JPH0668966B2 - 大気中のガス状化学物質を分析する方法および装置 - Google Patents

大気中のガス状化学物質を分析する方法および装置

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JPH0668966B2
JPH0668966B2 JP63132521A JP13252188A JPH0668966B2 JP H0668966 B2 JPH0668966 B2 JP H0668966B2 JP 63132521 A JP63132521 A JP 63132521A JP 13252188 A JP13252188 A JP 13252188A JP H0668966 B2 JPH0668966 B2 JP H0668966B2
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エイ.マクラッキイ スコット
エル グリシュ ゲイリイ
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マーチン・マリエッタ・エナジー・システムズ・インク
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    • G01N27/62Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode
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Description

【発明の詳細な説明】 <発明の背景> この発明はグロー放電イオン化源に関し、より具体的に
は、減圧下にて作動し周囲空気に含まれるガス状サンプ
ルを直接受け入れることができるグロー放電イオン化源
に関するものである。特にこの発明は、大気中のサンプ
ルに含まれるガス状物質を検出し分析する方法と装置を
提供するものである。
この種の従来装置は、非常に大型のポンプ装置を要し且
つ保守管理を度々行わなければならなかったり、或い
は、感度が低く且つイオン源と質量分析計との間の接触
面においてしばしば目詰まりが生じるかのいづれかの欠
点を有していた。質量分析計は高度の減圧下で作動する
ため、分析に必要のない大量の大気ガスを含ませないで
必要な分子を充分に含んでいる空気のサンプルを得る事
は困難である。更に、従来の大気イオン化装置では無差
別のイオン化を達成させることも困難である。
稀薄なガスサンプルを分析する試みもなされたが不満足
な結果に終わっている。大気圧イオン化(API)源にお
いては、真の熱的及び化学的平衡が得られるために、熱
力学的に最も安定なイオンのみが観察される。従って、
安定性に欠けるイオンは厳密に区別(giscrimination)
されうる。上記のAPI装置の比較的高い作動圧は、主た
る損失となるイオンとイオンの再結合の確率を増加さ
せ、更に、クラスタリング(clustering)を増加させる
傾向もある。加えて、API源は一次イオン化電子の量
か、或いは、イオン化電子を形成する針(ニードル)の
寿命のいづれかによって制限される。前者の制限は比較
的高いサンプル濃度でイオン化飽和を導出し、且つ大幅
に変化する濃度において2つの成分が存在するときイオ
ン化の区別に寄与する。また、イオン化電子を生成する
ニードルの耐用年数には制限がある為、日常的な、長期
継続使用としてこの種の装置を使用する事は出来ない。
API源を使用するに当たり、サンプル物質はイオン化電
子が生成される領域を通過する。これらのイオン化電子
は、適当な物質(例えば、63Ni又は3H)からのベータ粒
子放出によって、或いは、1本をニードルとした2本の
電極の間にコロナ放電を達成させることによって、発生
させることができる。イオン化電子との相互作用の後、
イオン化した分子とその荷電生成物は質量分析計に送り
込まれる。
大気圧で生じるコロナ放電は、長期間作動することは出
来ず、直ぐに保守点検が必要になる。放電ニードルは焼
切れのために24時間〜48時間毎に取り替えなければなら
ない。このことは遠隔監視装置のためだけでなく連続作
動装置のためにも大きな欠点となる。
