JPH0681137A - 表面硬化処理法 - Google Patents
表面硬化処理法Info
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- JPH0681137A JPH0681137A JP36082491A JP36082491A JPH0681137A JP H0681137 A JPH0681137 A JP H0681137A JP 36082491 A JP36082491 A JP 36082491A JP 36082491 A JP36082491 A JP 36082491A JP H0681137 A JPH0681137 A JP H0681137A
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- coating
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、金属素材表面の耐食性・耐摩耗等の改質に於
いて、被覆する合金めっきの熱硬化処理とプラズマエッ
チング処理、ドライコーティングを同一真空槽の中で連
続的に行う事によって、合金めっき表面の活性度を著し
く向上させ、従来に優る密着性を得、高耐食・高硬度な
金属素材を提供するもの。 【目的】比較的軟質な金属素材を表面処理する事にて、
非常に耐食性のある高硬度・耐摩耗材料に改質すること
により、寿命を大幅に長めまた高機能を発揮させる素材
にする事により、生産性を著しく高める事ができる。 【構成】熱硬化性の合金被覆がされた金属素材と、合金
被覆された金属素材を、熱発生を伴う真空ドライコーテ
ィング及びプラズマ処理にて熱硬化と硬質薄膜の被覆を
する事にて改質する。これらの処理を一連の真空槽の中
で行う事により構成されることを特徴としている。
いて、被覆する合金めっきの熱硬化処理とプラズマエッ
チング処理、ドライコーティングを同一真空槽の中で連
続的に行う事によって、合金めっき表面の活性度を著し
く向上させ、従来に優る密着性を得、高耐食・高硬度な
金属素材を提供するもの。 【目的】比較的軟質な金属素材を表面処理する事にて、
非常に耐食性のある高硬度・耐摩耗材料に改質すること
により、寿命を大幅に長めまた高機能を発揮させる素材
にする事により、生産性を著しく高める事ができる。 【構成】熱硬化性の合金被覆がされた金属素材と、合金
被覆された金属素材を、熱発生を伴う真空ドライコーテ
ィング及びプラズマ処理にて熱硬化と硬質薄膜の被覆を
する事にて改質する。これらの処理を一連の真空槽の中
で行う事により構成されることを特徴としている。
Description
【産業上の利用分野】本発明は、低硬度金属材料の表面
硬化処理方法に関するものであり、機械部品、金属及び
プラスチックスの成型金型などの耐久性向上に関するも
のである。
硬化処理方法に関するものであり、機械部品、金属及び
プラスチックスの成型金型などの耐久性向上に関するも
のである。
【従来の技術】従来、機械部品及び金型など耐久性を要
求される金属材料は、焼き入れ、浸炭、窒化など拡散処
理や熱処理または無電解めっき、硬質クロムめっきによ
って表面改質し耐食性・硬度を向上させ使用してきた。
また比較的新しい技術として、イオンプレーティング
法、スパッタリング法などの被覆によって高硬度なTi
NやTiC等のセラミックスの被覆など実施し使用され
てきた。
求される金属材料は、焼き入れ、浸炭、窒化など拡散処
理や熱処理または無電解めっき、硬質クロムめっきによ
って表面改質し耐食性・硬度を向上させ使用してきた。
また比較的新しい技術として、イオンプレーティング
法、スパッタリング法などの被覆によって高硬度なTi
NやTiC等のセラミックスの被覆など実施し使用され
てきた。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
精度の高い金属部品等は熱処理での変形を避け、表面の
改質を要求する様になって来た。それ故、硬度の非常に
高い被覆が可能なドライコーティングを用いる機会が増
えてきているが、ドライコーティングにおいても下地金
属の硬度が低い場合、有効に働かず、短期間で失効して
しまう場合が多い。それ故使用金属材料の選択に於いて
あらかじめ高硬度が得られる材料を用いて設計する必要
があり、材料に於ける自由度が狭められていた。
精度の高い金属部品等は熱処理での変形を避け、表面の
