JPH0674922U - 複動圧力解放装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体媒質の第１の深さでの第１の圧力によっ
て作動し、第２の深さにおいて、第１の圧力よりも小さ
な第２の圧力で解放される、複動圧力解放装置を提供す
ることを目的とする。 【構成】 流体媒質中で使用される複動圧力解放装置で
あって、室をもつハウジングと、ハウジングの室内に置
かれた第１部材と、複動圧力解放装置に作用する流体圧
力が第１の圧力に達するまで第１部材が室から排出され
るのを防止するための第１装置と、複動圧力解放装置に
作用する流体圧力が第１の圧力から第２の圧力まで減少
したとき、第１部材を室から排出させるための第２装置
とを含むことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一般に、増大し次いで減少する圧力に応答するため任意の流体媒質内 で使用される装置に関し、特に流体媒質内での水平の音響伝送系（acoustic lin e)のアレイ（array)の展開を助けるために流体媒質内で使用される装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

ソノブイが先行技術において良く知られている。例えば、米国特許第4,189,78 6 号は、インテリジェンス・カプセル（intelligence capsule) を有するラジオ ブイ組立体を説明している。このようなソノブイは一般に監視用感知器の垂直の 音響伝送系のアレイを展開するように輪郭付けられている。最近、米国特許第4, 254,480 号に開示されているような水中マイクロホンの水平に離間されたアレイ を展開するソノブイの必要が生じた。水平伝達系アレイは、大洋中で垂直に展開 され、次に海流によりアレイ上に作用する抗力により水平に位置決めされる。伝 送系アレイの端にあるフロートがこの位置決めを助ける。伝送系アレイの前方端 にある重み付き要素が枢軸点となり、この枢軸点の周りにアレイが所望の深さに 回転する。伝送系アレイは、釣合い浮力にあり、該アレイの水平位置を安定させ るための海シュートを端部に有する。

【０００３】 実際には、伝送系アレイは、非常にゆっくりと水平に位置決めされる。このこ とが、水平伝送系アレイの使用の主な欠点である。海シュートが、伝送系アレイ の水平位置の達成を更に妨げる。何故ならば、海シュートが大洋を通る伝送系ア レイの運動に抵抗するためである。それ故、水平位置に達するまで、海シュート を折たたんだままの状態に維持するのが望ましい。他方において、水平位置に達 したときフロートを捨てる必要があり、もしも捨てなければ伝送系アレイが上昇 し続けるであろう。

【０００４】 これらの両方の機能を達成するために簡単で且つ安価な方法が必要である。単 動圧力解放装置は、海シュートを展開し且つフロートを解放することができない 。何故ならば、垂直展開サイクルの間に装置が最初に水平安定性が生ずる圧力を 通るとき、装置が解放するためである。この理由で、フロートの解放と海シュー トの展開とが、海シュートとフロートとを収納した格納袋に結合された複動装置 を用いて行なわれねばならなかった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の目的は、流体媒質内で使用され、流体媒質の第１深さでの第１圧力に より第１深さで活性化され、第１圧力より小さい第２深さでの第２圧力により第 ２深さで解放される装置を提供することである。 本考案のもう１つの目的は、最初に増大する圧力に応答して、伝送系アレイが 垂直に展開されたときの伝送系アレイの下端における圧力に対応する第１深さで 活性化し、次に減少する圧力に応答して、第１深さより浅く且つ水平安定性の得 られる第２深さに対応する第２圧力に達したとき解放する装置を提供することで ある。

【０００６】 本考案のもう１つの目的は、伝送系アレイが第１深さへ垂直に展開され、次に 第１深さより浅い第２深さで水平に安定化された後、フロートを解放し且つ水平 伝送系アレイ上の海シュートを展開するための装置を提供することである。 本装置は、室をもつハウジングと室内に配置された部材とを有する。第２所望 圧力に達するまで部材が室から排出されるのを防止するための装置が設けられて いる。

