磁
気ヘッドのシーク動作が先に終了した場合は、タップ係
数の設定終了後にリード動作を開始すればよい。
【0037】次に、磁気ディスク装置1とテスター装置
3を接続して係数メモリ4にタップ係数を記憶させる手
順について説明する。なお、以下に述べる操作は、磁気
ディスク装置1の製造時および修理等を行ったときのみ
行う。
【0038】テスター装置2では磁気ディスク装置1の
磁気ヘッドの再生信号を受け、適応学習を行い、そのト
ラック位置での最適のタップ係数値を求める。このテス
ター装置2に内蔵される適応等化器5は磁気ディスク装
置1に用いられる等化器3と同じ構成(タップ数)でか
つそのタップ係数を等化器5の動作中に変えることがで
きるいわゆる適応制御が可能な構成になっている。この
適応等化器5のタップ係数は等化誤差を最小にするよう
に係数更新部19からの信号でタップ係数を更新する。
このタップ係数更新のアルゴリズムについては、前述の
「適応フィルタ入門」などの文献に詳しく記述されてい
るのでここでの説明は省略する。
【0039】磁気ディスク装置1とテスタ装置2の間は
等化器入力信号S1、同期クロック信号S2および制御
信号S3によって接続される。このうち等化器入力信号
S1、同期クロック信号S2は適応学習に使用するため
に、また、制御信号S3は磁気ヘッドの位置を指定する
ためのコマンドや適応学習結果を磁気ディスク装置1に
伝えるためにそれぞれ接続される。この制御信号S3は
例えば図23のような信号線でよい。この図でRDY
は、HDC17がシーケンサ20からのコマンドを受け
られることを示す。REQはシーケンサ20からHDC
17へのデータストローブ信号であり、D0〜D7と同
時に使用する。CMPはHDC17からシーケンサ20
へコマンドの実行終了を伝える信号である。D0〜D7
はデータ線であり、シーケンサ20からHDC17へ与
えるコマンドやデータなどを伝える。
【0040】この制御信号線を用いてシーケンサ20か
らHDC17へシークコマンドを送る際のタイミングチ
ャートを図24に示す。同図においてシーケンサ20は
RDY=‘L’を確認した後、REQとD0〜D7でシ
ークコマンドとヘッド番号、シリンダ番号などの情報を
送る。必要な情報が1度に送れない場合は、図24に示
すように複数回に分けてコマンドおよびデータを送れば
よい。HDC17はシーケンサ20からのコマンドを受
信するとRDY=‘H’にし、シーク動作を開始する。
HDC20はシーク動作の終了後、CMPにパルス信号
を出力した後RDY=‘L’とし、シーク終了をシーケ
ンサ20に伝える。もし、シーク動作が正常に行えなか
った場合はCMPにパルスを出力せずにRDY=‘L’
とすることでシーケンサ20は異常終了を検出できる。
他のコマンドについてもシークコマンドと同様の手順で
行えるので、以後の説明は省略する。
【0041】さて、実際に最適のタップ係数を求め、こ
の係数を係数メモリ4に記憶させる手順について説明す
る。ここで、記録媒体10には少なくともサーボ信号が
書き込まれており、磁気ヘッド9の位置決め制御が行え
るものとする。磁気ディスク装置1とテスター装置2を
接続した後、シーケンサ20からタップ係数を求めたい
ヘッド番号、シリンダ番号へシークするコマンドをHD
C17に与え、目的のトラックに磁気ヘッド9を移動さ
せる。磁気ヘッド9が指定された位置へ移動した後、シ
ーケンサ20からHDC17へコマンドを送り、適応学
習を行う為のトレーニングパターンの書き込みを行う。
このトレーニングパターンは適応学習を確実に収束させ
るためランダム系列のデータが望ましい。また、実際の
トレーニングパターンはテスター装置2に記憶してお
き、通常のデータ書き込みと同じ手順、または記録媒体
10を論理フォーマットする手順で記録すればよい。も
ちろん、トレーニングパターンを磁気ディスク装置1に
記憶させておいてもよい。ただし、磁気ディスク装置1
の修理時など磁気ディスク10にすでにデータが記録さ
れていて、このデータを消去することができない場合は
すでに記録されているデータで適応学習を行えばよい。
【0042】トレーニングパターンを記録した後、シー
ケンサ20から適応等化器5の各タップに適切なタップ
係数の初期値を設定する。そして、シーケンサ20から
リードコマンドをHDC17に送り、適応学習を開始す
る。磁気ディスク装置1でトレーニングパターンを再生
することによりテスター装置2の適応等化器5が学習
し、最終的には最適なタップ係数値に収束する。シーケ
ンサ20はトレーニングパターンのリード終了と同時に
適応等化器5のタップ係数更新を止める。この時のタッ
プ係数の値をシーケンサ20から制御信号S3を使って
HDC17に送り、HDC17から磁気ディスク装置1
の係数メモリ4の対応するアドレスにそのタップ係数値
を書き込む。ふたたび次のヘッド番号、シリンダ番号を
シーケンサ20から指定し、同様にして最適タップ係数
を係数メモリ4に書き込む操作を繰り返す。このように
してすべてのヘッド番号、シリンダ番号に対応する最適
なタップ係数を係数メモリ4に書き込むことができる。
【0043】また、テスター装置2を図8に示す構成に
してもよい。この図の構成は、図1における識別器18
の代わりに加算回路30を設け、適応等化器5とシーケ
ンサ20との出力を加算して係数更新部19に出力する
ようになっている。この図の構成では、係数更新を行う
ために必要な期待値信号の生成をシーケンサ20で行
う。適応学習を行うトレーニングパターンは既知であ
り、図8の構成とすると、より正確な期待値信号を生成
できる。ここで、再生信号とシーケンサで生成するトレ
ーニングパターンのビット同期が問題となるが、トレー
ニングパターンのはじめに特定の同期用パターンを用い
ることで解決できる。このような構成で適応学習時間を
短くすることができる。ただし、図8の構成の場合で
は、トレーニングパターンを磁気ディスク10に必ず書
き込む必要がある。よって、磁気ディスク装置1の修理
を行った場合など、すでにデータが記録されている場合
はこのデータを消去する必要がある。図1に示した構成
の場合では記録媒体10上の記録データでも適応学習を
行うことが可能である。よって、記録媒体10上のデー
タを消去できない場合は図1の構成が望ましい。
【0044】次に、係数メモリ4の構造と係数データに
ついて説明する。すでに述べたように、図3は係数メモ
リ4の構造を示すブロック図の一実施例である。また、
図4はメモリ41に記憶されるメモリデータを示す図で
ある。この図3において、ヘッド番号、シリンダ番号が
HDC17からのコマンドにより指定されると、メモリ
制御手段40において、 メモリアドレス=ヘッド番号×m+シリンダ番号×n (1) ただし、m:一つのヘッドあたりのタップ係数を記憶す
る領域の大きさ n:タップ数 の式に従ってタップ係数を記憶したメモリアドレスの先
頭が計算される。
【0045】例えば、ヘッド番号が‘0’、シリンダ番
号が‘1’で、図2に示したように等化器3が3タップ
構成の場合は、式(1)の結果からメモリアドレスの先
頭が‘3’となる。図4に示すように、一つのメモリア
ドレスには一つの乗算器に対応するタップ係数が記憶さ
れている。すなわち、タップ係数a01はフリップフロ
ップ46に、a02はフリップフロップ48に、a03
はフリップフロップ50に書き込まれる。
【0046】メモリ制御手段40では、このメモリアド
レスの先頭からタップ数分のメモリ41の内容を順次読
み出し、読み出したデータの順にタップ番号を付け、タ
ップ番号とデータを等化器3に出力する。以上の動作を
行うメモリ制御手段40はマイクロプロセッサにより容
易に実現することができる。ここで図4に示したメモリ
データでは、すべてのヘッド番号、シリンダ番号の組み
合わせに対してそれぞれ一組のタップ係数値を記憶す
る。このような係数メモリ4の構成によりすべてのヘッ
ド番号、シリンダ番号の組み合わせに対し最適な等化特
性を設定することができる。しかしその反面、すべての
ヘッド番号、シリンダ番号の組み合わせに対してそれぞ
れタップ係数を記憶するため、膨大なメモリ容量が必要
になるという欠点がある。そこで、タップ係数を記憶す
るメモリ容量を低減するため次の方法が考えられる。
【0047】一般的に磁気ディスクでは、隣接するシリ
ンダの記録再生特性はほぼ等しい。そこで、同一ヘッド
番号の複数のシリンダを一つのエリアとしてまとめ、一
つのエリアに対し一組のタップ係数を記憶する。同様
に、磁気ディスクと磁気ヘッドの特性が均一なものが得
られる場合は、シリンダ番号が等しくヘッド番号が異な
る場合の記録再生特性がほぼ等しいという特徴を利用し
て、同一シリンダ番号のトラックを一つのエリアとして
