JPH068325B2 - マルトシル−サイクロデキストリン類の分離方法 - Google Patents
マルトシル−サイクロデキストリン類の分離方法Info
- Publication number
- JPH068325B2 JPH068325B2 JP30156386A JP30156386A JPH068325B2 JP H068325 B2 JPH068325 B2 JP H068325B2 JP 30156386 A JP30156386 A JP 30156386A JP 30156386 A JP30156386 A JP 30156386A JP H068325 B2 JPH068325 B2 JP H068325B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cyclodextrin
- maltosyl
- cyclodextrins
- elution
- separating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はマルトシル−サイクロデキストリン類の分離精
製方法に関し、更に詳細にはマルトシル−サイクロデキ
ストリン類、サイクロデキストリンおよびオリゴ糖類を
含む糖液を化学修飾されたシリカ担体に吸着させ、つい
で吸着されたサイクロデキストリン類を温水を用いて分
別溶出させ、マルトシル−サイクロデキストリン類とサ
イクロデキストリンを分離することからなる、マルトシ
ル−サイクロデキストリン類の分離方法に関する。
製方法に関し、更に詳細にはマルトシル−サイクロデキ
ストリン類、サイクロデキストリンおよびオリゴ糖類を
含む糖液を化学修飾されたシリカ担体に吸着させ、つい
で吸着されたサイクロデキストリン類を温水を用いて分
別溶出させ、マルトシル−サイクロデキストリン類とサ
イクロデキストリンを分離することからなる、マルトシ
ル−サイクロデキストリン類の分離方法に関する。
[従来の技術] サイクロデキストリンは、デンプン又はデンプン分解物
にバチルス・マセランス(Bacillus macerans)等の微
生物が生産するサイクロデキストリン生産酵素を作用さ
せて得られる分解生成物で、その包接作用を利用して食
品、医薬品、化粧品等の分野で幅広い用途が期待されて
いるものである。なかでも、サイクロデキストリンの母
核にマルトース等の分枝が結合した、いわゆる分岐サイ
クロデキストリンは、水への溶解製が著しく高いことか
ら、上記分野のみならず、一般工業分野等で更に広い応
用が期待されている。
にバチルス・マセランス(Bacillus macerans)等の微
生物が生産するサイクロデキストリン生産酵素を作用さ
せて得られる分解生成物で、その包接作用を利用して食
品、医薬品、化粧品等の分野で幅広い用途が期待されて
いるものである。なかでも、サイクロデキストリンの母
核にマルトース等の分枝が結合した、いわゆる分岐サイ
クロデキストリンは、水への溶解製が著しく高いことか
ら、上記分野のみならず、一般工業分野等で更に広い応
用が期待されている。
このような背景から、最近、マルトシル−サイクロデキ
ストリン類の工業的な製造法を開発する努力が各方面で
行われている。しかしながら、これらマルトシル−サイ
クロデキストリン類はデンプンまたはデンプン分解物か
ら酵素の作用によって直接製造されるか又はサイクロデ
キストリンとオリゴ糖に酵素を作用させることにより製
造されるため、その生成液中には多量の直鎖あるいは分
岐オリゴ糖および非分岐のサイクロデキストリンが混在
している。そのため、それら糖液中よりマルトシル−サ
イクロデキストリン類のみを分離採取することが極めて
困難であることから、未だマルトシル−サイクロデキス
トリン類含量の高い精製品の工業的製造に成功していな
いのが実状である。
ストリン類の工業的な製造法を開発する努力が各方面で
行われている。しかしながら、これらマルトシル−サイ
クロデキストリン類はデンプンまたはデンプン分解物か
ら酵素の作用によって直接製造されるか又はサイクロデ
キストリンとオリゴ糖に酵素を作用させることにより製
造されるため、その生成液中には多量の直鎖あるいは分
岐オリゴ糖および非分岐のサイクロデキストリンが混在
している。そのため、それら糖液中よりマルトシル−サ
イクロデキストリン類のみを分離採取することが極めて
困難であることから、未だマルトシル−サイクロデキス
