JPH0674212A - 高速応答ゲル・アクチュエータ - Google Patents

高速応答ゲル・アクチュエータ

Info

Publication number
JPH0674212A
JPH0674212A JP18670893A JP18670893A JPH0674212A JP H0674212 A JPH0674212 A JP H0674212A JP 18670893 A JP18670893 A JP 18670893A JP 18670893 A JP18670893 A JP 18670893A JP H0674212 A JPH0674212 A JP H0674212A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
gel
electric field
dielectric
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18670893A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Hirai
利博 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kako Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Kako Co Ltd filed Critical Toyo Kako Co Ltd
Priority to JP18670893A priority Critical patent/JPH0674212A/ja
Publication of JPH0674212A publication Critical patent/JPH0674212A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非荷電性の高分子材料を用い誘電性の媒体を
含む系を対象とし、実効電流が事実上ゼロの状態で分子
配向のみによってゲル状のゴム状高分子成型体の形状を
変化させることが可能であり、さらに、この形状変化の
際に生じる機械的変形エネルギーをアクチュエーション
に利用した高速応答ゲル・アクチュエータを提供する。 【構成】 誘電性のポリクロロプレンまたは3次元網目
構造を形成したポリクロロプレンゴム状物に誘電性の溶
媒を含ませたもの、あるいはこれに準ずる構造のゴム状
物で溶媒を含まないが十分な弾性を有するものにおい
て、直流電場を印加することによって誘電性の分子ある
いは置換基が電場方向に配向し、ゲルあるいはゴムの構
造が異方的に変化することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム状高分子材料(例
えばポリクロロプレン)において誘電体の電場配向を利
用した高速応答ゲル・アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】直流電場下での物性変化を利用する試み
は古くからある。例えばウィンスロウ(Winslow)によ
る特許が1947年に既に提案されている。最近、多く
なってきたこのいわゆる電気粘性流体に関する、あるい
は電気粘弾性に関する特許もこれに準ずるものである。
すなわち、いずれの場合においても、物質変化の由来す
るところはイオン性あるいは電場によってイオン化する
性質を持つ高分子、または粒子について電場印加によっ
て誘起される構造形成である。ここで言う構造形成と
は、巨視的な意味でのものであり、その結果として液体
状の物性から固体状のものへと変化するものを指してい
る。いずれの場合も荷電性分子あるいは粒子が一次元的
に電場方向に配向した構造が観察され、こうした配向構
造が物性変化を誘起すると考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の電気粘性流体は、基本的に流体であるため加工
製作において高い機密性のパッキングを必要とし、フレ
キシブルな機械や装置になりにくいという課題を有して
いた。
【0004】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、非荷電性の高分子材料を用い誘電性の媒体を含む
系を対象とし、実効電流が事実上ゼロの状態で分子配向
のみによってゲル状のゴム状高分子成型体の形状を変化
させることが可能であり、さらに、この形状変化の際に
生じる機械的変形エネルギーをアクチュエーションに利
用した高速応答ゲル・アクチュエータを提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の高速応答ゲル・アクチュエータは、誘電性
のポリクロロプレンまたは3次元網目構造を形成したポ
リクロロプレンゴム状物に誘電性の溶媒を含ませたも
の、あるいはこれに準ずる構造のゴム状物で溶媒を含ま
ないが十分な弾性を有するものにおいて、直流電場を印
加することによって誘電性の分子あるいは置換基が電場
方向に配向し、ゲルあるいはゴムの構造が異方的に変化
することを特徴とする。
【0006】
【作用】前記した本発明の構成によれば、異方的な力が
極めて高速で発生し、これを用いて有為な仕事を行うこ
とができ、アクチュエーションとして応用することがで
きる。すなわち、本発明における変形、あるいはアクチ
ュエーションが生じる機構は、誘電性分子の電場による
配向とそれによつて誘起される高分子のコンフォメーシ
ョンの変化に基づくものである。これが、「誘導配向」
なる言葉の所以である。従って、ゲルあるいはゴムを構
成している高分子鎖の集合状態の異方性などの高次構造
がアクチュエーションの大きさを決める要因の一つとな
る。ここでは従来の電気粘性流体と異なり液体様から固
体様へのような極端な物性変化は生じない。
【0007】本発明に係かる一実施例であるポリクロロ
プレンの場合について具体的に説明するなら、ポリクロ
ロプレンの構造変化は電場によって連続的かつ線形に起
こり、従って発生する力や変形量は電場によって線形に
制御できる。このことはまた、系に電流を通じる条件下
で測定してもアクションが電流に依存せず一定となるこ
とを意味しており、事実もまたそのとおりとなる。事実
上、電流の流れない条件下でゲルのアクチュエーション
が行なえることは熱的にエネルギーが散逸することを避
けられることであり、電気エネルギーを高効率で機械エ
ネルギーに変換できることを示唆している。この結果、
実効電流が事実上ゼロに近い状態で分子配向のみによっ
てゲル状のゴム状高分子成型体の形状を変化させること
が可能であり、さらに、この形状変化の際に生じる機械
的変形エネルギーをアクチュエーションに利用すること
ができる。
【0008】また、本発明のゴム状ゲルは、形状が固定
され、流動性がないかまたはきわめて低いという機能を
発揮する。したがって従来の電気粘性流体を用いた場合
に要求されるような高い機密性のパッキング等はとくに
必要でない。この機能は、フレキシブルな機械や装置に
なり易いという利点を有する。
【0009】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるも
のではない。
【0010】先に述べたように、本発明のアクチュエー
ション機構はゴム状高分子鎖のコンフォメーション変化
に由来するもので、しかも媒質を含む場合には、媒質の
配向による誘導に引き金を求めているため、アクション
