JPH0675049A - 位相共役光を用いた光学距離の測定方法及び装置 - Google Patents

位相共役光を用いた光学距離の測定方法及び装置

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JPH0675049A
JPH0675049A JP4228527A JP22852792A JPH0675049A JP H0675049 A JPH0675049 A JP H0675049A JP 4228527 A JP4228527 A JP 4228527A JP 22852792 A JP22852792 A JP 22852792A JP H0675049 A JPH0675049 A JP H0675049A
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JP
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light
optical
phase
modulation
frequency
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JP4228527A
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Inventor
Shigeki Watanabe
茂樹 渡辺
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は位相共役光を用いた光学距離の測定方
法及び装置に関し、原理的には位相ゆらぎの影響を受け
ない高精度な測定を可能にすることを目的とする。 【構成】一定周波数のプローブ光を第1地点で位相変調
して得られた変調プローブ光を、第1地点から第2地点
に向けて送出し(1)、第2地点で受けた変調プローブ
光に基づき位相共役光を発生させ(2)、この位相共役
光を第1地点でさらに位相変調し(3)、位相変調の変
調指数を測定し(4)、変調指数に基づき第1地点と第
2地点の間に設定された光路の光学距離を得る(5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 産業上の利用分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 作用 実施例 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は位相共役光を用いた光学
距離の測定方法及び測定装置に関する。近年、スペクト
ル線幅が極めて狭い光源が実用化されたことや高性能な
光検波技術が開発されたことにより、光の波動としての
性質を利用した各種センサが提案されている。中でも、
光の位相検出を用いた光学距離(ある2地点間に光路が
設定されたときのその2地点間における光路の長さと屈
折率の積)の測定方法は、非接触で且つ高精度な測定方
法として有用である。この種の光学距離の測定方法にお
いては、周囲の環境変化等に起因する位相ゆらぎの影響
を受けにくくして、さらに測定精度を向上させることが
要望されている。
【0003】
【従来の技術】従来、コヒーレント光の位相検出を用い
た光学距離の測定システムが知られている。このシステ
ムが既知の屈折率の光学媒体(例えば所定密度の空気)
内に置かれた測定装置と被測定物体の間の距離を測定す
るものである場合には、光が測定装置と被測定物体の間
を往復するのに要する時間や往復による位相変化を高精
度に計測することができるので、これに基づき高精度な
距離の測定が可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の光学距離の測定
方法においては、測定装置と被測定物体の間を往復する
光に周囲の環境変化等に起因する位相ゆらぎが生じた場
合、この位相ゆらぎが累積して測定精度が制限されると
いう問題がある。
【0005】本発明の目的は、原理的には位相ゆらぎの
影響を受けない高精度な測定が可能な光学距離の測定方
法及び測定装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は本発明方法を説明
するためのフローチャートである。本発明の位相共役光
を用いた光学距離の測定方法は、第1地点と第2地点の
間に設定された光路の光学距離を測定する方法であっ
て、一定周波数のプローブ光を上記第1地点で位相変調
して得られた変調プローブ光を、上記光路により上記第
1地点から上記第2地点に向けて送出する第1のステッ
プ1と、上記第2地点で受けた変調プローブ光に基づき
該変調プローブ光に対する位相共役光を発生させ、該位
相共役光を上記光路により上記第2地点から上記第1地
点に向けて送出する第2のステップ2と、該位相共役光
を上記第1地点でさらに位相変調する第3のステップ3
と、この位相変調された位相共役光を光検波して位相変
調の変調指数を測定する第4のステップ4と、該変調指
数に基づき上記光路の光学距離を得る第5のステップ5
とを含む。
【0007】位相共役光は3次の非線形光学媒質におけ
る4光波混合により発生させることができる。望ましく
は、第1のステップ1及び第3のステップ3における位
相変調は、プローブ光と位相共役光が互いに逆の方向に
通過する1台の位相変調器によりなされ、この位相変調
器に供給される変調信号は正弦波信号であり、この位相
変調器の変調周波数を測定するステップが付加される。
【0008】さらに望ましくは、第1乃至第4のステッ
プ1〜4は、ステップ6で繰り返し回数が十分であると
判断されるまで、ステップ7で変調周波数を可変して、
複数回繰り返される。この場合、第5のステップ5は、
変調指数の複数の測定値と変調周波数の複数の測定値の
関係を求めるステップと、この関係に基づき変調指数の
極小値を与える変調周波数の特定値を求めるステップと
