JPH0665583A - 高粘度指数潤滑剤の製法 - Google Patents

高粘度指数潤滑剤の製法

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JPH0665583A
JPH0665583A JP5135741A JP13574193A JPH0665583A JP H0665583 A JPH0665583 A JP H0665583A JP 5135741 A JP5135741 A JP 5135741A JP 13574193 A JP13574193 A JP 13574193A JP H0665583 A JPH0665583 A JP H0665583A
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catalyst
lubricant
hydrocracking
wax
weight
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JP5135741A
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Jr Charles L Baker
チャールズ・エル・ベイカー・ジュニア
Robert T Hanlon
ロバート・ティ・ハンロン
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G45/00Refining of hydrocarbon oils using hydrogen or hydrogen-generating compounds
    • C10G45/72Controlling or regulating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G2400/00Products obtained by processes covered by groups C10G9/00 - C10G69/14
    • C10G2400/10Lubricating oil

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な粘度特性を有する潤滑剤を高い収率で
与える潤滑剤の製法を提供する。 【構成】 石油ワックスなどの鉱油供給原料から高粘度
指数潤滑剤を製造する方法であって、第1工程において
水素化分解を行い、第2工程において水素異性化/水素
化処理を行い、第2工程における温度は第2工程に入る
窒素含有化合物の量を調整することによって制御されて
いる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い粘度指数を有する
潤滑剤の製法に関する。より詳細には、石油ワックスな
どの鉱油供給原料から、水素化分解、および続いての狭
い温度範囲での操作を必要とする水素異性化/水素化処
理によって高粘度指数の潤滑剤を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、鉱油系潤滑剤は、大気圧下でパラフィン系原油を分
別し、次いで減圧下で分別し、蒸留分画(ニュートラル
油)および残渣分画を生成することを含んでなる石油精
製において行われる逐次分離によって製造されていた。
残渣分画は脱アスファルト化および過酷な溶媒処理の後
に、通常、ブライトストックと呼ばれる潤滑剤基油とし
ても使用できる。従来、低粘度指数(VI)成分を除く
ための溶媒抽出の後においてニュートラル油は、溶媒ま
たは触媒的脱ろう法により脱ろうに付され、望ましい流
動点にされ、その後、脱ろう化された潤滑剤原料油は水
素化仕上げされ、安定性が改良され、着色物が除去され
る。この従来の方法は、適切な量で所望の品質を有する
所望潤滑剤分画を生成する粗原料油、通常はパラフィン
特性を有する粗原料油の選択および使用に依存する。
【0003】しかし、最良のパラフィン性粗製物よりも
高い芳香族炭化水素含量を有することが通常である限界
品質または悪い品質を有する粗製物を利用できる潤滑剤
水素化分解法によって許容可能な原油産地の範囲を拡張
することができる。石油精製工業において充分に確立さ
れた潤滑剤水素化分解法は、供給原料中に存在する芳香
族炭化水素の部分的飽和および開環を行う二機能性触媒
の存在下で、高圧下で行う初期水素化分解工程を一般に
含んでなる。次いで、水素化分解された生成物を、目標
流動点に達するように、脱ろうする。パラフィン特性を
有する初期水素化分解工程からの生成物は、脱ろう工程
において除去される必要のあるかなり高い流動点を有す
る成分を含むからである。
【0004】自動車エンジン設計の現在の傾向におい
て、エンジンの効率が増加するとともに操作温度が高く
なっており、高い操作温度は首尾よく高い品質を有する
潤滑剤を必要とする。要求の1つは、高い粘度指数(V
I)であり、エンジン潤滑剤の粘度に対する高い操作温
度の影響が低減される。高いVI値は、VI改良剤、例
えば、ポリアクリレートの使用によって従来達成されて
いたが、このようにして行われ得る改良の程度には限界
がある。加えて、VI改良剤は、エンジンにおいて生じ
る高い剪断速度および高温の影響において分解する傾向
にあり、高効率エンジンにおいて生じる高い応力条件に
よって、かなりの量のVI改良剤を使用する油の早い分
解が生じる。したがって、現在のエンジンにおいて生じ
る高温高剪断速度条件に対して安定であり、高い粘度指
数の液体に基づく自動車用潤滑剤に対する要求が続いて
いる。
【0005】或る触媒の存在下でオレフィンの重合によ
って製造した合成潤滑剤は、良好なVI値を有するが、
従来の合成法によって製造する場合には高価であり、通
常、高価な出発物質を必要とする。したがって、石油精
製において現在用いられている技術と対等の技術によっ
て、鉱油原料油から高VI潤滑剤を製造することに対す
る要求が存在する。
【0006】実際と同様に理論において、潤滑剤は高度
にパラフィン性の特性を有するべきである。パラフィン
が低い粘度および高い粘度指数の好ましい組み合わせを
有するからである。n−パラフィンおよび僅かに分岐し
たパラフィン、例えば、n−メチルパラフィンは、潤滑
剤原料油に許容できない程度に高い流動点を与え、従っ
て、前記の通常の精製法において脱ろう操作時に除去さ
れるワックス性物質であることが多い。しかし、好まし
くない流動点特性を排除しながらパラフィン特性の利点
の多くを保つようにワックス性供給原料を処理すること
が可能である。高粘度指数の潤滑剤を製造する過酷な水
素化処理法が、ブル(S.Bull)らのデベロップメン
ツ・イン・ルーブリケイション(Developments in Lu
brication)、PD 19(2)、221〜228頁に開
示されており、この方法において、ワックス性供給原
料、例えば、ワックス性蒸留物、脱アスファルト油およ
び粗ワックスが、2工程水素化処理法に付される。
【0007】この処理法において、初期の水素化処理ユ
ニットが高温条件下で第1工程におけるブロック操作に
おいて供給原料を処理し、水素化分解および水素化によ
って好ましくない芳香族化合物を選択的に除去する。第
2工程は、水素化が優先する低い温度のかなり温和な条
件下で操作し、全芳香族炭化水素含量を調節し、最終生
成物における芳香族種の分布に影響を及ぼす。次の再蒸
留工程において常圧蒸留することによって基油の粘度お
よび引火点を調整する。その後、溶媒脱ろう(MEK−
トルエン)ユニットにおいて脱ろうすることによって最
終基油の流動点を調整する。脱ろう剤から取り出された
粗ワックスを再処理し、高粘度指数の基油を製造する。
【0008】無定形二機能性触媒、例えば、アルミナま
たはシリカ/アルミナ上のニッケル/タングステンによ
る水素化分解に付すワックス性供給原料を使用するこの
種の方法は、例えば、イギリス国特許出願公開第1,4
29,494号、第1,429,291号および第1,49
3,620号、ならびにアメリカ合衆国特許第3,83
0,273号、第3,776,839号、第3,794,5
80号および第3,682,813号に開示されている。
イギリス国特許出願公開第1,429,494号に記載さ
れた方法において、ワックス性供給原料の脱ろうによっ
て製造された粗ワックスは、13900kPa(200
0psig)またはそれ以上の水素圧で二機能性水素化
分解触媒による水素化分解に付され、次いで、水素化分
解生成物の脱ろうを行い、所望流動点を得る。脱ろう
は、水素化分解工程に分離ワックスを再使用して溶媒法
によって行うことが好ましいと記載されている。
【0009】この種の方法において、水素化分解触媒
は、典型的には、無定形酸性担体上の水素化金属成分を
含有する二機能性触媒である。金属成分は、卑金属の組
合せ、周期表の鉄族(第VIII族)から選択された1種の
金属と第VIB族から選択された1種の金属との組み合わ
せ、例えば、ニッケルとモリブデンまたはタングステン
との組み合わせである。イギリス国特許第1,350,2
57号、第1,342,499号および第1,440,23
0号、フランス国特許第2,123,235号および第
2,124,138号、ならびにヨーロッパ特許第19
9,394号に記載されているように、リンまたはホウ
素のような改質剤が含まれてよい。イギリス国特許第
1,440,230号に記載されているように、ホウ素を
改質剤として用いてもよい。イギリス国特許第1,39
0,359号に記載されているように、触媒の活性は、
フッ素を使用することによって、すなわち、その製造時
に適切なフッ素化合物の形態でフッ素を触媒に加えるこ
とによってあるいはプロセスの操作時にその場でフッ素
化することによって増加することができる。
【0010】ワックス性供給原料の処理のため無定形触
媒を使用する方法によって高粘度指数潤滑剤を製造でき
ることが示されているが、それには限界がある。最も良
好には、供給原料を生成し、水素化分解生成物を所望流
動点に脱ろうするために、この方法はかなりの脱ろう性
能を必要とする。これの理由は、無定形触媒は典型的に
使用される高圧、例えば13900kPa(2000p
sig)の条件下で芳香族炭化水素の飽和に対して有効
であるが、パラフィン成分の異性化に対する活性および
選択性は、要求される程度に高くなく;従って、かなり
直鎖のパラフィンを、生成物流動点規格に充分に合致す
る程度にまで、かなり高い粘度指数を有するが低い流動
点特性を有するワックス性がより低いイソパラフィンに
異性化できないということである。
【0011】従って、ユニットを通過するワックス性パ
ラフィンを、次の脱ワックス工程時において除去し、再
使用する必要があり、こうしてユニットのキャパシティ
ーを低減する。無定形触媒の限定された異性化活性は、
単一パス収率を約50%以下の値に限定し、対応するワ
ックス転化率は約30〜60%である。しかし、より高
い収率がプロセスの効率を明らかに向上させる。生成物
VIも、異性化活性により、典型的には、単一パス操作
において−18℃(0°F)流動点で約145に限定さ
れる。無定形触媒の温度要求も、少なくともゼオライト
触媒に比較して、かなり高く、典型的には、371〜4
27℃(約700〜800°F)である。
【0012】ワックス性供給原料を高VI潤滑剤原料油
に品質向上する他の方法がアメリカ合衆国特許第4,9
19,788号および第4,975,177号に記載され
ている。ここでは、ワックス性供給原料、典型的にはワ
ックス性軽油、粗ワックスまたは脱油ワックスが、高度
にケイ質のゼオライトβ触媒により水素化処理される。
