JPH0665211A - シクロペンタンヌクレオシド化合物 - Google Patents

シクロペンタンヌクレオシド化合物

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JPH0665211A
JPH0665211A JP24583292A JP24583292A JPH0665211A JP H0665211 A JPH0665211 A JP H0665211A JP 24583292 A JP24583292 A JP 24583292A JP 24583292 A JP24583292 A JP 24583292A JP H0665211 A JPH0665211 A JP H0665211A
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JP
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compound
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amino
hydroxy
pyrimidin
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JP24583292A
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English (en)
Inventor
Masafumi Arita
雅文 有田
Tadamasa Saito
忠正 斉藤
Keiji Yamagami
圭司 山上
Akihiro Fujii
明啓 藤井
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Welfide Corp
Original Assignee
Welfide Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 4−アミノ−1−(3−ヒドロキシ−4−ヒ
ドロキシメチル−2−メチリデンシクロペンチル)−
(1H)ピリミジン−2−オンの化合物を代表とするシ
クロペンタンヌクレオシド化合物およびその合成中間
体。 【効果】 抗腫瘍作用、抗ウィルス作用を有し、かつ生
体内利用率が高められ、胃腸障害などの副作用が軽減さ
れた化合物も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はすぐれた抗腫瘍作用また
は抗ウィルス作用を有し、医薬として有用なシクロペン
タンヌクレオシド化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ザ ジャーナル オブ アンチバイオテ
ィックス(The Journal of Antibiotics)第21巻、第
255頁(1968年)、同誌第34巻、第359頁
(1981年)にアリステロマイシン、ネプラノシン−
A等の天然由来のシクロペンタンヌクレオシド化合物が
報告されて以来、これらに関連する類似化合物が、ジャ
ーナル オブ メディシナル ケミストリー(Journal
of Medicinal Chemistry)第20巻、第612頁(19
77年)、同誌第25巻、第626頁(1982年)お
よびジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミスト
リー(Journal of Heterocyclic Chemistry)第17巻、
第353頁(1980年)に報告され、数多く合成され
ているが、これら類似化合物が抗腫瘍剤、抗ウィルス剤
として開発されるには至っていない。
【0003】特開昭63−258818号公報には、固
形癌に有効な2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジ
ンが開示され、一方、特開平2−178272号公報に
は、その関連シクロペンタンヌクレオシド類似化合物が
開示されているが、その実施例は記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はすぐれた抗腫
瘍作用、抗ウィルス作用を有する新規なシクロペンタン
ヌクレオシド化合物類を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は抗腫瘍剤、
抗ウィルス剤としてすぐれた作用効果を有する新規なシ
クロペンタンヌクレオシド化合物を開発すべく研究を重
ねた結果、下記一般式(I)の化合物がすぐれた抗腫瘍
作用、抗ウィルス作用を有することを見出し、本発明を
完成するに至った。本発明は、一般式
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1 は水酸基、アミノまたはアシ
ルアミノを、R2 は水素、ハロゲン、低級アルキルを、
3 、R4 は水素、アシル、アミノアシルを、R5 は水
素、低級アルキル、シアノ、アルコキシカルボニルを示
す。)により表される2’−メチリデンシクロペンタン
ヌクレオシド化合物〔以下、一般式(I)の化合物とい
う〕、またはその水酸基が保護された化合物、および一
般式
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は前記と
同義である。)により表される2’−オキソシクロペン
タンヌクレオシド化合物、またはその水酸基が保護され
た化合物に関する。
【0010】本発明の化合物(I)において、R1 が水
酸基である化合物、すなわち一般式
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R2 、R3 、R4 、R5 は前記と
同義である。)により表される化合物(I−a)には、
その互変異性体として一般式
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R2 、R3 、R4 、R5 は前記と
同義である。)により表されるケトン化合物が存在す
る。本明細書においては、R1 が水酸基である化合物
(I)は化合物(I−a)(エノール体とも言う)また
はケトン体(I−b)のいずれかで表すこととする。
【0015】本明細書において用いられている記号につ