を含む。
【0009】図2は本発明装置を説明するためのブロッ
ク図である。本発明の位相共役光を用いた光学距離の測
定装置は、プローブ光源11と、光分岐回路12と、位
相変調器13と、位相共役光発生手段15と、光検波手
段16と、光学距離算出手段17とを備えている。
【0010】プローブ光源11は、一定周波数のプロー
ブ光を出力する。光分岐回路12は、プローブ光源11
に接続された入力ポート12Aと、入力/出力ポート1
2Bと、出力ポート12Cとを有し、入力ポート12A
に供給された光を入力/出力ポート12Bから出力し、
入力/出力ポート12Bに供給された光を出力ポート1
2Cから出力する。
【0011】位相変調器13は、光分岐回路12の入力
/出力ポート12Bに接続された第1ポート13Aと、
光学距離を測定すべき光路14の第1端に配置された第
2ポート13Bとを有し、第1ポート13A及び第2ポ
ート13Bに供給された光を位相変調してそれぞれ第2
ポート13B及び第1ポート13Aから出力する。
【0012】位相共役光発生手段15は、光路14の第
2端に配置され、受けた光に対する位相共役光を発生さ
せる。光検波手段16は、光分岐回路12の出力ポート
12Cに接続され、受けた光を光検波する。
【0013】光学距離算出手段17は、光検波手段16
からの検波信号における位相変調の変調指数に基づき光
路14の光学距離を算出する。
【0014】
【作用】図3は、図1の判断ステップ6と変調周波数可
変ステップ7を含む本発明方法の実施の態様において、
第5のステップ5で求められる変調指数と変調周波数の
関係を表すグラフである。縦軸は変調指数、横軸は変調
周波数である。
【0015】変調指数と変調周波数の関係は、変調周波
数の増大に従って変調指数が周期的に変化する特性を有
し、変調指数の極小値を与える変調周波数の特定値は、
変調周波数軸上で等間隔にある。
【0016】ここで、変調指数の極小値を与える変調周
波数の特定値は、測定下にある光路の光学距離に依存す
る。従って、この変調周波数の特定値を用いて測定下に
ある光路の光学距離を算出することができる。
【0017】尚、図1の第4のステップ4で測定された
変調指数が1回目に零(極小値)になれば、そのときの
変調周波数が変調指数の極小値を与える変調周波数の特
定値になるので、第1乃至第4のステップ1〜4の繰り
返しは不要となり、従って、本発明方法を実施する上で
判断ステップ6と変調周波数可変ステップ7は必ずしも
必要ではない。
【0018】本発明により光学距離を測定した場合、位
相共役光における時間反転作用の結果、変調プローブ光
が第1地点から第2地点に向かうときに受ける位相ゆら
ぎ或いは位相歪と、位相共役光が第2地点から第1地点
に向かうときに受ける位相ゆらぎ或いは位相歪とが相殺
されるので、極めて高精度な光学距離の測定が可能にな
る。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を詳細に説明する。図4
は本発明を距離測定器に適用した第1実施例を示す図で
ある。
【0020】距離測定器は予め定められた地点と被測定
物体の間の距離を非接触で測定する場合に使用され、本
発明を距離測定器に適用する場合には、光学距離を測定
すべき光路は屈折率が既知である均質媒体内に直線的に
設定される。
【0021】本実施例では、図2のプローブ光源11、
光分岐回路12、位相変調器13、位相共役光発生手段
15、光検波手段16及び光学距離算出手段17にそれ
ぞれ対応するレーザダイオード(LD)21、ハーフミ
ラー22、位相変調器(PM)23、位相共役ミラー
(PCM)24、光検波回路25及び演算器26が用い
られている。
【0022】位相共役ミラー24は、必ずしも通常の鏡
のような平板状の形状を有している必要はなく、その構
成法については後述する。位相共役ミラー24は被測定
物体27上に固定されており、この実施例では、位相変
調器23と位相共役ミラー24の間に設定される光路の
光学距離を測定することにより、被測定物体27までの
距離が得られる。尚、位相共役ミラー24それ自体が被
測定物体であっても良い。
【0023】光検波回路25は、ハーフミラー22で分
岐された位相共役光を光/電気変換する受光器28と、
受光器28からの信号を増幅する増幅器29と、増幅器
29からの信号が供給される予め定められた通過帯域の
帯域通過フィルタ30とを含む。受光器28は非線形な
検波特性を有する例えばフォトダイオードからなる。帯
域通過フィルタ30の通過帯域については後述する。
【0024】レーザダイオード21から出力されたプロ
ーブ光(EP )は、ハーフミラー22を通過しさらに位
相変調器23を順方向に通過するときに位相変調を受け
て変調プローブ光(EP ′)になる。位相共役ミラー2
4は変調プローブ光を受けてこの変調プローブ光に対す
る位相共役光(EC )を送出する。
【0025】位相共役ミラー24への変調プローブ光の
入射光路と位相共役ミラー24からの位相共役光の出射
光路は一致する。位相共役ミラー24から送出された位
相共役光は、位相変調器23を逆方向に通過するときに
さらに位相変調され、この位相変調された位相共役光
(EC ′)は、ハーフミラー22で分岐されて受光器2
8に供給される。そして、光検波回路25から出力され
る検波信号に基づいて演算器26が所定の手順で演算を
実行し、位相変調器23と位相共役ミラー24の間の光
学距離が求められる。
【0026】いま、Z座標におけるZ=0の位置に位相
変調器23があり、Z=Lの位置に位相共役ミラー24
があるものとし、+Z方向に進行するプローブ光が平面
波として次の式で表されるものとする。
【0027】
【数1】
【0028】ここで、AP (r) は電場の複素振幅、rは
空間座標ベクトル、ωP はプローブ光の(角)周波数、
tは時間、kP は波数ベクトルの大きさを表し、c.