アメリカ合衆国特許第4,419,220号に記載されて
いるように、ゼオライトβは芳香族炭化水素の存在下で
パラフィンの異性化に対して非常に有効であることが知
られており、その能力はアメリカ合衆国特許第4,91
9,788号および第4,975,177号の方法におい
て、生成物の収率および粘度特性を最適化するように有
効に利用されている。
【0013】ゼオライトβ触媒は、供給原料の後末端に
含有される高分子量パラフィンを、ワックス性の低い物
質に異性化し、これらの成分からの潤滑剤範囲の外側で
沸騰する物質への分解を最小にする。供給原料の前末端
におけるワックス性パラフィンは、溶媒または触媒的
に、後の脱ろう工程において除去され、目標流動点を達
成する。パラフィン水素異性化プロセスと、供給原料の
前末端における次の選択的脱ろうプロセスの組み合わせ
によって、これらプロセスの単独よりも高い生成物VI
を達成することができ、加えて、プロセスは、要求に応
じて、収率効率のためまたはVI効率のために最適化す
ることができる。
【0014】このゼオライト触媒プロセスは、高度にパ
ラフィン性の供給原料を取り扱うことにおいて非常に有
効であるとわかっているが、低品質芳香族炭化水素を除
去する低い能力と組み合わさったゼオライトβ触媒の高
異性化選択性は、かなり少ない量の芳香族炭化水素を含
有する供給原料へこのプロセスを適用することを限定す
る傾向にある。芳香族炭化水素および他の多環式物質は
ゼオライトによって容易に攻撃されず、従って、これら
は、プロセスを通過して生成物中に残存し、VIが低下
する。潤滑剤収率は、高転化率で潤滑剤沸騰範囲の外側
へのワックス分解によって拘束される傾向もある。最大
潤滑剤収率は、典型的には、20〜30重量%の転化率
範囲(343℃+(650°F+)転化率)において得
られる。従って、生成物の高VI値を保持しながら潤滑
剤収率を改良するために、異性化選択性を増加すると同
時に、水素化分解選択性を減少することが好ましい。
【0015】従って、要約すれば、無定形触媒を使用し
たプロセスは、単一パス転化率および全収率に関して劣
っているとみなせる。無定形触媒は多環式物質の存在下
でパラフィン異性化に対してかなり非選択性であるが、
分解に対して高い活性を有しており、全収率が低いまま
であり、脱ろう要求は高いからである。対照的に、ゼオ
ライト触媒プロセスは、高い収率を達成できる。ゼオラ
イトはパラフィン異性化に対して非常に高い選択性を有
しているからであるが、プロセスにおいて使用される穏
やかな水素圧で芳香族炭化水素は低品質供給原料におい
て充分に扱われず、操作は、種々の転化率レベルでゼオ
ライトの変化する選択性要因によって拘束される。
【0016】潤滑剤水素化分解生成物における過剰の芳
香族炭化水素含量を避けるために従来技術で使用されて
いる1つの方法においては、専用の水素化処理反応器を
利用する。この反応器は、潤滑剤水素化分解器への供給
原料を前処理するためにまたは潤滑剤水素化分解物を仕
上げるために水素化分解器の前にまたは後に配置され
る。しかし、水素化処理と異性化を行うこれら潤滑油水
素化分解法において、分離した水素化処理器の使用に
は、かなりの経済的な不都合がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、2工程にな
っているワックス水素化分解−水素異性化/水素化処理
を用いた方法によって高い品質の高粘度指数(VI)潤
滑剤を製造する方法を発明した。この方法によって、一
般的には140以上、通常140〜155、典型的には
143〜147である非常に高い粘度指数を有する生成
物を製造することができる。得られる生成物は、低含量
の芳香族炭化水素(典型的には1重量%未満)およびオ
レフィン(典型的には1重量%未満)を含有し、向上し
た安定性、特に紫外線安定性、例えば、0.1リットル
/g・cm未満の226nmでのUV吸収率を有してい
る。
【0018】本発明は、ワックス含量が少なくとも50
重量%であり窒素化合物を含有する鉱油起源の炭化水素
供給原料から、少なくとも140の粘度指数を有する高
粘度指数潤滑剤を製造する方法であって、 (i)第1工程において、酸性無定形多孔性担体物質の
上に水素化金属成分を含んでなる二機能性潤滑剤水素化
分解触媒の存在下で少なくとも5620kPa(800
psig)の水素分圧で供給原料を水素化分解し、窒素
化合物を含有する流出物になり、潤滑剤沸騰範囲の外側
で沸騰する生成物への供給原料の50重量%以下の転化
率を与える過酷性で供給原料に存在する芳香族炭化水素
を水素化分解し; (ii)第2工程において、ゼオライトβを含んでなる多
孔性担体物質上の水素化貴金属成分を含んでなり20以
下のα値を有する低酸性異性化触媒の存在下で、第1工
程からの流出物において、同時にワックス性パラフィン
を異性化し、芳香族炭化水素を水素化処理して、ワック
ス性パラフィンをよりワックス性の低いイソパラフィン
に異性化し、芳香族炭化水素含量を1重量%未満に減少
させ; (iii)第2工程において窒素化合物の濃度を制御する
ことによって同時のワックス性パラフィン異性化および
芳香族炭化水素の水素化処理を許容する範囲に、第2工
程における温度を制御するのに充分な程度にまで、第1
工程流出物から、窒素化合物含有ガスおよび/または液
をストリッピングし;および、要すれば (iv)ストリッピングされた窒素化合物含有ガスおよび
/または液の少なくとも一部分を、温度をさらに制御す
るのに充分な程度に第2工程に供給することを特徴とす
る製法を提供する。
【0019】ストリッピングは、第1工程と第2工程と
の間に配置されたガスストリッピング手段および/また
は液ストリッピング手段において行うことが好ましい。
第1工程流出物のストリッピングの程度は、同時の異性
化および水素化処理に適した範囲、例えば、288〜3
43℃(550〜650°F)に、第2工程における温
度を制御するのに充分な程度に、ストリッピング手段を
バイパスさせることによって制御できる。第2工程にお
ける温度は、好ましくは304〜343℃(580〜6
50°F)、より好ましくは321〜332℃(610
〜630°F)である。
【0020】好ましい態様において、段階(iii)は、
11℃(20°F)以下、好ましくは8℃(15°F)
以下、より好ましくは5.6℃(10°F)以下である
第2工程内でのインクリメンタル温度上昇を与える。
【0021】水素化分解器からの流出物に存在する窒素
化合物は、窒素含有有機化合物の水素化分解から得られ
るものであってよい。そのような窒素化合物は、アンモ
ニア、硫化アンモニウム、硫化水素アンモニウムおよび
塩化アンモニウムを包含する。これらの中で、典型的に
は、アンモニアが最大量で存在する。第2工程に導入し
た場合にこれら化合物は、異性化触媒に対して失活効果
を与え、転化率を維持するためには反応温度の増加が必
要である。
【0022】プロセスは、高品質潤滑剤基油を良好な収
率で製造するために種々の組成の供給原料を用いて行う
ことができる。無定形触媒を使用するプロセスに比較し
て、(1)収率がより高く、(2)ワックス性パラフィ
ン、主として直鎖状またはほぼ直鎖状のパラフィンを、
高い粘度指数を有する、より低いワックス性のパラフィ
ンに転化するプロセスにおける有効性に起因して生成物
のための脱ろう要求が顕著に低い。単一工程ゼオライト
触媒プロセスに比較して、本発明には、供給原料から低
品質の芳香族成分を除去するのにより有効であるので、
広い範囲の供給原料に適応して、一定品質の生成物を与
えることができるという利点;最大潤滑剤収率を得る範
囲において収率の利点および5〜40%の広い転化率に
おいてより高い生成物VIを与えるという利点がある。
さらに、分離した水素化処理器を利用することなく、向
上したUV安定性および最小の芳香族炭化水素およびオ
レフィンの含量を有する生成物を与える。本発明を使用
して、生成物の芳香族炭化水素含量は1重量%未満、好
ましくは0.5重量%未満に減少させることができる。
【0023】本発明によれば、ワックス性供給原料を、
2工程の水素化分解−水素異性化/水素化処理に付す。
第1工程において、限定された転化率のかなり穏やかな
条件下で、無定形酸性担体上に水素化金属成分を含んで
なる二機能性触媒による水素化プロセスに供給原料を付
す。第2工程は、低い酸性度の貴金属含有ゼオライト触
媒を用いて行う水素異性化/水素化処理段階を含んでな
る。第1工程において、供給原料の低品質芳香族成分を
水素化分解反応に付し、これにより芳香環が完全にまた
は部分的に飽和するとともに、環が開き、よりパラフィ
ン性である生成物が生成する。しかし、第1工程におけ
る限定された転化率により、潤滑剤沸点範囲よりも低
い、典型的には343℃(650゜F)よりも低い沸点
の生成物にさらにクラッキングを行うことなく、これら
生成物を保持することが可能になる。典型的には、第1
工程における転化率は、初期供給原料の30重量%以下
に限定される。
【0024】第2工程において、条件は、第1工程にお
ける水素化分解により製造されるパラフィンとともに供
給原料に初めに存在するパラフィンの水素異性化に対し
て最適化される。このために、高い異性化選択性を有す
る低酸性度の触媒が使用され、このために、低酸性度の
ゼオライトβが、優れた結果を与えることがわかった。
貴金属、好ましくは白金を用いて、この触媒において水
素化−脱水素化機能性を与え、望ましい水素異性化反応
を促進する。加えて、第2工程は、第1工程からの流出
物に存在する芳香族炭化水素およびオレフィンを水素化
処理する条件に保たれ、極度に減少した芳香族炭化水素
含量(典型的には1%未満)を有する生成物が得られ
る。
【0025】水素異性化のためにのみ第2工程を使用す
る(本願発明には含まれない)出願において、プロセス
は2種の異なったモードで操作でき、これら両方のモー
ドは、供給原料における芳香族炭化水素の除去を最大に
するめに第1工程においてかなり高い圧力を必要とし、
少なくとも5620kPa(絶対圧、800psi
g)、好ましくは5620〜20785kPa(800
〜3000psig)の圧力が好適である。第2工程
は、圧力減少なく第2工程に直接に第1工程流出物をカ
スケードすることによって、あるいは第2工程がかなり
低い圧力[例えば、7000kPa(絶対圧、1000
psig)以下]で操作してよいので、ステージ間分離
器に第1工程生成物を通過させて軽質成分および無機ヘ
テロ原子を除去することによって行える。
【0026】操作のこの部分のために高圧容器を入手で
きない場合には、第2工程において同様の圧力または減
少した圧力での2工程操作が望ましいが、ステージ間分
離の無いカスケードプロセスは、その簡単さの故に第2
工程が水素異性化のみのために使用される操作の好まし
いモードである。しかし、両方の場合において、プロセ
スは、生成物の脱ろうのための限定された要求および高
いシングルパス収率を有する状態で、高粘度指数潤滑剤
に、約5重量%以上の芳香族炭化水素含量を有する粗ワ
ックスなどのワックス性供給原料を品質向上させるのに
良好に適合する。
【0027】第2工程において水素異性化および水素化
処理を使用する本発明において、第1工程の生成物は、
第2工程に付される前に潤滑剤沸点範囲より低い沸点の
物質および無機ヘテロ原子成分、例えば、窒素含有化合
物を除去するために、1つまたはそれ以上の工程間分離
器を通過する。潤滑剤沸点範囲よりも低い沸点の物質を
除去することによって、第2工程に供給される供給原料
の量を減少することによる第2工程の容量要求に関する
