JPH0677176A - 珪素樹脂のパターン形成方法 - Google Patents

珪素樹脂のパターン形成方法

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JPH0677176A
JPH0677176A JP22555092A JP22555092A JPH0677176A JP H0677176 A JPH0677176 A JP H0677176A JP 22555092 A JP22555092 A JP 22555092A JP 22555092 A JP22555092 A JP 22555092A JP H0677176 A JPH0677176 A JP H0677176A
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silicon resin
pattern
gas
forming
photoresist
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JP22555092A
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English (en)
Inventor
Etsushi Adachi
悦志 足立
Hiroshi Adachi
廣士 足達
Hiroyuki Nishimura
浩之 西村
Shintarou Minami
伸太朗 南
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 どのような有機成分を有する珪素樹脂におい
ても、エッチング速度を落とすことなくエッチングし、
クラックが入るなど珪素樹脂のパターンに変質がない所
望とするパターン形状のままで、不要となったフォトレ
ジストのパターンを残渣なく除去できるようにする。 【構成】 半導体基板1上に珪素樹脂層2を形成し、そ
の上にフォトレジスト層3からなるパターンをフォトリ
ソグラフィにより形成し、このフォトレジスト層3をマ
スクとしてドライエッチングにより珪素樹脂層2をエッ
チングして、フォトレジスト層3の形状を転写する。こ
のとき、反応ガスとして体積比が60%の酸素ガスとC
HF3 ガスとの混合ガスを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ラダー型オルガノポ
リシロキサンからなる珪素樹脂のパターン形成方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】珪素樹脂である梯子状の架橋構造をもつ
ラダー型オルガノポリシロキサン(ラダー型シリコーン
樹脂)は耐熱性,耐湿性に優れ、電気絶縁性に優れてお
り、また、二酸化珪素などとの密着性が良好なので、半
導体装置の絶縁層として用いられている。この、ラダー
型シリコーン樹脂のパターン形成方法には、例えば特開
平1−32650号公報に示されているものがある。こ
の方法は、ラダー型シリコーン樹脂の中でも、主成分で
あるポリシロキサンの有機成分の半数以上がメチル基で
あるものに適用される方法であり、この有機成分が全て
メチル基であるラダー型シリコーン樹脂が特に好ましい
対象である。
【0003】この従来のラダー型シリコーン樹脂(以下
単に珪素樹脂とする)のパターン形成方法を以下に説明
する。まず、基板上に珪素樹脂をスピンコートなどによ
り塗布し、これを加熱硬化することにより形成した珪素
樹脂層の上に、フォトリソグラフィによりフォトレジス
トのパターンを形成し、これを加熱硬化させる。珪素樹
脂層の上にフォトレジストのパターンが形成された基板
を、体積比が5〜30%の酸素ガスと低級の弗化炭素ガ
ス、または弗化炭化水素ガスとの混合ガスによるプラズ
マを用い、フォトレジストのパターンをマスクとしてド
ライエッチングによりエッチングし、フォトレジストの
パターン形状を珪素樹脂層に転写する。ついで、体積比
が2〜50%の酸素ガスと低級の弗化炭素ガス、または
