JPH0667397U - 物品受取ボックス - Google Patents

物品受取ボックス

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JPH0667397U
JPH0667397U JP742993U JP742993U JPH0667397U JP H0667397 U JPH0667397 U JP H0667397U JP 742993 U JP742993 U JP 742993U JP 742993 U JP742993 U JP 742993U JP H0667397 U JPH0667397 U JP H0667397U
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義博 前野
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株式会社淀川製鋼所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物品受取ボックスにおいて、物品が入れられ
たこと自体を検知し、物品を収納して扉体を閉めたとき
に自動的に扉体が施錠されるようにすることによって、
宅配業者などが合鍵を持たずに宅配物を収容できるよう
にする。物品を室外側である前面側から入れて室内側で
ある背面側から取り出せるようにする。 【構成】 ボックス本体1の前面に受入口3b、背面に
取出口3b’を設ける。内扉材としての可動体5を中間
機構7を介して錠受け機構6に連結する。錠受け機構6
は、可動体5を矢符B2のように押し込むと施錠可能状
態に切り換わり、可動体5を矢符B1のように戻すと扉
体4Bの開閉が可能な状態に切り換わる。物品を物品収
容室3Bに入れるのに伴って可動体5が矢符B2のよう
に往動する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、宅配物などの物品を受け取るための物品受取ボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
住人が不在であっても宅配業者による物品の配達を可能にすると同時に宅配物 を安全に保管することができ、保管した物品を住人が随時取り出すことができる ようにすることのためにこの種の物品受取ボックスを用いることがある。このよ うな物品受取ボックスにあっては、物品収容室を形成するボックス本体に物品が 収納されていないときには宅配業者がその物品収容室に宅配物を収納することが でき、物品収容室に宅配物が収納されているときには住人以外の他人はその物品 を取り出せないようにしておくことが要求される。
【0003】 この要求に対処し得る従来の物品受取ボックスとして実公平2−11863号 公報に記載されたものがある。この公報に記載された物品受取ボックスは、物品 収容室の前面に物品の受入口が、背面に物品の取出口がそれぞれ設けられ、上記 受入口に扉体を設け、その扉体に施錠機構を設けた構成になっている。
【0004】 そして、この物品受取ボックスはたとえば建物の壁に組み込んで設置され、受 入口から物品収容室に物品を収容するのは室外側から、取出口から物品を取り出 すのは室内側から行うようになる。また、この物品受取ボックスにおいては、あ らかじめ業者が合鍵を所持しておき、宅配物を届けるときは業者がその合鍵を使 って扉体を開けて受入口から物品収容室に宅配物などの物品を収容し、収容後に 業者が扉体を閉めて施錠を行い、そして、住人は背面側の取出口から物品収容室 に収容されている宅配物を取り出すようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、業者が合鍵を使って扉体の施錠を解除したり施錠を行ったりす るようにした従来の物品受取ボックスにおいては、業者にあらかじめ合鍵を渡し ておく必要があり、そのためにその物品受取ボックスを使用する業者の数が多い 場合にはその業者の数だけの合鍵が必要になり、多数の合鍵を用意しなければな らないという問題がある。