プロセスの効率が改良される。これは、水素異性化/水
素化処理を必要としないこれら成分を第2工程からわき
へそらせることによって行える。第1工程の流出物か
ら、窒素含有化合物、例えば、アンモニアの少なくとも
一部分を除去することによって、第2工程における温度
を、同様の触媒の最適水素化処理活性に合致した水素異
性化温度範囲に制御することが可能になる。
【0028】第2工程のゼオライトβ触媒の活性は、窒
素化合物、例えば、第1工程におけるマイルドな水素化
分解において発生する窒素化合物に対して感応性であ
る。そのような化合物の効果は、(ヘテロ原子含有化合
物、例えば、アンモニアおよび硫化水素が第1工程から
第2工程に直接に通過する)カスケードモードにおける
操作を、(ヘテロ原子含有化合物が第1工程流出物から
除去される)ステージドモードにおける操作と比較する
ことによって観測され得る。
【0029】一般的に、カスケードモードにおいてさ
え、温度要求を低下させるために、より大きい反応器を
設計できる。しかし、温度のための容量の交換は、ずっ
と大きな反応器を必要とし得る。11℃(20゜F)で
温度要求を低下させることは、反応器寸法をほぼ2倍に
する。種々の窒素含量を有する供給原料における変化
は、転化率および水素化処理の要求の両方に合致しない
可能性がある。
【0030】液およびガスを第1工程から第2工程に直
接に送る操作(カスケードモード)と、第1工程後にア
ンモニアおよび硫化水素を除去する操作(ステージドモ
ード)との差は、図10に示すように、典型的には17
〜56℃(30〜100゜F)、15%インクリメンタ
ル転化率で28℃(50゜F)以上である。
【0031】第2工程触媒を異性化触媒および水素化処
理触媒の両方として機能させるために、操作温度は、狭
い温度範囲、一般に288〜343℃(550〜650
゜F)、好ましくは302〜343℃(575〜650゜
F)、例えば316〜329℃(600〜625゜F)
に限定される。
【0032】ワックス異性化は、潜在的に、非常に温度
感応性の反応である。これは、典型的には60〜100
kcal/モルである反応活性化エネルギーによって示
される。ほとんどの工業的な水素異性化反応は、40〜
60kcal/モルの範囲にある。実際には、高い活性
化エネルギーは、所定LHSVにおいて、所望転化率を
達成するために温度を5.6℃(10゜F)範囲内で制御
することが必要であることを意味する。この狭い範囲
は、11〜22℃(約20〜40゜F)である最適水素
化処理温度に必ずしも合致していない。
【0033】反応器容量および供給原料速度の適切な選
択は、サイクルの開始での所定供給原料のために、水素
異性化および水素化処理の両方に対して好ましい条件に
温度を制御する問題を解決し得る。しかし、供給原料の
種類もしくは速度あるいは触媒エージングにおける変化
によって、操作温度は、最適な水素化処理温度範囲の外
側になる。
【0034】本発明によれば、第2工程における触媒の
活性は、最適な転化率および水素化処理条件で操作を行
えるように調節でき、これにより、ユニット空間速度
(LHSV)、潜在的に長いサイクル長さおよび第2工
程のゼオライトβ触媒で生じる高い活性化エネルギー反
応(高い温度感応性)の確実な制御を選択する上での自
由度が大きくなる。
【0035】第2工程に戻る窒素含有化合物、例えば、
NH3のスリップを調節することによって、かなり一定
の転化率レベルで所望温度を維持できる。これは、適切
な手段によって、例えば、第1工程液生成物の不完全な
ストリッピング、あるいはアンモニア除去タワーの部分
的バイパスによって行うことができる。
【0036】本発明の方法は、ワックス異性化に伴った
高い活性化エネルギー反応のより高い制御をも与える。
床内での温度上昇が、平均よりも11〜17℃(20〜
30゜F)高い温度に達した場合に、非常に大きな発熱
が局部的に生じ、床の残りに広がり、反応器の不安定性
につながる。そのような状況に対する典型的な応答は、
ユニットを減圧し、反応をクエンチすることであるが、
第2反応器へのアンモニア豊富な物質の急速なバイパス
は、触媒活性を急速に低下させ、減圧よりも混乱を生じ
させない。アンモニア豊富な物質による処理は、反応条
件を28℃(50゜F)までで上昇させ、これにより、
触媒の活性を効果的に低下させる。
【0037】添付図面において、図1〜7は、実施例で
報告したワックス水素化プロセス実験の結果を示すグラ
フである。図8〜10は、流出物が第1工程から第2工
程に直接に送られるカスケードプロセスと、第2工程に
送られる前にヘテロ原子化合物および軽質成分が第1工
程流出物から除去されるステージドプロセスとの間の反
応器温度における比較を示すものである。図11は、変
形ステージド操作を用いた本発明の2工程の水素化分解
−水素異性化/水素化処理を示す。
【0038】本発明において、ワックス性供給原料は、
2工程の水素化分解−水素異性化法において高粘度指数
潤滑剤に転化される。生成物は、高い粘度指数を包含す
る良好な粘度性質によって特徴付けられる。粘度指数
は、一般的には少なくとも140、通常143〜147
である。本発明における2つの工程は、水素化分解反応
による第1工程における低品質の芳香族成分の選択的な
除去、および第2工程における選択的なパラフィンの異
性化および水素化処理のために最適化された触媒を使用
することによって水素の存在下で行え、低い流動点、高
い粘度指数および改良されたUV安定性を有する生成物
が生成する。
【0039】本発明の方法において使用する供給原料
は、ASTM試験D−3235により測定して、少なく
とも50重量%のワックスを含有する石油ワックスを含
んでなる。鉱油起源のこれら供給原料において、ワック
スは、ほとんどの場合に、直鎖のおよび僅かに分岐した
鎖のパラフィン、例えばメチルパラフィンを有してな
る、高流動点のパラフィンである。
【0040】石油ワックス、即ち、パラフィン特性を有
するワックスは、ワックス含有製油所流れからの物理的
分離によって、通常、ワックスが分離する温度に流れを
冷却することによって、通常、溶媒脱ろう、例えばME
K/トルエン脱ろうによって、または自動冷媒法、例え
ばプロパン脱ろうによって石油または他の液体の精製か
ら誘導される。これらワックスは、少なくとも343℃
(650°F)の初期沸点を必要ともする潤滑剤への処
理において非常に有用になる343℃(650°F)以
上の高い初期沸点を有する。
【0041】特徴的な処理工程に続く分離工程時に処理
時に生成した同様の沸点範囲を有する生成物とともに除
去されるので、より低い沸点の成分の存在は排除されな
い。しかし、これら成分は処理ユニットに負荷を与える
ので、供給原料カットポイントの適切な選択によって排
除されることが好ましい。長いまたは大気性の残渣油の
真空蒸留によって生成したニュートラル油、即ち、蒸留
分画の溶媒脱ろうから誘導されたワックス供給原料の終
点は、通常、595℃(1100°F)以下であり、こ
れらは、通常、残留流れではなく、蒸留物として分類で
きる。しかし、705℃(1300°F)までの終点を
有するのが通常である、高沸点ワックス供給原料、例え
ば、ペトロラタムワックス、すなわち、ブライトストッ
ク脱ろうから分離されたワックスをも使用してよい。
【0042】供給原料のワックス含量は高く、通常には
少なくとも50重量%、より通常には少なくとも60〜
80重量%であり、吸蔵オイルからの残りはイソパラフ
ィン、芳香族炭化水素およびナフテン系炭化水素を含ん
でなる。芳香族炭化水素、ポリナフテンおよび高度に分
岐したナフテンの非ワックス含量は、通常、ワックスの
約40重量%を越えず、好ましくは25〜30重量%を
越えない。高度にパラフィン性のワックス原料油は、芳
香族炭化水素およびナフテンのかなり低い含量のため
に、通常、低い粘度を有しているが、高含量のワックス
性パラフィンによって、さらに処理しない場合には潤滑
剤として許容できない融点および流動点が得られる。
【0043】この種類の供給原料は、通常、粗ワック
ス、即ち、溶媒脱ろう法、例えば、MEKまたはプロパ
ン脱ろう法から直接得られるワックス性生成物である。
吸蔵オイルとともに高度にワックス性のパラフィン(ほ
とんどn−およびモノ−メチルパラフィン)を含んでな
り、固体〜半固体の生成物である粗ワックスを、本発明
の方法の第1工程に直接に供給してよい。この場合、初
期の調製、例えば、水素化処理などの手段を講じる必要
はない。
【0044】一部の典型的ワックスの組成を下記表1に
示す。
【表1】 アラブライト原油のワックス組成 パラフィン、重量% 94.2 81.8 70.5 51.4 モノナフテン類、重量% 2.6 11.0 6.3 16.5 ポリナフテン類、重量% 2.2 3.2 7.9 9.9 芳香族炭化水素、重量% 1.0 4.0 15.3 22.2
【0045】典型的な粗ワックス供給原料は下記表2に
示す組成を有する。この粗ワックスはアラブライト原油
から得られる300SUS(65cSt)ニュートラル油の
溶媒(MEK)脱ろうにより得られる。
【0046】
【表2】粗ワックスの特性 API比重 39 水素、重量% 15.14 硫黄、重量% 0.18 窒素、ppmw 11 融点、℃(°F) 57(135) 100℃動粘度、cSt 5.168 PNA、重量%: パラフィン 70.3 ナフテン 13.6 芳香族炭化水素 16.3 蒸留結果: ℃(°F) 5 375(710) 10 413(775) 30 440(825) 50 460(860) 70 482(900) 90 500(932) 95 507(945)
【0047】本発明の方法で好適に用いられるもう一つ
の粗ワックスは、下記表3に示す特性を有する。このワ
ックスは、450SUS(100cS)ニュートラル油残
油の溶媒脱ろうにより調製している。
【0048】
【表3】粗ワックスの特性 沸点範囲、℃(°F) 375〜567(70
8〜1053) API比重 35.2 窒素、塩基性、ppmw 23 窒素、合計、ppmw 28 硫黄、重量% 0.115 水素、重量% 14.04 流動点、℃(°F) 50(120) 動粘度(100℃) 7.025 動粘度(300°F、150℃) 3.227 油(D3235) 35 分子量 539 P/N/A: パラフィン − ナフテン − 芳香族炭化水素 10
【0049】第1工程の水素化プロセス−水素化分解 ワックス性供給原料を、両方の工程が水素の存在下で行
われる2工程の水素化分解−水素異性化/水素化処理に
付す。第1工程において、無定形二機能性触媒を使用
し、供給原料における低品質芳香族炭化水素の飽和およ
び開環を促進して、かなりよりパラフィン性の水素化分
解生成物を製造する。この工程は、芳香族炭化水素の飽
和を促進するように高圧下で行われる。しかし、供給原
料のパラフィン性成分の分解および芳香族物質の飽和お
よび開環から得られた生成物の分解を最小にするよう
に、転化率はかなり低いレベルに保たれる。
【0050】これら目的に合致するように、第1工程に
おける水素圧は通常少なくとも5620kPa(絶対
圧、800psig)、好ましくは7000〜2078
5kPa(絶対圧、1000〜3000psig)の範
囲である。高いレベルの芳香族炭化水素の飽和を行うた
めに、通常、少なくとも10435kPa(絶対圧、1
500psig)の水素分圧が最も良好である。104
35〜17340kPa(絶対圧、1500〜2500
psig)の範囲の圧力がほとんどの高圧装置において
適している。少なくとも180n.l.l-1(約1000
SCF/Bbl)、好ましくは900〜1800n.l.