弗化炭化水素ガスとの混合ガスのプラズマを用いてマス
クとして用いたフォトレジストのパターンを除去し、珪
素樹脂によるパターンを形成していた。
【0004】ここで、珪素樹脂層と有機化合物からなる
フォトレジストとが存在する基板をドライエッチングす
るとき、酸素ガスを混合しない低級の弗化炭素ガス、ま
たは弗化炭化水素ガスのプラズマを用いる場合は残渣が
残留する。この残渣は、従来は珪素樹脂を構成している
側鎖であるアルキル基がエッチングされずに残ったもの
と考えられているが、本発明者がこの残渣を調査したと
ころ、この残渣はドライエッチングに用いた低級の弗化
炭化水素ガスを原料とする化合物であることが明かとな
った。この残渣は、モノエタノールアミンとジメチルス
ルホキシドの混合液で湿式除去することが可能である
が、珪素樹脂がこの混合液に耐性がないので、珪素樹脂
のパターン形成には使用できない。
【0005】一方、酸素ガスのみによるプラズマを用い
た場合、珪素樹脂膜はほとんどエッチングされず、フォ
トレジストのパターンがエッチングされ、珪素樹脂層は
その表面が二酸化珪素に近い状態に変化する。すなわ
ち、パターンを形成したい珪素樹脂層には、パターンが
転写(形成)できない。以上のことより、珪素樹脂のド
ライエッチングのときは、低級の弗化炭素ガス、または
弗化炭化水素ガスと酸素ガスとの混合ガスによるプラズ
マを用いる。ここで、この混合ガスにおける酸素ガスの
体積比が5%以下では、酸素ガスとの混合ガスにする効
果が少なく、酸素ガスの体積比が30%以上ではエッチ
ング速度が極端に遅くなるので、この混合ガスの酸素ガ
スが占める体積比は5〜30%が適当である。
【0006】ところで、マスクとして使用したフォトレ
ジストのパターンは、ドライエッチングにより珪素樹脂
層にパターン形状を転写したら、不要のものとなる。し
たがって、このフォトレジストのパターンは除去しなく
てはならないが、ドライエッチングで、プラズマにさら
されたフォトレジストは、通常の湿式のエッチングによ
り除去することが困難である。この場合も、残渣と同様
にモノエタノールアミンとジメチルスルホキシドの混合
液を使用すれば除去可能であるが、前述したように、珪
素樹脂に対してこの湿式のエッチングは好ましくない。
したがって、このフォトレジストのパターンも、体積比
が2〜50%の酸素ガスと低級の弗化炭素ガス、または
弗化炭化水素ガスとの混合ガスのプラズマを用いたドラ
イエッチングを用い除去する。
【0007】ところで、フォトレジストのパターンをド
ライエッチングで除去するとき、酸素ガスのみのプラズ
マを用いると、パターン形成された珪素樹脂の樹脂膜に
クラックが入る。この、クラックの原因としては、以下
のことが考えられていた。珪素樹脂は、酸素ガスプラズ
マによりその側鎖の中のアルキル基(有機成分)が除去
されるので、この珪素樹脂の表面は二酸化珪素によって
被われる。このような状態では、珪素樹脂の表面を被っ
た二酸化珪素の熱膨張係数より、内部の樹脂の熱膨張係
数の方が大きいので、ドライエッチング時のプラズマに
よる電子照射などによる加熱と、その後の冷却が行われ
ると、二酸化珪素に変化した表面より珪素樹脂本体の方
が膨張収縮の程度が大きいため、表面の二酸化珪素がそ
の膨張収縮に追いつけず、クラックが発生する。したが
って、フォトレジストをドライエッチングにより除去す
るときは、上記のように体積比が2〜50%の酸素ガス
と低級の弗化炭素ガス、または弗化炭化水素ガスとの混
合ガスのプラズマを用いていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来は以上のようにな
されていたので、まずパターンを転写するときのドライ
エッチングにおいて、体積比が5〜30体積%の酸素ガ
スと弗化炭素ガス,または弗化炭化水素ガスとの混合ガ
スのプラズマを用いていたドライエッチングでは、側鎖
にメチル基を多く含む珪素樹脂には適しているが、側鎖
にフェニル基のような有機成分からなるものを多く含む
珪素樹脂では、エッチング速度が低くなると言う問題が
