JPH0662966B2 - 燃料油添加剤組成物 - Google Patents

燃料油添加剤組成物

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JPH0662966B2
JPH0662966B2 JP6461990A JP6461990A JPH0662966B2 JP H0662966 B2 JPH0662966 B2 JP H0662966B2 JP 6461990 A JP6461990 A JP 6461990A JP 6461990 A JP6461990 A JP 6461990A JP H0662966 B2 JPH0662966 B2 JP H0662966B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は燃料油添加剤組成物、特にガソリン添加剤組成
物に関し、更に詳しくは、燃料の吸気系統と燃焼室の清
浄性に効果の優れた燃料油添加剤組成物に関する。
本発明において、燃料油とは、ガソリン、ディーゼル軽
油、重油等の内燃エンジンに使用される燃料をいう。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
内燃エンジンの燃料系統及び燃焼室にスラッジやデポジ
ット等の沈積物を生じると、エンジンの機能低下及び排
ガス等へ悪影響を及ぼす。
燃料清浄剤、特にガソリン清浄剤は気化器、吸気弁等の
ガソリン吸気系統のデポジットの除去や付着防止、燃焼
室内の浄化を目的としてガソリンに添加される。吸気バ
ルブや吸気ポートに生成したデポジットはエンジンの出
力の低下や運転性の悪化、排気ガスの増加の原因にな
る。近年、エンジンは益々高性能化し、その結果このよ
うなデポジットに対して敏感になっている。
この中で、吸気バルブのデポジットは最近大きな問題と
なっている、特に最近、日本において、乗用車の電子制
御式噴射装置の装着率が増加している。電子制御式燃料
噴射装置は、ガソリン混合気を精密にコントロールし、
エンジン性能の向上のみならず、省燃費及び排ガスの改
善に有効である。しかし、吸気バルブにデポジットが付
着すると、噴射装置から噴射されたガソリンが、デポジ
ットに当たり、ガソリン混合気のコントロールが狂って
しまい、その結果、運転性に悪影響を与える。
本発明者らは従来技術より燃料の吸気系統と燃焼室の清
浄性に優れた燃料添加剤として、(a)炭素数3〜18の
アルキル分岐を持ち、この分岐部分を含めた炭素数が9
〜37であるアルキル基を有し、かつ、(b)炭素数2〜
4のオキシアルキレン基を1つ以上有するアミン又はア
ミンオキサイド、又はこのアミン又はアミンオキサイド
と鉱油又は合成油の配合物を見出し、既に特許出願した
(特願平1−193757号)。この発明品はガソリン車のエ
ンジンのインテークバルブに堆積するデポジットを除去
する能力は、添加剤が高濃度下(1000〜10000ppm)では
優れているが、低濃度下(250ppm以下)でインテークバ
ルブの清浄性を保持する能力が不満足であった。この原
因を検討したところ高温下での耐熱性に若干劣ることが
わかった。インテークバルブの温度は200℃前後〜350℃
前後であると言われ、添加剤が低濃度の時、250℃以上
の高温になると、条件によって添加剤が熱劣化し、清浄
性を失う可能性が考えられた。
〔課題を解決するための手段〕
このような従来技術の課題を解決するために、本発明者
らは鋭意研究の結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、 (A)(a)炭素数3〜18のアルキル分岐を持ち、この
分岐部分を含めた炭素数が9〜37であるアルキル基を有
し、かつ、(b)炭素数2〜4のオキシアルキレン基を
1つ以上有するアミン又はアミンオキサイドと、 (B)下記一般式(I)、(II)又は(III) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
