JPH0679136B2 - 積層シートフィルム用ストックマガジン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は積層シートフィルムを収容するストックマガジ
ン、さらに詳細には遮光性ジャケットにつつまれた積層
シートフィルムを収容し、ジャケット巻取片をジャケッ
トとともに巻き取る巻取装置が設けられたストックマガ
ジンに関する。

［従来の技術］ この種のストックマガジンが、例えばドイツ実用新案登
録第7725804号、あるいはドイツ特許公報第3405423号か
ら知られている。

［発明が解決しようとする問題点］ この種の公知のマガジンの場合には、このマガジンの閉
鎖後に個々のフィルムシートを積層フィルムから取り出
すことができるだけであり、実際にこのジャケットが積
層フィルムから離されているかどうかを知ることは不可
能である。

従って、本発明の課題は、巻取軸が回転するときにこの
巻取軸上にジャケットが巻き取られるかどうかを知るこ
とのできるストックマガジンを提供することである。

［問題点を解決するための手段］ 上記の問題点を解決するために、本発明によれば、個々
のシートフィルムを積層して収容する積層シートフィル
ム用ストックマガジンにおいて、遮光性ジャケットに積
層して配置されたシートフィルムを収納しカバーによっ
て閉鎖可能なボックスと、ボックスを閉鎖した後ジャケ
ットの巻取片をジャケットとともに巻き取りジャケット
を積層シートフィルムから剥す巻取軸を備えた巻取装置
と、巻取軸に巻き取られたジャケットに従って巻取軸の
径方向に移動可能な検出部材と、前記検出部材あるいは
これと結合されている表示部材を視認できる観察窓と、
巻取軸と観察窓間に設けられた遮光壁とからなり、前記
遮光壁が巻取軸と平行に延びており、検出部材が遮光壁
内を遮光状態で遮光壁に対して垂直に移動できる構成を
採用した。

［実施例］ 本発明を図面を用いて詳細に説明する。

Ｘ線フィルムカセットにＸ線フィルムの装填排出を行う
装置が知られており、この装置には種々のサイズの積層
シートフィルムを収容するストックマガジン２を挿入す
る引出しが設けられている。この場合、従来は積層シー
トフィルムは暗室内で遮光ジャケットを除去されストッ
クマガジン２中に挿入され、それから閉じたマガジンに
入った状態で装置の該当する引出しへ挿入される。この
マガジンは装置内で密封され、かつ開放されるので、必
要な場合には必要な大きさのシートの積層フィルムから
１枚のシートフィルムを上から取り出して、予め空にさ
れているカセットに挿入することができる。この種の公
知の装置においては、上方の一部のみが開放するボック
ス2aと、摺動カバー2bとして形成されているカバーとか
らなるドイツ特許公報第3122582号に記載されたストッ
クマガジンがすでに使用されている。このようなマガジ
ンでは、ボックス2aの挿入口は、マガジン２を装置へ挿
入する方向３のボックス2aの端面2hに隣接している。挿
入口の大きさは積層フィルムをボックス2aへ挿入し、そ
の中で位置決めすることができ、かつ摺動カバー2bを前
へ移動させた状態で挿入口が摺動カバーによって遮光閉
鎖されるだけの大きさである。公知のマガジン２では、
挿入方向３にみて後方のマガジン端面2dは、ボックス2a
に固定されており、マガジン２を装置へ挿入し、かつこ
の装置から取り出すためのグリップ部分として形成され
ている。