あった。また従来では、体積比が2〜50%の酸素ガス
と低級の弗化炭素ガス、または弗化炭化水素ガスとの混
合ガスのプラズマを用いたドライエッチングでマスクと
して使用するフォトレジストのパターンを除去していた
ので、このとき、その下の層の珪素樹脂層もエッチング
されてしまうと言う問題があった。したがって、珪素樹
脂のパターンを所望の厚さにするには、フォトレジスト
の除去時間の制御が必要であり、それが非常に困難を極
めるものであった。
【0009】さらに、発明者らが調査したところ、ドラ
イエッチング時に使用する低級の弗化炭素ガス、または
弗化炭化水素ガスと酸素ガスとの混合ガスにおける酸素
ガスの体積比が0〜30%と少ないと、前述のように残
渣が残り易いことが判明した。ところで、この残渣は、
前述したようにエッチングのために用いた弗化炭化水素
を原料とする生成物であるが、ドライエッチング中、ス
パッタ効率の高い平坦部には堆積し難く、パターンの側
壁部には堆積し易い。このため、体積比の低い酸素ガス
と低級の弗化炭素ガス,または弗化炭化水素ガスの混合
ガスのプラズマを用いれば、異方性にエッチングできる
と考えられている。すなわち、ドライエッチングでは、
フォトレジストのパターンをマスクとして、この形状を
下層の樹脂などに転写するとき、ドライエッチングのプ
ラズマにより生成したエッチングに関与する活性種は、
基板に対して全てが垂直に入射するわけではなく、色々
な方向から基板(エッチング対象)に入射する。活性種
がマスク(フォトレジスト)パターンの側面より斜めに
入射すると、これによりエッチングされる下層の樹脂な
どは、マスクパターンの形状より細い状態でマスクパタ
ーンの形状が転写されることになる。
【0010】ところがここで、エッチングガスからの生
成物が、パターンの側壁に堆積していくと、形成してい
るパターンの側壁はエッチングされないことになり、転
写したパターンが細ることがなくなる。すなわち、異方
性エッチングがされたことになる。しかし、堆積した残
渣は酸素ガスによるプラズマでは除去できない。上述の
異方性にパターンを形成する方法は、二酸化珪素膜やシ
リコン等の無機膜のパターン形成にも応用されている
が、形成するパターンがこれら無機膜の場合は、モノエ
タノールアミンとジメチルスルホキシドの混合溶液を用
いてフォトレジストを湿式除去する方法がとられてき
た。ところが、珪素樹脂はこのモノエタノールアミンと
ジメチルスルホキシドの混合溶液にはあまり耐性がな
く、これによる湿式エッチングを適用すると、珪素樹脂
膜厚が減少するという問題があった。
【0011】本発明は上記のような問題を解決するため
になされたもので、どのような有機成分を有する珪素樹
脂においても、エッチング速度を落とすことなくエッチ
ングし、クラックが入るなど珪素樹脂のパターンに変質
がない所望とするパターン形状のままで、不要となった
フォトレジストのパターンを残渣なく除去できるように
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の珪素樹脂のパ
ターン形成方法は、基板上に有機成分にメチル基以外の
ものも存在する珪素樹脂膜を形成する工程と、珪素樹脂
膜上に感光性を有するフォトレジスト層を形成する工程
と、フォトレジスト層を写真製版技術により所定のパタ
ーンに形成する工程と、酸素ガスとフッ素および炭素の
化合物からなるガスの混合ガスを用い、この混合ガスに
おける酸素ガスと前記化合物からなるガスの体積比が前
記珪素樹脂膜の有機成分と無機成分の比に合わせたもの
を反応ガスとして用いてドライエッチングを行い、フォ
トレジストのパターンをマスクとしてそのパターンの形
状を珪素樹脂膜に転写する工程とを含むことを特徴とす
る。そして、この発明は、上述の珪素樹脂のパターン形
成方法において、転写する工程の後、反応ガスから生成
する電子や反応性イオンなどが反応対象物に関与しない
乾式除去装置により酸素ガスを反応ガスに用いてフォト
レジストのパターンを除去する工程を含むことを特徴と