ニル基、 AはNHCHpqNH−又は NHCHpqNH−CO−NH(CHpNHq、 pは1〜3の整数、qは0〜5の整数、XはH又は は炭素数15〜100のアルキル基又はアルケニル基を
示す。) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
ニル基、XはH又は は炭素数15〜100のアルキル基又はアルケニル基、
pは1〜3の整数、qは0〜5の整数を示す。) RNHCHpqNH−X …(III) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
ニル基、XはH又は炭素数15〜100のアルキル基又は
アルケニル基、pは1〜3の整数、qは0〜5の整数を
示す。) で表わされる化学構造を有し、かつ分子量700〜5000の
化合物 とを含有することを特徴とする燃料油添加剤組成物を提
供するものである。
本発明に用いられる、(A)成分の(a)炭素数3〜18
のアルキル分岐を持ち、この分岐部分を含めた炭素数が
9〜37であるアルキル基を有し、かつ、(b)炭素数2
〜4のオキシアルキレン基を1つ以上有するアミン又は
アミンオキサイドとしては、例えば、下記一般式
(1),(2)又は(3)で表される化合物が挙げられ
る。
〔式中、R,Rは炭素数3〜18の炭化水素残基であっ
て、かつRとRの炭素数の和は8〜36である。
nは0又は1〜4の整数。
は式 で表されるアミン又はアミンオキサイド残基、 Y,Yは式 又は で表されるアミン又はアミンオキサイド残基を示す(こ
こでBは炭素数2〜4のアルキレン基、mは0〜10の整
数、Rは−,−CHCONH−,−CHCH(OH)−,−CH
CO−から選ばれる基、Eは−又は炭素数1〜4のアルキ
レン基、R,RはH又は炭素数1〜4のアルキル基、
ヒドロキシアルキル基又はアミノアルキル基、は1又
は2である)。〕 式(1)〜(3)中のR,Rとしては直鎖炭化水素基
又は分岐を有した炭化水素基が用いられる。直鎖炭化水
素基としては、例えば、n−プロピル基、n−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n
−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、
n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサ
デシル基が挙げられる。また、分岐を有した炭化水素基
としては、iso−プロピル基、iso−ブチル基、iso−ペ
ンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、
3−メチルブチル基、 (5−メチルヘキシル基)、 (1,1,3−トリメチルブチル基)、 (1,3,3−トリメチルブチル基)、 CHCHCHCH(CH)CHCH−(3−メチルヘキシ
ル基)、 (1,2,4−トリメチルペンチル基)、 (1,3−ジメチルヘキシル基)、 (3,3,5−トリメチルヘキシル基)、 (3,5,5−トリメチルヘキシル基)、 (3,4,6−トリメチルヘプチル基)、 (3,5,6−トリメチルヘプチル基)、 (3,5−ジメチルオクチル基)、 (1,3,4,6−テトラメチルヘプチル基)、 (1,1,3,5,5−ペンタメチルヘキシル基)、 (1,4,7−トリメチルオクチル基)、 (1,3,3,6−テトラメチルヘプチル基)、 (3,5,6,8−テトラメチルノニル基)、 (3,3,5,7−ペンタメチルオクチル基)、 (3,6,9−トリメチルデシル基)、 (1,2,4,6,8−ペンタメチルノニル基)、 (4,5,7,9,11−ペンタメチルウンデシル基)などが挙げ
られる。
とRの炭素数の和は、8〜36である。これらが8
未満の場合には、清浄効果が充分でなく、また36を越え
る場合、得られる化合物の燃料に対する溶解性が低下す