トリン類含量の高い精製品の工業的製造に成功していな
いのが実状である。
これまでに知られているサイクロデキストリン類の精製
方法の代表的なものは次のものである。
方法の代表的なものは次のものである。
糖液にアセトン等の有機溶媒を加えてサイクロデキス
トリンを沈澱させる方法(特公昭52−8385)。
トリンを沈澱させる方法(特公昭52−8385)。
陰イオン交換樹脂を用いて精製する方法(特公昭46
−9223号)。
−9223号)。
多孔性ポリマーからなる疎水性の合成吸着樹脂を用い
る方法(特開昭56−805号)。
る方法(特開昭56−805号)。
強酸性イオン交換樹脂のアルカリ金属塩で分画する方
法(特開昭57−30702号)。
法(特開昭57−30702号)。
しかしながら、これらの方法はサイクロデキストリン類
を他のオリゴ糖、デキストリン等から分離する場合に
は、ある程度の効果が認められるが、これを工業的に利
用するには効果が不十分である上に、サイクロデキスト
リンと分岐サイクロデキストリンの分離には殆ど使用で
きないという欠点がある。
を他のオリゴ糖、デキストリン等から分離する場合に
は、ある程度の効果が認められるが、これを工業的に利
用するには効果が不十分である上に、サイクロデキスト
リンと分岐サイクロデキストリンの分離には殆ど使用で
きないという欠点がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者等は、このような実状を考慮し、効率が良くか
つ実用的なサイクロデキストリンの分離方法を見出だす
べく研究を重ねた結果、化学修飾されたシリカ担体がサ
イクロデキストリンのみを選択的に吸着することを見出
だし、これを利用してオリゴ糖類とサイクロデキストリ
ン類を分離することに成功し、「サイクロデキストリン
類の精製方法」として先に特許出願した。
つ実用的なサイクロデキストリンの分離方法を見出だす
べく研究を重ねた結果、化学修飾されたシリカ担体がサ
イクロデキストリンのみを選択的に吸着することを見出
だし、これを利用してオリゴ糖類とサイクロデキストリ
ン類を分離することに成功し、「サイクロデキストリン
類の精製方法」として先に特許出願した。
しかしながら、この方法はサイクロデキストリン類の溶
出に通常80゜C以上の熱水を使用しているために各種の
サイクロデキストリンが殆ど同時に溶出されるので、サ
イクロデキストリン類と他の糖類との分離は可能であっ
てもサイクロデキストリン相互の分離、特にサイクロデ
キストリンと分岐サイクロデキストリンとの分離が実質
的に不可能という欠点がある。
出に通常80゜C以上の熱水を使用しているために各種の
サイクロデキストリンが殆ど同時に溶出されるので、サ
イクロデキストリン類と他の糖類との分離は可能であっ
てもサイクロデキストリン相互の分離、特にサイクロデ
キストリンと分岐サイクロデキストリンとの分離が実質
的に不可能という欠点がある。
本発明者等は、サイクロデキストリンの精製品を得る方
法について種々研究を重ねた結果、化学修飾シリカ担体
に吸着されたサイクロデキストリン類を約20゜C以上の
温水で溶出すると、サイクロデキストリンの種類によっ
て溶出速度にかなりの差を生ずることを発見した。
法について種々研究を重ねた結果、化学修飾シリカ担体
に吸着されたサイクロデキストリン類を約20゜C以上の
温水で溶出すると、サイクロデキストリンの種類によっ
て溶出速度にかなりの差を生ずることを発見した。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記のごとき新知見に基づいて完成されたもの
で、マルトシル−サイクロデキストリン類、サイクロデ
キストリンおよびオリゴ糖類を含む糖液を化学修飾され
たシリカ担体に接触させて、サイクロデキストリン類を
当該シリカ担体に吸着させ、ついで吸着されたサイクロ
デキストリン類を約20−80゜Cの温水を用いて分別溶
出させ、マルトシル−サイクロデキストリン類とサイク
ロデキストリンを分離することからなるマルトシル−サ
イクロデキストリン類の分離方法である。
で、マルトシル−サイクロデキストリン類、サイクロデ
キストリンおよびオリゴ糖類を含む糖液を化学修飾され
たシリカ担体に接触させて、サイクロデキストリン類を
当該シリカ担体に吸着させ、ついで吸着されたサイクロ
デキストリン類を約20−80゜Cの温水を用いて分別溶
出させ、マルトシル−サイクロデキストリン類とサイク
ロデキストリンを分離することからなるマルトシル−サ