改質を要求する様になって来た。それ故、硬度の非常に
高い被覆が可能なドライコーティングを用いる機会が増
えてきているが、ドライコーティングにおいても下地金
属の硬度が低い場合、有効に働かず、短期間で失効して
しまう場合が多い。それ故使用金属材料の選択に於いて
あらかじめ高硬度が得られる材料を用いて設計する必要
があり、材料に於ける自由度が狭められていた。
【問題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記問題点を解決するために、金属素材に合金めっきを被
覆し、さらに合金めっき処理物の熱硬化処理及びプラズ
マ処理、ドライコーティングを同一真空処理槽内で連続
して行う事により、下地金属に2層の高硬度被覆を形成
し、高硬度・耐摩耗性に優れた表面が形成できる事を見
いだし、本発明は完成した。即ち、本発明の方法は、合
金めっきの熱硬化処理とプラズマエッチング処理、ドラ
イコーティングを同一真空槽の中で連続的に行う事によ
って、合金めっき表面の活性度を著しく向上させ、従来
に優る高密着性を得、さらにより高硬度なセラミックス
被覆をする事によってなされた。以上、上記発明につい
てより詳細に説明する。機械部品や金型など一般的に用
いられる金属素材として、機械構造用炭素鋼、炭素工具
鋼、合金工具鋼、クロムモリブデン鋼、アルミニウム合
金、銅合金等があげられ、金属素材表面は、一般的には
トリクレン、トリフロン、トリクロロエタン、等の有機
溶剤またはアルカリ洗浄剤等の水性洗浄剤を用いて油脂
類の除去を行い、表面を活性化し、表面が完全に水濡れ
状態である事を必要とする。次に合金めっきを被覆す
る、合金めっきとしてはニッケル・リン合金めっき、ニ
ッケル・ホウ素合金めっき、コバルト・リン、コバルト
・ニッケル・リン合金めっき、ニッケル・タングステ
ン、ニッケル・モリブデン合金めっき等が用いられる。
適度な硬度を得るために、めっき膜厚は1〜50ミクロ
ンメーター必要で望ましくは20〜30ミクロンメータ
ーである。1ミクロンメーター以下ではほとんど目的と
する硬度は得られなく、50ミクロンメーター以上の膜
厚を得るためには、長時間を要し、経済的に問題。つい
でめっき被覆した金属素材をドライコーティング真空槽
の中にセットし、プラズマ洗浄・プラズマエッチングを
行う事により、めっき被覆表面の酸化膜等の不活性膜を
洗浄除去、活性化する。導入するガスはアルゴン、6フ
ッ化硫黄、3フッ化窒素、4フッ化炭素等一般的なもの
でよく、ガス圧は2×10↑−3〜2×10↑−1で−
300〜−800ボルトの直流陰極引加または13.5
6MHz商用高周波電流を引加する事にて行う。ついで
ドライコーティングにて約2ミクロンメーターのセラミ
ックスコーティングを被覆する。ドライコーティングの
方法は周知のイオンプレーティング、スパッタリング、
プラズマCVDのいずれの方法でも良いが、望ましくは
イオンプレーティングが被覆速度、被覆温度の調整のし
易さ点でよい。イオンプレーティング装置は神港精機株
式会社製のアーク放電型イオンプレーティング装置を用
いた。またスパッタリング装置は徳田製作所製マグネト
ロンスパッタ装置を用いた。イオンプレーティング条件
は真空度5×10↑−3〜5×10↑−5Torrにな
るように窒素ガスまたはアセチレンガスを導入し、チタ
ン金属を電子ビームにて蒸発、イオン化電極に40〜5
0ボルトの正電圧を加えイオン化する。蒸発ルツボと被
処理物の間に0〜−1000ボルトの電圧を印加しイオ
ンプレーティングする。イオン化電流及びイオン加速電
圧は被処理物の大きさ、形状及び素材の材質によって調
整する。処理に従って昇温する故、加速電圧、イオン化
電流を調整し、下地金属材料及び合金めっき層の硬化温
度に適するようコントロールする。膜厚は1〜10ミク
ロンメーター程度まで被覆可能であるが、1ミクロンメ
ーター以下ではその効果が顕著に現れず、10ミクロン
メーター以上では経済的に不合理であり、また10ミク
ロンメーター以上の被覆によってもそれ以上の効果は期
待できない。
記問題点を解決するために、金属素材に合金めっきを被
覆し、さらに合金めっき処理物の熱硬化処理及びプラズ
マ処理、ドライコーティングを同一真空処理槽内で連続
して行う事により、下地金属に2層の高硬度被覆を形成
し、高硬度・耐摩耗性に優れた表面が形成できる事を見
いだし、本発明は完成した。即ち、本発明の方法は、合