-1(5000〜10000SCF/Bbl)の水素循
環速度が適している。
【0051】本発明の方法のこの工程において、潤滑剤
沸騰範囲以下の沸点を有する生成物への、典型的には6
50°F−(約343℃−)生成物への供給原料の転化
率は、供給原料の50重量%以下に限定され、通常、供
給原料の30重量%以下であり、第2工程のために供給
原料を製造しながらプロセスの特徴である所望の高い単
一パス収率を保つ。少なくとも約130である第1工程
生成物の初期VIが、最終生成物が140またはそれ以
上の所望のVIを有するためには一般に好ましい。この
理由から、実際の転化率は供給原料の品質に依存し、粗
ワックス供給原料は、低品質多環式成分を除去する必要
があるペトロラタムよりも低い転化率を必要とする。
【0052】ニュートラル原料油の脱ろうから誘導され
た粗ワックスにおいて、343℃+(650°F+)物
質の転化率は全ての実用目的において10〜20重量%
以下であり、約15重量%が重質ニュートラル粗ワック
スにおいて典型的である。第2工程処理の供給原料を製
造するためにペトロラタム供給原料に、より高い転化率
を適用してよい。ペトロラタム供給原料において、第1
工程転化率は、典型的には、高VI生成物のために20
〜25重量%の範囲である。転化率は、この工程におい
て温度を調整することによって所望の値に保ち得る。温
度は、通常、315〜430℃(600〜800°
F)、好ましくは343〜400℃(650〜750°
F)である。過酷性を調整するために空間速度を変化さ
せてもよいが、このことはシステムの機械的拘束の観点
からあまり実際的ではない。
【0053】所望の転化率を達成するために選択される
正確な温度は触媒および供給原料の性質に依存し、供給
原料から低品質芳香族成分を除去する必要の程度にも依
存する。一般に、パラフィン性供給原料を用いる場合よ
りも高い過酷性条件が、約30%までの芳香族炭化水素
の通常最大値にまで芳香族供給原料を処理するのに必要
である。したがって、供給原料の性質は、選択触媒の活
性と相互に関係があり、所望生成物性質を達成するため
に第1工程の必要操作温度に達する。この工程の目的
は、潤滑剤沸騰範囲以下で沸騰する生成物への所望のパ
ラフィン性成分の転化を最小限にしながら、水素化分解
により、望ましくない低品質芳香族炭化水素を除去する
ことにある。この工程において、所望の過酷性を達成す
るために、温度は空間速度とも相互に関係するが、実際
的理由から、空間速度は、機械的拘束条件にしたがっ
て、通常、一定値に保たれる。一般に、空間速度は、1
時間当たり0.25〜2LHSV、好ましくは0.5〜
1.5LHSVである。
【0054】第1工程操作の特徴は、二機能性潤滑剤水
素化分解触媒の使用にある。この種の触媒は、供給原料
から低品質芳香族成分を除去するために、芳香族炭化水
素の水素化分解反応に対して高い選択性を有する。一般
に、これら触媒は、所望の芳香族炭化水素の飽和を促進
する金属成分を含有し、鉄族(第VIII族)からの金属を
第VIB族からの金属に組み合わせた卑金属の組み合わせ
が頻繁に用いられる。代表的には、ニッケルまたはコバ
ルトなどの卑金属をモリブデンまたはタングステンと組
み合わせて使用する。所望の芳香族炭化水素の水素化分
解反応を促進することにおいて非常に有効であるので、
好ましい組み合わせはニッケル/タングステンである。
硫黄の不存在下で良好な水素化活性を有するので白金ま
たはパラジウムなどの貴金属を使用してもよいが、これ
らは一般に好ましくない。
【0055】触媒上に存在する金属の量は、この種の潤
滑剤水素化分解触媒において通常のものであり、一般
に、触媒の全重量に基づいて第VIII族金属1〜10重量
%および第VI族金属10〜30重量%である。ニッケル
またはコバルトなどの卑金属に代えて白金またはパラジ
ウムなどの貴金属成分を使用する場合、これら貴金属の
高い水素化活性のためにかなり低い量で充分であり、典
型的には約0.5〜5重量%で充分である。所望寸法の
粒子に形成した後に多孔性担体に含浸することを包含す
るいずれかの適切な方法によって、または焼成前に担体
物質のゲルに添加することによって金属を組み込むこと
ができる。ゲルへの添加は、かなり多量の金属、例え
ば、第VIII族金属10重量%以上および第VI族金属20
重量%以上を添加する場合に、好ましい方法である。こ
れら方法は、従来からあるものであり、潤滑剤水素化分
解触媒の製造のために用いられる。
【0056】触媒の金属成分は、多孔性で無定形の金属
酸化物担体の上に担持される。シリカ/アルミナをも用
いることができるが、アルミナが好ましい。他の金属酸
化物成分も担体に存在してよいが、その存在はあまり好
ましくない。潤滑剤水素化分解触媒の要求に合致して、
担体は、好ましい水素化分解反応が生じる触媒の内部孔
構造に高沸点供給原料のかなりかさ高い成分が侵入する
のを許容するのに適した孔寸法および分布を有する。通
常、触媒は、約50Å(50×10-7mm)の最小孔寸法を
有しており、即ち、約5%以下の孔が50Å(50×1
-7mm)以下の孔寸法を有しており、大部分の孔が50
〜400Å((50〜400)×10-7mm)の孔寸法を有し
ており(5%以下が400Å(400×10-7mm)以上の
孔寸法を有する。)、好ましくは約30%以下が200
〜400Å((200〜400)×10-7mm)の孔寸法を有
する。第1工程に適した好ましい触媒において孔の少な
くとも60%が50〜200Å((50〜200)×10
-7mm)の孔寸法を有する。第1工程において使用するの
に適した典型的な潤滑剤水素化分解触媒の孔寸法分布お
よび他の性質を以下の表4に示す。
【0057】
【表4】 LHDC触媒性質 形態 1.5mm cyl 1.5mm tri 1.5mm cyl 孔容積(cc/g) 0.331 0.453 0.426 表面積(m2/g) 131 170 116 ニッケル(重量%) 4.8 4.6 5.6 タングステン(重量%) 22.3 23.8 17.25 フッ素(重量%) − − 3.35 シリカ(重量%) − − 2 アルミナ(重量%) − − 60.3 実密度(g/cc) 4.229 4.238 4.023 粒子密度(g/cc) 1.744 1.451 1.483 充填密度(g/cc) 1.2 0.85 0.94
【0058】所望の転化率を得るために必要な場合、触
媒をフッ素で促進してよく、これは、触媒の製造時に触
媒にフッ素を組み込むことによってまたは供給原料に添
加されたフッ素化合物の存在下で水素化分解することに
よって行える。前記のように、高いレベルの転化率を必
要とするペトロラタム供給原料は水素化分解時の高温の
使用とともにハロゲン化触媒の使用を必要とすることが
ある。フッ素化合物は、適切なフッ素化合物、例えば、
アンモニウムフルオライド(NH4F)またはアンモニウ
ムバイフルオライド(NH4F・HF)を触媒の製造時に
含浸することによって触媒に組み込むことができる。上
記フッ素化合物のうち、後者が好ましい。
【0059】フッ素原子を含む触媒において使用するフ
ッ素の量は、触媒の全重量に基づいて、通常約1〜10
重量%、好ましくは約2〜6重量%である。フッ素は、
触媒の製造時に金属酸化物担体のゲルにフッ素化合物を
添加することによって、あるいはゲルの乾燥または焼成
により触媒粒子を形成した後に含浸することによって組
み込むことができる。前記のように、触媒がかなり多量
のフッ素および多量の金属を含有する場合、ゲルの乾燥
および焼成前に金属酸化物ゲルに金属およびフッ素化合
物を組み込み、出来上がった触媒粒子を形成することが
好ましい。
【0060】操作のこの工程において触媒を通過する流
れにフッ素化合物を添加するその場でのフッ素化によっ
て、触媒活性を所望レベルに保つことができる。フッ素
化合物は、連続的にまたは断続的に供給原料に添加して
よく、あるいは、実際の水素化分解の開始前に触媒のフ
ッ素含量を増加させるために水素気流下などにおいて供
給原料の不存在下で触媒上にフッ素化合物を通過させる
初期活性化工程を行ってもよい。このような触媒のその
場でのフッ素化は、操作前に約1〜10%のフッ素含量
を達成するために行うことが好ましい。その後、フッ素
は所望の活性を保つのに充分な維持レベルに減少しう
る。その場でのフッ素化に適した化合物は、オロトフル
オロトルエンおよびジフルオロエタンである。
【0061】触媒に存在する金属は、その硫化物形態で
使用することが好ましい。これを達成するため、触媒の
予備硫化を水素化分解開始の前に行ってよい。硫化は確
立された技術であり、通常には水素の存在下で、触媒を
硫黄含有ガスと接触することによって行われる。水素
と、硫化水素、二硫化炭素またはメルカプタン(例え
ば、ブチルメルカプタン)の混合物が適している。予備
硫化は、水素および硫黄含有炭化水素油、例えば、サワ
ー灯油またはガスオイルと触媒を接触することによって
行うこともできる。
【0062】供給原料は高度にパラフィン性であるの
で、ヘテロ原子含量は低く、従って、供給原料は、予備
水素化処理の必要なく、第1工程に直接に導入してよ
い。
【0063】第1工程からの流出物は、第2工程を通過
する前に水素化分解器からアンモニアなどのガスを除去
するガスストリッパーおよび/または軽質液を除去する
液ストリッパーに送られてよい。本発明は、液ストリッ
パーをバイパスさせるための手段およびガスストリッパ
ーをバイパスさせるための手段を与え得る。これらバイ
パス手段は、ストリッパーをバイパスさせる水素化分解
器流出物の量を制御するように調整できる。ストリッパ
ーのバイパスの程度を変えることによって、プロセスの
制御が可能になり、最適異性化および水素化処理を達成
できる。1つの面において、ガスストリッパーバイパス
の調節は、第2工程触媒へのアンモニアの流動を制御
し、これにより、触媒の活性に影響し、さらに触媒の活
性は操作温度要求に影響する。他の面において、液スト
リッパーのバイパスは、水素異性化触媒に送られる溶解
窒素化合物のレベルをより高くする。液において1〜1
0ppmのNを残すストリッピングにおける穏当な変化
さえが、必要な温度における20゜F+の変化を与え
る。
【0064】第2工程水素化プロセス−水素異性化/水
素化処理 第1工程中に、供給原料中の低品質のかなり芳香族性の
成分が、水素化分解によって、飽和および開環によるよ
りパラフィン性である生成物に転化される。この工程で
流れ中に存在するパラフィン性物質は、良好な粘度指数
特性を有するが、そのパラフィン性の結果としてかなり
高い流動点を有する。さらに、第1工程水素化分解中に
除去されない少量(例えば、1〜5重量%)の芳香族炭化
水素の存在は、UV安定性を減少させる。第2工程にお
ける目的は、良好な粘性性質を有しているが、低い流動
点をも有するイソパラフィンにこれらパラフィン成分を
選択的に水素異性化させることである。これにより、水
素異性化に続いて過剰な程度の脱ろうを行うことなく、
最終生成物の所望流動点を得ることが可能になる。
【0065】第2工程は、高水素圧、例えば、7000
kPa(1000psig)以上で操作する。この操作
モードは、芳香族炭化水素の高い飽和および生成物UV
(太陽光)安定性を達成するために好ましい。好ましい
操作モードにおいて、第2工程は、通常7000〜20
800kPa(1000〜3000psig)、好まし
くは10445〜17340kPa(1500〜250
0psig)の水素分圧で操作することが好ましい。水
素循環速度は、第1工程において使用したものとほぼ同
様である。
【0066】第2工程において使用される触媒は、ワッ
クス性の、線状のまたは線状に近いパラフィンを、ワッ
クス性が低いイソパラフィン性の生成物に異性化する高
い選択性を有する触媒である。この種の触媒は、かなり
低い酸性度を有する大きな孔寸法の多孔性担体上に金属
成分を含んでなり、二機能性を有する。この工程時に潤
滑剤沸点範囲の外側で沸騰する生成物への転化を減少す
るように、酸性度は低いレベルに保たれる。一般に、2
0以下、好ましくは10以下のα値を用いる。5以下、
好ましくは1〜2のα値によって最も良好な結果が得ら
れる。
【0067】α値は触媒の接触分解活性を標準触媒と比
較して示す概略値である。α試験は、α値を1(速度定
数=0.016/秒)と定める標準触媒に対する試験触媒
の相対速度定数(単位時間当たり単位触媒体積当たりの
n−ヘキサン転化速度)を与える。α試験はアメリカ合
衆国特許特許第3,354,078号およびジャーナル・
オブ・キャタリシス(Journal of Catalysis)、第4