イクロデキストリン類の分離方法である。
本発明の方法に使用される化学修飾シリカ担体は、シリ
カゲルのシラノール基がC8−C18の直鎖アルキルシリ
ル基で置換された構造を有するものである。特に好まし
いのはシリカ担体の炭素含有率が7−20%になるよう
にC18の直鎖アルキルシリル基で置換されているもので
ある。また、当該シリカゲル(オクタデシルシリル基で
置換されたシリカゲル)の残存シラノール基を更にトリ
メチルシリル基で置換(エンドキャッピング)したも
の、更には前記オクタデシルシリル基の代わりにオクチ
ルシリル基で置換された構造を有するものも使用するこ
とが可能である。
カゲルのシラノール基がC8−C18の直鎖アルキルシリ
ル基で置換された構造を有するものである。特に好まし
いのはシリカ担体の炭素含有率が7−20%になるよう
にC18の直鎖アルキルシリル基で置換されているもので
ある。また、当該シリカゲル(オクタデシルシリル基で
置換されたシリカゲル)の残存シラノール基を更にトリ
メチルシリル基で置換(エンドキャッピング)したも
の、更には前記オクタデシルシリル基の代わりにオクチ
ルシリル基で置換された構造を有するものも使用するこ
とが可能である。
これらの化学修飾シリカ担体は、シリカゲルにアルキル
クロロシランを反応させ、更に所望により、当該反応生
成物にトリメチルクロロシランを反応させることにより
製造することができる。しかしながら、このような化学
修飾シリカ担体は既にプレパラティブ−C18(ウォー
ターズ社製品)、YMC−ODS−ALL、YMC−G
EL−C8(以上、山村化学研究所製品)等の商品名で
市販されているので、それらを適宜購入して使用するの
が便利である。
クロロシランを反応させ、更に所望により、当該反応生
成物にトリメチルクロロシランを反応させることにより
製造することができる。しかしながら、このような化学
修飾シリカ担体は既にプレパラティブ−C18(ウォー
ターズ社製品)、YMC−ODS−ALL、YMC−G
EL−C8(以上、山村化学研究所製品)等の商品名で
市販されているので、それらを適宜購入して使用するの
が便利である。
本発明によれば、糖液と化学修飾シリカ担体との接触は
種々の形で行うことができる。最も好ましい方法はこれ
らのシリカ担体を充填したカラムに糖液を流下させる方
法であるが、その他に糖液中にシリカ担体を加えて混合
する方法も用いることが可能である。
種々の形で行うことができる。最も好ましい方法はこれ
らのシリカ担体を充填したカラムに糖液を流下させる方
法であるが、その他に糖液中にシリカ担体を加えて混合
する方法も用いることが可能である。
化学修飾シリカ担体に接触させる糖液中には、マルトシ
ル−サイクロデキストリン類および非分岐のサイクロデ
キストリンのほか、他の糖類が単独もしくは2種以上共
存していてもよく、またサイクロデキストリン類として
は、マルトシル基が数個、分枝として結合したマルトシ
ル−サイクロデキストリン類および非分岐のサイクロデ
キストリン類がどのような比率で含まれていても差し支
えない。これら糖液中のマルトシル−サイクロデキスト
リン類の含量は1%以下の低含量でもよく、またサイク
ロデキストリン類の吸着を阻害しない限り、糖液中に酵
素等が含まれていても差し支えない。シリカ担体に接触
させる糖液の濃度は、上記のいずれの方法においても1
%以下の低濃度から60%以上の高濃度迄、極めて広い
範囲で使用することができる。
ル−サイクロデキストリン類および非分岐のサイクロデ
キストリンのほか、他の糖類が単独もしくは2種以上共
存していてもよく、またサイクロデキストリン類として
は、マルトシル基が数個、分枝として結合したマルトシ
ル−サイクロデキストリン類および非分岐のサイクロデ
キストリン類がどのような比率で含まれていても差し支
えない。これら糖液中のマルトシル−サイクロデキスト
リン類の含量は1%以下の低含量でもよく、またサイク
ロデキストリン類の吸着を阻害しない限り、糖液中に酵
素等が含まれていても差し支えない。シリカ担体に接触
させる糖液の濃度は、上記のいずれの方法においても1
%以下の低濃度から60%以上の高濃度迄、極めて広い
範囲で使用することができる。
本発明によれば、化学修飾シリカ担体に吸着されたサイ
クロデキストリン類の溶出は次のようにして行われる。
まず、必要により、化学修飾シリカ担体を所定量(担体
容積の2−3倍量)の水で水洗してオリゴ糖類を除去す