金めっきの熱硬化処理とプラズマエッチング処理、ドラ
イコーティングを同一真空槽の中で連続的に行う事によ
って、合金めっき表面の活性度を著しく向上させ、従来
に優る高密着性を得、さらにより高硬度なセラミックス
被覆をする事によってなされた。以上、上記発明につい
てより詳細に説明する。機械部品や金型など一般的に用
いられる金属素材として、機械構造用炭素鋼、炭素工具
鋼、合金工具鋼、クロムモリブデン鋼、アルミニウム合
金、銅合金等があげられ、金属素材表面は、一般的には
トリクレン、トリフロン、トリクロロエタン、等の有機
溶剤またはアルカリ洗浄剤等の水性洗浄剤を用いて油脂
類の除去を行い、表面を活性化し、表面が完全に水濡れ
状態である事を必要とする。次に合金めっきを被覆す
る、合金めっきとしてはニッケル・リン合金めっき、ニ
ッケル・ホウ素合金めっき、コバルト・リン、コバルト
・ニッケル・リン合金めっき、ニッケル・タングステ
ン、ニッケル・モリブデン合金めっき等が用いられる。
適度な硬度を得るために、めっき膜厚は1〜50ミクロ
ンメーター必要で望ましくは20〜30ミクロンメータ
ーである。1ミクロンメーター以下ではほとんど目的と
する硬度は得られなく、50ミクロンメーター以上の膜
厚を得るためには、長時間を要し、経済的に問題。つい
でめっき被覆した金属素材をドライコーティング真空槽
の中にセットし、プラズマ洗浄・プラズマエッチングを
行う事により、めっき被覆表面の酸化膜等の不活性膜を
洗浄除去、活性化する。導入するガスはアルゴン、6フ
ッ化硫黄、3フッ化窒素、4フッ化炭素等一般的なもの
でよく、ガス圧は2×10↑−3〜2×10↑−1で−
300〜−800ボルトの直流陰極引加または13.5
6MHz商用高周波電流を引加する事にて行う。ついで
ドライコーティングにて約2ミクロンメーターのセラミ
ックスコーティングを被覆する。ドライコーティングの
方法は周知のイオンプレーティング、スパッタリング、
プラズマCVDのいずれの方法でも良いが、望ましくは
イオンプレーティングが被覆速度、被覆温度の調整のし
易さ点でよい。イオンプレーティング装置は神港精機株
式会社製のアーク放電型イオンプレーティング装置を用
いた。またスパッタリング装置は徳田製作所製マグネト
ロンスパッタ装置を用いた。イオンプレーティング条件
は真空度5×10↑−3〜5×10↑−5Torrにな
るように窒素ガスまたはアセチレンガスを導入し、チタ
ン金属を電子ビームにて蒸発、イオン化電極に40〜5
0ボルトの正電圧を加えイオン化する。蒸発ルツボと被
処理物の間に0〜−1000ボルトの電圧を印加しイオ
ンプレーティングする。イオン化電流及びイオン加速電
圧は被処理物の大きさ、形状及び素材の材質によって調
整する。処理に従って昇温する故、加速電圧、イオン化
電流を調整し、下地金属材料及び合金めっき層の硬化温
度に適するようコントロールする。膜厚は1〜10ミク
ロンメーター程度まで被覆可能であるが、1ミクロンメ
ーター以下ではその効果が顕著に現れず、10ミクロン
メーター以上では経済的に不合理であり、また10ミク
ロンメーター以上の被覆によってもそれ以上の効果は期
待できない。
【作用】比較的硬度が低い金属素材に於いて、熱硬化性
のある合金を被覆し、さらに真空中でドライコーティン
グによって高硬度のセラミックスを被覆するが、その処
理に於ける副次的な熱を第一層に被覆した合金めっきの
硬化に用い、さらにプラズマに接触させる事により、合
金めっき表面の活性化を図り、続けてセラミックスの被
覆をする、この一連の処理をドライコーティングの真空
チャンバーのなかで連続的に行う事によって、高密着性
の高硬度被覆が可能となる。結果的には低硬度金属素材
Hv10〜200程度の上に、熱硬化合金めっき層Hv
400〜900が接着し、さらにHv1500〜300
0のセラミックス層が被覆する硬度緩衝構造を形成する
事によって効果が形成されるものと考えられる。
のある合金を被覆し、さらに真空中でドライコーティン
グによって高硬度のセラミックスを被覆するが、その処
理に於ける副次的な熱を第一層に被覆した合金めっきの
硬化に用い、さらにプラズマに接触させる事により、合
金めっき表面の活性化を図り、続けてセラミックスの被
覆をする、この一連の処理をドライコーティングの真空
チャンバーのなかで連続的に行う事によって、高密着性
の高硬度被覆が可能となる。結果的には低硬度金属素材
Hv10〜200程度の上に、熱硬化合金めっき層Hv
