JPH067963Y2 - 剛体トロリ線 - Google Patents

剛体トロリ線

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JPH067963Y2
JPH067963Y2 JP6536588U JP6536588U JPH067963Y2 JP H067963 Y2 JPH067963 Y2 JP H067963Y2 JP 6536588 U JP6536588 U JP 6536588U JP 6536588 U JP6536588 U JP 6536588U JP H067963 Y2 JPH067963 Y2 JP H067963Y2
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勝治 中島
信行 前川
明 島田
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は走行中の電車等に電気を供給するために、軌道
と平行に敷設される剛体トロリ線に関する。特に集電面
の耐摩耗性を向上させるために、集電面にステンレス鋼
製の集電板を設けた剛体トロリ線に関する。
(従来技術及びその課題) 第5図は従来例を示しており、ステンレス鋼製の集電板
41を銅製の凸状トロリ主材40に熱間押出加工により
圧接した構造である。
この第5図の構造では集電板41の摩耗が限界にきた時
には、トロリ線全体を交換しなければならず、取替え作
業等の保守に時間がかかる。しかも次のような技術的課
題もある。
トロリ主材40と集電板41の熱膨脹係数の差により、
温度変化時にバイメタル効果が生じ、トロリ線全体が歪
み、それにより線長さ方向端部で集電板41とトロリ主
材40が長さ方向にずれたり、剥離したりすることがあ
り、通電不良の原因になる。
またカーブ軌道に対応してトロリ線を湾曲加工する場合
には、加工時にトロリ主材40と集電板41とが長さ方
向にずれてしまい、それにより集電板41の剥離あるい
は座屈が生じる。
第6図の従来例は、ステンレス鋼製の集電板47をコの
字状に形成してアルミニウム製の補強部材46に被せ、
アルミニウム製のトロリ主材45の両耳部45a間に集
電板47を嵌め、耳部45aをかしめることにより集電
板47をトロリ主材45に固着した構造である。
この第6図の構造でも集電板47の摩耗が限界にきた時
には剛体トロリ線全体を交換しなければならず、取替え
作業等の保守に時間がかかる。
また第6図と同様熱膨脹係数の差により集電板41のず
れ、剥離あるいは座屈が生じ易い。さらに集電板47は
補強部材46に単に被せられているだけであるので、集
電板47と補強部材46間には殆んど面圧が付与されて
おらず、それにより集電時の電気抵抗が高くなることが
あり、集電板47が焼けることが考えられる。即ちステ
ンレス鋼はアルミニウムあるいは銅よりも導電性が低い
ため、上記のようにステンレス鋼製の集電板47を備え
る場合には、導電性を良好に保つために両者間の接触面
の面圧を十分に確保することが要求される。
(考案の目的) 本考案の目的は、導電性の高いトロリ主材にステンレス
製の集電板を設ける剛体トロリ線において、集電板の摩
耗時の保守、交換を容易に行えるようにすると共に、熱
膨脹係数の差等による集電板のずれによる剥離等を防止
し、さらに集電板とトロリ主材との間で優れた通電性を
確保できるようにすることである。
(目的を達成するための技術的手段) 上記目的を達成するために本考案は、集電板を、両側壁
を有する断面形状コの字状に形成すると共にトロリ主材
の集電面側の先端頭部に被せ、トロリ主材の両側に挾持
金具を配置し、該各挾持金具の先端係合部を集電板の各
側壁に係合すると共に両挾持金具を適宜の締め付け機構
によりトロリ主材側面に締め付け自在とし、挾持金具の
内面とトロリ主材の側面に、挾持金具の締付けにより挾
持金具をトロリ主材の基端部側に移動させるように傾斜
するカム面を形成している。
(作用) 挾持金具により集電板の両側壁を締め付けると、上記両
側壁がトロリ主材の頭部側面に押し付けられ、それと同
