JPH0674886U - 管内洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 管の中に進入する往動で管内を洗浄する複数
本の高圧ホースの全部を１つのモータで往復動可能にす
ると共に、そのうちの１本の高圧ホースだけでも往復動
可能にする。 【構成】 １つの正逆転可能なモータ６で、複数本の高
圧ホース２，２′を１つ宛載せた複数の駆動プーリ８，
８′を駆動すると共に、各駆動プーリ上に高圧ホースを
個々に押付けたり、押付けを止める補助プーリ９，９′
を設け、且つ、各駆動プーリ８，８′の後に高圧ホース
２，２′の往動でホースを巻き出し、復動でホースを巻
取る高圧ホース毎の遊転ドラム１４，１４′を配置す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、所定の間隔を保って平行に配列された多数本の管を有する発電所 で使用される復水用熱交換器、一般産業用熱交換器などの、前記管の内部に、先 端に洗浄ノズルを有する高圧ホースを挿入し、洗浄ノズルから噴出する高圧洗浄 水で管の内部を洗浄する管内洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

このような管内洗浄装置として、先端に洗浄ノズルを取付けた二本の高圧ホー スをドラムに巻取り、両高圧ホースを送り出し装置でドラムから巻き出して洗浄 すべき二本の管内に同時に挿入して行き、各洗浄ノズルから噴出する高圧洗浄水 で管内を洗浄し、洗浄ノズルが管内の奥に到達したら送り出し装置を停め、ドラ ムを回転駆動して高圧ホースをドラムに巻取りながら管から外に引き戻す自動洗 浄装置が公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記自動洗浄装置は、送り出し装置の駆動モータと、ドラムを回転駆動して高 圧ホースをドラムに巻取るための駆動モータとを別個に要し、夫々のモータの回 転速度やトルク等を比較演算し、フィードバックをかけながら駆動するコンピュ ータでの制御方式を採っているため高価であり、操作や保守管理が難しいという 問題点がある。又、２本の高圧ホースを同時に往復動して洗浄を行うものゝ場合 、洗浄すべき管の数が奇数であると、最後に残った１本の未洗浄管を洗浄するに は一方の高圧ホース未洗浄管に挿入し、他方の高圧ホースを隣りの洗浄済みの管 に挿入することが必要なので洗浄済みの管を洗浄水を使用して二度洗浄しなけれ ばならないという無駄がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記問題点を解消するために開発されたもので、洗浄ノズルを先端に 取付けた複数本の高圧ホースと、この高圧ホースを往復移動するために正逆転可 能なモータで回転駆動される駆動プーリと、前記駆動プーリの後方に配置され、 前記高圧ホースの尾端を、洗浄水を供給可能に固定して高圧ホースの巻出し、巻 取りを行う遊転ドラムとを備え、前記遊転ドラムの外周を、該ドラムと一体に回 転する円筒カバーで包囲し、遊転ドラムの外周と、円筒カバーの内周との間に高 圧ホースが収容される隙間を設けたのである。

【０００５】

【実施例】

図示の実施例は先端に洗浄ノズル１，１′を取付けた左右２本の可撓な高圧ホ ース２，２′を同時にも、左右どちらか１本だけでも送り出して洗浄が行えるよ うにしたもので、キャスターにより走行できる台車３の前半部に架台４を設置し 、架台上に対向して立設した左右の固定支持壁５，５′間に、正逆転可能な減速 機付きモータ６で回転駆動される駆動軸７を渡設し、該駆動軸７に左右２本の高 圧ホース２，２′のための左右二つの駆動プーリ８，８′を固定する。前記モー タ６から駆動軸７への回転の伝達は無端チェーンと、スプロケットとにより行う 。尚、駆動軸に取付ける左右の駆動プーリ８，８′の距離は洗浄すべき管の隣接 間隔に合わせて置く。