まとめる方法も考えられる。さらに、この二つの方法の
併用する方法も考えられる。
【0048】この構成としたときのメモリデータの記憶
構成の例を図5に示す。この図に示すように、複数のシ
リンダ番号に対して一組のタップ係数を記憶するため図
4の構成に比べてメモリ容量が少なくてよい。
【0049】同一ヘッドに対する四つのシリンダを一つ
のエリアとしてまとめた場合の例を図5に示す。この例
では、ヘッド番号‘0’、シリンダ番号‘0’から
‘3’をエリア‘0’としてまとめてある。この図に示
すように、複数のシリンダ番号に対して一組のタップ係
数を記憶するため、図4の構成に比べてメモリ容量が少
なくてよい。
【0050】この図5に示した構成を実現するために
は、メモリ制御手段40において各ヘッド番号とシリン
ダ番号に対応する最初のタップ係数が記憶されているメ
モリアドレスが求まればよい。そこで、HDC17から
送られたヘッド番号とシリンダ番号をまずエリア番号に
変換し、さらに対応するメモリアドレスの先頭を求める
方法が考えられる。この他に、ヘッド番号とシリンダ番
号から直接メモリアドレスの先頭を求める方法もある。
ここで、ヘッド番号とシリンダ番号から単純な演算によ
ってエリア番号が求められる場合はヘッド番号とシリン
ダ番号から演算によってメモリアドレスの先頭を求める
ことができる。例えば、エリア番号、ヘッド番号、およ
びシリンダ番号に、 エリア番号=f(ヘッド番号,シリンダ番号) (2) (ただし、f(x1、x2)は、単純な演算とする。) のような関係が成り立つ場合、メモリアドレスの先頭
は、 メモリアドレス=f(ヘッド番号,シリンダ番号)×n (3) ただし、n:タップ数 により求められる。
【0051】また、ヘッド番号とシリンダ番号から単純
な演算によってエリア番号を求めることができない場合
は、ヘッド番号とシリンダ番号からメモリアドレスを求
めるための変換テーブルをメモリ制御手段40に設け
る。このようにすると、任意のエリア定義に対してもメ
モリアドレスの先頭値を直接求めることができる。以上
のように、一つのエリアに対して一組のタップ係数を記
憶すると、メモリ41の容量を少なくすることができ
る。
【0052】次に、エリアの定義の方法について説明す
る。図6(a)は、記録媒体10を半径方向に等間隔で
分割し、それぞれの領域を一つのエリアとした場合の例
である。このようにエリアを定義した場合は、各エリア
ごとのシリンダ数が等しくなるため、前述のメモリアド
レスの先頭を求める演算を、メモリアドレス=ヘッド番
号×m+int(シリンダ番号/k)×n (4) ただし、m=一つのヘッドあたりのタップ係数を記憶す
る領域の大きさ k=一つのエリア内のシリンダの数 n=タップ数 で示す簡単な演算で実現できる。
【0053】しかし、記録媒体10の内周側では各トラ
ック間の記録再生特性の変化が大きいのに対し、外周側
ではトラック間の記録再生特性の変化が小さい。よっ
て、各エリア内での記録再生特性をほぼ等しくするに
は、内周側の記録再生特性に合わせて外周側でも細かく
エリアを定義する必要がある。この結果、外周側では記
録再生特性の似た複数のエリアが定義されるため、メモ
リ41に無駄が生じる。そこで、内周側では細かいエリ
アに分割し、外周側では広いエリアに分割する方法が考
えられる。このように、不等間隔にエリア分割した場合
の例を図6(b)に示す。この場合、メモリ制御手段4
0は等間隔分割の場合に比べ複雑になるが、メモリ41
の容量が少なくてすむため、係数メモリ4全体では回路
規模は小さくなる。
【0054】次に、不等間隔でエリアを分割する際の分
割位置の決め方について説明する。これまでに述べてき
たように、各エリア内では、ほぼ等しい記録再生特性で
なければならない。これはすなわち、各エリアで設定さ
れたタップ係数で等化を行ったときの等化誤差がエリア
内のすべてのトラックで一定値以下であることに等し
い。そこで、各エリアでの等化誤差の最大値があらかじ
め定めた値以下となるように分割位置を決めれば良い。
このようにエリア分割位置を決める手順の一例を図7に
示す。
【0055】この図7に示す手順では、まず、磁気ディ
スク10の最内周へ磁気ヘッド9をシークさせる(ステ
ップ101)。次に適応学習を行い最適なタップ係数を
求める(ステップ102)。このタップ係数のまま1ト
ラック外側のトラックへシークさせる(ステップ10
3)。ここで、データリードを行い、このトラックでの
等化誤差を測定する(ステップ104)。この等化誤差
が一定値以下であり、かつこのトラックが最外周でない
場合はさらに1トラック外側のトラックへ移動し、同様
の操作を繰り返す(ステップ105,108)。もし、
等化誤差の値が一定値を越えた場合は、そのトラックか
ら別のエリアとして定義する(ステップ105,10
6)。そして、このトラックが最外周でない場合は、再
度適応学習を行い、最適なタップ係数を求める(ステッ
プ107)。
【0056】以上のような分割位置の定義は装置ごとに
行うのが望ましいが、分割位置に合わせてメモリ制御手
段40を作る必要があるためコストが上昇する。そこで
実際には、標準的な特性を持った磁気ディスク装置1で
分割数および位置を決定し、同じ仕様の装置ではこの分
割数および位置を用いるのがよい。さらに、シリンダ番
号が同じでヘッド番号が異なるトラックを同じエリアに
定義してもよい。通常は、記録媒体や磁気ヘッドの特性
バラツキのため、ヘッド番号が異なる場合の記録再生特
性は異なる。しかし、記録媒体や磁気ヘッドの特性を均
一化し、等化誤差に対する許容量を大きくすることによ
って同一シリンダ番号のトラックを同一エリアにし、メ
モリ41の容量をさらに少なくすることができる。
【0057】なお、前述の最適のタップ係数を求める操
作は、係数メモリが図6(a)の構成の場合はすべての
ヘッド番号、シリンダ番号の組み合わせについて順次行
う。また、係数メモリが図6(b)の構成の場合は、各
エリア内の適当なトラックを一つ指定する。例えば、分
割位置を決める際に最適等化特性を求めたヘッド番号、
シリンダ番号を指定して最適のタップ係数を求めればよ
い。
【0058】〔第2の実施例〕また、図1の第1の実施
例では、シーケンサ20とHDC17の接続に専用のコ
ネクタを用いたが、図9に示すように第2の実施例では
ホストインタフェイスと共用することもできる。現在の
小型ディスクで用いられている主なホストインタフェイ
スにはSCSI、ESDIなどがあるが、いずれも装置
固有のコマンドを設定することが可能である。すでに述
べた実施例においてシーケンサ20、HDC17の間で
やりとりする情報は、特定のトラック位置へのシーク指
示、トレーニングパターンの書き込み、係数メモリ4へ
のデータ書き込みなどであり、ホストインタフェイスと
の共用は十分可能である。このようにインタフェイスを
共用すると、シーケンサ20をHDC17に接続するた
めの専用コネクタが不要となり、部品コスト低減および
磁気ディスク装置1の小型化に効果がある。
【0059】なお、この第2の実施例の各構成要素は前
記ホストインタフェイスの部分を除いて図1に示した第
1の実施例と同一なので説明は省略する。
【0060】〔第3の実施例〕また、この第2の実施例
に代えて図10に示す第3の実施例の構成にしてもよ
い。この第3の実施例は、図9に示した第2の実施例に
おける適応等化器5の前段にアナログ/ディジタル変換
器(ADC)21を設け、磁気ディスク装置1のR/W
アンプ12からのアナログ/ディジタル変換前の等化器
入力信号S1をテスター装置2のADC21に、また、
PLL13からの同期クロックS2をテスター装置2に
それぞれ接続する。そして、すでに述べた手順と同様に
して、適応学習を行い、最適等化係数を求める。図1に
示す構成の場合はアナログ/ディジタル変換後の信号を
テスター装置2に接続するため、ADC14の分解能に
応じた複数の信号線をテスター装置2に接続する必要が
ある。これに対し、図10の構成ではアナログの信号線
を1本接続すればよく、コネクタ形状を小さくすること
ができる。ただし、このアナログの信号線は磁気ディス
ク装置1からテスター装置2までの接続経路においてノ
イズの混入を防ぎ、インピーダンンスマッチングがとれ
るように十分配慮しなければならない。その他、特に説
明しない各部は全て第2の実施例と同様に構成されてい
る。
【0061】〔第4の実施例〕また、近年、PLL回路
13やR/Wアンプ12をディジタル制御する方式が注
目されている。この方式についてはドリボ「高密度磁気
記録のための信号処理」(F.Dolivo:Signal Processing
for High-Density Digital Magnetic Recording, Proc.