る。次に、溶出液の温度を20−80゜Cの間で連続的に
上昇させてサイクロデキストリン類を分別溶出する。
クロデキストリン類の溶出は次のようにして行われる。
まず、必要により、化学修飾シリカ担体を所定量(担体
容積の2−3倍量)の水で水洗してオリゴ糖類を除去す
る。次に、溶出液の温度を20−80゜Cの間で連続的に
上昇させてサイクロデキストリン類を分別溶出する。
本発明によれば、化学修飾シリカ担体に吸着されたサイ
クロデキストリン類は温水を使用することによってマル
トシルの分枝を有するものが速く溶出され、分枝を持た
ないサイクロデキストリン類は遅れて溶出される。この
ように、本発明の分別溶出では20−80゜Cの温度によ
り殆どのサイクロデキストリン類が溶出されるが、更に
必要に応じて80゜C以上の熱水によりカラム内に残留す
るサイクロデキストリンを溶出されることもできる。
クロデキストリン類は温水を使用することによってマル
トシルの分枝を有するものが速く溶出され、分枝を持た
ないサイクロデキストリン類は遅れて溶出される。この
ように、本発明の分別溶出では20−80゜Cの温度によ
り殆どのサイクロデキストリン類が溶出されるが、更に
必要に応じて80゜C以上の熱水によりカラム内に残留す
るサイクロデキストリンを溶出されることもできる。
また、本発明においては、上述のように溶出液(温水)
の温度を20−80゜Cの間で連続的に上昇させて溶出を
行う、いわゆるグラディエント溶出のほか、溶出液の温
度を20−80゜Cの間で段階的に上昇させて溶出を行う
方法を用いることも可能である。尚、溶出液の温度を段
階的に上昇させる溶出方法においては、化学修飾シリカ
担体からのサイクロデキストリン類の溶出の速さが用い
られる化学修飾シリカ担体の種類によっても多少異なる
ため、使用する担体に応じて温水の温度を10−20゜C
程度高くもしくは低くする必要がある。従って、この溶
出方法に於いては、上記の点を考慮しながら、原料液中
のサイクロデキストリン組成に合わせて溶出液(温水)
の温度を適宜調節して、好ましい溶出パターンの得られ
るようにすることが必要である。
の温度を20−80゜Cの間で連続的に上昇させて溶出を
行う、いわゆるグラディエント溶出のほか、溶出液の温
度を20−80゜Cの間で段階的に上昇させて溶出を行う
方法を用いることも可能である。尚、溶出液の温度を段
階的に上昇させる溶出方法においては、化学修飾シリカ
担体からのサイクロデキストリン類の溶出の速さが用い
られる化学修飾シリカ担体の種類によっても多少異なる
ため、使用する担体に応じて温水の温度を10−20゜C
程度高くもしくは低くする必要がある。従って、この溶
出方法に於いては、上記の点を考慮しながら、原料液中
のサイクロデキストリン組成に合わせて溶出液(温水)
の温度を適宜調節して、好ましい溶出パターンの得られ
るようにすることが必要である。
溶出に使用される溶出液の量は、通常、化学修飾シリカ
担体の容積の数十倍量である。
担体の容積の数十倍量である。
本発明においては、溶出液の通液速度は分離効率には殆
ど影響なく、任意の速度で行うことができるが、通常は
作業の効率等を考慮してSV=3−30の範囲が選ばれ
る。
ど影響なく、任意の速度で行うことができるが、通常は
作業の効率等を考慮してSV=3−30の範囲が選ばれ
る。
カラムからの溶出液は溶出順にフラクションコレクター
に分取する。上記のように温水による溶出では、マルト
シル−サイクロデキストリン類が早く溶出され、非分岐
のサイクロデキストリン類は遅れて溶出されてくるの
で、各フラクションコクレターに補集された溶出液のサ
イクロデキストリン組成をHPLC等により確認して、
それぞれ同一成分ごとに集め、濃縮し、更に必要に応じ
て、乾燥し粉末とすることができる。また、大量処理の
場合、分取装置により、RI検出器を用いたピーク分画
または溶出液量による分画によっても同様な分画・分取
が可能である。
に分取する。上記のように温水による溶出では、マルト
シル−サイクロデキストリン類が早く溶出され、非分岐
のサイクロデキストリン類は遅れて溶出されてくるの
で、各フラクションコクレターに補集された溶出液のサ
イクロデキストリン組成をHPLC等により確認して、
それぞれ同一成分ごとに集め、濃縮し、更に必要に応じ
て、乾燥し粉末とすることができる。また、大量処理の
場合、分取装置により、RI検出器を用いたピーク分画
または溶出液量による分画によっても同様な分画・分取
が可能である。