【０００６】 ９，９′は夫々前記二つの駆動プーリ８，８′上に個々に配置された補助プー リで、前記固定支持壁５，５′には支点軸１０を渡設し、この支点軸に中間部を 枢着された二つの揺動レバー１１と１１′の、１１の前端に補助プーリ９、１１ ′の前端に補助プーリ９′を夫々軸着する。そして、この実施例では駆動軸７に 伝えられるモータ６からの回転を、該軸７に取付けた歯車、固定支持壁に軸着し た歯車、前記支点軸１０に軸着した歯車からなる歯車列で補助プーリ９と９′の 軸に取付けた歯車に伝え、補助プーリ９，９′も回転駆動する。尚、駆動プーリ と、補助プーリの回転方向は、高圧ホースを協同して送り出したり（往動）、引 き戻したり（復動）するために逆方向になっている。

【０００７】 固定支持壁５，５′、又は架台４の後部に、前記補助プーリ９，９′を個々に 上下動させる作動装置１２として二つの空圧シリンダ１３，１３′の下端を枢着 し、空圧シリンダ１３の上端（ロッド端）を揺動レバー１１の後端に、空圧シリ ンダ１３′の上端（ロッド端）を揺動レバー１１′の後端に夫々枢着する。

【０００８】 台車３の後半部上に、左の高圧ホース２を巻取るための遊転ドラム１４を、左 の駆動プーリ８に対して斜め後方に回転自在に設け、又、右の高圧ホース２′を 巻取るための遊転ドラム１４′を、右の駆動プーリ８′に対して斜め後方に回転 自在に設ける。この両遊転ドラム１４，１４′の頂部と、駆動プーリ８，８′の 頂部はほゞ同一水平面Ｈ上にある。この実施例では、台車の後半部上の、駆動プ ーリ８の真後ろの位置に軸受台１５を立設してその上端に中空の固定軸１６を左 向きに固定し、この固定軸上に放射状のアームと軸受で左の遊転ドラム１４を片 持ちで回転自在に取付け、遊転ドラム１４を駆動プーリ８の斜め左後ろにする。 又、台車の後半部上の、駆動プーリ８′の真後ろの位置に軸受台１５′を立設し てその上端に中空の固定軸１６′を右向きに固定し、この固定軸上に放射状のア ームと軸受で右の遊転ドラム１４′を片持ちで回転自在に取付け、遊転ドラム１ ４′を駆動プーリ８′の斜め右後ろにする。

【０００９】 各軸受台１５，１５′に支持された固定軸１６，１６′の相対向した一端部に 、開閉弁を途中に有する高圧洗浄水の供給配管１７，１７′を接続し、遊転ドラ ム１４，１４′の各自由端部近くに開口した固定軸１６，１６′の他端にロータ リジョイント１８，１８′を介してＵ形の中継管１９，１９′の一端部を放射状 に連結し、該中継管の他端部に再びロータリジョイント２０，２０′で遊転ドラ ム１４，１４′の外周に巻取る高圧ホース２，２′の内端部を連結すると共に、 高圧ホースの各内端部をロータリジョイント２０，２０′に固定するナット２１ ，２１′と、中継管１９，１９′のロータリジョイント１８，１８′に連結した 端部をアーム２２，２２′で接続する。ロータリジョイント２０，２０′で内端 を夫々中継管１９，１９′の他端に連結された各高圧ホース２，２′は、各遊転 ドラム１４，１４′の内周の内部を遊転ドラムの隙間２４の方向に真直ぐに延び 、該ドラムの内壁に設けられた切欠きから遊転ドラムの外に出、夫々軸受台１５ ，１５′の方向に向かって遊転ドラムの外周に、一巻き宛隣接して螺旋状に一層 で巻き付く。又、アーム２２，２２′によりロータリージョイント２０で回転し ようとするホースにひねりが与えられ、端板２５側から遊転ドラムに整列して巻 きとられる。２３，２３′は各遊転ドラム１４，１４′の外周を、該ドラムと一 体に回転して包囲する円筒カバーで、この円筒カバー２３，２３′の内周と、遊 転ドラム１４，１４′の外周との間には高圧ホース２，２′の直径に対応した円 筒形の隙間２４，２４′が保たれている。この円筒カバー２３，２３′は、遊転 ドラム１４，１４′の自由端を塞ぐ端板２５，２５′を有し、この端板２５，２ ５′によって遊転ドラム１４，１４′の自由端に同心状に固定されている。従っ て、前記円筒形の隙間２４，２４′は、奥が前記端板２５，２５′で塞がれ、遊 転ドラムの、軸受台１５，１５′で支持されている端部で開放し、高圧ホースの 出入口を形成する。

