JPH0679367U - 保温容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器構成芯体を構成する発泡材の表層をその
発泡体成形時に一体成形される同一体な無発泡の発泡性
樹脂で形成することで、容器構成芯体と表層との結合を
強固にする保温容器を提供する。 【構成】 多孔質の発泡材からなる容器構成芯体２をそ
の発泡材と一体成形された同一素材の無発泡の発泡性樹
脂からなる表層３で被覆する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、産業給食用食器、学校や病院用の食器、給食用の食缶、仕出し用の 弁当容器等の保温容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の保温を要求される容器は、実開昭62-203670 号公報に開示され ているように、食器の外面形状を有する外殻部材と内面形状を有する内殻部材で 形成される減圧室を発泡材で閉塞して、その発泡材で保温性を持たせたものや、 特公平4-14566 号公報に開示されているように、食器の外面形状を有する外殻部 材と内面形状を有する内殻部材で形成される中空室で保温性を持たせたもの等が ある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

これら先行技術では、内外殻部材の接合縁を溶接着手段で封着した構造である 。 ところが、経年使用による高温時の洗浄、消毒、乾燥時の熱衝撃や、洗浄時や 食器保温庫への出し入れ時、取扱い時等の外的応力、衝撃等の断続的な繰り返し で溶接着箇所が切裂したり、剥離して汚染水が内部に浸入し残留して衛生管理上 大きな問題を起こす危険性があり、品質の面で信頼性が乏しい。 しかも、外殻部材、内殻部材用の成形型は勿論、発泡材用の成形型を用意しな ければならず型代が非常に高いこと及び内外殻部材の接合縁を溶接着するに際し て超音波溶着、スピン溶着、震動溶着、高周波誘導加熱溶着等の専用設備及び高 度の技術を必要とすること、必要によっては溶接着縁の不揃いを無くす為に部分 的に切除して外観的な帳尻合わせを行わねばならないこと等が反映して、設備コ ストが非常に高騰すると共に製造工程も複雑化し、廉価に提供できない経済面で の問題もある。

【０００４】 本考案は、上記従来事情に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、容器構 成芯体となる多孔質の発泡材の表層をその発泡材成形時に一体成形される同一体 な無発泡の発泡性樹脂で形成することで、容器構成芯体と表層との結合を簡単且 つ強固にすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために講じた技術的手段は、多孔質の発泡材からなる容器 構成芯体をその発泡材と一体成形された同一素材の無発泡の発泡性樹脂からなる 表層で被覆したことを要旨とする。

【０００６】

【作用】

上記技術的手段によれば、無発泡の発泡性樹脂で成形された表層が多孔質から なる発泡材で形成された容器構成芯体と一体不可分に結合する。

【０００７】 本考案は以上のように多孔質の発泡材からなる容器構成芯体をその発泡材と一 体成形された同一素材の無発泡の発泡性樹脂からなる表層で被覆した保温容器で あるから、表面平滑性のある表面光沢に富んだ表層が容器構成芯体と一体不可分 に結合され両者の固定が安定的で且つ強固であり、且つ継ぎ目もない。 従って、外観的に美麗であるばかりか、経年使用によって表層が切裂は勿論、 剥離することがなく、衛生管理上信頼性に秀でた耐久性のある保温容器を提供で きる。 しかも、この表層は多孔質の発泡材からなる容器構成芯体と一体成形されるも のであるから、成形型も一つで済み且つ先行技術のように溶接着時の溶着装置類 を一切必要とせず、しかも溶接着作業や溶接着縁の不揃いを無くす部分的な切除 作業を行なう必要もなく、設備コストの高騰、製造工程の複雑化に伴う価格の高 騰を回避し、非常に廉価に提供することができる。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１、図２、図３は各々容体と蓋部とで構成した産業給食用食器、病院用の食 器、仕出し用の弁当食器、給食で使用する食缶を示している。本考案では断面構 造を要旨とする為、各食器の形態についての説明は割愛する。

【０００９】 図１、図２、図３各図において、符号１は、容体11と蓋部21とで構成された保 温容器であり、各容体11、蓋部21は、連続気泡質の発泡材からなる容器構成芯体 ２と、同容器構成芯体２の表面を被覆し且つ同発泡材と同一素材の無発泡の発泡 性樹脂からなる表層３とを一体成形によって形成している。

【００１０】 この各容体11、蓋部21を成形するその成形方法を簡単に説明すると、キャビテ ィー（図示せず）に予め圧縮気体（２〜30kg／ｃｍ² ｆ）を封入してキャビティ ー（図示せず）内を射出成形機（図示せず）によって注入される発泡性溶融樹脂 （例えばポリプロピレン、所謂熱可塑性樹脂）の発泡が開始しない高さの気体圧 力に維持する。この加圧状態のキャビティー（図示せず）内に上記する発泡性溶 融樹脂を注入し、同溶融樹脂が発泡しない状態で成形型（図示せず）を１〜10秒 程度一次冷却して、キャビティー（図示せず）の表面に表層（図示せず）である スキン層を接触固化させる。その一次冷却の終了後、残留圧気の排出を含めて任 意位置まで金型（図示せず）を型開きしてキャビティーの拡張を行い該当キャビ ティー内の未発泡の発泡性溶融樹脂の発泡を行わしめる。一定時間の保持を行い 型内発泡を行わしめると共に、二次冷却を行いセル層を完成させる。しかる後、 型開きを行い、製品取り出しを行う。 これにより無発泡の発泡性樹脂からなる表層３に囲繞された状態で内部が連続 気泡質の発泡材からなる容器構成芯体２で充填された所謂容器構成芯体２・表層 ３同一体型の保温容器１が成形される。 尚、この成形方法は一例であり、無発泡の発泡性樹脂からなる表層３を形成す る時にその発泡を抑える為にキャビティー（図示せず）内を所定の加圧状態に保 持すること以外の手順、即ち内部圧気の排除タイミング、一次型開きのタイミン グ及び型開き量、樹脂計量のタイミング、未発泡の溶融樹脂の発泡タイミング等 においては射出成形材料、冷却時間、キャビティーの大小、キャビティー内圧等 の関係において無論選定される。

【図面の簡単な説明】

【図１】病院用保温食器の縦断面図。

【図２】仕出し用弁当食器の縦断面図。

【図３】給食用食缶の縦断面図。

【符号の説明】

１ ：保温容器 ２ ：容器構成芯体 ３ ：表層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多孔質の発泡材からなる容器構成芯体を
   その発泡材と一体成形された同一素材の無発泡の発泡性
   樹脂からなる表層で被覆したことを特徴とする保温容
   器。