いて、以下に説明する。
【0016】R2 により示されるハロゲンとはフッ素、
塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
【0017】R2 、R5 により示される低級アルキルと
は炭素数1〜6個の直鎖または分枝鎖状の低級アルキル
が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ヘキシルなどがあげられる。
【0018】R1 により示されるアシルアミノにおける
アシルとは、アルカノイル、アルケノイル、アリールカ
ルボニル、アリールアルカノイル、アリールアルケノイ
ル、シクロアルキルカルボニル、シクロアルキルアルカ
ノイル、シクロアルキルアルケノイル、ヘテロアリール
カルボニル、ヘテロアリールアルカノイル、ヘテロアリ
ールアルケノイルを意味する。
【0019】ここで、アルカノイル、ならびにアリール
アルカノイル、シクロアルキルアルカノイルおよびヘテ
ロアリールアルカノイルにおけるアルカノイルとは、炭
素数2〜25個の直鎖または分枝鎖状のアルカノイルで
あって、例えば、アセチル、プロピオニル、2−メチル
プロピオニル、ブチリル、ジメチルアセチル、ヘキサノ
イル、オクタノイル、デカノイル、テトラデカノイル、
オクタデカノイル、ノナデカノイル、ベヘノイルなどが
あげられる。
【0020】アルケノイル、ならびにアリールアルケノ
イル、シクロアルキルアルケノイルおよびヘテロアリー
ルアルケノイルにおけるアルケノイルとは、炭素数2〜
25個の直鎖または分枝鎖状のアルケノイルであって、
例えば、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイ
ル、ヘキセノイル、オクテノイル、デセノイル、テトラ
デセノイル、オクタデセノイルなどがあげられる。
【0021】アリールカルボニル、アリールアルカノイ
ルおよびアリールアルケノイルにおけるアリールとは置
換されていてもよいフェニルを意味し、置換基としては
1〜3個のハロゲン、低級アルキル(これらは前記と同
義)、アルコキシ(炭素数1〜4個の直鎖または分枝鎖
状のアルコキシであって、例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第3級ブ
トキシなど)から選ばれる。
【0022】シクロアルキルカルボニル、シクロアルキ
ルアルカノイルおよびシクロアルキルアルケノイルにお
けるシクロアルキルとは、好ましくは置換されていても
よい炭素数3〜7個のシクロアルキル(シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチルなど)を意味し、置換基としては1〜3
個のハロゲン、低級アルキル、アルコキシ(これらは前
記と同義)から選ばれる。
【0023】ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリー
ルアルカノイルおよびヘテロアリールアルケノイルにお
けるヘテロアリールとは、好ましくは置換されていても
よい5〜6員環(ベンゼン環と縮合していてもよい)の
複素環(例えばチエニル、フリル、ピロリル、イミダゾ
リル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジ
ル、ピラジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、ベン
ズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリ
ル、キノリルなど)を意味し、置換基としては1〜3個
のハロゲン、低級アルキル、アルコキシ(これらは前記
と同義)から選ばれる。
【0024】R3 、R4 により示されるアシルとは上述
した通りである。
【0025】R3 、R4 により示されるアミノアシルに
おけるアシルとは、好ましくは炭素数2〜8個の直鎖ま
たは分枝鎖状のアシルであって、例えば、アセチル、プ
ロピオニル、2−メチルプロピオニル、バレリル、3−
メチルブチリル、ヘキサノイル、3−メチルバレリル、
オクタノイルなどがあげられる。
【0026】R5 により示されるアルコキシカルボニル
とは、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、第3級ブトキシカルボニルなどがあげられる。
【0027】水酸基の保護された一般式(I)の化合物
における水酸基の保護基としては、例えば、アセチル、
クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロア
セチル、メトキシアセチルなどの置換していてもよいア
セチル、ベンジル、o−ニトロベンジル、ベンズヒドリ
ル、トリチルなどのアラルキル、トリメチルシリル、ト
リエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、第3級
ブチルジメチルシリル、第3級ブチルジフェニルシリ
ル、ヘキシルジメチルシリルなどのシリル、テトラヒド
ロピラニル、メトキシテトラヒドロピラニルなどのピラ
ニルまたはメトキシメチルなどがあげられる。
【0028】さらに、2個の水酸基が一緒になって形成
する環状の水酸基の保護基としては、例えば、環状アセ
タール、環状ケタール、環状カルボネート、環状オルト
エステル、および環状1,3−(1,1,3,3−テト
ライソプロピル)ジシロキサンジイル誘導体類などがあ
げられる。
【0029】本発明の化合物(I)は塩の形態であって
もよく、そのような塩としては塩酸、硫酸、臭化水素
酸、リン酸などの無機酸、またはマレイン酸、フマル
酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、メタンスルホン酸な
どの有機酸との酸付加塩を例示することができる。ま
た、本発明化合物またはその塩は水和物、溶媒和物であ
ってもよい。
【0030】一般式(I)の化合物において不斉炭素が
存在する場合には、そのラセミ体、ジアステレオ異性体
および個々の光学異性体のいずれも本発明に包含される
ものであり、また幾何異性体が存在する場合には(E)
体、(Z)体およびその混合物のいずれも本発明に包含
されるものである。
【0031】本発明化合物(I)は以下の方法により製