巻、527頁(1965年)、第6巻、278頁(19
66年)および第61巻、395頁(1980年)に記
載されている。試験の説明にはこれら文献を参照でき
る。本明細書において示すα値を求めるために用いる試
験の実験条件は、ジャーナル・オブ・キャタリシス、第
61巻、395頁(1980年)に詳細に説明されてい
る可変流量および一定温度538℃を包含する。本発明
のこの工程において使用される二機能性触媒において、
α値は金属成分の不存在下で求められる。
【0068】パラフィン水素異性化/水素化処理触媒の
ための担体物質は、ゼオライトβ、必要な低いレベルの
酸活性度を有する形態である高度にケイ質のゼオライト
であり、パラフィン分解を最小にし、パラフィン異性化
を最大にする。ゼオライトにおける低い酸性度値は、ゼ
オライトにおいて充分に高いシリカ:アルミナ比を使用
することによって得られ、これは、適切な組成でゼオラ
イトを直接に合成することによってあるいは蒸気処理ま
たは脱アルミニウム法、例えば、酸抽出によって達成す
ることができる。低い固有酸性度を有するゼオライトを
製造するために、アルミニウム以外の金属の同形置換を
使用してよい。あるいは、ゼオライトを、所望の低い酸
性度レベルへのアルカリ金属カチオン交換に付してよい
が、これは、アルミニウム以外の骨格元素を含有するゼ
オライトの使用よりも好ましくない。
【0069】ゼオライトβは、アメリカ合衆国特許第
4,419,220号に記載されているように、芳香族炭
化水素の存在下で、パラフィン異性化に対して顕著な活
性を有するので、好ましい担体である。例えばシリカ−
アルミナ比が約50:1より大きいケイ素富含ゼオライ
トを合成することにより、またはより容易な方法として
低シリカ−アルミナ比のゼオライトを所望の酸性水準に
蒸気処理することにより、低酸性型ゼオライトβを得る
ことができる。もう一つの方法は、ゼオライトの骨格ア
ルミニウムの一部を、ゼオライト中の酸活性水準を本質
的に低水準とするホウ素のような他の三価元素と交換す
ることである。この種の好ましいゼオライトは、骨格ホ
ウ素を含むものであり、通常少なくとも0.1重量%、
好ましくは少なくとも0.5重量%の骨格ホウ素がゼオ
ライトに含まれることが好ましい。
【0070】この種のゼオライトにおいて、骨格は、主
に、四面体配位され酸素ブリッジにより結合されたケイ
素からなる。通常、微量の三価元素(アルミノシリケー
トゼオライトβの場合、アルミナ)も配位され骨格の一
部を形成する。ゼオライトは、構造の孔にも金属を含む
が、これらはゼオライトの特徴的構造を構成する骨格の
一部とはならない。「骨格」ホウ素という用語は、ゼオ
ライトのイオン交換能に寄与することにより確認される
ゼオライト骨格中の物質を、孔内に存在しゼオライトの
全イオン交換能に影響を及ぼさない物質から区別するた
めに用いられる。
【0071】骨格ホウ素を含む高シリカ含量ゼオライト
を調製する方法は既知であり、例えば、米国特許第4,
269,813号および同第4,672,049号に記載
されている。そこに記載されているように、ゼオライト
に含まれるホウ素の量は、ゼオライト形成溶液に異なる
量のホウ酸イオンを混入することにより、例えば、シリ
カとアルミナの量に対して種々の量のホウ酸を用いるこ
とにより変化し得る。これらゼオライトを製造できる方
法に関しては、これら開示を参照できる。
【0072】低酸性ゼオライトβ触媒において、ゼオラ
イトは少なくとも0.1重量%のホウ素を含むべきであ
る。通常、ホウ素の最大量はゼオライトの約5重量%で
あり、大部分の場合、ゼオライトの2重量%を越えな
い。骨格は、通常、アルミナを含み、シリカ:アルミナ
比は、通常、ゼオライトを合成した状態において少なく
とも30:1である。好ましいゼオライトβ触媒は、少
なくとも1重量%の(B23としての)ホウ素を含む最初
のホウ素含有ゼオライトを蒸気処理して約10を越えな
い、好ましくは5を越えない最終α値を得ることにより
製造される。
【0073】蒸気処理条件は最終触媒において望ましい
α値が得られるように調節すべきであり、典型的に約4
27〜約595℃(約800〜約1100°F)の温度
で100%蒸気の雰囲気を利用する。通常、蒸気処理
は、所望の酸性度の低下を得るために約12〜48時
間、典型的に約24時間行われる。ゼオライトの酸活性
を低下させるために蒸気処理を用いることが特に有益で
あり、合成した状態で同じ酸性度を有するゼオライトを
用いて達成されない結果が得られることがわかった。こ
れらの結果は、充分に理解されていない機構によりゼオ
ライトの性能を向上させる蒸気処理操作中に骨格から除
去される三価金属の存在に起因すると考えられる。
【0074】ゼオライトは最終触媒を形成するために、
通常、マトリックス物質と複合され、この目的のため
に、アルミナ、シリカ−アルミナおよびシリカのような
一般的非酸性マトリックス物質が好適であり、非酸性バ
インダーとしてシリカが好ましいが、マトリックス複合
触媒に実質的な程度に酸性活性を付与しないならαベー
マイト(αアルミナ一水和物)のような非酸性アルミナ
を用いることもできる。アルミナは、非酸性であって
も、その酸性度を向上させるための水熱反応条件下にゼ
オライトと反応する傾向があるので、バインダーとして
シリカを用いることが好ましい。ゼオライトは、通常、
ゼオライト:マトリックスの重量比を80:20〜2
0:80、典型的に80:20〜50:50としてマト
リックスと複合される。物質を一緒に粉砕し、続いて押
出しまたはペレット化により所望の最終触媒粒子とする
ことを含む一般的手段により複合を行うことができる。
ゼオライトをバインダーとしてのシリカと一緒に押し出
すための好ましい方法が、米国特許第4,582,815
号に記載されている。所望の低酸性度を達成するために
触媒を蒸気処理すべき場合、それは一般的に行われてい
るように触媒をバインダーと組み合わせた後に行われ
る。
【0075】第2工程触媒は、不飽和遷移種を介して進
行し水素化−脱水素成分による調整を必要とする所望の
水素異性化反応を促進するために金属成分も含む。触媒
の異性化活性を最大限にするために、強力な水素化機能
を有する金属が好ましく、それ故、白金およびパラジウ
ムのような他の貴金属が好ましい。加えて、これら金属
は、第1工程後に供給原料に残っているUV不安定性オ
レフィンおよび芳香族炭化水素の同時の水素化処理を行
うのを助ける。
【0076】貴金属水素化成分の量は、典型的に、全触
媒の0.5〜5重量%、通常0.5〜2重量%である。白
金は、白金テトラアミンのような白金錯体カチオンとの
イオン交換または可溶性白金化合物溶液、例えば白金テ
トラアミンクロライドのような白金テトラアミン塩の溶
液の含浸を含む一般的技術により触媒に組み込むことが
できる。貴金属を酸化物に転化し所望の機械的強度を触
媒に付与するために一般的条件下に触媒を最終焼成に付
することができる。触媒の使用前に、第1工程触媒で記
載したように、予備硫化することができる。
【0077】第2工程の目的は、第1工程流出物におけ
るワックス性の直鎖またはほぼ直鎖のパラフィン性化合
物を、かなり低い流動点を有し、ワックス性が低いが高
いVIを有するイソパラフィン性の物質に異性化するこ
とである。従って、第2工程の条件は、非潤滑剤沸騰範
囲生成物(通常、345℃−(650°F−)物質)への転
化を最少限にしつつ、この目的を達成するように調節さ
れる。さらに、条件は、第1工程水素化分解後に供給原
料におけるオレフィンおよび芳香族炭化水素を水素化処
理するように設定される。この工程において使用する触
媒は酸性度が低いので、低沸点生成物への転化は、通
常、比較的低水準であり、苛酷度の適当な選択により、
プロセスの操作を分解より異性化に最良となるようにす
ることができる。
【0078】α値が5以下の白金/ゼオライトβ触媒を
用いた約1の一般的な空間速度において、第2工程にお
ける温度は典型的に288〜343℃(550〜650
°F)、好ましくは302〜329℃(575〜625
°F)、より好ましくは316〜329℃(600〜6
25°F)であり、343℃+(650°F+)の転化
率は典型的に第2工程供給原料の約10〜30重量%、
より一般的には約12〜20重量%である。より高い温
度は、より高い操作温度において水素化反応が熱力学的
にあまり好ましくない結果として、安定性の劣る潤滑剤
生成物が得られるので、通常好ましくない。
【0079】水素化処理における利点の故に、第2工程
における温度が、低圧操作に適切である温度よりも幾分
高くてもよいが、高い水素圧が好ましい。高圧モードで
高い水素圧の使用から得られる高い活性を有するので、
第2工程において温度は、低圧操作において適切な温度
よりも幾分低くてもよい。高圧モードにおいて、315
〜370℃(575〜625゜F)の温度が好ましく、
対照的に、低圧モードにおいてこの工程のために290
〜370℃(550〜600゜F)の温度が好ましい。
空間速度は、通常、0.5〜2LHSV(hr-1)の範囲
であるが、ほとんどの場合、約1のLHSVの空間速度
が好ましい。水素循環速度は第1工程において使用する
速度と同様である。しかし、この第2工程において循環
速度に対して穏当な水素消費のみが存在してよいので、
もっと低い循環速度を使用してよい。
【0080】本発明の方法の特別な利点は、全操作スキ
ームにおいて機能的分離を行うことが可能であることで
ある。第1工程において、望ましくない低VI成分は、
高い圧力およびかなり高い温度の条件下で飽和および開
環の処理によって除去される。対照的に、第2工程は、
生成物におけるイソパラフィンの含量を最大にし、かつ
残存芳香族炭化水素を水素化処理する。また、第1工程
において低VIの物質を扱うので、第2工程は、パラフ
ィン性物質の選択的な異性化を行うのに最適化され得
る。パラフィンの異性化に適当な低い温度条件は、分解
反応に不都合であるが、特に触媒担持高活性水素化成分
の存在下における分解により形成され得る潤滑剤範囲オ
レフィンの飽和には熱力学的に好ましい。このようにし
て、第2工程は、生成物を水素化仕上げするまたは水素
化処理するのにも効果的であり、生成物の安定性、特に
紫外線照射に対する安定性が改良される。この性質は、
従来の水素化分解生成物において頻繁に欠如しているも
のである。
【0081】異性化および水素化処理の両方に好適であ
る条件を維持するには、反応温度を注意深く制御する必
要がある。ほとんどの工業的反応(40〜60kcal
/モル)よりも高い活性化エネルギー(60〜100k
cal/モル)を有するワックス異性化は、第2工程反
応器における温度変化に対して非常に感応性である。そ
のような高い活性化エネルギーの故に、所定空間速度に
おいて、所望転化率を維持するように操作温度を5.6
℃(10゜F)の範囲で制御することが必要になる。こ
の狭い操作温度範囲は、異性化温度よりも5.5〜14
℃(10〜25゜F)低く、通常11〜22℃(20〜
40゜F)の幅である最適水素化処理温度に必ずしも合
致しない。
【0082】水素異性化および水素化処理の両方を可能
にする第2工程における条件を制御するために、操作温
度は、第2工程反応器へ供給する供給原料に存在する窒
素の量を制御することによって、狭い温度範囲、一般的
に288〜343℃(550〜650゜F)に限定する
ことができる。そのような制御は、第1工程反応器と第
2工程反応器との間でのアンモニアなどの窒素化合物の
除去の程度を変化させることによって行える。そのよう
な除去は、第1工程反応器から下流で操作するガススト
リッパーまたは液ストリッパーによって行えるので、窒
素化合物の変化は、ストリッパーに対する流動制御バイ
パス手段を設けることによって行われる。ストリッパー
バイパス手段からのストリッピングされていない供給原
料は、第2工程供給原料の全窒素含量を制御するのに必
要なように、増加されたまたは減少された量で第2工程
に送られる。
【0083】この制御スキームの利点は、転化率および
水素化処理条件の最適化、ユニット空間速度の選択にお
ける自由度、長いサイクル長さ、および第2工程におけ
る触媒において生じる高い活性化エネルギーの確実な制
御を包含する。第2工程は、高い水素分圧、例えば、7
000kPa(約1000psig)を越える水素分圧
の下で行う場合に、特に効果的である。異性化/水素化
処理された生成物は、必要であれば、最終分画処理に付
され、低沸点物質を除去し、次いで、最終脱ろう処理に
付され、所望の目標流動点を達成する。通常、2つの機
能的に分離した工程により最適に処理することによって
