JPH0679198A - 沈降平衡法による遠心分離のシミュレーション法 - Google Patents

沈降平衡法による遠心分離のシミュレーション法

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JPH0679198A
JPH0679198A JP23622092A JP23622092A JPH0679198A JP H0679198 A JPH0679198 A JP H0679198A JP 23622092 A JP23622092 A JP 23622092A JP 23622092 A JP23622092 A JP 23622092A JP H0679198 A JPH0679198 A JP H0679198A
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Ritsukuutsudo Deibuitsudo
リックウッド ディヴィッド
Suteinsugoodo Iensu
スティンスゴード イエンス
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Abstract

(57)【要約】 【目的】沈降平衡法による遠心分離において、準平衡状
態までシミュレーションするために要する時間が極めて
少なく、しかも誤差の小さいシミュレーションを可能と
する方法を提供すること。 【構成】最初にスベドベリの式及びバンホールドの式を
使用して準平衡状態の密度勾配液の分布をシミュレーシ
ョンする計算式を得る。次に遠心分離開始前の分布状態
と、準平衡状態を示す上記計算式とを指数関数的に分割
することにより、準平衡状態及び途中時間における分布
状態を示す関係式を得る。この関係式を種々の条件下で
計算して結果を画面に表示することにより、計算時間が
短くかつ誤差の小さいシミュレーションを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の理由分野】本発明は、沈降平衡法による遠心
分離のシミュレーションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】沈降平衡法とは、分子をそれ固有の密度
によって分離する方法である。一方、沈降速度法とは分
離は分子の質量・拡散力・密度の差によって分離される
方法である。この両方のモードは生物的な高分子や粒子
の混合物を分画するのに慣例的に用いられている。これ
らの操作において、装置・操作者の時間・生物の試料は
貴重な価値を持っている。遠心分離は何週間から何ヶ月
もかかる場合があり、そうやって取得することができる
試料はごく微量であり、このことからも貴重な価値を持
つ意味が理解されよう。これらのことから、試料を実際
の遠心分離をかける前に、遠心時間と分離の状態を予め
知りたいという利用者の要望が理解される。更に予め遠
心時間を知るということは、副次的効果として、寿命の
ある遠心機のロータをより効率的に使用できるという効
果をも持っている。
【0003】これらの理由により、遠心分離の実験から
正しい理論を用いて実際に即した計算によってその結果
をシミュレーションするために、分離状態を可視化でき
るようにすることが求められている。そのようになれ
ば、シミュレーションの結果により、各種の実験パラメ
ータを変更することが可能となる。実際に即した計算を
するのでなければ、遠心機を壊してしまうような、例え
ば少量の溶質で分離するような条件を導くようなことに
なってしまう可能性がある。正しいシミュレーションで
は、予測できない環境に対して警告を出すことができ
る。試行錯誤を繰り返して、貴重な試料を使うことな
く、種々の初期条件のもとでの探求が可能である。同様
にして、勾配物質を変化させたとき、それがどのように
実験結果に表われてくるかをテストすることも可能であ
る。
【0004】原理的には、ほとんどの実験条件を満足す
るような沈降平衡法のシミュレーションは既に公知であ
る。それは、遠心分離のシステムをモデル化した微分方
程式を数値積分する方法であり、ラム(Lamm)の沈
降方程式として知られている。ラムの沈降方程式とは、
超遠心機セル内の溶液の各成分に関する質量保存の関係
をあらわした「連続の方程式」と、沈降・拡散による試
料の流れをあらわした「流速の方程式」の二つの基礎方
程式によって与えられ、この式を解くことにより、遠心
