JPH0679937B2

JPH0679937B2 - Ｈ形鋼の組み込み装置

Info

Publication number: JPH0679937B2
Application number: JP1109183A
Authority: JP
Inventors: 武司橋口; 康堀内
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1989-05-01
Filing date: 1989-05-01
Publication date: 1994-10-12
Anticipated expiration: 2009-10-12
Also published as: JPH02291321A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は複数本数のＨ形鋼製品を一つのまとまりに組み
込むための組み込み装置に関する。

［従来の技術］圧延加工または溶接加工によって最終製品に仕上げられ
たＨ形鋼は、倉庫内で保管するにあたって容積を集約
し、あるいは搬送の際の取扱を容易にするために、複数
本数を一つの組にまとめられる。この作業は一般に組合
せ、組み込み、パイリング等と称せられるが、第３図に
その基本型を示す。第３図（ａ）は組み込み前の３本の
Ｈ形鋼、（ｂ）は３本組み込み後のＨ形鋼、（ｃ）は５
本組後の姿であって、組み込み本数は荷姿の安定上、通
常は奇数本数で構成する。なお、本発明においてＨ形鋼
とは第３図に示すようなウェブの両側に対象なフランジ
を有する通常のＨ形鋼の他、Ｈ形鋼と断面形状において
酷似するＩ形鋼も含むものである。

ところでＨ形鋼は重量物で且つ長尺物のため、これを組
み込む手段は機械装置に頼っており従来、各種の組み込
み装置が提案されている。例えば、実開昭55−63321号
公報のＨ形鋼組合せ装置はストッパーを有する回転体と
押上片を有する回転体とを組合せた構造であるが、この
装置ではＨ形鋼のフランジ幅寸法が変わる毎にストッパ
ーの位置を手動で変更しなければならない煩わしさがあ
った。また、実開昭59−170521号公報は突き上げ用の突
起を備えた昇降台を横押し装置を介して移動可能に設け
たものであるが、全体の設備構成が大掛りとなり設備費
が嵩む難点があった。その他にも各種の組み込み装置が
提案されているが、いずれも設備費または作業性の点で
問題があり、実用的な装置の提供が望まれていた。

［発明が解決しようとする課題］本発明は、簡単な構造で、任意サイズのＨ形鋼を確実且
つ自動的に組み込むことが可能なＨ形鋼の組み込み装置
を提供するものである。

［課題を解決するための手段］この目的を達成するための本発明に係る組み込み装置
は、複数条の移送スキッド上にＩ姿勢で載置した複数本
数のＨ形鋼を横移動しつつ組み込むＨ形鋼の組み込み装
置において、前記移送スキッドの移送終端にストッパー
を立設し、前記移送スキッド面上に突出するドッグを備
えた整列親台車を移送スキッド面下に沿って横移動自在
に設け、前記移送スキッド面に対して起伏自在な押上リ
ンクアーム片を前記ストッパーとドッグ間の所定の押上
位置に設定可能に軸支した押上用子台車を前記整列親台
車に横移動自在に内設したことを特徴とする。

以下本発明装置の構成例を第１図に基づいて説明する。
枠状基台１は本発明装置を乗載する枠状の基台であり、
基台１の構成部材は少なくともＨ形鋼20の移送方向（矢
印Ａ方向）に沿って設けられた一対のフレーム1a、1b
と、フレーム1a、1bとを連結する連結部材1cから構成さ
れている。この枠状基台１の下部には脚1dを有し、作業
床２に対して固定または着脱自在に支持されている。フ
レーム1a、1bの上部には後述する整列親台車用のレール
11および、このレール11の上面より更に高い位置にはＨ
形鋼20を乗載・移送する複数条のスキッド12が設けられ
ている。このスキッド12の移送方向Ａの終端にはＨ形鋼
20の横移動を抑止するためのストッパー13が前記枠状基
台１に一体的に立設されている。前記レール11には整列
親台車３が車輪3aを介して横移動自在に乗載されてい
る。

