JPH0669442B2 - 医療用導電性粘着剤およびそれを用いた医療用粘着電極 - Google Patents

医療用導電性粘着剤およびそれを用いた医療用粘着電極

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JPH0669442B2
JPH0669442B2 JP60138660A JP13866085A JPH0669442B2 JP H0669442 B2 JPH0669442 B2 JP H0669442B2 JP 60138660 A JP60138660 A JP 60138660A JP 13866085 A JP13866085 A JP 13866085A JP H0669442 B2 JPH0669442 B2 JP H0669442B2
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高司 岸
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は優れた導電性と粘着性とを有する医療用粘着剤
およびそれを用いた医療用粘着電極に関する。
(従来の技術) 心電計,筋電計,脳波計などの電気的医療用測定機器や
低周波治療器などの電気的治療器を使用する場合には,
皮膚表面に電極を貼付し皮膚表面の所定場所とこれら機
器とを電気的に接続することが行われる。医療用電極の
素材や形状,さらにはその電極の皮膚表面への固定手段
について種々の改良がなされている。その例を以下に示
す。
(1)水を含浸させたスポンジを電極とし,これを皮膚
の所定部位に圧接する方法は,低周波治療器などに利用
されているが,次の欠点を有する: (1)−1使用するたびにスポンジに水を含浸させる操
作が繁雑であり,しかもスポンジを皮膚表面に圧接する
と周囲に水が滲み出すこともある。
(2)−2使用中に水分が蒸発した場合は,再び水を含
浸させる必要がある。
(1)−3電極を皮膚表面に固定するための固定手段が
必要である。
(2)電解質を含有する導電性の液体,ペースト,ゼリ
ー,水性ゲルなどの導電性媒介を介して金属製電極板を
皮膚表面に貼付する方法は,皮膚表面と電極とがこの導
電性媒体により密着するため,微弱電流を測定する心電
計などに好適に用いられる。しかし,この方法は次の欠
点を有する: (2)−1上記導電性媒体を皮膚表面または電極板表面
に均一に塗擦するには熟練を要し,塗擦作業が煩雑でも
ある。使用後も皮膚表面を清拭する必要がある: (2)−2電極板は皮膚表面に吸引具などを用いて圧接
して固定されるが,測定が長時間にわたる場合や被測定
者が運動しながら測定がなされる場合には,電極が皮膚
から持ち上がりやすく,皮膚表面と測定機器との間の信
号伝達が不完全となる。
(3)特開昭54-21080号公報には,導電性液体またはゲ
ル状物質を包含したスポンジを介して,生体からの電気
信号を外部へとり出すための電気端子をもうけた医療用
電極が開示されている。この電極では多孔性粘着シート
によりスポンジを皮膚表面に圧接させている。このよう
な医療用電極は,粘着シートにより皮膚表面に簡単に固
定することができ,被測定者の身体の動きにより電極が
皮膚表面から持ち上がることもない。しかし,この医療
用電極にも次のような欠点がある: (3)−1導電性液体またはゲル状物質を含むスポンジ
自体には粘着力はなく粘着シートによる圧接力のみで皮
膚表面に圧着されるため,電気的接触が不完全であった
り経時的に電気的接触が不完全となり,そのために,測
定値にバラツキを生じる。
(3)−2スポンジに含有される導電性液体の水分が蒸
発して導電性が変化し,測定値にバラツキが生じやす
い。水分の蒸発を防ぐために製品(電極)を密封包装す
る必要があり,コスト高となる。
(3)−3電極を皮膚から剥離したときに導電性液体や
ゲルの一部が皮膚表面に付着・残留するため,これを清
拭する必要がある。
(3)−4スポンジ部分の面積を測定に充分な大きさに
設定すると,粘着シートを含む電極全体の面積が大きく
なるため,電極の使用範囲が限定される。コスト高にも
なる。
(4)特開昭51−124082号公報には,貼付剤に通常用い
られる粘着剤(ゴム系粘着剤;アクリレート系などの樹
脂系粘着剤)に金属などの無機導電性粒子を配合して得
られた導電性粘着剤の層が金属製の電極表面に設けられ
た医療用電極が開示されている。このような電極は
(3)の導電性液体を含むスポンジを粘着シートで圧接
する方式の電極と同様,皮膚表面に容易に固定すること
ができるうえ,粘着剤自身が導電性を有するため電極全
体を小型にすることが可能である。粘着剤は水分を含有
しないため,水分の蒸発による導電性の変化もない。ま
た,水分蒸発を防ぐための特殊包装を必要としない。し
かし,このような粘着剤およびそれを用いた電極は次の
ような欠点を有する: (4)−1粘着剤の導電性は,配合される導電性粒子の
配合量,粒度,分散状態などに影響され,計測に必要な