VLSI and Comp. Peripherals 1989) などの文献に記述
されているので詳しい説明は省略する。この方式を本発
明による磁気ディスク装置1に応用するために、図11
の構成が考えられる。
【0062】この図11に示した第4の実施例は、磁気
ディスク装置1にR/Wアンプ制御部・PLL制御部2
2とこれの切り換えスイッチ24,25を設け、テスタ
ー装置2にはスイッチ24,25によって切り換えられ
るR/Wアンプ制御部・PLL制御部23を設けたもの
である。テスター装置2を磁気ディスク装置1に接続し
て最適係数を求めるときは、テスター装置2からPLL
制御信号S4およびR/Wアンプ制御信号S5を出力す
る。磁気ディスク装置1のPLL回路13およびR/W
アンプ12ではテスター装置2からの制御信号S3によ
って制御を行うようにスイッチ24,25を切り換え
る。また、通常のデータ再生時には磁気ディスク装置1
の内部で生成したPLL制御信号、R/Wアンプ制御信
号によってPLL回路13、R/Wアンプ12の制御を
行うようにスイッチ24,25を切り換える。このよう
な構成により、PLL回路13、R/Wアンプ12のデ
ィジタル制御を行う方式を本発明に応用できる。その
他、特に説明しない各部は第2の実施例と同様に構成さ
れている。
【0063】〔第5の実施例〕また、図12のような構
成も考えられる。この第5の実施例ではテスター装置2
にPLL26を設け、同装置2内で使用する同期クロッ
クを当該PLL26で生成している。したがって、同期
クロックS2に関する構成を除いて図9の第2の実施例
と基本的に同一である。このような構成とすると磁気デ
ィスク装置1での同期クロックを出力するコネクタが不
要となり、磁気ディスク装置1のコスト低減、回路基板
の小型化に効果がある。
【0064】〔第6の実施例〕これまでに述べてきた実
施例では、図2に示したトランスバーサル型等化器を用
いて波形等化を行ってきたが、本発明による等化特性の
設定方法は他の等化方式にも応用できる。
【0065】図13はルックアップテーブルを用いたデ
ィシジョンフィードバックイコライザ(以後RAM−D
FEとする)に本発明を応用した場合の実施例(第6の
実施例)で、図9の第2の実施例における磁気ディスク
装置1の係数メモリ4に代えてテーブルメモリ7、DE
F6および加算回路27を設け、テスター装置2の適応
等化器5に代えてテーブル更新部29、DEF8および
加算回路28を設けたものである。その他の構成は基本
的に第2の実施例と同一である。また、図14は図13
に示したDFE6の内部構造を示すブロック図、図15
はテーブルメモリ7の構造を示すブロック図、図16は
メモリ59に記憶するテーブルデータとアドレスの関係
を示す図である。
【0066】この第6の実施例では、シフトレジスタ5
6とRAM57とからなるRAM−DFE6は再生され
たバイナリデータ列からルックアップテーブル(RAM
57)を参照してフィードバック信号を生成し、図14
に示すように、この信号を識別器15の入力信号に加え
ることにより波形等化を行う方式である。ここで、RA
M57に適切な値を記憶させておくと雑音を強調するこ
となく波形等化を行うことができる。このRAM−DF
Eの原理およびRAM−DFEの適応制御方法について
はフィリップ ベドナー他の「磁気記録装置の為のディ
ジタル適応DFE」(Philip S Bednarz, John M Cioff
i: A DIGITAL ADAPTIVE DFE FOR MAGNETIC STRAGE SYST
EMS, THE MAGNETIC RECORDING CONFERENCE 1991)に記述
されているので、ここでの説明は省略する。
【0067】RAM−DFEを本発明に応用する場合
は、図13に示すように識別器15の入力信号をテスタ
ー装置2に接続し、各ヘッド番号、シリンダ番号または
各エリア番号に対するRAM57の値をメモリ59に記
憶する。なお、符号58は当該メモリ59を制御するた
めのメモリ制御手段である。DFE8のテーブル値を学
習する際のシーケンサ20からの制御手順、データ再生
時の磁気ディスク装置の動作および制御手順はトランス
バーサルフィルタの場合と同じであり、重複する説明は
省略する。なお、図14のDFE6は図2に示したトラ
ンスバーサルフィルタでおきかえることも可能である。
この場合、回路を簡素化できる反面、読み出し信号の非
線形歪を除去できなくなる。この両者の選択は、読み出
し信号の非線形性によって決めるとよい。さらに、ここ
で述べたディシジョンフィードバックイコライザ以外の
等化方式、例えばリニアキャンセラー型の等化方式にも
本発明は応用できる。本発明において重要なのは、外部
から伝達特性を変えることができる特性可変の等化方式
を用いることであり、その等化方式には依存しない。よ
って、個々の等化方式へのこれ以上の応用例は省略す
る。
【0068】次に、トランスバーサルフィルタ3のタッ
プ係数を記憶するメモリ41の種類とインターフェイス
について説明する。すでに述べたようにメモリ41には
不揮発性メモリが適している。現在入手できる主な不揮
発性メモリにはバイポーラ型PROM(以後PROMと
する)、MOS型PROM(以後EPROMとする)、
EEPROMなどがある。これらの不揮発性メモリのい
ずれもメモリ41として用いることができるが、使用方
法、とくにデータを書き込む時に若干の違いがある。
【0069】メモリ41にPROMを使用した場合は、
データ書き込み時にデータ入力端子に大電流を流す必要
がある。例えば、富士通半導体デバイスデータシート1
991年版記載のPROM、MB2700シリーズの場
合、データ書き込み時に約125[mA]のパルスを加
える必要がある。HDC17は通常CMOSプロセスで
製造するが、このCMOSプロセスで大電流を流せる回
路を作製するのは困難である。そこで、図17に示すよ
うに、電流駆動能力の大きい専用のデータ書き込み回路
31を図3の第1の実施例における係数メモリ4に設け
る方法が考えられる。このような構成で安価なPROM
へのデータ書き込みを行うことができる。
【0070】〔第7の実施例〕また、図19に示すよう
に、図12の第5の実施例におけるテスター装置2に大
電流を駆動可能な書き込み回路31を設け、この書き込
み回路31からの書き込み信号S7によってメモリ41
にデータを書き込む構成も考えられる。この時の係数メ
モリ4の構成を図20に示す。この図に示すように、メ
モリ41へのアドレス信号、データ信号を外部からアク
セス可能とすることで、磁気ディスク装置1に専用の書
き込み手段31を設けることなく、安価なPROMへの
データ書き込みが可能になる。
【0071】また、メモリ41にEPROMを使用した
場合は、データ書き込み時にプログラム電源端子Vpp
に高い電圧を加える必要がある。例えば、富士通半導体
デバイスデータシート1991年版記載のEPROM、
MBM2764の場合、データ書き込み時のVpp端子
への供給電圧は+21[V]必要である。そこで、図1
8に示すように、データ書き込み時にはVpp端子への
供給電圧を切り換えるスイッチ43を設けるとよい。さ
らに、+21[V]の高い電圧の供給を磁気ディスク装
置1の外部から行えるような手段を設け、データ書き込
み時のみ高い電圧を供給するようにすると、磁気ディス
ク装置に常に高い電圧を供給する手段を設ける必要がな
く、回路規模を最小限とし、安価なEPROMをメモリ
として用いることができる。
【0072】また、メモリ41にEEPROMを用いた
場合は、HDC17から、通常のスタティックRAMと
同様にして、容易にデータ書き込みを行うことができ
る。よって、データ書き込み回路31などを新たに設け
る必要はなく図3に示した構成のままで本発明を実施す
ることができる。しかし、EEPROMを使用した場合
はメモリ41のコストが上昇するという問題がある。こ
のときのコスト上昇を最小限に抑えるためには、前述の
エリア定義をする際に、一つのエリアに含まれるトラッ
ク数を増やし、総メモリ容量を少なくすればよい。
【0073】また、メモリ41にフラッシュメモリを用
いた場合は、データ書き込み/消去時にプログラム電源
端子Vppに高い電圧を加える必要がある。またデータ
消去は、ブロック単位で行う必要がある。例えば、日立
ICメモリデータブック1(1991年版)に記載のフ
ラッシュメモリ、HN28F4001の場合、データ書
き込み/消去時のVpp=12[V]であり、データ消
去は最小で16Kバイト単位で行う。このうち、電源電
圧Vppについては、図18と同様の構成とし、データ
書き込み時のみ12[V]を供給すればよい。また、す
でに書き込んだタップ係数値を修正する場合など、デー
タ消去が必要な場合もプログラム電源Vpp=12
[V]に切り換えた後、データ消去を行い、これまでに
述べてきた手順にしたがい、改めてタップ係数値をメモ
リに書き込む。また、本発明で使用するメモリ41は、
平常時はROMとして用いるのでデータ消去機能は必要
ない。唯一、ディスク装置の修理を行ない、再度タップ