なお、第１図（ａ）においては整列親台車３の構造を明
瞭にするため、整列親台車３構成する部材には斜線を施
して示している。

親台車駆動装置４は、前記整列親台車３を横方向に前後
進自在に移動させるための電動または流体圧作動等の適
宜な手段による駆動源であって、その主駆動源部は前記
枠状基台１に支持され、横移動力は伸縮ロッド4a、4bお
よびアーム4cを介し、整列親台車３のフレーム3fに伝達
される。整列親台車３の反駆動源側にはドッグ3cが支軸
3dに軸支され、ドッグ3cの先端は前記のスキッド12上の
Ｈ形鋼製品の移送面よりも突出する高さに設定されてい
る。図示を省略しているが前記親台車駆動装置４には、
ドッグ3cに対して一定の押圧力が働くと横移動を自動的
に停止できるように押し切り停止装置が内蔵されてい
る。

また、５は押上用子台車であり、前記整列親台車３のフ
レーム3e上に車輪5aを介して横移動自在に乗載され、横
移動の駆動力は前記整列親台車３に支持された子台車駆
動装置６から伸縮ロッド6a、6bを介して押上用子台車５
に伝達される。この押上用子台車５の本体には押上げ駆
動源７が内設されており、押上げ駆動源７の横方向の駆
動力は伸縮ロッド7a、7bを介して押上リンクアーム片９
に伝達される。この押上リンクアーム片９は押上用子台
車５に設けられた支軸８に揺動自在に軸支されており、
押上リンクアーム片９の上端には押上突起部9aが形成さ
れている。即ち、押上げ駆動源７の横方向の駆動力は押
上突起部9aの上下運動に変換され、押上突起部9aは前記
スキッド12の移送面に対して起伏自在に支持される。

以上の説明では枠状基台１が単一の場合を示したが、実
際の組み込み現場に本発明装置を設ける際には、枠状基
台１をＨ形鋼製品の長さに応じて製品の長さ方向に複数
基並設される。

［作用・実施例］第２図（ａ）〜（ｇ）は本発明装置の作動ステップを模
式図で示したものであり、以下作動ステップ順に説明す
る。

（ａ）工程（ａ）図は、これから組み込みの対象となる３本のＨ形
鋼20a,20b,20cがスキッド12上に待機している状態であ
る。13はストッパーの位置（製品の停止基準位置）、3c
は整列親台車３のドッグ、９は押上リンクアーム片を示
す。なお、組み込み開始時にはドッグ3cから押上リンク
アーム片９の支軸８中心までの距離D₂は初期値として予
め与えられている。また、組み込み対象製品は前記スト
ッパー・ドッグ間の距離D₁の範囲内のスキッド上であれ
ば任意の位置に置いても差し支えない。

（ｂ）工程親台車駆動装置４に移送方向Ａへの作動指示を行うと、
整列親台車３と一体的に移動するドッグ3cは３本のＨ形
鋼のうち左側のＨ形鋼20aのフランジを押し進め、Ｈ形
鋼はスキッド12上を摺動し、中央のＨ形鋼20bおよび右
側のＨ形鋼20cの各々のフランジに順次接触して３本の
Ｈ形鋼が一組となって同時に移送される。移送進行中に
右側のＨ形鋼20cのフランジがストッパー13に接触する
と、親台車駆動装置４に内蔵された押し切り停止装置が
作動してドッグ3cは移動を停止し、組み込み前のＨ形鋼
の整列が終了する。なお、この工程中において押上用子
台車５は整列親台車３に乗載されたまま移動するので、
ドッグ、押上リンクアーム片間の初期設定距離D₂は不変
である。

（ｃ）工程押上用子台車５の子台車駆動装置６に対して移送方向Ａ
へ押上位置設定距離D₃だけ移動を指示する。この押上位
置設定距離D₃はＨ形鋼のフランジ幅を基準にして予め設
定されている。即ち、押上リンクアーム片９の押上突起
部9aが、３本のＨ形鋼のうち中央に位置するＨ形鋼20b
のウェブ中心線よりもやや左方に偏心した位置に対応す
るように、Ｈ形鋼のフランジ幅寸法毎に設定されている
ものである。本発明において、所定の押上位置とはこの
ような意味において用いるものである。

（ｄ）工程押上げ駆動源７を作動させ、押上リンクアーム片９の押
上突起部9aをスキッド面12面上に押し上げる。Ｈ形鋼20
bのフランジ下面の左側は押上突起部9aで突き上げら
れ、Ｈ形鋼20bは右側に傾き、フランジ下面とスキッド1
2面との間には空隙Ｓが形成される。この空隙Ｓは組み
込みの対象となる全サイズの形鋼のうち最もフランジ厚
の厚いサイズよりもやや大きい高さになるように、押上
突起部9aのスキッド12面からの突起高さを予め一定の値
に定めておけばよい。