安定した導電性を有する粘着剤が得られにくい。また,
導電性粒子は大量に粘着剤中に配合しないと所定の導電
性が得られない。そのために,導電性微粒子を大量に粘
着剤中に配合すると粘着力が著しく低下する。
(4)−2この電極を用いると,粘着剤中の導電性粒子
と粘着剤との間隙に起因する電気的ノイズが混入しやす
い。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その目
的とするところは,各種医療用測定機器などに利用され
得,簡単な操作で皮膚の所定場所に貼付されうる医療用
電極を提供することにある。本発明の他の目的は,優れ
た導電性と粘着性とを有する粘着剤層が電極板表面に設
けられた医療用粘着電極を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は,上記電極に用いられうる,優れた
導電性と粘着性とを有し,かつ次の特徴を有する粘着剤
を提供することにある。
(1)粘着剤の構成成分として水が必須成分ではなく,
そのため水分蒸発により導電性の変化をきたさない粘着
剤; (2)内部凝集力に優れ,電極を剥離したあとに糊残り
のない粘着剤; (3)皮膚刺激性のない粘着剤;および (4)電極の使用目的に応じて粘着性や導電性の度合を
調整しうる粘着剤。
本発明のさらに他の目的は,上記導電性粘着剤が電極板
表面に設けられ,そして次の特徴を有する医療用粘着電
極を提供することにある。
(1)長時間使用しても皮膚表面から剥離せず,所定の
導電性を維持しるう電極; (2)電気的騒音が混入しにくい電極;および (3)簡単な構造でかつ,充分な性能を有し,低コスト
で製造されうる電極。
(問題点を解決するための手段) 本発明の医療用導電性粘着剤は,水および/もしくはア
ルコールに可溶なポリマーを主成分とする粘着基剤に4
級アンモニウム塩,有機酸アンモニウム塩,りん酸アン
モニウムナトリウムおよび硫酸アンモニウムからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアンモニウム塩からなる
アンモニウム化合物を均一に混合してなり,そのことに
より上記目的が達成される。本発明の医療用粘着電極
は,導電性粘着剤層が電極板の片面に設けられた医療用
粘着電極であって,該粘着剤が水および/もしくはアル
コールに可溶なポリマーを主成分とする粘着基剤に4級
アンモニウム塩,有機酸アンモニウム塩,りん酸アンモ
ニウムナトリウムおよび硫酸アンモニウムからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアンモニウム塩からなるア
ンモニウム化合物を均一に混合してなり,そのことによ
り上記目的が達成される。
本発明の医療溶導電性粘着剤に含有される粘着基剤は水
および/もしくはアルコールに可溶なポリマーを主成分
とする。このようなポリマーには,例えば,ポリビニル
ピロリドン,ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体,
アクリル酸アルキルエステル−ビニルピロリドン共重合
体,アクリル酸アルキルエステル−ジアセトンアクリル
アミド共重合体,アクリル酸アルキルエステル−アクリ
ル酸ヒドロキシアルキルエステル共重合体,ポリビニル
メチルエーテル,ビニルメチルエーテル−無水マレイン
酸共重合体,ポリアクリル酸,アクリル酸−アクリル酸
アルキルエステル共重合体,ポリビニルアルコール,部
分鹸化ポリビニルアルコール,ポリエチレンイミン,ヒ
ドロキシエチルセルローズなどがある。
粘着基剤には上記ポリマーのほかに可塑剤を含有する。
この可塑剤は水および/もしくはアルコールに可溶で上
記ポリマーと相溶性を有する液体もしくは固体である。
上記ポリマーを塗布して得られる被膜は硬く,その表面
は非粘着性であるが,上記可塑剤が加えられるとポリマ
ーが粘着性と粘弾性的性質を有するようになる。このよ
うな可塑剤には,グリセリン;ジグリセリン;プロピレ
ングリコール;α−ブチレングリコール,2・3−ブチレ
ングリコール,β−ブチレングリコールなどのブチレン
グリコール類;アミレングリコール類;1・5−ペンタン
ジオール;トリメチロールエタン;ジプロピレングリコ
ール;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコ
ール;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリ
コール;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブ
チルエーテル;ポリオキシプロピレンブチルエーテル;
アルキル硫酸トリエタノールアミン;ジエタノールアミ
ン;トリエタノールアミン;アミノアルキルプロパノー
ル;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド;脂肪
酸ジエタノールアミド;ソルビタンアルキルエーテル;