400〜900が接着し、さらにHv1500〜300
0のセラミックス層が被覆する硬度緩衝構造を形成する
事によって効果が形成されるものと考えられる。
【実施例1】炭素工具鋼鋼材で作成されたゴム成型金型
をもちいて、無電解ニッケル・リン合金めっきを周知の
方法で25μm被覆した。さらにめっき処理後の金型を
イオンプレーティング装置に装着、10↑−6Torr
の真空に保った後アルゴンガスを導入し2×10↑−2
Torrに保ち、金型に−600ボルトの電圧を印加
し、イオンボンバードにてプラズマクリーニング処理を
行い表面を活性化した。さらにその上に窒素ガスを5×
10↑−4Torr導入、印加電圧−150ボルトにて
反応性イオンプレーティング法によって窒化チタンを2
μm被覆した。この金型を用いて非被覆金型との成型比
較試験を行った。試験に用いた樹脂は以下の組成のもの
である。 ニトリルブタジエンラバー 100.0 酸化亜鉛 10.0 ステアリン酸 1.0 カーボンブラック 40.0 ハードクレー 15.0 ジオクチルフタレート 30.0 老化防止剤RD 5.0 ロジン 5.0 促進剤 CM 1.0 促進剤 TT 1.5 加硫剤 R 1.5 イオウ 0.2 加硫条件は、180℃ 7分にておこなった。金型に腐
食孔が起こり、成型品の離型性が悪くなるまでの成型個
数にて比較した。 無処理型 200個 合金めっき被覆せずTiNコートのみした物 600個 本発明の複合被覆した物 3600個 結果において明らかなように、本発明による被覆金型を
用いれば、従来品に比べ著しく耐久性が優れ、生産性が
向上することが分かる。なお上記配合中の老化防止剤R
Dは2,2,4トリメチル1,2ジハイドロキノリン。
促進剤CMはN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル
サルフエンアミド。促進剤TTはテトラメチルチウラム
ジサルファイド。加硫剤Rは4,4−ジチオジモルホリ
ンを表している。
をもちいて、無電解ニッケル・リン合金めっきを周知の
方法で25μm被覆した。さらにめっき処理後の金型を
イオンプレーティング装置に装着、10↑−6Torr
の真空に保った後アルゴンガスを導入し2×10↑−2
Torrに保ち、金型に−600ボルトの電圧を印加
し、イオンボンバードにてプラズマクリーニング処理を
行い表面を活性化した。さらにその上に窒素ガスを5×
10↑−4Torr導入、印加電圧−150ボルトにて
反応性イオンプレーティング法によって窒化チタンを2
μm被覆した。この金型を用いて非被覆金型との成型比
較試験を行った。試験に用いた樹脂は以下の組成のもの
である。 ニトリルブタジエンラバー 100.0 酸化亜鉛 10.0 ステアリン酸 1.0 カーボンブラック 40.0 ハードクレー 15.0 ジオクチルフタレート 30.0 老化防止剤RD 5.0 ロジン 5.0 促進剤 CM 1.0 促進剤 TT 1.5 加硫剤 R 1.5 イオウ 0.2 加硫条件は、180℃ 7分にておこなった。金型に腐
食孔が起こり、成型品の離型性が悪くなるまでの成型個
数にて比較した。 無処理型 200個 合金めっき被覆せずTiNコートのみした物 600個 本発明の複合被覆した物 3600個 結果において明らかなように、本発明による被覆金型を
用いれば、従来品に比べ著しく耐久性が優れ、生産性が
向上することが分かる。なお上記配合中の老化防止剤R
Dは2,2,4トリメチル1,2ジハイドロキノリン。
促進剤CMはN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル
サルフエンアミド。促進剤TTはテトラメチルチウラム
ジサルファイド。加硫剤Rは4,4−ジチオジモルホリ
ンを表している。
【実施例2】ガラス繊維強化ナイロン樹脂の射出成型用
金型(SUS630)に、無電解ニッケル・リン合金め
っきを周知の方法で20μm被覆した。さらにめっき処
理後の金型をスパッタリング装置に装着、10↑−6T
orrの真空に保った後アルゴンガスを導入し2×10
↑−2Torrに保ち、金型に−600ボルトの電圧を
印加し、イオンボンバードにてプラズマクリーニング処
理を行い表面を活性化した。さらにその上に反応性スパ
ッタリング法によって柱状晶窒化チタンの被覆を2μm
行い、ナイロン樹脂の成型試験を行った。ガラス繊維に
よる摩耗によって型性能が悪くなり使用出来なくなるま