る。また、熱残渣物を生じる。
この様な特性を考慮すると、RとRの部分の炭素鎖
長としては3〜18、RとRの炭素数の和は8〜36が
好ましく、更には10〜32が好ましい。
式(1)〜(3)で表される化合物について更に説明す
ると、Y〜Yで表されるアミン又はアミンオキサイ
ド残基中の−(BO)m−又は−(BO)m −はオキシ
アルキレン又はポリオキシアルキレンエーテル構造を表
す。この場合のアルキレン基Bは炭素数2〜4であり、
この場合に使われるアルキレン基は、エチレン、プロピ
レン、ブチレン(1,2−;2,3−;1.3−及び1,4−)基が挙
げられる。またmは0〜10である。
上記一般式(1)〜(3)で表される化合物の製造方法
は、例えばY,Y,Yの中のRが−(OとEが直接結
合している)で、Eが炭素数3のアルキレン基の場合、
下記一般式(8),(9),(10) (式中、R,R,n,m,Bは前記の意味を有する。) で表される化合物をアクリロニトリルによりシアノエチ
ル化し、次いで水素添加し、またはこれに更にアクリロ
ニトリルによるシアノエチル化と水素添加とを繰り返し
て得ることができる。シアノエチル化の反応は、カセイ
アルカリの様な強アルカリ触媒下、加熱撹拌することに
より得られる。また、水素化はラネーニッケルのような
水素添加触媒の下に反応させて得ることができる。
また、他の合成方法の例を挙げると、 (式中、R,R,nは前記の通り、Xはハロゲン原子、
好ましくは塩素原子又は臭素原子を表す)で表されるハ
ロゲン化物と、H−O−Y、H−COO−Y 又は (式中、Y,Y,Yは前記の通り)で表される化合物
をアルカリ金属、あるいはアルカリ土類金属またはその
酸化物、水酸化物等と反応させたアルコキシドと反応さ
せることにより得られる。
更に上記の合成法の詳細な例を挙げると、例えば先の合
成法の式(8)の場合を例とすると、以下の一般式(1
1),(12)で表される分岐アルコールを用いた場合そ
のま、或いはこれらの分岐アルコールのアルキレンオキ
シド付加物の形として用いられる。
,Rは炭素数3〜16でかつRとRの炭素数の和
が10〜32の炭化水素残基、またR,Rは炭素数3〜15
でかつRとRの炭素数の和が8〜30の炭化水素残基
である。) この様なアルコールはいわゆる大分岐アルコールと呼ば
れ、例えばゲルベ反応により、2分子の天然又は合成脂
肪族アルコールを縮合する事によって直接得ることがで
き、あるいは無水酢酸とα−オレフィンとの反応で得ら
れる分岐脂肪酸を還元することによっても得ることが出
来る。
本発明の原料として用いることの出来るアルコールは、
具体的には、例えば、2−ブチルドデシルアルコール、
2−ブチルヘキサデシルアルコール、2−ヘキシルオク
チルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、2−
ヘキシルテトラデシルアルコール、2−ヘキシルオクタ
デシルアルコール、2−ヘプチルノニルアルコール、2
−ヘプチルウンデシルアルコール、2−オクチルドデシ
ルアルコール、2−オクチルヘキサデシルアルコール、
2−ノニルウンデシルアルコール、2−ノニルトリデシ
ルアルコール、2−デシルドデシルアルコール、2−デ
シルテトラデシルアルコール、2−デシルオクタデシル
アルコール、2−ウンデシルペンタデシルアルコール、
2−ドデシルテトラデシルアルコール、2−ドデシルヘ
キサデシルアルコール、2−トリデシルヘプタデシルア
ルコール、2−テトラデシルヘキサデシルアルコール、
2−テトラデシルオクタデシルアルコール、2−ヘキサ
デシルオクタデシルアルコール、4−ヘキシルドデシル
アルコール、4−オクチルテトラデシルアルコール、4
−ノニルペンタデシルアルコール、4−デシルヘキサデ
シルアルコール、4−ドデシルオクタデシルアルコー
ル、 [2−(1′,2′,4′−トリメチルペンチル)−5,6,8
−トリメチルノナノール]、 [2−(1′,3′,4′−トリメチルペンチル)−5,7,8