による密度分布の変化の模様を知ることができるもので
ある。しかし、従来の沈降平衡法のシミュレーションは
このラムの沈降方程式を数値積分するものであったた
め、この方法は非常に難しく、多くの近似を含むもので
あった。
【0005】このことにより、米国特許第494186
8号では、ラムの沈降方程式の他の数値積分方法が提案
されている。この明細書には、連続するセグメントの時
間間隔を増やしていきながら計算する方法が開示されて
いる。しかし、この方法は非常に複雑で、多くの近似を
使用しなければならないため、準平衡状態に近づくほど
誤差の大きいシミュレーションとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の沈降平衡法によ
る遠心分離のシミュレーションでは、第1に準平衡状態
までシミュレーションするために要する時間は膨大なも
のになるという問題を有していた。また第2に準平衡状
態に近づくほど誤差が大きくなるという問題を有してい
た。
【0007】本発明の目的は、上記第1および第2の問
題を解決することであり、即ち、準平衡状態までシミュ
レーションするために要する時間を極力短くし、加えて
誤差が小さいシミュレーションを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】最初に、準平衡状態にあ
る密度勾配の分布を表す方程式を求める。この時ラムの
方程式の数値積分ではなく、ラムの方程式の数値解を用
いるスベドベリ(Svedberg)の方程式を用い
る。この密度分布と勾配液中の試料の浮遊密度を知るこ
とにより、バン・ホールド(Van Holde)の方
程式から準平衡状態にある試料の濃度分布を表す方程式
を求めることができる。そして勾配液の密度分布とその
初期密度から時間に対し指数関数的に変化する各時間の
密度分布が求められ、また濃度分布の方程式からその標
準偏差の変化を補正することで、各時間の状態をシミュ
レートすることができる。
【0009】
【作用】スベドベリの式、及びバンホールドによって提
供された式は、全て収束の必要のない式であり、マイコ
ン等を利用すれば、極めて短時間で計算することができ
る式である。また、最初にスベドベリの式を使用して準
平衡状態の密度勾配液の密度分布を計算で導き出してか
ら、その密度勾配液における試料の浮遊密度を基に、バ
ン・ホールドによって提供された式によって準平衡状態
の試料の濃度分布を求める。そして、準平衡状態への指
数関数的変化に加えて、試料のバンドの広がりを新しい
関数で補正することにより途中時間での分布をシミュレ
ーションするので、極めて誤差の小さいシミュレーショ
ンが可能となる。
【0010】
【実施例】図1から図4を用いて実施例を説明する。図
1に於いて1は遠心機により回転されるロータ、2は試
料を含むチューブ、3は回転中心軸である。本実施例で
はアングルロータのチューブが示されていて、チューブ
は回転中心軸に対して傾いているが、本シミュレーショ
ンの方法はチューブ2が回転中心軸3に対して平行に配
置されるバーチカルロータ、チューブ2が回転中心軸に
対して直角の配置になるスイングロータに対しても適用
できる。
【0011】この記述ではrminは回転の中心3とチ
ューブ2の最小距離であり、rmaxは回転の中心から
チューブの最大距離である。
【0012】準平衡状態にある密度勾配媒体の分布は、
よく知られたスベドベリの方程式、即ち数式1から計算
できる。
【0013】
【数1】
【0014】この数式は数式2のように変形できる。
【0015】
【数2】
【0016】ここでMは分子量、Rはモル気体定数、T
は絶対温度、cは試料の濃度、vは試料の部分比容、r
は回転中心からの距離、ρは溶液の密度、ωはロータ1
の角速度である。この方程式に密度を導入する。
【0017】そこで、分子の活性係数γより活性濃度a
=γcを得る。ここでγが係数であることに注意すれば
明らかに次の式が得られる。
【0018】
【数3】
【0019】更に、γ=a/cとして数式3を展開する
と、数式4となる。
【0020】
【数4】
【0021】今、βoを数式5として定義する。
【0022】
【数5】
【0023】数式4にこのβoを活用すると数式6が得
られる。
【0024】
【数6】
【0025】数式6によって密度勾配の各点(回転中心
からの距離)における変化の割合がわかる。一般に遠心
分離によって勾配液の濃度が一定の点がチューブ内に存