でのショット数を、非被覆金型と被覆金型で比較評価し
た。反応性スパッタリングの条件は、真空度1×10↑
−5torr,アルゴン圧5×10↑−4torr、窒
素ガス圧1×10↑−4 torr、放電電圧DC35
0V、放電電流15A、バイアス電圧 0V、槽内温度
350℃にて行った。 比較結果 非被覆金型使用での成型ショット数 80,000ショット 合金めっき被覆をせずTiC被覆のみの金型での成形個数 100,000ショット 本発明による被覆金型使用での成型個数 300,000ショット 結果において明らかなように、実施例の合金めっき、窒
化チタンを被覆した金型は、表面の摩耗・侵食が少な
く、優れた耐久性を有すことがわかる。
金型(SUS630)に、無電解ニッケル・リン合金め
っきを周知の方法で20μm被覆した。さらにめっき処
理後の金型をスパッタリング装置に装着、10↑−6T
orrの真空に保った後アルゴンガスを導入し2×10
↑−2Torrに保ち、金型に−600ボルトの電圧を
印加し、イオンボンバードにてプラズマクリーニング処
理を行い表面を活性化した。さらにその上に反応性スパ
ッタリング法によって柱状晶窒化チタンの被覆を2μm
行い、ナイロン樹脂の成型試験を行った。ガラス繊維に
よる摩耗によって型性能が悪くなり使用出来なくなるま
でのショット数を、非被覆金型と被覆金型で比較評価し
た。反応性スパッタリングの条件は、真空度1×10↑
−5torr,アルゴン圧5×10↑−4torr、窒
素ガス圧1×10↑−4 torr、放電電圧DC35
0V、放電電流15A、バイアス電圧 0V、槽内温度
350℃にて行った。 比較結果 非被覆金型使用での成型ショット数 80,000ショット 合金めっき被覆をせずTiC被覆のみの金型での成形個数 100,000ショット 本発明による被覆金型使用での成型個数 300,000ショット 結果において明らかなように、実施例の合金めっき、窒
化チタンを被覆した金型は、表面の摩耗・侵食が少な
く、優れた耐久性を有すことがわかる。
【実施例3】炭素工具鋼で出来た機械摺動部品に、リン
7%共析電解ニッケルめっきを10μm被覆し、CF↓
4ガスを導入しイオンボンバードによる表面活性化をし
た後、イオンプレーティング法にてTiCを2μm被覆
した。真空チャンバー内の温度は450℃で約1時間処
理した。非被覆機械摺動部品と被覆部品においてテーバ
ー摩耗試験機によって表面に傷が発生するまでの比較評
価をした。負荷荷重1000gでCS−10摩耗輪を用
いた。 比較結果 非被覆機械部品でのテーバー摩耗回転数 8回 合金めっき被覆をせずTiC被覆のみ 1000回 被覆機械部品でのテーバー摩耗回転数 30000回 結果において明らかなように、実施例の合金めっき、窒
化チタンを被覆した金型は、表面の摩耗・侵食が少な
く、優れた耐久性を有すことがわかる。
7%共析電解ニッケルめっきを10μm被覆し、CF↓
4ガスを導入しイオンボンバードによる表面活性化をし
た後、イオンプレーティング法にてTiCを2μm被覆
した。真空チャンバー内の温度は450℃で約1時間処
理した。非被覆機械摺動部品と被覆部品においてテーバ
ー摩耗試験機によって表面に傷が発生するまでの比較評
価をした。負荷荷重1000gでCS−10摩耗輪を用
いた。 比較結果 非被覆機械部品でのテーバー摩耗回転数 8回 合金めっき被覆をせずTiC被覆のみ 1000回 被覆機械部品でのテーバー摩耗回転数 30000回 結果において明らかなように、実施例の合金めっき、窒
化チタンを被覆した金型は、表面の摩耗・侵食が少な
く、優れた耐久性を有すことがわかる。
【実施例4】アルミニウム製のABS樹脂用試作型に、
無電解ニッケル・リン合金めっきを周知の方法で20μ
m被覆した。さらにめっき処理後の金型をイオンプレー
ティング装置に装着、10↑−6Torrの真空に保っ
た後アルゴンガスを導入し2×10↑−2Torrに保
ち、金型に−600ボルトの電圧を印加し、イオンボン
バードにてプラズマクリーニング処理を行い表面を活性
化した。さらにその上に窒素ガスを5×10↑−4To
rr導入、印加電圧−150ボルトにて反応性イオンプ
レーティング法によって窒化チタンを2μm被覆した。
この金型を用いて非被覆金型との成型比較試験を行い、
使用可能ショット数で評価した。 比較結果 非被覆金型使用での成型ショット数 800ショット 合金めっき被覆をせずTiN被覆のみ 3000シょット 本発明での被覆金型使用での成型個数 30000ショット 結果において明らかなように、実施例の合金めっき、窒