造することができる。
【0032】
【0033】すなわち、エンド−シス化合物(I)はシ
クロペンタジエンとビニレンカーボネイトとをヒドロキ
ノンを重合防止剤として、ジャーナル オブ ジ アメ
リカン ケミカル ソサイエティー(Journal of the A
merican Chemical Society)第77巻、第3789頁
(1955年)記載の方法に従い、ディールス−アルダ
ー反応を行うことにより容易に高収率で得られる。
【0034】次いで、これを共酸化剤としてN−メチル
モルホリン−N−オキシドを使用し、オスミウム酸化す
ると、エキソ−シスのジオール化合物(2)が選択的に
好収率で得られ、これを2,2−ジメトキシプロパンな
どにてアセトナイド化し、化合物(3)が得られる。さ
らに、エンド−シスのカーボネイトのみを水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどのアルカリ
にて選択的に加水分解すると、エンド−シスのジオール
化合物(4)が高収率で得られ、次いでエンド−シスの
ジオール部位を過ヨウ素酸にて開裂し、得られたジアル
デヒドを精製することなく、そのまま水素化ホウ素ナト
リウムにて還元すると化合物(5)が得られる。化合物
(5)から化合物(6)への合成は、カナディアン ジ
ャーナルオブ ケミストリー(Canadian Journal of Ch
emistry)第54巻、第849頁(1976年)記載の方
法で合成可能であるが、炭酸銀のような高価な試薬を使
用していることより、より安価なクロム酸−ピリジン
(コリンズ酸化)に変換して合成した。
【0035】化合物(6)から化合物(9)への合成
は、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソ
サイエティー(Journal of the American Chemical Soc
iety)第91巻、第3075頁(1969年)およびテ
トラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters )第2
2巻、第2331頁等に種々報告されているが、ジャー
ナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティ
ー(Journal of the American Chemical Society)第1
05巻、第4049頁(1983年)記載の本発明者ら
の方法により合成し、さらに化合物(9)から化合物
(11)へは、ジャーナル オブ ヘテロサイクリック
ケミストリー(Journal of HeterocyclicChemistry
)第13巻、第1015頁(1976年)記載の合成
法に準じた。
【0036】化合物(11)から化合物(18)までの
合成は、特開平1−197497号公報記載の松田らの
方法に準じた。
【0037】
【0038】すなわち、化合物(11)を無水酢酸、ピ
リジンにてトリアセテート体(12)とし、これをオキ
シ塩化リン、メチルイミダゾール処理することによりウ
ラシルの4位を活性化し、次いでアルコラートあるいは
塩基存在下での種々のアルコールと反応させることによ
り化合物(13)が得られる。
【0039】反応条件は無溶媒あるいはアセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、クロロホルムまたはピリジ
ン中、0℃から室温が好ましく、ウラシル4位の活性化
剤としてはオキシ塩化リン、メチルイミダゾールの組合
せ以外にチオニルクロライド、メシチレンスルホニルク
ロライド、1−(メシチレンスルホニル)イミダゾー
ル、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−
1,2,4−トリアゾール、1−(2−メシチレンスル
ホニル)−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−ト
リアゾールとクロロフェニル ホスホロジクロリデート
との組合せなどがあげられる。
【0040】化合物(14)は、化合物(13)の水酸
基の保護基をアルカリ加水分解後、3,6位の水酸基を
選択的にテトライソプロピルジシロキシル基にて保護す
ることにより得られる。反応条件としては無水ピリジン
中、0℃から室温が好ましい。
【0041】さらに、化合物(14)の2位の水酸基を
酸化することにより、オキソ体(15)を得る。酸化剤
としては種々あげられるが、好ましくはクロム酸−ピリ
ジン複合体であるピリジニウムクロロクロメイト(PC
C)、ピリジニウムジクロメイト(PDC)あるいはジ
メチルスルホキサイド−塩化オキサリル等の活性化ジメ
チルスルホキサイドである。このように得られたオキソ
体(15)にウィッティッヒ反応を行い、アルキリデン
基を導入し、化合物(16)へ誘導する。
【0042】ウィッティッヒ試薬は、一般式(C6 5)
3 P=CHR5 、 (R6 O )2 PO=CHR5 (式中、
6 は低級アルキルを示し、R5 は前記と同義であ
る。)により表されるホスホランあるいはホスホネート
であり、具体的には臭化メチルトリフェニルホスホニウ
ム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、ジエチルシ
アノメチルホスホネート、トリエチルホスホノアセテー
ト等を強塩基で処理することにより調製できる。強塩基
としては水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム、ナト
リウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ナトリ
ウムアミロキシド、ナトリウムアミド等があげられる。
【0043】ウィッティッヒ試薬の使用量はオキソ体1
当量に対し1〜5当量が好ましく、溶媒としてはテトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、エーテル等の非水系溶媒が
好ましい。また、反応温度は−78℃から室温が好まし
く、反応時間は5〜20時間が好ましい。
【0044】化合物(16)から化合物(17)への変
換は、オートクレーブ中、液体アンモニアあるいはアン
