JPH0672839B2 - 微量液体反応容器 - Google Patents

微量液体反応容器

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JPH0672839B2
JPH0672839B2 JP60187352A JP18735285A JPH0672839B2 JP H0672839 B2 JPH0672839 B2 JP H0672839B2 JP 60187352 A JP60187352 A JP 60187352A JP 18735285 A JP18735285 A JP 18735285A JP H0672839 B2 JPH0672839 B2 JP H0672839B2
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統雄 丸山
洋一 柴田
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は微量液体反応容器に関するものである。
〔従来技術〕
現在、微量の液体試料または液体試薬を用いて呈色或い
は変色を伴なう化学反応若しくは生体反応等を生じさ
せ、光学的手段即ち反応処理を経た反応用凹所における
液体に光ビームを投射し、その透過光の強度等を測定し
て反応結果を知る手段により、試料中に含有される成分
の検出や含有量の測定を行なう方法が知られており、試
料及び試薬が微量(通常1cc未満)でよいことから、水
質の検査、血液を試料とする病気の診断、その他に広く
応用されている。
このような方法においては、通常同一の試料に対して多
数の項目の検査を行なうために試料を分割して多数の種
類の試薬と反応させ、或いは多数の試料に対して同一の
検査を行なうために同一の試薬と反応させることが必要
である。斯かる反応を能率よく実行するために、従来第
2図に示すように、透明な材質より成り各々が反応容器
となる開口11を有する多数の丸底の反応用凹所10が形成
された容器プレート20が用いられており、各反応用凹所
10内には、自動分注装置により液体試料または液体試薬
が滴下され、所定の反応処理が行われた後に光学的手段
による検出処理が行われる。
〔発明の解決しようとする問題点〕
しかしながら以上の如き容器プレートを用いた微量液体
の反応およびその検出操作においては、実際上種々の重
要な問題がある。例えば、反応結果の検出操作において
は通常スポット径が約2mmの光ビームが用いられるが、
得られる検出結果は相当にバラツキが多くて十分高い信
頼性を有しておらず、このため、このような方法によっ
て得られる情報が価値の低いものとなっており、方法そ
れ自体は優れたものでありながら、その利点を十分に利
用することができない。
〔問題点を解決する手段及び作用〕
以上のような方法によって得られる検出結果が相当にバ
ラツキの多いものとなる原因は殆ど不明であったが、種
々の検討の結果、反応に係る液体が必ずしも反応用凹所
の底部中央に位置しないこと、光学的測定装置に対して
は高度の位置精度が要求されるにかかわらず、反応用凹
所の形状との関係においてそのような要求が満足されて
ないこと、並びに、反応用凹所が平底の円筒状でその底
面と筒壁が直角をなすような容器プレートも従来から使
用されているが、このような容器プレートは、反応の各
段階において必要とされる洗浄操作において、反応用凹
所の底面と筒壁との隅部の洗浄が不十分となり易いこと
が重要な原因の一部であることが解明された。
更にこれら従来の容器プレートは、通常塩化ビニル樹
脂、ポリスチレン、アクリル樹脂等の樹脂で作られてい
るが、これらは非常に帯電し易く、このため容器プレー
トの帯電によって滴下された試薬が飛散したりする静電
霧化現象や反応用凹所内で帯電による静電吸着力の影響
によって反応物が偏在したり壁面に付着したままで反応
が進行したりするために正確な検出結果が得られないこ
ともしばしばある。
そしてこのような阻害原因となる事項について種々研究
を重ねた結果、本発明を完成するに到ったものである。
本発明においては、底壁を透過するよう検出用光ビーム
が投射される反応用凹所を有する微量液体反応容器にお
いて、その反応用凹所の底壁にはその中央に直径が少な
くとも1mm以上の平坦部分を形成し、この平坦部分は、
円弧状に湾曲した面(以下「湾曲面」ともいう)によっ
て反応用凹所の周壁の内面と連続しており、しかも、材
質として透光性の制電性樹脂を用いて当該微量液体反応
容器を構成させる。
このような構成の微量液体反応容器によれば、実際の微
量液体の反応およびその検出操作において、光学的検出
手段による方法を確実に実行することができる条件が整
えられ、これにより、常にバラツキが少なくて信頼性の
