JPH0663944A - 廃プラスチックの分離回収方法 - Google Patents

廃プラスチックの分離回収方法

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JPH0663944A
JPH0663944A JP22043192A JP22043192A JPH0663944A JP H0663944 A JPH0663944 A JP H0663944A JP 22043192 A JP22043192 A JP 22043192A JP 22043192 A JP22043192 A JP 22043192A JP H0663944 A JPH0663944 A JP H0663944A
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祥正 三浦
Etsuo Ogino
悦生 荻野
Michio Ito
道雄 伊藤
Chitose Takakura
千登世 高倉
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃プラスチックがいかなる形状をなしていて
も、これを液体中で比重差によって高比重物と低比重物
とに完全に区分して、これらを効率的かつ高収率に分離
回収できる方法を提供する。 【構成】 廃プラスチックの混合物を液体中で比重差に
より高比重物と低比重物とに分離するに当たり、処理す
べき廃プラスチックを濡れ性付与処理に付すことを特徴
とする廃プラスチックの分離回収方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の廃プラスチック
の混合物を液体中での比重差を利用して高比重物と低比
重物とに分離し、これらを別々に回収する廃プラスチッ
クの分離回収方法に関し、より詳細にはその前処理に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルを含むプラスチック廃棄
物を一括処理すると、回収プラスチックをリサイクルす
る場合、多種類の廃プラスチックが混在するため、リサ
イクルプラスチックの質が低下し、また、回収プラスチ
ックを焼却処理する場合は、混在するポリ塩化ビニルの
焼却に伴って塩化水素ガスが発生し、これが焼却炉を損
傷し、さらには公害の発生原因にもなる。
【0003】本発明者らは図2に示すような廃プラスチ
ックの分離回収装置を開発した。これは、投入された廃
プラスチック混合物を循環させる投入槽(1) と、廃プラ
スチック混合物を比重差により低比重物と高比重物に区
分する分離槽(2) からなり、投入槽(1) には、スクリュ
ー(3) を備えた垂直筒体(4) が液中に沈むように配設さ
れている。スクリュー(3) の回転によって垂直筒体(4)
内に下降流が発生され、この下降流によって廃プラスチ
ック片は垂直筒体(4) 内に引き込まれ、強制的に分散さ
せられると共に、分散片が短時間で分離槽へ移行させら
れる。
【0004】ほとんど流れがない分離槽(2) では、廃プ
ラスチックの比重差によってポリエチレンなどの低比重
物(5) とポリ塩化ビニルなどの高比重物(6) とに分離さ
れる。低比重物(5) は分離槽(2) の表面に浮上し、高比
重物(6) は分離槽(2) 底部に沈積する。高比重物(6) の
沈積物はエアーリフト(7) と回収装置(8) を備えた循環
路(9) へ送られ、回収装置(8) で回収される。
【0005】この廃プラスチック分離回収方法によれ
ば、装置は投入槽と分離槽からなるので、投入槽と中間
槽と分離槽とからなる装置を用いる従来の方法に比べ、
廃プラスチックの分離回収処理に必要な時間を短縮で
き、廃プラスチックの分離回収装置を小型化でき、処理
に必要な液量を少くできる。スクリューによって筒体内
に廃プラスチック片を強制的に分散させる水流を発生す
ると共に、分散片を分離槽へ移行させるので、槽底から
の空気の吹き込みによって水または塩水に循環流を発生
させる従来の方法のように、ポリ塩化ビニルのような疎
水性プラスチックの表面には空気が付着しやすく、その
ためこの種のプラスチックが分離槽内で浮上してしまう
ことがほとんどなく、廃プラスチックの分離回収率を向
上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の方法では、投入する廃プラスチックが偏平状のものや
いびつなもの、凹凸状の形状を成す場合には、垂直筒体
内のスクリューの回転により当該プラスチックを同筒体
