JPH0671745A - ヨコ裂性フィルムおよびその製法 - Google Patents

ヨコ裂性フィルムおよびその製法

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JPH0671745A
JPH0671745A JP4126595A JP12659592A JPH0671745A JP H0671745 A JPH0671745 A JP H0671745A JP 4126595 A JP4126595 A JP 4126595A JP 12659592 A JP12659592 A JP 12659592A JP H0671745 A JPH0671745 A JP H0671745A
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film
stretching
horizontal
strength
tear
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JP4126595A
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Katsuya Yazaki
勝也 矢崎
Toshihiro Sakata
敏寛 坂田
Kiyohisa Kezuka
清寿 毛▲塚▼
Kazuhiko Kurihara
和彦 栗原
Hiroshi Yazawa
宏 矢沢
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Polymer Processing Research Institute Ltd
Eneos Corp
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
Polymer Processing Research Institute Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヨコ裂性が良く、延伸工程や後工程である印
刷やラミネート等の工程でのバサ切れの少ない包装用ヨ
コ裂フィルムと、そのフィルムのコストの安い簡便な製
法を目的とする。 【構成】 ヨコ方向引張強度35kgf/mm以下で
伸度が30%以上、タテ方向強度が3〜6kgf/mm
で、ヨコ方向引裂強度が2000gf/mm以下であ
り、引裂の直線性が30%以下である包装用ヨコ裂性フ
ィルム。また、原反フィルムを折畳んだ状態でヨコ延伸
する方法に関し、機械的に原反フィルムを折畳率を5%
以上50%未満に折畳み、低延伸倍率(2倍以上5倍未
満)でヨコ延伸する包装用ヨコ裂フィルムの製法。その
際、ヨコ延伸後タテ方向に5%以上収縮すると工程や品
質が安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性包装フィルムお
よび粘着テープ等に使用されるヨコ裂性の良いフィルム
およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックフィルム包装業界で
は、菓子等の小売用袋などにヨコ裂性フィルムが多く使
用されるようになった。この種のヨコ裂性フィルムは通
常の2軸延伸装置でヨコ延伸倍率を高くしたものが使用
されている。例えば、特公昭60−17439号、特公
昭60−17471号は、いずれもヨコ裂性の良好なテ
ープの製法に係わるもので、屈折率による配向度で規定
はされているが、ヨコ延伸倍率を少なくとも5倍(実施
例では8倍)にヨコに延伸することにより、ヨコ裂性を
出そうとするものである。
【0003】また、通常の方式ではヨコ延伸倍率が高い
ために、タテ方向張力でバサ切れすることが多く、ヨコ
延伸工程や印刷やラミネート工程での安定性を欠く。そ
のための対策として、ヨコ延伸フィルムと薄い2軸延伸
フィルムをラミネートする方法も取られているようであ
る(特公平2−3707号)。しかしこの方法は、別に
ラミネートの工程が必要で、設備費がかかるばかりでな
く、非常に薄い2軸延伸フィルムを積層しなければなら
ず、工程数が多くコストも高い。
【0004】
【本発明が解決しょうとする課題】上記のように、これ
らの従来のフィルムは、タテ方向の強度が弱い(工程で
バサ切れする)、ヨコ方向への引裂の直線性が悪い、ヨ
コに裂いた時に引っかかりがある、など製品上必ずしも