する。加えて、この発明は、前述の珪素樹脂のパターン
形成方法において、珪素樹脂を基板上に形成した後、不
活性ガスのプラズマによる処理か、または反応ガスから
生成する電子や反応性イオンなどが反応対象物に関与し
ない乾式反応装置による酸素ガスを反応ガスに用いた処
理かで、珪素樹脂膜の表面を変質させる工程を含むこと
を特徴とする。
【0013】また、この発明の珪素樹脂のパターン形成
方法は、基板上に珪素樹脂の層を形成する工程と、珪素
樹脂膜上に感光性を有するフォトレジスト層を形成する
工程と、フォトレジスト層を写真製版技術により所定の
パターンに形成する工程と、フォトレジストのパターン
をマスクとしてドライエッチングによりその形状を珪素
樹脂層に転写する工程と、反応ガスから生成する電子や
反応性イオンなどが反応対象物に関与しない乾式除去装
置により酸素ガスを反応ガスに用いてフォトレジストの
パターンを除去する工程と、転写する工程で生成した堆
積物をモノエタノールアミンとジメチルスルホキシドと
を含む溶液を用いて湿式除去する工程とを含むことを特
徴とする。
【0014】また、この発明の珪素樹脂のパターン形成
方法は、基板上に珪素樹脂の層を形成する工程と、不活
性ガスのプラズマによる処理か、または反応ガスから生
成する電子や反応性イオンなどが反応対象物に関与しな
い乾式反応装置による酸素ガスを反応ガスに用いた処理
かにより、珪素樹脂膜の表面を変質させる工程と、珪素
樹脂膜上に感光性を有するフォトレジスト層を形成する
工程と、フォトレジスト層を写真製版技術により所定の
パターンに形成する工程と、フォトレジストのパターン
をマスクとしてドライエッチングによりその形状を珪素
樹脂層に転写する工程と、フォトレジストのパターンを
酸素ガスのプラズマにより除去する工程と、転写する工
程で生成した堆積物をモノエタノールアミンとジメチル
スルホキシドとを含む溶液を用いて湿式除去する工程と
を含むことを特徴とする。
【0015】
【作用】パターン転写時のドライエッチングにおいて、
反応ガスがエッチング対象の有機成分と無機成分から構
成される珪素樹脂の各成分と過不足なく反応する。加え
て、不要となったフォトレジストのパターンを除去する
とき、珪素樹脂層の温度変化があまり起こらない。そし
て、珪素樹脂の表面が、酸素ガスプラズマやモノエタノ
ールアミンとジメチルスルホキシドとを含む溶液には侵
されない状態になる。また、低損傷型の乾式除去装置を
使用するので、珪素樹脂表面に高エネルギーの電子や反
応性イオンなどが関与することがない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用いて説明す
る。 (実施例1)図1(a)〜(d)は本発明の1実施例を
示す工程断面図である。まず、化1に示す、側鎖に有機
成分としてフェニル基をもち末端にOH基をもつ重量平
均分子量が約4000のラダー型オルガノポリシロキサ
ン(珪素樹脂)のアニソール溶液(約35重量%濃度に
調整したもの)を半導体基板1上にスピンコートし、窒
素ガス雰囲気中で80℃30分間プリベークし、その後
150℃で30分間,350℃で60分間の順にハード
ベークして硬化させ、厚み約1μmの珪素樹脂層2を形
成した(図1(a))。
【0017】
【化1】
【0018】ただし、nは重量平均分子量約4000を
与える整数である。
【0019】ついで、硬化した珪素樹脂層2上にポジ型
フォトレジストをスピンコートし、窒素ガス雰囲気中で
80℃で30分間プリベークし、厚み約1.5μmのフ
ォトレジスト層3を形成する。このフォトレジスト層3
にフォトマスクを介して紫外線を照射し、その後、現像
液に浸漬することなどにより現像するフォトリソグラフ
ィ法により所望のパターンを形成し、このパターンの耐
ドライエッチング性能を向上させるために、120℃で
30分間のハードベークを行い、フォトレジスト層3に
よるマスクパターンを形成した(図1(b))。
【0020】次に、このフォトレジスト層3によるマス
クパターンが形成された珪素樹脂層2を、反応ガスとし