また、このようにして分離されたサイクロデキストリン
類について、上記の吸着・分離溶出の操作を反復実施す
れば、更に高純度のマルトシル−サイクロデキストリン
類を得ることが可能である。
類について、上記の吸着・分離溶出の操作を反復実施す
れば、更に高純度のマルトシル−サイクロデキストリン
類を得ることが可能である。
[発明の効果] 本発明によれば、有機溶媒を使用することなくマルトシ
ル−サイクロデキストリン類と非分岐のサイクロデキス
トリンを効率よく分離できるだけでなく、極めて高純度
のマルトシル−サイクロデキストリン類を得ることがで
きるという特徴がある。従って、本発明はマルトシル−
サイクロデキストリン類の工業生産を行う上で極めて有
用である。
ル−サイクロデキストリン類と非分岐のサイクロデキス
トリンを効率よく分離できるだけでなく、極めて高純度
のマルトシル−サイクロデキストリン類を得ることがで
きるという特徴がある。従って、本発明はマルトシル−
サイクロデキストリン類の工業生産を行う上で極めて有
用である。
[実施例] 次に実施例を示し、本発明を更に詳細かつ具体的に説明
する。
する。
実施例1 マルトシル−α−サイクロデキストリンを含むサイクロ
デキストリン類とオリゴ糖類の混合溶液(Bx.21.5%、
組成:分岐α−サイクロデキストリン19.9%、α−サイ
クロデキストリン21.7%、マルトース等のオリゴ糖類5
8.4%)17gをオクタデシルシリル(ODS)担体のカ
ラム(径2.0cm×長さ6.0cm、担体量8g)上に負荷す
る。次いで、水48mlをSV=10でカラムに通液し
て、共存するオリゴ糖類を溶出除去する。
デキストリン類とオリゴ糖類の混合溶液(Bx.21.5%、
組成:分岐α−サイクロデキストリン19.9%、α−サイ
クロデキストリン21.7%、マルトース等のオリゴ糖類5
8.4%)17gをオクタデシルシリル(ODS)担体のカ
ラム(径2.0cm×長さ6.0cm、担体量8g)上に負荷す
る。次いで、水48mlをSV=10でカラムに通液し
て、共存するオリゴ糖類を溶出除去する。
次に、同速度で通液しながらカラム溶出温度を60゜C付
近まで徐々に上昇(平均昇温速度0.4℃/min)させ、担
体に吸着されたサイクロデキストリン類を溶出させる
(溶出液は2.7mlごとにフラクションコレクターで分取
する。)。
近まで徐々に上昇(平均昇温速度0.4℃/min)させ、担
体に吸着されたサイクロデキストリン類を溶出させる
(溶出液は2.7mlごとにフラクションコレクターで分取
する。)。
上記により分取した各フラクションの糖組成をHPLC
で確認し、糖組成に応じてこれら各フラクションを分岐
α−サイクロデキストリンを主成分とする画分(P
1)、分岐α−サイクロデキストリンとα−サイクロデ
キストリンの混合画分(P2)、α−サイクロデキスト
リンの画分(P3)に分けた後、それぞれの画分を集
め、濃縮、乾固して3種類の粉末を得た。各粉末の収量
およびサイクロデキストリン組成を第1表に示す。
で確認し、糖組成に応じてこれら各フラクションを分岐
α−サイクロデキストリンを主成分とする画分(P
1)、分岐α−サイクロデキストリンとα−サイクロデ
キストリンの混合画分(P2)、α−サイクロデキスト
リンの画分(P3)に分けた後、それぞれの画分を集
め、濃縮、乾固して3種類の粉末を得た。各粉末の収量
およびサイクロデキストリン組成を第1表に示す。
実施例2 マルトシル−β−サイクロデキストリンを含むサイクロ
デキストリン類とオリゴ糖類の混合溶液(Bx.5.0%、組
成:分岐β−サイクロデキストリン45.0%、β−サイク
ロデキストリン14.9%、マルトース糖のオリゴ糖類40.1
%)22.5gをオクタデシルシリル(ODS)担体のカラ
ム(径2.0cm×長さ6.0cm、担体量8g)上に負荷する。
次いで、水89mlをSV=20でカラムに通液して、共
存するオリゴ糖類を溶出除去する。
デキストリン類とオリゴ糖類の混合溶液(Bx.5.0%、組
成:分岐β−サイクロデキストリン45.0%、β−サイク
ロデキストリン14.9%、マルトース糖のオリゴ糖類40.1
%)22.5gをオクタデシルシリル(ODS)担体のカラ
ム(径2.0cm×長さ6.0cm、担体量8g)上に負荷する。
次いで、水89mlをSV=20でカラムに通液して、共
存するオリゴ糖類を溶出除去する。
次に、同速度で通液しながらカラム溶出温度を80゜C付
近まで徐々に上昇(平均昇温速度0.85℃/min)させ、