その上、従来のAPI源は小さな開口を使用するので、こ
れが目詰まりを引き起こし易くし、複雑な「ガスのカー
テン」を使用しなければならなくなる。この点につい
て、アメリカ特許第4137750号はガスカーテンを用いた
微量成分の分析装置を開示している。このガスカーテン
はサンプルガス反応室と質量分析計との間に形成され
る。微量成分を含んだサンプルガスは、大気圧に維持さ
れた反応室内でイオン化される。イオン化された微量成
分は電界によってガスカーテンを通って泳動させられ、
サンプルガスから分離される。ガスカーテンは大気圧以
上の気圧に維持されて、質量分析計の中にサンプルガス
が洩れて入り込まないようにしなければならない。
さらには、従来装置においては、ベータ・エミッタを用
いるAPI源の感度は、微量大気ガスサンプリングには適
切ではなかった。その理由はベータ・エミッターの放射
性に起因し、これが、安全に処理できる量、さらにはイ
オン化の電子の数を制限する。
異なるイオン化源、即ち化学的イオン化(CI)源は、減
圧(subatmospheric Pressure)で作動すると共に、コ
ロナ放電API源と同じように電子源を度々構成し直さな
ければならない。CIは主として有機化学的分析に使用さ
れ、直接大気サンプルには用いられない。
質量分析計のためのグロー放電イオン化源はこれまで無
機化学的分析だけに用いられてきた。代表的な例とし
て、電極を固体無機物質のごとき固体サンプルより形成
することが必要である。従来のイオン源電極の構成とし
てはW.W.Harrison等の論文“Glow Discharge Mass Spec
trometry",Analytical Chemistry,Vol.58,No.2,341A〜
356A頁,1986年2月)に開示されている。
この技術分野においては、高い感度を有しかつ不安定な
イオンに対して区別する傾向の少ない大気ガスサンプル
装置とともに用いるイオン化源の出現が要請されてい
る。加えて、長時間保守を必要とすることなく遠隔地で
操作出来る持ち運び可能なモニター装置の実現も要請さ
れている。更に、周囲環境から直接ガス状サンプルを受
入れ、減圧で作動できるイオン化源の出現も待たれてい
る。
<発明の要約> この発明の目的は、質量分析計または荷電粒子を分析す
るその他の分析装置とともに使用するガス状サンプルの
イオン化室を提供することである。
この発明の別の目的は、通常の大気ガスの存在下で分析
されるべき物質をイオン化するための装置を提供するこ
とである。
この発明の更に別の目的は、分析のために正イオンと負
イオンを生成するための装置を提供することである。
この発明の更に別の目的は、大気圧以下で作動し、周囲
空気から直接ガス状サンプルをイオン化するための装置
を提供することである。
すなわちこの発明の第1の発明は、イオン化室と、減圧
下で作動する分析装置とを有し、上記イオン化室は分析
されるガス状サンプルの入口と上記分析装置に連通する
出口とを備えており、上記イオン室内には上記入口から
出口へ通じるサンプル通路の近傍に少なくとも一対の隔
置された電極を配設し、更に、上記電極間にグロー放電
を発生させる装置と、上記イオン化室を大気圧以下に維
持する装置とを有することを特徴とする大気中のガス状
化学物質を分析する装置である。
またこの発明の第2の発明は、a)分析されるガス状サ
ンプルの入口と減圧下で作動する分析装置に連通する出
口とを有するイオン化室を形成して、上記イオン化室内
には、上記入口から出口へ通じるサンプル通路の近傍に
少なくとも一対の電極を互いに間隔を置いて配設し、
b)上記イオン化室内を減圧下に維持し、c)上記電極
間に電圧差を与えてこれら電極間にグロー放電を誘起せ
しめ、d)分析される分子を含んだガス状サンプルを上
記入口から上記イオン化室に送り込み、上記分析される
分子を上記グロー放電中でイオン化し、且つ、このイオ
ン化分子を上記出口から上記分析装置に導き、e)上記
分析装置内で上記イオン化分子を分析することを特徴と
する大気中のガス状化学物質を分析する方法である。
<好ましい実施態様の詳細な説明> この発明は、質量分析計やその他の分析装置ともに用い
るイオン化室に係わるものである。この発明は、分析装