て酸素ガスとCHF3 ガスの混合ガスを使用し、圧力1
0Pa、RF出力400Wの条件下でRIE法によりド
ライエッチングした。5分足らずの短時間でエッチング
できた(図1(c))。ここで、化1に示される珪素樹
脂層2は、有機成分であるフェニル基(−C65)と梯
子状に結合する無機成分であるシロキサン(SiO)と
の分子量の比が約3:2である。したがって、エッチン
グのときの反応ガスは、体積比を60%とした酸素ガス
とCHF3 ガスとの混合ガスを使用する。
【0021】この比率は、以下のようにして算出する。
有機成分であるフェニル基は分子量12の炭素6個と分
子量1の水素5個からなるので、このフェニル基の分子
量は12×6+1×5=77である。無機成分であるシ
ロキサンは、分子量28の珪素1個と分子量16の酸素
1個からなるので、このシロキサンの分子量は44であ
る。ここで化1で示される珪素樹脂は、フェニル基1個
が結合したシロキサンが酸素1個を介して梯子状に結合
している(ラダー型)状態を基本構造とし、この基本構
造がn個つながったものの両端にH(水素)とOH(O
H基)が結合した化合物である。したがって、この化1
で示される珪素樹脂の有機成分と無機成分との比は、フ
ェニル基とシロキサンおよび梯子結合をしている酸素と
の比であるので、(フェニル基の分子量×2):(シロ
キサンの分子量×2+酸素の分子量)≒(77×2):
(44×2+16)≒3:2となる。
【0022】最後に、プラズマ発生室と反応室が分離し
たタイプの低損傷型アッシャを用いて、反応ガスとして
酸素ガスを用いてフォトレジスト層3をアッシング除去
した(図1(d))。こうしてパターン形成された珪素
樹脂層2にはクラックが認められず、膜厚の減少も見ら
れず、また、残渣の付着もなかった。なお、反応ガスに
酸素ガスを用いる平行平板型の低損傷型のアッシャを用
いてフォトレジスト層3の除去を行った場合(アッシン
グ)も、これと同様な結果を得た。このタイプのアッシ
ャでは、プラズマにより生成した活性種のうち、アッシ
ングに関与するのは中性のラジカルだけとなり、アッシ
ング対象物に衝突して熱を発させる電子や反応性イオン
(O- )は、珪素樹脂層2のある半導体基板1に到達す
ることはない。
【0023】(実施例2)上記実施例1では側鎖にフェ
ニル基のみをもつ珪素樹脂についてパターン形成法を示
したが、他の珪素樹脂でも良く、例えば化2に示すよう
なメチル基とフェニル基を合わせもつ珪素樹脂について
も同様である。この場合、有機成分とシロキサンの分子
量の比は2:3であるので、反応性ガスとして体積比が
40%の酸素ガスとCHF3 ガスとの混合ガスを反応ガ
スとして使用してエッチングし、その他は全て実施例1
の条件でパターン形成を行った。エッチングは3分足ら
ずの短時間で行え、フォトレジスト層3の除去後も実施
例1と同様に良好な結果を得た。
【0024】
【化2】
【0025】ただし、Rはメチル基またはフェニル基で
あり、メチル基とフェニル基のモル比は2:1である。
また、nは重量平均分子量約4000を与える整数であ
る。
【0026】(実施例3)上記実施例では、珪素樹脂層
2の有機成分とシロキサンの比に、ドライエッチングに
おける反応性ガスの酸素ガスとCHF3 ガスの比を合わ
せることにより、フォトレジスト層3のパターンを転写
するときのドライエッチングを行っている。これによ
り、CHF3 ガスプラズマからのドライエッチングによ
る反応生成物である残渣が発生せず、この残渣のことを
考慮せずに、反応ガスとして酸素ガスだけを使用して低
損傷型アッシャによりフォトレジスト層3を除去してい
た。しかし、これに限るものではなく、実施例1の図1
(c)に示すフォトレジスト層3を転写する工程におい
て、反応ガスとして体積比が20%の酸素ガスとCHF
3 ガスとの混合ガスを使用して30分間行っても良い。
その他は図1(d)まで実施例1と同じ工程を行った。
そして最後にモノエタノールアミンとジメチルスルホキ
シド混合液で湿式処理を行い、残渣を除去した。