マガジン２を昼光マガジンとして、すなわち積層フィル
ムとその遮光カバーとを挿入し、マガジン２の閉鎖後に
積層フィルムからジャケットを取り除く前に使用するこ
ととができるようにするために、後方のマガジン端面2d
は開放できるようになっており、閉めた状態においては
遮光閉鎖を行う後壁となるように構成されている。ボッ
クス2aの内部で後壁のすぐ後方において、巻取軸６がボ
ックス2aの側壁ないしは後壁2dに軸承されている。後壁
2dにはクリップ７が設けられていて、新たに挿入された
ジャケット４の巻取片4aをこのクリップ７によって巻取
軸６に締付固定することができる。巻取軸６は直接、あ
るいは歯車8,9を介して、後壁2dから外方へ導かれてい
る巻取クランク10と結合することができる。この巻取ク
ランクには折畳みできる図示していないリンクが設けら
れているので、この巻取クランクは第１図に示す使用位
置、あるいは後壁2dの凹部2e中へ収容される非使用位置
へ移動することができる。非使用位置は、マガジン２を
装置へ挿入するときに占める位置である。図面に示すマ
ガジン２には、挿入口の上方で摺動カバー2bの挿入方向
３に見て前の端縁2fに切取り部が取り付けられている。

以下において、本発明をさらによく理解するために、本
発明によるストックマガジン２の図示の実施例の機能を
説明する。空のマガジン２に再び積層フィルムを装填す
るためには、摺動カバー2bを開放して挿入口を開け、さ
らに後壁2dを開放することによって巻取軸６を露出させ
る。続いて、巻取軸６からそこに巻き付けられている空
のジャケット４を引き出して、残されている補強・保持
プレートをボックスから取り出す。この補強・保持プレ
ートの後方には、垂直に立つストッパが設けられてい
る。このストッパを含めた保持プレートは、閉鎖された
マガジン２内で積層フィルムからジャケットを引き出す
ときに、ジャケットに連られて積層フィルム、あるいは
その個々のシートフィルムが移動するのを防止するのに
用いられる。続いて、新しい積層フィルムがジャケット
４とともに挿入口を通してボックス2aへ挿入され、この
ときに巻取片4aが巻取軸６の領域まで案内されてクリッ
プ７によって巻取軸６に締付固定される。マガジン２を
装置へ挿入する方向３にみて前方のジャケットの閉鎖片
4bは、マガジン２が閉鎖されたときに簡単に切り取るこ
とができ、切取片4bとして機能する。従って、この切取
片4bはマガジン２が開放されているときには、マガジン
閉鎖後に切取部とボックスの端面2hの表面間において、
マガジンから前方に臨まされるようにセットされる。こ
の位置が第１図と第２図に示されている。続いて、第１
図と第２図に示すように、クランク10が引き出されて、
後壁2dが閉鎖される。そして、切取部によって切取片4b
が手で切り取られる。従って、閉じたマガジン内でジャ
ケット４の前側が開放されているので、このジャケット
は特に力を必要とせずに後方へ引き出すことができる。
そのために、クランク10が操作され、それによって軸６
が回転される。このときに巻取片4aとジャケット４は、
好ましくは完全に軸６上に巻き取られる。そして、新し
く装填されたマガジンが装置の適当な区画へ挿入され
る。

以上説明したマガジン２においては、ジャケットが巻取
軸６上に巻き取られているかどうか、従って、積層フィ
ルムからのジャケットの引き離しが実際に正常に行われ
ているかどうかを知ることはできない。例えば、クラン
ク10を回転させるときに巻取片4aが巻取軸６から外れて
しまい、ジャケットが積層フィルムから引き外されてい
ない場合には、正常か否かを知ることができず、それに
よってフィルムカセットにフィルムを装填排出する装置
内で著しい機能障害がもたらされることになる。そこ
で、ジャケットが巻取軸６上に正常に巻き付いたことを
表示させる本発明の表示装置を説明する。