満足したものではなかった。また、製法上では、従来は
ヨコ延伸倍率を上げるので、ラインの安定性が悪いため
に、生産性が良くなく、コストアップにつながった。
【0005】従来技術がヨコ延伸倍率を高くしているの
は、ヨコ延伸倍率を上げないと、引裂性や直線性が悪
い。これは、低い延伸倍率では、分子が完全にヨコに並
ばないことにもよるが、タテ方向には積極的に延伸して
いないにもかかわらず、ヨコ延伸によって生ずるタテ方
向の収縮力によって、2軸延伸的な配向が残る。これを
フィルム延伸業界では、完全には1軸延伸になっていな
いので、擬一軸性と呼ばれているものである。
【0006】この擬1軸性は、フラットヤーンよりスプ
リットヤーンにする時にも問題になり、擬1軸性がある
と、スプリット性等が悪い。通常擬1軸性α%は、次式
のように定義されている。 to/t=(1+α/100)(平方根Xm) ここで、to: 原反フィルムの厚み t : 延伸フィルムの厚み Xm: 延伸倍率 平方根Xmは、Xmの平方根を意味する。例えば、通常
のフラットヤーンの製法のように、テープ状の未延伸フ
ィルムを9倍延伸し、それが擬1軸性を伴わない(巾お
よび厚さ方向を自由に収縮させた場合で、純1軸延伸と
定義する)と仮定すると、延伸テープの巾も厚みも、未
延伸原反テープの巾と厚みの延伸倍率の平方根分の1、
即ち、3分の1になる。この純1軸延伸よりの片よりが
αで、純1軸延伸の場合、αはゼロ%である。巾の収縮
しない定巾延伸では、厚みは1/9になり、αは約20
0%になる。同様にして延伸倍率2、3、4、5、6で
の、巾の収縮しない定巾延伸では、擬1軸性αはそれぞ
れ、41、73、100、124、145%である。本
発明では、上記のタテ延伸とは逆にタテ方向は折畳率し
か収縮を許さず、ヨコ方向に延伸する方式であるので、
擬1軸性の定義をそのまま使用し、Xmをヨコ延伸倍率
とした。
【0007】通常の2軸延伸装置を使用し、タテは積極
的に延伸せずヨコだけ延伸しても、タテ方向の収縮が許
されないから、定巾ヨコ延伸になり、擬1軸の値が大き
くなる。従来のヨコ裂性フィルムは、それをヨコ延伸倍
率のみアップして、擬1軸性が大きい状態でも、分子の
配向が大きいことで裂け易くすることでカバーしてい
る。擬1軸性が大きいことは、フィルム全体をミクロに
みると、均一な擬1軸性にならず、擬1軸性が大きい箇
所と小さい箇所が偏在している。部分的に擬1軸性が大
きい箇所は裂け難く、ヨコ引裂性も直線性も良くない。
また、擬1軸性が小さい箇所は、延伸倍率が大きいこと
より非常に裂け易く、製造工程や、次工程のフィルムへ
の印刷や他のフィルムとのラミネートなどの工程でバサ
切れし、工程の安定性を著しく欠く。
【0008】従来の方式で、ヨコ延伸倍率のみを低くし
ても、ヨコ裂性や直線性が悪く、また延伸の均一性が悪
く、ボーイング現象(延伸過程で延伸フィルムの中央部
がタテ方向に遅れる現象)が解消出来ない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヨコ延伸倍率
を上げることなく、ヨコ裂性の良いフィルムを製造でき
る方式を鋭意研究した結果、以下のような手段で解決出
来ることを見い出し、それによって得られた製品も、バ
サ切れが少ないなど種々の特徴があることがわかった。
【0010】その解決手段の構成要件の一つは、延伸装
置に入る直前または延伸装置入口でフィルムのタテ方向
に折り畳み、ヨコ方向に多数の小シワが入る状態にし、
その状態でヨコに延伸する。
【0011】ここで、実測の折畳率Zp(%)は次のよ
うに表現できる。 Zp(%)={(m−s)/m}×100 m:フィルムを折り畳む前のタテ方向の長さ s:フィルムを折り畳んだ後のタテ方向の長さ 即ち、折り畳む前のフィルムに一定間隔の印を入れ、そ
のライン方向の長さmを測り、その後折り畳まれた後に
mの印間のライン方向の長さ測り、それをsとする。
【0012】一定の延伸倍率で、その倍率において、純
1軸延伸をするための理論上の折畳率をZt(%)とす
ると、 Zt={1−(1/平方根Xm)}×100 延伸倍率を2、3、4、5、6、9にしたときのZt
は、それぞれ、29、42、50、55、59、67%
である。
【0013】この折畳の程度が大き過ぎると、延伸後の
フィルムにヨコにシワが入り、商品として適さないばか
りか、タテ張力でヨコ方向に裂け易く、その後の印刷や
包装工程に適さない。また、少な過ぎると、延伸倍率が
