JPH0668769A

JPH0668769A - 回路遮断器

Info

Publication number: JPH0668769A
Application number: JP22264592A
Authority: JP
Inventors: Akihiko Hirao; 昭彦平尾; Tomoyuki Sawada; 知行澤田
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1992-08-21
Filing date: 1992-08-21
Publication date: 1994-03-11

Abstract

(57)【要約】【目的】ケースに比較的安価な材料を用いながら、耐
アーク性の良好な材料を僅かに使用するだけで短絡遮断
容量が大きくできる回路遮断器の提供。【構成】固定接触子4 を比較的安価なプラスチックに
て形成されたボディ2 とカバー3 からなるケース1 から
隔離して保持するホルダー6 を設け、しかもそのホルダ
ー6 を耐アーク性の良好な材料にて排気路1aを連設形成
し、それをボディ2 のホルダー装着部2cに装着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、比較的安価な絶縁材料
製のケースを用いた回路遮断器に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的な回路遮断器として、図５に示す
構成のものが存在する。図において、2 は図外カバーと
ともにプラスチックのような絶縁材料製のケース1 を構
成するボディで、大略一面が開口した箱状をなしてい
る。4 は固定接点5 を有した固定接触子、7 は可動接点
8 を有した可動接触子、9 はハンドル、10はハンドル9
の操作によって固定及び可動接点5,8 の開閉動作を行う
ハンドル9 を含む開閉機構部、14は異常電流が流れたと
きにトリップ動作を行うべく開閉機構部10に作用する異
常電流検出手段である。

【０００３】また、ケース1 は、固定及び可動接点5,8
が開閉動作を行う空間を外部に連通するための排気路1a
を有している。この排気路1aは、固定及び可動接点5,8
が開離するときに発生するアークガスを外部に排出す
る。

【０００４】このような回路遮断器にあっては、短絡遮
断のように大量の高温アークガスが発生してそれにケー
ス1 が曝されると、ケース1 の排気路1aやその周辺は炭
化する場合がある。そうすると、内部充電部と排気路1a
の外部口縁間の絶縁性能が劣化して感電等が起きる危険
な状態となったり、極端な場合両端子間がケース1 を介
して短絡状態になることもあり得る。

【０００５】従って、ケース1 を比較的安価なプラスチ
ック、すなわち耐アーク性が普通の材料で形成した場
合、短絡遮断容量は小さいものとなる。そして、短絡遮
断容量を大きくするには、ケース1 は耐アーク性の良好
な高価な材料によって形成しなければならなかった。

【０００６】ところで、コストダウンも重要な課題であ
る回路遮断器にあっては、ケースを比較的安価なプラス
チックを用い、しかも短絡遮断容量を大きくしたい要求
がある。そこで、例えば、排気路にその長手方向に沿っ
て凸部と凹部を交互に形成し、内部充電部と排気路の外
部口縁間の沿面距離をかせぐものが提案されている。ま
た、特公昭32-8831 では、絶縁劣化が起こる部分にシリ
コン樹脂を塗布するものが提案されている。また、本願
出願人も、特願昭62-147415 において、特殊な絶縁物シ
ートを介して端子をケースに取着するものを提案した。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前述した排気路にその
長手方向に沿って凸部と凹部を交互に形成し、内部充電
部と排気路の外部口縁間の沿面距離をかせぐものは、凸
部と凹部が劣化することには変わりがなく、短絡遮断容
量が小さいものの安全性向上に効果はあっても短絡遮断
容量を大きくすることにはそれほど期待できるものでは
ない。

【０００８】また、特公昭32-8831 において提案された
ものは、短絡遮断容量を大きくすることに効果はあるも
のの、シリコン樹脂の塗布行程が面倒であってコストダ
ウンはそれほど期待できるものではない。

【０００９】また、特願昭62-147415 において提案した
ものも、同様に、組立てが面倒であることに加え、シー
ト材料も高価であってコストダウンはそれほど期待でき
るものではない。

