JPH0663107U - 濾過器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】バラスを入れることなく濾材の流失を防止で
き、取扱いが容易であり、かつ軽量、コンパクトに形成
できて、製作費や運搬等の費用を低減できるようにした
濾過器を提供することにある。 【構成】中空なる濾過器本体の下部近傍に、多数の孔を
穿設した巣板を内設すると共に、この巣板の上に、濾過
器本体内に充填する濾材の大きさより小なる網目の網部
材を載設し、更にこの網部材の上から多数の孔を穿設し
た巣板を固着すると共に、前記濾過器本体内に充填する
濾材をこの巣板の上に載置した構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、浄水場や種々の濾過装置や化学プラント等で使用される濾過器に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の濾過器Ａとしては、例えば図６に示すように、孔径６〜８mm位の多数の 孔ａを穿設した巣板ｂを濾過器本体ｃの中に設け、この巣板ｂの上にφ２０mm位 のバラスｄを載置し、このバラスｄの上にφ１５mm位のバラスｅを載置し、更に このバラスｅの上にφ５〜１０mm位のバラスｆを載置し、その上にφ１〜２mm位 の濾材ｇを載置したものであった。

【０００３】 また、他の従来の濾過器Ｂとしては、例えば図７〜図８に示すように、濾過器 本体ｃの中に、孔径１６〜２０mm位の多数の孔ｈを穿設した巣板ｉを設け、この 各孔ｈに５mm幅以下のスリットｊを形成したストレーナｋを取付け、このストレ ーナｋが隠れる程度の厚さにバラスＬを巣板ｉ上に載置し、更にこの上からφ１ 〜２mm位の濾材ｇを載置したものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記の濾過器Ａの場合は、運搬したり、据え付けするときに濾過器 Ａを横に倒すと、中のバラスｄ，ｅ，ｆが濾材ｇと混じ合ってしまうため、取扱 いが大変であった。また、濾材ｇの交換の際に、本体内の濾材ｇをポンプで吸い 出そうとすると、ポンプに接続したホースにバラスが詰まってしまい、濾材ｇを 排出できなくなるといった問題があった。更には前記のように濾材ｇの流失防止 のために複数段にバラスｄ，ｅ，ｆを濾過器本体ｃに詰めるため、濾過器本体内 にはこのバラスの詰め込み用のスペースを必要とする。そのため、濾過器本体ｃ の高さが高くなって重量的に重くなり、運搬等の取扱いが困難になる。また、製 作費や運搬等に係る費用、人件費が割高になるといった種々の問題があった。

【０００５】 また、前記従来の濾過器Ｂの場合は、運搬時にバラスＬと濾材ｇが混ざったり 、濾材ｇの交換の際にホースにバラスが詰まるといったことは、上記従来の濾過 器Ａと同じであるが、更には濾過器本体内の掃除や濾材交換のときに、ストレー ナｋを折損させてしまうといった問題があった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような点に鑑みて開発されたものであり、その目的とする処は 、バラスを入れることなく濾材の流失を防止でき、取扱いが容易であり、かつ軽 量、コンパクトに形成できて、製作費や運搬等の費用を低減できるようにした濾 過器を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記のような目的を有効に達成するために、次のような構成にしてあ る。すなわち、中空なる濾過器本体の下部近傍に、多数の孔を穿設した巣板を内 設すると共に、この巣板の上に、濾過器本体内に充填する濾材の大きさより小な る網目の網部材を載設し、更にこの網部材の上から多数の孔を穿設した巣板を固 着すると共に、前記濾過器本体内に充填する炉材をこの巣板の上に載置した構成 である。

【０００８】

【作用】

濾過器本体内に充填する濾材の大きさより小なる網目の網部材を、２枚の巣板 で挟むようにして支持し、その上に濾材を入れてあるため、濾材が網部材の網目 から流失することを防止でき、またバラスを必要としないため、運搬中等に濾材 とバラスが混ざるといったこともない。また濾過器本体内にバラスを入れるスペ ースを必要としないため、よりコンパクトな濾過器を製造することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１〜図３に基づいて説明する。 １は本考案に係る一実施例の濾過器であって、この濾過器１の濾過器本体２は 内部中空で、上下に開孔部３ａ，３ｂを形成してあり、流入口または流出口とな る。この開孔部３ａ，３ｂの外端は、配管等を接続できるようにしてある。