担体に吸着されたサイクロデキストリン類を溶出させる
(溶出液は4.05mlごとにフラクションコレクターで分取
する。)。
近まで徐々に上昇(平均昇温速度0.85℃/min)させ、
担体に吸着されたサイクロデキストリン類を溶出させる
(溶出液は4.05mlごとにフラクションコレクターで分取
する。)。
上記により分取した各フラクションの糖組成をHPLC
で確認し、第1図の溶出パターンを得た(図中、の曲
線はマルトシル−β−サイクロデキストリンを示し、
の曲線はジマルトシル−β−サイクロデキストリンを示
し、の曲線はβ−サイクロデキストリンを示し、の
曲線は溶出液のカラム通過温度を示す。)。
で確認し、第1図の溶出パターンを得た(図中、の曲
線はマルトシル−β−サイクロデキストリンを示し、
の曲線はジマルトシル−β−サイクロデキストリンを示
し、の曲線はβ−サイクロデキストリンを示し、の
曲線は溶出液のカラム通過温度を示す。)。
次に、これら各フラクションをサイクロデキストリン組
成に応じて分岐β−サイクロデキストリンを主成分とす
る画分(P1)、分岐β−サイクロデキストリンとβ−
サイクロデキストリンの混合画分(P2)に分けた後、
それぞれの画分ごとに濃縮、乾固して2種類の粉末を得
た。各粉末の収量およびサイクロデキストリン組成を第
2表に示す。
成に応じて分岐β−サイクロデキストリンを主成分とす
る画分(P1)、分岐β−サイクロデキストリンとβ−
サイクロデキストリンの混合画分(P2)に分けた後、
それぞれの画分ごとに濃縮、乾固して2種類の粉末を得
た。各粉末の収量およびサイクロデキストリン組成を第
2表に示す。
第1図は実施例2で得られたサイクロデキストリン類の
溶出パターンを示す曲線図である。
溶出パターンを示す曲線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】マルトシル−サイクロデキストリン類、サ
イクロデキストリンおよびオリゴ糖類を含む糖液を化学
修飾シリカ担体に接触させて、液中のサイクロデキスト
リン類を当該シリカ担体に吸着させ、ついで吸着された
サイクロデキストリン類を温水により分別溶出させ、マ
ルトシル−サイクロデキストリン類とサイクロデキスト
リンを分離することを特徴とするマルトシル−サイクロ
デキストリン類の分離方法。 - 【請求項2】温水による分別溶出を溶出液の温度を段階
的もしくは連続的に上昇させて行うことを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載のマルトシル−サイクロデキス
トリン類の分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30156386A JPH068325B2 (ja) | 1986-12-19 | 1986-12-19 | マルトシル−サイクロデキストリン類の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30156386A JPH068325B2 (ja) | 1986-12-19 | 1986-12-19 | マルトシル−サイクロデキストリン類の分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63154703A JPS63154703A (ja) | 1988-06-28 |
JPH068325B2 true JPH068325B2 (ja) | 1994-02-02 |
Family
ID=17898445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30156386A Expired - Lifetime JPH068325B2 (ja) | 1986-12-19 | 1986-12-19 | マルトシル−サイクロデキストリン類の分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH068325B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5007967A (en) * | 1988-08-15 | 1991-04-16 | American Maize-Products Company | Separation and purification of branched beta cyclodextrins |