c.はその直前の項の複素共役をとることを意味する。
但し、波数ベクトルの大きさk P は、光路の屈折率を
n、真空中の光速をcとすると、kP =ωP n/cで与
えられる。このとき、変調プローブ光及び位相共役光は
それぞれ次の(2) 及び(3)式で表される。
【0029】
【数2】
【0030】(2) 及び(3) 式において、Φ(t) は位相変
調器23での位相変調により与えられる位相項を表す。
ここで、位相変調器23と位相共役ミラー24の間を光
が往復するのに要する時間をτとし、位相変調器23と
位相共役ミラー24の間の物理的な距離をLとすると、
これらは次の式を満足する。
【0031】
【数3】
【0032】位相共役ミラー24から送出された位相共
役光は、位相変調器23を通過するときに変調プローブ
光における時間経過に対して時間τだけ遅れて位相変調
を受けるので、ハーフミラー22における損失を無視す
れば、受光器28に入力する位相変調された位相共役光
は、次の式で表される。
【0033】
【数4】
【0034】Φ(t) が時間τの間に殆ど変動しない場
合、つまり、Φ(t) の時間変動が1/τに比べてゆっく
りである場合には、Φ(t) ≒Φ(t−τ) であるから、E
C ′は変調が抑圧された殆ど無変調の光になる。ここで
は、Φ(t) が常にΦ(t−τ) に一致するとは限らないと
いう条件の下に、Φ(t) として、次式で与えられるよう
な周波数ωの余弦波を考える。
【0035】
【数5】
【0036】ここで、βは位相変調の変調指数である。
このとき、(5) 式は次の式に書き変えられる。
【0037】
【数6】
【0038】(7) 式で新たに導入されたパラメータβ′
は次式を満足するものであり、このパラメータβ′は、
光が位相変調器23を往復したときに受けた2度の位相
変調における実効的変調指数に相当する。以下、この実
効的変調指数を単に「変調指数」と称する。
【0039】
【数7】
【0040】ここで、(9) 式で定義される基準周波数ω
0 を導入して、この基準周波数を用いて(8) 式を書き変
えると(10)式が得られる。
【0041】
【数8】
【0042】図5は、(10)式により与えられる|β′/
β|とω/ω0 の関係を表すグラフである。図5及び(1
0)式から明らかなように、変調指数は、2度の変調によ
り、変調周波数ωが基準周波数ω0 の整数倍のときに抑
圧され(β′=0)、変調周波数ωが基準周波数ω0
半整数倍のときにプローブ光に対する変調指数の2倍の
値になる(|β′/β| =2)。
【0043】ここで、|β′/β|=0となる周波数
(特定周波数)は、光が位相変調器と位相共役ミラーの
間を往復するのに要する時間τに依存するから、この特
定周波数を求めることにより、位相変調器と位相共役ミ
ラーの間の光学距離が得られ、得られた光学距離と光路
の屈折率に基づいて位相変調器から被測定物体までの物
理的な距離を算出することができる。
【0044】次に、図4の受光器28に供給された位相
共役光に基づき変調指数β′を測定する方法について説
明する。図6は、受光器28に供給される位相共役光
(EC′)のスペクトルの一例を示す図である。縦軸は
電力密度、横軸は周波数を表す。
【0045】受光器28に入力する位相共役光は位相変
調器23における位相変調を受けているので、そのスペ
クトルは、メインピーク31と、位相変調によりメイン
ピーク31の低周波数側及び高周波数側にそれぞれ出現
するサイドピーク32及び33とを有している。サイド
ピーク32及び33は1次のサイドバンドに相当し、2
次以上のサイドバンドに相当するサイドピークの図示は
省略されている。
【0046】サイドピーク32及び33における電力密
度は、変調周波数ωが変化するのに従って変調指数β′
に対応して変化する。電力密度が小さくなったサイドピ
ークの例を符号32′及び33′で示す。
【0047】従って、サイドピーク32,33における
電力密度を測定することで、変調指数β′を求めること
ができる。サイドピーク32,33における電力密度を
測定するために、図4の実施例では、帯域通過フィルタ
30がメインピークの中心周波数とサイドピークの中心
周波数の差に相当する周波数成分を通過させるように、
帯域通過フィルタ30の通過帯域が設定されている。
【0048】即ち、図6に示すように、メインピーク3
1の中心周波数をfとし、低周波数側のサイドピーク3
2の中心周波数をf−Δfとし、高周波数側のサイドピ
ーク33の中心周波数をf+Δfとするときに、図4の
帯域通過フィルタ30の通過帯域は、帯域通過フィルタ
30が周波数Δfの信号を通過させるように設定され
る。尚、変調周波数ωの変化が小さい場合には、Δfが
ほぼ一定であるとして通過帯域を設定することができ
る。
【0049】図6に示されたようなスペクトルを有する
光が図4の受光器28に供給されると、受光器28の非
線形な光/電気変換特性により所謂ホモダイン検波が実
現され、受光器28からはメインピーク成分とサイドピ
ーク成分に基づくビート信号が出力される。ここで、ビ
ート信号(電気)の振幅は、メインピーク成分(光)の
パワーとサイドピーク成分(光)のパワーの積の平方根
に比例する。また、メインピーク成分はほぼ一定であ
る。従って、バンドパスフィルタ30を通過したビート
信号の振幅を測定することで、変調指数β′を求めるこ
とができる。
【0050】次に、変調指数β′に関する情報に基づ
き、図4の位相変調器23と位相共役ミラー24の間の
距離がどのような手順で算出されるかについて説明す
る。この手順は例えば図4の演算器26で実行される。
【0051】まず、位相変調器23における変調周波数
ωを順次変化させながら、変調指数β′の変化を観測
し、図5に示されるような|β′|(又は|β′/β
|)とω/ω0 の関係を求める。そして、この関係に基
づき、変調指数の極小値を与える変調周波数を測定す
る。このとき、求めようとしている距離Lは次式により
算出することができる。
【0052】
【数9】
【0053】ここで、ω1 は変調指数の極小値を与える
変調周波数のうちの観測しているものであり、このω1
は次式で与えられる。
【0054】
【数10】
【0055】ここで、Nは自然数であり、その値は観測