【００１０】 上記濾過器本体２の下部近傍には、φ６〜８mm位の多数の孔４を穿設した巣板 ５が、その外周を濾過器本体２の内周面に溶接によって固着してある。この巣板 ５の上には、濾過器本体内に充填する濾材６（φ１〜２mm位）の大きさより小な る網目（φ０．５mm位）の網部材７（この実施例ではステンレス材を使用）が載 置されている。更にこの網部材７の上から、上記同様の多数の孔４を穿設しかつ ２分割した巣板８を載置し、押さえ金具９とボルト１０，ナット１１によって、 網部材７を挟むようにして前記巣板５に固定してある。上記のように巣板８を２ 分割することによって、網部材７の交換時に巣板８を取り外し易いようにしてあ る。このようにして網部材７を両巣板５，８で固定した上に、前記した濾材６を 図示のように載置してある。

【００１１】 本考案に係る実施例の濾過器１は上述のような構成であり、濾過器本体２内に 充填する濾材６の大きさより小なる網目の網部材７を、２枚の巣板５，８で挟む ようにして濾過器本体２の下部近傍に内設し、その上に濾材６を入れてあるため 、従来のようにバラスを入れなくとも、濾過器本体内からの濾材６の流失するこ とを防止できる。そしてバラスを必要としないため、運搬中等に濾材とバラスが 混ざるといったことは全くない。また濾過器本体内にバラスを入れるスペースを 必要としないため、濾過器本体２の高さを低くすることができ、よりコンパクト に濾過器を製造することができる。

【００１２】 なお、図４に示すような径の大きな上記本考案に係る濾過器１の場合は、点検 時等に開孔部３ａから作業員が中に入れるので、この濾過器１の場合は濾過器本 体２の開孔部３ａの上端にフランジ１２を設け、このフランジ１２に配管１３の 端部に設けたフランジ１４をボルト・ナット１５で接続できるように形成する。

【００１３】 また、図５に示すような径の小さな上記本考案に係る濾過器１の場合は、点検 時等に開孔部３ａから作業員が中に入れないので、この濾過器１の場合は濾過器 本体２の上部近傍を切断し、その切断端部にそれぞれフランジ１６を設け、この フランジ１６をボルト・ナット１７で接続できるように形成する。この濾過器１ では点検時等に、濾過器本体２の上部を開けて中に入ることができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上、上記のように本考案の濾過器は、バラスを濾過器本体に入れなくとも濾 材の流失を防止できるようにしてあるため、濾過器の運搬や据え付け時に、従来 のようにバラスと濾材が混ざってしまうといったことが全くない。また、濾過器 本体内にバラスを入れるスペースが不要であるため、濾過器本体の高さ（長さ） を低くでき、濾過器を従来に比べより軽く製造することができる。そのため、運 搬費や据え付け費等のイニシャルコストを低減することができる。更に濾材の交 換も容易に行うことができ、その作業に伴う人件費も安くてすむ。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る一実施例の濾過器の要部断面図、

【図２】本考案に係る一実施例の濾過器の要部拡大断面
図、

【図３】巣板８側の上方から下を見た平面図、

【図４】径の大きな濾過器の上部正面図、

【図５】径の小さな濾過器の上部正面図、

【図６】従来の一例の濾過器の要部断面図、

【図７】従来の他の例の濾過器の要部断面図、

【図８】図７に示すストレーナ取付け部分の拡大断面
図、

【符号の説明】

１・・・濾過器、 ２・・・濾過器本体、 ４・・・孔、 ５・・・巣板、 ６・・・濾材、 ７・・・網部材、 ８・・・巣板、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空なる濾過器本体の下部近傍に、多数
   の孔を穿設した巣板を内設すると共に、この巣板の上
   に、濾過器本体内に充填する濾材の大きさより小なる網
   目の網部材を載設し、更にこの網部材の上から多数の孔
   を穿設した巣板を固着すると共に、前記濾過器本体内に
   充填する濾材をこの巣板の上に載置したことを特徴とす
   る濾過器。