十分高い検出結果を得ることができる。
以下本発明を具体的に説明する。
本発明においては、第1図に示すように、微量液体反応
容器である容器プレート1において、底壁を透過するよ
う検出用光ビームが投射される反応用凹所2の各々を、
その底壁3の中央領域に少なくとも直径が1mm以上の平
坦部分4が形成された形状とし、かつこの平坦部分4と
周壁7の内面とがなだらかな湾曲面6を介して連続して
いる。従って、平坦部分と周壁内面とが直角に交わって
隅部が形成されることはない。
そして、本発明においては、透光性の制電性樹脂を微量
液体反応容器の材質として用いる。
以上において、容器プレートとして作製された例におけ
る各反応用凹所2の形状についての具体的な寸法例は、
開口部5の直径Dが7mm、反応用凹所2の高さHが11m
m、平坦部分4の直径dが5mm、底壁3の厚さtが0.7mm
であり、このような反応用凹所2が縦横に並んで配列さ
れる。
また本発明微量液体反応容器の材質とされる透光性の制
電性樹脂としては、アルキレンオキサイド基とエチレン
系不飽和結合を有する単量体を構成成分として含むゴム
幹重合体に、1種以上のエチレン系不飽和単量体をグラ
フト共重合して得られるグラフト共重合体からなるもの
が好ましい。そして具体的にはスタチックオネストメー
ターによる表面帯電圧の半減期が30秒以下、好ましくは
10秒以下であるような制電性を有し、かつ全光線透過率
が80%以上、好ましくは87%以上であるような高い透光
性を有するものであることが重要である。この全光線透
過率は例えばJIS K 6717に規定された方法で測定するこ
とができる。
本発明容器の具体的形態は、上述の条件が満足されるの
であれば他は自由であり、液体が収容される反応用凹所
を1つ以上有するものであればよい。容器プレートとさ
れる場合には、反応用凹所2の大きさは通常直径が3〜
30mm、深さが2〜15mm程度とされる。本発明容器におい
ては、その壁が多層構成であって、表面層が制電性樹脂
より成るものとしてもよい。
本発明においては、制電性樹脂として特定のグラフト共
重合体からなる樹脂(グラフト共重合体単独であっても
よいし、グラフト共重合体と熱可塑性樹脂との混合物で
あってもよい。)を材質として微量液体反応容器を構成
させることが好ましいが、ここに特定のグラフト共重合
体とは、アルキレンオキサイド基とエチレン系不飽和結
合を有する単量体を構成成分として含むゴム幹重合体
に、1種以上のエチレン系不飽和単量体をグラフト共重
合して得られるグラフト共重合体である。
具体的には、ゴム幹重合体は共役ジエン及びアクリル酸
エステルから選ばれた1種以上の単量体50〜90重量%
と、4〜500個のアルキレンオキサイド基とエチレン系
不飽和結合を有する単量体(以下「ポリアルキレンオキ
サイド単量体」という。)10〜50重量%及び必要により
1種以上の共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜50
重量%とから得られるゴム状の共重合体が好ましい。
上述のゴム幹重合体は共役ジエン及びアクリル酸エステ
ルから選ばれた1種以上の単量体を主成分とする。共役
ジエンとしては1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン、1,3−ペンタジエンが用いられ、またアクリル
酸エステルとしてはアクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸ノニルなどが用いられる。
共役ジエンとアクリル酸エステルは単独又は合計量がゴ
ム幹重合体の50重量%以上となる割合で用いることによ
り、ゴム幹重合体のガラス転移温度を充分に低くするこ
とができ大きな制電効果が得られる。またこの割合が90
重量%以下でないときはポリアルキレンオキサイド単量
体の添加量が少なくなるため所要の制電効果が得られな
くなる場合がある。
ポリアルキレンオキサイド単量体は、エチレン不飽和基
に結合し、式 で表わされるアルキレンオキサイド鎖を持つもの(ここ
でR2,R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で互に同
じか又は異なる基;mおよびnは4≦m+n≦500を満す
整数)であり、特にR2,R3の少なくとも一方がHである
エチレンオキサイド基を4個以上含有するエチレンオキ
サイドブロックを有するものが好ましい。
またポリアルキレンオキサイド単量体としては次に示す
構造式(2)または(3)で表わされる1種上の単量体
が好ましい。
式中R1は水素又は炭素数1〜4アルキル基、Xは水素,
