JPH066908B2 - 熱併給発電設備 - Google Patents

熱併給発電設備

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JPH066908B2
JPH066908B2 JP27875086A JP27875086A JPH066908B2 JP H066908 B2 JPH066908 B2 JP H066908B2 JP 27875086 A JP27875086 A JP 27875086A JP 27875086 A JP27875086 A JP 27875086A JP H066908 B2 JPH066908 B2 JP H066908B2
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water
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正敏 久留
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ガスタービン又はガスエンジンを有する発電
設備又は熱併給発電設備に関する。
従来の技術 従来技術の概念を第4図に示す。低圧空気圧縮機1、高
圧空気圧縮機5及び発電機9は、ガスタービン燃焼器6
から供給される燃焼ガスによって駆動されるガスタービ
ン10と同軸に接続されており、ガスタービン10を動力源
として運転される。ガスタービン燃焼器6において燃料
を燃焼させるために必要な空気は、低圧空気圧縮機1か
ら吸入されて圧縮され、出口空気ダクト2を通って中間
空気冷却器3に送られる。ここで冷却された圧縮空気は
出口空気ダクト4を通って高圧空気圧縮機5に送られ、
所定の圧力まで圧縮されてガスタービン燃焼器6に供給
される。ガスタービン燃焼器6に供給された圧縮空気
は、燃料ライン7から供給される燃料を燃焼させて燃焼
ガスを生成し、ガスタービン10を駆動させてから排気ダ
クト11を経て煙突16から大気に放出される。このような
発電設備で使用されるガスタービン10は、燃焼ガスを圧
縮機吐出空気で希釈してタービンの許容温度まで減温す
ることと、同時にその空気をタービン駆動流体としても
利用する狙いから、空気比(理論燃焼空気量に対する実
際の燃焼空気量の比率を示す)を通常3〜4(理論空気
量の3〜4倍の空気量で燃焼)程度と大きくしてある。
このような空気比の設定は、排気ガス量を増大させるこ
とになり、圧縮機の駆動に大きな動力を要すること、機
器を大型化させること、排ガス量が大きいこと、熱損失
が大きいこと、及びNOxの発生量が増大すること等種々
の欠点を伴う。
上述したような発電設備に対して、従来よりスプレイラ
イン8を設けてガスタービン燃焼器6に水を注入する方
法が実施されており、その目的は、ガスタービン燃焼器
で発生するNOxの抑制及びガスタービンの出力増加にあ
る。しかし、この注水は系外から供給されるものであ
り、燃焼ガスと共に熱回収されないまま煙突から大気に
放出されている。なお、複合発電設備においては、図示
を省略した排熱回収ボイラに供給されて蒸気タービンを
駆動する。
また、中間空気冷却器3において、第4図に示すように
冷却水を導入循環して冷却する場合はその伝熱量が熱損
失となり、図示を省略した注水による直接冷却の場合
は、高圧空気圧縮機5の通過流体量が増大する。
発明が解決しようとする問題点 前述の従来例によれば、下記の問題点があった。
(1)系外からの給水をガスタービン燃焼器に注入し、
燃焼ガスと共に大気に放出されることから、注水量相当
の補給水を必要とするため補給水量が膨大となる。従っ
て、このような運転は不可能となるか、運転コストの増
大を招く。
(2)ガスタービン排気を直接大気へ放出する場合に
は、排気熱損失が大きいためガスタービン発電設備の効
率は著しく低い。
(3)複合発電方式を採用し、排熱回収ボイラでガスタ
ービン排気保有熱を回収して蒸気タービン発電を行う場
合でも、蒸気タービンサイクルの効率が30%以下と低い
ため発電プラントの総合効率はせいぜい45%程度が限度
である。
(4)中間空気冷却器の交換熱量は冷却水に棄てられる
ためガスタービン効率が低下する。また、中間空気冷却
器に直接水を注入して冷却する場合には、高圧空気圧縮
機を通過する流体量が増加するため圧縮機所要動力も増
加して効率低下となる。なお、燃料投入量を増加しても
出力はほとんど増加しない。
(5)空気比(理論空気量に対する実際の燃焼空気量の
比率)が通常3〜4と大きいので圧縮機所要動力が大き
く、また排気損失も大きい。従って、効率が低く出力も
少ない。
(6)空気比が大きいためNOxの発生量が多く、脱硝装