ソルビタンポリオキシエチレンアルキルエーテル;ジメ
チルアルキルベタインなどがある。特に,ジグリセリ
ン,グリセリンおよびポリプロピレングリコールが好適
に用いられる。可塑剤は2種以上混合されていてもよ
い。上記ポリマーと可塑剤との混合比率は,それぞれの
化学構造や調製すべき粘着剤の粘着性の度合,粘着剤層
の厚みなどにより異なるが,通常,ポリマー100重量部
あたり可塑剤が10〜100重量部,好ましくは30〜70重量
部である。可塑剤量が過少であると得られる粘着剤の粘
着性が低く,過剰であると粘着剤の流動性が大きすぎ
る。
このようにして得られる粘着基剤は粘着剤として充分な
粘着性を有してはいるが導電性をもたない。本発明の医
療用導電性粘着剤は上記粘着基剤のほかにアンモニウム
化合物が含有される。そのため,良好な導電性が付与さ
れる。このようなアンモニウム化合物としては4級アン
モニウム塩,有機酸アンモニウム塩,りん酸アンモニウ
ムナトリウムおよび硫酸アンモニウムからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアンモニウム塩が用いられる。
4級アンモニウム塩には,例えば,ドデシルトリメチル
アンモニウムクロライド,ヘキサデシルトリメチルアン
モニウムクロライド,オクタデシルトリメチルアンモニ
ウムクロライド,ベヘニルトリメチルアンモニウムクロ
ライド,ヤシアルキルトリメチルアンモニウムクロライ
ド,テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド,ジメチルアルキルベタインなどがある。有機酸ア
ンモニウム塩には,例えば,スルファミン酸アンモニウ
ム,サリチル酸アンモニウム,安息香酸アンモニウム,
クエン酸アンモニウム,琥珀酸アンモニウム,吉草酸ア
ンモニウムなどがある。上記アンモニウム化合物の上記
粘着基剤に対する混合比率は,それぞれの化学構造(特
にアンモニウム化合物の化学構造)や調製すべき粘着剤
の導電性および粘着性の度合により異なるが,通常,粘
着基剤100重量部あたり10〜100重量部,好ましくは25〜
55重量部である。過少であると充分な導電性が得られ
ず,過剰であると粘着性が低下する。本発明の粘着剤に
は上記粘着基剤およびアンモニウム化合物のほかに,こ
れらの成分の特徴に影響を与えない範囲で充填剤などが
含有されていてもよい。例えば,粘着剤中に水分を含有
させることが好ましい場合は,塩化マグネシウム,ソル
ビトール,砂糖,澱粉等を保水剤として添加することが
でき,この保水剤によって水分の含有量が蒸発によって
減少することなく一定に保たれるという効果が得られ
る。
本発明の医療用導電性粘着剤を得るには上記ポリマーと
可塑剤とを含有する粘着基剤に上記アンモニウム化合物
が混合される。通常,まず,ポリマーを含む溶液が調製
される。ポリマーが市販されている場合は,このポリマ
ーを適当な溶媒に溶解して得られる。ポリマーを新たに
調製する場合は,通常の溶液重合などの方法により所望
のポリマー溶液が得られる。このポリマー溶液に可塑剤
を添加して粘着基剤溶液が得られる。次に,この粘着基
剤溶液にアンモニウム化合物が加えられて粘着剤溶液が
得られる。アンモニウム化合物はそのまま,もしくは少
量の水やアルコールなどの溶媒に溶解して上記粘着基剤
溶液に加えられる。粘着剤溶液は,適宜,メチルアルコ
ールなどの溶媒を加えて希釈され,塗工もしくは流延に
適した粘度とされる。
粘着剤溶液中のポリマー,可塑剤およびアンモニウム化
合物の含有割合は,調製すべき粘着剤の粘着性と導電性
とを考慮して適宜定められる。例えば,まず,ポリマー
と可塑剤との混合比率を最高の粘着特性が得られるよう
に設定する。次に,粘着剤を用いて形成される電極の面
積や基板の材質なども考慮して最適な導電性が得られる
ようにアンモニウム化合物の添加量を定める。さらに,
そのアンモニウム化合物を加えることによって粘着特性
がどのように変化するかを実験的に確かめたうえで,上
記ポリマー,可塑剤およびアンモニウム化合物の含有割
合を最終的に定めるのが好適である。
粘着基剤溶液調製時やアンモニウム化合物添加時にジブ
チル錫ジラウレートなどの架橋剤を加えることも可能で
ある。架橋剤が加えられるとポリマーが架橋するため,
得られる粘着剤が水やアルコール系溶媒に難溶もしくは
不溶となる。このような粘着剤の層を設けた電極を使用
すると粘着剤の流動性が極度に抑制されるため,使用中
に位置がずれたり,周辺に粘着剤がはみ出して周辺を汚
したりすることが少なくなる。また何回も使用すること
も可能となってくる。
上記粘着剤溶液の溶媒を除去して得られる本発明の粘着
剤は優れた粘着性と導電性とを有する。このような導電
性粘着剤の層が導電性基材(電極板)の片面に設けられ
て医療用粘着電極が調製される。電極板の材質としては
錫,アルミニウム,ニッケル,銀やこれらの合金などが
用いられる。これら金属を厚さ30〜500μmの金属箔と
して,あるいは補強用裏打部材とのラミネート体として
