JPH0665496U - 靴下の滑り止め用型板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合せ型板Ａに靴下１を装着した際の靴下１の
滑り上がりを防止すると共に、靴下１の抜取りの際、靴
下１の抜取り動力を小さくする。 【構成】 二枚の足型２をその基部で固定した合せ型板
Ａと、二枚の間隔をもたせて一体化したガイド板３の上
方部と下方部に長孔５ａ、５ｂを設け合せ型板Ａ基部に
て垂直状に固定した靴下ガイド部材Ｂと、合せ型板Ａ前
方へと突起部７ａを形成せしめた弾性部材７を、長孔５
ａ、５ｂに嵌め合わせたスライドピン６ａと６ｂとに連
結し、バネ８ａと８ｂとで引っ張って長孔５ａと５ｂに
沿って移動可能に設けた靴下押え部材Ｃとより成り、靴
下押え部材Ｃの突起部７ａを合せ型板Ａ前方へと前後移
動できるようにして、靴下パンティ部１ａを靴下押え部
材Ｃの突起部７ａがその弾性力とバネ８ａと８ｂとでも
って押えるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パンティ・ストッキング、タイツなどの長靴下を、二枚合わせた型 板に装着し、その装着された靴下パンティ部を押えて靴下の滑り上がりを防ぐ靴 下の滑り止め用型板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ストッキング、パンティストッキング、タイツなどの長靴下を、二枚合 わせた型板に装着し、その装着された靴下パンティ部を押えて靴下の滑り上がり を防ぐ技術として、実公平４ー４１１９７号記載のものが知られている。

【０００３】 この技術は、２つの枠材（本考案でいう二枚合わせた型板）を１組とする仕上 用型枠であって、前記両枠材における各基に被仕上材（実施例ではストッキング 、パンティストッキング、タイツなどの長靴下）の係止用凹凸が形成されるとと もに、両枠材間には、前記係止用凹凸と対応した位置に被仕上材の押込み用に凹 凸形状の把持部を有するガイド部材を設け、前記凹凸形状には、被仕上材の挿入 側の角度を緩くし、離脱側の角度を急にした鋸歯状をなしていることを特徴とす るものである。 そして、このように構成することにより、被仕上材を枠材にはめるときは挿入 しやすく、被仕上材を枠材から離脱するときは抜けにくくなる、という効果を有 するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この技術には下記のような課題を抱えている。 被仕上材（靴下）が係止用凹凸形状を被仕上材の挿入側の角度を緩くし、離脱 側の角度を急にした鋸歯状を形成して、被仕上材を枠材にはめるときは挿入しや すく、被仕上材を枠材から離脱するときは抜けにくくなるよう構成しているため 、枠材（型板）にはめられた被仕上材（靴下）を蒸熱セットし、乾燥して被仕上 材（靴下）を枠材（型板）から抜き取る際、非常に抜き取りにくく、靴下抜取り 装置の動力が大となるという問題があり、これを防止する技術が切望されている 。

【０００５】 本考案は、前述の課題を解決することを目的として開発したものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、図１ないし図４に示すように、二枚の足型２を合わせ適宜な空間を もたせてその基部を固定した合せ型板Ａと、 前記合せ型板Ａの側面の一方で且つ適宜な空間部に、二枚のガイド板３を前記 合せ型板Ａ基部にて適宜な間隔をもたせて略垂直状に固定すると共に二枚のガイ ド板３の上方部と下方部とに長孔５ａ、５ｂを設けた靴下ガイド部材Ｂと、 前記靴下ガイド部材Ｂの上方部長孔５ａと下方部長孔５ｂにはスライドピン６ ａ、６ｂを嵌め合わせ、該双方のスライドピン６ａ、６ｂには合せ型板Ａ前方へ と突起部７ａを形成せしめた弾性部材７の両端部を連結すると共に、前記靴下ガ イド部材Ｂで双方のスライドピン６ａ、６ｂの間の適宜な位置と前記双方のスラ イドピン６ａ、６ｂとにバネ８ａ、８ｂを掛け渡してスライドピン６ａ、６ｂが 長孔５ａ、５ｂに沿って移動可能に設けた靴下押え部材Ｃとより成り、靴下押え 部材Ｃの突起部７ａを合せ型板Ａ前方へと前後移動できるよう構成したものであ る。 そして、靴下１の装着時には、靴下押え部材Ｃの突起部７を押し下げ後方へ移 動させて靴下１を合せ型板Ａ下方部まで挿入し、靴下押え部材Ｃの弾性力とバネ ８ａ、８ｂのバネ作用とで靴下パンティ部１ａを押えて靴下１の滑り上がりを防 止し、靴下１の抜取り時には、靴下穿口部１ｂより靴下１を引き上げ、その引き 上げ力で靴下押え部材Ｃの弾性力とバネ８ａ、８ｂのバネ作用とに打ち勝って靴 下押え部材Ｃの突起部７ａを押し上げ後方へ移動させ、靴下パンティ部１ａはそ の突起部７ａを乗り越えて靴下１が抜き取られるようにしたものである。