炭素数1〜9のアルキル基,フエニル基, であって、R4,R5,R6は水素又は炭素数1〜9のアルキ
ル基、Meは水素,Na,Li又はKを表わし、R2,R3ならびに
m,nは式(1)におけると同一の意味を表わす。
式中Zは水素、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数3〜
6のシクロアルキル基,フエニル基、又は であって、p,qは4≦p+q≦500を満たす整数を表わ
す。
上述したように式(2),式(3)で表わされる単量体
の中でもR2,R3の少なくとも一方がHであり、4個以上
のエチレンオキサイド基を有するものが特に好ましく用
いられる。
もちろん式(2)あるいは式(3)で表わされる単量体
以外のもので、エチレン系不飽和結合とポリアルキレン
オキサイド基を有しかつ共役ジエン又は/およびアクリ
ル酸との共重合により得られるゴム幹重合体の体積電気
抵抗率を下げ得る単量体の使用も可能である。
ポリアルキレンオキサイド単量体は、アルキレンオキサ
イド基が4〜500個含有されるものが好ましく、6〜50
個、特に9〜50個である場合にはより好ましい。アルキ
レンオキサイド基の数が4より少ない場合には十分な制
電性が得られにくく、また500より多い場合には重合す
る際に水又はモノマーに溶解しにくく、また重合性も悪
くなるので好ましくない。
また、ポリアルキレンオキサイド単量体はゴム幹重合体
に10重量%以上含まれることが好ましく、これにより充
分な制電性が得られる。またこの割合が50重量%以下で
あると、ゴム幹重合体の形成あるいはグラフト共重合に
おける重合及び得られた重合体の酸析、塩析等の後処理
が容易である点で好ましい。
ゴム幹重合体の製造に必要に応じて用いられる共役ジエ
ン又はアクリル酸エステルと共重合可能なエチレン系不
飽和単量体としては公知の単量体を用いることができ
る。
例えばアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、不飽和ニトリ
ル、芳香族ビニル、アルキルビニルエーテル、アルキル
ビニルケトン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル
酸エステル、ダイアセトンアクリルアミド、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、イタコン酸、イタコン酸アルキル
エステル、イソブテン、2−アシツドホスフオキシエチ
ルメタクリレート、3−クロロ−2−アシツドホスフオ
キシプロピルメタクリレート、スチレンスルフオン酸ソ
ーダ等の1種以上の単量体を用いることができる。
上記共重合可能なエチレン系不飽和単量体としてアクリ
ロニトリルのように極性の大きな単量体、あるいはスル
ホン酸基、リン酸基、カルボン酸基等のようなアニオン
性置換基を含む単量体を選ぶと更に良好な制電性が得ら
れる。
これら共重合可能なエチレン系不飽和単量体はゴム幹重
合体のうち50重量%以下の範囲で用いられる。この範囲
を越えるとガラス転移温度が高くなりゴム状特性が失わ
れる。
またゴム幹重合体には必要により架橋剤として例えばビ
ニル基、1,3−ブタジエニル基、アクリル基、メタクリ
ル基、アリル基等のエチレン性不飽和基の1種以上を2
個以上有する多官能性単量体を使用することもできる。
特に4〜500個好ましくは9〜50個のポリアルキレング
リコール基を更に有する多官能性単量体は架橋剤として
作用するほか制電性付与剤としても作用するので好まし
い。
かかるゴム幹重合体にグラフト共重合させるためのエチ
レン系不飽和単量体としては公知の単量体を用いること
ができる。例えばアクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、不飽
和ニトリル、芳香族ビニル、共役ジエン、アルキルビニ
ルエーテル、アルキルビニルケトン、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリル酸エステル、(アルコキシ)ポリ
エチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ダイ
アセトンアクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、イタコン酸、イタコン酸アルキルエステル、イソブ
テン等の1種以上の単量体を用いることができる。
グラフト共重合体中のゴム幹重合体と枝重合体の割合
は、前者が5〜95重量%、好ましくは8〜80重量%、後
者が5〜95重量%、好ましくは20〜92重量%の範囲とさ
れる。ゴム幹重合体が5重量%より少くない時は制電性
を付与することが困難となり、また95重量%より多い場