在することが知られている。その点を等濃度点(isopyc
nic point)と呼ぶ。この点では明らかに密度も変化し
ない。この等濃度点roは数式7によって求めるれる。
【0026】
【数7】
【0027】従って、初期密度がわかっていれば各点r
の密度が数式6を積分することによって得られる。この
時βoは、例えば文献「Microconputers in biology」
(C.R.Ireland/S.P.Long共著)の25ページでは、勾配
液の種類とその初期密度により選択している。
【0028】次に数式6を数学的に数式8に変形する。
【0029】
【数8】
【0030】ここで、ρは任意の点rにおける密度、ρ
oは初期密度である。
【0031】密度勾配の形成に伴い試料は、浮上しまた
は拡散し、浮遊密度Bdに等しい位置にバンド状に沈降
する。その位置を試料の平衡点と呼び、rθで表わすこ
ととする。浮遊密度とは、試料が溶媒の中に存在してい
る時の密度である。この平衡点を中心にして試料の量に
比例した面積を持つピークが形成される(図2)。故
に、回転中心からの距離rにおける試料の濃度cが計算
でき、距離rを横軸、濃度cを縦軸とすることによって
準平衡状態での試料の濃度の形状がわかる。回転中心か
ら距離rにおける濃度は1971年のバン ホールド
(Van Holde)によって導かれた数式9から計
算できる。
【0032】
【数9】
【0033】ここで、部分比容vは浮遊密度に対し、
v≒1/Bd の関係を持つ。そこで本実施例において
は浮遊密度Bdを用いて表わされる数式10によって準
平衡状態での試料の濃度を表わす曲線とする。
【0034】
【数10】
【0035】この数式10は、ガウス分布(Gaussian d
istribution)と同一形式である。従って試料濃度分布
の標準偏差σは数式11になる。
【0036】
【数11】
【0037】初期状態から最終状態に至る推移は本質的
には指数関数的である。本実施例では時間を分割しその
分割番号に対しその対数をかけることで途中経過を求め
ている。準平衡状態までの時間をT分割し、t番目の時
間の密度をρ(t)として数式12に表現する。
【0038】
【数12】
【0039】また試料のピークの位置に関してはチュー
ブの回転方向に対する中点rsからrθへ移動する。r
s=(rmin+rmax)/2としてt番目の時間の
回転中心からの位置をr(t)として数式13に表わ
す。
【0040】
【数13】
【0041】しかし、試料の場合は再配行を生ずるため
バンド幅の計算はもっと複雑になる。この再配行は、ピ
ークのバンド幅を広げるように作用し、理想状態とは異
なったものとなってしまう。このことを表現するために
円錐関数を導入した。この関数は、グラフィックシミュ
レーションによって描画されるサンプルのバンドの形状
が実際の平衡沈降遠心分離の時に見られるバンドの形成
に合致するように、バンド幅と、勾配液でのバンドの形
成される割合の関数として表わすものである。この円錐
関数は数式14として定義する。
【0042】
【数14】
【0043】ここでc(r)は真の平衡状態における濃
度である。tは上記した時間の分割である。DRは本質
的にはチューブの形状によって決まる拡散率のファクタ
ーである。c’(r,t)はt番目の時間の濃度であ
る。この式から勾配が平衡状態にまで到達するまでの展
開する分割量を無単位のc’(r,t)/c(r)に等
しいと定義できる。準平衡状態までの時間を理想の平衡
状態までの時間に対し、T番目の時間とし、その時の濃
度をc1(r,T)とすれば、次の数式15が成り立
つ。
【0044】
【数15】
【0045】この式から勾配が初期状態から準平衡状態
に到達するまでの展開を数式16に定義できる。
【0046】
【数16】
【0047】従って実際のバンドの広がりを標準偏差を
用いて表わせば、数式17となる。この時標準偏差の上
限(理想的には無限大)をσxとする。
【0048】
【数17】
【0049】この各時間tにおける標準偏差σtを数式
10に導入することにより各時間の濃度分布がわかる。
【0050】ところで、上で述べられた拡散率のファク
ターDRについては数式8から計算されるが、ここでH
は水中の高さであり、Qはサンプルの性質に依存するフ
ァクターである。
【0051】
【数18】
【0052】この式から、どの様なサンプルに対しても
スイングロータでの値の方がバーティカルロータよりも