芳香族炭化水素および潤滑剤範囲オレフィンの両方の不
飽和物含量が低くなるので、通常、更なる仕上げ工程は
必要ない。
【0084】脱ろう 所望の生成物の流動点の達成のために最終的脱ろう工程
が通常必要であるが、必要な脱ろう程度が比較的小さい
ことが本発明の方法の注目すべき特徴である。典型的に
は、最終的脱ろう工程中の損失は脱ろう原料の15〜2
0重量%を越えず、より低くなり得る。この点において
接触脱ろうまたは溶媒脱ろうのいずれかを用いることが
でき、溶媒脱ろうを用いる場合、除去されたワックス
を、他の処理のために第1工程または第2工程に再使用
することができる。溶剤脱ろうにおいて除去されたワッ
クスは、高度にパラフィン性であるので、要すれば、第
2工程をかなり低い圧力で行う態様において、第2工程
に直接に再使用してよい。
【0085】好ましい触媒脱ろう法は、中間孔寸法ゼオ
ライト、例えば、ZSM−5を使用するが、最も好まし
い脱ろう触媒は高度に拘束された中間孔寸法ゼオライ
ト、例えば、ZSM−22、ZSM−23またはZSM
−35である。これらゼオライトが高度に選択的な脱ろ
うを供給し、低い流動点および高いVIの脱ろう生成物
を提供するからである。これらゼオライトを使用する脱
ろう法はアメリカ合衆国特許第4,222,855号に記
載されている。その使用が好ましいゼオライトは、そこ
において記載されているのと同様にして特徴付けられ得
る。
【0086】即ち、該特許に記載されている規定された
収着性質を有する結果を与える孔開口を有するゼオライ
トとして特徴付けられる。即ち、以下の性質を有する:
(1)容量%に基づいて、約3以上のn−ヘキサンとo
−キシレンの収着比(この収着は、0.1のP/Poで、
n−ヘキサンにおいて50℃およびo−キシレンにおい
て80℃の温度で求めたものである。)、および(2)
n−ヘキサン/3−メチルペンタン/2,3−ジメチル
ブタンの1/1/1重量比混合物から538℃(100
0°F)および1気圧(バール)で二重に分岐した2,
3−ジメチルブタン(DMB)に優先して3−メチルペ
ンタン(3MP)を選択的に分解する能力(538℃の
温度で求めた速度定数の比k3MP/kDMBは約2以上であ
る)。
【0087】P/Poは、デボール(J.H.deBoer)
による「ダイナミック・キャラクター・オブ・アドソー
プション(Dynamic Character of Adsorption)」第
2版、オックスフォード・ユニバーシティー・プレス
(1968)などの文献に記載されているような通常の
意味を有しており、収着の温度で収着物の分圧の収着物
の蒸気圧の比として規定される相対的圧力である。速度
定数の比、k3MP/kDMBは、以下の式: k=(1/Tc)ln(1−ε) [式中、kはそれぞれの成分の速度定数であり、Tcは
接触時間であり、εはそれぞれの成分の転化率分数であ
る。]によって通常の方法で一次速度論から求められ
る。
【0088】これら収着条件に合致するゼオライトは、
天然のゼオライトフェリエライト、ならびに既知の合成
ゼオライトZSM−22、ZSM−23およびZSM−
35を包含する。これらゼオライトは、脱ろうプロセス
において使用する場合に少なくとも部分的に酸型または
水素型であり、金属水素化成分、好ましくは、白金など
の貴金属を使用することが好ましい。Pt/ZSM−2
3脱ろう触媒を使用して、優れた結果が得られる。
【0089】ゼオライトZSM−22、ZSM−23お
よびZSM−35の製法および性質はアメリカ合衆国特
許第4,810,357号(ZSM−22)、第4,07
6,842号および第4,104,151号(ZSM−2
3)、第4,016,245号(ZSM−35)に記載さ
れている。フェリエライトは、ブレック(D.W.Brec
k)のゼオライト・モレキュラー・シーブズ(Zeolite
Molecular Sieves)、ジョン・ワイリー・アンド・サ
ンズ(1974年)、125〜127頁、146頁、2
19頁および625頁になどの文献に記載されている、
天然の鉱物である。
【0090】しかし、いずれにしろ、生成物のための脱
ろうユニットに対する要求はかなり低く、この点に関し
て本発明の方法は、かなりの程度の脱ろうが必要になる
無定形触媒のみを使用した方法に比較して顕著な改良を
与える。本発明の方法で行われる機能的分離は、単一パ
スでの高い転化率を可能にし、代表的には約70〜80
%の転化率が達成される。これは、無定形触媒法での5
0%と対照的である。従って、装置の処理量は、従来の
方法に比較して顕著に向上している。脱ろう器への負荷
を減少するように、80%以上の転化率レベルを使用し
てもよいが、生成物VIおよび収率が同時に減少し、一
般に、約135よりも低いVIを有する生成物が許容さ
れないならば、最終脱ろう工程を完全になくすることが
できない。
【0091】生成物 本発明の方法から得られる生成物は、良好な収率で得ら
れ、高いVIおよび低い流動点を有する物質である。良
好な粘度性質を有することに加えて、生成物は、酸化的
および熱的にかつ紫外線に対して非常に安定でもある。
140〜155の範囲のVI値が典型的に得られる。初
めのワックス供給原料に基づいて、少なくとも50重量
%、好ましくは少なくとも60重量%の生成物収率(こ
れは、それぞれほぼ80%および90%のワックス転化
値に対応する。)において、143〜147のVI値が
容易に達成される。本発明の方法の別の顕著な特徴は、
本方法に固有である限定沸騰範囲転化の結果として所望
の粘度値を生成物が保ち;逆に、一定の生成物粘度にお
いて、より高い収率が得られるということである。
【0092】方法の説明 図11によって示された本発明の好ましい態様を以下に
説明する。真空カラム10からの脱水された供給原料
が、ポンプ20によって送られ、コンプレッサー40に
よって加圧され得る水素供給源30からの水素と混合さ
れ、熱交換器50および60、さらに炉70を通過し
て、第1工程水素化分解反応器80に至る。水素化分解
物は、熱交換器60を通過して、高圧分離器90に至
る。高圧ガスが冷却器100を通過し、次いで気液分離
器またはガスストリッパー110に至る。サワー水がラ
イン120を通過してサワー水ストリッパーに至り、一
方、ガスがライン112を通過して、ライン132から
供給される希薄ジエタノールアミン(DEA)などの塩
基性液と接触させることによって、硫化水素などの酸性
成分を除去するガスストリッパー130に至り、さらに
ライン136によって水が供給されている水接触ゾーン
131に至り、捕捉されたDEAがガスから完全に除去
される。
【0093】豊富なDEAがライン134を介して除去
され、サワー水がライン137を介して水接触ゾーンか
ら除去される。浄化されたガスがドライヤー140に送
られ、いくらかのアンモニアを含有する乾燥ガスが、高
圧オフガスとして集められるかまたは排出され、あるい
はコンプレッサー150および炉160を介して第2工
程反応器170に送られ、反応温度に影響を与えるよう
に、その中の触媒の活性を所望な温度に減少させる。気
液分離器110からの液は、後に記載するさらなる分離
のためにライン180に送られる。
【0094】高圧分離器90からのガスは、冷却器10
0、気液分離器110、ガスストリッパー130および
乾燥器140をバイパスするように、ライン190を介
して流動コントローラー200に送られ、乾燥器140
の流出物と一体にされる。ライン190からの流動物
は、ライン210および流動コントローラー220を介
して送られてよく、冷却器100および気液分離器11
0をバイパスし、一方、ガスストリッパー130および
乾燥器140を通過する。
【0095】高圧分離器90からの重質液は、流動コン
トローラー230を通過して液ストリッパー240に至
るか、または流動コントローラー260により制御され
ている液ストリッパーバイパスライン250を通過し
て、ポンプ270に至る。ポンプ270は、ライン28
0を介して液ストリッパー240からの液をも収容す
る。ポンプ270への仕込物は、ライン290を通過し
て炉160に至り、さらに第2工程反応器170に至
る。
【0096】第2工程反応器170からの流出物は、熱
交換器50を通過して、分離器300に至り、水素を包
含する軽質成分はライン310を通過して第1工程への
供給原料にリサイクルされる。分離器300からの液状
生成物は、ライン320および流動コントローラー33
0を通過してライン340に至り、灯油がライン370
を通過して取り出される追加的な生成物回収のための大
気圧蒸留カラム360に送られる。カラム360の頂部
からのガスは冷却器380を通過して、気液分離器39
0に送られる。気液分離器390からのガスはコンプレ
ッサー400を通過して、低圧オフガスとしてライン4
10から排出されるかまたは集められる。
【0097】気液分離器390からの液は、ライン42
0に送られ、ここで、液は、ライン430を通過して蒸
留カラム360の頂部付近で取り出された液とともに、
粗ナフサとしてさらに処理されるかまたは集められる。
カラム底部からの液はライン440を通過して、炉45
0に至り、さらに真空カラム460に至る。カラム頂部
からの蒸気は冷却器470を通過して、気液分離器48
0に至る。ここで、蒸留物は回収され、ライン490を
通過して、集められるかまたはさらに処理される。カラ
ム460からの蒸留物は、ライン490を介してカラム
460から直接に取り出される。真空ガスオイルがライ
ン500を介してカラム460から取り出される。本発
明のワックス性の異性化された高粘度指数潤滑剤生成物
を含んでなるカラム底部の液がライン510から取り出
される。
【0098】液ストリッパー240からのガスは、冷却
器520に送られ、さらに気液分離器530に送られ
る。ここでサワー水が取り出され、液はライン540か
らライン340へと送られ、さらに処理される。分離器
530からのガス状流出物は浄化器550に送られ、例
えば、ジエタノールアミン(DEA)などを使用して酸
性ガスが除去される。希薄DEAはライン560を通過
して浄化器550に送られ、分離器530からのガス状
流出物と接触した後に、ライン570から富DEAとし
て取り出される。穏やかな圧力のオフガスが、ライン5
80を介して、浄化器550のオーバーヘッドから取り
出される。
【0099】
【発明の好ましい態様】本発明の方法の様々な特徴を説
明するために以下に実施例を挙げる。実施例1および実
施例2は、骨格ホウ素を含む低酸性白金/ゼオライトβ
触媒の調製を説明する。
【0100】実施例1 下記混合物を撹拌下に140℃(285°F)で13日
間結晶化させることによりホウ素含有ゼオライトβ触媒
を調製した: ホウ酸、g 57.6 50%水酸化ナトリウム、ml 66.0 TEABr、ml 384 種、g 37.0 シリカ、g 332 水、g 1020 注: 1 TEABr=テトラエチルアンモニウムブロミ
ドの50%水溶液 2 シリカ=ウルトラシル(Ultrasil:登録商標)
【0101】焼成生成物は下記分析結果を示し、X線回
折によりゼオライトβの構造を有することが確認され
た: SiO2 76.2 Al23 0.3 ホウ素 1.08 ナトリウム、ppm 1070 窒素 1.65 灰分 81.6
【0102】実施例2 実施例1の合成したままのホウ素含有ゼオライトβを粉
砕し、ゼオライト:シリカ重量比を65:35としてシ
リカと一緒に押し出し、乾燥し、窒素中480℃(90
0°F)で3時間焼成し、続いて空気中540℃(10
00°F)で3時間焼成した。得られた押出物を室温に
おいて1N硝酸アンモニウム溶液で1時間交換し、その
後、交換触媒を空気中540℃(1000°F)で3時
間焼成し、100%スチーム中550℃(1025°
F)で24時間処理した。蒸気処理した押出物は、ホウ
素(B23として)0.48重量%、ナトリウム365p
pmおよびAl231920ppmを含んでいることがわかっ
た。蒸気処理触媒を、1N白金テトラアミンクロライド
溶液により室温で4時間交換し、最後の焼成を350℃
(660°F)で3時間行った。仕上げられた触媒は、
白金0.87重量%を含み、α値が4であった。
【0103】実施例3 バルク溶媒脱ろうに基づいて30重量%の油を含有し
(ASTM D3235によれば35重量%の油)、前
記表3に示す性質を有する粗ワックスを、前記表4に記
載された種類の1.5mmトリローブNiW/フッ素化ア
ルミナ触媒(4.8重量%Ni、22.3重量%W)によ
り水素化分解することによって処理した。粗ワックスを
導入する前に、385℃(725°F)の温度で一週