合においてグラフト共重合体を単独で使用するときには
剛性が失なわれ、他の熱可塑性樹脂と混合して使用する
ときには相溶性が低くて混合が困難となる。
グラフト共重合体をこれに熱可塑性樹脂を混合して用い
る場合に、ゴム幹重合体の割合は5〜80重量%とされ、
好ましくは10〜60重量%とされる。
グラフト共重合体とともに用いられる熱可塑性樹脂とし
ては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ニトリル樹脂、ポリメチルメタクリレート及び
その共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエ
ン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂等が使用され
るが勿論グラフト共重合体と相溶性のよい樹脂であれば
これ以外の熱可塑性樹脂が使用されることはいう迄もな
い。
以上に説明した樹脂は、通常の射出成形法あるいはシー
ト真空成形法により、反応容器として用いられる反応用
凹所を有する容器プレートに成形することができる。
本発明微量液体反応容器によれば、各反応用凹所2内に
入れられた液体の反応によって生ずる光学的特性の変化
が、底壁3を透過するよう投射される結果当該反応用凹
所2内の液層を通る検出用光ビームによって検出され
る。
〔考案の効果〕
本発明容器は、以上のように、その材質として透光性の
制電性樹脂を用いており、かつ、湾曲面を介して周壁の
内面と連続する平坦部分が形成された底壁を有するもの
であるので、次のような効果が得られる。
(1)微量液体反応容器が帯電すると、容器内に入れよ
うとしている液体試料または液体試薬の液滴が所期の反
応用凹所内に入らずに凹所の開口縁の部分に付着した
り、あるいは反応用凹所の周壁に付着したりするため、
その底壁が丸底であっても検出操作において光ビームが
透過する反応用凹所の下部中央に液滴が位置せず、また
大気中に浮遊していたゴミやホコリが容器の表面に付着
する結果所期の反応が阻害されることがある。
これに対して、本発明においては、容器の材質が制電性
樹脂よりなるため、当該容器が帯電することが防止され
る。その結果、注入若しくは充填されるべき液体試料ま
たは液体試薬を滴下したときに、所期の反応用凹所内に
当該液滴を確実に滴下することができるため、例えば自
動滴下装置を使用して反応用凹所の下部中央に液滴を精
度よく位置させることができる。しかも、容器それ自体
の制電性によって大気中のゴミやホコリが容器に付着す
ることがなく、それら夾雑物によって反応が阻害される
おそれもない。従って、高い能率で所期の微量液体反応
を実行することができる。
また反応が固相法による酵素免疫反応である場合におい
て、反応用凹所に係る部分が帯電していると、接着され
るべき抗原若しくは抗体の接着の程度がその静電気によ
って各反応用凹所毎に異なったものとなるが、本発明の
微量液体反応容器においてはそのようなことがなく、こ
の点においても信頼性の高い効果を得ることができる。
以上のように、材質が制電性樹脂であることにより各反
応用凹所間の条件がそろったものとなることに加え、滴
下された液滴は確実に容器の底部に位置するようにな
る。
(2)本発明の容器は、光ビームの透過光強度を測定す
る反応用凹所の下部中央部分(以下「測光部分」とい
う)を含めて、その全てが透光性の制電性樹脂から構成
されている。このような特性を有する材質からなる容器
は、その全表面から外気中へ静電気を放電することがで
きて静電気の蓄積が抑制される。従って、測光部分を含
めた容器全表面の帯電を確実に防止することができる。
そして、このように容器全体が透光性の制電性樹脂から
構成されているので、例えば測光部分以外の部分に導電
性の材質を付加的に設け、この導電性の材質等を介して
接地する等の煩雑な静電気除去手段(アース手段)を設
ける必要がない。
(3)本発明の容器において、反応用凹所の底壁には、
平坦部分が形成されているため、容器を水平とすれば当
該平坦部分上の液滴の層の厚さは均一になり、従って反
応用凹所2の底壁を透過するよう検出用光ビームが投射
される検出操作において、光ビームが透過する場所によ
って液層の厚さが異なるようなことがなく、丸底の容器
を使用した場合のように、光ビームが透過する場所によ
って検出結果が変化することが防止される。そして、当
該平坦部分の直径が少なくとも1mm以上であることによ
り、後述する実施例の結果からも明らかなように、通常
の場合における光ビームの投射位置精度の誤差を十分に
吸収することができ、常に安定に光学的手段による反応
結果の検出を行うことができる。
また、反応用凹所の底壁の中央に位置する平坦部分と周