−トリメチルノナノール]、 [2−(1′,3′−ジメチルヘキシル)−5,7−ジメチ
ルデカノール]、 [2−(1′,3′,4′,6′−テトラメチルヘプチル)−
5,7,8,10−テトラメチルウンデカノール]、 [2−(1′,3′,4′−トリメチルペンチル)−5,6,8
−トリメチルノナノール]、 [2−(5′−メチルヘキシル)−3,5,6,8−テトラメ
チルノナノール]、 [2−(1′,1′,3′−トリメチルブチル)−5,5,7−
トリメチルオクタノール]、 [2−(1′,3′,3′−トリメチルブチル)−5,7,7−
トリメチルオクタノール]、 [2−(1′,3′,3′−トリメチルブチル)−5,5,7−
トリメチルオクタノール]、 [2−(1′,1′,3′,5′,5′−ペンタメチルヘキシ
ル)−5,5,7,9,9−ペンタメチルデカノール]、 [2−(1′,4′,7′−トリメチルオクチル)−5,8,11
−トリメチルドデカノール]、 [2−(1′,3′,3′,6′−テトラメチルヘプチル)−
5,7,7,10−テトラメチルウンデカノール]、 [2−(1′,2′,4′,6′,8′−ヘプタメチルノニル)
−5,6,8,10,12−ヘプタメチルトリデカノール]、 [2−(3′−メチルブチル)−7−メチルオクタノー
ル]、 [2−(1′−メチルブチル)−5−メチルオクタノー
ル] などである。
これらの大分岐アルコールの鎖長については、RとR
の炭素数の和は10〜32、好ましくは12〜30である。こ
れが10未満の場合にはこれから得られるアルキルエーテ
ルアミンのスラッジに対する分散力がなくなり好ましく
ない。RとRの炭素数の和は8〜30、好ましくは10
〜28である。これが8未満の場合にもスラッジ分散性が
悪くなる。また、上述の炭素数の和が大きすぎる場合に
は、得られるアルキルエーテルアミンの燃料油に対する
溶解性が低下し使用できない。
分岐がない直鎖アルコールや、あるいはメチル基等の小
さな分岐アルコールをもつ、例えばオキソアルコール等
を原料アルコールとするアルキルエーテルアミンの場
合、燃料油に対する溶解性が劣るだけでなく、清浄性、
熱分解性等の本発明の目的とする特性においても格段に
効果の劣るものであった。
この様な特性を考慮すると、R、Rの部分の炭素鎖
長としては3〜16、R、Rの部分の炭素鎖長として
は3〜15であることが必要である。特に、R,Rとし
ては炭素数6〜12で、かつRとRの炭素数の和が12
〜22の場合、またR,Rとしては炭素数5〜11で、か
つRとRの炭素数の和が11〜21の場合に、より好結
果が得られる。鎖長が大きくなりすぎると上述の様にガ
ソリンに対する溶解性が低下するため好ましくない。
上述のような適性を満たす出発原料としては、単一組成
または混合組成のアルコールをゲルベ反応させて得られ
る大分岐アルコールが最も好適である。
以上述べた様な大分岐アルコールの1種または2種以上
をそのまま又はそのアルキレンオキシド付加物を出発原
料として、上述のシアノエチル化、続いて還元を行い、
必要ならば再度シアノエチル化と還元を行い、下記一般
式(4)又は(5)で表される化合物を得ることができ
る。
(式中、R,Rは炭素数3〜16でかつRとRの炭
素数の和が10〜32の炭化水素残基、lは1又は2) (式中、R,Rは炭素数3〜15でかつRとRの炭
素数の和が8〜30の炭化水素残基、lは1又は2) 前記一般式(4)又は(5)で表される化合物の大分岐
鎖部分R〜Rについて更に詳述すれば、R〜R
が上述の特定の炭素数である限り、直鎖をなすもの、更
に分岐した炭素鎖であるもののいずれも好ましい効果を
与えるが、直鎖をなすものの方が清浄性により優れる。
また特にR〜Rが直鎖の炭化水素残基である化合物
と、R〜Rが更なる分岐鎖を持つ炭化水素残基であ
る化合物との混合物を添加剤として用いることによっ
て、清浄性に著しい効果が得られる。これらは前者と後
者とを好ましくは0.02〜50の重量比、特に好ましくは0.