【０００７】

【実施例】 以下、添付図面に従い本考案の実施例を説明する。 本考案の靴下の滑り止め用型板は、図１ないし図４に示すように、二枚の足型 ２を合わせその基部を固定した合せ型板Ａと、前記合せ型板Ａの側面の一方で且 つ適宜な空間部に前記合せ型板Ａ基部にて略垂直状に固定した靴下ガイド部材Ｂ と、前記合せ型板Ａの前方へと突起部７ａを形成せしめた弾性部材７を連結して 合せ型板Ａ前方へと前後移動できるよう設けた靴下押え部材Ｃと、より構成した ものである。

【０００８】 合せ型板Ａは、図１ないし図４に示すように、薄板状の足型２を二枚合わせス ペーサ２ａにて適宜な空間をもたせてその基部を固定したもので、図５に示す靴 下仕上機の軌道１０上を走行するキャリッジ１１上に設けた足型ホルダに立設す るようにしたものである。なお、二枚の足型の形状は、図１に示すような、かか と付でもよく、また、かかと無しでもよく、本考案は足型の形状には限定されな い。

【０００９】 靴下ガイド部材Ｂは、図１ないし図４に示すように、合せ型板Ａの側面の一方 （本実施例ではかかと側）で且つ適宜な空間部には、二枚のガイド板３にスペー サ３ａを適宜な箇所（実施例ではガイド板の上方部と中間部と下方部）に介在さ せ、靴下押え部材の弾性部材が挿入可能な空間部をもたせて固着し、該二枚のガ イド板３の上下方部に長孔５ａと下方部に長孔５ｂとを設け前記合せ型板Ａ基部 支持板４にて略垂直状に固定したもので、その形状は長板状で先端部の足型２前 方への稜線を靴下１が挿入しやすいよう先端部より下方へとゆるやかな角度にせ しめたものである。

【００１０】 靴下押え部材Ｃは、図１ないし図４に示すように、合せ型板Ａの前方へと突起 部７ａを形成せしめた棒状の弾性部材７の上端部を、靴下ガイド部材Ｂの上方部 の長孔５ａに嵌め合わせたスライドピン６ａに連結すると共に、その下端部を靴 下ガイド部材Ｂの下方部の長孔５ｂに嵌め合わせたスライドピン６ｂに連結し、 更に、前記靴下ガイド部材Ｂで双方のスライドピン６ａ、６ｂの間の適宜な位置 と前記双方のスライドピン６ａ、６ｂとにバネ８ａ、８ｂを掛け渡してスライド ピン６ａ、６ｂが長孔５ａ、５ｂに沿って移動可能に設け、弾性部材７の突起部 ７ａを合せ型板Ａの前方へと前後移動できるよう構成したものである。 そして、合せ型板Ａに装着された靴下パンティ部１ａを弾性部材７とバネ８ａ 、８ｂの引っ張り力とのバネ作用によって突起部７ａで押えるようにしたもので ある。また、靴下１の抜取りの際には、図４に示すように、作業者または抜取り 装置の引上げ部材９によって合せ型板Ａ側面部の靴下穿口部１ｂから引き上げ、 その引き上げ力によって、弾性部材７とバネ８ａ、８ｂの引っ張り力とのバネ作 用に抗して合せ型板Ａの後方へと移動させ、靴下パンティ部１ａはその突起部７ を乗り越えて靴下１が抜き取られるようにしたものである。

【００１１】 なお、弾性部材７の突起部７ａの形状は、図１に示すように、その中央部より 上方部は靴下が挿入しやすいよう角度を緩く形成し、中央部より下方部は少々の 力では靴下１が滑り上がらないように押えるよう角度を上方部よりきつくするよ う形成している。

【００１２】 また、弾性部材７の突起部７ａの形状は、例えば、その突起部が中央部前後で なくてもよく、また、その角度も図１に示すような角度でなくてもよく、要は、 靴下１を装着する際、挿入しやすく且つ挿入されると少々の力では靴下１が滑り 上がらないような角度の形状にすればよく、更に、弾性部材７の弾性力及びバネ ８ａ、８ｂの強さも下方部のバネ８ｂは靴下が挿入しやすいように弱く、小さく 、上方部のバネ８ａは靴下１が滑り上がらないように押えるよう強くすることが 望ましく、弾性部材の形状及びバネの強さは靴下の材質形状などにより決定され 、本考案は突起部の角度、形状、バネの強さには限定されない。