【0027】この実施例の場合、フォトレジスト層3を
除去するとき、実施例1と同様に低損傷型アッシャによ
り酸素ガスプラズマを用いたが、これにより珪素樹脂層
2の表面が二酸化珪素に近い状態変化して、モノエタノ
ールアミンとジメチルスルホキシド混合液に対する耐性
が向上する。その結果、実施例1と同様に残渣もクラッ
クも見られない表面を得ることができた。更に、フォト
レジスト層3のパターンを転写するとき、酸素ガスの体
積比率が少ない反応ガスによりドライエッチングするの
で、より異方性エッチングの状態となり、加工精度の高
いパターン形成ができた。
【0028】(実施例4)上記実施例では、フォトレジ
スト層3を除去するとき、低損傷型のアッシャを用いた
が、珪素樹脂層2に前処理を施すことにより、フォトレ
ジスト層3の除去に低損傷型でないアッシャを用いるこ
とができる。この場合、まず実施例1と同様の工程を図
1(a)まで行い、珪素樹脂層2を半導体基板1上に形
成する。その後、前処理として、RF出力400W、圧
力が9Torrの条件下で窒素ガスプラズマ処理を1分
間行った。これにより、珪素樹脂層2の表面が二酸化珪
素に近い状態に変化し、かつ、窒素原子が隙間を埋める
ように入り込み、その表面はより緻密な状態になる。次
いで、図1(b),(c)に示すように、実施例1と同
じ工程によりエッチングを行った。最後に、低損傷型で
はないバレル型アッシャを用いて酸素ガスプラズマによ
り、フォトレジスト層3を除去した。
【0029】従来では、低損傷型でないアッシャにより
フォトレジスト層3の除去(アッシング)を行うと、珪
素樹脂層2の表面にクラックが生じていたが、これは以
下に示す理由による。珪素樹脂は、酸素ガスプラズマや
窒素ガスプラズマによりエネルギーが与えられると、そ
の表面が二酸化珪素に近い状態に変化する。このとき、
酸素ガスプラズマにより生成した反応性イオンや電子な
どの高エネルギーな活性種が存在すると、その二酸化珪
素への変化はより急激に行われる。そして、その急激な
化学反応と同時に大きな温度変化も生じる。珪素樹脂の
表面がプラズマにより二酸化珪素に近い状態に変化する
とき、同時に大きな温度変化が生じると、二酸化珪素に
近い状態に変化した表面と、そのしたの珪素樹脂層との
熱による応力が大きく異なるため、二酸化珪素に近い状
態となった表面にクラックが生じてしまう。
【0030】しかし、窒素ガスプラズマや低損傷型のア
ッシャを用いた酸素ガスプラズマによる処理では、反応
性イオンや電子などが生じにくいため、上述のような発
熱反応は起こらず、したがって、珪素樹脂の表面にクラ
ックの発生なしに二酸化珪素に近い状態への変化を起こ
させることができる。このようにしてパターン形成され
た珪素樹脂層2は、クラックも認められず、実施例1と
同様に良好な結果を得た。
【0031】(実施例5)上記実施例4では、前処理と
して窒素ガスプラズマ処理を行ったが、これに限るもの
ではなく、珪素樹脂層2の表面を二酸化珪素に変化させ
る処理なら良く、低損傷型のアッシャを用いた酸素ガス
プラズマによる前処理により、珪素樹脂層2の表面を二
酸化珪素近い状態に変化させても良い。この実施例5の
場合、まず、実施例4と同じ工程を図1(a)まで行
い、珪素樹脂層2を半導体基板1上に形成する。その
後、低損傷型アッシャを用いてRF出力400W,圧力
20Paの条件下で酸素ガスプラズマ処理を1分間行
い、これ以降は実施例4と同じ工程を行い、パターン形
成をした。この実施例5では、酸素ガスプラズマにより
前処理を行っているので、エネルギーの供給に加え、酸
素の供給もしているので、珪素樹脂層2の表面は実施例
4の前処理に比較して、より二酸化珪素に近い状態に変
化している。その後、珪素樹脂層2を観察したところ実
施例1と同様に良好な結果を得た。
【0032】(実施例6)ここで、上記実施例4,5に
おいても、実施例1と実施例3との関係と同様のことが
成立し、フォトレジスト層3のパターンを転写するドラ
イエッチングのとき、反応ガスの酸素ガスとCHF3