【0006】 また、合鍵を持っている者が多数にのぼる場合には、物品収容室に入っている 物品が盗難に合うというおそれが大きくなるという問題もある。
【0007】 本考案は以上の事情に鑑みてなされたもので、物品収容室へ物品の収納後、鍵 がなくても前面側の扉体が施錠されるようにすると共に、物品収容室に物品が入 っていないときには扉体を自由に開閉することができるように工夫することによ って、業者はあらかじめ合鍵を所持しておかなくても物品収容室に物品を収容す ることができ、業者が物品収容室に物品を収容して扉体を閉めると施錠が行われ て扉体を開くことができなくなって取出口からのみ物品を取り出すことのできる ような物品受取ボックスを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案の物品受取ボックスは、前面に受入口が設けられ背面に取出口が設けら れた物品収容室を形成するボックス本体と、上記受入口の近傍箇所に設けられた 枢支点を中心として物品収容室の受入口に対応する第1位置から物品収容室の内 方であって物品の載置部をよける位置である第2位置へ水平往動されかつ第2位 置から第1位置への水平復動が可能な可動体と、上記第1位置の外側で物品収容 室の受入口を水平揺動して開閉する扉体と、出退可能なスライドボルトが常時は 弾発付勢力により突出された施錠機構と、上下の2位置間で昇降可能な第1部材 と第1部材に上下方向で重なり合う突出位置および第1部材に上下方向で重なり 合わない後退位置の相互間で移動可能になされた上記第1部材を昇降させるため の第2部材とを有すると共に第1部材に上記施錠機構のスライドボルトを掛止す るラッチ部とスライドボルトを掛止しない非ラッチ部とが上下方向に並設されて なる錠受け機構と、を備え、施錠機構が上記扉体に錠受け機構が上記ボックス本 体にそれぞれ取り付けられかつ錠受け機構の第1部材が上下の2位置間で昇降し たときにそのラッチ部と非ラッチ部とが択一的に位置する高さ位置と施錠機構の スライドボルトの高さ位置とが相対応され、上記可動体が第1位置と第2位置と の間で移動するときに錠受け機構の第2部材を突出位置と後退位置との間で移動 させる中間機構を介して可動体と錠受け機構の第2部材とが連結されているもの である。
【0009】 この物品受取ボックスにおいて、中間機構の具体的構成には次の2つがある。
【0010】 第1は、可動体が第1位置から第2位置に移動するときに錠受け機構の第2部 材を突出位置から後退位置に移動させ可動体が第2位置から第1位置に移動する ときに錠受け機構の第2部材を後退位置から突出位置に移動させるという構成で ある。
【0011】 第2は、可動体が第1位置から第2位置に移動するときに錠受け機構の第2部 材を後退位置から突出位置に移動させ可動体が第2位置から第1位置に移動する ときに錠受け機構の第2部材を突出位置から後退位置に移動させるという構成で ある。
【0012】 また、錠受け機構の第2部材はその突出位置において第1部材の下側に重なり 合う場合と第1部材の上側に重なり合う場合とがあり、後者の場合には第1部材 を上向きに常時弾発付勢するばね体や磁石などの弾発付勢部材が必要になるけれ ども、前者の場合には第1部材がそれ自体の重量で下向きに常時付勢されるので 弾発付勢部材は必ずしも必要ではない。
【0013】 そして、錠受け機構に並設されるラッチ部と非ラッチ部の上下の具体的な位置 関係は次の(1)〜(4)のようになる。 (1)中間機構が上述した第1の具体的構成を備えかつ錠受け機構の第2部材が その突出位置で第1部材の下側に重なり合うように構成されている場合、ラッチ 部が上で非ラッチ部が下となる。 (2)中間機構が上述した第1の具体的構成を備えかつ錠受け機構の第2部材が その突出位置で第1部材の上側に重なり合うように構成されている場合、ラッチ 部が下で非ラッチ部が上となる。 (3)中間機構が上述した第2の具体的構成を備えかつ錠受け機構の第2部材が その突出位置で第1部材の下側に重なり合うように構成されている場合、ラッチ 部が下で非ラッチ部が上となる。 (4)中間機構が上述した第2の具体的構成を備えかつ錠受け機構の第2部材が その突出位置で第1部材の上側に重なり合うように構成されている場合、ラッチ 部が上で非ラッチ部が下となる。
