JPH0673324A - ボールペン用蛍光水性インキ - Google Patents

ボールペン用蛍光水性インキ

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JPH0673324A
JPH0673324A JP25228192A JP25228192A JPH0673324A JP H0673324 A JPH0673324 A JP H0673324A JP 25228192 A JP25228192 A JP 25228192A JP 25228192 A JP25228192 A JP 25228192A JP H0673324 A JPH0673324 A JP H0673324A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ダイレクトグリーン7などの蛍光染料0.0
1〜30重量%と、トリエタノールアミン5〜50重量
%と、高分子などの粘度調整剤と、水とを少なくとも含
み、乾燥時の固形分が15〜60重量%で、粘度が50
から2000センチポイズである。 【効果】 キャップをつけないで、ペン先を下に向けて
長期間保存しても、ボールペンペン先よりインキがにじ
み出さない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボ−ルペン用蛍光水性
インキに関する。更に詳細には、放置状態で経時的にイ
ンキがペン先よりにじみ出すことの無いボ−ルペン用蛍
光水性インキに関する。
【0002】
【従来の技術】出願人は、粘度が50〜2000センチ
ポイズ(以下、cpsと略記する)であるボ−ルペン用
インキを多数提案している。例えば、特開昭62−12
7373号、特開昭62−127372号、特開昭62
−27479号など。このインキは、従来の油性ボ−ル
ペンインキと水性ボ−ルペンインキの優れた点を兼ね備
えたインキである。即ち、このボ−ルペン用インキは、
インキ残量の確認が容易であり、にじみがなくなめらか
に筆記でき、且つ、その筆跡は、線割れやボテがなく彩
度が高いという、非常に優れた筆記機能及び筆跡性能を
具現するものである。
【0003】ところで、近年は、消費者の要望が非常に
多様化してきており、ボ−ルペンのような主として文字
を筆記する筆記具に対しても黒色、赤色や青色といった
従来一般的に用いられていた色だけでなく、黄色、ピン
ク色などの鮮やかな色や、蛍光色に関する要求が高まっ
ている。
【0004】蛍光色の筆跡を得られる筆記具としては、
蛍光染料や蛍光顔料を用いた水性インキを、繊維吸収体
をペン先として用いた筆記具に充填し、塗布しても筆跡
の下の文字を隠蔽しない型のものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】インキのペン先からの
にじみ出である。着色材として蛍光顔料を用いて粘度を
50〜2000cpsのインキを調整しようとすると、
増粘剤の影響で蛍光顔料は分散不良になり易く、実用に
供せるインキを得ることははなはだ困難である。そこで
蛍光染料を用いることになる。しかしながら、蛍光染料
を用いた場合、インキの粘度を50〜2000cpsに
調整しても、ペン先を非接触の状態で下向きに放置して
おくとインキがペン先からにじみ出し、著しくは、ペン
先からインキ滴が落下してしまうという問題が生じてし
まう。
【0006】この問題を解決するためには、ボ−ルペン
ペン先のボ−ルとチップのクリアランスを狭くしインキ
のにじみ出しを抑える方法が考えられる。ところがこの
方法では、筆記角度を小さくするとかすれやすくなる等
筆記機能が低下したり、インキの吐出量が低下して筆跡
の性能が低下したりする等の問題が発生し、構造面での
対策は難しかった。
【0007】本発明の目的は、インキ残量の確認が容易
であり、にじみがなくなめらかに筆記でき、且つ、その
筆跡は、線割れやボテがなく彩度が高いという、非常に
優れた筆記機能及び筆跡性能を維持したまま、ペン先よ
りのインキのにじみ出しの無いボ−ルペン用蛍光水性イ
ンキを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、蛍光染料と、
トリエタノ−ルアミンと、粘度調節剤と、水とを少なく
とも含み、乾燥時の固形分が15〜60重量%で、粘度
が50〜2000cpsであることを特徴とするボール
ペン用蛍光水性インキを要旨とする。
【0009】以下、詳細に説明する。蛍光染料は着色材
として使用する。カラ−インデックス(以下、省略す
る)アシッドイエロ−3、同7、アシッドレッド51、
同52、同92、同94や、ベ−シックオレンジ14、
同15、ジスパ−ズイエロ−6、ダイレクトイエロー5
9(プリムリン)、ベーシックイエロー1(チオフラビ
ン)及びチアゾ−ルイエロ−Gといったもののスルホン
化物、更には、ソルベントグリーン7(ヒドロキシピレ
ントリスルホン酸)などが挙げられる。これらは単独、
あるいは複数混合して使用することができる。その使用
量はボ−ルペン用蛍光水性インキ全量に対して0.01
〜30重量%が好ましい。
【0010】トリエタノ−ルアミンは、上記蛍光染料の
発色剤として用いる。これは単独、あるいは複数混合し
て使用することができる。これらの使用量はボ−ルペン
用蛍光水性インキ全量に対して5〜50重量%使用する
ことが好ましい。
【0011】粘度調節剤は、インキの粘度を50〜20
00cpsに調節するために使用する。スチレン−アク
リル酸共重合体のアルカリ金属、アンモニウムまたはア
ミン塩、スチレン−マレイン酸共重合体のアルカリ金