低い本発明では、ヨコ裂性や直線性に充分な効果が発揮
できない。そこで、この折畳率を5%から50%未満の
範囲に限定することが、本発明の構成要件の一つであ
る。
【0014】ヨコ延伸の前にヨコ方向にシワを入れるこ
とは、既に本発明人等により公知である(特公昭62−
28226号、特公昭45−29119号など)。しか
しこれらは、ヨコ延伸倍率を上げ、ヨコスプリットウェ
ブから網状不織布を製造するための手段で、ヨコ裂性フ
ィルムを目的とするものではない。したがって、ヨコ延
伸倍率も、折畳率も全く異なる。ヨコスプリットウェブ
を製造する場合は、折畳率も大きく50%以上で、しか
も、延伸倍率をポリオレフィンの場合は7倍以上、ポリ
塩化ビニル樹脂フィルムやポリエステルフィルムでも5
倍以上に延伸する必要がある。
【0015】本発明の別の構成要件として、延伸倍率が
ある。通常の延伸手段に比較して、延伸倍率を低く抑え
ることができる点に特徴がある。延伸倍率を低く抑える
と、延伸張力も小さく、延伸過程も短くて良いので、装
置も簡便になり床面積が小さくなるメリットと併せて、
コストダウンにつながる。また、延伸倍率が低いとそれ
だけ延伸も均一にすることが可能で、延伸切れその他の
操業安定性も良い。本発明では、延伸倍率を2倍以上で
5倍未満に抑えることにより、上記の延伸性のメリット
を保持しながら、次のような物性上のメリットも獲得で
きた。
【0016】このフィルム製造方法で、ヨコ延伸過程後
半または延伸後にフィルムをタテ、ヨコに収縮させる
と、延伸工程直後のフィルムのバサ切れがなく、製品の
物性が向上することが判明した。この収縮はタテ方向の
収縮が重要で、少なくともタテ方向に5%以上で効果が
顕著である。収縮工程は、通常フィルムの軟化点以上に
加熱されている状態が望ましいが、低い収縮率では、延
伸直後で特に加熱しなくても余熱で収縮する。
【0017】この延伸後の収縮させたフィルムのもう一
つの利点は、耳ダレ現象を解消できる点にある。ヨコ延
伸され、延伸の際の両端グリップ部をトリミングした製
品フィルムを、巾方向に数カ所でタテ方向の長さを測る
と、若干(通常1%以下)ではあるが、耳部の長さが長
い。そのために、製品フィルムを繰り出した時、フィル
ムの耳部が余り、耳部が垂れ下がる傾向がみられる。こ
の耳部が垂れ下がる現象を耳ダレと称する。
【0018】本発明では、このような工程上の特徴ばか
りでなく、出来た製品を解析することにより、次のよう
な物性上の特性が製品の特性を生むことがわかった。本
発明は、このようにヨコ延伸倍率が低いので、タテ方向
の強度が強いばかりでなく、タテ方向強度のバラツキが
少なく、印刷工程等でのバサ切れが少ない。また、ヨコ
裂の直線性やヨコ裂強度等のヨコ裂性も良い。このフィ
ルムは、実施例で詳述するように、一定の力学的物性範
囲に入っている。
【0019】本発明に使用されるヨコ延伸手段として
は、通常のテンター式フィルムヨコ延伸装置など通常の
ヨコ延伸装置の種々なタイプが使用できる。フィルムを
折り畳み、延伸装置に持ち込む手段としては、本出願人
の一人の先願発明である特公昭62−28226号の明
細書の中で種々開示されている手段(即ち、サンドイッ
チベルト、多翼羽根車、歯車など)が使用できる。ま
た、テンター延伸装置で、同時2軸延伸が可能な装置で
あれば、それらの機構を改造してヨコ延伸初期ではタテ
延伸機構をタテに伸ばさず、逆に収縮させる方向に働か
すことでも達成できる。本発明は、これらの機構に限定
されることなく、フィルムをタテ方向に折り畳んだ状態
(収縮させた状態)で、ヨコに延伸することで達成され
る。
【0020】本発明で使用できる熱可塑性樹脂フィルム
としては、最も適する樹脂ととしては、ポリプロピレン
(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低
密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂(PVDC)がある。その他、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリビニルアルコール系樹脂、フッソ系樹脂
などにも適応される。また、これらの樹脂のコポリマー
や、これらの樹脂を相互に、また低密度ポリエチレン
(LDPE)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EV