【0014】
【作用】
本考案の物品受取ボックスにおいて、錠受け機構に並設されるラッチ部と非ラ ッチ部の上下の具体的な位置関係が上述した(1)に相当している場合の作用を 説明する。
【0015】 物品収容室に物品が収納されておらず、しかも可動体が第1位置に配置されて いるときには、錠受け機構の第2部材が第1部材の下側に重なり合って第1部材 が上位置まで上昇しており、第1部材の非ラッチ部と扉体に取り付けられた施錠 機構のスライドボルトの高さ位置とが対応する。したがって、扉体を自由に開く ことができる。
【0016】 可動体が第1位置に配置されているときに扉体を開いて物品をボックス本体の 物品収容室に入れるときには、物品または人手により可動体が押されて枢支点を 中心として第2位置に向かって水平往動する。このため、錠受け機構の第1部材 の下側に重なり合っていた第2部材が中間機構の動作により後退位置まで移動さ れ、それに伴って第1部材が下位置に下降して第1部材のラッチ部と扉体に取り 付けられた施錠機構のスライドボルトの高さ位置とが対応する。したがって、こ の状態で物品を収納して扉体を閉めると、施錠機構のスライドボルトが上記ラッ チ部に掛止して扉体が施錠される。
【0017】 物品収容室に収容された物品はボックス本体の背面側の取出口から取り出され る。
【0018】 扉体の解錠は、上記可動体を第2位置から第1位置に水平復動させることによ り行われる。すなわち、第2位置の可動体を背面側から押すことにより枢支点を 中心として第1位置に向かって復動させると、第2部材が中間機構の動作により 前進位置まで移動され、それに伴って第1部材が上位置に上昇して第1部材の非 ラッチ部と扉体に取り付けられた施錠機構のスライドボルトの高さ位置とが対応 して解錠状態になる。この状態では扉体を開くことができる。
【0019】 錠受け機構に並設されるラッチ部と非ラッチ部の上下の具体的な位置関係が上 述した(2)〜(4)に相当している場合についても、上述した作用に準じた作 用がなされる。
【0020】 すなわち、物品収容室に物品が収納されておらず、しかも可動体が第1位置に 配置されているときには、第1部材の非ラッチ部と扉体に取り付けられた施錠機 構のスライドボルトの高さ位置とが対応し、扉体を自由に開くことができる。
【0021】 可動体が第2位置に位置しているときには、第1部材のラッチ部と施錠機構の スライドボルトの高さ位置とが対応して扉体が施錠状態になる。
【0022】
【実施例】
図1〜図3に示すようにこの実施例による物品受取ボックスは、図示していな いフレームに薄鋼板を組み付けて形成されたボックス本体1を有しており、上下 多段に配置した床板材2A,2B,2Cによりボックス本体1の内部空間が最上 部の郵便受け室3A、ならびに物品を受け取るための上段側の物品収容室3Bと 下段側の物品収容室3Cとに区画形成されている。そして、郵便受け室3Aや上 下の物品収容室3B,3Cの前面に設けられた各受入口3a,3b,3cには各 別に扉体4A,4B,4Cが設けられている。図4に示したように上段側の物品 収容室3Bに設けられた扉体4BはヒンジHを中心として矢符Aのように水平揺 動して開閉可能である。他の扉体4A,4Cについても同様である。4a,4b ,4cは把手、4a’は郵便物投入口であり、この郵便物投入口4a’には図2 のように常時はその自重によって閉じられている開閉蓋4a”が取り付けられて いる。また、図2および図3のように、ボックス本体1の背面側には、郵便受け 室3Aや物品収容室3B,3Cに対応して取出口3a’,3b’,3c’が形成 され、物品収容室3B,3Cに対応する取出口3b’,3c’にのぞき窓付きの 開閉蓋4B’,4C’が設けられている。4B”,4C”は把手である。