している変調周波数ω1 が変調指数の極小値を与える複
数の変調周波数のうちの最小のものから何番目に相当す
るのかを表す。
【0056】従って、基準周波数ω0 又はNの値を特定
することができれば、(11)式から求めるべき距離Lの値
を算出することができるのである。その具体的手順とし
て3つの方法がある。
【0057】第1の方法では、図5のグラフに沿った測
定データに基づき、変調指数の極小値(複数)に対応す
る変調周波数を少なくとも2つ求め、この少なくとも2
つの変調周波数の特定値から選択される互いに隣り合う
2つの特定値の周波数間隔を求める。具体的には次の通
りである。
【0058】まず、変調指数が極小値になるように変調
周波数を基準周波数ω0 の整数(N)倍に設定してお
き、そのときの変調周波数ω1 を測定する。次に、変調
周波数を増加方向又は減少方向に掃引すると、変調指数
は一旦増加し再び極小値をとるので、そのときの変調周
波数ω2 を測定する。
【0059】ここで、変調周波数の掃引が増加方向にな
されている場合には、ω2 は基準周波数ω0 の(N+
1)倍の周波数に相当し、変調周波数の掃引が低下方向
である場合には、ω2 はω0 の(N−1)倍の周波数に
相当する。従って、これら2つの測定値ω1 及びω2
差がω0 の値になる。基準周波数ω0 が求まれば、その
値と既知の屈折率nを(11)式に代入することによって、
求めるべき距離Lを算出することができる。
【0060】第2の方法では、整数Nが比較的小さい値
の場合に、図5に沿った測定データに基づき、観測して
いる変調周波数ω1 に対応する整数Nの値を直接数え
る。つまり、変調指数の極小値を与えている観測変調周
波数ω1 が、変調指数の極小値を与える複数の変調周波
数特定値のうちの最小のものから何番目に相当するのか
を求めるのである。これにより(11)式における整数Nが
判明するので、求めるべき距離Lの算出が可能になる。
【0061】第3の方法は、図4の位相変調器23を被
測定物体27に近付く方向又は被測定物体27から遠ざ
かる方向に既知の光学距離だけ変位させるステップを含
む。具体的には次の通りである。
【0062】まず、変調指数の極小値を与える変調周波
数を測定しておき(ω1 )、その後、位相変調器を変位
させると、前述の観測周波数ω1 は変調指数の極小値を
与えなくなる。そこで、変調周波数を掃引して、再び変
調指数の極小値を与える変調周波数ω3 を測定する。
尚、ω1 とω3 の間には変調指数の極小値を与える変調
周波数が存在しないものとする。変位後における位相変
調器の位置を表すZ座標を−L′とすると、
【0063】
【数11】
【0064】が得られるので、(11)及び(13)式よりNの
値は次のように決定可能である。
【0065】
【数12】
【0066】一例として、n=1として、1kmの距離を
測定する場合を考える。この場合、基準周波数ω0 は9
42.5kHz である。いま、観測周波数が約1GHz にな
るようにシステムが構成されており、N=1061に対
するω1 として999.99MHz が得られているものと
する。ここで、位相変調器のZ方向の変位量を1mにと
ると、ω3 は約998.97MHz となるから、約1.0
2MHz の周波数シフトを観測すればよいことになる。
尚、ここで例示された周波数の値は角周波数を周波数に
変換したものであることに留意されたい(以下同様)。
【0067】次に、これらの方法における測定精度につ
いて考察する。いま、変調周波数の設定が安定であると
すると、誤差要因はω1 及びNの測定精度である。ま
ず、第1の方法においては、(11)式より、
【0068】
【数13】
【0069】であるから、測定する周波数ω1 を高くす
るほど測定精度が高くなることになる。例えば、ω1
読み取り誤差を0.1kHz とすると、
【0070】
【数14】
【0071】となり、1kmの距離を0.1mmの精度で測
定可能となる。一方、第3の方法においては、(11)式よ
り、
【0072】
【数15】
【0073】となる。また、(14)式より、
【0074】
【数16】
【0075】を得るから、これら(17),(18) 式よりΔL
の見積りが可能である。まず、明らかに測定周波数ω1
を高くすることにより測定精度の向上が可能である。い
ま、前述の一kmの測定におけるω1 及びω3 の測定誤差
を0.1kHz とし、これらの2つの周波数の差の測定誤
差を0.01kHz とすると、
【0076】
【数17】
【0077】であるから、
【0078】
【数18】
【0079】となり、1kmの距離を約1cmの精度で測定
可能になる。ここでは、Nの測定誤差でLの測定精度が
決まる。この方法では、測定周波数を高くするか、或い
は、ω 1 とω3 の差を大きくすることにより、測定精度
を高めることができる。ω1 とω3 の差を大きくするた
めには、位相変調器の変位量L′を大きくすればよい。
【0080】本発明の大きな特徴となる位相共役光の時
間反転特性について述べておく。例えば、伝送路内で周
囲の環境変化等による位相変化Ψがあったとすると、従
来行われているような位相変化の検出による測定におい
て、この位相変化Ψの影響により検出精度に影響がで
る。しかしながら、本発明においては、伝送路の往復に
よりこのΨを原理的には完全に抑圧することができるの
で、周囲の環境変化等に影響されない高精度な測定が可
能である。
【0081】図4の実施例では本発明を距離測定器に適
用したが、本発明は屈折率測定器にも適用可能である。
即ち、物理的な距離が既知である光路において本発明を
実施することにより、この光路を形成している光学媒質
の平均屈折率を算出することができる。
【0082】図7に示すように、本発明を変移計に適用
することもできる。この場合、変調周波数ωは一定にし
ておき、距離Lの変化を測定する。いま、図7に示すよ
うに、被測定物体27に固定された位相共役ミラー24
が、Z=Lの位置からZ=L+ΔLに変化する場合を考
える。このとき、位相変調器23と位相共役ミラー24
の間の光の往復時間は、(4) 式で与えられるτからτ′
に変化し、このτ′は次の式で与えられる。
【0083】
【数19】
【0084】位相変調器23と位相共役ミラー24の間
