JPH0678677A - 水出しコーヒーの製造方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 香り豊かで美味な水出しコーヒーを、一般家
庭でも手軽に短時間で得ることができる水出しコーヒー
の製造方法及び装置を提供する。 【構成】 コーヒー粉末Ｃと水Ｗを真空容器４に入れ、
該真空容器４内を真空ポンプ１で真空排気し、減圧状態
で撹拌してコーヒー粉末に同伴されている空気を排除し
た後、コーヒーの抽出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水出しコーヒーの製造
方法及び装置に関し、特に、一般家庭において、短時間
で手軽に水出しコーヒーを得ることができる方法及び装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、水出しコーヒーを得るためには、
水出しコーヒー製造用の器具に、焙煎，粉砕したコーヒ
ー豆と水とをセットし、長時間をかけてコーヒーを抽出
するのが一般的であった。また、不織布等のパック内に
焙煎，粉砕したコーヒー豆をパックしたものが市販され
ているが、これもコーヒー豆パックを所定量の水中に浸
漬して８〜１０時間放置して抽出するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
水出しコーヒーの製造方法では、その抽出に極めて長い
時間を必要としており、一般家庭で手軽に得ることはで
きなかった。また、抽出されたコーヒー液が長時間大気
に曝されるため、酸化されて味が低下したり、微妙な香
り成分が揮散してしまうこともあった。

【０００４】そこで本発明は、香り豊かで美味な水出し
コーヒーを、一般家庭でも手軽に短時間で得ることがで
きる水出しコーヒーの製造方法及び装置を提供すること
を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の水出しコーヒーの製造方法は、焙煎，粉
砕したコーヒー粉末と水とを撹拌した後、コーヒーの抽
出を行うことを特徴としている。さらに、前記撹拌を初
期に強く行い、後期には弱く行うことを特徴としてい
る。

【０００６】また、本発明の水出しコーヒーの製造装置
は、真空容器と、該真空容器に装着される気密蓋と、該
真空容器内を真空排気する真空ポンプと、真空容器内に
入れられたコーヒー粉末と水とを撹拌する撹拌手段とを
備えたことを特徴としている。

【０００７】

【作 用】コーヒー粉末に水を注入しただけでは、コー
ヒー粉末中に同伴されている空気はそのままで、水と入
れ替わらない。また、コーヒー粉末に水を注入した後、
単に真空引きするだけでは、注入した水が妨害となって
コーヒー粉末中の空気の排除が困難である。したがっ
て、コーヒー粉末と水とを十分に接触させることができ
ない。これに対し、上記構成によれば、コーヒー粉末と
水とを減圧下で撹拌することにより、コーヒー粉末に同
伴されている空気を除去することができるので、コーヒ
ー粉末と水とを十分に接触させることができ、短時間で
水出しコーヒーを得ることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を、図１に示す一実施例に基づ
いて、さらに詳細に説明する。図１は、本発明の水出し
コーヒーの製造装置の一実施例を示す一部断面正面図で
あって、この装置は、真空ポンプ１及び磁気撹拌機２の
駆動部２ａを収納した基台３と、該基台３上に載置され
る真空容器４と、該真空容器４の上部開口に装着される
気密蓋５と、該気密蓋５に設けた三方弁６を介して前記
真空容器４内と真空ポンプ１とを接続する配管７とから
構成されている。

【０００９】上記磁気撹拌機２は、真空容器４内に入れ
た撹拌子２ｂを磁力で回転させるものであって、その回
転数を少なくとも２段階に調整できるものが使用されて
いる。また、上記三方弁６は、気密蓋５を貫通して真空
容器４内に連通する通路６ａと、大気に連通する通路６
ｂと、前記配管７を接続する通路６ｃとを有するもの
で、切換えにより通路６ａと通路６ｂあるいは通路６ａ
と通路６ｃを、それぞれ連通させるように作動する。ま
た、気密蓋５の内周には、気密性を保持するためのパッ
キング５ａが設けられている。