時に挾持金具とトロリ主材のカム面のカム作用により挾
持金具と共に集電板は基端部側に移動する。即ち挾持金
具の締め付けにより集電板はその頂壁部分と両側壁が同
時にトロリ主材頭部に押し付けられ、集電板とトロリ主
材との間で優れた通電性を確保できる。
また挾持金具を緩めることにより集電板とトロリ主材と
を分解でき、それにより集電板摩耗時には集電板のみを
交換でき、保守が容易である。
(実施例) 第1図は本考案を適用した剛体トロリ線の縦断面拡大図
を示しており、この第1図において、剛体トロリ線9は
導電性の良い銅製のトロリ主材10と、ステンレス鋼製
の集電板13等から構成されている。トロリ主材10は
基端部(第1図右端部)にフランジ11を一体に有し、
それにより断面形状が概ね凸状(T字状)に形成されて
おり、集電面H側には膨出状の頭部12が一体に形成さ
れている。
集電板13は両側壁14を一体に備えることにより断面
形状が概ねコの形状に形成されており、トロリ主材10
の頭部12に被せられると共に、両側壁14には係合溝
16が形成されている。トロリ主材10の両側面には上
下1対の銅合金製挾持金具21が配置されており、挾持
金具21の先端部には前記係合溝16に係合する係合突
起21aが形成されている。
頭部12の基端部側の部分には筒ナット等を挿入するた
めの挿入孔22が形成され、また両挾持金具21、21
にはボルト19や筒ナット17等を挿入するために上記
挿入孔22に対応する挿入生23a、23bが形成され
ている。下側挾持金具21の挿入孔23b及びトロリ主
材10の挿入孔22には、筒ナット17が下方から挿入
されており、一体上方からは上側挾持金具21の挿入孔
23aにボルト19が挿入され、該ボルト19を上記筒
ナット17に螺合している。これによりナット頭部17
Aとボルト頭部19aの間で両挾持金具21を締め付
け、同時に先端突起21aにより集電板側壁14を締め
付けている。筒ナット17の外周面とトロリ主材10の
挿入孔22の内周面とは半径方向に一定のクリアランス
Cを有しており、それにより筒ナット17は挿入孔22
内で半径方向に移動できるようになっている。挾持金具
21の基端部側の内面には基端部側にゆくに従いトロリ
主材中心側にくるように傾斜するカム面30が形成され
ており、これに対応してトロリ主材10の両側面にも基
端部側にゆくに従いトロリ主材中心側にくるように傾斜
するカム面32が形成されている。
第2図は第1図のII矢視図であり、ナット頭部17aは
両側が切り落とされており、その切り落とし部分を挾持
金具21の段部に係合することにより回り止めとしてい
る。
集電板13の集電面H及びトロリ主材10の頭部12の
先端面はどちらもなだらか円弧状に形成されているが、
第4図に誇張して示すように組み付け前においては、ト
ロリ主材頭部12の曲率半径R1に対して集電板13の
曲率半径R2の方が僅かに大きく形成されており、組み
付け時に集電板13の集電面部分が撓み、それにより曲
率半径が頭部12の曲率半径R1と略同じになる。
第3図は剛体トロリ線の使用例を示しており、タイヤ式
電車の電気供給用に使用した例である。この第3図にお
いて、電車1は走行用のタイヤ2並びに脱落防止用のガ
イド輪5を備え、軌道装置の軌道面3上を走行するよう
になっている。軌道面3の側方にはパラペット7が設け
られており、該パラペット7に支持装置8を介して複数
本の剛体トロリ線9が支持されている。該剛体トロリ線
9は軌道と平行に配置され、電車1の集電シュー4が当
接する。
該実施例の作用を具体的に説明すると、集電板13をト
ロリ主材10に取り付ける場合には、両挾持金具21を
配置すると共に、筒ナット17及びボルト19を挿入孔
22、23a、23bに挿入し、ボルト19及び筒ナッ
ト17により挾持金具21を締め付ける。これにより集
電板13の両側壁14が頭部12の両側面に押し付けら
れ、同時に両カム面30、32のカム作用により両挾持
金具21、21、筒ナット17及びボルト19は基端部
側に移動し、集電板13の頂壁部分がトロリ主材10の
先端面に押し付けられる。