モニア水処理することにより容易に得られる。反応温度
は50〜150℃であり、好ましくは70〜110℃で
ある。
【0045】さらに、化合物(17)の保護基をフッ化
アンモニウム、テトラブチルアンモニウムフロライド処
理あるいは酸、アルカリ加水分解することにより一般式
(I)の化合物が得られる。
【0046】前記工程で調製した本発明により提供され
る化合物はシリカゲルクロマトグラフィー、イオン交換
クロマトグラフィーまたは吸着クロマトグラフィーなど
のヌクレオシドの通常の単離精製手段にて精製すること
ができる。
【0047】上記工程中、化合物(15)は新規化合物
であり、本発明の一般式(I)の合成にとって重要な合
成中間体である。また、化合物(11)は、ジャーナル
オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(Journal
of Heterocyclic Chemistry)第13巻、第1015頁
(1976年)により公知化合物であるが、この公知方
法は多量合成には不向きであり、上記工程により大量合
成が可能となる。
【0048】本発明化合物(I)において、キラルな炭
素原子を有する場合には、通常ラセミ体またはジアステ
レオ異性体の混合物として得られる。ラセミ体は常法に
より光学異性体に分割することができる。そのような光
学異性体は光学活性な出発物質を使用することによって
も製造することができる。また、ジアステレオ異性体は
分別結晶またはクロマトグラフィーによって精製でき
る。さらにエナンチオ異性体も常法により合成・分離で
きる。また、幾何異性体が存在する場合には、これも分
別結晶、クロマトグラフィーなどの常法によりその
(E)体、(Z)体に分離することができ、幾何異性体
もそれ自体公知の方法に準じて製造することができる。
【0049】本発明化合物またはその塩を医薬として用
いる場合、有効量の化合物(I)またはその塩と医薬上
許容しうる担体、賦形剤、希釈剤などと混合して、散
剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、シロップ剤、坐
剤、外用剤、注射剤、点滴用剤などの形態をとり得る
が、経口剤が好ましい。投与量は、対象疾患、投与経
路、剤型などにより変動しうるが、一般に経口剤の場
合、化合物(I)またはその塩として1日10〜400
mg/kg 体重、好ましくは50〜200mg/kg 体重であ
り、注射剤では1日1〜10mg/kg 体重、好ましくは1
〜5mg/kg 体重である。投与回数は1日1〜4回の範囲
で適宜選択し得る。
【0050】
【作用・効果】本発明化合物(I)およびその塩は、各
種培養腫瘍細胞株に対して顕著な増殖抑制効果を示し、
しかも生体内利用率が高められ、胃腸障害などの副作用
が軽減された化合物も含まれ、かつ低毒性であることか
ら抗腫瘍剤として有用である。また、単純ヘルペスウィ
ルス(HSV)およびサイトメガロウィルス(CMV)
に対して抗ウィルス作用を示し、ウィルス感染症の治療
の場でも用いられる可能性がある。
【0051】
【実施例】以下、参考例および実施例を示し、本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0052】参考例 (1β,2α,3α,4β)−1−(2,3−ジヒドロ
キシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンチル)−(1
H,3H)−ピリミジン−2,4−ジオンの製造
【0053】工程a)ビニレンカーボネイト50g、シ
クロペンタジエン38.4g、ヒドロキノン0.5gを
ベンゼン50mlに溶解し、オートクレイブ中170〜
190℃に加温下、12時間攪拌した。冷後、溶媒を留
去し、残渣を減圧蒸留すると、沸点110〜120℃/
0.4mmHgの2,3−エンドカルボネート−5−ノ
ルボルネン(化合物1)62.2gを得た。
【0054】1H-NMR(CDCl3) δ:1.27(1H,br d,J=10Hz),
1.79(1H,br d,J=10Hz),3.30(2H,brs),5.00(2H,m),6.25
(2H,m).
【0055】工程b)N−メチルモルホリン−N−オキ
シド53gをt−ブタノール500ml、水50mlに
溶解し、1%四酸化オスミウムのt−ブタノール溶液4
2mlを徐々に加え、室温にて30分間攪拌した。次い
で、2,3−エンドカルボネート−5−ノルボルネン5
0gのテトラヒドロフラン溶液を2時間かけて滴加し、
室温にて5時間攪拌後、溶媒留去した。残渣に2,2−
ジメトキシプロパン50ml,p−トルエンスルホン酸
10g,アセトン400mlを加え、室温にて3時間攪
拌後、溶媒留去し、塩化メチレンにて抽出した。常法処
理後、得られた固化物を酢酸エチルにて再結晶すると、
融点171〜173℃の2,3−エンドカルボネート−
5,6−エキソイソプロピリデンジオキシノルカンファ
ン(化合物3)66gを得た。
【0056】1H-NMR(CDCl3) δ:1.03(1H,m),1.30(3H,
s),1.46(3H,s),1.96(1H,m),2.78(2H,m),4.46(2H,m),4.8
5(2H,m)
【0057】工程c)2,3−エンドカルボネート−
5,6−エキソイソプロピリデンジオキシノルカンファ
ン20.4gをメタノール120ml,水120mlに
溶解し、ここに、水酸化バリウム15.3gを加え、室
温にて5時間攪拌した。反応液を希硫酸にて中和し、不
溶物(硫酸バリウム)を濾去後、濾液を氷冷し、これに
過ヨウ素酸ナトリウム23.1gを徐々に加えた。2時
間攪拌し、析出する不溶物を濾去し、濾液を氷冷下、水
素化ホウ素ナトリウム5gを徐々に加え、室温にて2時
間攪拌した。溶媒留去後、残渣を酸、アルカリ処理し、
得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=9:1)にて
精製すると、(1β,2α,3α,4β)−2,3−イ
ソプロピリデンジオキシ−1,4−ジヒドロキシメチル
シクロペンタン(化合物5)17.4gを無色油状物質
として得た。
【0058】1H-NMR(CDCl3) δ:1.33(3H,s),1.51(3H,s)
1.90-2.50(6H,m),,3.50-3.85(4H,m),4.30-4.50(2H,m).