置と組合わせて使用する大気サンプル型式のグロー放電
イオン化源からなる。このイオン化源は、互いに隔置さ
れた電極をその内部に配置したグロー放電イオン化室
と、分析されるガス状サンプルの供給源と連通する入口
と、分析装置と連通する出口とを備えている。このイオ
ン化室は大気圧以下に維持されている。入口を通過し、
グロー放電と接触する分子は、イオン化されて出口から
分析装置に送り込まれる。
イオン化源は大気圧状態から直接サンプルを受け入れ、
これを直接高減圧度の装置に送り込んで処理し、圧力差
をしのいで、不必要な大気ガス類を抜き出す。かような
大気サンプリング型式のグロー放電イオン化源は、周囲
空気内の微量蒸気をリアルタイムでイオン化するに際し
て、改良された感度をもたらし、かつ不安定なイオン種
に対して区別する傾向の低減をもたらす。他のイオン化
源に比較してこのイオン化源が不安定イオン種を区別す
ることが少なく、改善された感度を有することは、質量
分析計を大気中のガス状化学物質、特に有機物質分子類
の検出と同定の技術のために更に広範囲に適応し得るよ
うにするものである。
ところでイオンは数多くのメカニズムによって生成され
る。正イオンはカソード近傍での電子の衝突で生成さ
れ、これによって正イオンはカソードを打ち他の電子を
放出させて放電を継続する。グロー放電の現象は周知で
あり多くの研究が発表されている。従来のグロー放電技
術はS.C.Brown著“Introduction To Electrical Discha
rges and Gases"John Wiley&Sons,Inc.,New York,1966
年や、W.W.Harrison等著“Glow Discharge Mass Spectr
ometry",Analytical Chemistry,Vol.58,No.2,341A〜356
A頁、1986年2月に開示されているので、ここでの詳細
な説明は省略するが、上記文献をここに引用することに
よりこの明細書の記載の一部とする。
この発明は、空気中の微量の汚染物質からイオンを生成
することの出来る装置を提供するものである。微量汚染
物質の分子は、一般に試薬イオン(reagent ion)と呼
ばれている大量のイオンからのプロトン又は電子の移行
によって主としてイオン化されることができる。周囲空
気において、正の試薬イオンはO2 +、ヒドロニウムイオ
ン(プロトン化した水)、およびプロトン化した水クラ
スター(H2O)H+(n≦5)である。負に荷電した主
な試薬イオンはO2 -と、O2(H2O) (nは1,2又は
3)といった水付加物である。
第1図において、イオン化室1は四重極質量分析計3に
接続されている。一次板5および7は200μmの径を有
する円形の入口開口9と800μmの径を有する円形の出
口開口11とを有している。入口開口9と出口開口11の双
方が質量分析計3のサンプル通路に対して一直線上に整
列してある。ここでサンプル通路とは、サンプルがイオ
ン化室と分析装置を通過する通路である。イオン化室は
上記入口によって大気中のガス状サンプルと連通してお
り、上記出口によって分析装置に連通している。
二次板13及び15は互いに間隔を置いて実質的に平行に配
設され、且つ、出口開口11の両側にて上記一次板7に取
り付いている。二次板13と15との間の距離は第1図の通
り約1.5cmである。二次板はサンプル通路からほぼ等し
い距離だけ離れてその両側に設置されている。
上記2組の平行板の少なくとも1組には、電極間にグロ
ー放電が誘起されるように、従来同様の方法にて電圧差
が引加される。
イオン化室の気圧は、15リッター/秒のロータリー真空
ポンプ17によって、約0.1〜1Torrの範囲に降下される。
質量分析計3は約10-4乃至10-5Torr,好ましくは約5×1
0-5Torrの気圧に維持される。
周囲空気は減圧によって入口開口9から引き込まれ、イ
オン化室1内で生み出される電圧差に遭遇する。周囲空
気に含まれるガス状分子は次いで上記電圧差によって生
成されるグロー放電によってイオン化され、出口開口11
を介して質量分析計3に送り込まれる。
1つの実施態様においては、イオン生成用のグロー放電
は、電極として作動する一次板5および7で達成され