の光の往復時間が変化するのに伴って、変調指数β′も
異なるものとなる。これを(8) 〜(10)式と(22)式から求
めると次のようになる。
【0085】
【数20】
【0086】ここで、複号の(+)はNが偶数のとき、
(−)はNが奇数のときにそれぞれ対応する。Nの値の
求め方は、本発明を距離測定器に適用した場合において
述べた通りである。
【0087】(24)式から、β′/βの値を測定すること
によりΔL/Lの値を求められることが明らかである。
従って、位相変調器23と位相共役ミラー24の間の距
離が既知であれば、被測定物体27の変位ΔLを求める
ことができる。最も簡単なのはN=1の場合であり、こ
の場合には(24)式は次のように変形される。
【0088】
【数21】
【0089】特に、ΔLがLに比べて十分小さいときに
は、(25)式は次式で近似される。
【0090】
【数22】
【0091】従って、ΔLがLに比べて十分小さい領域
では、変調指数の変化と被測定物体の変位は比例するこ
ととなり、被測定物体の変位についての直接的なモニタ
リングが可能になる。
【0092】本実施例によると、被測定物体の動的な変
位量を測定することができるので、例えば微小振動面の
振動振幅の測定や面の凹凸の度合の測定が可能になる。
図8は本発明を距離測定器に適用した第2実施例を示す
図である。この実施例では、ローカル光源を備えた光検
波回路を用いて、ヘテロダイン検波を可能にしている。
具体的には次の通りである。
【0093】この実施例が図4の第1実施例と異なる点
は、図2の光検波手段16として、図4の光検波回路2
5に代えて、ヘテロダイン検波用の光検波回路41を設
けている点である。
【0094】光検波回路41は、予め定められた周波数
のローカル光を出力するローカル光源としてのレーザダ
イオード42と、レーザダイオード42からのローカル
光をハーフミラー22で分岐された位相変調された位相
共役光に混合するハーフミラー43と、ハーフミラー4
3から同一光路で出力されたローカル光及び位相共役光
を光/電気変換する受光器44と、受光器44からの信
号を増幅する増幅器45と、増幅器45からの信号が供
給される所定通過帯域の帯域通過フィルタ46とを含
む。
【0095】ヘテロダイン検波により受光器44に生じ
る光電流において、m次の位相変調成分icm(t) は次式
で与えられる。
【0096】
【数23】
【0097】また、ηは受光器の量子効率、eは電荷素
量、PC 及びPLOはそれぞれ受光器が受けた位相共役光
及びローカル光のパワー、ωLOはローカル光の周波数、
αは位相定数を表し、Jm はm次の第1種ベッセル関数
を表す。(27)式の右辺における±の記号は、対象として
いる位相変調成分が高周波数側及び低周波数側のいずれ
の変調サイドバンドに対応しているのかを表す。
【0098】中間周波スペクトルにおいて観測されるの
は、光電流の自乗に比例する量であるから、受光器が受
ける位相変調されている位相共役光における1次変調成
分の0次成分に対するパワー比は、次式で与えられる。
【0099】
【数24】
【0100】従って、変調周波数ωを変えながらこのパ
ワー比を測定すると、図5のグラフに類似した結果が得
られ、その結果から変調指数β′を決定し、求めるべき
距離を算出することができる。
【0101】このパワー比を効果的に得るためには、帯
域通過フィルタ46が位相共役光における位相変調によ
るサイドピーク(望ましくは1次のもの)の中心周波数
とローカル光の周波数の差に相当する周波数成分を通過
させるように、帯域通過フィルタ46の通過帯域が設定
れさる。
【0102】位相変調の変調周波数を高く設定すること
により測定精度が向上する点については前述した通りで
あるが、図4の第1実施例においては、変調周波数を高
くすると、受光器28として広帯域な受光器を使用する
必要がある。
【0103】図8の第2実施例においては、ローカル光
を用いてヘテロダイン検波を行うようにしているので、
ビート周波数(ωC −ωL0)を適切に設定しておくとこ
によって、変調周波数が高い場合であっても、受光器4
4として比較的広帯域な受光器を用いることなしに、変
調指数を求めることができる。
【0104】即ち、図8の第2実施例においては、位相
変調の変調周波数を高くすることが受光器44の帯域に
よっては制限されないので、極めて高精度な光学距離の
測定が可能になる。
【0105】また、図8の第2実施例においては、ロー
カル光のパワーを高めることにより検出感度を高めるこ
ができるので、この実施例は光路における光損失に対し
て有利である。つまり、この実施例によると、プローブ
光のパワーや位相共役ミラーにおける位相共役光の発生
効率が制限される場合にも、長距離の測定が可能にな
る。
【0106】尚、図8の第2実施例に準じて光路の屈折
率や被測定物体の変位を測定するようにしてもよい。図
9は本発明を距離測定器に適用した第3実施例を示す図
である。この実施例では、バランス型に設けられた一対
の受光器を用いてヘテロダイン検波を行い、ローカル光
の強度雑音を抑圧して検出感度を高めるようにしてい
る。具体的には次の通りである。
【0107】図9の第3実施例においては、図8の第2
実施例における光検波回路41に代えて光検波回路51
が用いられている。光検波回路51は、ローカル光を出
力するローカル光源としてのレーザダイオード52と、
レーザダイオード52からのローカル光をハーフミラー
22で分岐された位相変調された位相共役光に混合する
とともにこの混合された光を第1及び第2分岐光に分岐
して出力するハーフミラー53と、ハーフミラー53か
らの第1及び第2分岐光をそれぞれ光/電気変換する受
光器54及び55と、受光器54及び55からの信号に
ついて減算を行う減算器56と、減算器56からの信号
を増幅する増幅器57と、増幅器57からの信号が供給
される所定通過帯域の帯域通過フィルタ58とを含む。
【0108】ローカル光の周波数及び帯域通過フィルタ
58の通過帯域は、図8の第2実施例におけるのと同じ
ように設定される。このような光検波回路51を用いる
と、ハーフミラー53における透過方向及び反射方向に
対する選択的な位相反転の結果、位相共役光に基づく信
号成分は減算器56で相加され、レーザダイオード52