【００１０】次に、前記装置を用いて水出しコーヒーを
製造する具体的な手順に従って本発明方法を説明する。
まず、真空容器４内に、あらかじめ所定の焙煎，粉砕を
行った所定量のコーヒー粉末Ｃ、例えば２杯分として３
０ｇを入れるとともに、コーヒー粉末Ｃに応じた量の水
Ｗ、３００ｃｃを入れる。この真空容器４を基台３上に
載置し、気密蓋５を装着して真空容器４を密封した後、
前記三方弁６を通路６ｃ側に切換えて真空ポンプ１を作
動させ、真空容器３内を真空排気するとともに、磁気撹
拌機２を作動させて撹拌子２ｂを回転させ、真空容器４
内のコーヒー粉末Ｃと水Ｗとを撹拌する。

【００１１】このときの撹拌は、コーヒー粉末Ｃと水Ｗ
とを十分に接触させるとともに、コーヒー粉末に同伴さ
れている空気を十分に排除できるように、できるだけ強
く撹拌することが好ましい。また、ある程度真空排気が
進んでから撹拌を開始し、撹拌中は真空ポンプ１を停止
させるようにしてもよく、真空容器４内の状態に応じて
真空ポンプ１を断続的に運転するようにしてもよい。

【００１２】所定の排気時間、例えば５分間排気を行っ
たら、三方弁５を閉じて真空ポンプ１を止め、真空容器
３内の真空排気は終了するが、磁気撹拌機２による撹拌
はコーヒーが十分に抽出されるまで、例えば１０分間継
続する。

【００１３】このときの撹拌は、コーヒー粉末Ｃと水Ｗ
とを適度に接触させるとともに、抽出されたコーヒー液
が容器底部に滞留しない程度に液を撹拌すれば十分であ
り、これによって苦みや渋みが過度に抽出されることを
抑えることができる。また、抽出時は、真空容器３内を
大気圧に戻してもよいが、減圧状態に保持することによ
り、コーヒー抽出液の酸化を抑えることができる。

【００１４】コーヒーの抽出を終えたら、三方弁６を通
路６ｂ側に切換えて真空容器４内に大気を導入した後、
気密蓋５を取り外し、真空容器４内のコーヒー液を、別
に用意した紙フィルター等により濾過してコーヒー粉末
及び撹拌子２ｂを分離することにより、美味しい水出し
コーヒーが得られる。

【００１５】このように、所定量のコーヒー豆と水を用
意し、真空ポンプ１，磁気撹拌機２及び三方弁５を作動
させるだけで、十数分の短時間で水出しコーヒーを得る
ことができる。得られたコーヒー液は、長時間大気に曝
されることがないため、酸化されて味が低下したり、微
妙な香り成分が揮散してしまうことがなく、香り豊かで
美味なものが得られる。

【００１６】なお、装置の構成は、コーヒー液の製造量
に応じて任意に設計することができ、例えば、三方弁を
用いずに、真空排気用，大気導入用の２個の弁を設けて
もよい。また、基台を省略して真空ポンプを別置きにし
てもよく、気密蓋を気密に貫通する軸を有する撹拌羽根
等、他の撹拌手段を用いることもできる。さらに、弁を
電磁弁のような自動弁とし、真空ポンプの作動と弁の開
閉を自動的に行うようにすることもできる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水出しコーヒーを製造するにあたって、コーヒー粉末に
同伴されている空気を排除した状態でコーヒーの抽出を
行うので、コーヒー粉末と水とを十分に接触させること
ができ、抽出効率が向上して短時間で水出しコーヒーを
得ることができる。また、得られたコーヒー液は、長時
間大気に曝されることがないため、酸化されて味が低下
したり、微妙な香り成分が揮散してしまうことがなく、
香り豊かで美味なものが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の水出しコーヒーの製造装置の一実施例
を示す一部断面正面図である。

【符号の説明】

１…真空ポンプ ２…磁気撹拌機 ２ｂ…撹拌子
３…基台 ４…真空容器 ５…気密蓋 ６…三方弁 Ｃ…コ
ーヒー粉末 Ｗ…水

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 焙煎，粉砕したコーヒー粉末と水とを減
   圧下で撹拌した後、コーヒーの抽出を行うことを特徴と
   する水出しコーヒーの製造方法。
2. 【請求項２】 前記撹拌は、初期に強く行い、後期は弱
   く行うことを特徴とする請求項１記載の水出しコーヒー
   の製造方法。
3. 【請求項３】 真空容器と、該真空容器に装着される気
   密蓋と、該真空容器内を真空排気する真空ポンプと、真
   空容器内に入れられたコーヒー粉末と水とを撹拌する撹
   拌手段とを備えたことを特徴とする水出しコーヒーの製
   造装置。