置等の設置が必要となり建設費が増大する。
問題点を解決するための手段 本発明は、前述の問題点を解決するもので、ガスタービ
ン燃焼器の燃焼ガス出口温度を制御する蒸気又は水を供
給するスプレイラインを具備し、前記ガスタービン燃焼
器に供給する燃焼用空気の空気比を2以下とするガスタ
ービン熱併給発電設備において、ガスタービンの排気側
に直列に設置される排気熱回収装置及び排ガス凝縮器
と、前記排ガス凝縮器で凝縮した排ガス中のドレンを回
収するドレンタンクと、低圧空気圧縮機で圧縮された燃
焼用空気を冷却する中間空気冷却器とを具備し、前記ド
レンタンクに回収したドレンを前記排気熱回収装置及び
前記中間空気冷却器へ前記ガスタービン燃焼器の燃焼ガ
ス出口温度及び前記中間空気冷却器の出口空気温度がそ
れぞれ所定の温度となるように供給して熱回収を行い、
この時発生する蒸気または高温水を前記スプレイライン
を介して前記ガスタービン燃焼器に供給する構成とした
ことを特徴とする、熱併給発電設備である。
作用 前述の手段によれば、燃焼ガスの減温に利用すると同時
にタービン駆動流体としても利用する目的で空気比を大
きくている従来構造とは異なり、空気比が2以下の略理
論空気量に近い空気量で燃焼させて排気ガスの発生量を
最少限としているので、空気圧縮機の動力も最少限とな
る。
そして、排ガス凝縮機で凝縮したドレンは、排気熱回収
装置及び中間空気冷却器への給水として供給されて熱回
収(ガスタービン排気保有熱の回収)を行い、そこで発
生した蒸気又は高温水をガスタービン燃焼器の燃焼ガス
出口温度制御やガスタービン駆動流体として利用する。
即ち、タービン駆動流体は燃焼ガスから蒸気主体とな
る。従って、圧縮機が必要とする駆動力は大幅に低下
し、圧縮機及びガスタービン共に小型化が可能となるだ
けでなく、NOxの発生量や排ガス量も最小となる等、設
備の経済性、性能の向上及び環境問題の軽減が図られ
る。
また、上述した蒸気又は高温水は、再び排ガス凝縮器で
ドレンとして回収されるだけでなく、余剰の給水、蒸気
又は高温水を他の系に供給することも可能であるため、
熱損失の僅少な熱併合発電設備ともなる。
実施例 第1図に本発明の第1実施例を示して説明する。低圧空
気圧縮機1、高圧空気圧縮機5及び発電機9はガスター
ビン10と同軸に接続されており、ガスタービン10を動力
源として運転される。ガスタービン10の一部を構成する
ガスタービン燃焼器6に燃料ライン7から供給される燃
料(LNG等)の燃焼用空気は、低圧空気圧縮機1に吸入
されて圧縮され、出口空気ダクト2を通って中間空気冷
却器3に送られる。ここで冷却された燃焼用空気は、出
口空気ダクト4を通って高圧空気圧縮機5に送られ、所
定の圧力まで圧縮されてガスタービン燃焼器6に供給さ
れる。なお、空気比は安定燃焼が確保できる最低限と
し、通常2以下となる。燃焼によって生成された燃焼ガ
スは、スプレイライン8から供給される水又は蒸気によ
って温度制御されてガスタービン10に送られる。ガスタ
ービン10を駆動した燃焼ガスは、排気ダクト11を経て熱
回収装置12に到り、給水加熱により保有熱が回収され
る。さらに出口ガスダクト13を経て排ガス凝縮器14に送
られ、含有水分をドレン化して回収後出口ダクト15を経
て煙突16より大気に放出される。
排ガス凝縮器14では、冷却水ポンプ30で供給される冷却
水または図示を省略した空気によって燃焼ガスが冷却さ
れ、水分(湿分)はドレン化してドレンタンク17に回収
される。ドレンタンク17への補給水が必要な場合には補
給水ライン33より供給することができ、補給水量制御弁
32によって制御される。また、ドレンタンク17に沈澱し
たスラッジ等の不純物は、ブローライン19より排出され
る。
ドレンタンク17に回収されたドレンは給水ポンプ20で昇
圧され、燃焼器出口温度制御弁22で制御されてから排気
熱回収装置12及び中間空気冷却器3へ供給される。排気
熱回収装置12へ供給される給水量は、中間空気冷却器3
の出口温度が所定温度になるように、温度コントローラ
26に連動する給水制御弁25によって制御される。すなわ
ち、中間空気冷却器3へ給水ライン27を経て供給される
給水量は、中間空気冷却器3の出口における燃焼用空気
温度が所定温度となるように制御される。排気熱回収装
置12及び中間空気冷却器3において熱交換によって生成
された蒸気又は高温水は、各々排気熱回収装置出口給水
管29及び中間冷却器出口給水管28を経て混合され、スプ
レイライン8を通ってガスタービン燃焼器6に送られる
分と、補助蒸気として制御弁34を設けた補助蒸気ライン
35を通って系外に供給される分とに分かれる。
なお、ガスタービン燃焼器6に送られた蒸気又は高温水