【００１０】 各軸受台１５，１５′上には各駆動プーリ８，８′上から真直ぐ後ろに接線方 向に延びる高圧ホース２，２′を曲げてその向きを横方向に変え、前記円筒形の 隙間２４，２４′の入口を通じ該隙間のなかに斜めに導く転向装置２６が設けて ある。転向装置２６は、この実施例では軸受台１５，１５′上に水平に固定した 支持板２７，２７′と、各支持板上に縦軸で回転自在に取付けられ、駆動プーリ ８から後ろに接線方向に延びる左の高圧ホース２を間に通し、該ホースを左に約 ４５°曲げて左の遊転ドラム１４上の円筒形の隙間２４の中に斜めに導く複数対 の誘導ローラ群２８、及び駆動プーリ８′から後ろに接線方向に延びる右の高圧 ホース２′を間に通し、該ホースを右に約４５°曲げて右の遊転ドラム１４′上 の円筒形の隙間２４′の中に斜めに導く複数対の誘導ローラ群２８′からなって いる。左右の固定支持壁５，５′の後端間には横梁２９を渡設し、これに駆動プ ーリ８，８′上から後向きに出た直後の高圧ホース２，２′を内部に貫通し、上 記誘導ローラ群２８，２８′に導く案内筒３０，３０′を設けて置くとよい。

【００１１】 架台４の前端には、駆動プーリ８，８′で前向きに送り出される高圧ホース２ ，２′を内部に通し、高圧ホースを直進させるガイド筒３１，３１′の後端を片 持ちで固定し、洗浄の際にはガイド筒の前端の小径部を洗浄すべき管の端部に挿 入する。 又、架台上にはロータリエンコーダ３２を設置し、その移動量検出用ローラ３ ３，３３′を駆動プーリ８，８′とガイド筒３１，３１′の間で高圧ホース２， ２′に外接し、高圧ホース２，２′が例えば１ｍｍ移動する毎のローラ３３，３ ３′の回動でパルスを１つ宛、ロータリエンコーダ３０から制御盤３４に発信し 、洗浄の際に各高圧ホースの先端の洗浄ノズル１，１′が洗浄すべき管内のどの 位置にあるかを、制御盤上に表示するようにする。

【００１２】 洗浄する際には各高圧ホース２，２′を遊転ドラムと円筒カバーとの間の円筒 形の隙間２４，２４′内で遊転ドラム１４，１４′の外周のほゞ全体に螺旋状に 巻取ると共に、上記隙間２４，２４′から外に出た部分を誘導ローラ群２８，２ ８′、駆動プーリ８，８′上を経てガイド筒３１，３１′に後から入れ、前端の 洗浄ノズル１，１′をガイド筒の前端に位置させて置く。そして、左右の高圧ホ ースを使用して二本の管を同時に洗浄するには各ガイド筒３１，３１′の前端の 小径部を洗浄すべき二本の管の端部に挿入し、作動装置１２である空圧シリンダ １３，１３′のピストンで揺動レバー１１，１１′を揺動して補助プーリ９，９ ′を下げ、補助プーリにより高圧ホース２，２′を駆動プーリ８，８′上に押付 け、それからモータ６を正方向に回転して駆動プーリと補助プーリ８と９、８′ と９′により高圧ホース２と２′を前に送り出し、往動すると同時に、高圧洗浄 水の供給配管１７，１７′の途中にある弁を開き、高圧ホース２，２′に高圧洗 浄水を供給する。これにより、高圧ホース２，２′の遊転ドラム１４，１４′に 巻取られている部分は転向装置２６である誘導ローラ群２８，２８′を経て引張 られ、各遊転ドラム１４，１４′はその引張力で回転して高圧ホースを巻き出し 、各ホースの先端の洗浄ノズル１，１′は高圧洗浄水を噴出しながら二本の管の 内部を奥に向かって後から押し進められ、管内を洗浄する。