係数を設定する場合にメモリ41のデータ消去を行う。
この場合は、一旦すべてのデータを消去し、その後にす
べてのタップ係数を再設定すればよい。
【0074】さらに、データ書き込み信号のI/O端子
形態として次のものが考えられる。まず一つめは、各ア
ドレス信号、データ信号が独立した端子を持つパラレル
I/Oタイプである。この種のI/OのPROMやEP
ROMは入手が容易でかつ安価という利点がある。これ
に対し、各アドレス信号、データ信号の端子を共有する
シリアルI/Oタイプも適用できる。この場合は、パラ
レルI/Oタイプに比べてデータの入出力時間が長くな
るが、入出力端子の数が少なく、図19に示したよう
に、磁気ディスク装置1外部からデータ書き込みを行う
場合、コネクタ形状を小さくすることができ、回路基板
の小型化の際に有利となる。
【0075】さらに、図21に示すようにテスター装置
2にデータ書き込み回路31を設け、テスター装置2で
ソケット60に取り付けられたメモリ41にデータを書
き込み、図22に示すように、このメモリ41をそのま
ま係数メモリ4に取り付ける方法も考えられる。この方
法では、係数メモリ4にメモリ41を取り付けるための
ソケット54を備えればよく、データ書き込み回路31
やデータ書き込み用のコネクタを設ける必要はない。よ
って図21、図22の構成は磁気ディスク装置1の回路
基板面積を小さくするために非常に効果がある。
【0076】さらに、PROMは1度書き込んだデータ
の消去、訂正ができない。そのため、一度記憶したデー
タを修正する場合にはPROMを交換しなければならな
い。このPROM交換を容易にするため、図22に示す
ようにメモリ47をソケット54を用いて磁気ディスク
装置1に取り付けるとよい。この結果、安価なPROM
を用いた場合でも、容易に書き込みデータの修正を行う
ことができる。
【0077】また、メモリ41にEEPROMを用いた
場合は、HDC17からはSRAMと同様にして、容易
にデータ書き込みを行うことができる。よって、データ
書き込み回路31などを新たに設ける必要はない。すな
わち、すでに述べた図3に示した構成のままで本発明を
実施することができる。
【0078】これまでの説明では、本発明を磁気ディス
クに適応する場合について説明してきたが、本発明はデ
ィジタルデータ記録再生装置であればすべて応用するこ
とができる。ただし、光ディスクなど記録媒体の交換が
可能な記録再生装置の場合は、タップ係数をメモリに記
憶させる際に平均的な特性を持つ記録媒体を用いて適応
学習を行い、記録媒体の特性バラツキを考慮した装置設
計をする必要はある。
【0079】〔第8の実施例〕また、これまでの例では
タップ係数値をディジタルデータ記録再生装置内に備え
たメモリに記憶したが、これを記録媒体上に記録するこ
ともできる。磁気ディスク装置においてこのような構成
としたときの第8の実施例を以下に説明する。説明の都
合上、等化器のタップ係数値は複数のシリンダを一つに
まとめたエリアを単位に複数組あり、これらは記録媒体
上の決められたシリンダに記録されているものとする。
また、記録媒体上に記録されているタップ係数値は、各
エリアごとの最適なタップ係数値を第1の実施例等で説
明した手順によって求め、この値を通常のデータ書き込
み手順であらかじめ決められたシリンダに記録してい
る。このエリア毎のタップ係数値を記録したシリンダの
データ構造を、図25を用いて説明する。
【0080】図25において、円板状記録媒体としての
記録媒体110には、磁気ディスク装置が内部で使用す
るシステム領域がある。このシステム領域中には各エリ
アのタップ係数値を記録したシリンダ111がある。こ
のシリンダ111は複数のセクタに分割されている。こ
れらのセクタ中にエリア毎のタップ係数値を記録したセ
クタ112がある。エリア毎のタップ係数値のデータの
総量は、エリア数n、等化器のタップ数m、一つのタッ
プの係数の語長(ビット数i)により決定されるが、デ
ータ総量が多い場合はシリンダ111中の複数のセクタ
を用いて記録される。セクタ112は、通常のデータの
論理フォーマットと同一であり、ID部の始まりを示し
ID部を読むために必要な同期クロックを生成するため
のSYNC113、シリンダ番号、ヘッド番号、セクタ
番号等が記録されたID部114、データ書き込み時の
タイミングずれを吸収するGAP115、DATA部の
始まりを示しDATA部を読むために必要な同期クロッ
クを生成するためのSYNC116、エリア毎のタップ
係数値を記録したDATA部117、書き込み時のタイ
ミングずれを吸収するGAP118から基本的に構成さ
れている。このようなセクターフォーマットは、通常の
データ読み出しと同じ手順でデータ再生を行うことがで
きるので、タップ係数を読み出す際に、ハードディスク
コントローラ(HDC)において特別な処理を行う必要
はない。
【0081】このフォーマットで記録媒体上に記録され
た等化器のタップ係数値を読み取り、データ再生を行な
う信号処理回路の構成を、図26に示す。以下、図26
に従い、シリンダ111に記録された各エリア毎のタッ
プ係数値を読み取る際の信号処理の流れを説明する。な
お、各エリア毎のタップ係数値を読み取る処理は装置の
電源投入直後に一度だけ行えばよい。
【0082】磁気ディスク装置101において、磁気デ
ィスク110上にエリア毎のタップ係数値を記録したシ
リンダ111がある。このシリンダ111のデータを読
み取るための等化器のタップ係数値(以下、最初のタッ
プ係数値とする)は、シリンダ111のデータを読み取
る以前にその値を知る必要がある。最初のタップ係数値
は、シリンダ111の位置があらかじめ判っているの
で、平均的な記録再生特性をもつ磁気ディスク装置のシ
リンダ111の記録再生特性から最適のタップ係数値を
あらかじめ求めて、これを最初のタップ係数値とする。
この最初のタップ係数値は、ROM等の不揮発性メモリ
131に記憶しておく。マイクロプロセッサ(MPU)
129は、装置の電源投入時に最初のタップ係数値をメ
モリ131から読み出し、等化器125の対応する乗算
器に設定する。そして、記録媒体110にデータをリー
ド/ライトするヘッド122は、シリンダ111上にシ
ークされ、最初のタップ係数値を用いて、セクター11
2に記録されたエリア毎のタップ係数値を読み出す。ヘ
ッド122で読み出された信号は、リード/ライトアン
プ(R/Wアンプ)123で増幅され、オートゲインコ
ントロールアンプ(AGC)124でさらに増幅され、
等化器125で波形等化される。ここで等化器125の
伝達特性は、MPU129によって設定されるタップ係
数値により変更可能である。波形等化された信号は、識
別器126で‘1’または‘0’のバイナリデータに識
別され、変調/復調器(ENDEC)127で復号さ
れ、ハードディスクコントローラ(HDC)128にデ
ータが送られる。MPU129は、セクター112から
読み出された各エリア毎のタップ係数値のデータを受け
取り、一つのタップ係数の語長(ビット数i)ごとに区
切って、RAM等の揮発性メモリ130に順次格納する
(MPU129の処理手順については後述する)。以上
の手順で各エリアのタップ係数値をメモリ130に格納
する。
【0083】通常のデータリード時においては、まず、
MPU129が、読み出そうとするデータの含まれるエ
リアに対応するタップ係数値をメモリ130から読み出
し、このタップ係数値を等化器125の対応する乗算器
に設定する。その後、通常のリード処理に移る。このと
きのメモリ130から対象とするエリアのタップ係数を
選択して読み出す手順および通常のリード処理の手順は
第1の実施例に述べたものと同じである。
【0084】ここで、等化器125は、そのタップ係数
値の設定により伝達特性が変えられる特性可変フィルタ
であり、その構造は図2に示したものとほぼ同じでよ
い。ただし、図2の例ではディジタル構成のトランスバ
ーサルフィルタを示したが、図26の例ではアナログ構
成となる。ディジタル構成の場合とアナログ構成の場合
の大きな違いは、入力信号がディジタル値かアナログ値
かの違いであり、その入力信号に合わせて乗算器47、
49、51、遅延回路44、45、加算回路53の動作
がディジタルまたはアナログとなる。よって、両者の本
質的違いはないので、ここでは両者を特に区別しない。
【0085】次にHDC128で得られた各エリア毎の
タップ係数値のデータを、メモリ130に格納する際の
MPU129の処理手順を、図27を用いて説明する。
【0086】電源投入後、MPU129は最初のタップ
係数値を等化器125に設定するため、メモリ131に
記憶された最初のタップ係数値を読み出す(ステップ1
60)。そして読み出した最初の係数値を等化器125
に設定するため、各タップ番号とタップ係数値を対にし
て等化器125に送り、対応する乗算器の係数値を順々
に設定する(ステップ161)。これと並行して、HD
C128はスピンドルモータを制御して記録媒体110
を回転させ、またボイスコイルモータを制御してヘッド
122をエリア毎のタップ係数値が記録されているシリ
ンダ111上にシークさせる。シリンダ111上に記録