【0023】 上段側の物品収容室3Bと下段側の物品収容室3Cのそれぞれに対応して可動 体5と錠受け機構6と中間機構7とがそれぞれ設けられており、上段側の物品収 容室3Bに設けられた扉体4Bと下段側の物品収容室3Cに設けられた扉体4C とにはそれぞれ施錠機構8が取り付けられているのであるが、可動体5と錠受け 機構6と中間機構7とは上段側の物品収容室3Bと下段側の物品収容室3Cとに 対応して同様の形態で設けられ、また、施錠機構8は各扉体4B,4Cに同様の 形態で取り付けられているので、以下の説明においては、上段側の物品収容室3 Bに設けられた可動体5、錠受け機構6および中間機構7と、扉体4Bに設けら れた施錠機構8についてのみ説明し、下段側の物品収容室3Cや扉体4Cに設け られた上記の各要素については同一符号を付して説明の重複を避けることとする 。
【0024】 図3〜図9に示すように、物品収容室3Bの受入口3bの近傍箇所に床板材2 A,2Bによって支持された可動体5の枢支点である縦軸9が配備されている。 可動体5は物品収容室3Bの受入口3bの全体を塞ぐ形態の板状の内扉材によっ て形成されていて、この可動体5の一端部の上下に設けられたブラケット10, 10が上記縦軸9に支持されている。そして、可動体5が縦軸9を中心として物 品収容室3Bの受入口3bに対応してこの受入口3bの全体を塞ぐ第1位置(図 3,図4、図5、図7のでは実線で、図8では仮想線で、可動体5が第1位置に 配置された状態を示している)と、物品収容室3Bの内方であって物品の載置部 をよける位置である第2位置(図4、図5、図7、図9では仮想線で可動体5が 第2位置に配置された状態を示している)との間で図4の矢符Bで示すように水 平往復動可能である。
【0025】 図3〜図6において、40はばね体で、このばね体40は、中間部のつる巻部 41から延び出た一方の脚42の端部が可動体5側の上記ブラケット10にビス 43により取り付けられて支持され、また、上記つる巻部41から延び出た他方 の脚44の端部がボックス本体1側の床板材2Aにビス45により取り付けられ て支持されていると共に上記つる巻部41がばね体40自体の弾性に抗してく字 状に曲げられている。なお、可動体5には上記ばね体40との干渉を回避するた めの凹欠部5aが具備されている。
【0026】 そして、上記ばね体40は、可動体5が第1位置と第2位置との間で往復動さ れるときに一方の脚42の可動体5に対する支持箇所(ビス43の位置)が他方 の脚44のボックス本体1に対する支持箇所(ビス45の位置)と上記縦軸9と を結ぶ線L上の中立点(図5に符号Nで示してある)を越えて変位するようにな され、かつ一方の脚42と他方の脚44とが常時開く方向に弾発付勢されている 。なお、図8および図9ではばね体40を図示省略してある。
【0027】 図3〜図9で判るように、扉体4Bは可動体5の第1位置の外側で物品収容室 3Bの受入口3bを水平揺動して開閉し得るようになっている。
【0028】 図10および図11は錠受け機構6を示している。錠受け機構6は、上下の2 位置間で昇降可能な第1部材11と、第1部材11を常時下方に弾発付勢するば ね体11Aと、第1部材11にその下側で重なり合う突出位置および第1部材1 1に上下方向では重なり合わない後退位置の相互間で水平移動可能になされた第 2部材12とを有しており、これらがケース13に収納されている。また、第2 部材12はその前端部に後方に向かう上り勾配のガイド面12aを有し、第1部 材11はその後方下端部に後方に向かう上り勾配のガイド面11aを有している 。これらの各ガイド面12a,11aの相互間では、図11中に引き出して示し たように、第1部材11側のガイド面11aの方が第2部材12側のガイド面1 2aよりも急勾配になっている。他方、第1部材11には上側のラッチ部14と 下側の非ラッチ部15とが並設されている。図10、図11および図15に示す ようにラッチ部14は第1部材11に形成された凹所によって構成されている。 これに対し、図10、図11、図13および図15に示すように非ラッチ部15 は第1部材11に形成された膨出部によって構成されている。
【0029】 上記構成の錠受け機構6はケース13に設けられた取付フランジ13a,13 bを利用して上記ボックス本体1に取り付けられている。