る。約350〜400Vの一次板間の電圧差は、グロー放電が
発生するのに充分である。第1図の通り、一次板5およ
び7の間の距離は約2cmであるが、これが臨界値と言う
わけではない。この実施態様においては、二次板13およ
び15は同じ電位に保持され、通常約0ボルトに保持され
る。
負のグロー放電が一次板5に最も接近したときに最良の
結果が得られる。この状態は、一次板5がカソードとし
て機能し、もう一つの一次板7がアノードとして機能す
るときに達成される。放電内で生成され出口開口11を通
るイオンは焦点合わせされ、質量分析計3に送り込まれ
て検出され、引き続き質量分析される。
伝送と質量分解能とによって質量分析計の性能を最適化
するために、一次板5は通常約−350〜−400ボルトの間
に維持され、一次板7は負イオンの分析の場合には約−
8ボルトとし、正イオン分析のときは+8ボルトに保持
される。
イオン生成の別の実施態様においては、二次板13および
15の間にグロー放電が達成されるようにする。この実施
態様では、一方の一次板5の電圧はデータに対して殆ど
影響せず、他方、別の一次板7の電圧は変化して放電か
らのイオンの抽出を最適化し、これによって質量分析計
の性能を最大限生かすのである。二次板13および15の電
位はそれぞれ約200ボルトであり、互いに逆極性の関係
にある。
上記したような二次板によるグロー放電の実施態様は正
イオン分析に好適であり、また、負イオン分析には一次
板によるグロー放電が良い。
第2図と第3図に示すように、大気サンプリング型式の
グロー放電イオン化源は外径6インチ(約15.24cm)の
支持フランジ19で構成され、これが減圧達成のために穿
孔される。好適なフランジとしては商標“CONFLAT"とし
てMDC Vacuum Products Corp.(米国、カリフォルニア
州、ヘイワード)から市販されているものがある。
入口開口9を有する一次板5はフランジ19の外面に取り
付いている。真空シールにはOリングシール21が用いら
れ、このシール21はまた一次板5をフランジ19から分離
している。一次板5をフランジ19に取り付けるに際し電
気的に絶縁するためにナイロン製のネジ23が使われる。
同様にして、出口開口11を備えた一次板7はフランジ19
の真空側に取り付いている。フランジ19の中心には1.75
インチ(約4.45cm)径の穴が穿設されており、この領域
にてグロー放電そしてイオン化が生じる。但し、この孔
の径はさほど重要ではない。
フランジ19の側部には吐出部25が孔開けされて形成され
ている。好ましい実施態様においては、この様な吐出部
が4個設けられているのが良い。しかしながら、第2図
からわかるように、16個まで若しくはそれ以上設けるこ
とも可能である。吐出部の数は、所望の減圧度と利用可
能な表面積との関係で決められる。更に多くの吐出部を
設けることによってポンプ速度を増大することができる
し、従って、入口開口9を大きくすることができるた
め、放電領域に入り込むガス状サンプルの量を増加させ
ることができる。
別の実施態様としては、分子ビーム型の構成があり、こ
の場合には、オリフィス板とスキマー(skimmer)との
間、又は、スキマーと次の電極との間にグロー放電がつ
くられる。この実施態様だとサンプリング孔をより大き
くすることができるため、更に多くのサンプルを提供で
きて感度も上昇する。第1図の構成においても、入口開
口9を大きくし、一次板5および7間の領域の真空ポン
ピングを増加させることによって、同様な改良が可能で
ある。
更に別の実施態様においては、入口開口の径を更に大き
くし、且つ、酸素と窒素に対するよりも有機分子に対し
てより透過性を有する半透膜を上記入口開口を被せるこ
とによって、放電中に送り込まれるサンプル分子の数を
増加することができる。このとき上記半透膜はポンピン
グの要求性能を低減できる効果を有する。また、この半
透膜を保持し電極としても使用できるようなスクリーン
を使用することも可能である。
上記とは別の実施態様においては、2重質量分析計の構
成とし、正イオンと負イオンの双方が同時に抽出される
ようにすることもできる。別のモードと関連する一つの