電極板が形成される。補強用裏打部材には,例えば,ポ
リエチレンテレフタレート,ポリエチレン,ポリプロピ
レン,半硬質ポリ塩化ビニル,ナイロン,可塑化酢酸繊
維素などの樹脂でなるフィルム;再生繊維素フィルム;
あるいは天然繊維,合成繊維などを用いた紙,織布およ
び不織布;がある。補強用裏打部材自体がラミネート体
であってもよい。そのほか,例えば,織布表面に金属を
蒸着した導電性織布や表面に金属を蒸着した糸を編織し
た導電性織布も皮膚の屈伸に追従して変形可能であるた
め好適に用いられる。
粘着剤を電極板表面に設けるには,例えば,得られた粘
着剤溶液を上記導電性基材上に流延・乾燥する。粘着剤
溶液を剥離紙上に流延・乾燥した後,導電性基材表面に
転写してもよい。このようにして粘着剤層が形成された
導電性基材は,例えば,打抜加工に供され,所望の形状
の粘着電極が得られる。導電性基材を所望の形状に調製
してからこれに粘着剤層を形成してもよい。
本発明の粘着電極の一例を第1図〜第3図に示す。
第1図〜第3図の粘着電極1は,金属箔製電極板11と,
この電極板11の片面に設けた導電性粘着剤層13とを有す
る。電極板11の一端には突起部110が設けられ,これに
導線を介して図外の心電計などの医療用測定機器に電気
的に連結される。突起部110の導線の連結はクリップな
どを介して行われる。この突起部110には,その一部に
浅い切込み溝113が設けられている。この粘着電極1の
使用に際し,この切込み溝113にて突起部110を折り返
し,これに導線連結用のクリップなどをはさみつけるこ
とにより,クリップなどを皮膚に接触させることなく,
電極板11上の粘着剤層13を皮膚に密着させることができ
る。電極板としては,例えば,第4図および第5図に示
すように,金属箔212と裏打部材211とのラミネート体を
用いることもできる。電極が心電計用の電極である場合
には,電極板の直径は20〜40mmが好適である。粘着剤層
13もしくは23の厚みは200〜1,000μmである。その厚み
が比較的厚い場合には電極全体を所定の形状に保つため
に,第5図に示すように,補強材230を用いてもよい。
補強材としては,通常,ガーゼなどの粗いメッシュの織
布が利用される。この補強材230を用いた粘着電極3
は,例えば,上記補強材230に粘着剤溶液を含浸・乾燥
した後,これを電極板21表面に接着させることにより得
られる。
(作用) 本発明の医療用粘着剤は優れた導電性を有する。この粘
着剤の層を電極板表面に付与して得られた粘着電極に10
Hzの正弦波交流を100μA以下で通電すると,電極のイ
ンピーダンスは1cm2あたり100KΩ以下である。このよう
な導電性に優れた粘着電極を,例えば,心電図計などの
測定機器に利用すると良好な測定感度が得られる。粘着
剤は粘着性にも優れ,180゜折り返し法粘着力(JIS-Z-15
22)は400g/15mm,そしてボールタック値(医薬品製造
指針(1984)51頁)は14以上である。このように粘着力
に優れた粘着剤を用いた本発明の粘着電極は所定の皮膚
表面に簡単に接着・固定でき,固定用の補強手段を用い
ずとも長時間にわたり,皮膚表面へ密着させることが可
能である。水性ゲルを用いた従来の電極のように,使用
中に皮膚表面から浮き上がり測定値にバラツキを生じる
ことがない。粘着剤自体が導電性を有するため,導電性
ゲルを粘着シートで固定する形態の従来の電極のように
大型になることがなく,小型でかつ簡単な形状であって
も性能を有する電極が形成されうる。そのため,電極が
安価に提供されうる。粘着剤には水を可塑剤や電解質の
溶媒として含有する必要がないため,電極の使用中ある
いは保存中に水の蒸発により導電性が変化して,測定値
に影響を与えることがない。さらに,金属粉末などを含
有しないため電気的なノイズの混入もほとんど認められ
ない。粘着剤の内部凝集力も大きいため,いわゆる糊残
り現象を生じることがない。皮膚刺激性もないため電極
を長時間皮膚に貼付しても粘着剤によるかぶれが生じに
くい。粘着剤に含有されるポリマー,可塑剤,アンモニ
ウム化合物などの組成を調整することにより,所望の度
合の導電性や粘着性を有する粘着剤が得られうる。その
ため,使用目的に応じた粘着性や導電性を有する電極が
調製され得る。このような電極は各種医療用測定機器や
治療器などに広く用いられる。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
実施例1 (A)粘着剤溶液の調製:ポリビニルピロリドン(Koll
idon K-90;商品名)20%を含有するメチルアルコール溶
液を調製した。これに上記ポリビニルピロリドン100重
量部に対して可塑剤としてジグリセリン60重量部を加え
て粘着基剤溶液を得た。さらにアンモニウム化合物とし
てドデシルトリメチルアンモニウムクロライド40重量部
を加えて粘着剤溶液を得た。粘着剤溶液の全溶質成分は
28重量%である。