【００１３】 次に、その作用を説明する。 靴下の装着時には、図１に示すように、靴下１は靴下ガイド部材Ｂのガイド板 ３を案内として装着され、靴下押え部材Ｃの突起部７ａに至りその突起部７ａを 、図１の二点鎖線で示すように、押し下げ後退させ弾性部材７下方先端部のスラ イドピン６ｂを長孔５ｂ下方へと移動させる。そして、靴下穿口部１ｂを足型２ 下方部位置まで挿入して靴下１を離すと、靴下押え部材Ｃの弾性部材７の弾性力 とバネ８ａ、８ｂとで突起部７ａを前進させ靴下パンティ部１ａを前方へと押え ると共に突起部７ａを上方へと作用させるが、弾性部材７の上方先端部はバネ８ ａにて引っ張られているため、抵抗が大きく、従って、靴下１の滑り上がりを防 止する。

【００１４】 また、靴下の抜取り時には、図４に示すように、作業者または公知の靴下抜取 り装置の引上げ部材９によって靴下穿口部１ｂより靴下１を引き上げ、その引き 上げ力が、弾性部材７の弾性力と上方部のバネ８ａの引っ張り抵抗に打ち勝って 靴下押え部材Ｃの突起部７ａを、図４の二点鎖線で示すように、後方へ移動させ 、靴下パンティ部１ａはその突起部７ａを乗り越えて靴下１が抜き取られる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、以上のように構成しているから、合せ型板にはめられた靴下パンテ ィ部を靴下押え部材の突起部がその弾性力とバネ作用でもつて押えることができ ると共に弾性部材の突起部の上方への抵抗を大きくしているため、靴下の滑り上 がりを防止することができる。また、靴下を抜取る時には、靴下押え部材の突起 部がその弾性力と上方部のバネのバネ作用を靴下引き上げ力に合わせて調節する ことができるから、弾性部材の突起部の上方への抵抗より大の靴下引き上げ力で 弾性部材の突起部を後退させることができるため、従来、型板にはめられた靴下 が型板の係止用凹凸部にひっかかって抜取りにくいということも無くなり、靴下 抜取り装置の動力を小さくすることができ、多様な効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る靴下の滑り止め用型板の一実施例
を示す一部破断した概略側面図。

【図２】本考案に係る靴下の滑り止め用型板の一実施例
を示す概略正面図。

【図３】図２の部分拡大図。

【図４】本考案に係る滑り止め用型板の一実施例で、靴
下を抜き取る状態を示す一部破断した概略側面図。

【図５】本考案を実施する靴下仕上機の一実施例を示す
簡略図。

【符号の説明】

Ａ 合せ型板 Ａａ 足型 Ｂ 靴下ガイド部材 Ｃ 靴下押え部材 １ 靴下 １ａ 靴下パンティ部 １ｂ 靴下穿口部 ２ 足型 ２ａ スペーサ ３ ガイド板 ３ａ スペーサ ４ 支持板 ５ａ 長孔 ５ｂ 長孔 ６ａ スライドピン ６ｂ スライドピン ７ 弾性部材 ７ａ 突起部 ８ａ バネ ８ｂ バネ ９ 引上げ部材 １０ 軌道 １１ キャリッジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二枚の足型２を合わせ適宜な空間をもた
   せてその基部を固定した合せ型板Ａと、 前記合せ型板Ａの側面の一方で且つ適宜な空間部に、二
   枚のガイド板３を前記合せ型板Ａ基部にて適宜な間隔を
   もたせて略垂直状に固定すると共に二枚のガイド板３の
   上方部と下方部とに長孔５ａ、５ｂを設けた靴下ガイド
   部材Ｂと、 前記靴下ガイド部材Ｂの上方部長孔５ａと下方部長孔５
   ｂにはスライドピン６ａ、６ｂを嵌め合わせ、該双方の
   スライドピン６ａ、６ｂには合せ型板Ａ前方へと突起部
   ７ａを形成せしめた弾性部材７の両端部を連結すると共
   に、前記靴下ガイド部材Ｂで双方のスライドピン６ａ、
   ６ｂの間の適宜な位置と前記双方のスライドピン６ａ、
   ６ｂとにバネ８ａ、８ｂを掛け渡してスライドピン６
   ａ、６ｂが長孔５ａ、５ｂに沿って移動可能に設けた靴
   下押え部材Ｃとより成り、靴下押え部材Ｃの突起部７ａ
   を合せ型板Ａ前方へと前後移動できるよう構成したこと
   を特徴とする靴下の滑り止め用型板。