この表示装置では、遮光状態でで案内され巻取軸６に対
して径方向に移動する検出部材15を、巻取軸に弾性的に
当接させるようにしている。巻取軸上にジャケットが巻
き取られることによって、巻取軸６の直径は増加するの
で、検出部材15は巻取軸６から径方向外側へ押圧され
る。この移動を直接、あるいは検出部材15と結合されて
いる表示部材16を介して観察窓17内に表示することがで
きる。この観察窓は、マガジンの巻取軸６が軸承されて
いる部分に設けられ、従って図示の実施例では設けるこ
とのできる後壁2dに設けられる。この場合、観察窓17な
いし、この観察窓が設けられている後壁部分と巻取軸６
との間に遮光性の中間壁2iを設けなければならず、この
中間壁を通して検出部材15が遮光状態で、かつ移動可能
に案内される。このためには、フェルトあるいはプラス
チック性のラビリンスパッキンあるいはシールリングの
ような、あらゆる公知の適当な遮光手段を利用すること
ができるので、遮光状態で軸承する方法については、詳
細な説明は省略する。

図示の実施例によれば、観察窓17はマガジンの後方の端
面ないしは後壁2dの後方に設けられている。検出部材15
はこの後方側に対して平行な中間壁2iを通して遮光状態
で案内され、この中間壁に対して垂直に移動するピン15
として形成されている。表示部材16としては、薄いドラ
ムセクタが用いられ、このセクタはピンの軸線及び巻取
軸６の軸線に対して垂直な軸18を中心に充分な角度範囲
だけ回転することができる。ドラムセクタ16のほぼ径向
の一方の境界部16aには、突出するカム16bが設けられて
おり、このカムはばね19の作用によって検出ピン15の巻
取軸６と反対の端部15aに接している。ドラムセレクタ1
6のほぼ径方向の他方の境界部16cには、コイルばねとし
て形成されているばね19の一方を軸承し、案内するピン
16eを有する段部16dが設けられている。ばね19の他方を
軸承し、案内するピン2kは、中間壁2iの観察窓17の側に
設けられている。両方の軸承・案内ピン16eと2kは、コ
イルばね19の両方の端面に嵌入して、このコイルばね19
を案内、軸承している。

ドラムセクタ16を案内し、かつばね19のストッパを形成
するために、後壁2dの観察窓17を有する壁部分の内側の
一部は、ドラムセクタ16の外表面に対して相補的な形状
を有する外側軸受部分2fとして形成されており、この外
側軸受部分内でドラムセクタ16の外表面が往復滑動する
ことができる。この場合、ドラムセクタ16の径方向の境
界部16cは、この外表面上に径方向に突出しており、そ
れによって軸受部分2fの径向の境界部とともにストッパ
を形成する。

積層フィルムパックを挿入する前の状態においては、カ
ム16bはばね19の作用によって検出ピン15に当接し、こ
の検出ピン15が巻取軸６に当接する。第２図に示すよう
に、ジャケット４の固定用舌片4aが巻取軸６に固定され
ると、後壁2dが閉鎖されて、クランク10が回転され、通
常はジャケット４が巻取軸６上に巻き取られる。巻き取
られたジャケットの直径が増加することによって、検出
ピン15が外方へ移動され、ドラムセクタ16は反時計方向
へ回動される。この移動は、ジャケット４が正常に巻き
取られたことを示すものとして、観察窓17内で観察する
ことができる。好ましくは、ドラム外表面に外表面の線
に対して平行にモデル線、あるいは外周にスケールを設
けることができ、それによってドラムセクタ16の移動な
いしはジャケット４が積層フィルムから完全に引き離さ
れたこを良好に確認することができる。

