JPH0672700U - 回転ドラムスクリーン型汚泥脱水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転ドラムスクリーン型汚泥脱水装置を簡便
かつ機械的に安定に振動させようとするものである。 【構成】 一端を汚泥受け入れ用開口、他端を汚泥排出
用開口１４とした円筒形スクリーン本体１２における前
記一端及び他端の外周に一対の周回レール２１ａ、２１
ｂを設け、前記一対の周回レールを、それぞれ固定水平
軸の周りに回転可能とした各２個のコロ２２により、前
記円筒形スクリーンが実質上水平な軸線を有する配置と
なるように接触伝動関係において支持するとともに、計
４個の前記コロ２２のうち少なくとも１個をモータ１３
により回転駆動し、少なくとも前記他端側のレール、又
は少なくとも前記他端側のレールを支持する前記コロ２
２の外周面に均等な凹凸又は凹部配列を形成したことに
より、前記円筒形スクリーンをその回転中において前記
凹凸又は凹部配列の回転移動に従って振動させるもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、汚水又は廃水処理系統の汚泥排出工程に用いる回転ドラムスクリー ン型脱水装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

円筒形スクリーンによってスラリーを脱水もしくは脱液、又は分級する装置に おいては、一般にそのスクリーンを固定した軸線の周りに滑らかに回転させるの みで、連続的に低位置を占める新たな網面から脱水もしくは脱液し、網面を通過 しなかったスラリー中のスカムその他の固形分を出口側から排出除去、又は分級 するものである。そして、この種の円筒形スクリーンは単なる回転のみよりも、 これに振動を加えるほうが、より脱水等の処理能力を高めうることが分かってお り、そのための従来の試みは、回転駆動機構を含む円筒形スクリーン装置の全体 を振動させる加振機構を用いるものであった。

【０００３】 しかしながら、回転機構まで振動させることは、円滑な伝動回転にとって明ら かに不都合であり、伝動部の磨耗も早まるという欠点がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような加振体によらず、円筒形スクリーンのみを効果的に振動 させようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そのため本考案は、一端を汚泥受け入れ用開口、他端を汚泥排出用開口とした 円筒形スクリーン本体の内側面に、前記一端及び他端の外周に一対の周回レール を設け、前記一対の周回レールをそれぞれ固定水平軸の周りに回転可能とした各 ２個のコロにより、前記円筒形スクリーンが実質上水平な軸線を有する配置とな るように接触伝動関係において支持し、計４個の前記コロのうち少なくとも１個 をモータにより回転駆動し、前記レールとの接触伝動関係により前記円筒形スク リーンを回転させるようにした回転ドラムスクリーン型汚泥処理装置において、 少なくとも前記他端側のレール、又は少なくとも前記他端側のレールを支持する 前記コロの外周面に均等な凹凸又は凹部配列を形成したことにより、前記円筒形 スクリーンをその回転中において前記凹凸又は凹部配列の回転移動に従って振動 させることを特徴とする。

【０００６】

【実施例】

図１は、例えば豚舎からの廃水処理（前処理）等に適した汚泥脱水装置のフロ ーチャートであり、１は薬液槽、２は汚泥貯槽、３は汚泥混合槽、そして４は本 考案によるドラムスクリーンである。

【０００７】 薬液槽１は凝集剤を含む薬液をプロペラ５によって攪拌するためのモーター６ と、槽下部の入口７から薬液を吸い上げて供給ライン８に送りだすためのポンプ ９を装備している。

【０００８】 汚泥貯槽２は、連続的に汚水または各種廃水を受入れては貯留し、且つ送りだ すもので、槽下部にくみ上げポンプ９を装備し、これを槽外への汚泥供給ライン １０に接続している。汚泥供給ライン１０には薬液供給ライン８が合流し、その 合流点の下流が汚泥混合槽３に導かれる。

【０００９】 汚泥混合槽３ではプロペラ１１により汚泥を攪拌し凝集剤と混合して凝集もし くはフロック化を促進し、この凝集汚泥をドラムスクリーン４に供給する。ドラ ムスクリーン４の構造については後述するが、ここでは円筒形スクリーン本体１ ２が受け入れた汚泥を、モーター１３からコロ伝動系（図１には示さない）を介 して回転駆動及び振動付与され、フロックを脱水・強化しながら、出口端枠１４ 側に押しやり且つ排出する。この間濃縮汚泥から分離された水（処理水）は、ス クリーン下側の放水床１５より排出され、次の処理に導かれる。

【００１０】 図２及び図３は本考案の汚泥脱水装置の要部であるドラムスクリーン４の好ま しい実施例を示している。ドラムスクリーン４の本体１２は、例えば長さ１００ ｃｍ、直径５０ｃｍのステンレス網製円筒体( 網目開き0.1 〜1.0 mm、好ましく は 0.2〜0.5 mm) からなり、外周面に複数の補強リム１６を等間隔で固定し、内 周面のスクリーン入口（図２の左側）から出口端枠１４にかけて螺旋状の直立襞 １７を汚泥スクリュウとして装備している。襞１７の幅はスクリーン半径の２／ ５程度、この場合１０ｃｍ、螺旋ピッチ２５ｃｍとされる。ドラムスクリーン４ のケーシング１８の天板とスクリーン本体１２との間にはシャワー装置１９が設 置され、スクリーン本体１２の長さに沿ってこの場合４等分した各範囲に散水で きるようになっている。ケーシング１８にはさらに、スクリーン本体１２内に位 置する樋２０が設けられ、散水のうちスクリーン頂上部の網目を通って直接落下 する水を受け、これをスクリーン入口端の汚泥受入部に戻すようになっている。