DRファクターが小さいことがわかる。このように補正
係数DRはチューブの形状やチューブの取付けかたで決
まってくる。分離層の計算結果と実験データとの比較か
らDNAや球状蛋白質のQの値は約10であることがわ
かる。
【0053】以上のような理論に基づき、実際にユーザ
ーが利用することができるシミュレーションの、より具
体的な方法について以下に説明する。
【0054】まず、次の(1)乃至(13)の方法で遠
心分離の各種条件設定を行う。
【0055】(1)ロータをユーザが選択し、マイコン
中のROMにより必要なデータを読み込み、それらを画
面に表示する。ここで必要なデータとは、例えばrmi
n、rmax、最高回転数を意味する。
【0056】(2)勾配液の種類をユーザが選択する。
具体的には、画面に勾配液のリストを表示し、その中か
らユーザーがカーソルを移動することにより選択する事
にすればよい。
【0057】(3)勾配液の初期密度ρoを数値でユー
ザが入力する。
【0058】(4)勾配液の種類と初期密度からβoを
選択する。具体的には、ユーザーがβoを数値で直接入
力してもよいが、マイコン中に勾配液の種類と初期密度
に対するβoの値をテーブルとして与えておけば、上記
(2)と(3)のステップから自動的にβoを選択する
事が可能となる。
【0059】(5)等濃度点roを数式7によって自動
的に計算する。
【0060】(6)遠心分離によって結晶を析出しない
ための回転数(結晶析出限界回転数)の上限を計算す
る。これは、遠心分離によって、チューブの中での勾配
液の密度はrmaxの位置で最大となり、rmaxで取
り得る密度の上限Dが、勾配液の種類によって決まって
いるため、rmaxの位置で計算上形成される密度がD
を越えるならば、結晶として析出してしまうからであ
る。実際の遠心分離作業中に結晶が析出してしまった場
合、アンバランス現象やロータに対する荷重的悪影響を
引き起こす原因となる可能性が高いため、事前にシミュ
レーション段階においてユーザーに結晶析出の可能性が
あることを伝えることが望ましい。そこで、まず結晶を
析出しないための角速度の上限ω’を、数式19によっ
て計算する。
【0061】
【数19】
【0062】この数式19中の「+0.0005」は、
数値計算における丸め誤差防止である。このω’から数
式20によって結晶析出限界回転数Aが求められる。
【0063】
【数20】
【0064】(7)ここで、この計算によって得られた
結晶析出限界回転数Aが、(1)で選択されたロータの
最高回転数を下回った場合、「結晶析出限界回転数はA
rpmです。」等の注意の表示を、ユーザーに知らせる
ために画面に表示する事が望ましい。
【0065】(8)上記結晶析出限界回転数の表示をユ
ーザーが確認した上で、設定回転数υをユーザーが数値
入力する。ここで、シミュレーションの利用範囲を拡大
するため、ユーザーが仮に結晶析出限界回転数よりも大
きい設定回転数を入力した場合でも、シミュレーション
の計算自体は行うことが望ましい。但し、その様な条件
で実際の遠心分離作業を行った場合には結晶が析出する
ことをユーザーに知らせるために、本実施例では図3の
様な表示を画面にすることとする。
【0066】(9)試料をユーザが選択する。具体的に
は、この試料の選択に関しても上記した勾配液の選択と
同様に、画面に試料のリストを表示し、その中からユー
ザーがカーソルを移動することにより選択する事にすれ
ばよい。
【0067】(10)試料の分子量Mをユーザが入力す
る。具体的には、この分子量Mの入力についても、直接
ユーザーが数値を入力しても、又はマイコンに予め選択
される数値を入力しておき、ユーザーが随時その中から
選択してもよい。
【0068】(11)ユーザーが(8)で入力した設定
回転数に対する角速度を数式21によって計算する。
【0069】
【数21】
【0070】(12)勾配液の種類と試料の種類から浮
遊密度Bdを選択する。具体的には、ユーザーが浮遊密
度Bdを数値で直接入力してもよいが、マイコン中に勾
配液の種類と試料の種類に対するBdの値をテーブルと
して与えておけば、上記(2)と(9)のステップから
自動的にBdを選択する事が可能となる。
【0071】(13)準平衡状態に到達するまでに要す
る時間を数式22によって計算する。
【0072】
【数22】
【0073】次に、勾配曲線と試料曲線の方程式による
計算およびそれらの表示についての具体的方法に関し、
以下(14)乃至(27)の方法で行う。