(B)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:(A)
項で得られた粘着剤溶液を厚さ50μmの不溶化ポリビニ
ルアルコールフィルム基材上に乾燥後の厚さが40μmと
なるように流延し乾燥させた。このようにして得られた
粘着シートの粘着物性を下記の方法により(1)180゜
折り返し法粘着力,(2)ボールタック値および(3)
凝集破壊性について試験した。180゜折り返し法粘着力
は500g/15mm幅,ボールタック値は21であり,凝集破壊
は認められなかった。
(1)180゜折り返し法粘着力:(B)項で得られた粘
着シートを幅15mm,長さ約180mmに切断し粘着テープを得
た。この粘着テープをサンドペーパー(JIS #280)で
研摩したステンレス鋼板(5cm×10cm)面に約80mmの長
さにわたって貼付し,2kgのゴム張りのローラーを用い1
往復して圧着した。圧着後,21℃で30分間放置した後,
その一端を180゜折り返して300mm/分の定速強制剥離を
行い,このときの粘着力をテンシロン剥離力テスターで
測定した(JIS-Z-1522)。
(2)ボールタック値:(B)項で得られた粘着シート
を幅約30mm,長さ約120mmに切断し粘着テープを得た。室
温でこの粘着テープの粘着面を外側にして傾斜が30゜で
30cm以上の斜面を有する傾斜面に固定した。接着面の斜
面上部から下方に向かってほぼ中程の部分を,20μmの
厚さのセロハンフィルムで覆った。その境界線から斜面
上へ100mmの個所から,清浄に拭かれたボールベアリン
グ球を自然転走させた。粘着面と非粘着面の境界線から
100mm以内で自然停止する球のうちの最大球の直径(1
/32インチ単位とし,その分子の数をもって示す;例え
ば15/32インチであれば15)をボールタック値とした
(医薬品製造指針(1984)51頁)。
(3)凝集破壊性:180゜折り返し法粘着力を測定したと
きにステンレス鋼板表面に粘着剤の一部が残留するか否
かを調べた。粘着剤が残留した場合は凝集破壊が生じた
と判断する。
(C)粘着剤層の導電性評価:導電性基材として厚さ50
μmのポリエチレンテレフタレート延伸フィルムと厚さ
20μmの錫箔とのドライボンド法によるラミネート板を
用いた。剥離紙上に(A)項で得られた粘着剤溶液を乾
燥後の厚みが400μmとなるように塗布・乾燥して約4cm
×4cmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層をラミネー
ト板の錫表面に転写した。別に同質のラミネート板を2c
m×3cmの大きさに切り取り,その長手方向の一端部を端
部から1cmの位置でポリエチレンテレフタレート面側へ9
0゜折り返した。これを上部電極とし,2cm×2cmの正方形
の錫表面部分を上記粘着剤層に密着させた。最初に粘着
剤層が形成されたラミネート板を下部電極とし,上部電
極と下部電極との錫箔間に10Hzで10mVの正弦電圧を印加
した。電圧印加時の電流値(μA)を測定し,その値
(I)を用いて下式から1cm2当たりの電気抵抗(インピ
ーダンス;R)を算出した: インピーダンスは41.9KΩであった。
比較例1 (A)粘着剤溶液の調製:実施例1(A)項の粘着基剤
溶液を粘着剤溶液とした。
(B)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本比較
例(A)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は530g/15m
m,ボールタック値は23であり,凝集破壊は認められなか
った。
(C)粘着剤層の導電性評価:本比較例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは1,000K
Ω以上であった。
実施例1および比較例1から,本発明の粘着剤(実施例
1)は従来の粘着剤(比較例1)と粘着物性に関しては
ほぼ同等であり,かつ従来の粘着剤にはみられない高い
導電性を示すことが明らかである。
実施例2 (A)粘着剤溶液の調製:ポリビニルピロリドン(Koll
idon K-90)20%を含有するメチルアルコール溶液を調
製した。これに上記ビニルピロリドン100重量部に対し
て可塑剤としてジグリセリン70重量部を加えて粘着基剤
溶液を得た。クエン酸アンモニウム50重量部を180重量
部の水に溶解し,これを上記粘着基剤溶液に加えて粘着
剤溶液を得た。粘着剤溶液の全溶質成分は28重量%であ
る。
(B)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本実施
例(A)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は560g/15m
m,ボールタック値は24であり,凝集破壊は認められなか
った。
(C)粘着剤層の導電性評価:本実施例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは39.6K