属、アンモニウムまたはアミン塩などのアルカリ水溶液
に可溶な樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオ
キサイド、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテ
ル無水マレイン酸コポリマー、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、水添ヒマシ油、
ポリカルボン酸アミド、ガーガム、アラビアガム、ゼラ
チン、セラックなどの高分子物質が挙げられる。これら
は単独、あるいは複数混合して使用することができる。
これらの使用量は使用する物質の種類によっても大きく
異なるが、インキの粘度が50〜2000cpsになる
ように使用する。
【0012】水は主溶剤として使用する。
【0013】本ボ−ルペン用蛍光水性インキに於いて、
乾燥時の固形分とは、本ボールペン用蛍光水性インキを
直径10cmのシャーレに約10g取り、温度80℃、
30%の乾燥器中にふたをせずに24時間放置し、デシ
ケ−タ中に室温で40分間放置冷却した後に2分以内に
重量を測定し、この重量を最初のインキ重量で割ったも
のである。インキのペン先からにじみ出しを防止するた
めにはインキの乾燥時の固形分が15〜60重量%であ
ることが必要である。乾燥時の固型分が15重量%未満
のインキの場合、ペン先からのインキのにじみ出しは解
消されない。また、乾燥時の固型分が60重量%を越え
た場合、筆跡にかすれが発生しやすくなり、著しい場
合、筆記が不能となる。
【0014】本ボ−ルペン用蛍光水性インキに於いて、
粘度は、E型回転粘度計(TOKIMEC(株)製)を
使用し、測定ロ−タ−は対象インキの粘度に応じて適宣
選択し、25℃にて、回転数50rpm,回転を開始し
てから5分後に測定した値である。インキ残量の確認が
容易であり、にじみがなくなめらかに筆記でき、且つ、
その筆跡は線割れやボテがなく彩度が高いボ−ルペン用
蛍光水性インキであるために、インキの粘度は50〜2
000cpsであることが必要である。粘度が50cp
sより低いとインキのペン先からのにじみ出しが発生
し、2000cpsより高いと、筆跡かすれやボテが発
生し易くなり、また、筆跡の彩度が低下するといった問
題が発生する。
【0015】上記必須成分以外必要に応じて、安息香酸
ナトリウム、デハイドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベン
ゾイソチアゾリン−3−オン等の防黴剤、ベンゾトリア
ゾール、エチレンジアミン四酢酸等の防錆剤、アニオン
系、カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤、シリコ
−ン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤やその他補色剤
として水溶性染料などの添加剤を使用することができ
る。
【0016】本ボールペン用水性インキの製造方法は、
上記各成分を、公知の撹拌器を用いて、必要に応じて加
熱溶解、混合撹拌するなどの従来公知の方法によって容
易に得られる。
【0017】
【作用】ボ−ルペンを放置した場合、ボ−ルペンペン先
よりインキの溶剤分が蒸発する。その結果、インキ中の
固形分がボ−ルとチップとの隙間に析出して固形層を形
成する。この固形層がペン先よりのにじみ出しを防止す
る。本ボ−ルペン用蛍光水性インキは着色材として蛍光
染料を用いているが、乾燥時の固形分を15〜60重量
%となしたのでインキがペン先からにじみ出すといった
現象を防止できるものと推察される。
【0018】
【実施例】 実施例1(黄色インキ) ソルベントグリーン7 3.0重量部 トリエタノ−ルアミン 6.0重量部 スチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩 25.0重量部 ガーガム(ジャガーHP60、三晶(株)製) 0.4重量部 水 65.0重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(防黴剤、ICIジャパン(株)製)0.5重量部
【0019】 実施例2(黄緑色インキ) ソルベントグリーン7 2.0重量部 トリエタノ−ルアミン 12.0重量部 スチレン−アクリル酸共重合体のナトリウム塩 14.0重量部 ガーガム(前述) 0.3重量部 水 70.8重量部 アシッドブル−90(青色染料) 0.3重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(前述) 0.5重量部
【0020】 実施例3(オレンジ色インキ) ソルベントクリーン7 1.5重量部 アシッドレッド51 0.2重量部 トリエタノ−ルアミン 31.0重量部 スチレン−マレイン酸共重合体のナトリウム塩 30.0重量部 ガーガム(前述) 0.4重量部 水 36.3重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(前述) 0.5重量部
【0021】 実施例4(黄色インキ) ソルベントグリーン7 2.2重量部 トリエタノ−ルアミン 20.0重量部 スチレン−マレイン酸共重合体のアンモニウム塩 22.0重量部 セロゲン3H(カルボキシメチルセルロ―スナトリウム、第一工業製薬(株) 製) 0.1重量部 水 55.1重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(前述) 0.5重量部