1〜10の重量比で混合することによって最も顕著な効果
が得られる。
大分岐鎖部分R〜Rに更に小分岐鎖部分を持つ原料
アルコール類は上述の通りであるが、小分岐鎖部分とし
ては特にメチル分岐鎖を持つものが好ましい。このよう
な大分岐アルコールとしては、プロピレンの2〜5量体
のオキソアルコール、ブチレン、イソブチレン等の2,3
量体のオキソアルコール、またはこれらの混合物などか
ら、ゲルベ法を用いて合成することにより容易に得るこ
とができる。
また、式(1)〜(3)において、Y,Y,Y中のR
が−CHCONH−,−CHCH(OH)−又は−CHCO−から
選ばれる基である場合には、例えば、下記式(8),
(9)又は(10) で表される化合物と、クロル酢酸あるいはエピクロルヒ
ドリンを反応させた後、対応するアミン化合物と反応さ
せるか、又は/及び炭素数2〜4のアルキレンオキシド
を付加することにより得ることができる。
更に、式(1)〜(3)において、Y,Y,Y中のR
が−(0とEが直接結合している)である場合には、例
えば、下記式(8)〜(10) の末端のヒドロキシル基を三臭化リンの様なハロゲン化
物によりハロゲン化した後、対応するアミン化合物と反
応させ、又は及びアルキレンオキシドを付加させ、得る
ことができる。
また、式(1)〜(3)において、Yで表される基、或いはY,Yで表される基である化合物の場合には、Yで表される基、或いはY,Yで表される基である化合物に有機過酸化物を反応させる
ことにより得られる。
ただし式(1)〜(3)で表される化合物の合成法は、
先に述べた方法に限られるものではない。
本発明で用いられる(B)成分の化合物は、下記一般式
(I)、(II)又は(III) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
ニル基、 AはNHCHpqNH−又は NHCHpqNH−CO−NH(CHpNHq、 pは1〜3の整数、qは0〜5の整数、XはH又は は炭素数15〜100のアルキル基又はアルケニル基を
示す。) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
ニル基、XはH又は は炭素数15〜100のアルキル基又はアルケニル基、
pは1〜3の整数、qは0〜5の整数を示す。) RNHCHpqNH−X …(III) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
ニル基、XはH又は炭素数15〜100のアルキル基又は
アルケニル基、pは1〜3の整数、qは0〜5の整数を
示す。) で表わされる化学構造を有し、かつ分子量700〜5000の
化合物である。
この化合物は油中分散剤としての性質を有するものであ
り、エンジンスラッジの分散力を有するものである。ま
た耐熱性が大きく、(A)成分の化合物の耐熱性を補う
効果がある。耐熱性を向上させる方向として、分子量を
700以上にする必要がある。分子量が5000を越えるとな
ると、ガソリンへの溶解性が悪くなり、好ましくは3000
以下が良い。また、耐熱性が大きくなりすぎると、燃焼
室で完全に燃焼せずデポジットして残存し、エンジンの
性能に悪影響を及ぼす。その意味でも、分子量は5000以
下、好ましくは3000以下が良い。油中分散力を有するた
めには炭素数15以上のアルキル基又はアルケニル基、及
び1級又は2級のアミノ基を有することが必要である。
アルキル基又はアルケニル基として例えば分子量400以
上のポリブテン(ブチレン重合体)を用いて誘導される
ポリブテニル基、ポリブチル基が利用できる。耐熱性の
判定は、例えば理学電機(株)製の熱天秤(TG 81115)
を用いて、空気300ml/分気流下、昇温速度5℃/min、
サンプル量10〜14mgの条件下で測定することで行える。
少なくとも300℃の時点で重量減量率が70%以下が必要
である。(A)成分の化合物の場合、300℃で重量減量
率が90%以上となる。
(B)成分の化合物の代表的な例を挙げると、清浄剤と
して知られている下記の構造式で表わされるコハク酸イ
ミドがある。