されたタップ係数値を再生した後、MPU129はHD
C128から送られてくるエリア毎のタップ係数値のデ
ータを受け取る(ステップ162)。MPU129は、
このデータを一つのタップ係数の語長(ビット数i)ご
とに区切り(ステップ163)、受け取った順にアドレ
スを割り振り、エリア毎のタップ係数値をメモリ130
に保持する(ステップ164)。
【0087】通常のデータリード時のMPU129の処
理手順を図28に示す。MPU129はホストコンピュ
ータからのリードすべきトラック・セクタ情報から、エ
リア番号を算出する(ステップ170)。なお、ホスト
コンピュータからのリードすべきトラック・セクタ情報
で指定されたトラック・セクタが不良であった場合、交
替トラック、交替セクタに目的のデータが記録されてい
る磁気ディスク装置もあるが、この場合は交替トラッ
ク、交替セクタのエリア番号を算出する。ここで、ステ
ップ170で算出したエリア番号が直前にリードしたデ
ータの記録されたエリア番号と同じ場合は、ステップ1
72、173の処理を省略し、ステップ174の処理を
行う(ステップ171)。その他の場合、MPU129
はメモリ130に、算出したエリア番号に対応したアド
レス値を渡し、メモリ130から出力されるタップ係数
値を受け取り(ステップ172)、このタップ係数値を
等化器125の対応するタップに順次設定する(ステッ
プ173)。従って、ステップ171の時点で、算出し
たエリア番号が直前にリードしたエリア番号と等しい場
合は、等化器125のタップ係数値を変更しないので、
処理時間の短縮が可能になる。これらのタップ係数値の
設定と、磁気ヘッドのシーク動作の両方の処理が終了
後、目的のデータのリードを行なう(ステップ17
4)。以上の処理手順により通常のセクタのデータをリ
ードすることができる。これらの一連の処理をデータリ
ードのたびに繰り返す。
【0088】この第8の実施例によれば、等化器125
に設定するタップ係数値を、そのディジタルデータ記録
再生装置の記録媒体に記録しておいても、このタップ係
数値を使用した信号処理を行なうことができる。また、
磁気ディスク装置が故障し、回路基板を取り替える必要
が生じた場合でも、各エリアのタップ係数値は記録媒体
上に記録されているので、再度最適なタップ係数値を求
め直す必要がない。さらに、各エリアのタップ係数値を
電源投入時に一度だけ読み取り、メモリに格納すること
で、データ再生時のタップ係数の設定時間を短くするこ
とができる。そしてヘッド・媒体ごとに各エリア毎のタ
ップ係数値を与えることができるので、データの読み取
り性能が向上し、装置としての信頼性が高まる。ただ
し、第8の実施例において、各エリア毎のタップ係数値
を読み取るための最初のタップ係数値は平均的な特性の
磁気ディスク装置の特性から求めた。よって、装置ごと
の特性バラツキによって読み取ったエリアごとのタップ
係数値の信頼性が低下する。最悪の場合でも、読み取っ
たエリアごとのタップ係数値の信頼性を確保するために
は、シリンダ111を記録媒体110上で最も信頼性の
高いシリンダ(一般的には最外周のシリンダ)に選ぶ。
【0089】〔第9の実施例〕また、次のようにして最
初のタップ係数値も装置ごとの記録再生特性のバラツキ
を考慮し、装置ごとに値を設定することもできる。この
方法を第9の実施例とする。このときのメモリ(RO
M)131は第1の実施例で述べたメモリ41と同様の
構造で、任意のデータを記録することができる不揮発性
メモリである。このメモリ131に設定する装置ごとの
最初のタップ係数値の求めかたおよびメモリ131への
書き込み手順は第1の実施例で説明した手順と全く同様
にして行うことができる。第1の実施例と第9の実施例
の違いは、第1の実施例では各エリアごとのタップ係数
値をメモリ41に記憶したのに対し、第9の実施例では
最初のタップ係数値のみをメモリ131に記憶する点で
ある。よって、第1の実施例の場合に比べて第9の実施
例ではメモリ131の容量が少なくてよい。また、この
最初のタップ係数値を、エリア毎のタップ係数値を読み
出す際に等化器に設定することで、各エリアのタップ係
数値データの読み取り性能が向上し、通常のデータを読
み取る際のデータの信頼性を更に高めることができる。
【0090】〔第10の実施例〕ところで、前述の第8
の実施例では、最初のタップ係数値を不揮発性メモリに
記録していたが、最初のタップ係数値とエリア毎のタッ
プ係数値を、記録媒体上の同一のシリンダに記録するこ
ともできる。この第10の実施例を以下に説明する。
【0091】第10の実施例におけるタップ係数を記録
するシリンダのデータフォーマットの構成例を、図29
に示す。図29において、最初のタップ係数値とエリア
毎のタップ係数値を記録したシリンダ180はシステム
領域にあり、複数のセクタに分割されている。最初のタ
ップ係数値はセクタ181のDATA部182に、エリ
ア毎のタップ係数値はセクタ183のDATA部184
に記録されている。これらのセクタのフォーマットは図
25で説明したものと全く同じであるので、説明は省略
する。ただし、セクタ181は再生波形の符号間干渉が
無視できる程度の低い記録密度で記録されている。
【0092】以上の様なフォーマットで記録された最初
のタップ係数値とエリア毎のタップ係数値を読み取り、
エリアごとのタップ係数値を用いて通常のデータ再生を
行なう信号処理回路の構成を図30に示す。図中、磁気
ディスク装置102の回路構成や各ブロックの機能は、
最初のタップ係数値を記録しておく不揮発性メモリ13
1がなくなったのを除いて、図26で示したものと全く
同じであるので、説明を省略する。
【0093】電源投入後は、等化器125にはタップ係
数を設定していないため、そのままではシリンダ180
上の最初のタップ係数値を読み取れないが、次に示すM
PU129の処理によりシリンダ180上の最初のタッ
プ係数値を読み取ることができる。この手順について、
図31を用いて説明する。
【0094】電源投入後、等化器125のタップ係数は
MPU129によってリセットされる。リセットとは、
例えば、中央のタップ係数(図2の例ではフリップフロ
ップ48に設定するタップ係数)のみ‘1’で、他のタ
ップ係数は‘0’とすることである。このようにタップ
係数を設定すると波形等化は事実上行われない。リセッ
トの方法としては、ハードウエアで実現する方法や、ソ
フトウエアで行う方法がありどちらの方法でもよいが、
本実施例ではソフトウエアで行うものとする(ステップ
190)。この後、またはこれと並列に、HDC128
はスピンドルモータを制御し、記録媒体110を回転さ
せ、また、ボイスコイルモータを制御し、ヘッド122
をシリンダ180上にシークする。さらに、R/Wアン
プ123、AGC124の信号帯域をセクタ181の記
録密度に合わせて変更する(ステップ191)。ヘッド
122のシーク終了後に、セクタ181に記録された最
初のタップ係数値を読み取る。セクタ183などの通常
のセクタは、波形等化を行わないと符号間干渉が大き
く、正しくデータを識別することができない。しかし、
セクタ181は符号間干渉が無視できる程度の低い記録
密度で記録しているため、波形等化を行わずに正しいデ
ータ識別を行うことができる。MPU129はHDC1
28から送られてくる最初のタップ係数値を受け取り
(ステップ192)、このデータを一つのタップ係数の
語長(ビット数i)ごとに区切り、等化器125のそれ
ぞれの乗算器に順々に設定する(ステップ193)。そ
の後、R/Wアンプ123、AGC124の信号帯域を
通常の記録密度に合わせて変更する(ステップ19
4)。HDC128はエリア毎のタップ係数値が記録さ
れたセクタ183を読み取り、MPU129はHDC1
28から送られてくるエリア毎のタップ係数値のデータ
を受け取り(ステップ195)、このデータを一つのタ
ップ係数の語長ごとに区切り、データを受け取った順に
アドレスを割り振り、RAM等の揮発性メモリ130に
格納する(ステップ196)。この後の通常のデータリ
ード時のMPU129での処理手順は、図28で示した
ものと同じであるので説明を省略する。
【0095】この第10の実施例によれば、最初のタッ
プ係数値を記録媒体上に記録しておいても、この最初の
タップ係数値を読み出すことができるので、メモリ13
1を削減することができる。また、この場合の最初のタ
ップ係数値も、装置ごとの記録再生特性のバラツキを考
慮して設定することができるので、上述の効果と同様
に、装置の信頼性を更に高めることができる。
【0096】また第8、9、10の実施例において、各
エリアごとのタップ係数値を記録するシリンダは、符号
間干渉が少ない外周側のシリンダに記録して読み取り誤
りを低減し、読み取ったタップ係数値の信頼性を高める
ことによって装置の信頼性がより高まる。
【0097】〔第11の実施例〕ところで、第8、9、
10の実施例において、通常のデータ再生のためにエリ
ア毎のタップ係数値を記憶するための揮発性メモリ13
0(RAM)が必要である。ここで、エリア数の増大に
伴い、RAM130の容量の増加が問題になる。そこで