また集電板13の第4図の曲率半径R2をトロリ主材頭
部12の曲率半径R1より僅かに大きくしているので、
組み付け時に挾持金具21の先端突起21aが集電板1
3を基端部側に引っぱることにより、一層集電板13の
頂壁部分とトロリ主材頭部12の端面が強く圧接し、両
者13、12間の通電性が一層向上する。ちなみに集電
板13はその頂壁部分においては板圧方向に電気が流れ
るため電気抵抗が小さく、一方側壁14部分においては
側壁14に沿う方向に電気が流れるため、電気抵抗が大
きいが、電気抵抗の少ない頂壁部分での面圧を十分に確
保できるのである。
集電板13が摩耗して取り替える場合には、ボルト19
を緩めることにより、集電板13を外し、集電板13の
みを新しい物と取り替える。
(別の実施例) (1)図示の実施例では、トロリ主材10の挿入孔22と
筒ナット17の間にクリアランスCを設けることによ
り、トロリ主材10に対してボルト19、筒ナット17
及び挾持金具21を移動可能に構成しているが、挾持金
具21の挿入孔23a、23bと筒ナット17及びボル
ト19との間にクリアランスを形成して、筒ナット17
及びボルト19に対して挾持金具21を移動可能に構成
してもよい。
(2)トロリ主材としては導電性の高いアルミニウムを利
用することもできる。
(考案の効果) 以上説明したように本考案によると: (1)ステンレス製の集電板13を挾持金具21を利用し
て導電性の高いトロリ主材10に機械的に結合している
ので、集電面Hが摩耗した時には、集電板13をトロリ
主材10から外して集電板13のみを新しい物と取り替
えればよい。従って取り替え作業、即ちトロリ線の保守
が容易である。
しかも従来のような軸方向のずれによる剥離等を防止で
きる。
(2)集電板13をトロリ主材10に対して取り外せるよ
うにしているにもかかわらず、集電板13とトロリ主材
10との間の良好な通電性能を確保でき、電車等に対す
る集電性能が良い。
即ち一般にステンレス鋼は銅あるいはアルミニウムに比
べて耐摩耗性が高い代わりに導電性は低いが、挾持金具
21により集電面側壁14をトロリ主材頭部の側面に押
し付けると同時に、カム面30、32のカム作用により
集電板頂壁をトロリ主材10の先端頭部に押し付けるよ
うにしているので、集電板13とトロリ主材10との接
触面の面圧を十分に確保でき、常に集電板13とトロリ
主材10との通電性を良好に確保でき、集電性能等が良
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案を適用した剛体トロリ線の縦断面拡大
図、第2図は第1図のII矢視図、第3図は剛体トロリ線
の使用例であり、タイヤ式電車用軌道の縦断面図、第4
図は集電板とトロリ主材との曲率半径の相違を誇張して
示す縦断面部分図、第5図及び第6図は従来例の縦断面
図である。 10……トロリ主材、11……フランジ、12……頭
部、13……集電板、14……側壁、17、19……筒
ナット、ボルト(締め付け機構)、21……挾持金具、
21a……係合突起、30、32……カム面

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】基端部にフランジを有するように断面形状
    がT字状に形成された導電性の高い銅又はアルミニウム
    製のトロリ主材と、集電面を形成するステンレス鋼製の
    集電板とを備えた剛体トロリ線において、集電板を、両
    側壁を有する断面形状コの字状に形成すると共にトロリ
    主材の集電面側の先端頭部に被せ、トロリ主材の両側に
    挾持金具を配置し、該各挾持金具の先端係合部を集電板
    の各側壁に係合すると共に両挾持金具を適宜の締め付け
    機構によりトロリ主材側面に締め付け自在とし、挾持金
    具の内面とトロリ主材の側面に、挾持金具の締付けによ
    り挾持金具をトロリ主材の基端部側に移動させるように
    傾斜するカム面を形成した剛体トロリ線。
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