観察窓が第３図のように後壁2dの後方側に設けられてお
らず、後壁の後方側に対して垂直な上方、あるいは下方
の壁部分で、中間壁2iの外側でピン15の端部15aの上方
に設けられている場合には、ピン15自体を表示手段とし
て使用することもできる。その場合には、ピンをそれに
応じてより長くして、例えばその縦の延長部分に沿って
スケールを設けなければならない。この場合には、押圧
ばねはピンの端部15aと後壁2dの後方の端面との間に単
に圧縮ばねとして装填することができる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、ストックマガジ
ンのボックス閉鎖後に巻取装置の巻取軸にジャケットが
巻き取られると、検出部材が巻取軸の径方向に移動し、
それに従って巻取軸あるいは表示部材の移動が観察窓を
介して視認できるので、ジャケットが実際に巻き取られ
て積層シートフィルムから剥されたか否かを簡単に知る
ことができ、確実な操作が可能になる。しかも、検出部
材は、単に巻取軸に平行な遮光壁内を遮光壁に対して垂
直に移動するだけなので、遮光構造を極めて簡単でスペ
ースを取らない構造にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づくストックマガジンの原理を示す
閉鎖状態の斜視図、第２図は第１図に示すマガジンの一
部開放状態の斜視図、第３図は第１図に示すマガジンの
III−III線に沿って本発明の主要部分を示す拡大破断断
面図、第４図は第１図と第３図に示す観察窓を有するマ
ガジン面の破断上面図である。 ２……ストックマガジン 2f……凹部、2i……遮光シール材 2k……軸承案内ピン、4,4a……巻取片 ６……巻取軸、15……ピン 15a……端部、16……ドラムセクタ 16b……カム、16e……軸承案内ピン 16f……ストッパ 17……観察窓、19……押圧ばね

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】個々のシートフィルムを積層して収容する
   積層シートフィルム用ストックマガジンにおいて、 遮光性ジャケットに積層して配置されたシートフィルム
   を収納しカバーによって閉鎖可能なボックスと、 ボックスを閉鎖した後ジャケットの巻取片（４、4a）を
   ジャケットとともに巻き取りジャケットを積層シートフ
   ィルムから剥す巻取軸（６）を備えた巻取装置と、 巻取軸（６）に巻き取られたジャケットに従って巻取軸
   の径方向に移動可能な検出部材（15）と、 前記検出部材あるいはこれと結合されている表示部材
   （16）を視認できる観察窓（17）と、 巻取軸（６）と観察窓（17）間に設けられた遮光壁（2
   i）とからなり、 前記遮光壁が巻取軸と平行に延びており、検出部材（1
   5）が遮光壁（2i）内を遮光状態で遮光壁に対して垂直
   に移動できることを特徴とする積層シートフィルム用ス
   トックマガジン。
2. 【請求項２】前記検出部材がピンであることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載のストックマガジン。
3. 【請求項３】ピン（15）の巻取軸（６）と反対の端部
   （15a）に、表示部材として用いられる回転可能な表示
   ドラムセクタ（16）に形成されたカム（16b）が接して
   おり、ドラムセクタ（16）の他の径方向面（16c）の段
   部（16d）にドラムセクタ（16）とピン（15）の両方に
   共通の押圧ばね（19）が設けられることを特徴とする特
   許請求の範囲第２項に記載のストックマガジン。
4. 【請求項４】観察窓（17）の縁の近傍に、ドラムセクタ
   （16）の外形に対して相補的でドラムセクタ（16）を軸
   承し、かつ案内する凹部（2f）が設けられることを特徴
   とする特許請求の範囲第２項または第３項に記載のスト
   ックマガジン。
5. 【請求項５】ドラムセクタ（16）の一方の径方向面（16
   c）に、凹部（2f）の径方向端縁に当たるストッパ（16
   f）が設けられることを特徴とする特許請求の範囲第４
   項に記載のストックマガジン。
6. 【請求項６】押圧ばね（19）の一端が遮光壁（2i）に支
   えられることを特徴とする特許請求の範囲第３項から第
   ５項のいずれか１項に記載のストックマガジン。
7. 【請求項７】押圧ばねがコイルばね（19）によって形成
   されており、遮光壁（2i）とドラムセクタ（16）の他方
   の径方向面（16c,16d）に取り付けられている軸承案内
   ピン（2kないし16e）が、前記コイルばね中に嵌入して
   いることを特徴とする特許請求の範囲第６項に記載のス
   トックマガジン。