RAM130の容量低減のため、各エリア内の1セクタ
にそのエリアを読み取るためのタップ係数値を記録して
おき、通常のデータリード時には該セクタのタップ係数
値を読み取り、等化器125のに設定した後、データの
読み取りを行なう方法も考えられる。この方法を第11
の実施例とする。この例では、全エリアのタップ係数値
を記憶しておく揮発性メモリ130(RAM)を削減す
ることができる。このときのタップ係数を記録するシリ
ンダのフォーマット構造を図32に示す。
【0098】図32において、シリンダ200は複数の
セクタに分割されて記録されており、このシリンダを含
むエリアを読み取るためのタップ係数値は同じシリンダ
200のセクタ201に記録されている。このセクタ2
01は第10の実施例で示したように、符号間干渉が無
視できる程度に低い記録密度で記録されている。その他
のセクタ204は通常の記録密度で一般のデータが記録
されている。これらのセクタのフォーマットは図25で
説明したものと全く同じであるので、説明は省略する。
【0099】この様なフォーマットで記録されたタップ
係数値を読み取り、通常のデータ再生を行なう信号処理
回路構成を図33に示す。図中、磁気ディスク装置10
3の回路構成は、一度読み出したエリア毎のタップ係数
値を記憶しておくための揮発性メモリ130(RAM)
と、最初のタップ係数値を記憶しておくための不揮発性
メモリ131がないのを除いて、図26で示したものと
全く同じであるので、説明を省略する。
【0100】シリンダのフォーマットが図32に示した
フォーマットである場合、シリンダ200上のデータを
読み取るためには、このシリンダに対応したタップ係数
値をまず求めなけばならない。このMPU129の処理
手順について、図34を使って説明する。
【0101】データリード時において、MPU129は
ホストコンピュータからのリードすべきトラック・セク
タ情報から、目的とするデータが含まれるエリアの番号
を算出する(ステップ210)。これと並列に、HDC
128はボイスコイルモータを制御し、ヘッド122を
目的とするデータが記録されたシリンダ200上に導
く。ここで、ステップ210で算出したエリア番号が、
その直前にリードしたデータのエリア番号と等しい場合
は、等化器125へのタップ係数の設定を省略する(ス
テップ211)。その他の場合は、MPU129は等化
器125のタップ係数を図31で説明した場合と同様
に、リセットする(ステップ212)。そして、セクタ
ー201の記録密度に合わせてR/Wアンプ123、A
GCアンプ124の信号帯域を変更する(ステップ21
3)。その後、MPU129はHDC128から送られ
てくるセクター201に記録されたタップ係数値のデー
タを受け取り、このデータを一つのタップ係数ごとに区
切り、等化器125の対応する乗算器にそれぞれの係数
値を設定する(ステップ214)。次に、R/Wアンプ
123、AGCアンプ124の信号帯域を通常の記録密
度に合わせてもとに戻す(ステップ215)。この後に
目的とするデータの再生を行う(ステップ216)。こ
れらの一連の処理を新しいデータが必要になるたびに繰
り返せば良い。
【0102】この第11の実施例では、データリードを
行う際に、目的とするデータの記録されたシリンダのエ
リア番号が、直前にリードしたデータのエリア番号と変
わるたびに、記録媒体からタップ係数値を読み取り、等
化器125の乗算器に設定するので、第8ないし第10
の実施例にくらべてデータリード時の応答時間が多くか
かるものの、エリア毎のタップ係数値をそのエリア内の
一つのセクタに記録しているので、エリア毎のタップ係
数値を格納しておく揮発性メモリ(RAM)が削減でき
る。応答時間を向上する手段としては、タップ係数値を
一つのエリア内の複数のセクタに記録しておけば良く、
記録容量は下がるが応答時間を短縮できる。さらに、第
11の実施例の場合、各エリア毎に少なくとも1セクタ
づつタップ係数値を記録しておく領域が必要であり、ユ
ーザの記録できる容量が低下してしまうが、HDC12
8の処理を変えて、タップ係数値を記録するセクタ20
1のセクタ長を短くすることで、ユーザが記録できる記
録容量の低下を抑えることができる。
【0103】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、上述
のように構成された本発明によれば、以下のような効果
がある。
【0104】請求項1記載の発明によれば、ディジタル
データ記録再生装置の外部から任意の情報を当該装置内
の記憶手段に記憶させることができるので、等化器の回
路規模が小さく、少ない消費電力で記録再生特性のバラ
ツキを補償することができる。
【0105】請求項2記載の発明によれば、分離および
接続する手段によって記憶手段をディジタルデータ記録
再生装置から任意に接続したり分離したりすることがで
きるので、記憶手段の書き込みを他の装置によって行
い、当該記録再生装置本体に接続して使用することが可
能になり、これによって等化器の回路規模が小さく、少
ない消費電力で記録再生特性のバラツキを補償すること
ができる。
【0106】請求項3記載の発明によれば、接続手段に
よってディジタルデータ記録再生装置に他の機器を接続
して情報の送受信を行い、受信した情報を当該記録再生
装置内の記憶手段に記憶させることができるので、等化
のための回路構成を簡単にすることができ、これにより
等化器の回路規模が小さく、少ない消費電力で記録再生
特性のバラツキを補償することができる。
【0107】請求項4記載の発明によれば、信号変換選
択手段によって記録媒体上の位置情報を受信し、記憶手
段に記憶された設定情報を選択して特性可変フィルタに
設定できるので、等化器の回路規模が小さく、少ない消
費電力で記録再生特性のバラツキを補償することができ
る。
【0108】請求項5および請求項6記載の発明によれ
ば、すべてのヘッド番号とシリンダ番号の組み合わせに
対して最適な等化特性を設定する必要がなくなるので、
メモリ容量を少なくすることができ、これにより等化器
の回路規模が小さく、少ない消費電力で記録再生特性の
バラツキを補償することができる。
【0109】請求項7記載の発明によれば、ディジタル
データ記録再生装置の外部から特性可変フィルタに設定
する設定情報を当該装置内の記憶手段に記憶させること
ができるので、ディジタルデータ記録再生装置の内部に
最適の伝達特性を求める手段を備える必要がなくなり、
これにより等化器の回路規模が小さく、少ない消費電力
で記録再生特性のバラツキを補償することができる。
【0110】請求項8記載の発明によれば、接続手段に
よって複数の機器を接続してディジタルデータ記録再生
装置を制御することができるので、それぞれに制御手段
を設けなくともよくなり、これによって当該記録再生装
置の回路規模を小さくし、消費電力の増加を防ぐことが
できる。
【0111】請求項9記載の発明によれば、電源電圧を
切り換える手段を備えているので、EPROMのように
書き込み時に高い電圧を加える必要があるものを記憶手
段として使用することが可能になる。
【0112】請求項10記載の発明によれば、特性可変
フィルタの入力信号をディジタルデータ記録装置の外部
に出力する出力手段を備えているので、外部装置で出力
手段から出力される信号を受けてフィルタの伝達特性を
設定し、この設定された伝達特性によって当該記録再生
装置の特性可変フィルタの伝達特性の調整を行うことが
可能となり、これによって等化器の回路規模が小さく、
少ない消費電力で記録再生特性のバラツキを補償するこ
とができる。
【0113】請求項11記載の発明によれば、ディジタ
ルデータ装置からの出力信号によって当該記録再生装置
外に設けた適応等化器で適応学習を行わせ、適応学習結
果を当該記録再生装置内の記憶装置に記憶させて特性可
変フィルタの伝達特性を調整できるので、当該記録再生
装置内に適応等化のための手段を備える必要がなくな
り、これによって回路規模を小さく、少ない消費電力で
記録再生特性のバラツキを補償することができる。
【0114】請求項12記載の発明によれば、記録再生
回路に記憶された第2のフィルタの設定値を用いて、記
録媒体に記録された第1のフィルタの設定値を再生し、
第1のフィルタの設定値を用いてデータ再生を行うこと
ができるので、第1のフィルタの設定値を記憶するため
の記憶手段を削減することができる。また、記録再生装
置が故障し、回路基板を取り替える必要が生じた場合で
も、第1のフィルタの設定値は記録媒体に書き込まれて
いるので、再度フィルタの設定値を求め直す必要はな
く、故障の場合の取扱が簡単になる。
【0115】請求項13記載の発明によれば、電源投入
時に第2のフィルタの設定値を記憶手段から読み出して
等化器に設定するので、一旦、電源を投入すれば再度第
2のフィルタの設定値を読み出すことなくデータの再生
が可能になる。
【0116】請求項14記載の発明によれば、波形等化
をせずに第2のフィルタの設定値を再生し、この第2の
フィルタの設定値を用いて第1のフィルタの設定値を再
生することができるので、第2のフィルタの設定値を記