【０００７】 本考案による複動圧力解放装置は、この解放装置を包囲する流体媒質内の深さ で経験される増大し次に減少する圧力に応答する。

【０００８】

【実施例】

第１図を参照して説明する。好ましい実施態様は、円筒形室２をもつ長方形の ハウジング１を有する。圧縮ばね３が室２の中に配置され、圧縮ばね３の端部３ ａが室２の底部と接触し、他方の端部３ｂが円筒形ロッド４と接触する。ロッド ４は、上方端４ａとそれより小さい直径の下方端４ｂとに分けられている。ばね ３は、下方端４ｂを包囲し、ロッド４の肩部４ｃと接触する。第２図〜第４図に 示すように、ハウジング１は対向側に２つの片寄りした孔５と６を有する。ロッ ド４は、２つの切欠き４１と４２を有し、切欠き４２の方がロッド４の頂部によ り近い。切欠き４１と４２は、各切欠きが孔５と関連付けられるようにロッド４ の同じ側にある。

【０００９】 組立てられたとき（第２図）、ロッド４は、切欠き４１を孔５と符号させて室 ２の中にある。切欠き４２の深さより小さいが切欠き４１の深さより大きい直径 をもつ球軸受７が、開口部５内に配置され、第２図に示すように切欠き４１の中 へ突出している。球軸受７が開口部５と切欠き４１の側面４３との間でリベット １０により適所に保持されているので、ロッド４が室を出ることを妨げられてい る。

【００１０】 板ばね８は、開口部５と同じ側でハウジング１の底部と係合するねじ９により 適所に保持されている。板ばね８の端１０ａは、開口部５の中へ延びるリベット １０を有し、このリベット１０が球軸受７をロッド４の方へ押している。Ｏリン グ１１が切欠き４１、４２の下のロッド４の周りに置かれ、ロッド４の下方部分 ４ｂと室２との間に水密圧力シールを生じ、水密部分２１を形成する。

【００１１】 第５図に示すように、装置がポリエチレンカップ４５内の空洞４４の中に置か れる。海シュート４６は、フラップ４９をもつ格納袋４７により折りたたまれて 保持されている。フラップ４９は、室２から延びるロッド４の端にある孔４８と 板ばね８の底部にある孔４９とにコード５２と５２ａで結び付けられている（第 １図、第５図）。フロート５３が、第６図に示すように、格納袋４７により保持 されている。

【００１２】 第７図〜第１０図は、水面フロート５４から水平の音響伝送形アレイ５０を展 開する際の種々の段階を示している。システム全体が第７図に示すようにハウジ ング５９内に収納されている。第８図に示すように、ハウジング５９はその自重 により沈み、フロート５４は水面上に留まっている。ハウジング５９が沈むにつ れて、伝送系アレイ５０が引き出されて展開される。伝送系アレイ５０が垂直に 十分に展開されたときハウジング５９が離れ落ち、格納袋４７を解放する。

【００１３】 音響要素５７がエレクトロニクス・パッケージ５５の下方で伝送系アレイ上に 配置されている。ケーブル６０は、アップ・リンク・ケーブル（uplink cable） と呼ばれる電気信号ケーブルであり、エレクトロニクス・パッケージ５５から水 面上へ電気信号を伝送する。エレクトロニクスパッケージ５５は、アンカーとし て作用し、それを中心として伝送系アレイ５０が第９図の矢印６１で示すように 枢軸旋回する。海流とフロート５３とが、釣合い浮力状態にある伝送系アレイ５ ０を水平位置の方へ回転させる。

【００１４】 装置が、展開中に流体媒質内を下降している間ロッド４に作用する圧力が増大 し、ロッド４を室２の中へより深く押し入れる（第２図〜第４図）。伝送系アレ イ５０が垂直に展開されたとき第１所望深さに達する。この位置において、流体 媒質によりロッド４に及ぼされた圧力が、開口部４２を孔５と整列させるように ロッド４を室２の中へ十分に押し込み、装置を活性化する（第３図）。球軸受７ が、板ばね８により開口部４２の中へ完全に押し込まれる。リベット１０は、球 軸受７が開口部５の中へ戻るのを防止している。ロッド４はいま、ばね３により 及ぼされる力と、流体媒質により及ぼされる圧力と、コード５２、５３を介して 格納袋４７のフラップ４９を引く力とによってのみ制御されて自由に動くことが できる。

【００１５】 伝送系アレイ５０が、第９図と第１０図に示すように再び平衡状態に復すると き、装置が上昇する。その結果として、ロッド４に作用する圧力が低下し、ロッ ド４が、ばね３の力で室２からもっと先へ動くように押しやられる。 水平位置が得られたとき、第２所望深さに達する。この第２深さで流体媒質に より及ぼされる圧力は、Ｏリング１１が孔６より上へ上昇するようにロッド４が 室２から十分遠くへ移動するような圧力である。流体が下方の水密室２１へ入り 、流体媒質により及ぼされる圧力を均一にする。次にロッド４がばね３の力で室 ２から追出され、それによって装置を解放する。フラップ４９が解放され、海シ ュート４６が展開され、フロート５３が水面上へ上昇することが可能となる。装 置とロッド４と格納袋が沈む。