化チタンを被覆した金型は、表面の摩耗・侵食が少な
く、優れた耐久性を有すことがわかる。
無電解ニッケル・リン合金めっきを周知の方法で20μ
m被覆した。さらにめっき処理後の金型をイオンプレー
ティング装置に装着、10↑−6Torrの真空に保っ
た後アルゴンガスを導入し2×10↑−2Torrに保
ち、金型に−600ボルトの電圧を印加し、イオンボン
バードにてプラズマクリーニング処理を行い表面を活性
化した。さらにその上に窒素ガスを5×10↑−4To
rr導入、印加電圧−150ボルトにて反応性イオンプ
レーティング法によって窒化チタンを2μm被覆した。
この金型を用いて非被覆金型との成型比較試験を行い、
使用可能ショット数で評価した。 比較結果 非被覆金型使用での成型ショット数 800ショット 合金めっき被覆をせずTiN被覆のみ 3000シょット 本発明での被覆金型使用での成型個数 30000ショット 結果において明らかなように、実施例の合金めっき、窒
化チタンを被覆した金型は、表面の摩耗・侵食が少な
く、優れた耐久性を有すことがわかる。
Claims (1)
- 金属材料からなる母材表面上に合金めっきをもって被覆
し、ついで乾式コーティング法であるイオンプレーティ
ングまたはスパッタリング法によって第二の被覆層を形
成すると同時に処理熱を利用し合金めっき層を熱処理
し、複合的に著しく高硬度で耐食性・耐摩耗性の優れた
皮膜を形成する事を特徴とする金属材料の表面硬化処理
法に関する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36082491A JPH0681137A (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 表面硬化処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36082491A JPH0681137A (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 表面硬化処理法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0681137A true JPH0681137A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=18471080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36082491A Pending JPH0681137A (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 表面硬化処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0681137A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100624043B1 (ko) * | 2005-02-28 | 2006-09-19 | 주식회사 케이피티 | 금속의 표면경화방법 |
JP2012201015A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Koito Mfg Co Ltd | 熱板溶着用治具およびその製造方法、金属部材 |
RU2603414C1 (ru) * | 2015-08-05 | 2016-11-27 | Федеральное государственное унитарное предприятие "Всероссийский научно-исследовательский институт авиационных материалов" (ФГУП "ВИАМ") | Способ получения антифреттингового покрытия |
-
1991
- 1991-12-09 JP JP36082491A patent/JPH0681137A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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