は、ガスタービン燃焼器6に投入されて燃焼ガスの温度
制御を行ない、燃焼ガスと共にガスタービン10の駆動流
体ともなる。この時の燃焼ガス中には、投入された蒸気
又は高温水(全発生ガス量の約20wt%)と燃料中の水素
が燃焼して生成する湿分(全発生ガス量の約10wt%)と
の合計約30wt%の湿分が含まれており、40℃程度まで冷
却すれば概略下記のようにほとんど凝縮する。従って、
造水プラントとしての機能を有している。
湿分30wt%は乾ガス1kg当り約0.44kgの湿分を含有する
ことに相当し、40℃における飽和湿分は乾ガス1kg当り
約0.05kgである。従って、その差である0.39kg、すなわ
ち27wt%(30wt%×0.39kg/0.44kg≒27wt%)がドレン
として回収され、燃焼ガス中に投入された20wt%との差
である7wt%が余分に生成されたことになる。
このようにして造水された湿分は、前述したように補助
蒸気ライン35から系外に供給することもできる。さら
に、他の系への供給量が造水分だけでは不足の場合、必
要に応じてドレンタンク17に排ガス凝縮器を経て補給水
を補給して供給量の増加をはかることも可能である。
第2図は蒸気又は温水の熱併給を必要としない場合、す
なわち制御弁34及び補助蒸気ライン35が不要な場合を示
す第2実施例である。この場合、ドレンタンク17への補
給水も不要となり、第1図に示した補給水量制御弁32、
補給水ライン33は削除されている。
第3図は中間空気冷却器3′に直接水を注入して冷却す
る場合を示した第3実施例である。
なお、ここで説明した実施例はガスタービンを動力源と
してあるが、ディーゼルエンジン等の内燃機関を動力源
とする熱併給発電設備においても本発明を適用すること
ができる。また、燃焼用として使用した圧縮空気にかえ
て、酸素または酸素富化空気を使用することもできる。
発明の効果 前述の本発明によれば、下記の効果を得ることができ
る。
(1)空気比低減により空気圧縮機の消費動力が低減す
る。例えば空気比を3から1.5に減らすことにより約50
%の所要動力が低減できる。
(2)空気比低減により排ガス熱損失及び中間空気冷却
熱損失が低減され効率が向上する。例えば空気比を3か
ら1.5に減らすことにより熱損失はほぼ半減する。
(3)排熱回収装置で熱回収した回収ドレンをガスター
ビン燃焼器に投入することにより、優れた温度制御によ
る高い安全性と低NOx性能を得ることができる。
(4)ガスタービン出口に設置する回収ドレン給水方式
の排気熱回収装置を設置して排気熱の回収を行なうの
で、排気熱の損失が著しく低下する。
(5)補給水不要の運転が可能なだけでなく、造水機能
によって生じた余剰分を他系に供給することも可能であ
る。しかも、熱損失の僅少な熱併給発電設備を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す図、第2図は本発明
の第2実施例を示す図、第3図は本発明の第3実施例を
示す図、第4図は従来例を示す図である。 1…低圧空気圧縮機、3,3′…中間空気冷却器、5…
高圧空気圧縮器、6…ガスタービン燃焼器、8…スプレ
イラン、9…発電機、10…ガスタービン、12…排気熱回
収装置、14…排ガス凝縮器、17…ドレンタンク。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスタービン燃焼器の燃焼ガス出口温度を
    制御する蒸気又は水を供給するスプレイラインを具備
    し、前期ガスタービン燃焼器に供給する燃焼用空気の空
    気比を2以下とするガスタービン熱併給発電設備におい
    て、ガスタービンの排気側に直列に設置される排気熱回
    収装置及び排ガス凝縮器と、前記排ガス凝縮器で凝縮し
    た排ガス中のドレンを回収するドレンタンクと、低圧空
    気圧縮機で圧縮された燃焼用空気を冷却する中間空気冷
    却器とを具備し、前記ドレンタンクに回収したドレンを
    前記排気熱回収装置及び前記中間空気冷却器へ前記ガス
    タービン燃焼器の燃焼ガス出口温度及び前記中間空気冷
    却器の出口空気温度がそれぞれ所定の温度となるように
    供給して熱回収を行い、この時発生する蒸気または高温
    水を前記スプレイラインを介して前記ガスタービン燃焼
    器に供給する構成としたことを特徴とする、熱併給発電
    設備。
JP27875086A 1986-11-25 1986-11-25 熱併給発電設備 Expired - Lifetime JPH066908B2 (ja)

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