からのローカル光の強度雑音成分は減算器56で相殺さ
れ、ローカル光の強度雑音を抑圧して検出感度を高める
ことができる。
【0109】ハーフミラー53に代えてファイバ融着型
の光カプラ等の光方向性結合器を用いることができる。
また、受光器54及び55においてそれぞれ生じる光電
流を減算器56で減算処理するのではなく、一対の受光
器(フォトダイオード)を直列接続し、その接続点の電
位変化を増幅器57に供給するように構成してもよい。
【0110】図10は位相共役ミラーにおける位相共役
光の発生の原理を説明するための図である。位相共役光
は、3次の非線形光学媒質における4光波混合により発
生させることができる。具体的には次の通りである。
【0111】位相共役ミラーは、3次の非線形光学効果
を呈する光学媒質61と、周波数が等しい第1及び第2
の励起光を互いに異なる向きで光学媒質61に入射させ
る手段とを含む。光学媒質61においては、供給された
変調プローブ光と第1及び第2の励起光と出力アイドラ
光に基づく4光波混合が生じる。
【0112】そして、この4光波混合過程に関与した出
力アイドラ光が位相共役光として光学媒質61から光路
に送出される。さらに具体的には次の通りである。3次
の非線形効果を呈する光学媒質61に第1の励起光E01
と第2の励起光E 02を互いに異なる向きで入射させてい
る状態で光学媒質61に入力信号光ES (変調プローブ
光に相当)を供給すると、3次の非線形光学プロセス
(具体的には第1の励起光と入力信号光により形成され
る空間回折格子による第2の励起光の回折)により、周
波数ωS 、波数kS の入力信号光ES から、周波数
ωS 、波数kS の出力信号光ES ′と周波数ωI 、波数
I のアイドラ光E1 ′が生成される。
【0113】特に、互いに異なる向きで供給された第1
及び第2の励起光が同じ周波数(ω 00)である場合に
は、kI =−kS となるから、アイドラ光は入力信号光
の入射方向と反対方向に出力され(即ち反射され)、こ
れにより位相共役ミラーが実現される。
【0114】このとき、エネルギー保存則により次の関
係が成り立つ。
【0115】
【数25】
【0116】上述の非線形光学効果の相互作用長をL1
とすれぱ、生成方程式は以下で与えられる。
【0117】
【数26】
【0118】ここに、
【0119】
【数27】
【0120】であり、n1 及びχ(3) はそれぞれ非線形
媒質の屈折率及び3次の非線形定数を表す。また、<χ
(3) >は非線形定数の全ての偏波状態についての平均を
表す。EI ′がES の位相共役光であることは、(31)式
において入力アイドラ光がない場合(EI =0)を考え
てみれば明らかである(EI ′はES の複素共役関数に
比例している)。また、(30)及び(31)式より信号ポート
及びアイドラポートから出力される光に対するそれぞれ
の利得GS 及びGI は、
【0121】
【数28】
【0122】で与えられることがわかり、4光波混合を
用いた位相共役光の生成においては、信号の増幅も同時
に実現されることがわかる。以上説明した実施例では、
被測定物体が空間内に配置されている場合に位相変調器
と被測定物体の間の光学距離を測定するようにしている
が、位相変調器と位相共役ミラーの間に光ファイバ等か
らなる光伝送路を配置し、この光伝送路の光学距離を測
定するようにしてもよい。
【0123】続いて、本発明を実施し得ることを実証す
る実験結果について説明する。この実証実験の結果か
ら、位相共役光の発生が可能であることと、ヘテロダイ
ン検波を用いて変調サイドバンドにより変調指数β′を
特定し得ることと、変調指数が変調周波数に応じて変化
することとが明らかになる。
【0124】図11は実証実験に用いたシステムのブロ
ック図である。この実験では、全ての光学部品はシング
ルモードファイバにより接続された。プローブ光EP
LiNbO3 位相変調器PMに到達し、ここで周波数ω
の正弦波信号により位相変調された。位相変調されたE
P と励起光E0 は、概略進行波型の半導体レーザ増幅器
SLAに供給された。両者の偏光状態は、半導体レーザ
増幅器SLAのTEモードになるように、1/2波長板
及び1/4波長板を備えてなる偏光制御器PC2及びP
C3により制御された。
【0125】プローブ光源としてのレーザダイオードP
r−LD及びポンプ光源としてのレーザダイオードPu
−LDとしては、動作波長が1552nmの1/4波長シ
フト型の3電極DFB−LDが用いられた。プローブ光
と励起光の周波数差は525MHz に設定され、それぞれ
の光パワーは5.0×10-4mW及び3.2×10-3mWに
設定された。
【0126】半導体レーザ増幅器は70mAでバイアスさ
れ、小信号内部利得は約20dBであった。半導体レーザ
増幅器の両端の劈界面の反射率は約10-3であり、従っ
て、半導体レーザ増幅器内においては4光波混合による
反射位相共役光EC が発生した。全反射光パワーは2.
9×10-3mWであり、この値は7.6dBのパワー利得に
相当する。
【0127】半導体レーザ増幅器SLAからの光は位相
変調器PMを再び逆方向に通過してその出力はヘテロダ
イン検波された。ヘテロダイン検波回路は、局発レーザ
ダイオードL−LDとしてのもう一つの3電極型DFB
−LDとバランス型受光器BORとを備えて構成され
た。位相変調器PMと半導体レーザ増幅器SLAの間の
距離は約5.7mに設定された。プローブ光に対する位
相変調の変調指数は0.75に設定され、ビート信号の
スペクトル線幅は約8MHz であった。
【0128】この実験では、変調周波数ωを掃引しなが
ら中間周波数領域で位相共役光ECのスペクトルが観測
され、主ピークEC (0) 及び低周波数側の1次のサイド
バンドEC (-1)のパワーが測定された。図12はパワー
比PC (-1)/PC (0) と変調周波数の関係をプロットし
たグラフである。ここで、PC (-1)及びPC (0) はそれ
ぞれEC (-1)及びEC (0) の光パワーを表している。
【0129】パワー比は変調周波数ωが増大するのに従
って周期的に変化し、変調周波数ωがω0 =2π×1
8.2MHz の倍数に相当するときに最小となった。ω0
の値は、5.7mのシングルモードファイバ(n=1.