【００１６】 装置が活性化される深さと装置が解放する深さとを決定するために、ばね３の ばね定数と、Ｏリング１１の位置と、孔５，６の位置又は切欠き４１、４２の大 きさと位置とをすべて変化させることができる。 装置が第１所望圧力へ下降しなければ、装置は活性化しない。たとえ装置が第 １所望圧力より下へ下降しても、装置はなお活性化し、次に伝送系アレイ５０が 水平位置に達するとき装置が解放する。

【００１７】 本考案による圧力解放装置を、大洋中での水平伝送系アレイの展開について説 明したけれども、本装置は、増大し次に減少する圧力への応答が必要とされると きのいかなる目的に対しても、任意の種類の流体媒質内で使用することができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による装置の分解斜視図である。

【図２】組み立てられた状態を示す、図１の装置の長さ
方向断面図である。

【図３】活性化された状態を示す、図１の装置の長さ方
向断面図である。

【図４】解放された状態を示す、図１の装置の長さ方向
断面図である。

【図５】海シュートとフロートとが解放される前の複動
圧力解放装置を適所で示した図である。

【図６】格納袋の部分断面図で、フロートを示してい
る。

【図７】水平伝送系アレイの展開中の状態を示した図で
ある。

【図８】水平伝送系アレイの展開中の状態を示した図で
ある。

【図９】水平伝送系アレイの展開中の状態を示した図で
ある。

【図１０】水平伝送系アレイの展開中の状態を示した図
である。

【図１１】海シュートを展開したときの水平伝送系アレ
イの最終的配置を示した図である。

【符号の説明】

３ ばね ４ ロッド ５ 開口部 ６ 孔 ７ 球軸受 ８ 板ばね

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】流体媒質中で使用される複動圧力解放装置
   であって、 室をもつハウジングと、 ハウジングの室内に置かれた第１部材と、 複動圧力解放装置に作用する流体圧力が第１の圧力に達
   するまで第１部材が室から排出されるのを防止するため
   の第１装置と、 複動圧力解放装置に作用する流体圧力が第１の圧力から
   第２の圧力まで減少したとき、第１部材を室から排出さ
   せるための第２装置と、を含む複動圧力解放装置。
2. 【請求項２】前記第２装置は、弾性装置と、第１部材と
   関連していて、室の密封部分を構成するための装置と、
   第２の深さに到達したとき、第１部材に作用する流体圧
   力に対して室内の圧力を均等化し、これにより、弾性装
   置によって第１部材に及ぼされる力のため第１部材が室
   から排出される、圧力均等化装置とを含む、請求項１記
   載の複動圧力解放装置。
3. 【請求項３】前記第１装置は、第２部材を含み、該第２
   部材は、第１部材内の第１切欠きと係合して第１部材が
   室から外に移動するのを防止するが、装置が流体媒質中
   をより深く移動するにつれて第１部材に及ぼされる圧力
   が増加するとき、第１部材が室の中へさらに移動するの
   を可能にする、請求項１記載の複動圧力解放装置。
4. 【請求項４】前記第１部材は、第１切欠きに隣接して第
   １切欠きより大きい深さをもつ第２切欠きを有し、２つ
   の切欠きが変化する深さをもつ１つの切欠きを形成し、
   装置が第１の圧力にあるとき第２部材が第１切欠きを離
   脱して第２切欠きと係合するようになっている、請求項
   ３記載の複動圧力解放装置。
5. 【請求項５】前記ハウジングは、第２部材が中に配置さ
   れている開口を有し、前記第２部材は、第２部材が第１
   切欠き及びハウジングと係合して、装置が活性化される
   までは第１部材が外へ移動するのを阻止するように、第
   １部材内の第１切欠きの深さよりも大きい断面を有し、
   第２部材を第１部材の方へ押しやり、第２部材が第１部
   材から離脱するのを阻止し、第２部材が第２切欠きに入
   るとき、ハウジングの開口部に再び入るのを阻止するた
   めの第３装置を有する、請求項４記載の複動圧力解放装
   置。