間、600ppmのフッ素レベルでo−フルオロトルエ
ンを用いて、その場で硫化およびフッ素化した。水素化
分解は、以下の条件下でo−フルオロトルエンを用い
て、25ppmのフッ素を保持して行った: LHSV,hr-1 1 圧力,psig(kPa,絶対圧) 2000(13
890) H2循環量,SCF/Bbl(n.l.l-1) 7500(13
35)
【0104】373℃(704°F)から410℃(7
70°F)に反応温度を変化させることによって反応過
酷性を調整した。これにより、40〜95重量%のワッ
クス転化率が得られた。ワックス転化率は、次のように
定義される。 ワックス転化率=[(油供給原料中のワックス)−(溶
媒脱ろうによって得られたワックス)]/(油供給原料
中のワックス) 373℃(704°F)の反応器温度で得られた穏やか
に水素化分解した試料を蒸留し、試料中の343℃−
(650°F−)物質(14重量%)を除去し、以下の
表5に示す性質を有する生成物を得た。この水素化分解
生成物を、以下の表5に記載された次の処理のために使
用した。
【0105】
【表5】水素化分解(373℃(704°F))した粗
ワックスの性質 沸点範囲,℃(°F) 347〜550
(656〜1022) 密度,API 38.5 窒素,ppmw 6 硫黄,重量% 0.001 流動点,℃(°F) 49(120) KV,100℃,mm2/秒 5.68 KV,150℃ (300°F),mm2/秒 2.748 分子量 478 芳香族炭化水素,重量% 2
【0106】表5に示すような水素化分解された粗ワッ
クスの性質を、表3に示すような初めの粗ワックスの性
質を比較することによって、芳香族炭化水素含量が顕著
に減少しているとともに、分子量および粘度が減少して
いるが、流動点が全く変化していないことがわかる。
【0107】図1は、比較例のための実施例5の2工程
LHDC/HDI実験の結果とともに、ワックス転化率
に対する潤滑剤収率を示す。このグラフは、実施例3の
単一工程LHDC工程における潤滑剤収率が約40〜6
0%のワックス転化率で約46%の最大値に達すること
を示している。
【0108】実施例4 この実施例は、低酸性度水素異性化触媒を使用する単一
工程ワックス水素異性化法(初めの水素化分解は無い)
を示す。
【0109】前記実施例2で記載した方法によって調製
した低酸性度シリカ結合ゼオライトβ触媒を、30/6
0メッシュ(タイラー(Tyler))粒子の形態で反応器
に仕込み、次いで、445kPa(50psig、絶対
圧)で反応器温度を400℃(750°F)にまで増加
することによって2%H2S/98%H2を用いて硫化し
た。実施例3で穏やかに水素化分解した同様の粗ワック
スを、第1工程水素化分解を行うことなく、触媒に直接
仕込んだ。反応条件は、2860kPa(400psi
g)、445H2 n.l.l-1(2500SCF H2/B
bl)および0.5LHSVであった。結果を以下の表7
に示す。
【0110】実施例5 以下の手順により、2工程カスケード潤滑剤水素化分解
/水素異性化(LHDC/HDI)処理を行った。
【0111】実施例2の低酸性度Pt/ゼオライトβを
反応器に仕込み、実施例4に記載されているように予め
硫化した。次いで、実施例3からの水素化分解した蒸留
物の343℃+(650°F+)分画を328〜353
℃(622〜667°F)の温度、0.5LHSV、4
00psig(2857kPa、絶対圧)および445
2 n.l.l-1(2500SCF H2/Bbl)でこの触
媒により処理した。底分画を蒸留して、343℃+(6
50°F+)物質を得、次いでMEK/トルエンを用い
て脱ろうした。脱ろうした生成物の性質を以下の表6に
示す。
【0112】
【表6】 低転化率水素化分解粗ワックスの異性化 供給原料 ランNo. − 5-1 5-2 5-3 5-4 5-5 温度, ℃ − 353 342 335 336 328 (°F) − (667) (648) (635) (637) (622) 343℃+(650°F+) 転化率,重量% − 28.7 18.8 12.4 14.5 10.3 343℃+(650°F+) 流動点, ℃ − 5.6 17.8 26.7 23.9 32.8 (°F) − (42) (64) (80) (75) (91) SDWO性質 KV 40℃で、mm2/s 28.84 22.289 23.11 23.804 22.585 24.486 KV 100℃で、mm2/s 5.711 4.794 4.974 5.075 4.890 5.164 VI 143 141 147 147 146 147 流動点、℃ −9.4 −6.7 −12.2 −9.4 −12.2 −12.2 (°F) (15) (20) (10) (15) (10) (10) VI −18℃(0°F)で 140 137 145 144 144 145 潤滑剤収率,重量% 55.6 61.5 61.2 60.2 57.4 ワックス転化率 92 88 79 81 71
【0113】ワックス転化率に対する2工程LHDC/
HDIシーケンスの潤滑剤収率を、比較のための一工程
LHDC法の収率とともに図1に示す。図1は、2工程
処理が、約88%のワックス転化率で約61%の高い潤
滑剤収率を達成することを示している。これら値の両方
は、一工程LHDC法によって達成されるものよりも顕
著に高い。従って、プロセス最適化が、処理工程の機能
的分離によって達成される。
【0114】図1の収率データーは、高いワックス転化
選択性(形成異性体/転化ワックスの比)が非常に高い
ワックス転化率(約90重量%まで)で保たれるが、穏
やかな水素化分解スキーム(実施例3)は、高い転化率
レベルで過剰な分解のために40〜50重量%以上の高
いワックス転化選択性を保てないことも示している。
【0115】図2は、実施例3の穏やかな水素化分解の
生成物に比較して、実施例5のLHDC/HDI組み合
わせスキームから得られた生成物の粘度指数(VI)が
約3改良されていることを示す。組み合わせスキームの
改良されたワックス異性化選択性は、高いワックス転化
レベルにおいてさえ、より高い潤滑剤収率およびより高
いVI生成物の両方を可能にする。
【0116】実施例3(水素化分解)および実施例2
(Pt/ゼオライトβ)の触媒ならびに表3のスラック
ワックス供給原料を用いて、2工程潤滑剤水素化分解/
水素異性化処理を行った。水素化分解において380℃
(715°F)の温度および水素異性化において340
℃(645°F)の温度を用いて、13890kPa
(絶対圧、2000psig)の圧力で直接カスケード
で行った。それぞれの工程において、空間速度は1.0h
r-1であった。第2工程において用いたPt/ゼオライ
トβ水素異性化触媒を、実施例4に記載されたのと同様
の手順で予め硫化した。結果を以下の表7に示す。
【0117】表7は、全ての4つの粗ワックス処理スキ
ームのための最大の潤滑剤収率、生成物VIおよび反応
器温度条件を比較している。(i)穏やかな水素化分解
(実施例3)(ii)低酸性度HDI触媒(Pt/B−
β)を使用するワックス異性化(実施例4)(iii)無
定形HDC触媒による穏やかな水素化分解、およびこれ
に続く低酸性度Pt/B−β触媒による低圧ワックス水
素異性化のLHDC/HDI組み合わせスキーム(実施
例5)および(iv)無定形HDC触媒によるカスケード
LHDC/HDI、およびそれに続く低酸性度Pt/B
−β触媒による高圧ワックス水素異性化(実施例6)。
【0118】
【表7】 粗ワックス処理スキームからの生成物性質および触媒活性の比較 実施例番号 3 4 5 6 処理スキーム HDC HDI HDC/HDI HDC/HDI 反応器温度,℃ 385 418 373-342 379-340 (°F) (725) (785) (704/648) (715/645) LHSV,hr-1 1.0 0.5 1.0/0.5 1.0/1.0 圧力,kPa 13900 2860 13900/2860 13900/13900 (psig) (2000) (400) (2000/400) (2000/2000) 潤滑剤収率,重量% 46 53-55 61 61 溶剤脱ろう油性質: VI, -18℃(0°F)で 流動点 141 135-137 145 143 KV, 100℃で, mm2/s 4.8 5.8-5.9 5.0 4.9 注: 潤滑剤収率は一定カットポイントで測定した。
【0119】表7は、実施例5および6の穏やかな水素
化分解と水素異性化の組み合わせが、同等の生成物粘度
において、同様の水素異性化触媒を使用する実施例4の
一工程パラフィン水素異性化法に比較して顕著な活性の
利点(約130°F、54℃)を有することを示す。さ
らに、組み合わせた方法は、一工程高圧水素化分解法ま
たは低圧異性化法のいずれかよりも、高い収率で高いV
Iの生成物を与えもする。従って、低圧または高圧水素
異性化法のいずれかを使用する組み合わせ法は、個々の
プロセスのいずれかよりも優れている。
【0120】実施例7 本実施例は、低および高圧ワックス水素異性化の使用を
比較する。実施例8とともに本実施例は、低酸性度第2
工程触媒(α<15)が、より高い酸性度の触媒よりも
好ましいことを示す。
【0121】実施例2の触媒を下降流反応器に仕込み、
実施例4に記載されているように硫化した。次いで、以
下の条件で、並流の下降流で、実施例3の粗ワックスを
水素とともに反応器に供給した: LHSV,hr-1 0.5 H2流速,n.l.l-1 445 (SCF/Bbl) (2500) 全圧,kPa、絶対圧 2860および12170 (psig) (400および1750)
【0122】実施例8 40:1のバルクSiO2/Al23比を有するゼオラ
イトβ試料をアルミナとともに押し出し、65/35重
量%円筒状押出物を形成した。次いで、この材料を乾燥
し、焼成し、蒸気処理し、αを55に減少させた。Pt
(NH3)4Cl2を用いたイオン交換によって白金を含有さ
せた。最終Pt担持量は0.6重量%であった。次いで、
触媒を反応器に仕込み、前記のように硫化した。以下の
条件で、並流の下降流で、水素を、実施例3に記載した
のと同様の粗ワックスとともに反応器に供給した:
【0123】 LHSV,hr-1 1.0 H2流速,n.l.l-1 356 (SCF/Bbl) (2000) 全圧,kPa、絶対圧 2860および13890 (psig) (400および2000)
【0124】以下の表8は、実施例3、7および8で記
載したランからの、最大潤滑剤収率および最大収率での
生成物のVIを比較する。
【0125】
【表8】 実施例番号 3 7 8 触媒 NiW/アルミナ 4α Pt/β 55α Pt/β 圧力,kPa 13900 2860 12170 2860 13900 psig 2000 400 1750 400 2000 潤滑剤収率,重量% 46 55-58 61 51 41 KV,100°F,mm2/s 5.0 5.8 6.0 5.8 7.0 潤滑剤VI 142 135-137 133-134 127 121
【0126】表8の結果は、原料粗ワックスが高圧でP
t/ゼオライトβなどの低酸性度触媒により処理でき、
より高い酸性度の触媒で生じる収率またはVIの不利を
伴わないことを示している。
【0127】図3〜6は実施例3、4、7および8の方
法において粗ワックスの転化率の関数として収率および
VIデーターを比較する。ここでの転化率は、343℃
−(650°F−)成分に転化した供給原料の正味量と
して定義される。これら結果は、実施例2の低酸性度P
t/ゼオライトβ触媒(4α)が実施例4に示すよう
に、原料の粗ワックスを処理する最も高い収率を与え:
4α Pt/ゼオライトβ触媒が、実施例3で使用した無
定形NiW/Al23触媒よりも15%程度高い潤滑剤を
与え、実施例8のより高い酸性度の55α Pt/ゼオラ
イトβ触媒よりも10〜20%高い潤滑剤を与えること
を示している。水素異性化の操作圧力を増加することに
よって、実施例8の高酸性度のPt/ゼオライトβ触媒
の場合に顕著な収率損失が生じるが、実施例7で使用す
る低酸性度Pt/ゼオライトβ触媒の場合に収率が増加
する。
【0128】生成物のVIは、高酸性度Pt/ゼオライ
トβ触媒の場合ほどは、低酸性度Pt/ゼオライトβ触
媒の場合において影響されない。
【0129】図7は、343℃(650°F)の一定生
成物カットポイントを用いた同様の粗ワックスを用い
て、本発明のLHDC/HDI/SWDシーケンスおよ
び従来技術のLHDC/SWDシーケンスの種々のワッ
クス転化率と、生成物の動粘度(100℃)との関係を