45)の光の往復時間τの逆数を用いて算出された値に
極めてよく一致した。
【0130】図12において実線で表される曲線は、図
8の実施例における(27)及び(28)式により算出された値
に基づいた理論曲線である。実測値は理論曲線によく一
致している。
【0131】図13はスペクトルアナライザSAの観測
結果を示す図であり、(A)は変調周波数が50.0MH
z(ω/ω0 =2.75)のときのスペクトルの観測結果
を表し、(B)は変調周波数が54.6MHz(ω/ω0
3)のときのスペクトルの観測結果を表している。
【0132】図13(A)では、EC 及びEP はほぼ同
等に位相変調されているが、図13(B)では、EC
ところには1つの光キャリアのみが観測されているのに
対し、EP は最大の位相変調を受けている。このこと
は、EC に対しては位相ゆらぎが抑圧され、EP に対し
ては往復による2度の位相変調がなされていることを表
している。図13(A)及び(B)において、E0 が同
等のスペクトルを有しているのは、E0 が位相変調器を
1回だけ通過しているからである。
【0133】以上の実証実験の結果から、位相共役光の
発生が可能であることと、ヘテロダイン検波を用いて変
調サイドバンドにより変調指数β′を特定し得ること
と、変調指数が変調周波数に応じて変化することとが明
らかになった。
【0134】また、変調指数が変調周波数に応じて変化
する様子と、光路における任意の位相ゆらぎが比較的長
い周期の(測定で用いる変調信号の周波数より十分低い
周波数の)周期関数のフーリエ級数で表すことができる
こととを考慮すると、本発明により光学距離を測定した
場合に位相ゆらぎの影響を排除して極めて高精度な測定
が可能になることが明らかである。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
原理的には位相ゆらぎの影響を受けない高精度な測定が
可能な光学距離の測定方法及び測定装置の提供が可能に
なるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を説明するためのフローチャートで
ある。
【図2】本発明装置を説明するためのブロック図であ
る。
【図3】変調指数と変調周波数の関係を表すグラフであ
る。
【図4】本発明を距離測定器に適用した第1実施例を示
す図である。
【図5】|β′/β|とω/ω0 の関係を表すグラフで
ある。
【図6】図4の受光器に入力する位相共役光のスペクト
ルの一例を示す図である。
【図7】本発明を変移計に適用した例を示す図である。
【図8】本発明を距離測定器に適用した第2実施例を示
す図である。
【図9】本発明を距離測定器に適用した第3実施例を示
す図である。
【図10】位相共役光の発生の原理を説明するための図
である。
【図11】実証実験に用いたシステムのブロック図であ
る。
【図12】実証実験の結果の一部を示すグラフである。
【図13】実証実験においてスペクトルアナライザによ
り観測されたデータを示す図である。
【符号の説明】
11 プローブ光源 12 光分岐回路 13 位相変調器 14 光路 15 位相共役光発生手段 16 光検波手段 17 光学距離算出手段

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1地点と第2地点の間に設定された光
    路の光学距離を測定する方法であって、 一定周波数のプローブ光を上記第1地点で位相変調して
    得られた変調プローブ光を、上記光路により上記第1地
    点から上記第2地点に向けて送出する第1のステップ
    (1) と、 上記第2地点で受けた変調プローブ光に基づき該変調プ
    ローブ光に対する位相共役光を発生させ、該位相共役光
    を上記光路により上記第2地点から上記第1地点に向け
    て送出する第2のステップ(2) と、 該位相共役光を上記第1地点でさらに位相変調する第3
    のステップ(3) と、 この位相変調された位相共役光を光検波して位相変調の
    変調指数を測定する第4のステップ(4) と、 該変調指数に基づき上記光路の光学距離を得る第5のス
    テップ(5) とを含むことを特徴とする光学距離の測定方
    法。
  2. 【請求項2】 上記位相共役光は3次の非線形光学媒質
    における4光波混合により発生することを特徴とする請
    求項1に記載の光学距離の測定方法。
  3. 【請求項3】 上記第1及び第3のステップにおける位
    相変調は、上記プローブ光と上記位相共役光が互いに逆
    の方向に通過する1台の位相変調器によりなされ、 該位相変調器に供給される変調信号は正弦波信号であ
    り、 該位相変調器の変調周波数を測定するステップをさらに
    含むことを特徴とする請求項1に記載の光学距離の測定
    方法。
  4. 【請求項4】 上記第1乃至第4のステップは上記変調
    周波数を異ならせて複数回繰り返され、 上記第5のステップは、上記変調指数の複数の測定値と
    上記変調周波数の複数の測定値の関係を求めるステップ
    と、該関係に基づき上記変調指数の極小値を与える変調
    周波数の特定値を求めるステップとを含むことを特徴と
    する請求項3に記載の光学距離の測定方法。
  5. 【請求項5】 上記特定値は少なくとも2つ求められ、 上記第5のステップは該少なくとも2つの特定値の周波
    数間隔を求めるステップをさらに含むことを特徴とする
    請求項4に記載の光学距離の測定方法。
  6. 【請求項6】 上記特定値は少なくとも2つ求められ、 上記第5のステップは、当該特定値が上記少なくとも2
    つの特定値のうちの最小のものから何番目に相当するの
    かを求めるステップをさらに含むことを特徴とする請求
    項4に記載の光学距離の測定方法。
  7. 【請求項7】 上記位相変調器を上記光路又は該光路の
    延長路に沿って既知の光学距離だけ変位させるステップ
    をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の光学距
    離の測定方法。
  8. 【請求項8】 上記光路は既知の屈折率を有する光学媒
    質からなり、 上記第5のステップで得られた光学距離と上記既知の屈
    折率に基づき上記第1地点と上記第2地点の間の上記光
    路に沿った距離を算出するステップをさらに含むことを