【0059】工程d)塩化メチレン2000ml,ピリ
ジン683gの混合溶液を氷冷攪拌下、クロム酸432
gを徐々に加え、室温にて2時間攪拌した。次いで、
(1β,2α,3α,4β)−2,3−イソプロピリデ
ンジオキシ−1,4−ジヒドロキシメチルシクロペンタ
ン73gの塩化メチレン(500ml)溶液を徐々に加
え、室温にて12時間攪拌した。これにセライト300
g、エーテル2000mlを加え、充分攪拌後、セライ
ト濾過した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;塩化メチレン)にて精
製すると、融点124〜126℃の(6α,7α)−
6,7−イソプロピリデンジオキシ−3−オキサビシク
ロ〔3.2.1〕オクタン−2−オン(化合物6)34
gを得た。
【0060】1H-NMR(CDCl3) δ:1.33,1.48(6H,2s),1.87
(1H,d,J=12Hz),2.30(1H,ddd,J=1.5,4,12Hz),2.46(1H,m)
3.00(1H,dd,J=1.5,4Hz),4.18(1H,dd,J=1.1,12Hz),4.36
(1H,dd,J=4,12Hz),4.58,4.66(1H,d,J=4Hz ,1H,dd,1,4H
z). MS(m/e) 198(M + ),183(M+ -Me). Anal.Calcd for
C10H14O4:C,60.59;H,7.12.Found:C,60.36;H,7.12.
【0061】工程e) (6α,7α)−6,7−イソプロピリデンジオキシ−
3−オキサビシクロ〔3.2.1〕オクタン−2−オン
10gを20%アンモニア−メタノール溶液50mlに
溶解し、室温にて1日放置した。反応液を濃縮し、これ
に無水酢酸20ml、ピリジン30mlを加え、1夜放
置した。反応液を氷−炭酸水素ナトリウム水溶液中に注
ぎ、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗し、硫酸ナ
トリウムにて乾燥後濃縮した。残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチ
ル=2:1)にて精製すると、(1β,2α,3α,4
β)−4−アセトキシメチル−2,3−イソプロピリデ
ンジオキシ−1−シクロペンタンカルボン酸アミド(化
合物7)8.5gを油状物質として得た。
【0062】1H-NMR(CDCl3) δ:1.31,1.50(6H,2s),2.07
(3H,s),1.68-2.52(3H,m),2.76(1H,m),4.10(2H,d,J=6H
z),4.41(1H.m),4.47(1H,m),6.12,6.40(2H,br s). MS(m/
e) 257(M + ). IR(neat) 3425,3325,3200,2975,1735,16
60,1615,1450cm-1.
【0063】工程f) (1β,2α,3α,4β)−4−アセトキシメチル−
2,3−イソプロピリデンジオキシ−1−シクロペンタ
ンカルボン酸アミド8.5gをt−ブタノール150m
lに溶解し、90%四酢酸鉛20gを加え、70℃にて
攪拌下、トリエチルアミン13mlを徐々に加えた。5
時間攪拌還流後、セライト濾過し、溶媒を留去した。残
留物にクロロホルムを加え、不溶物を濾去後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢
酸エチル=5:1)にて精製すると、(1β,2α,3
α,4β)−4−アセトキシメチル−1−t−ブトキシ
カルボニルアミノ−2,3−イソプロピリデンジオキシ
シクロペンタン(化合物8)9gを無色油状物質として
得た。
【0064】1H-NMR(CDCl3) δ:1.29,1.48(6H,2s),1.44
(9H,s),1.50(1H,m),2.90(3H,s),2.39(2H,m),3.80-4.22
(3H.m),4.42(2H,br s),5.00(1H,br d,J=7Hz). MS(m/e)
258(M+ -Me-C(Me)3),216,198. IR(neat) 3350,2950,292
5,1740,1710,1515cm -1.