モードにおいて更に高い感度で多くの化学種が検出され
るので、上記のような二重質量分析計構成は一時に一つ
のモードを用いる場合よりも更に幅広い範囲の物質のリ
アルタイムのモニターが容易となる。
付加物のイオンの相対的な濃度は、相対湿度に依存する
こと勿論である。イオン源滞留時間内にはイオン1個当
たりおよそ104の衝突がある。サンプル分子が試薬イオ
ンに対して中性の対応物よりも高いプロトン親和性また
は電子親和性を有するとき、電荷はサンプルへ移行す
る。イオン源内での多くの衝突によって、荷電は最も安
定なイオンに蓄積する傾向がある。
大気サンプリンググロー放電イオン化源は、API源より
も約3オーダー低い気圧で作動される。従って、より不
安定なイオンは、真の熱的及び化学的平衡が得られるイ
オン化源によるよりもゆるやかに区別される。イオン生
成の動力学もこの区別の低減に貢献する。更に、上記大
気サンプリンググロー放電イオン化源の比較的低い圧力
は、イオンとイオンの再結合の確率を減らし、且つ、ク
ラスタリングの量を減少させる傾向がある。
ベータ・エミッターを用いて一次イオン化電子を提供す
るAPI源におけるよりも、大気サンプリンググロー放電
イオン化源におけるほうが、少なくとも1010多い一次イ
オン化電子が存在する。この圧倒的に多い一次イオン化
電子は、大気サンプリンググロー放電イオン化源のイオ
ン化が一次イオン化電子の量によって制限されないの
で、ダイナミックレンジが増加し、かくして比較的高い
サンプル濃度であってもイオン化飽和は生じない。イオ
ン化における区別は、従来のAPI源では二つの汚染物質
が大きく異なる濃度で存在するときに生じうるが、大気
サンプリンググロー放電イオン化源によっても同じ理由
で減少される。
大気圧で発生するコロナ放電を用いるAPI源に比較し
て、大気サンプリンググロー放電イオン化源は保守点検
なしにより長時間作動出来る。このことは遠隔モニター
システムにおいても、また、連続作動システムにおいて
も重要な要因である。
大気サンプリンググロー放電イオン化技術は、検討され
た化合物類に対して、前記API源のいづれのタイプより
も高い感度を示した。異なる質量分析計と検出器を使用
すれば、各種のイオン化源に対する感度の正しい比較は
出来ない。しかしながら、実験室での試験では、ベータ
・エミッタAPI源と、この発明の大気サンプリンググロ
ー放電イオン化源との比較がなされた。検討された化合
物に対しては、大気サンプリンググロー放電イオン化源
は上記API源よりも検出限度が約2〜3オーダー低くな
る。
別の比較としては、本発明による結果とAPIによる場合
の文献に報告されている最良の結果とを比較した。上記
した2,4,6−TNTの固体サンプルに対しては、負イオンモ
ードのAPI質量分析計は約30,000カウント/秒の分子ア
ニオン信号を得、バックグラウンドのカウント率は約1,
000カウント/秒である。これに対して、この発明の装
置の開口近傍に保持された固体TNTサンプルに対して
は、文献に示されたと同じ質量分解能に設定された負イ
オンモードにおいて、この発明では約400,000カウント
/秒の分子イオン信号を得、バックグラウンドは約200
カウント/秒である。両方のケースとも、バックグラウ
ンドカウント率が高く、これは従来の信号最適化技術に
よって減少できる。絶対信号強度によれば、大気サンプ
リンググロー放電イオン化はコロナ放電API源よりもTNT
に対して10倍のオーダーで高感度であることを示してい
る。
差圧排気の採用と大気サンプリンググロー放電イオン化
源を真空にすることによって、従来のAPI源よりも大き
な開口を使用することができ、従って、開口の目詰まり
の発生を押さえることができると共に、複雑なガスカー
テンを付設する必要性をなくすことができる。
この大気サンプリンググロー放電イオン化源は、周囲空
気中の多くのガス状有機化合物の分析に用いる実質的に
は如何なるタイプの質量分析計に対してもイオン源とし
て使用できる。例えば、特に好適な分野としては、爆発
性の化合物からの蒸気、易燃性の液体からの蒸気、そし
て、化学兵器試薬などの検出に用いられる。このイオン
化源は、大気汚染物質の監視や有害化学廃棄物の除去を
目的とした装置にも有用である。