憶するための記憶手段を削減することができる。
【0117】請求項15記載の発明によれば、波形等化
せずに第1のフィルタの設定値を再生し、この第1のフ
ィルタの設定値を用いてデータ再生を行うことができる
ので、第1のフィルタの設定値を一時的に記憶するため
の記憶手段が不要になり、回路規模の削減を図ることが
できる。
【0118】請求項16記載の発明によれば、記録再生
回路に記憶された第3のフィルタの設定値を用いて第2
のフィルタの設定値を記録媒体から読み出し、第2のフ
ィルタの設定値を用いて第1のフィルタの設定値を記録
媒体から読み出すので、第1および第2のフィルタの設
定値を一時的に記憶するための記憶手段が不要になり、
回路規模の削減を図ることができる。
【0119】請求項17記載の発明によれば、第3のフ
ィルタの設定値は電源投入時に読み出されて等化器に設
定されるので、再度第3のフィルタの設定値を読み出す
ことなくデータの再生が可能になる。
【0120】請求項18記載の発明によれば、記録再生
回路に記憶された第2のフィルタの設定値を用いて記録
媒体に記録された第1のフィルタの設定値を再生し、第
1のフィルタの設定値を用いてデータの再生を行うが、
その第1のフィルタの設定値は全シリンダに書き込まれ
ているので、記憶手段の容量を削減することができると
ともに、データ再生時の信頼性を向上させることができ
る。また、記録再生装置が故障し、回路基板を取り替え
る必要が生じた場合でも、各シリンダ毎の第1のフィル
タの設定値が記録媒体に書き込まれているので、再度フ
ィルタの設定値を求め直す必要はなく、故障の場合の取
扱が簡単になる。
【0121】請求項19記載の発明によれば、第2のフ
ィルタの設定値が電源投入時もしくはデータの読み出し
時に読み出されて等化器に設定されるので、一度読み出
した設定値を再度読み出すことなくデータの再生が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る磁気ディスク装置
及びテスター装置のブロック図である。
【図2】第1の実施例に係るタップ係数可変のトランス
バーサルフィルタを示すブロック図である。
【図3】第1の実施例に係る係数メモリの構造を示すブ
ロック図である。
【図4】係数メモリのメモリデータの例を示す説明図で
ある。
【図5】係数メモリのメモリデータの他の例を示す説明
図である。
【図6】記録媒体のエリア分割方法を示す説明図であ
る。
【図7】エリア分割位置を決める手順を示すフローチャ
ートである。
【図8】テスター装置の構造を示す他の実施例を示すブ
ロック図である。
【図9】第2の実施例に係る磁気ディスク装置及びテス
ター装置のブロック図である。
【図10】第3の実施例に係る磁気ディスク装置及びテ
スター装置のブロック図である。
【図11】第4の実施例に係る磁気ディスク装置及びテ
スター装置のブロック図である。
【図12】第5の実施例に係る磁気ディスク装置及びテ
スター装置のブロック図である。
【図13】第6の実施例に係る磁気ディスク装置及びテ
スター装置のブロック図である。
【図14】第6の実施例におけるDFEの内部構造を示
すブロック図である。
【図15】第6の実施例におけるテーブルメモリの内部
構造を示す図である。
【図16】図15におけるテーブルメモリのデータを示
す説明図である。
【図17】PROMを用いた係数メモリの一実施例を示
すブロック図である。
【図18】EPROMを用いた係数メモリの一実施例を
示すブロック図である。
【図19】第7の実施例に係る磁気ディスク装置及びテ
スター装置の第7のブロック図である。
【図20】PROMを用いた係数メモリの他の実施例を
示すブロック図である。
【図21】メモリへの書き込み機能を持つテスター装置
の例を示すブロック図である。
【図22】メモリの交換可能な係数メモリの構造を示す
ブロック図である。
【図23】HDCとシーケンサを接続する制御信号の例
を示す説明図である。
【図24】制御信号のタイミングを示すタイミングチャ
ートである。
【図25】第8の実施例に係るデータの記録フォーマッ
トを示す説明図である。
【図26】第8の実施例に係る信号処理回路を示すブロ
ック図である。
【図27】第8の実施例での電源投入時のMPUの処理
手順を示すフローチャートである。
【図28】第8の実施例での通常のデータリード時のM
PUの処理手順を示すフローチャートである。
【図29】第10の実施例に係るデータの記録フォーマ
ットを示す図である。
【図30】第10の実施例に係る記録再生回路を示すブ
ロック図である。
【図31】第10の実施例に係る電源投入時のMPUの
処理手順を示すフローチャートである。
【図32】第11の実施例に係るデータの記録フォーマ
ットを示す説明図である。
【図33】第11の実施例に係る信号処理回路を示すブ
ロック図である。
【図34】第11の実施例に係るデータリード時のMP
Uの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 磁気ディスク装置 2 テスター装置 3 等化器 4 係数メモリ 5 適応等化器 6,8 DFE 7 テーブルメモリ 10 記録媒体 11 VCM制御部 12 R/Wアンプ部 13,26 PLL部 14,21 アナログ/ディジタル変換器(ADC) 15,18 識別器 16 変調/復調回路部 17 ハードディスクコントラー部(HDC) 19 係数更新部 20 シーケンサ部 22,23 R/Wアンプ制御部・PLL制御部 24,25 切り換えスイッチ 27,28,30,53 加算回路 29 テーブル更新部 31 データ書き込み回路 40,58 メモリ制御手段 41,59 メモリ 43 切り換えスイッチ 44,45 遅延回路 46,48,50 フリップフロップ 47,49,51 乗算器 52 デコーダ 54,60 ソケット 56 シフトレジスタ 57 RAM 110 記録媒体 111、180、200 シリンダ 113、116 SYNC 114 ID部 115、118 GAP 117、182、184、202 DATA部 122 ヘッド 123 R/Wアンプ 124 AGC 125 等化器 126 識別器 127 ENDEC 128 HDC 129 MPU 130 RAM等の揮発性メモリ 131 ROM等の不揮発性メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 直喜 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 石田 嘉輝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マイクロエレクトロニク ス機器開発研究所内 (72)発明者 岩渕 一則 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マイクロエレクトロニク ス機器開発研究所内 (72)発明者 白石 和久 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 平野 章彦 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マイクロエレクトロニク ス機器開発研究所内 (72)発明者 宮沢 章一 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マイクロエレクトロニク ス機器開発研究所内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルタ外部からの設定でその伝達特性
    を調整することができる特性可変フィルタと、該特性可
    変フィルタに設定する設定情報を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された設定情報を前記特性可変フィル
    タに設定する設定手段とを有するディジタルデータ記録
    再生装置において、前記ディジタルデータ記録再生装置
    の外部から任意の情報を前記記憶手段に記憶させる手段
    を備えていることを特徴とするディジタルデータ記録再
    生装置。
  2. 【請求項2】 フィルタ外部からの設定でその伝達特性
    を調整することができる特性可変フィルタと、該特性可
    変フィルタに設定する設定情報を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された設定情報を前記特性可変フィル
    タに設定する設定手段とを有するディジタルデータ記録
    再生装置において、前記記憶手段を前記ディジタルデー
    タ記録再生装置から分離および接続する手段を備えてい
    ることを特徴とするディジタルデータ記録再生装置。
  3. 【請求項3】 フィルタ外部からの設定でその伝達特性
    を調整することができる特性可変フィルタと、該特性可
    変フィルタに設定する設定情報を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された設定情報を前記特性可変フィル