Ωであった。
比較例2 (A)粘着剤溶液の調製:実施例2(A)項の粘着基剤
溶液を粘着剤溶液とした。
(B)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本比較
例(A)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は550g/15m
m,ボールタック値は24であり,凝集破壊は認められなか
った。
(C)粘着剤層の導電性評価:本比較例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは1,000K
Ω以上であった。
実施例3 (A)粘着剤溶液の調製:ポリビニルピロリドン(Koll
idon K-90)20%を含有するメチルアルコール溶液を調
製した。別にポリアクリル酸20%を含有する水溶液に調
製し,これを上記メチルアルコール溶液に,ポリビニル
ピロリドン100重量部に対してポリアクリル酸が5重量
部となるように加えた。さらに,ポリプロピレングリコ
ール(ユニオールP-400;商品名)120重量部を加えて粘
着基剤溶液を得た。これにイオン架橋剤としてジブチル
錫ジラウレート5重量部,そしてアンモニウム化合物と
してジメチルアルキルベタイン(アノンBF;商品名)60
重量部を加えた。さらにメチルアルコールで希釈し,全
溶質成分が38重量%の粘着剤溶液を得た。
(B)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本実施
例(A)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は610g/15m
m,ボールタック値は25であり,凝集破壊は認められなか
った。
(C)粘着剤層の導電性評価:本実施例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは37.2K
Ωであった。
比較例3 (A)粘着剤溶液の調製:実施例3(A)項の粘着基剤
溶液を粘着剤溶液とした。
(B)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本比較
例(A)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は640g/15m
m,ボールタック値は26であり,凝集破壊は認められなか
った。
(C)粘着剤層の導電性評価:本比較例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは1,000K
Ω以上であった。
実施例4 (A)粘着剤溶液の調製:平均重合度500のポリエチレ
ンイミン50%を含有する水溶液を調製した。別に平均重
合度400のポリビニルアルコール(PVC)20%を含有する
水溶液を調製し,これを上記ポリエチレンイミン水溶液
に,ポリエチレンイミン70重量部に対してPVCが30重量
部となるように,加えた。さらに平均重合度20のポリエ
チレングリコール20重量部を加えて粘着基剤溶液を得
た。これにアンモニウム化合物としてヘキサデシルトリ
メチルアンモニウムクロライド30重量部を加え,さらに
硫酸アンモニウム30重量部を水80重量部に溶解した水溶
液を加えた。これをメチルアルコールで希釈し,全溶質
成分が38重量%の粘着剤溶液を得た。
(B)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本実施
例(A)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は460g/15m
m,ボールタック値は15であり,凝集破壊は認められなか
った。
(C)粘着剤層の導電性評価:本実施例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは44.2K
Ωであった。
比較例4 (A)粘着剤溶液の調製:実施例4(A)項の粘着基剤
溶液を粘着剤溶液とした。
(B)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本比較
例(A)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は450g/15m
m,ボールタック値は18であり,凝集破壊は認められなか
った。
(C)粘着剤層の導電性評価:本比較例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは1,000K
Ω以上であった。
実施例5 (A)ポリマーの合成:アクリル酸ブチル50g,N−ビニ
ル2ピロリドン130gおよびポリエチレングリコールジメ
タクリレート(NKエステル4G;商品名)0.1gを反応容器
に仕込み,エチルアルコールを加えて70%溶液とした。
アゾビスイソブチルニトリル0.4gに酢酸エチル100mlを
加えて触媒溶液を調製し,これを用いて通常の溶液重合