【００１１】 スクリーン本体１２の入口端及び出口端（出口端枠１４の直前）の外周には実 質的な剛性を有する周回レール２１ａ、２１ｂが固定される。これらのレールは は各２個のコロ２２により支持される。図２及び３には各１個のコロしか示さな いが、これらは水平な回転軸を有し、かつスクリーン本体１２を実質上水平に支 持するように配置されている。概して金属製のレール２１ａ、２１ｂと好ましい 接触伝動関係及び弾性を維持するため、これらのコロ２２は例えばポリウレタン 樹脂から形成される。当然ながら、レール２１ａ、２１ｂとコロ２２は互いに逸 脱しないように嵌合する断面形状を有する。コロ２２のうち、スクリーン入口側 の１個はチェーン２３を介して駆動モーター１３に連結されたスプロケット（図 示せず）等の伝動手段を保持している。

【００１２】 実施例において、コロ２２のうちスクリーン他端側のレール２１ｂに係合する ２個の外周面には、図４に示すような複数（この場合、８個）の円弧状凹部２４ がこの場合は等間隔で形成される。これにより、駆動モーター１３に連結された 前記一端側のコロ２２によって回転駆動されるスクリーン本体１２は、その回転 により他端側レール２１ｂと接触伝動関係にある２個のコロ２２を回転させる。 従って、レール２１ｂに対しては、コロ２２の外周面と凹部２４とが交互に凹凸 面として接触支持し、コロ回転数（ｒｐｓ）に凹部数を掛けた振動数（ｃ／ｓ） においてスクリーンを振動させることになる。

【００１３】 上記の構成において、汚泥混合槽３よりスクリーン本体１２に供給された凝集 剤を含む汚泥は、そのスクリーン本体１２の回転に応じて攪拌されると同時に、 スクリーン中の螺旋形襞１７により出口端枠１４に向かって押しやられ、汚泥か ら分離した水分はスクリーンの網目を通って廃水床１５に流下する。汚泥はこの ようにして出口側に向かう過程で徐々に濃縮され、この間振動は濃縮が進にした がって徐々に大きくなるため、凝集フロックを破壊されることなく効果的に脱水 を促進されることになる。即ち、コロ２２の凹部配列は実施例において出口側に おいてのみ存在するため、理論上スクリーンの振動は入口側で零、出口側でコロ ２２の凹凸に応じた振幅となるからである。スクリーンの網目に詰まった汚泥は スクリーンが頂上まで回転したとき、大部分シャワー１９からの散水を受けて洗 い落とされ、樋２０に流下しスクリーン入口部に再供給される。散水された水の 他の部分はスクリーンを伝って最低部まで流下し、放水床１５に落下する。

【００１４】 実施例（ドラムスクリーンの直径５０ｃｍ、長さ１００ｃｍ、螺旋襞のピッチ ２５ｃｍ）において、ドラムスクリーンの回転数を約６ｒｐｍとし、豚舎からの 排水汚泥を常時受け入れて処理した場合、含水率９８．６％であった生汚泥を含 水率９２．０％まで濃縮した汚泥を出口端枠１４より排出することができた。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は以上述べた通りであるから、含水率９８〜９９％の生汚泥を、一般に 高濃度とされる９５〜９６％よりも遙に高い９２％程度まで濃縮することが可能 となり、後工程における汚泥処理の負担を大きく軽減し、汚水処理全体の効率を 顕著に高めることができる。なお、コロの凹凸形状を種々に変えて多様な振幅及 び振動形態を得ることができるし、この装置でＳＳや砂等の分級を行う場合には フロック破壊の恐れがないため、入口側のコロも凹凸形状とし最初から強い振動 を与えることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における汚泥脱水装置のフロー
チャートである。

【図２】本考案の実施例の要部である回転ドラムスクリ
ーン型汚泥脱水装置の一部破断側面図である。

【図３】本考案の実施例の要部である回転ドラムスクリ
ーン型汚泥脱水装置の一部破断後端面図である。

【図４】１図２及び図３に示した回転ドラムスクリーン
型汚泥脱水装置のドラム支持及び振動付与のためのコロ
形状を示す正面図である。

【符号の説明】

３ 汚泥混合槽 ４ ドラムスクリーン １２ スクリーン本体 １３ モーター １４ 出口端枠 １５ 放水床 １６ リム １７ 螺旋襞 １８ ケーシング １９ シャワー ２０ 樋 ２１ａ、２１ｂ 周回レール ２２ コロ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端を汚泥受け入れ用開口、他端を汚泥
   排出用開口とした円筒形スクリーンの本体と、前記一端
   及び他端の外周に設けた一対の周回レールとからなる前
   記円筒形スクリーンと、 それぞれ、固定水平軸の周りに回転可能に支持され、前
   記円筒形スクリーンが実質上水平な軸線を有する配置と
   なるように、前記一対の周回レールを接触伝動関係にお
   いて支持するための各２個のコロと、 計４個の前記コロのうち少なくとも１個を回転駆動し、
   前記レールとの接触伝動関係により前記円筒形スクリー
   ンを回転させるためのモータとを備え、 少なくとも前記他端側のレール、又は少なくとも前記他
   端側のレールを支持する２個のコロの外周面に均等な凹
   凸又は凹部配列を形成したことにより、前記円筒形スク
   リーンを、その回転中において前記凹凸又は凹部配列の
   回転移動に従って振動させることを特徴とする回転ドラ
   ムスクリーン型汚泥脱水装置。
2. 【請求項２】 前記汚泥受け入れ用開口に接続される汚
   泥供給ラインに凝集剤添加ラインを合流させたことを特
   徴とする請求項１記載の汚泥脱水装置。