スの比を珪素樹脂層2の有機成分とシロキサンの分子量
比に合わせずに、酸素ガスの含有量を低くしても良い。
この実施例6の場合、実施例4と同じ工程を図1(b)
まで行い、エッチングは実施例3と同様の工程で行っ
た。そして、フォトレジスト層3の除去には、まず実施
例4と同じバレル型のアッシャを用いて酸素ガスプラズ
マにより行い、加えて、残渣の除去には実施例3と同様
にモノエタノールアミンとジメチルスルホキシドの混合
液を用いた。その後、珪素樹脂層2を観察したところ実
施例3と同様に良好な結果を得た。
【0033】(実施例7)また、珪素樹脂層2の前処理
を、実施例5と同様に低損傷型のアッシャを用いて酸素
ガスプラズマにより行い、最後に実施例3と同様に残渣
の除去にモノエタノールアミンとジメチルスルホキシド
の混合液を用いても、上記実施例と同様の効果を奏す
る。
【0034】(実施例8)なお、上記実施例では、フォ
トレジスト層3にポジ型を用いたが、これに限定される
ものではなく、ネガ型を用いても同様な効果が得られ
る。また、上記実施例では、フォトレジスト層3をスピ
ンコーティングする前に、珪素樹脂層2を熱硬化させた
が、これに限定されるものではなく、フォトレジスト層
3を除去した後に行っても同様な効果が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明では、珪素樹
脂のドライエッチングに、珪素樹脂の有機成分の成分含
有量に合わせた酸素ガス濃度をもつ低級の弗化炭素また
は弗化炭化水素のプラズマを用いている。したがって、
側鎖がフェニル基などの珪素樹脂でも、ドライエッチン
グのエッチングスピードが低下することなく、パターン
形成が短時間に行える。また、本発明ではフォトレジス
トの乾式除去に低損傷型アッシャを用いたので、珪素樹
脂にクラックが生じたり、厚みが減少することなく、フ
ォトレジストのみを選択的に除去できるので、結果的に
珪素樹脂のパターン精度が向上する。また、本発明で
は、珪素樹脂の成膜後に不活性プラズマあるいは低損傷
型アッシャによる酸素ガスプラズマで前処理して珪素樹
脂の表面を二酸化珪素に近い状態に変化させたので、フ
ォトレジストの乾式除去をバレル型アッシャによる酸素
ガスプラズマで行っても珪素樹脂にクラックが生じた
り、厚みが減少することなく、フォトレジストのみを選
択的に除去でき、やはりパターン精度が向上する。
【0036】一方、この発明では、珪素樹脂の成膜後に
不活性プラズマあるいは低損傷アッシャによる酸素ガス
プラズマで処理してその表面を二酸化珪素に近い状態に
変化させ、加えてフォトレジストパターンの乾式除去の
ときにも酸素ガスプラズマを用いている。したがって、
フォトレジストのパターンを転写するときのドライエッ
チングで残った残渣(体積物)を除去するために、モノ
エタノールアミンとジメチルスルホキシドの混合液で処
理をしても、珪素樹脂のパターンにクラックが生じたり
厚みが減少することなく堆積物を湿式除去できる。この
ため、パターンを転写するドライエッチングに堆積物が
生じる酸素ガスの体積比率の低い反応ガスによるエッチ
ング条件を選ぶことができ、結果的に異方性エッチング
が可能となり、パターン精度が向上する。以上のことに
より、珪素樹脂を半導体装置の層間絶縁膜などに適用し
たとき、本発明のパターン技術を用いれば、半導体装置
の生産性並びに信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 珪素樹脂層 3 フォトレジスト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 伸太朗 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラダー型オルガノポリシロキサンからな
    る珪素樹脂膜を基板上に形成する工程と、 前記珪素樹脂膜上に感光性を有するフォトレジスト層を
    形成する工程と、 前記フォトレジスト層を写真製版技術により所定のパタ