【0030】 図7〜図9に詳細に示したように、中間機構7は、基部16から平行分岐状に 間隔を隔てて突出された第1突片部17および第2突片部18と、上記錠受け機 構6の第2部材に垂直に固定された連結杆19とを有しており、上記基部16が 上記縦軸9に回動自在に支持され、第1突片部17の先端部に傾斜ガイド面17 aが具備され、第1突片部17を挾んで可動体5の反対側に位置している第2突 片部18が上記可動体5の裏面側に延出されてその延出端部の取付フランジ部1 8aが可動体5に固着され、さらに、上記連結杆19が第1突片部17と第2突 片部18とに対応されている。
【0031】 そして、上記連結杆19は、可動体5が第1位置から第2位置に向けて往動さ れるときには、第1突片部17と第2突片部18との間に嵌入された状態で第1 突片部17により後方Rに押されて上記第2部材12と共に後方Rに移動し、可 動体5がその第2位置に達する直前に第1突片部17と第2突片部18との間か ら抜け出て第1突片部17からは離れる。その逆に、可動体5が第2位置から第 1位置に向けて復動されるときには、上記連結杆19が第2突片部18により前 方Fに押されて上記第2部材12と共に前方Fに移動し、その移動中に第1突片 部17と第2突片部18との間に嵌入する。なお、上記連結杆19は、錠受け機 構6のケース13に形成された前後に長い長孔13cを通してケース13の上下 に突出されており、この長孔13cが連結杆19を前後に案内する作用を果たし ている。
【0032】 このような中間機構7は、可動体5が第1位置と第2位置との間で移動すると きに、詳しくは可動体5が第1位置から第2位置に向けてある程度移動したとき に錠受け機構6の第2部材12を図10に示した突出位置と図11に示した後退 位置との間で移動させる役割を担う。したがって、中間機構7を介して可動体5 と錠受け機構6の第2部材12とが連結されている。なお、図8および図9で明 らかなように中間機構7は錠受け機構6を挾む上下両側に配備されている。
【0033】 図12のように、施錠機構8は、ケース21と、ケース21に対する突出位置 (図11)と退入位置(図12)との間で出退可能なスライドボルト22と、ケ ース21の内部においてケース21とスライドボルト22との間に介在されたば ね体23と、スライドボルト22に形成された出退方向に長い長孔24と、ケー ス21に支持されスライドボルト22の長孔24に嵌挿された軸25とを備えて おり、上記ばね体23の弾発付勢力によりスライドボルト22が常時は図12の ように突出位置に保持される。なお、スライドボルト22の先端部にはその内側 面と下側面とにそれぞれ傾斜ガイド面22a,22bが具備されている。
【0034】 この施錠機構8は扉体4Bに取り付けられる。そして、扉体4Bに施錠機構8 を取り付けた状態においては、錠受け機構6の第1部材11が上下の2位置間で 昇降したときにそのラッチ部14と非ラッチ部15とが択一的に位置する高さ位 置(図10では非ラッチ部15の位置が、図11ではラッチ部14の位置がその 高さ位置に相当する)と施錠機構8のスライドボルト22の高さ位置とが同じ位 置で相対応される。
【0035】 図3〜図5、図7〜図9において、30は物品収容室3Bの受入口3bの全周 囲に配設された樋機能を有する水返し部材であり、この水返し部材30により扉 体4Bを閉めた状態での物品収容室3Bへの雨水の吹き込みが防止される。郵便 受け室3Aの受入口3aの全周囲にも同様の水返し部材30が配設されている。 また、各床板材2B,2Cには通気孔31…が開設されている。
【0036】 次に作用を説明する。