本発明の理解をより一層容易成らしめるために以下の実
施例を記載するが、これらの実施例はこの発明の範囲を
限定するものではない。
実施例1 疑似周囲空気における2,4,6−TNTの検出:約400ボルト
の電圧差を上述したごときイオン化室の一次板5および
7に印加する。減圧によってイオン化室の圧力を低下さ
せる。電圧をかけることによって0.93ミリバールの圧力
でグロー放電が発生し、その時の代表的な放電電流は1
ミリアンペアである。
外径1/4インチ(約0.64cm)のステンレス鋼製短管の
端部に2,4,6−TNTを含んだ小型の容器を置き、他端を入
口開口9に当接させることによって、2,4,6−TNTのガス
状サンプルを含んだ周囲空気を疑似的に生成する。上記
短管は、この小形容器内の2,4,6−TNT上方の上部空間の
蒸気のサンプリングをもたらし、かくして、グロー放電
源の方向にガス状サンプルを送り込む。
入口を通過するガス状の2,4,6−TNT分子はグロー放電に
接触してイオン化される。イオン化された分子は出口か
ら質量分析計へと送り込まれ、検出器に導かれる。多く
の焦点制御は従来同様に調節されて、検出器に到達する
信号を最大にし、質量分析計の分解能を1に維持する。
質量分析計の焦点合わせに加えて、グロー放電の2個の
電極間の電圧差は信号の強さを最大にするように調節さ
れる。
実施例2 二次板13および15に電圧をかけてグロー放電を誘起させ
たこと、および、ステンレス鋼管を介してガスサンプル
を引き出さずに、2,4,6−TNT入りの開口小型容器をイオ
ン化室入口付近に単に保持することによりサンプル上記
を入口内に送入させるようにしたことを除いては、上記
実施例1を繰り返した。
以上この発明の好ましい実施態様について説明したが、
この発明はこれらの実施態様に限定されるものではな
く、特許請求の範囲内で変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は質量分析計に結合させたこの発明の大気サンプ
リング型式のグロー放電イオン化装置の平面図、第2図
は第1図の装置に用いる支持フランジを示す正面図、第
3図は第2図のフランジの側部である。 1……イオン化室、3……質量分析計、5,7……一次
板、9……入口開口、11……出口開口、13,15……二次
板、19……フランジ。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)分析されるガス状サンプルの入口と減
    圧下で作動する分析装置に連通する出口とを有するイオ
    ン化室を形成して、上記イオン化室内には、上記入口か
    ら出口へ通じるサンプル通路の近傍に少なくとも一対の
    電極を互いに間隔を置いて配設し、 b)上記イオン化室内を減圧下に維持し、 c)上記電極間に電圧差を与えてこれら電極間にグロー
    放電を誘起せしめ、 d)分析される分子を含んだガス状サンプルを上記入口
    から上記イオン化室に送り込み、上記分析される分子を
    上記グロー放電中でイオン化し、且つ、このイオン化分
    子を上記出口から上記分析装置に導き、 e)上記分析装置内で上記イオン化分子を分析すること
    を特徴とする大気中のガス状化学物質を分析する方法。
  2. 【請求項2】上記電圧差は約350乃至約400Vの範囲であ
    る請求項1の方法。
  3. 【請求項3】上記一対の電極は互いに実質的に平行で離
    れて設けた2枚の一次板からなり、上記一次板の一方は
    上記入口となる開口を有し、他方は上記出口となる開口
    を有している請求項1の方法。
  4. 【請求項4】上記イオン化室は更に第2の一対の電極を
    有し、この電極は互いに実質的に平行で離れて設けた2
    枚の二次板からなり、上記二次板は上記2枚の一次板の
    間であって、上記サンプル通路から実質的に等間隔でか
    つ上記サンプル通路の両側の位置に設けられている請求
    項3の方法
  5. 【請求項5】上記イオン化室を約0.1乃至約1Torrの範囲
    の圧力とする請求項1の方法。
  6. 【請求項6】上記分析装置は質量分析計である請求項1
    の方法。
