JPH0679538A - 加工治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電加工用電極を所定の形状、或いは寸法に
加工する際に使用される加工治具として、簡単な構成
で、作業性を向上させ、しかも安価に製作可能なものを
提供することを目的とする。 【構成】 電極の加工治具は、電極のシャンク部を嵌入
する嵌入孔と、その嵌入孔と連通し、シャンク部に固着
された基準ピンを受け入れる開孔と、その開孔と連通
し、開孔より受け入れた基準ピンを収納するとともに、
開孔より大なる内径を有する挿入孔とを有するベースブ
ロックと、その挿入孔に挿入され、挿入孔に位置する基
準ピンと嵌合して電極のベースブロックに対する位置決
めを行なうブッシュとより構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は放電加工用電極を所定
形状或いは所定寸法に機械加工する際に使用する電極加
工治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、放電加工により、複雑な三次元の
型彫り加工等を総形電極によって行なう場合、目的とす
る加工に応じて、電極の形状を加工する必要がある。又
同一電極にて加工を繰り返すことによって電極自身も損
傷するため、その都度、電極形状の補正加工を必要とす
る。

【０００３】これらの電極加工には、加工治具が使用さ
れるが、従来の加工治具は図５に示す通り、上下面が研
磨された金属ブロック１を基台とし、その上面には電極
シャンク２を嵌入する円孔４が設けられ、その円孔４の
周囲には９０゜毎に位置決めピン５が固着されている。
金属ブロック１の内部には円孔４に嵌入された電極シャ
ンク２をクランプするための油圧式クランプ機構（図示
せず）が設けられており、一対の油圧調整ねじ６を操作
することによって、クランプ状態或いは非クランプ状態
を形成する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油圧式
のクランプ機構を使用しているため加工治具が高価にな
ることに加えて、電極シャンクの位置決め作業が位置決
めピン５との相対位置並びに一対の油圧調整ネジ６を操
作して行うクランプ操作等，時間と手間を必要とする。

【０００５】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、簡単なクランプ機構を採用し、
簡単な操作にて電極シャンクの位置決めを短時間に行な
うことを可能とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の加工治具は電極のシャンク部を嵌入する嵌入
孔と、その嵌入孔と連通し、シャンク部に固着された基
準ピンを受入れ可能な開孔と、その開孔と連通して開孔
より挿入された基準ピンを収納するとともに、開孔より
大なる内径を有する挿入孔とを有するベースブロック
と、その挿入孔に挿入されるとともに挿入孔に位置する
基準ピンと嵌合して電極のブロックに対する位置決めを
するロック部材とより構成されている。

【０００７】

【作用】上記の構成を有する本発明の電極用加工治具に
よれば電極のシャンク部を嵌入孔より嵌入し、シャンク
部に固着された基準ピンを開孔から挿入孔へと挿入した
後、前記クランプ部材を外方より挿入孔へ挿入してロッ
ク部材と基準ピンを嵌合させることにより加工治具に対
する電極の位置決め作業が終了する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。

【０００９】図１は放電加工機１０の概略を示すもの
で、コラム１１にはヘッド１２が取り付けられる。この
ヘッド１２はシャンク部１４を有する電極１５をクラン
プチャック部１３によりクランプ固定し、このクランプ
チャック部１３を解除することにより電極１５を取り出
すことが可能となる。

【００１０】この電極１５には、図２に示す通りクラン
プチャック部１３に電極１５を位置決めするため、シャ
ンク部１４に基準ピン１６が固着されている。

【００１１】被加工物１７は電極１５との間に発生させ
られる放電によって目的とする加工が施される。この加
工が進行すると当然のことながら電極１５が加工に適さ
ない程度に、あるいは十分な加工精度が得られない程度
に消耗する。その消耗量は放電加工の諸条件、つまり放
電エネルギーの程度、電極の材質、被加工物１７の材質
によって定まる。

【００１２】さて、消耗した電極１５、或は消耗により
形状或は寸法が変化した電極１５は、図３に示す加工治
具２０を利用して機械加工し、所定の形状、寸法に加工
される。