【0065】工程g) (1β,2α,3α,4β)−4−アセトキシメチル−
1−t−ブトキシカルボニルアミノ−2,3−イソプロ
ピリデンジオキシシクロペンタン9gをメタノール10
0mlに溶解し、2規定塩酸水100mlを加え、1時
間還流した。溶媒留去後、残渣をイオン交換クロマトグ
ラフィー〔Amberlite CG-120(H+ form)〕にて精製( 0.0
7規定アンモニア水にて溶出) すると、(1β,2α,
3α,4β)−4−アミノ−2,3−ジヒドロキシ−1
−ヒドロキシメチルシクロペンタン(化合物9)3.8
gを無色油状物質として得た。
【0066】Anal.Calcd for C6H13O3:C,48.96;H,8.90.
Found:C,48.65;H,8.84. 他の物理学的恒数は文献値と同
じ。
【0067】工程h) (1β,2α,3α,4β)−4−アミノ−2,3−ジ
ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルシクロペンタンから
は、文献既知の合成法〔ジャーナル オブ ヘテロサイ
クリック ケミストリー(Journal of Heterocyclic Ch
emistry)第13巻、第1015頁(1976年)〕にて
(1β,2α,3α,4β)−1−(2,3−ジヒドロ
キシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンチル)−(1
H,3H)ピリミジン−2,4−ジオンを得た。融点1
76〜179℃。
【0068】1H-NMR(CDCl3-CD3OD) δ:1.55-1.75(1H,
m),2.00-2.30(2H,m),3.65(2H,d,J=5Hz),3.90-4.30(2H,
m),4.50-4.80(1H,m),5.72(1H,d,J=8Hz),7.48(1H,d,J=8H
z).
【0069】実施例1 (1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(3−ヒドロ
キシ−4−ヒドロキシメチル−2−メチリデンシクロペ
ンチル)−(1H)ピリミジン−2−オンの合成
【0070】工程i) (1β,2α,3α,4β)−1−(2,3−ジヒドロ
キシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンチル)−(1
H,3H)ピリミジン−2,4−ジオン3gをピリジン
40ml、無水酢酸30mlに溶解し、室温にて一夜放
置した。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルにて抽出
し、水洗(酸、アルカリ水処理)、硫酸ナトリウム乾燥
後、抽出液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=
2:1)にて精製すると、(1β,2α,3α,4β)
−1−(4─アセトキシメチル−2,3−ジアセトキシ
シクロペンチル)−(1H,3H)ピリミジン−2,4
−ジオン3.3gを得た。
【0071】1H-NMR(CDCl3) δ:1.60-1.85(1H,m),2.03
(3H,s),2.10(6H,s),2.20-2.60(2H,m),4.20(2H,d,J=5H
z),4.60-4.93(1H,m),5.15-5.30(1H,m),5.33-5.55(1H,
m),5.75(1H,d,J=8Hz),7.17(1H,d,J=8Hz),8.90(1H,br
s).
【0072】工程ii)メチルイミダゾール5.1gをア
セトニトリル40mlに溶解し、氷水下、オキシ塩化リ
ン1.7mlを徐々に滴加し、0℃にて30分間攪拌し
た。次いで、(1β,2α,3α,4β)−1−(4─
アセトキシメチル−2,3−ジアセトキシシクロペンチ
ル)−(1H,3H)ピリミジン−2,4−ジオン2.
3gをアセトニトリル10mlに溶解した溶液を0℃に
て徐々に滴加し、室温にて2時間攪拌した。再び氷水
下、トリエチルアミン10ml、メタノール20mlの
混合物を徐々に滴加し、室温にて4時間攪拌後、溶媒を
留去した。残渣を氷水中に注ぎ、クロロホルムにて抽出
し、水洗(酸、アルカリ水処理)、硫酸ナトリウム乾燥
後、抽出液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=
2:1)にて精製すると、(1β,2α,3α,4β)
−1−(4─アセトキシメチル−2,3−ジアセトキシ
シクロペンチル)−4−メトキシ−(1H)ピリミジン
−2−オン2gを得た。
【0073】1H-NMR(CDCl3) δ:1.60-1.80(1H,m),2.00
(3H,s),2.09(6H,s),2.25-2.60(2H,m),3.96(3H,s),4.19
(2H,d,J=5Hz),4.70-5.10(1H,m),5.20-5.36(1H,m),5.40-
5.60(1H,m)5.92(1H,d,J=8Hz),7.40(1H,d,J=8Hz).