【0037】 たとえば図4、図5、図7、図8に示すように、可動体5が第1位置に配置さ れているときには、図10のように錠受け機構6の第2部材12が第1部材11 の下側に重なり合って第1部材11が上位置まで上昇している。このため、第1 部材11の非ラッチ部15と扉体4B側の施錠機構8のスライドボルト22とが 対応し、扉体4Bを閉めた状態では図13のように上記スライドボルト22が上 記非ラッチ部15に弾接する。この状態では、扉体4Bが風に煽られても非ラッ チ部15とスライドボルト22との弾接によって扉体4Bのばたつきが抑制され る。なお、この実施例においては、図3に示したように、閉位置の扉体4Bに対 応して磁石60をボックス本体1側に設けてあるので、スライドボルト22が上 記非ラッチ部15に弾接することと、磁石60が扉体4Bを吸引することの両方 の作用によって風による扉体4Bのばたつきが確実に抑制される。扉4Bを閉め た状態から扉体4Bを外方に引いて開方向の力を加えると、図15に仮想線で示 すように非ラッチ部15をスライドボルト22が滑って非ラッチ部15から離脱 するので、扉体4Bを外方に引くことより図4の矢符A1のように扉体4Bを自 由に開くことができる。
【0038】 また、可動体5が第1位置に位置しているときには、ばね体40は図5に実線 で示した状態になっているので、可動体5はばね体40の力により復動方向に付 勢されて上記第1位置に確実に保持される。
【0039】 したがって、たとえば宅配業者は住人が不在のときでも扉体4Bを開いた後、 第1位置に配置されている可動体5を第2位置に向けて押し込んでその宅配物を 物品収容室3Bに入れることが可能である。
【0040】 この実施例において可動体5は物品収容室3Bの受入口3bの全体を塞ぐ形態 の板状の内扉材によって形成されているので、宅配物を物品収容室3Bに入れる ためには第1位置に配置されている可動体5を宅配物あるいは手で押し込むこと が不可欠である。このため、宅配業者が宅配物を物品収容室3Bに入れたときに は可動体5が必ず第1位置から第2位置に向けて往動される。可動体5がこのよ うにして往動される初期の段階では、ばね体40の力により復動方向(図4およ び図5に矢符B1で示してある)に付勢された可動体5がそのばね体5の力に抗 して往動されるが、可動体5がある程度まで往動された段階、すなわちばね体4 0の一方の脚42の支持箇所(ビス43の位置)が上記線L上の中立点Nを越え て変位することによりばね体40の力による付勢の方向が可動体5を往動させる 方向(図3および図4に矢符B2で示してある)に反転し、可動体5がばね体4 0の力で往動方向B2に付勢されて第2位置まで確実に往動し、その第2位置で 確実に保持される。
【0041】 このような可動体5の往動により上述したように連結杆19が第1突片部17 により後方Rに押されて錠受け機構6の第2部材12と共に後退位置まで移動し 、それに伴って第1部材11が図11の矢符Dのようにばね体11Aの弾発付勢 力により下位置に下降して第1部材11のラッチ部14が扉体4B側の施錠機構 8のスライドボルト22に対応する。したがって、この状態で物品が収納されて 扉体4Bが閉められると、施錠機構8のスライドボルト22が第1部材11の前 端部分を乗り越えて図14のようにラッチ部14に掛止され、扉体4Bが施錠さ れる。
【0042】 こうして扉体4Bが施錠されると、扉体4Bを開けることはできないが、物品 は開閉蓋4B’を開けることにより取出口3b’から取り出すことができる。し たがって、宅配物は物品収容室3Bで安全に保管される。
【0043】 宅配物を取出口3b’から取り出した後、可動体5をその第2位置から第1位 置に向けて復動させると、その初期の段階では、ばね体40の力により往動方向 B2に付勢された可動体5がそのばね体40の力に抗して復動されるが、可動体 5がある程度まで復動された段階では、ばね体40の一方の脚42の支持箇所( ビス43の位置)が上記中立点Nを越えて第2位置側から第1位置側に変位する ことによりばね体40の力による付勢の方向が可動体5を復動させる方向B1に 反転し、可動体5がばね体40の力で復動方向B1に付勢されて第1位置まで確 実に復動する。このように可動体5が第1位置まで復動するときには、連結杆1 9が第2突片部17により前方Fに押されて上記第2部材12と共に前方Fに移 動すると共に、その移動中に連結杆19が第1突片部17と第2突片部18との 間に嵌入する。そして、上記第2部材12が前方Fに移動すると、第1部材11 および第2部材12の各ガイド面11a,12aの作用により第2部材12が第 1部材11の下側にもぐり込むので第1部材11の下側に第2部材12が重なり 合って第1部材11が図10の矢符Uのように上位置に押し上げられ、非ラッチ 部15が施錠機構8のスライドボルト22に対応される。これにより次回の宅配 物の受取りが可能になる。