壁の内面とが湾曲面を介して連続していて隅部が形成さ
れない形態であるので、容器の制電性とも相まって洗浄
が完全に行われることとなり、洗浄の不完全性による誤
差の原因を除去することができる。
本発明において、微量液体反応容器の材質として既述の
特定のグラフト共重合体の樹脂を用いるときには、当該
樹脂は一般にその物質の化学的特性としてイオン拡散性
の優れたものであっていわば静電気に対しては高い導電
性を有し、従ってある厚さ以上の当該樹脂の壁または層
により容器を構成させたときには、制電性が高くてその
表面帯電圧の半減期が30秒以下のものを容易に得ること
ができる。
本発明の容器は、種々の反応のために用いることがで
き、具体的には血液検査、各種酵素反応、抗体育成、菌
類培養、植物細胞培養、その他に用いることができる。
〔実施例〕
実施例1 攪拌羽根付10lステンレススチール製オートクレーブ
に、 (イ)1,3−ブタジエン 12部 アクリル酸メチル 4部 メトキシポリエチレングリコール メタクリレート(エチレンオキサ イド基の数が平均約23個) 4部 ジイソプロピルベンゼンハイドロ パーオキサイド 0.04部 ホルムアルデヒドナトリウムスル ホキシレート 0.02部 硫酸第1鉄・7水塩 0.0008部 エチレンジアミンテトラ酢酸・ 2ナトリウム塩 0.0012部 ピロリン酸ナトリウム 0.01部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.2部 脱イオン水 60部 からなる水溶液を水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整
して仕込み、充分に窒素置換し、40℃で20時間攪拌した
ところ、収率99%で平均粒子径0.08μのゴムラテックス
が得られた。
(ロ)上記ゴムラテックス40部(ゴム幹重合体としては
10部)に、 メタクリル酸メチル 80部 ノルマルオクチルメルカプタン 0.64部 過硫酸カリウム 0.064部 亜硫酸水素ナトリウム 0.016部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.8部 脱イオン水 240部 を添加し、窒素置換し、50℃で20時間攪拌し、グラフト
共重合したラテックスを取出し、硫酸アルミニウム水溶
液で析出させ、ピロリン酸ナトリウム水溶液でpH7に調
整し、脱水洗浄後55℃で24時間乾燥したところ、収率97
%で白色粉末が得られた。
この白色粉末を原料として通常の射出成形機を用いて第
1図に示したものと同様の構成を有し、縦82mm、横123m
m、高さ14mm、肉厚0.7mm、また反応用凹所は12行8列の
計96個でその各々の形状は、直径が7mm、深さが11mm、
底壁の平坦部分の直径が1.5mmである容器プレートを製
作した。
この容器プレートの温度23℃、相対湿度20%の雰囲気下
における表面帯電圧の半減期は12秒、全光線透過率は9
0.5%であった。測定法は次の通りである。
半減期 スタチックオネストメーター(宍戸商会社製)に試料片
をセットし、次の条件でマイナス電荷を表面にチャージ
した。
放電距離 20mm 印加電圧 10KV 回転数 1300r.p.m. チャージを中止してから表面の帯電圧が半分の値になる
までの時間を測定した。
全光線透過率 JIS K 6717に規定された方法によった。
またこの容器プレートを用い、次のようにして酵素免疫
反応を行った。下記において「PBS」はリン酸緩衝食塩水
溶液、「BSA」はウシ血清アルブミンを表わす。
(1)抗マウス免疫グロブリンウサギ抗体の濃度50μg/
ml・PBS溶液を、各反応用凹所内に50μlの量で注入
し、温度4℃で24時間放置して固定した。
(2)各反応用凹所をPBSによって3回洗浄した後、BSA
の濃度30mg/ml・PBS溶液を、各反応用凹所内に150μl
の量で注入し、温度4℃で24時間反応させた。
(3)各反応用凹所をPBSによって3回洗浄した後、全9
6個の反応用凹所のうち、7列84個の凹所にはマウス免
疫グロブリンを25ng/mlの割合で含有し濃度1%のBSAを
含有するPBSを50μlを加え、1列12個の凹所には、ブ
ランクとして濃度1%のBSAを含有するPBSを50μlを加
え、室温にて2時間反応させた。
(4)各反応用凹所をPBSによって5回洗浄した後、ホ
ースラディシパーオキシダーゼによって標識した抗マウ
ス免疫グロブリンウマ抗体を1μg/mlの割合で含有し濃
度1%のBSAを含有するPBS50μlを加え、室温にて1時
間反応させた。
(5)各反応用凹所をPBSによって5回洗浄した後、オ
ルトフェニレンジアミンを1mg/mlの割合で含有するpH5.