【0074】工程iii) (1β,2α,3α,4β)−1−(4─アセトキシメ
チル−2,3−ジアセトキシシクロペンチル)−4−メ
トキシ−(1H)ピリミジン−2−オン2gをメタノー
ル30mlに溶解し、氷水下、ナトリウムメトキシド
1.1gを徐々に加え、0℃にて1時間攪拌した。次い
で、1%塩酸−メタノール溶液にて中和し、濃縮した。
残渣を混合溶液(クロロホルム−メタノール=9:1)
に溶解し、ドライシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=9:1)にて
精製すると、(1β,2α,3α,4β)−1−(2,
3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンチ
ル)−4−メトキシ−(1H)ピリミジン−2−オン
1.1gを得た。ついでこれを無水ピリジン10mlに
溶解し、氷水下、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−
テトライソプロピルジシロキサン1.23gを徐々に加
え、室温にて2時間攪拌した。反応液を氷水中に注ぎ、
酢酸エチルにて抽出し、水洗、硫酸ナトリウム乾燥後、
抽出液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=4:
1)にて精製すると、融点91〜93.5℃の(1β,
2α,3α,4β)−1−(2−ヒドロキシ−3,6−
O−テトライソプロピルジシロキサニルシクロペンチ
ル)−4−メトキシ−(1H)ピリミジン−2−オン
1.38gを得た。
【0075】1H-NMR(CDCl3) δ:1.09-1.10(28H,2s),1.6
0-2.30(3H,m),2.98(1H,br d),3.80-4.00(2H,m),3,96(3
H,s),4.10-4.65(3H,m),5.84(1H,d,J=8Hz),7.42(1H,d,J=
8Hz).
【0076】工程iv)無水塩化メチレン10mlにオキ
ザリルクロライド1.03gを加え、窒素気流下、−7
0℃にてジメチルスルホキサイド0.54mlを塩化メ
チレン5mlに溶解した溶液を徐々に滴加し、−70℃
にて30分攪拌した。次いで、(±)−(1β,2α,
3α,4β)−1−(2−ヒドロキシ−3,6−O−テ
トライソプロピルジシロキサニルシクロペンチル)−4
−メトキシ−(1H)ピリミジン−2−オン1.35g
を塩化メチレン10mlに溶解した溶液を徐々に滴加
し、−70℃にて2時間攪拌した。反応液に無水トリエ
チルアミン2.27mlを加え、−70℃から室温に1
時間かけて上温した。反応液を氷水中に注ぎ、クロロホ
ルムにて抽出し、水洗、硫酸ナトリウム乾燥後、抽出液
を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=4:1)にて
精製すると、(1β,3α,4β)−1−(2−オキソ
−3,6−O−テトライソプロピルジシロキサニルシク
ロペンチル)−4−メトキシ−(1H)ピリミジン−2
−オン1.13gを得た。
【0077】1H-NMR(CDCl3) δ:1.06-1.10(28H,2s),1.9
5-2.60(3H,m),3.80-4.10(3H,m),3,94(3H,s),4.85(1H,d,
J=10Hz),5.86(1H,d,J=8Hz),7.30(1H,d,J=8Hz).
【0078】工程v )無水テトラヒドロフラン25ml
に窒素気流下、臭化メチルトリフェニルホスホニウム
2.2gを懸濁し0℃にてカリウム−t−ブトキシド
0.8gのテトラヒドロフラン溶液12mlを徐々に滴
加し、室温に戻して30分間攪拌した。ここに、(1
β,3α,4β)−1−(2−オキソ−3,6−O−テ
トライソプロピルジシロキサニルシクロペンチル)−4
−メトキシ−(1H)ピリミジン−2−オン1.1gの
テトラヒドロフラン溶液5mlを徐々に滴加し、室温に
て5時間攪拌した。反応液に水2mlを加え、室温に1
時間攪拌後、氷水中に注ぎ、酢酸エチルにて抽出し、水
洗、硫酸ナトリウム乾燥後、抽出液を濃縮した。残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘ
キサン−酢酸エチル=2:1)にて精製すると、(1
β,3α,4β)−1−(2−メチリデン−3,6−O
−テトライソプロピルジシロキサニルシクロペンチル)
−4−メトキシ−(1H)ピリミジン−2−オン650
mgを得た。
【0079】1H-NMR(CDCl3) δ:1.00-1.20(28H,2s),1.6
5-2.50(3H,m),3.88(1H,d,J=10Hz),3.96(3H,s),4.06(1H,
dd,J=3,10Hz),4.65(1H,d,J=10Hz),5.12(1H,br s),5.46
(1H,br s),5.40-5.70(1H,m),5.88(1H,d,J=8Hz),7.32(1
H,d,J=8Hz).
【0080】工程vi) (1β,3α,4β)−1−(2−メチリデン−3,6
−O−テトライソプロピルジシロキサニルシクロペンチ
ル)−4−メトキシ−(1H)ピリミジン−2−オン6
00mgを液体アンモニア3ml、メタノール10ml
に溶解し、オートクレイブ中、90℃にて16時間攪拌
した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=
9:1)にて精製すると、(1β,3α,4β)−4−
アミノ−1−(2−メチリデン−3,6−O−テトライ
ソプロピルジシロキサニルシクロペンチル)−(1H)
ピリミジン−2−オン430mgを得た。
【0081】1H-NMR(CDCl3) δ:1.00-1.20(28H,2s),1.5
0-2.50(3H,m),3.75(1H,d,J=10Hz),4.05(1H,dd,J=3,10H
z),4.60(1H,d,J=10Hz),5.10(1H,br s),5.43(1H,br s),
5.40-5.70(1H,m),5.78(1H,d,J=8Hz),6.30-6.80(2H,br
s),7.13(1H,d,J=8Hz).