【0074】(14)rmaxからrminまでを10
0分割し各分割の中点xi(i=1,2,...,10
0)における準平衡状態の勾配液の密度ρi(i=1,
2,...,100)を数式8から求める。
【0075】(15)上記密度ρiに対し、先に選択さ
れた浮遊密度Bdと比較する。ρi>Bdを満たす最小
のio対し、rθ=xioを定義する。ここで、rθは
準平衡状態における試料のピークの位置となる。また、
密度ρiはiに対し単調増加である。
【0076】(16)試料のピークの位置rθにおける
密度勾配曲線の変化の割合dρ/drを数式23によっ
て求める。
【0077】
【数23】
【0078】(17)試料濃度の標準偏差を上記した数
式11によって計算する。
【0079】(18)次に、チューブ、座標、タイトル
の表示を画面に行う。この時、水平座標はチューブの半
径方向を表し、画面左200ドットから600ドットま
で構成される。そして座標左端をrmin、右端をrm
axとしている。また垂直座標画面上50ドット目から
250ドット目までで構成される。具体的には図2に見
られるように、チューブ、座標、タイトルの表示が行わ
れる。
【0080】(19)準平衡状態までの時間を10分割
し、1〜10までの番号を付け、番号をtとする。ここ
でシミュレーションはすべてのtに対して行ってもよい
が、本実施例のシミュレーションでは、t=1,4,
7,10の4段階を行なう。従って、上記した数式及び
下記する数式中のlogは常用対数を表わすとする。
【0081】時間の各フラクション(t=1,4,7,
10の順)毎に以下の操作を繰り返す。
【0082】(20)結晶析出限界回転数を越えた回転
数をユーザが入力していた場合、結晶が現れることを警
告をする。
【0083】(21)各iに対し、時間のフラクション
tにおける密度をρ(i,t)で表わすと、それは数式
24によって表わされる。
【0084】
【数24】
【0085】(22)水平座標は座標左3ドット目から
4ドットづつをx1,x2,...,x100と決め
る。垂直座標に関しては座標最下位置を密度1.0g/
ml、座標最上位値を密度2.0g/mlと対応させ
る。次に数式25で計算された値を座標上に取りそれを
結ぶ事で勾配曲線を描く <試料濃度曲線> (23)各フラクションt毎の試料のピーク位置r
(t)は数式13、具体的には数式25によって計算す
る。
【0086】
【数25】
【0087】(24)時間のフラクションtに対する標
準偏差σtは数式17、具体的には数式26によって計
算する。ここで便宜上DR=0.3程度に近似してもよ
い。
【0088】
【数26】
【0089】(25)準平衡状態におけるピークの値を
座標最上位置より10ドット下に置き、その位置を基準
として時間のフラクションに対する試料の濃度曲線を数
式9を用いて描く。
【0090】(26)濃度のばらつきに合せて画面左に
描かれているチューブ内に粒子の動きを1次的に示す。
【0091】(27)(20)から(26)のステップ
を各t毎に行う。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、収束の必要のない計算
のみでシミュレーションを行うので、準平衡状態までシ
ミュレーションするために要する時間が極めて少なくて
すむという効果を奏することができる。また途中時間で
の試料密度の分布は全て準平衡状態での試料密度の分布
を基に計算されているので、誤差が極めて小さいという
効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシミュレーションの対象であるロ
ータの一実施例を示すアングルロータの断面図。
【図2】本発明によるシミュレーションの画面表示の一
実施例を示す図。
【図3】本発明によるシミュレーションの結晶析出の画
面表示の一実施例を示す図。
【図4】本発明によるシミュレーションの時間と試料の
移動速さの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1はロータ、2はチューブ、3は回転中心軸である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沈降平衡法による遠心分離のシミュレーシ
    ョンにおいて、遠心分離開始前の密度勾配溶液と試料の
    分布状態と、準平衡状態での密度勾配溶液と試料の分布