【００１３】 洗浄ノズル１，１′が管の奥に到達したらモータ６を逆転し、これに伴い逆方 向に回転する駆動プーリと補助プーリ８と９、８′と９′で管内の高圧ホース２ ，２′を引き戻す。これにより、高圧ホース２と２′の、駆動プーリと補助プー リとで駆動プーリ上から後向きに接線方向に送り出される部分は、転向装置２６ である誘導ローラ群２８と２８′とで導かれ、高圧ホース２は左に約４５°曲が って遊転ドラム１４と円筒カバー２３との間の円筒形の隙間２４の中に斜めに入 って行き、又、高圧ホース２′は右に約４５°曲がって遊転ドラム１４′と円筒 カバー２３′との間の円筒形の隙間２４′の中に斜めに入って行く。こうして高 圧ホース２と２′が遊転ドラムの外周と、円筒カバーの内周に接触して円筒形の 隙間の中に斜めに入って行くことで遊転ドラムと円筒カバーとは一体となってホ ースの巻取方向に回転し、高圧ホースは上記隙間のなかで遊転ドラム１４，１４ ′の外周上に整然と螺旋状に巻取られて行く。そして、各高圧ホースの先端の洗 浄ノズル１，１′が管から抜けてガイド筒３１，３１′の前端に戻ったら洗浄水 の供給配管の途中の弁を閉じ、洗浄を終る。

【００１４】 又、１本の管だけを洗浄する場合は、高圧ホース２と２′のどちらで洗浄する かを決め、その高圧ホースが上に載っている駆動プーリ上の補助プーリだけを降 ろしてその高圧ホースを駆動プーリ上に押付け、その高圧ホースを内部に通した ガイド筒の前端の小径部を管端に押付け、モータ６を駆動すると共に、その高圧 ホースに洗浄水を供給する弁だけを開き、同様に洗浄を行うことができ、その間 、他方の高圧ホースを上に掛けた駆動プーリはホースに対してスリップ回転し、 その上方の補助プーリは空転する。

【００１５】 この実施例では駆動プーリ８，８′以外に補助プーリ９，９′にもモータ６の 回転を伝えて駆動したが、補助プーリは必ずしも駆動する必要はない。更に、こ の実施例では１つの駆動軸７に二つの駆動プーリを固定したが、三つ、又はそれ 以上の数の駆動プーリを取付けると共に、その数に対応した遊転ドラムを設け、 高圧ホースを一回、往復動することで洗浄できる管の数を三本、又はそれ以上に することもできる。

【００１６】

【考案の効果】 以上で明らかなように、本考案では同時に複数本の管を洗浄するための複数本 の高圧ホースを、１つの正逆転可能なモータで往復動するようにし、往動によっ て高圧ホースを送り出して洗浄を行い、送り出した高圧ホースをドラムに巻取る ので、機構や、制御方式が簡単になり、操作やメンテナンスに高度な技能が必要 なくなる。そして、複数本の高圧ホースの全部を往復動して同数の管を同時に洗 浄する以外に、一部の高圧ホースだけを往復動して、例えば１本の管だけの洗浄 も行えるので洗浄水の無駄をなくし、能率良く洗浄作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の管内洗浄装置の一実施例の側面図であ
る。

【図２】図１の平面図である。

【図３】遊転ドラムを断面にした正面図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線での断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ線での断面図である。

【符号の説明】

１ 洗浄ノズル １′ 洗浄ノズル ２ 高圧ホース ２′ 高圧ホース ６ モータ ８ 駆動プーリ ８′ 駆動プーリ ９ 補助プーリ ９′ 補助プーリ １２ 作動装置 １４ 遊転ドラム １４′ 遊転ドラム ２３ 円筒カバー ２３′ 円筒カバー ２４ 円筒形の隙間 ２４′ 円筒形の隙間 ２６ 転向装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄ノズルを先端に取付けた複数本の高
   圧ホースと、この高圧ホースを往復移動するために正逆
   転可能なモータで回転駆動される駆動プーリと、前記駆
   動プーリの後方に配置され、前記高圧ホースの尾端を、
   洗浄水を供給可能に固定して高圧ホースの巻出し、巻取
   りを行う遊転ドラムとを備え、前記遊転ドラムの外周
   を、該ドラムと一体に回転する円筒カバーで包囲し、遊
   転ドラムの外周と、円筒カバーの内周との間に高圧ホー
   スが収容される隙間を設けたことを特徴とする管内洗浄
   装置。