A)、熱可塑性樹脂エラストマーなどをブレンドして使
用することもできる。これらのフィルムに共押出、ラミ
ネートやコートで、接着性樹脂や帯電防止、着色などの
機能を持った樹脂層で多層フィルムにしたフィルムも使
用することができる。また、これらの樹脂に、結晶核生
成剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、顔料、ブロッキング
防止剤、無機微粒子、有機過酸化物などを混入して、フ
ィルムとしての種々の適正(耐候性、着色、ブロッキン
グ防止、手裂性など)を向上させることができる。
【0021】本発明のヨコ裂性フィルムは、菓子やイン
スタントラーメン等の小売用包装小袋、生花の小売用包
装フィルム、粘着テープの原料フィルムなど種々の用途
に使用できる。
【0022】
【実施例】以下、添付の図面により、発明の実施例およ
びその比較例を示し、それらの装置を使用して実験した
結果のフィルムの物性も示す。
【0023】図1、図2は、フィルムの中央部をゴムベ
ルトで挟んで収縮させる例で、図1は平面図、図2は側
面図である。伸縮性ゴムベルト1a、1bは二つのニッ
プロール2、3間を循環しており、ニップロール2の表
面速度よりニップロール3は折畳率のパーセントだけ遅
く回転しており、ニップロール3と2の間のフィルムを
ニップしていない空間では、ロールの表面速度の比率だ
け伸ばされている。ターンロール4はゴムベルト1の長
さを調節するために上下に移動できる。原反フィルム5
の両端を除いた中央部は、ニップロール2に2枚の伸ば
されているゴムベルト1a、1bと共にニップされる。
ニップロール2を通過後、伸ばされている2枚のゴムベ
ルト1a、1bは収縮し、その際挟まれている原反フィ
ルムはゴムベルトの収縮につれて小さくシワが入ってよ
うに折り畳まれる。その小シワはベルトに挟まれていな
いフィルムの両端にまで及び、通常のテンター型ヨコ延
伸装置6のグリップ7でその両耳端部を把持する。両耳
端部を把持されたシワ付きフィルム8は、加熱してヨコ
延伸され、ヨコ延伸フィルム9となる。ヨコ延伸過程で
の加熱装置は図で省略してあるが、赤外線や熱風で予熱
され、延伸過程では主として熱風で加熱される。ヨコ延
伸フィルム9はグリップを離れ、その後ニップロール1
0によって引き取られ、ヨコ裂性フィルム11として製
品とされる。ニップロール10の引取速度は、グリップ
部の速度より遅くして、その間でタテとヨコ方向に若干
収縮される。この収縮過程も加熱してあることが望まし
い。
【0024】図3は、本発明に使用されるテンター型ヨ
コ延伸装置の一つであるパンタグラフタイプの例を示
す。レール12a、12b上を走行するパンタグラフ1
3a、13bを有し、このパンタグラフに多数のグリッ
プ(またはグリッパー)14を有する。このグリップ1
4でフィルム15の両耳端部を把持する。ヨコ延伸の初
期または延伸前でグリップ14の間隔が狭くなり、フィ
ルム16はタテ方向に折り畳まれる。その後、このレー
ル12a、12bは末広がりに広がり、フィルムはヨコ
に延伸され、ヨコ延伸フィルム17となる。ヨコ延伸さ
れたフィルム17はグリップ14を離れ、その後ニップ
ロール18によって引き取られ、ヨコ裂性フィルム19
として製品とされる。このニップロール18とグリップ
14との速度関係は図1で説明したのと同様である。
【0025】図1の原理の装置を使用して、種々のフィ
ルムを種々の割合で折り畳んで実験した結果を表1に示
す。装置は、最終製品巾1200mmで、装置のヨコ延
伸部のライン方向の長さ8mで、導入部で赤外線加熱で
予熱した後、熱風でフィルムを上下より加熱しながらヨ
コ延伸を行った。実験のラインスピードを20m/分に
固定して行った。この表1で、ポリマーの種類でポリマ
ーの略号は、本発明に適応できるポリマーの種類を挙げ
た際に示したものである。装置収縮率は、図1でヨコ延
伸装置6とニップロール10間で、その間にも熱風が及
ぶようにして、その間で収縮させ、その割合をパーセン
トで示した。またレール12a、12bはヨコ延伸後に
逆に幅を収縮させてもよい。
【0026】
【表1】
【0027】タテとヨコの強伸度はJIS Z1702
に基づき測定した。ヨコ裂強度もJISで種々規定され
ている(例えばZ1702、C2318、L1079な
ど)。ここでは、包装袋を手で裂く感覚に最も近いJI