法により加熱・撹拌し重合反応を開始させた。重合反応
開始後,適宜エチルアルコールにより希釈して粘度制御
を行いながら60℃で30時間,さらに70℃で8時間反応液
の撹拌を継続した。その結果,ポリマー濃度37.0%,21
℃での粘度が約24,000cpsの白濁した粘稠なポリマー溶
液が得られた。
(B)粘着剤溶液の調製:本実施例(A)項で得られた
ポリマー溶液100重量部(ポリマー重量換算)に可塑剤
としてジグリセリンおよびブチレングリコールをそれぞ
れ25重量部および20重量部加えて粘着基剤溶液を得た。
これにドデシルトリメチルアンモニウムクロライド30重
量部を加え,さらに安息香酸アンモニウム20重量部を水
80重量部に溶解した水溶液を加えた。これをメチルアル
コールで希釈し,全溶質成分が40重量%の粘着剤溶液を
得た。
(C)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価;本実施
例(B)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は620g/15m
m,ボールタック値は23であり,凝集破壊は認められなか
った。
(D)粘着剤層の導電性評価:本実施例(B)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは47.4K
Ωであった。
比較例5 (A)ポリマーの合成:実施例5(A)項と同様であ
る。
(B)粘着剤溶液の調製:実施例5(B)項の粘着基剤
溶液を粘着剤溶液とした。
(C)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本比較
例(B)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は630g/15m
m,ボールタック値は24であり,凝集破壊は認められなか
った。
(D)粘着剤層の導電性評価:本比較例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは1,000K
Ω以上であった。
実施例6 (A)ポリマーの合成:アクリル酸ブチル45重量部,ア
クリル酸2ヒドロキシプロピル130重量部およびメタク
リル酸グリシジル5重量部を反応容器に仕込み,エチル
アルコールを加えて70%溶液とした。実施例5(A)項
の方法に準じて重合反応を行い,ポリマー濃度38.4%,2
1℃での粘度が約20,000cpsの透明なポリマー溶液を得
た。
(B)粘着剤溶液の調製:本実施例(A)項で得られた
ポリマー溶液100重量部(ポリマー重量換算)に可塑剤
としてポリプロピレングリコール(ユニオールSH-500;
商品名)40重量部を加えて粘着基剤溶液を得た。これに
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド30gを
加え,さらにスルファミン酸アンモニウム10重量部を水
40重量部に溶解した水溶液を加えた。これをメチルアル
コールで希釈した全溶質成分が40重量%の粘着剤溶液を
得た。
(C)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本実施
例(B)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は430g/15m
m,ボールタック値は21であり,凝集破壊は認められなか
った。
(D)粘着剤層の導電性評価:本実施例(B)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは51.8K
Ωであった。
比較例6 (A)ポリマーの合成:実施例6(A)項と同様であ
る。
(B)粘着剤溶液の調製:実施例6(B)項の粘着基剤
溶液を粘着剤溶液とした。
(C)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本比較
例(B)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は410g/15m
m,ボールタック値は18であり,凝集破壊は認められなか
った。
(D)粘着剤層の導電性評価:本比較例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは1,000K
Ω以上であった。
実施例7 (A)ポリマーの合成:メチルビニルエーテル−無水マ
レイン酸共重合体(GANTREZ-139;商品名)100重量部お
よびアミノメチルプロパノール50重量部をメチルアルコ
ール中,60℃で5時間反応させた。得られたポリマー溶
液のポリマー濃度は40%であった。
(B)粘着剤溶液の調製:本実施例(A)項で得られた
ポリマー溶液60重量部(ポリマー重量換算)にポリビニ
ルピロリドン(Kollidon K-90)の20%メチルアルコー
ル溶液をポリビニルピロリドンが40重量部となるように