【００１０】本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、ケースに比較的安価な材
料を用いながら、耐アーク性の良好な材料を僅かに使用
するだけで短絡遮断容量が大きくできる回路遮断器を提
供するにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明の回路遮断器は、固定接点を有した固定接
触子と、可動接点を有した可動接触子と、ハンドル操作
によって固定及び可動接点の開閉動作を行うハンドルを
含む開閉機構部と、異常電流が流れたときにトリップ動
作を行うべく開閉機構部に作用する異常電流検出手段
と、前記各部材を収容するとともにアークガスを排出す
る排気路を有した絶縁材料製のケースと、を備えた回路
遮断器において、前記固定接触子をケースから隔離して
保持するホルダーを設け、しかもそのホルダーを耐アー
ク性の良好な材料にて形成した構成としている。

【００１２】また、ホルダーに、排気路を連設すること
が好ましい。さらに、ケースを大略一面開口の箱状とし
たボディと平板状のカバーとで構成するとともに、ボデ
ィにホルダー装着部を設けることが好ましい。

【００１３】

【作用】この構成によれば、ケースが絶縁劣化したとし
ても、固定接触子は耐アーク性の良好なホルダーによっ
てすべての部材から隔離されるので回路遮断器全体とし
て絶縁が確保できる。

【００１４】また、ホルダーに排気路を連設すると、排
気路は絶縁劣化がしにくくなって内部充電部と排気路の
外部口縁間の絶縁がより確実なものとなる。

【００１５】また、ボディにホルダー装着部を設ける
と、ホルダーの嵌め込み行程が簡易化できる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図４に基
づいて説明する。なお、従来のものと基本的機能が同じ
部材には同一の符号を付している。

【００１７】1 はケースで、一般用フェノール樹脂のよ
うな比較的安価な絶縁材料にて型造したボディ2 とカバ
ー3 にて構成される。ボディ2 は、大略一面が開口した
箱状をなし、上壁面にハンドル用開口部2b、一方の側壁
に後述するホルダーのためのホルダー装着部2c、他方の
側壁に端子板装着部2d等を開口端面から切り欠くように
形成している。上下壁や左右側壁は、均一な肉厚ではな
く、内壁側は収容する部材の配置、固定、位置決め等を
考慮し、外壁側は端子用部材の取着等を考慮して適宜設
計する。これら肉厚部分には、カバー固定用のタッピン
グねじ22,22,─の下孔2e,2e,─や端子ねじの逃がし部2
f,2f を設けている。また底部には、ハンドルの支点部2
hやフレームの支持部2j等を設けている。

【００１８】カバー3 は、ボディ2 の開口部分を塞ぐよ
うな平板状をなし、下孔2e,2e,─に対応した位置にタッ
ピングねじ22,22,─の挿通孔3e,3e,─を有している。

【００１９】4 は固定接触子で、後述するホルダーに取
着され、そのホルダーがホルダー装着部2cに装着された
とき、ボディ2 の内部から外部に至る長さを有して折曲
形成される。固定接触子4 は、ボディ2 の内部側に位置
する一端に固定接点5 を固着し、外部側の他端は端子板
を兼ねており、従って端子ねじ23が螺合しており、中間
部に支持用孔4dを有している。

【００２０】6 はホルダーで、耐アーク性の良好な材料
により、図３に示すように、固定接触子4 を取着し、ホ
ルダー装着部2cに装着されるとボディ2 の一方の側壁の
一部となる形状に型造される。この実施例では、ホルダ
ー6 はホルダー主体6aとホルダー補助体6bからなってい
るが、固定接触子の取着凹所を設けた一体部品にしても
よい。

【００２１】ホルダー主体6aは、上方端面が固定接触子
4 を受け止める支持面6cとなり、曲面状をなし、その中
央部にねじ孔6dを有する。また、下方部には断面が長方
形をなす排気路1aを連設している。ホルダー補助体6b
は、下方端面が固定接触子4 を押圧する押圧面6eとな
り、曲面状をなし、その中央部にねじ孔6fを有する。前
述の固定接触子4 は、ホルダー主体6aの支持面6cとホル
ダー補助体6bの押圧面6e間に挟み、固定ねじ24を螺着す
ることによってホルダー6 に取着される。

【００２２】固定接触子4 を取着したホルダー6 は、ホ
ルダー装着部2cに嵌め込み、カバー3 をタッピングねじ
22,22,─でもってボディ2 に取着することにより確実に
装着される。耐アーク性の良好な材料の詳細については
後述する。

【００２３】7 は可動接触子で、下方に位置する一端に
固定接点5 と接離動作を行う可動接点8 を固着し、上方
に位置する他端にハンドルに回動可能に支持されるべく
回動軸7a、中間部に反転ばねのばね受け7bを設けてい
る。