0のクエン酸緩衝液に過酸化水素を0.01%含有する液100
μlを加え、室温にて20分間反応させた。
(6)次いで、濃度2Mの硫酸を25μl加え、自動吸光度
測定装置において波長490nm、スポット径1mmの光ビーム
を投射して吸光度を測定した。
以上の測定の結果における7列84個の試料についての測
定値について調べたところ、次の通りであった。
平均値 : 0.561 標準偏差値: 0.023 従って、バラツキの程度についての指標である変動係数
は4.1と非常に小さく、本発明による微量液体反応容器
が優れた安定性を有し、高い信頼性が得られることが明
らかである。
実施例2 反応用凹所の各々の形状が、開口径が7mm、深さが11m
m、底壁の平坦部分の直径が5mmであることのほかは、実
施例1におけると同様の形状の容器プレートを製作し、
これを用いて実施例1と同様の測定を行ったところ、次
の通りであった。
平均値 : 0.558 標準偏差値: 0.021 従ってバラツキの程度についての指標である変動係数は
3.8と非常に小さく、優れた安定性を有し、高い信頼性
が得られることが明らかである。
比較例1 各反応用凹所における底壁の平坦部分の直径が0.8mmで
あるほかは実施例1と実施例1と同様にした容器プレー
トを作製し、同様の測定を行ったところ、次の結果が得
られた。
平均値 : 0.552 標準偏差値: 0.045 従って変動係数は8.2となり、測定結果のバラツキが大
きいことが明らかである。
比較例2 市販のポリスチレンを材質として用いたほかは実施例1
と同様にして容器プレートを作製し、同様の測定を行っ
たところ、次の結果が得られた。
平均値 : 0.596 標準偏差値: 0.038 従って変動係数は6.4となり、測定結果のバラツキが大
きいことが明らかである。
比較例3 市販の塩化ビニルを材質として用いたほかは実施例1と
同様にして容器プレートを作製し、同様の測定を行った
ところ、次の結果が得られた。
平均値 : 0.401 標準偏差値: 0.053 従って変動係数は12.5となり、測定結果のバラツキが大
きいことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る容器プレートの一例を一部を断面
で示す拡大斜視図、第2図は従来の容器プレートの一例
を一部を断面で示す斜視図である。 1……容器プレート、2……反応用凹所 3……底壁、4……平坦部分 5……開口部、6……湾曲部、7……周壁 10……反応用凹所、20……容器プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 洋一 東京都板橋区小茂根1−19―16 (72)発明者 関根 暉彬 東京都江東区塩浜1−1―13―420 (56)参考文献 特開 昭56−106141(JP,A) 実開 昭57−41148(JP,U)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底壁を透過するよう検出用光ビームが投射
    される反応用凹所を有し、当該反応用凹所の底壁はその
    中央に直径が少なくとも1mm以上の平坦部分を有し、当
    該平坦部分は、円弧状に湾曲した面によって前記反応用
    凹所の周壁の内面と連続してなり、透光性の制電性樹脂
    を材質とすることを特徴とする微量液体反応容器。
  2. 【請求項2】透光性の制電性樹脂は、アルキレンオキサ
    イド基とエチレン系不飽和結合を有する単量体を構成成
    分として含むゴム幹重合体に、1種以上のエチレン系不
    飽和単量体をグラフト共重合して得られるグラフト共重
    合体からなるものである特許請求の範囲第1項記載の微
    量液体反応容器。
  3. 【請求項3】スタチックオネストメーターによる表面帯
    電圧の半減期が30秒以下であり、かつ全光線透過率が80
    %以上である特許請求の範囲第2項記載の微量液体反応
    容器。
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