  7. 【請求項7】上記電圧差は上記一次板の間に供給されて
    上記二次板には供給されないようにし、上記入口となる
    開口を備えた一方の一次板をカソードとし、上記出口と
    なる開口を備えた他方の一次板をアノードとした請求項
    4の方法。
  8. 【請求項8】上記カソードは約−350V乃至−400Vの電位
    を有し、上記アノードは約−8Vの電位を有する、負イオ
    ン分析に適した請求項7の方法。
  9. 【請求項9】上記カソードは約−350V乃至−400Vの電位
    を有し、上記アノードは約8Vの電位を有する、正イオン
    分析に適した請求項7の方法。
  10. 【請求項10】上記電圧差は上記二次板の間に供給され
    て上記一次板には供給されないようにし、上記二次板の
    一方の電位を約+200Vとし、他方の電位を約−200Vとす
    る請求項4の方法。
  11. 【請求項11】イオン化室と、減圧下で作動する分析装
    置とを有し、上記イオン化室は分析されるガス状サンプ
    ルの入口と上記分析装置に連通する出口とを備えてお
    り、上記イオン室内には上記入口から出口へ通じるサン
    プル通路の近傍に少なくとも一対の隔置された電極を配
    設し、更に、上記電極間にグロー放電を発生させる装置
    と、上記イオン化室を大気圧以下に維持する装置とを有
    することを特徴とする大気中のガス状化学物質を分析す
    る装置。
  12. 【請求項12】上記グロー放電発生装置は上記電極間に
    約350乃至400Vの電圧差を与える請求項11の装置。
  13. 【請求項13】上記一対の電極は互いに実質的に平行で
    間隔を置いて配設した2枚の一次板からなり、この一次
    板の一方は上記入口となる開口を有し、他方は上記出口
    となる開口を有する請求項1の装置。
  14. 【請求項14】上記イオン化室の入口と出口は、上記分
    析装置のサンプル通路に直線状に配列されている請求項
    13の装置。
  15. 【請求項15】上記入口の径を約200μmとし、上記出
    口の径を約800μmとし、上記一次板は約2cmに等しい距
    離だけ離れている請求項13の装置。
  16. 【請求項16】互いに実質的に平行で離れて設けられた
    一対の二次板を更に有し、上記二次板は上記2枚の一次
    板の間であって、上記サンプル通路から実質的に等間隔
    でかつ上記サンプル通路の両側に配設されている請求項
    13の装置。
  17. 【請求項17】上記二次板は約1.5cmの距離だけ離れて
    いる請求項16の装置。
  18. 【請求項18】上記イオン化室を大気圧以下に維持する
    装置は約0.1乃至約1Torrの圧力を付与する請求項11の装
    置。
  19. 【請求項19】上記イオン化室を大気圧以下に維持する
    装置はロータリ真空ポンプである請求項1の装置。
  20. 【請求項20】上記分析装置は質量分析計である請求項
    1の装置。
  21. 【請求項21】上記質量分析計は約10-4乃至10-5Torrの
    気圧で作動する請求項20の装置。
  22. 【請求項22】電圧差が上記一次板の間に供給されて上
    記二次板には供給されないようにし、上記入口となる開
    口を備えた一方の一次板をカソードとし、上記出口とな
    る開口を備えた他方の一次板をアノードとした請求項16
    の装置。
  23. 【請求項23】上記カソードは約−350V乃至−400Vの電
    位を有し、上記アノードは、負イオン分析が望まれると
    きは約−8Vの電位を有し、正イオン分析が望まれるとき
    は+8Vの電位を有する請求項22の装置。
  24. 【請求項24】電圧差が上記二次板の間に供給されて上
    記一次板には供給されないようにし、正イオン分析が望
    まれるときは上記二次板の一方の電位を約+200Vとし、
    他方の電位を約−200Vとする請求項16の装置。
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