【0044】 ところで、物品受取ボックスにおいて、物品収容室3Bに物品が収納されてい るか否かを外部から知り得るようにすることは有益である。このため、上記実施 例においては、図8〜図11に示すように、錠受け機構6の第1部材11の前面 に使用中と空とを表す表示50を施し、錠受け機構6のケース13と扉体4Bと にこの表示50を覗き見ることのできる覗き窓51,52を形成してある。した がって、覗き窓51,52に物品収容室3Bに物品が収納されていないことが表 示されているとき(図8)には、宅配業者はその表示50を見て物品収容室3B に物品を収納することができ、また、住人は覗き窓51,52に物品収容室3B に物品が収納されていることが表示されているとき(図9)にそれを見て物品を 取り出すことがてきるようになる。
【0045】 以上は宅配業者による宅配物の取扱いについて説明したが、上記物品受取ボッ クスで取り扱うことのできる物品には酒や洗濯物などの配達物も含まれる。
【0046】 本考案の物品受取ボックスにおいて、可動体5を物品収容室3Bの受入口3b の全体を塞ぐ形態の板状の内扉材によって形成する必要性は必ずしもなく、たと えば床板材2Aと2Bの中間位置において第1位置と第2位置との間で水平往復 動される幅小の横長板材や棒材で形成してもよい。他方、上記実施例では、錠受 け機構6の第1部材11をばね体11Aによって常時下方に弾発付勢しているけ れども、このばね体11Aを省略して第1部材11自体の重量で第1部材11を 常時下方に付勢しておいてもよい。
【0047】 本考案の物品受取ボックスは実施例で説明した態様以外に次のような態様で実 施することが可能である。
【0048】 すなわち、中間機構については、可動体が第1位置から第2位置に移動すると きに錠受け機構の第2部材を後退位置から突出位置に移動させ可動体が第2位置 から第1位置に移動するときに錠受け機構の第2部材を突出位置から後退位置に 移動させるという構成を採用することが可能である。
【0049】 錠受け機構については、その第2部材がその突出位置において第1部材の上側 に重なり合うようにすることが可能であり、この場合には、第1部材を上向きに 常時弾発付勢するばね体や磁石などの弾発付勢部材が必要になる。
【0050】 そして、錠受け機構に並設されるラッチ部と非ラッチ部の上下の具体的な位置 関係は、中間機構や錠受け機構にどの構成を採用するかによって適宜変更される 。このための変更の態様は上掲の課題を解決するための手段の項で(1)〜(4 )に分けて説明してあるのでここでは省略する。
【0051】 なお、中間機構7は上述したもののほか、カムを利用することにより構成した ものでもよく、要するに中間機構7は、可動体が第1位置と第2位置との間で移 動するときに錠受け機構の第2部材を突出位置と後退位置との間で移動させるも のであればどのような構成であってもよい。
【0052】
【考案の効果】
本考案の物品受取ボックスは、物品収容室に室外側から物品を収容して室内側 から取り出すことができるようになるので、住人不在時の宅配物の受取ボックス として、あるいは酒・醤油や洗濯物などの配達物の受取ボックスとしてきわめて 有用である。
【0053】 また、物品収容室に物品が入れられたときに必ず可動体が第1位置から第2位 置に向けて水平往動され、そのときの可動体の動きに連動して錠受け機構が施錠 可能な状態に切り換わるために、物品収容後に扉体を閉めると扉体の施錠が自動 的に行われ、物品が安全に保管される。それにもかかわらず、背面の取出口から 物品を取り出されて可動体が第2位置から第1位置に向けて水平復動されると、 そのときの可動体の動きに連動して錠受け機構が施錠不可能な状態に切り換わっ て扉体の施錠が解除されるため、物品を取り出した後は、業者が合鍵を使わずに 扉体を開けて物品を収容することができるようになる。したがって、業者があら かじめ合鍵を持っておく必要がないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例による物品受取ボックスの斜め