-
1986
- 1986-12-19 JP JP30156386A patent/JPH068325B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63154703A (ja) | 1988-06-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4138287A (en) | Purifying and isolating method for hepatitis virus to use in preparing vaccine | |
EP0220719B1 (en) | Cyclodextrin absorbing material and its use | |
GB2199037A (en) | Separation and purification of cyclodextrins | |
EP0382836B1 (en) | Fractionation of branched beta cyclodextrins | |
EP2028487B1 (en) | Filler for optical isomer separation | |
US4904306A (en) | Separation and purification of gamma cyclodextrin | |
EP1331214A1 (en) | Packing material for separation of optical isomer and method of separating optical isomer with the same | |
JPH068325B2 (ja) | マルトシル−サイクロデキストリン類の分離方法 | |
Sutthivaiyakit et al. | Immobilization of 5-methylene-2-(2′-thiazolylazo)-anisole on silica and its application in preconcentration of palladium | |
FI78319B (fi) | Staerkelsehydrolys. | |
Wafer et al. | Purification of S-oxynitrilase from Sorghum bicolor by immobilized metal ion affinity chromatography on different carrier materials | |
JPH0623205B2 (ja) | マルトシル−サイクロデキストリン類の分離精製方法 | |
JPH066602B2 (ja) | グルコシル−サイクロデキストリン類の分離精製法 | |
JP2003532874A (ja) | 糖含有実体の分離 | |
JPH068324B2 (ja) | サイクロデキストリン類の相互分離方法 | |
JPH0623206B2 (ja) | サイクロデキストリン類の相互分離法 | |
JPH068326B2 (ja) | グルコシル−サイクロデキストリンの分離精製方法 | |
Sada | Engineering aspects of bioaffinity separation | |
JPH0662883A (ja) | 内分岐大環状サイクロデキストリンを含む大環状サイクロデキストリン混合物の製造方法 | |
Güzeltunç et al. | Recovery of actinorhodin from fermentation broth | |
JPS633002A (ja) | サイクロデキストリン類の精製方法 | |
JP2778975B2 (ja) | マルトシル―サイクロデキストリンの製造方法 | |
JP2700423B2 (ja) | グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法 | |
JPS62262991A (ja) | 3−オキソ−5β−ステロイド−Δ↑4−デヒドロゲナ−ゼの単離精製法 | |
del Valle et al. | Separation of asparaginase and trypsin by affinity chromatography combined with batchwise adsorption and columnwise desorption |