    特徴とする請求項3に記載の光学距離の測定方法。
  9. 【請求項9】 上記第1地点と上記第2地点の間の上記
    光路に沿った距離は既知であり、 上記第5のステップで得られた光学距離と上記既知の距
    離に基づき上記光路を形成している光学媒質の平均屈折
    率を算出するステップをさらに含むことを特徴とする請
    求項3に記載の光学距離の測定方法。
  10. 【請求項10】 上記変調指数の微小変化に基づき上記
    光路の光学距離の微小変化を算出するステップをさらに
    含むことを特徴とする請求項3に記載の光学距離の測定
    方法。
  11. 【請求項11】 一定周波数のプローブ光を出力するプ
    ローブ光源(11)と、 該プローブ光源(11)に接続された入力ポート(12A) と入
    力/出力ポート(12B)と出力ポート(12C) とを有し、該
    入力ポート(12A) に供給された光を該入力/出力ポート
    (12B) から出力し、該入力/出力ポート(12B) に供給さ
    れた光を該出力ポート(12C) から出力する光分岐回路(1
    2)と、 該光分岐回路(12)の入力/出力ポート(12B) に接続され
    た第1ポート(13A) と光学距離を測定すべき光路(14)の
    第1端に配置された第2ポート(13B) とを有し、該第1
    ポート(13A) 及び該第2ポート(13B) に供給された光を
    位相変調してそれぞれ該第2ポート(13B) 及び該第1ポ
    ート(13A) から出力する位相変調器(13)と、 上記光路(14)の第2端に配置され、受けた光に対する位
    相共役光を発生させる位相共役光発生手段(15)と、 上記光分岐回路(12)の出力ポート(12C) に接続され、受
    けた光を光検波する光検波手段(16)と、 該光検波手段(16)からの検波信号における位相変調の変
    調指数に基づき上記光路(14)の光学距離を算出する光学
    距離算出手段(17)とを備えたことを特徴とする光学距離
    の測定装置。
  12. 【請求項12】 上記光路は均質媒体内に設定され、 上記位相変調器の第2ポートと被測定物体の間の距離が
    測定されることを特徴とする請求項11に記載の光学距
    離の測定装置。
  13. 【請求項13】 上記位相共役光発生手段は上記被測定
    物体に固定されることを特徴とする請求項12に記載の
    光学距離の測定装置。
  14. 【請求項14】 上記被測定物体は上記位相共役光発生
    手段であることを特徴とする請求項12に記載の光学距
    離の測定装置。
  15. 【請求項15】 上記位相共役光発生手段は、3次の非
    線形光学効果を呈する光学媒質(61)と、周波数が等しい
    第1及び第2の励起光を互いに異なる向きで上記光学媒
    質(61)に入射させる手段とを含み、 上記光学媒質(61)においては、上記光路を介して供給さ
    れた光と上記第1及び第2の励起光と出力アイドラ光と
    に基づく4光波混合が生じ、 上記アイドラ光が上記位相共役光として上記光学媒質(6
    1)から上記光路に送出されることを特徴とする請求項1
    1に記載の光学距離の測定装置。
  16. 【請求項16】 上記光検波手段は、 上記光分岐手段の出力ポートからの光を光/電気変換す
    る受光器(28)と、 該受光器(28)からの信号を増幅する増幅器(29)と、 該増幅器(29)からの信号が供給され、上記位相共役光に
    おけるメインピークの中心周波数と位相変調によるサイ
    ドピークの中心周波数の差に相当する周波数成分を通過
    させる帯域通過フィルタ(30)とを含むことを特徴とする
    請求項11に記載の光学距離の測定装置。
  17. 【請求項17】 上記光検波手段は、 予め定められた周波数のローカル光を出力するローカル
    光源(42)と、 該ローカル光源(42)からのローカル光と上記光分岐手段
    の出力ポートからの光を混合して出力する混合手段と、 該混合手段からの光を光/電気変換する受光器(44)と、 該受光器(44)からの信号を増幅する増幅器(45)と、 該増幅器(45)からの信号が供給され、上記位相共役光に
    おける位相変調によるサイドピークの中心周波数と上記
    ローカル光の周波数の差に相当する周波数成分を通過さ
    せる帯域通過フィルタ(46)とを含むことを特徴とする請
    求項11に記載の光学距離の測定装置。
  18. 【請求項18】 上記光検波手段は、 予め定められた周波数のローカル光を出力するローカル
    光源(52)と、 該ローカル光源(52)からのローカル光と上記光分岐手段
    の出力ポートからの光を混合すると共に第1及び第2分
    岐光に分岐して出力する混合/分岐手段と、 該混合/分岐手段からの第1及び第2分岐光をそれぞれ
    光/電気変換する第1及び第2の受光器(54,55) と、 該第1及び第2の受光器(54,55) からの信号について減
    算を行う減算手段と、 該減算手段からの信号を増幅する増幅器(57)と、 該増幅器(57)からの信号が供給され、上記位相共役光に
    おける位相変調によるサイドピークの中心周波数と上記
    ローカル光の周波数の差に相当する周波数成分を通過さ
    せる帯域通過フィルタ(58)とを含むことを特徴とする請
    求項11に記載の光学距離の測定装置。
JP4228527A 1992-08-27 1992-08-27 位相共役光を用いた光学距離の測定方法及び装置 Withdrawn JPH0675049A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004053514A1 (en) * 2002-12-06 2004-06-24 Koninklijke Philips Electronics N.V. Magnetic resonance imaging system with a plurality of transmit coils
JP2012132838A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光位相測定装置、光位相測定方法およびプログラム

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