示す。図は、本発明の方法が、潤滑剤沸騰範囲の外側の
油の過剰な転化無く、ワックスを高いVIの油に選択的
に転化する結果として、従来技術よりも粘度を大きな程
度に保つことを示している。この重要な特徴によって、
条件の適切な選択によって種々の粘度を有する生成物を
製造することが可能になる。
【0130】実施例8 以下の表9に示した性質を有するペトロラタム(petrola
tum)ワックスを、表10に示す条件下でカスケード水素
化分解/水素異性化に付し、8cSt(公称値)の潤滑剤
を製造した。潤滑剤収率および性質は、約343℃(6
50°F)のカットポイントで7.8mm2/秒の一定粘度
カットで記録した。
【0131】
【表9】ペトロラタムワックスの性質 沸騰範囲,公称値(SIMIDS), ℃(°F) 416−704(78
0−1300) N,ppmw 120 S,重量% 0.3 油含量,ASTMD-3235,重量% 25 API° 31
【0132】
【表10】ペトロラタムHDC/HDI条件 圧力,H,psig(kPa) 2000/2000 (13890/1
3890) LHSV,hr-1 1.0/1.0 温度,℃(°F) 396/357 (745/674) 潤滑剤 収率,重量% 45 KV,mm2/s(100℃で) 7.8 VI 144
【0133】生成物は、表10に示すように、良好な収
率で製造され、良好な粘度特性を有していた。
【0134】実施例9 40重量%の油を含有する重質ニュートラル粗ワックス
供給原料を用いて、2工程潤滑剤水素化分解/水素異性
化法におけるカスケード操作とステージド操作との比較
を行った。粗ワックス供給原料の組成を表11に示す。
【0135】
【表11】 粗ワックスの性質 穏やかな水素化分解 原料 第1工程後 油含量,重量% 40 − N,ppmw 68 5 硫黄,重量% 0.19 <0.02 粘度(100℃にて),cSt 7.6 − ワックス転化率,ASTMD3235に従う% 0 29
【0136】穏やかな水素化分解工程において無定形の
担持されたフッ素化NiW触媒、およびゼオライトが低
酸性度(α値:6)を有するシリカに担持されたPt/
ゼオライトβ触媒を用いて、表12に示す条件で処理を
行った。
【0137】
【表12】 水素異性化での操作条件 カスケード ステージド LHSV,hr-1 1.0 1.0 H2圧力,kPa(psi) 13900(2000) 13900(2000) 平均温度 662 620 水素異性化工程の入口での転化率 14% 13% 水素異性化工程の出口での全転化率 22% 27%
【0138】アンモニアおよび硫化水素を第1工程流出
物から除去したステージド操作において、第2工程は、
供給原料中のアンモニアおよび硫化水素の不存在下にお
ける高い活性のために低い温度で行った。図8は、ステ
ージド操作とカスケード操作との第2工程反応器内での
インクリメンタル温度上昇の差を示す。インクリメンタ
ル温度における急激な温度上昇、即ち、反応器不安定性
が、カスケード操作に比較してステージド操作において
かなり低い温度(332℃(630゜F)以上)で観測
された。ステージド操作において、そのような上昇は、
供給原料のアンモニア含量を変更することによって第2
工程における触媒活性を減少することによって減少させ
ることができる。
【0139】しかしながら、カスケード操作において
は、そのような減少は行えない。図9は、望ましくない
分解反応の関数として示した、ステージド操作とカスケ
ード操作の両方における第2工程反応器内のインクリメ
ンタル水素消費を示すグラフである。343℃+(65
0°F+)物質のインクリメンタル転化率を、ステージ
ド操作とカスケード操作の両方について、図10に比較
する。ステージド操作とカスケード操作の温度差は一定
の転化率において17〜56℃(30〜100°F)で
あり、15%インクリメンタル転化率で28℃(50°
F)であった。
【0140】実施例10 図11の装置を用いて、実施例9のステージド操作を行
った。しかし、液ストリッパー240およびガスストリ
ッパー130の操作は、329℃(625°F)の第2
工程における操作温度を維持するのに必要な程度に、バ
イパスした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 粗ワックスを処理するLHDC/HDI/S
DW法およびLHDC/SDW法におけるワックス転化
率と、0°F流動点での潤滑剤収率との関係を示すグラ
フである。
【図2】 粗ワックスを処理するLHDC/HDI/S
DW法およびLHDC/SDW法におけるワックス転化
率と、0°F流動点での粘度指数との関係を示すグラフ
である。
【図3】 実施例3、4、7および8における、粗ワッ
クスの転化率と潤滑剤収率(0°F流動点でのドライワ
ックス)との関係を示すグラフである。
【図4】 実施例3、4、7および8における、粗ワッ
クスの転化率と0°F流動点での潤滑剤粘度指数との関
係を示すグラフである。
【図5】 実施例3、4、7および8における、粗ワッ
クスの転化率と潤滑剤収率(0°F流動点でのドライワ
ックス)との関係を示すグラフである。
【図6】 実施例3、4、7および8における、粗ワッ
クスの転化率と0°F流動点での潤滑剤粘度指数との関
係を示すグラフである。
【図7】 粗ワックスを処理するLHDC/HDI/S
DW法およびLHDC/SDW法におけるワックス転化
率と、生成物の動粘度との関係を示すグラフである。
【図8】 ステージド操作とカスケード操作との第2工
程反応器内でのインクリメンタル温度上昇の差を示すグ
ラフである。
【図9】 ステージド操作とカスケード操作の両方にお
ける第2工程反応器内のインクリメンタル水素消費を示
すグラフである。
【図10】 ステージド操作とカスケード操作の両方に
ついて、343℃+(650°F+)物質のインクリメ
ンタル転化率を示すグラフである。
【図11】 本発明の方法において使用できる装置を示
す概略図である。
【符号の説明】
10、460…真空カラム、 20…ポンプ、40
…コンプレッサー、 50、60…熱交換器、
70…炉、 80…第1工程水素
化分解反応器、170…第2工程反応器。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【図9】
【図1】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図10】
【図7】
【図11】

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワックス含量が少なくとも50重量%で
    あり窒素化合物を含有する鉱油起源の炭化水素供給原料
    から、少なくとも140の粘度指数を有する高粘度指数
    潤滑剤を製造する方法であって、 (i)第1工程において、酸性無定形多孔性担体物質の
    上に水素化金属成分を含んでなる二機能性潤滑剤水素化
    分解触媒の存在下で少なくとも5620kPaの水素分
    圧で供給原料を水素化分解し、窒素化合物を含有する流
    出物になり、潤滑剤沸騰範囲の外側で沸騰する生成物へ
    の供給原料の50重量%以下の転化率を与える過酷性で
    供給原料に存在する芳香族炭化水素を水素化分解し; (ii)第2工程において、ゼオライトβを含んでなる多
    孔性担体物質上の水素化貴金属成分を含んでなり20以
    下のα値を有する低酸性異性化触媒の存在下で、第1工
    程からの流出物において、同時にワックス性のパラフィ
    ンを異性化し、芳香族炭化水素を水素化処理して、ワッ
    クス性パラフィンをよりワックス性の低いイソパラフィ
    ンに異性化し、芳香族炭化水素含量を1重量%未満に減
    少させ; (iii)第2工程において窒素化合物の濃度を制御する
    ことによって同時のワックス性パラフィン異性化および
    芳香族炭化水素水素化処理を許容する範囲に、第2工程
    における温度を制御するのに充分な程度にまで、第1工
    程流出物から、窒素化合物含有ガスおよび/または液を
    ストリッピングし;および、要すれば (iv)ストリッピングされた窒素化合物含有ガスおよび
    /または液の少なくとも一部分を、温度をさらに制御す
    るのに充分な程度に第2工程に供給することを特徴とす
    る製法。
  2. 【請求項2】 第1工程と第2工程との間に配置された
    ガスストリッピング手段および/または液ストリッピン
    グ手段においてストリッピングを行い、第1工程流出物
    のストリッピングの程度は、第2工程における温度を2
    88〜343℃の間の温度に制御するのに充分な程度に
    ストリッピング手段をバイパスすることによって制御さ
    れている請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 第2工程における温度が327〜332
    ℃に制御されている請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 段階(iii)が、11℃以下の第2工程
    内でのインクリメンタル温度上昇を与える請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 段階(iii)が、8℃以下の第2工程内
    でのインクリメンタル温度上昇を与える請求項4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 段階(iii)が、5.6℃以下の第2工程
    内でのインクリメンタル温度上昇を与える請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 窒素化合物含有ガスがアンモニアを含ん
    でなる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 窒素化合物含有ガスが硫化水素アンモニ
    ウムを含んでなる請求項1〜7のいずれかに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 芳香族炭化水素含量が1重量%未満に減
    少されている請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 芳香族炭化水素含量が0.5重量%未
    満に減少されている請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 供給原料が、少なくとも60重量%の
    ワックス含量および5〜20重量%の芳香族炭化水素含
    量を有する石油ワックスを含んでなる請求項1〜10の
    いずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 ワックスが、8〜12重量%の芳香族
    炭化水素含量を有する粗ワックスである請求項11記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 水素化分解段階における触媒が、金属
    成分として、周期表の第VIII族の少なくとも1種の金属
    および第VI族の少なくとも1種の金属を含んでなる請求
    項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 水素化分解触媒が酸性担体物質として
    アルミナを含んでなる請求項4記載の方法。
  15. 【請求項15】 潤滑剤水素化分解触媒が、フッ素化潤
    滑剤水素化分解触媒である請求項1〜14のいずれかに
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 水素化分解段階における343℃−物
    質への転化率が供給原料の10〜30重量%である請求
    項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 異性化触媒が、10以下のα値を有す
    るゼオライトβ異性化触媒を含んでなる請求項1〜16
    のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 異性化および水素化処理を、少なくと
    も1480kPaの圧力で水素の存在下で行う請求項1
    〜17のいずれかに記載の方法。
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