の応答性は極めて速い。応答速度は、ゴム状ゲルの誘電
性と媒質のそれの強さなどによるが、概ねミリ秒から1
00ミリ秒のオーダーである。変位量はゴム状ゲル固有
の架橋度などに由来するゴム状ゲルの構造と物性にもっ
とも大きく依存している。
【0011】本発明でアクチュエーションが可能なゴム
状高分子材料としては、ゴム状物で溶媒を含まないが十
分な弾性を有する物質、たとえば、クロロプレンゴム
(ポリクロロプレン)が代表的である。その他、ポリク
ロロプレン関連高分子材料として、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル、あるいはフッ化物系のものでも可
能である。なお、オレフィン基などを側鎖に持つ高分子
又はゴムでは、媒質を必要とせず単独でアクチュエーシ
ョンを起こすことができる。使用可能な媒質は、ゴム状
ポリマーと相溶性の良い適当な誘電率を持つ可塑剤であ
れば何でも構わない。さらにこれらの混合溶媒の使用が
可能である。ただし、余り揮発性の高いものはゲルの性
状を一定に保つのに不都合であり、また、引火などの危
険性があるため好ましくない。
【0012】本発明によって得られるゲル・アクチュエ
ータは、微細加工によってマイクロマシン化できるため
高精度でソフト、かつ微細なアクションを求められるマ
イクロサージェリーなどにも利用されるマニピュレータ
などへの適用が可能である。
【0013】以下、具体的実施例を説明する。
【0014】ポリクロロプレンゴム・シートの上下面を
電極板で挾み、直流電圧を印加した。ゴムの厚さ変化を
変位センサーで観測し、電位、電流の影響などを測定し
た。ゴムの寸法、形状、測定条件は下記の通りである。 1)ゴムの実際の寸法:縦20mm×横20mm×厚さ
2mmである。 2)ゴムの形状:偏平な板状で、ゴムの弾性を持つ。 3)印加電圧:100V〜1000V 4)電圧1000V、電流1.8mAで電場方向のゴム
の収縮量は2.88μmであった。 印加電圧が100V未満ではゴムの変形は観測できなか
った。電圧:100V以上にして観察された電場方向の
ゴムの収縮量は、0.38μm〜3.00μmで、600
V〜1000Vではその収縮量はほとんど変らなかっ
た。なお、ゴムの温度はゴム中に刺し込んだ熱電対によ
って測定した。
【表1】
【0015】この結果、電場の印加により電場方向にゴ
ムは瞬時に収縮し、その直交方向に伸張し、電場よって
異方向な変形挙動を示し、さらに300V以下の電場印
加では、この過程で熱の発生は観察できなかった。
【0016】300V以上の電場では、電場強度の増加
に伴なってリーク電流が観察され、発熱に伴なう緩慢な
膨張が認められた。このように先の鋭敏な変位挙動は熱
的な誘因によるものではなく、電場による双極子の配向
に由来することが示唆された。
【0017】その電場の印加による発生応力はミリ秒か
ら100ミリ秒の範囲で最大値に達し、変位量も低電場
では電場にほぼ比例して増加したが、600V以上の電
場で飽和した。変位量はゴムの厚さの0.1%程度と小
さいがこれはゴムの化学構造と網目構造さらには分子の
配向構造などに依存するものでそれらの改変によりさら
に増加させることが可能である。また、リーク電流を低
下させることは、添加物の組成と量を制御することで可
能である。ただし、この程度の変位でもその高速応答性
と電場によって変位量を制御できる点などから、集積化
するなどの方法によりマイクロアクチュエータとしての
応用が可能である。
【0018】以上説明した通り、本実施例によれば、ゲ
ル・アクチュエータとして見た場合、従来の駆動法に比
較して、格段の高速化が達成できた。
【0019】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、直
流電場を印加することによって、ゴム状高分子の誘電性
の分子あるいは置換基が電場方向に配向し、ゲルの構造
が異方的に変化することを利用して、実効電流が事実上
ゼロに近い状態で(すなわち発熱を最小限に抑えなが
ら)、分子配向のみによってゲル状のゴム状高分子成型
体の形状を変化させることができ、さらに、この形状変
化の際に生じる機械的変形エネルギーをアクチュエーシ
ョンに有効に応用できる。
【0020】また、本発明のゲルは、形状が固定され、
流動性がないか又は極めて低いという機能を発揮するの
で、従来の電気粘性流体を用いた場合に要求されるよう
な高い機密性のパッキング等は特に必要でなく、この機
能はフレキシブルな機械や装置に組み込み易いという利
点を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電性のポリクロロプレンまたは3次元
    網目構造を形成したポリクロロプレンゴム状物に誘電性
    の溶媒を含ませたもの、あるいはこれに準ずる構造のゴ
    ム状物で溶媒を含まないが十分な弾性を有するものにお
    いて、直流電場を印加することによって誘電性の分子あ
    るいは置換基が電場方向に配向し、ゲルあるいはゴムの
    構造が異方的に変化することを特徴とする高速応答ゲル
    ・アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 ゴム状のポリマーからなる3次元網目構
    造を形成したゲル状物に、直流電場を印加することによ
    って、ゲルの構造が異方的に変化することを特徴とする
    高速応答ゲル・アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 ゴム状のポリマーからなる3次元網目構
    造を形成したゲル状物に、誘電性の溶媒を含ませたゴム
    状高分子ゲル状物とし、直流電場を印加することによっ
    て、誘電性の分子あるいは置換基が電場方向に配向し、
    ゲルの構造が異方的に変化することを特徴とする高速応
    答ゲル・アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 ゴム状のポリマーがクロロプレンゴムで
    あることを特徴とする請求項2又は3記載の高速応答ゲ
    ル・アクチュエータ。
JP18670893A 1993-06-29 1993-06-29 高速応答ゲル・アクチュエータ Pending JPH0674212A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18670893A JPH0674212A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 高速応答ゲル・アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18670893A JPH0674212A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 高速応答ゲル・アクチュエータ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3206046A Division JP2698716B2 (ja) 1991-08-16 1991-08-16 高速応答ゲル・アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0674212A true JPH0674212A (ja) 1994-03-15