前方から見た外観斜視図である。
【図2】本考案の実施例による物品受取ボックスの斜め
後方から見た外観斜視図である。
【図3】上記物品受取ボックスの縦断側面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う水平断面図である。
【図5】ばね体の作用を説明するために上記物品受取ボ
ックスの要部を拡大して示す水平断面図である。
【図6】上記物品受取ボックスの要部を拡大して示す正
面図である。
【図7】上記物品受取ボックスの要部を拡大して示す水
平断面図である。
【図8】可動体が第1位置に配置された状態での上記物
品受取ボックスの要部を拡大して示す斜視図である。
【図9】可動体が第2位置に配置された状態での上記物
品受取ボックスの要部を拡大して示す斜視図である。
【図10】第2部材が突出位置に配置された状態での錠
受け機構の斜視図である。
【図11】第2部材が後退位置に配置された状態での錠
受け機構の斜視図である。
【図12】スライドボルトが突出した状態での施錠機構
の断面図である。
【図13】スライドボルトが非ラッチ部に弾接した状態
の説明図である。
【図14】スライドボルトがラッチ部に掛止した状態の
説明図である。
【図15】スライドボルトが非ラッチ部に対応した状態
での扉体の開閉時の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ボックス本体 3B,3C 物品収容室 3a’,3b’,3c’ 物品収容室の取出口 3b,3c 物品収容室の受入口 4B,4C 扉体 5 可動体 6 錠受け機構 7 中間機構 8 施錠機構 9 縦軸(枢支点) 11 第1部材 12 第2部材 14 ラッチ部 15 非ラッチ部 22 スライドボルト

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面に受入口が設けられ背面に取出口が
    設けられた物品収容室を形成するボックス本体と、 上記受入口の近傍箇所に設けられた枢支点を中心として
    物品収容室の受入口に対応する第1位置から物品収容室
    の内方であって物品の載置部をよける位置である第2位
    置へ水平往動されかつ第2位置から第1位置への水平復
    動が可能な可動体と、 上記第1位置の外側で物品収容室の受入口を水平揺動し
    て開閉する扉体と、 出退可能なスライドボルトが常時は弾発付勢力により突
    出された施錠機構と、 上下の2位置間で昇降可能な第1部材と第1部材に上下
    方向で重なり合う突出位置および第1部材に上下方向で
    重なり合わない後退位置の相互間で移動可能になされた
    上記第1部材を昇降させるための第2部材とを有すると
    共に第1部材に上記施錠機構のスライドボルトを掛止す
    るラッチ部とスライドボルトを掛止しない非ラッチ部と
    が上下方向に並設されてなる錠受け機構と、を備え、 施錠機構が上記扉体に錠受け機構が上記ボックス本体に
    それぞれ取り付けられかつ錠受け機構の第1部材が上下
    の2位置間で昇降したときにそのラッチ部と非ラッチ部
    とが択一的に位置する高さ位置と施錠機構のスライドボ
    ルトの高さ位置とが相対応され、 上記可動体が第1位置と第2位置との間で移動するとき
    に錠受け機構の第2部材を突出位置と後退位置との間で
    移動させる中間機構を介して可動体と錠受け機構の第2
    部材とが連結されていることを特徴とする物品受取ボッ
    クス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019177077A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社ユニソン 収容ボックス

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