（ｅ）工程親台車駆動装置４を駆動し、整列親台車３を移送方向Ａ
に寸動移動すると、左側のＨ形鋼20aはドッグ3cで押進
められ、Ｈ形鋼20aの下フランジは前記のＨ形鋼20bのフ
ランジ下面とスキッド間に形成された空隙Ｓに滑り込
む。同時に押上突起部9aで突き上げられ傾いていたＨ形
鋼20bの姿勢は押上突起部9aの移送方向Ａの移動により
次第に正立状態に復帰するとともに更に移動が進行する
と、Ｈ形鋼20bの上下フランジは右側に隣り合うＨ形鋼2
0cの上下フランジの上面へ重なり、押進していたＨ形鋼
20aの上下フランジ右側は中央のＨ形鋼20bの上下フラン
ジ左側の下方に重なった状態となる。押上リンクアーム
片９の押上突起部9aがＨ形鋼20cの左側下フランジ端面
に接触すると、親台車駆動装置４に内蔵された押し切り
停止装置が作動して整列親台車３の移動が停止する。

（ｆ）工程押上げ駆動源７を作動させ、押上リンクアーム片９の押
上突起部9aをスキッド12面下へ退避させる。この退避途
中で中央のＨ形鋼20bの上下フランジは左右のＨ形鋼20a
およびＨ形鋼20cのフランジ面上に重なり合って載置さ
れる。

（ｇ）工程親台車駆動装置４を駆動し、整列親台車３を移送方向Ａ
に寸動移動させると、その移動中にドッグ3c、各Ｈ形鋼
の隣合うフランジとウェブおよびストッパー13間で押し
切り停止装置が作動して整列親台車３の移動は停止す
る。この結果、Ｈ形鋼20a、Ｈ形鋼20bおよびＨ形鋼20c
の組み込みは終了する。この後、整列親台車３は前記
（ａ）工程にて説明した初期状態の待機位置まで復帰し
て次の組み込みに備える。

以上の実施例はＨ形鋼の組込本数が３本の場合を示した
が、５本組み、７本組み等の組込の場合は上述した工程
の（ｃ）〜（ｇ）を繰り返せばよい。また、本発明装置
の作動は手動による他、適宜にリミットスイッチ、検出
端および演算制御装置等の周知の制御機構を利用すれば
完全自動化も勿論可能である。

［発明の効果］本発明装置は構造が簡単で設備費用が低廉であり、Ｈ形
鋼の製品サイズと組込本数を問わず作動が確実に行われ
る特徴を有する。また本発明装置はスキッドを敷設した
従来の製品整理場に容易に増設でき、本発明装置を任意
の作業場所に移動させ可搬式として使用することも可能
であるなど実用的な効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の説明図であり、（ａ）は平面略
図、（ｂ）は（ａ）図のX-X方向の部分断面略図、
（ｃ）は（ａ）図のY-Y方向断面略図、第２図は本発明
装置の作動工程順序を示す略図、第３図はＨ形鋼の組み
込み状況の説明図。 20:H形鋼、1:枠状基台、1d:脚、2:作業床、11:レール、
12:スキッド、13:ストッパー、3:整列親台車、3a:車
輪、4:親台車駆動装置、3c:ドッグ、5:押上用子台車、
6:子台車駆動装置、7:押上げ駆動源、9:押上リンクアー
ム片、9a:押上突起部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数条の移送スキッド上にＩ姿勢で載置し
た複数本数のＨ形鋼を横移動しつつ組み込むＨ形鋼の組
み込み装置において、前記移送スキッドの移送終端にス
トッパーを立設し、前記移送スキッド面上に突出するド
ッグを備えた整列親台車を移送スキッド面下に沿って横
移動自在に設け、前記移送スキッド面に対して起伏自在
な押上リンクアーム片を前記ストッパーとドッグ間の所
定の押上位置に設定可能に軸支した押上用子台車を前記
整列親台車に横移動自在に内設したことを特徴とするＨ
形鋼の組み込み装置。