内に引き込む際に、プラスチック表面に空気が付着し、
高比重のプラスチックでも分離槽内で浮上してしまうも
のが多くある。
【0007】本発明は、上記の点に鑑み、廃プラスチッ
クがいかなる形状をなしていても、これを液体中で比重
差によって高比重物と低比重物とに完全に区分して、こ
れらを効率的かつ高収率に分離回収できる方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による廃プラスチ
ックの分離回収方法は、上記目的を達成すべく工夫され
たものであって、廃プラスチックの混合物を液体中で比
重差により高比重物と低比重物とに分離するに当たり、
処理すべき廃プラスチックを濡れ性付与処理に付すこと
を特徴とするものである。
【0009】上記濡れ性付与処理としては、次のような
態様が可能である。
【0010】a)処理すべきプラスチックを非イオン界
面活性剤の水溶液に浸してプラスチックの表面に界面活
性剤の薄膜を形成しておく。
【0011】b)処理すべきプラスチックに予め水蒸気
をあて、プラスチックの細孔内の空気を脱気した後、さ
らに細孔内に水をしみ込ませておく。
【0012】c)処理すべきプラスチックに予め水蒸気
をあて、プラスチックの細孔内の空気を脱気した後、さ
らに雰囲気を冷却して水蒸気を液化させ細孔内に液化水
をしみ込ませておく。
【0013】使用される非イオン界面活性剤は、エーテ
ル型、エーテルエステル型およびエステル型のもののう
ちから適宜選定される。非イオン界面活性剤の濃度は限
定はされないが、比較的高濃度(150ppm以上が好
ましい)である。非イオン界面活性剤水溶液への廃プラ
スチックの浸漬時間は非イオン界面活性剤の種類、濃度
等により設定される。
【0014】
【作用】本発明による廃プラスチックの分離回収方法で
は、廃プラスチックの混合物を液体中で比重差により高
比重物と低比重物とに分離するに当たり、処理すべき廃
プラスチックを濡れ性付与処理に付すので、廃プラスチ
ックと、分離回収装置内の水または水に塩類等を溶解さ
せ比重を大きくした液体との親和性を増加させることが
できる。その結果、廃プラスチックの表面に空気が付着
することはほとんどなくなり、高比重プラスチックの沈
降速度を増すことができる。したがって、廃プラスチッ
クの形状に関係なくこれを液体中で比重差によって高比
重物と低比重物とに完全に区分して、これらを効率的か
つ高収率に分離回収することができる。
【0015】
【実施例】つぎに、本発明による廃プラスチックの分離
回収方法を実施例により具体的に説明する。
【0016】実施例1 まず、非イオン界面活性剤の水溶液として、250pp
mのポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶
液を調製し、これを薬液タンク(10)に貯えた。処理すべ
き廃プラスチックとして、厚さ1mmのポリ塩化ビニル
板を15×15mm程度に破砕したもの100gを用意
し、この破砕片を攪拌機(15)付きの薬液タンク(10)内の
非イオン界面活性剤水溶液中に10秒間浸した。その
後、プラスチック破砕片を回収して脱水機(11)で軽く水
気を切り、プラスチック破砕片の表面に界面活性剤の薄
膜を形成させた。
【0017】脱水機(11)から出た濾液は濾液タンク(12)
に貯えられ、同タンク(12)の底部からポンプ(13)によっ
てフィルター装置(14)に通され、スラッジを除去された
後、薬液タンク(10)へ戻された。
【0018】このような前処理の後、図2に示す分離回
収装置の投入槽(1) 内の水中に処理済みプラスチック破
砕片を投入した。廃プラスチックの分離回収装置は、投
入された廃プラスチック混合物を循環させる投入槽(1)
と、廃プラスチック混合物を比重差により低比重物と高
比重物に区分する分離槽(2) からなり、投入槽(1) に
は、スクリュー(3) を備えた垂直筒体(4) が液中に沈む
ように配設されている。スクリュー(3) の回転によって
垂直筒体(4) 内に下降流が発生され、この下降流によっ
てプラスチック片は垂直筒体(4) 内に引き込まれ、強制
的に分散させられると共に、分散片が短時間で分離槽へ
移行させられる。
【0019】ほとんど流れがない分離槽(2) では、廃プ
ラスチックの比重差によってポリエチレンなどの低比重
物(5) とポリ塩化ビニルなどの高比重物(6) とに分離さ
れる。低比重物(5) は分離槽(2) の表面に浮上し、高比
重物(6) は分離槽(2) 底部に沈積する。高比重物(6) の
沈積物はエアーリフト(7) と回収装置(8) を備えた循環