加えた。次に可塑剤としてジグリセリンおよび平均分子
量8,000のポリプロピレングリコールをそれぞれ35重量
部ずつ加えて粘着基剤溶液を得た。これにヤシアルキル
トリメチルアンモニウムクロライド30重量部を加えた。
別にクエン酸アンモニウムとリン酸アンモニウムナトリ
ウムの50%水溶液のそれぞれ調製し,クエン酸アンモニ
ウムおよびリン酸アンモニウムナトリウムの量がそれぞ
れ20重量部となるように上記溶液に加えた。これをメチ
ルアルコールで希釈し,全溶質成分が38重量%の粘着剤
溶液を得た。
(C)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本実施
例(B)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は570g/15m
m,ボールタック値は26であり,凝集破壊は認められなか
った。
(D)粘着剤層の導電性評価:本実施例(B)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは36.5K
Ωであった。
比較例7 (A)ポリマーの合成:実施例7と同様である。
(B)粘着剤溶液の調製:実施例7(B)項の粘着基剤
溶液を粘着剤溶液とした。
(C)粘着剤層の形成および粘着力の性能評価:本比較
例(B)項で得られた粘着剤溶液を用い実施例1(B)
項に準じて行った。180゜折り返し法粘着力は590g/15m
m,ボールタック値は26であり,凝集破壊は認められなか
った。
(D)粘着剤層の導電性評価:本比較例(A)項で得ら
れた粘着剤溶液を用いて実施例1(C)項に準じて粘着
剤層を形成し,測定を行った。インピーダンスは1,000K
Ω以上であった。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,優れた導電性と粘着性と
を有する粘着剤が得られる。この粘着剤を電極板上に付
与して得られた医療用電極は皮膚表面へ簡単に貼付され
得,固定用の補助手段を必要としない。その高い導電性
ゆえ,電極を医療用測定機器に用いると精度の高い測定
値が得られる。粘着剤自体が導電性を有するため,簡単
な構成で小型の電極が形成され得,そのため電極が安価
に供給されうる。粘着剤には可塑剤や電解質の溶媒とし
て水を含有させる必要がないため,電極の使用中あるい
は保存中に水の蒸発による導電性の変化がなく,したが
って測定値が正確に得られる。また,水の蒸発を防止す
るための特殊な包装を必要としない。電気的なノイズの
混入もほとんど認められない。粘着剤の内部凝集力も大
きいため,糊割れ現象や糊残りの現象が生じない。粘着
剤は皮膚刺激性がないため,電極を長時間皮膚に貼付し
てもかぶれを生じにくい。粘着剤の粘着性や導電性は所
望の度合に調整されうるため,目的に応じた電極が得ら
れる。このような皮膚電極は各種医療用測定装置や治療
器に利用され得,簡単かつ正確に所望の測定がなされう
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ本発明の医療用粘着電極
の一例を示す平面図および底面図,第3図はその側面
図,そして第4図および第5図はそれぞれ本発明の医療
用粘着電極の他の例を示す側面図である。 1,2,3……粘着電極,11,21……電極板,13,23……導電性
粘着剤層,110,210……突起部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水および/もしくはアルコールに可溶なポ
    リマーを主成分とする粘着基剤に4級アンモニウム塩,
    有機酸アンモニウム塩,りん酸アンモニウムナトリウム
    および硫酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なく
    とも一種のアンモニウム塩からなるアンモニウム化合物
    を均一に混合してなる医療用粘着剤。
  2. 【請求項2】前記粘着基剤が可塑剤を含有する特許請求
    の範囲第1項に記載の粘着剤。
  3. 【請求項3】導電性粘着剤層が電極板の片面に設けられ
    た医療用粘着電極であって, 該粘着剤が水および/もしくはアルコールに可溶なポリ
    マーを主成分とする粘着基剤に4級アンモニウム塩,有
    機酸アンモニウム塩,りん酸アンモニウムナトリウムお
    よび硫酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくと
    も一種のアンモニウム塩からなるアンモニウム化合物を
    均一に混合してなる医療用粘着電極。
  4. 【請求項4】前記粘着基剤が可塑剤を含有する特許請求
    の範囲第3項に記載の電極。
  5. 【請求項5】前記粘着剤層の粘着剤が架橋処理されたも
    のである特許請求の範囲第3項に記載の電極。
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