【００２４】9 はハンドルで、後述する開閉機構部と連
係して可動接触子7 と連動する。ハンドル9 は、下方に
位置する回動支点部9hがボディ2 の支点部2hに支持さ
れ、上方に位置する操作部9bがハンドル用開口部2bから
突出し、中間部に後述するクレドルの押圧部9cを有し、
そして前述の可動接触子7 を支持している。

【００２５】10はハンドル9 を含む開閉機構部で、ハン
ドル9 の操作によって固定及び可動接点5,8 の開閉動作
を行い、後述する異常電流検出手段が作動したときトリ
ップ動作を行う。開閉機構部10は、クレドル11、クレド
ル11を支持するフレーム12、反転ばね13等よりなる。フ
レーム12は、基部12a にボディ2 の支持部2jに嵌合する
嵌合部12j を有し、クレドル11の支持片12b や後述する
バイメタル支持片12c等を折曲形成している。

【００２６】クレドル11は、大略へ字状をなし、一端が
フレーム12の支持片12b に移動可能に支持され、他端に
後述する異常電流検出手段に係止される被係止部11a 、
中間部に反転ばねのばね受け11b とハンドル9 の押圧部
9cに対応する被押圧部11c を有している。反転ばね13
は、コイル状をなしており、可動接触子7 とクレドル11
のばね受け7b,11b間に圧縮懸架される。従って反転ばね
13は、クレドル11を常に反時計方向にばね付勢し、可動
接触子7 をハンドル9 やクレドル11の位置に応じて接点
接触方向又は接点開離方向にばね付勢している。

【００２７】14は異常電流検出手段で、電路に異常電流
が流れたときにトリップ動作を行うべく開閉機構部10に
作用する。異常電流検出手段14は、バイメタル15、吸着
片16、係止片17、弾性片18等よりなる。バイメタル15
は、その基端がフレーム12のバイメタル支持片12c に固
着され、先端に弾性片18の基端を固着し、中間部に吸着
片16を保持している。吸着片16は、磁性板材にてコ字状
をなしている。係止片17は、磁性板材にて長板状をなす
とともに、中央に長方形開口部を設けてその上方端面を
クレドル11の被係止部11a を係止する係止部17a とし、
基端が弾性片18の先端に固着される。この場合、係止片
17は吸着片16の端面に対向するように位置する。

【００２８】異常電流検出手段14は、バイメタル15に過
電流が流れてそれが変形するときにはそれに応じて係止
片17も移動し、バイメタル15に短絡電流が流れて吸着片
16に大きな磁束が流れたときは係止片17は直ちに吸着片
16の端面に吸引されて移動する。すなわち、電路に過電
流や短絡電流等の異常電流が流れたとき、トリップ動作
を行うべくクレドル11の被係止部11a を係止部17a から
解放するのである。

【００２９】19は端子板、20は端子板19とバイメタル15
を接続する編組線、21はバイメタル15と可動接触子7 を
接続する編組線である。

【００３０】次に、ホルダー6 の材料について説明す
る。耐アーク性の良好な材料は、以下のようなものであ
り、( )内は各材料の耐アーク性を示す値[sec] であ
る。

【００３１】熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステ
ル樹脂(120〜240)、メラミン樹脂(110〜140)、エポキシ
樹脂(120〜180)、電気用フェノール樹脂(108〜180)、熱
可塑性樹脂としては、ＰＥＴ(120〜130)、ＰＢＴ( 75〜
192)、ポリアミド樹脂(130〜140)、フッ素樹脂(300以
上) 。また、熱可塑性樹脂でガラス繊維により強化した
ものの熱変形温度は、ＰＥＴは 224℃、ＰＢＴは 220
℃、ポリアミド樹脂は 252℃である。従って、このよう
な熱可塑性樹脂はホルダーとして十分使用可能である。

【００３２】図１は、ON状態であり、クレドル11の被係
止部11a は係止片17の係止部17a に係止している。この
とき、反転ばね13は可動接触子7 を接点接触側にばね付
勢している。