    タに設定する設定手段とを有するディジタルデータ記録
    再生装置において、該ディジタルデータ記録再生装置と
    他の機器を接続して情報の送受信を行うための接続手段
    と、該接続手段で受信した情報を前記記憶手段に記憶さ
    せる手段とを備えていることを特徴とするディジタルデ
    ータ記録再生装置。
  4. 【請求項4】 フィルタ外部からの設定でその伝達特性
    を調整することができる特性可変フィルタと、該特性可
    変フィルタに設定する設定情報を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された設定情報を前記特性可変フィル
    タに設定する設定手段と、目的とするデータが記録され
    ている記録媒体上の位置情報を出力する手段とを有する
    ディジタルデータ記録再生装置において、前記位置情報
    を受信し、前記記憶手段に記憶された設定情報を選択し
    て前記特性可変フィルタに設定するための選択信号を出
    力する信号変換手段を備えていることを特徴とするディ
    ジタルデータ記録再生装置。
  5. 【請求項5】 信号変換手段が、複数の異なる位置情報
    の入力に対して同一の選択信号を出力するように設定さ
    れていることを特徴とする請求項4記載のディジタルデ
    ータ記録再生装置。
  6. 【請求項6】 信号変換手段が、特性可変フィルタの出
    力信号の等化誤差の平均値が一定値以下になるように選
    択信号を出力するように設定されていることを特徴とす
    る請求項4または5のいずれかに記載のディジタルデー
    タ記録再生装置。
  7. 【請求項7】 フィルタ外部からの設定でその伝達特性
    を調整することができる特性可変フィルタと、該特性可
    変フィルタに設定する設定情報を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された設定情報を前記特性可変フィル
    タに設定する設定手段とを有するディジタルデータ記録
    再生装置において、前記ディジタルデータ記録再生装置
    の外部から前記特性可変フィルタに設定する設定情報を
    前記記憶手段に記憶させる手段を備えていることを特徴
    とするディジタルデータ記録再生装置。
  8. 【請求項8】 ディジタルデータ記録再生装置に他の機
    器を接続して、ディジタルデータ記録再生装置の制御を
    行うための接続手段を少なくとも二つ以上有することを
    特徴とする請求項1、2、3、4および7のいずれか1
    に記載のディジタルデータ記録再生装置。
  9. 【請求項9】 記憶手段に供給する電源電圧を切り換え
    る手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1、
    2、3、4および7のいずれか1に記載のディジタルデ
    ータ記録再生装置。
  10. 【請求項10】 特性可変フィルタの入力信号を前記デ
    ィジタルデータ記録再生装置の外部に出力するための出
    力手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1、
    2、3、4および7のいずれか1に記載のディジタルデ
    ータ記録再生装置。
  11. 【請求項11】 出力手段に接続された適応等化器で適
    応学習を行わせ、この適応学習結果をディジタルデータ
    記録再生装置内の記憶手段に記憶させるようにして特性
    可変フィルタの伝達特性を調整することを特徴とする請
    求項10記載のディジタルデータ記録再生装置。
  12. 【請求項12】 フィルタに設定する値によってその伝
    達特性を変えることができる特性可変フィルタを記録再
    生回路に備えたディジタルデータ記録再生装置におい
    て、記録されたデータを再生する際に使用する第1のフ
    ィルタの設定値は該ディジタルデータ記録再生装置の記
    録媒体に書き込まれ、第1のフィルタの設定値を読み出
    すために調整された第2のフィルタの設定値は前記記録
    再生回路の記憶手段に記憶させておくとともに、前記調
    整された第2のフィルタの設定値が、平均的な記録再生
    特性を有する該ディジタルデータ記録再生装置の第1の
    フィルタの設定値が記録されたシリンダ位置の記録再生
    特性からあらかじめ求められた最適の設定値、または該
    ディジタルデータ記録再生装置の特性のバラツキを考慮
    しないであらかじめ求められた設定のいずれかからなる
    ことを特徴とするディジタルデータ記録再生装置。
  13. 【請求項13】 電源投入時に上記記憶手段から第2の
    フィルタの設定値を等化器に設定する設定手段をさらに
    備えていることを特徴とする請求項12記載のディジタ
    ルデータ記録再生装置。
  14. 【請求項14】 フィルタに設定する値によってその伝
    達特性を変えることができる特性可変フィルタを記録再
    生回路に備えたディジタルデータ記録再生装置におい
    て、記録されたデータを再生する際に使用する第1のフ
    ィルタの設定値とこの第1のフィルタ設定値を読み出す
    ための第2のフィルタの設定値は該ディジタルデータ記
    録再生装置の記録媒体に書き込まれ、かつ第2のフィル
    タの設定値は波形等化をすることなくデータ再生できる
    程度に記録密度を下げて書き込まれていることを特徴と
    するディジタルデータ記録再生装置。
  15. 【請求項15】 フィルタに設定する値によってその伝
    達特性を変えることができる特性可変フィルタを記録再
    生回路に備えたディジタルデータ記録再生装置におい
    て、記録されたデータを再生する際に使用する第1のフ
    ィルタの設定値は該ディジタルデータ記録再生装置の記
    録媒体に書き込まれ、かつ第1のフィルタの設定値は波
    形等化をすることなくデータ再生できる程度に記録密度
    を下げて書き込まれていることを特徴とするディジタル
    データ記録再生装置。
  16. 【請求項16】 フィルタに設定する値によってその伝
    達特性を変えることができる特性可変フィルタを記録再
    生回路に備えたディジタルデータ記録再生装置におい
    て、記録されたデータを再生するために使用される第1
    のフィルタの設定値と第1のフィルタの設定値を読み出
    すための第2のフィルタの設定値は記録媒体上に書き込
    まれ、等化器のフィルタを初期化し、第2のフィルタの
    設定値を記録媒体より読み出すための第3のフィルタの
    設定値は記録再生回路の記憶手段に記憶させておくこと
    を特徴とするディジタルデータ記録再生装置。
  17. 【請求項17】 電源投入時にまず前記記憶手段から第
    3のフィルタの設定値を等化器に設定し、次に記録媒体
    より読み出した第2のフィルタの設定値を等化器に設定
    する設定手段をさらに備えていることを特徴とする請求
    項16記載のディジタルデータ記録再生装置。
  18. 【請求項18】 フィルタに設定する値によってその伝
    達特性を変えることができる特性可変フィルタを記録再
    生回路に備えたディジタルデータ記録再生装置におい
    て、記録されたデータを再生する際に使用する第1のフ
    ィルタの設定値は記録媒体上の全シリンダの少なくとも
    1つのセクタに書き込まれ、等化器のフィルタを初期化
    し、第1のフィルタの設定値を各々のシリンダより読み
    出すための第2のフィルタの設定値は記録再生回路の記
    憶手段に記憶させておくことを特徴とするディジタルデ
    ータ記録再生装置。
  19. 【請求項19】 電源投入時、もしくはデータ読み出し
    時に、前記記憶手段から第2のフィルタの設定値を等化
    器に設定する設定手段をさらに備えていることを特徴と
    する請求項18記載のディジタルデータ記録再生装置。
JP14066193A 1992-07-17 1993-06-11 ディジタルデータ記録再生装置 Pending JPH0684114A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007265551A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Mitsubishi Electric Corp 光ディスク、光ディスク記録再生装置及び方法
JP2008021369A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Tdk Corp 光記録媒体の再生方法、光記録媒体、光記録媒体の再生装置

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