【００１３】その加工治具２０は図３に示す通り、角柱
の金属ブロック２１とブッシュ２２とより構成されてい
る。

【００１４】その金属ブロック２１は基部２３と、その
基部２３よりステップ部２４を置いて上方に直立する直
立部２５とよりなり、基部２３の側面並び底面、そして
直立部２５の上面は全て研磨加工が施されている。直立
部２５の上面からは電極１５のシャンク部１４を嵌入す
るための貫通孔２６が基部２３の底面まで貫通してい
る。

【００１５】更に、直立部２５の上面には前記貫通孔２
６と連通し前記シャンク部１４に固着された基準ピン１
６が通過可能な開孔２７が一対、直交するように設けら
れている。その開孔２７と連通し、且つ、前記貫通孔２
６と直交するように連通し、しかも開孔２７より大なる
内径を有する挿入孔２８が直立部の側面から設けられて
いる。

【００１６】前記ブッシュ２２は前記挿入孔２８に勘合
する筒部２９と筒部２９より大径のつば部３０とにより
構成され、前記基準ピン１６が嵌入する円孔３１が筒部
２９の前端面からつば部３０まで貫通して設けられてい
る。

【００１７】以上の構成を有する加工治具２０を利用し
て電極１５を加工する際には、電極１５のシャンク部１
４を金属ブロック２１の貫通孔２６に嵌入させ、基準ピ
ン１６が開孔２７を貫通させて挿入孔２８に位置させ
る。そして挿入孔２８にブッシュ２２を、基準ピン１６
が円孔３１に嵌するように、しかもつば部３０が直立部
２５の側面に接するまで挿入する。

【００１８】これによって電極１５が加工治具２０に対
して位置決めされる。位置決めされた電極１５は加工治
具２０とともに、加工するための工作機械にセットさ
れ、所定の加工が施される。加工する際の状態は図４に
概略を示したが、電極１５を位置決めした加工治具２０
が工作機械４０にクランプ部材４１を介してセットされ
加工が施される。

【００１９】このセットに際しては、金属ブロックの六
面すべて研磨されているため、目的とする加工に応じて
電極１５が直立した状態であれ、水平状態であれ、セッ
ト可能である。又、加工治具２０へ電極１５の再位置決
めも、ブッシュ２２を挿入孔２８より抜き出すことによ
ってシャンク部１４は開放され、他の挿入孔２８を利用
した位置決め状態に変更可能である。

【００２０】

【発明の効果】以上詳述したことから明かなように、本
発明は、加工治具が非常に簡単な構成であるため、安価
に製作出来るとともに、加工治具に対する電極の位置決
め作業も簡単に短時間で行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】放電加工機の概略を示す斜視図である。

【図２】この発明に係る電極を示す斜視図である。

【図３】この発明の加工治具を示す斜視図である。

【図４】電極を加工する状態を説明する説明図である。

【図５】従来の加工治具に電極が位置決めされた状態を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１４ シャンク部 １５ 電極 １６ 基準ピン ２０ 加工治具 ２１ 金属ブロック ２２ ブッシュ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基準ピンが固着された放電加工機用電極
   を加工する際に使用する加工治具において、前記電極の
   シャンク部を嵌入する嵌入孔と、その嵌入孔と連通し、
   前記基準ピンを受入れ可能な開孔と、その開孔と連通
   し、開孔より挿入された前記基準ピンを収納するととも
   に、前記開孔より大なる内径を有する挿入孔とよりなる
   ベースブロックと、その挿入孔に挿入されるとともに前
   記挿入孔に位置する基準ピンと嵌合して前記電極をベー
   スブロックに対して位置決めするロック部材とにより構
   成されていることを特徴とする加工治具。
2. 【請求項２】 前記挿入孔は一対、しかもそれらの軸線
   が相互に略直交するように設けられ、且つ、前記嵌入孔
   の軸線とも略直交することを特徴とする請求項１記載の
   加工治具。
3. 【請求項３】 前記ロック部材は筒部と筒部より大径の
   つば部と、前記基準ピンが嵌入する円孔とよりなること
   を特徴とする請求項１記載の加工治具。