    ーンに形成する工程と、 酸素ガスとフッ素および炭素の化合物からなるガスの混
    合ガスを用い、この混合ガスにおける酸素ガスと前記化
    合物からなるガスの体積比が前記珪素樹脂膜の有機成分
    と無機成分の比に合わせたものを反応ガスとして用いて
    ドライエッチングを行い、前記フォトレジストのパター
    ンをマスクとしてそのパターンの形状を前記珪素樹脂膜
    に転写する工程とを含むことを特徴とする珪素樹脂のパ
    ターン形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の珪素樹脂のパターン形成
    方法において、 前記転写する工程の後、反応ガスから生成する電子や反
    応性イオンなどが反応対象物に関与しない乾式除去装置
    を用い、前記反応ガスに酸素ガスを使用して前記フォト
    レジストのパターンを除去する工程を含むことを特徴と
    する珪素樹脂のパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の珪素樹脂のパターン形成
    方法において、 前記珪素樹脂膜を前記基板上に形成した後、不活性ガス
    のプラズマによる処理か、または反応ガスから生成する
    電子や反応性イオンなどが反応対象物に関与しない乾式
    反応装置を用い前記反応ガスに酸素ガスを用いた処理か
    により、前記珪素樹脂膜の表面を変質させる工程を含む
    ことを特徴とする珪素樹脂のパターン形成方法。
  4. 【請求項4】 ラダー型オルガノポリシロキサンからな
    る珪素樹脂膜を基板上に形成する工程と、 前記珪素樹脂膜上に感光性を有するフォトレジスト層を
    形成する工程と、 前記フォトレジスト層を写真製版技術により所定のパタ
    ーンに形成する工程と、 前記フォトレジストのパターンをマスクとしてドライエ
    ッチングによりその形状を前記珪素樹脂層に転写する工
    程と、 反応ガスから生成する電子や反応性イオンなどが反応対
    象物に関与しない乾式除去装置を用い、前記反応ガスに
    酸素ガスを用いて前記フォトレジストのパターンを除去
    する工程と、 前記転写する工程で生成した堆積物をモノエタノールア
    ミンとジメチルスルホキシドとを含む溶液を用いて湿式
    除去する工程とを含むことを特徴とする珪素樹脂のパタ
    ーン形成方法。
  5. 【請求項5】 ラダー型オルガノポリシロキサンからな
    る珪素樹脂膜を基板上に形成する工程と、 不活性ガスのプラズマによる処理か、または反応ガスか
    ら生成する電子や反応性イオンなどが反応対象物に関与
    しない乾式反応装置を用い前記反応ガスに酸素ガスを用
    いた処理かにより、前記珪素樹脂膜の表面を変質させる
    工程と、 前記珪素樹脂膜上に感光性を有するフォトレジスト層を
    形成する工程と、 前記フォトレジスト層を写真製版技術により所定のパタ
    ーンに形成する工程と、 前記フォトレジストのパターンをマスクとしてドライエ
    ッチングによりその形状を前記珪素樹脂膜に転写する工
    程と、 前記フォトレジストのパターンを酸素ガスのプラズマに
    より除去する工程と、 前記転写する工程で生成した堆積物をモノエタノールア
    ミンとジメチルスルホキシドとを含む溶液を用いて湿式
    除去する工程とを含むことを特徴とする珪素樹脂のパタ
    ーン形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005008909A (ja) * 2003-06-16 2005-01-13 Canon Inc 構造体の製造方法
JP2007300125A (ja) * 2006-05-02 2007-11-15 Hynix Semiconductor Inc 半導体素子の微細パターンの形成方法

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