SのL1079のA−1(シングルタング法)によっ
た。このJISでは厚みの換算を行っていないが、厚い
フィルムとも比較できるように、出てきた引裂強力の平
均値(gf)を厚み(mm)で割って表示した。上記の
引裂テストは、具体的数字になる点は良いが、測定が局
部的であり、フィルム巾全体を表すのに不便である。そ
こで、種々の方法を検討した結果、より実際的な引裂性
を表し、製品の巾全体がわかる方式として、サンプルの
巾方向に手で裂いていく実験を1ロールにつき10回行
い、その引裂実験で引掛かる回数を測定し、10回の引
裂で合計何回引掛かるかの回数を測定した。表1にヨコ
裂引掛り頻度で示した。引裂性の悪いサンプルは、1回
の引裂で数回引掛かり、引掛りの程度も、再度引裂こう
としても引裂けない場合は、回数を10とし、裂けにく
い場合は5とした。この引掛り頻度が2〜3回程度まで
は、実用的に使用できることが経験的にわかっている。
【0028】直線性は、図4で、製品フィルム20をヨ
コに手で裂き、ライン方向に垂直な基準線21よりのズ
レた距離の最大値ammを測定し、製品巾W(1000
mm)で割って、その値をパーセントで示し、10回測
定してその平均値で示した。ヨコに裂けずに、大きく斜
めに裂けたり、極端な場合は直角方向(ライン方向)に
裂けて行く場合は、値が大き過ぎて数字で表示できない
ので、その場合は×や××で示した。この値が30%以
下でないと実用的なヨコ裂フィルムにはならない。バサ
切れ頻度は、出来た製品500mを実際にフィルム印刷
機にかけ、通常より多少繰り出しテンションや引取テン
ションを強くして、印刷を行い、その工程でバサ切れ頻
度を数え、500m巻を3本行った際のバサ切れ回数の
合計で示した。また、バサ切れ頻度で××マークは、ヨ
コ延伸工程で、製品として500m巻が3本取ることが
できなかったことを示す。このバサ切れ頻度も、実用よ
りタテテンションを大きくして実験しているので、2〜
3回程度であれば、実用的に使用できる。
【0029】総合判定は、上記の種々の要因を踏まえ
て、実用性と云う観点から評価したもので、×は全く実
用性がなく、△は品質的に劣り実用性が少ない。○は実
用的に使用でき、◎は最も良い。
【0030】実施例1は、PPホモポリマーフィルムで
実験した場合で、実施例1−1から1−6まで種々の運
転条件で実験した結果を示す。延伸倍率が2倍以上、折
畳率が5%以上であれば、総合判定で○以上である。実
施例2〜4は他のポリマーの例で、いずれも最適の条件
であれば良いヨコ裂フィルムになる。
【0031】この良い条件に入っているフィルムの物性
を検討した結果、良いフィルムは、フィルムのヨコ方向
引張強度が35kgf/mm以下であり、伸度が30
%以上である。タテ方向引張強度は、3kgf/mm
以上で6kgf/mm以下、引張伸度は30%以下で
ある。そしてヨコ引裂強度は2000gf/mm以下、
望ましくは200gf/mm以下であり、ヨコ方向の直
線性は30%以下、望ましくは5%以下である。この物
性を持つフィルムは、従来のヨコ裂性フィルムに比較し
てバサ切れが少ない。バサ切れは多分に衝撃強度に影響
されると思われるが、タテ方向の強度が弱過ぎて、衝撃
強度の正確な差異を見い出せなかった。しかしタテ方向
の伸度、ヨコ方向の伸度が大きいことが影響していると
思われる。
【0032】表1の比較例1は、実施例1と同じフィル
ムで、延伸条件を変化させて実験した場合で、比較例1
−1は折畳率が小さく、比較例1−2は装置収縮率が5
%以下、比較例1−3では延伸倍率が低く、何れも総合
評価が悪い。比較例1−4は延伸倍率が5倍を越えた場
合で、折畳ヨコ延伸すると、延伸過程でバサ切れしてフ
ィルムとしてサンプリング出来なかった。
【0033】表1の比較例2、3、4における市販フィ
ルムA、B、Cは、ヨコ裂フィルムとして市場に出てい
るものの物性を、本発明の実験例と同一評価方法で比較
したものである。物性以外にA、B、Cに共通している
点は、プライスが非常に高いことで、製造が困難である
ことが想像される。フィルムAは、ポリマーの種類はH
DPEで、ヨコ強度が大きいことより、ヨコ延伸倍率が
大きいことがわかる。10倍以上のヨコ延伸倍率と云わ
れている。ヨコ裂性や直線性は良いが、バサ切れが大き
い。フィルムBは、ポリマーの種類はPPでヨコ延伸倍
率が高く、やはりバサ切れが多い。フィルムCは、高倍
率ヨコ延伸したPPフィルムに薄いフィルムをラミネー