Family

ID=16193252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18670893A Pending JPH0674212A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 高速応答ゲル・アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0674212A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02164829A (ja) * 1988-12-20 1990-06-25 Santen Pharmaceut Co Ltd ヒアルロン酸点眼液
US6004949A (en) * 1995-12-27 1999-12-21 Showa Yakuhin Kako Co., Ltd. Aqueous composition containing cromoglycic acid

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02164829A (ja) * 1988-12-20 1990-06-25 Santen Pharmaceut Co Ltd ヒアルロン酸点眼液
US6004949A (en) * 1995-12-27 1999-12-21 Showa Yakuhin Kako Co., Ltd. Aqueous composition containing cromoglycic acid

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7511402B2 (en) Polymer actuator
US20080169729A1 (en) Polymer actuator
JP4982432B2 (ja) 誘電膜、およびその製造方法、並びにそれを用いたアクチュエータ、センサ、トランスデューサ
Zhang et al. Interpenetrating polymer networks based on acrylic elastomers and plasticizers with improved actuation temperature range
Liu et al. Electroactive dielectric polymer gels as new-generation soft actuators: A review
KR20120042863A (ko) 액추에이터 소자 및 액추에이터 소자의 제조 방법
WO2013146357A1 (ja) 反応性イオン液体およびこれを用いたイオン固定化金属酸化物粒子、イオン固定化エラストマーならびにトランスデューサ
Tadokoro et al. Multi-DOF device for soft micromanipulation consisting of soft gel actuator elements
CN107834897B (zh) 基于压电驱动的爬行作动器及其工作方法
JP2008252958A (ja) アクチュエータ及びそれに使用する電極
JP2007505329A5 (ja)
JP2005223967A (ja) 柔軟アクチュエータ
Zhang et al. Closed loop control of force operation in a novel self-sensing dielectric elastomer actuator
JPH0674212A (ja) 高速応答ゲル・アクチュエータ
Yeo-Heung et al. Carbon nanofiber hybrid actuators: Part II-Solid electrolyte-based
Yeh et al. Effects of water content on the actuation performance of ionic polymer–metal composites
KR102143112B1 (ko) 복합체 액추에이터 장치
Xiao et al. Spatially Modulus-Patterned dielectric elastomer actuators with oriented electroactuation
JP5986402B2 (ja) 電気光学効果を示すゲル状ポリマーデバイス
Feng et al. Three‐dimensional multielectrode‐controlled two orthogonal direction bendable IPMC actuator with an active clasp
JP2698716B2 (ja) 高速応答ゲル・アクチュエータ
US20210178732A1 (en) Electroactive polymers, methods of manufacture, and structures formed thereof
JP2013192333A (ja) コロッサル誘電性を持つゲル状ポリマーデバイス及びその製造方法
JP2015074678A (ja) 柔軟電極、及びこれを用いたエレクトロデバイス
JP5317511B2 (ja) アクチュエータとその電極