【0082】工程vii) (1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(2−メチリ
デン−3,6−O−テトライソプロピルジシロキサニル
シクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2−オン40
0mgを20%塩酸−エタノール溶液に溶解し、室温に
て一夜放置した。溶媒を留去し、残渣を水に溶解しイオ
ン交換クロマトグラフィー〔AmberliteCG-120(H+ form)
〕にて精製すると、融点220〜225℃(分解)
の、(1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(3−ヒ
ドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−メチリデンシク
ロペンチル)−(1H)ピリミジン−2−オン180m
gを得た。
【0083】上記実施例と同様にして、以下の化合物が
製造される。 (2) (1β,3α,4β)−1−(3−ヒドロキシ−
4−ヒドロキシメチル−2−メチリデンシクロペンチ
ル)−(1H)ピリミジン−2,4−ジオン (3) (1β,3α,4β)−4−アミノ−5−フルオ
ロ−1−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2
−メチリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−
2−オン (4) (1β,3α,4β)−5−フルオロ−1−(3
−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−メチリデン
シクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2,4−ジオ
ン (5) (1β,3α,4β)−4−ヘキサデカノイルア
ミノ−1−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−
2−メチリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン
−2−オン (6) (1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(3−
ヒドロキシ−4−オクタデカノイルオキシメチル−2−
メチリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2
−オン (7) (1β,3α,4β)−4−オクタデカノイルア
ミノ−1−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−
2−メチリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン
−2−オン (8) (1β,3α,4β)−4−オクタデカノイルア
ミノ−1−(3−ヒドロキシ−4−オクタデカノイルオ
キシメチル−2−メチリデンシクロペンチル)−(1
H)ピリミジン−2−オン (9) (1β,3α,4β)−4−ドコサノイルアミノ
−1−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−
メチリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2
−オン (10) (1β,3α,4β)−4−オレオイルアミノ−
1−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−メ
チリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2−
オン (11) (1β,3α,4β)−4−(3,4,5−トリ
メトキシベンゾイル)アミノ−1−(3−ヒドロキシ−
4−ヒドロキシメチル−2−メチリデンシクロペンチ
ル)−(1H)ピリミジン−2−オン (12) (1β,3α,4β)−4−リノレイルアミノ−
1−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−メ
チリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2−
オン (13) (1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(3−
ヒドロキシ−4−リノレイルオキシメチル−2−メチリ
デンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2−オン (14) (1β,3α,4β)−4−(シス−9−ヘキサ
デセノイル)アミノ−1−(3−ヒドロキシ−4−ヒド
ロキシメチル−2−メチリデンシクロペンチル)−(1
H)ピリミジン−2−オン (15) (1β,3α,4β)−4−リノレニルアミノ−
1−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−メ
チリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2−
オン (16) (1β,3α,4β)−4−(シス−11−エイ
コセノイル)アミノ−1−(3−ヒドロキシ−4−ヒド
ロキシメチル−2−メチリデンシクロペンチル)−(1
H)ピリミジン−2−オン (17) (1β,3α,4β)−4−アミノ−5−メチル
−1−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−
メチリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2
−オン (18) (1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(3−
ヒドロキシ−4−(2−アミノ−3−メチルバレリル)
オキシメチル−2−メチリデンシクロペンチル)−(1
H)ピリミジン−2−オン (19) (1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(3−
ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−エチリデンシ
クロペンチル)−(1H)ピリミジン−2−オン (20) (1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(3−
ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−シアノメチリ
デンシクロペンチル)−(1H)ピリミジン−2−オン (21) (1β,3α,4β)−4−アミノ−1−(3−
ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−2−エトキシカル
ボニルメチリデンシクロペンチル)−(1H)ピリミジ
ン−2−オン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 明啓 埼玉県入間市小谷田3丁目7番25号 吉富 製薬株式会社東京研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1 は水酸基、アミノまたはアシルアミノを、
    2 は水素、ハロゲン、低級アルキルを、R3 、R4
    水素、アシル、アミノアシルを、R5 は水素、低級アル
    キル、シアノ、アルコキシカルボニルを示す。)により
    表される2’−メチリデンシクロペンタンヌクレオシド
    化合物、またはその水酸基が保護された化合物。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は請求項1に定義され
    ている通りである。)により表される2’−オキソシク
    ロペンタンヌクレオシド化合物、またはその水酸基が保
    護された化合物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10100076B2 (en) 2000-10-18 2018-10-16 Gilead Pharmasset Llc Modified nucleosides for the treatment of viral infections and abnormal cellular proliferation

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