    状態とから、途中時間における密度勾配溶液と試料の分
    布状態を求めることを特徴とする沈降平衡法による遠心
    分離のシミュレーション法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記準平衡状態に至る
    までの時間を分割し、その分割番号に対して対数をかけ
    ることで途中時間における分布状態を求めることを特徴
    とする沈降平衡法による遠心分離のシミュレーション
    法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2において、最初に準
    平衡状態に至るまでの途中時間での試料の濃度分布をデ
    ィスプレイ等に表示し、その後に準平衡状態の試料の濃
    度分布をディスプレイ等に表示することを特徴とする沈
    降平衡法による遠心分離のシミュレーション法。
  4. 【請求項4】請求項2又は請求項3において、最初に表
    示した濃度分布に対して次に表示する濃度分布を重ね合
    わせて表示することを特徴とする沈降平衡法による遠心
    分離のシミュレーション法。
  5. 【請求項5】請求項3又は請求項4において、試料の濃
    度分布を、ロータ内に挿入されるチューブと対応させて
    ディスプレイ等に表示することを特徴とする沈降平衡法
    による遠心分離のシミュレーション法。
  6. 【請求項6】請求項3乃至請求項5において、試料の濃
    度分布と共に密度勾配溶液の濃度分布をディスプレイ等
    に表示することを特徴とする沈降平衡法による遠心分離
    のシミュレーション法。
  7. 【請求項7】請求項1又は請求項2において、試料が準
    平衡状態の濃度分布に到達するまでの途中時間での分布
    を補正するために、時間と本質的にチューブの形状によ
    って決定される拡散率のファクターを利用することを特
    徴とする沈降平衡法による遠心分離のシミュレーション
    法。
  8. 【請求項8】請求項7において、計算により求められた
    前記準平衡状態の濃度分布に、時間tと本質的にチュー
    ブの形状によって決定される拡散率のファクターDRか
    らなる関係式{t/(DR+t)}を掛けることによ
    り、準平衡状態の濃度分布に到達するまでの途中時間で
    の試料の分布を補正することを特徴とする沈降平衡法に
    よる遠心分離のシミュレーション法。
  9. 【請求項9】沈降平衡法による遠心分離のシミュレーシ
    ョンにおいて、ユーザーが設定したロータの回転数が、
    密度勾配溶液の種類によって自動的に決定される結晶析
    出回転数を越えている場合に警告を発することを特徴と
    する沈降平衡法による遠心分離のシミュレーション法。
  10. 【請求項10】請求項9において、上記警告を画面に表
    示されるチューブの、ロータの回転中心から最大距離に
    該当する部分に表示することを特徴とする沈降平衡法に
    よる遠心分離のシミュレーション法。
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JP23622092A Pending JPH0679198A (ja) 1992-09-03 1992-09-03 沈降平衡法による遠心分離のシミュレーション法

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JP (1) JPH0679198A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5675519A (en) * 1993-08-27 1997-10-07 Hitachi Koki Co., Ltd. Apparatus and method for controlling centrifugal separator and centrifugation simulation method and centrifugal separator
US20190364703A1 (en) * 2016-03-16 2019-11-28 Sony Interactive Entertainment Inc. Electronic apparatus

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