【0022】 実施例5(赤色インキ) アシッドレッド92 1.8重量部 トリエタノ−ルアミン 43.0重量部 スチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩 35.0重量部 セロゲン3H(前述) 0.5重量部 水 19.1重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(前述) 0.5重量部
【0023】 実施例6(黄色インキ) ソルベントグリーン7 1.8重量部 トリエタノ−ルアミン 35.0重量部 セロゲン5A(カルボキシメチルセルロ―スナトリウム、第一工業製薬(株) 製) 28.0重量部 水 34.6重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(前述) 0.5重量部
【0024】 比較例1(黄色インキ) ソルベントグリーン7 3.0重量部 トリエタノ−ルアミン 10.0重量部 スチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩 5.0重量部 ガーガム(前述) 0.3重量部 水 81.1重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(前述) 0.5重量部
【0025】 比較例2(黄緑色インキ) ソルベントグリーン7 2.0重量部 トリエタノ−ルアミン 18.0重量部 スチレン−マレイン酸共重合体のナトリウム塩 8.0重量部 ガーガム(前述) 0.3重量部 水 70.8重量部 アシッドブル−90(前述) 0.3重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(前述) 0.5重量部
【0026】 比較例3(オレンジ色インキ) ソルベントグリーン7 1.5重量部 アシッドレッド51 0.2重量部 トリエタノ−ルアミン 25.0重量部 スチレン−アクリル酸共重合体のナトリウム塩 44.0重量部 セロゲン5A(前述) 17.0重量部 水 11.7重量部 ベンゾトリアゾ−ル 0.1重量部 プロクセルGXL(前述) 0.5重量部
【0027】以上、実施例1〜6及び比較例1〜3につ
いて、各成分を撹拌混合してボ−ルペン用蛍光水性イン
キを得た。
【0028】実施例1〜6及び比較例1〜3で得たボ−
ルペン用蛍光水性インキ粘度及び乾燥時の固形分を測定
した。更にこれらのインキをボ−ルペン(ハイブリッド
K105、ぺんてる(株)製)に0.8g充填して試験
試料とし、インキボタ落ち試験及び筆記試験を行った。
結果を表1に示す。
【0029】インキぼた落ち試験:上記試験試料を、キ
ャップ無し、ペン先下向き(非接触)、温度25℃、湿
度65%で1時間放置し、状態を観察した。 評価;◎:ペン先にインキがほとんどにじみ出してこな
い ○:ペン先にインキが若干にじみ出してくる △:ペン先ににじみ出したインキがかなり溜る ×:ペン先よりインキ滴が落下する
【0030】筆記試験:上記インキぼた落ち試験後、上
記各試料を用いて上質紙に螺旋状に筆記し、その筆跡を
観察した。なお、ペン先ににじみ出たインキは、拭い取
ってから筆記を行った。 評価;○:筆跡かすれが1丸未満 ×:筆跡かすれが1丸以上
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
ボールペン用蛍光水性インキは、インキ残量の確認が容
易であり、にじみがなくなめらかに筆記でき、且つ、そ
の筆跡は、線割れやボテがなく彩度が高いという、非常
に優れた筆記機能及び筆跡性能を示すものであると共
に、ボールペンに用いた場合ペン先よりのインキのにじ
み出しの無い優れたものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光染料と、トリエタノ−ルアミンと、
    粘度調節剤と、水とを少なくとも含み、乾燥時の固形分
    が15〜60重量%で粘度が50〜2000センチポイ
    ズであることを特徴とするボールペン用蛍光水性イン
    キ。
JP25228192A 1992-08-27 1992-08-27 ボールペン用蛍光水性インキ Expired - Lifetime JP2985528B2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5865883A (en) * 1996-03-14 1999-02-02 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge and recording unit, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus
US6609292B2 (en) 2000-08-10 2003-08-26 Rohm Co., Ltd. Method of making chip resistor
US6669769B2 (en) 2001-12-28 2003-12-30 Sun Chemical Corporation Flexographic ink composition containing hydrolyzed gelatin as a binder resin
JP2008223037A (ja) * 2000-12-22 2008-09-25 Conte 編集ペン用の着色液体組成物
CN115181455A (zh) * 2021-10-13 2022-10-14 深圳市添金利新材料科技有限公司 一种基于温度变色的新型颜料及其制备方法

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