【００３３】このON状態において、電路に異常電流が流
れたとき、異常電流検出手段14が動作してクレドル11の
被係止部11a を係止部17a から解放し、反転ばね13のば
ね力によってクレドル11を反時計方向に回動する。この
クレドル11が一定量回動したとき、そのばね受け11b が
反転ばね13の可動接触子7 に対するばね付勢方向を反転
する位置に達して反転ばね13のばね付勢方向が接点開離
方向に反転し、図４に示すように接点開離状態となって
トリップ動作を行う。そしてトリップ動作、すなわち両
接点5,8 が開離したとき、アークA 及びアークガスG が
発生し、高温アークガスG は排気路1aを通過して外部に
排出される。排気路1aは、耐アーク性の良好な材料で形
成されているため、絶縁劣化は起こりにくく、内部充電
部と排気路の外部口縁間の絶縁が確保できる。

【００３４】本願発明者らは、ホルダー6 を不飽和ポリ
エステル樹脂で形成したものについて、排気路1aを形成
する肉厚、すなわちボディ2 及びカバー3 からの距離を
0.3mm, 0.5mm, 1mm, 2mm のものについて短絡遮断後の
端子間絶縁抵抗を実測した。絶縁抵抗は、120V／10kA遮
断を２回繰り返した後の値で、順次 0.4MΩ, 1MΩ,10M
Ω, 30MΩであった。従って、この程度の遮断容量を確
保するには、排気路1aの肉厚、すなわちボディ2 及びカ
バー3 からの沿面距離は 0.5mm以上あればよい。

【００３５】なお、実施例のホルダーは排気路を連設し
たもので説明したが、必ずしも連設する必要はない。ま
た、本発明は、各種形式の回路遮断器に適用できる。

【００３６】

【発明の効果】請求項１記載の回路遮断器は、ケースが
絶縁劣化したとしても、固定接触子は耐アーク性の良好
なホルダーによってすべての部材から隔離されるので回
路遮断器全体として絶縁が確保できる。

【００３７】請求項２記載の回路遮断器は、ホルダーに
排気路を連設しているので、排気路は絶縁劣化がしにく
くなって内部充電部と排気路の外部口縁間の絶縁がより
確実なものとなる。

【００３８】請求項３記載の回路遮断器は、ボディにホ
ルダー装着部を設けているので、ホルダーの嵌め込み行
程が簡易化できる。

【００３９】以上のように、各発明の回路遮断器は、ケ
ースに比較的安価な材料を用いながら、耐アーク性の良
好な材料を僅かに使用するだけで短絡遮断容量が大きく
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すものでカバーを除いた
状態の側面図である。

【図２】その分解斜視図である。

【図３】その要部分解斜視図である。

【図４】そのトリップ動作をした状態を示す側面図であ
る。

【図５】従来例を示すものでカバーを除いた状態の側面
図である。

【符号の説明】

1 ケース 1a ケースの排気路 2 ケースを構成するボディ 2c ボディのホルダー装着部 3 ケースを構成するカバー 4 固定接触子 5 固定接点 6 ホルダー 7 可動接触子 8 可動接点 9 ハンドル 10 開閉機構部 11 開閉機構部を構成するクレドル 12 開閉機構部を構成するフレーム 13 開閉機構部を構成する反転ばね 14 異常電流検出手段 15 異常電流検出手段を構成するバイメタル 16 異常電流検出手段を構成する吸着片 17 異常電流検出手段を構成する係止片 18 異常電流検出手段を構成する弾性片 A アーク G アークガス

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】固定接点を有した固定接触子と、可動接
点を有した可動接触子と、ハンドル操作によって固定及
び可動接点の開閉動作を行うハンドルを含む開閉機構部
と、異常電流が流れたときにトリップ動作を行うべく開
閉機構部に作用する異常電流検出手段と、前記各部材を
収容するとともにアークガスを排出する排気路を有した
絶縁材料製のケースと、を備えた回路遮断器において、
前記固定接触子をケースから隔離して保持するホルダー
を設け、しかもそのホルダーを耐アーク性の良好な材料
にて形成したことを特徴とする回路遮断器。
【請求項２】前記ホルダーに、排気路を連設したこと
を特徴とする請求項１記載の回路遮断器。
【請求項３】前記ケースを大略一面開口の箱状とした
ボディと平板状のカバーとで構成するとともに、ボディ
にホルダー装着部を設けたことを特徴とする請求項１又
は２記載の回路遮断器。