路(9) へ送られ、回収装置(8) で回収される。
【0020】実施例2 実施例1の非イオン界面活性剤水溶液による前処理の代
わりに、処理すべき廃プラスチックに予め水蒸気をあ
て、廃プラスチックの細孔内の空気を脱気した後、さら
に細孔内に水をしみ込ませた。
【0021】この前処理の後、実施例1と同様に、図2
に示す分離回収装置の投入槽(1) 内の水中に処理済みプ
ラスチック破砕片を投入し、実施例1と同様の操作を行
った。
【0022】実施例3 実施例1の非イオン界面活性剤水溶液による前処理の代
わりに、処理すべき廃プラスチックに予め水蒸気をあ
て、廃プラスチックの細孔内の空気を脱気した後、雰囲
気を冷却して水蒸気を液化させ細孔内に液化水をしみ込
ませておいた。
【0023】この前処理の後、実施例1と同様に、図2
に示す分離回収装置の投入槽(1) 内の水中に処理済みプ
ラスチック破砕片を投入し、実施例1と同様の操作を行
った。
【0024】比較例1 厚さ1mmのポリ塩化ビニル板を15×15mm程度に
破砕したプラスチック破砕片100gを、上記前処理な
しで、図2に示す分離回収装置の投入槽(1) 内の水中に
投入し、実施例1と同様の操作を行った。
【0025】比較試験 実施例1による前処理品と、比較例1による非前処理品
とについて、廃プラスチックの分離回収実験を行った。
この実験結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 表1から、本発明による廃プラスチックの分離回収方法
では、移動時間、回収率共に大幅な改良が認められる。
【0027】
【発明の効果】本発明による廃プラスチックの分離回収
方法は、上記の如く構成されているので、次の利点を有
する。
【0028】1) 廃プラスチックの分離回収率を向上さ
せることができる。
【0029】2) 廃プラスチックの分離回収処理に必要
な時間を短縮できる。
【0030】3) 廃プラスチックを前処理することによ
り廃プラスチック表面の汚れを分離回収装置投入前に除
去できる。
【0031】こうして、本発明の装置によれば、廃プラ
スチックの混合物を比重差によって低比重物と高比重物
に完全に区分して、これらを効率的かつ高収率に分離回
収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃プラスチックの分離回収装置を示す垂直充断
面図である。
【図2】本発明方法を示すフローシートである。
【符号の説明】
(1) …投入槽 (2) …分離槽 (3) …スクリュー (4) …垂直筒体 (5) …低比重物 (6) …高比重物 (9) …循環路 (10)…薬液タンク (11)…脱水機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高倉 千登世 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立 造船株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃プラスチックの混合物を液体中で比重
    差により高比重物と低比重物とに分離するに当たり、処
    理すべき廃プラスチックを濡れ性付与処理に付すことを
    特徴とする廃プラスチックの分離回収方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07276366A (ja) * 1994-04-14 1995-10-24 Shinagawa Fuel Co Ltd 廃プラスチックの分別方法
JP2006175740A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Sharp Corp プラスチック廃材の再資源化方法、プラスチック原料の製造方法、プラスチック成形体の製造方法、ならびにプラスチック原料、プラスチック成形体
JP2007015340A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Sharp Corp プラスチック系混合物の再資源化方法、ならびにプラスチック原料およびプラスチック成形体
US11536335B2 (en) 2018-04-06 2022-12-27 Federal-Mogul Motorparts Llc Brake pad backing plate

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