トしたものと云われいる。引裂強度も悪いこともある
が、ヨコ裂の直線性が悪く、時々裂く方向より90度近
く外れて裂けることがあり、数字では示せないので、直
線性を×で示した。また、このフィルムはカールが激し
く実用的ではない。これらの物性に共通していること
は、ヨコ方向の強度が大きく、伸度が30%以下である
ことが特徴的である。
【0034】比較例5の市販フィルムDは、低倍率にチ
ューブラ2軸延伸されたと思われる2軸延伸ポリプロピ
レンフィルム(OPP)である。ヨコ方向の強度や伸度
は請求項1の範囲に入っているが、タテ方向強度や伸度
が大きく、なによりも、ヨコの直線性が全く良くない。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法により、製造の安定性が良
く、コストも安く製造できる。また、出来た製品も従来
と全く異なる物性のヨコ裂性フィルムになり、ヨコ裂性
や直線性が良く、バサ切れの少ないヨコ裂性フィルムと
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 原反フィルムを折り畳む装置とその後のヨコ
延伸装置の平面図、
【図2】 図1の側面図、
【図3】 原反フィルムをタテに縮めながらヨコ延伸を
する装置の平面図、
【図4】 ヨコ裂の直線性をテストする際の模式図、
【符号の説明】
1a、1b:伸縮性循環ベルト、 2a、2b、3a、
3b:ニップロールの各ロール、 4a、4b:ターン
ロール、 5:原反フィルム、 6:ヨコ延伸装置、
7:多数のグリップ、 8:折畳まれたフィルム、
9:ヨコ延伸フィルム、 10:ニップロール、 1
1:製品フィルム。12a、12b:レール、 13
a、13b:パンタグラフ、14:多数のグリップ、
15:原反フィルム、 16:折畳まれたフィルム、1
7:ヨコ延伸フィルム、 18:ニップロール、 1
9:製品フィルム。20:ヨコ裂フィルム、 21:ヨ
コ方向基準線、 w:製品幅、a:フィルムの裂け面の
基準線からのズレの最大値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 和彦 東京都板橋区高島平3丁目11番地5号1002 (72)発明者 矢沢 宏 東京都国立市東2丁目25番地15号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムのヨコ方向引張強度が35kg
    f/mm以下、伸度が35%以上、フィルムのタテ方
    向強度が3〜6kgf/mm、ヨコ方向引裂強度が2
    000gf/mm以下、ヨコ方向の引裂の直線性が30
    %以下であることを特徴とする熱可塑性フィルムよりな
    るヨコ裂性フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性フィルムをヨコ延伸する際、フ
    ィルムをタテ方向に5%以上50%未満に機械的に折り
    畳んだ状態で、ヨコ方向に2倍以上5倍未満に延伸する
    ことによるヨコ裂性フィルムの製法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、ヨコ延伸過程後半ま
    たは延伸後に、フィルムを少なくともタテ方向に5%以
    上収縮させることによるヨコ裂性フィルムの製法。
JP4126595A 1992-04-03 1992-04-03 ヨコ裂性フィルムおよびその製法 Pending JPH0671745A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003516889A (ja) * 1999-12-14 2003-05-20 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 引き裂きが制御された型押しフィルム
JP2011016245A (ja) * 2009-07-07 2011-01-27 Kaneka Corp 高分子延伸フィルム、偏光子フィルム、光散乱フィルム、並びに、直線カッティングフィルム
JP2019177927A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 大日本印刷株式会社

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