(式中、qは0〜5の整数、XはH又は 及びRは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
ニル基(ポリブテニル基等)を示す。) この化合物は例えばポリブテンと無水マレイン酸との反
応で得られるポリブテニルコハク酸無水物とポリアミン
との反応によって合成される。アミンは一般的にポリエ
チレンポリアミン類が使用できる。
またポリブテンを塩素化してから、直接ポリアミンを反
応させた下記一般式で表わされるポリブテニルアミンも
好ましく用いられる。
′NH−CHCHqNH−X′ (式中、R′はMW700以上のポリブチル基、X′は
H又はMW700以上のポリブチル基、qは0〜5の整数を
示す。) 更に、マンニッヒ反応によりアルキル化フェノール、ホ
ルムアルデヒド、ポリアミンを反応させた下記一般式で
表わされるベンジルアミン及びその誘導体も使用でき
る。
(式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
ニル基、 A′はNH−CHCHqNH−又は NH−CHCHqNH−CO−NHCHCHNHq、 qは0〜5の整数、 XはH又は は炭素数15〜100のアルキル基又はアルケニル基を
示す。) 以上、(B)成分の化合物の若干の例を挙げたが、これ
らに限定されるものではない。この(B)成分の化合物
は単独で使用するとキャブレターの清浄効果を有する
が、他の吸気系統に対して清浄効果は乏しい。特にイン
テークバルブの清浄効果は不十分である。
しかしながら、上記(A)形分の化合物と(B)成分の
化合物を併用すると、インテークバルブの清浄効果が向
上し、特に低添加量での清浄性に優れた効果が発現す
る。
更に本発明の燃料添加剤は一般的にキャリヤーオイルと
呼ばれる鉱油又は合成油を併用すると、低添加量下で更
に優れた吸気系統、特にインテークバルブの清浄性保持
効果を発揮する。特に、合成油の効果は優れており、と
りわけオレフィン重合物、例えばポリα−オレフィンや
ポリブテン等、またアルコール又はアルキルフェノール
のアルキレンオキサイド付加物、アルキレンオキサイド
重合物、特にプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド等のアルキレンオキサイド付加物及びそのエステル又
はエーテル化合物が優れている。
更に好ましい合成油としては、下記一般式(6)又は
(7)で示される化合物が挙げられる。
(式中、R,R はそれぞれ炭素数1〜30のアルキル
基、R′は水素又は炭素数1〜20のアルキル基、Dは炭
素数3〜4のアルキレン基、d=1〜50の整数。) 上記(A)成分の化合物と(B)成分の化合物と鉱油又
は合成油との配合比は、(A)成分の化合物/(B)成
分の化合物/鉱油又は合成油=1〜50/1〜30/50〜98
(重量比)が好ましい。
本発明になる燃料油添加剤は従来の燃料油添加剤にない
大分岐構造を有し、かつエーテル結合と分子中にアミノ
基又はその誘導体、及び比較的耐熱性のある(B)成分
の化合物を配合することにより高温の吸気弁の清浄性が
優れたものである。
本発明の燃料油添加剤は、燃料油中に0.1〜50,000ppm配
合される。配合量が多い程より優れた清浄性を示すが、
1〜20,000ppmで実用上充分優れた結果が得られる。吸
気系統、特に吸気弁の清浄性保持能力においては、400p
pm以下でさえもその優れた能力を発揮する。
本発明の添加剤は他の燃料油添加剤、例えば防錆剤、抗
乳化剤、金属不活性剤等と併用しても良い。このように
本発明の燃料油添加剤を配合することにより清浄性の優
れた燃料組成物が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明を合成例及び実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。
<(A)成分の化合物の合成例> 合成例1 2−オクチルドデシルアルコール400gを1の4つ口フ
ラスコに入れ、窒素雰囲気下でカセイカリ0.222gを触媒
として76〜80℃の温度で加熱撹拌しながらアクリロニト
リル83.85gを3時間かけて滴下し、滴下後76〜80℃にて
2時間反応させ、次いで酢酸によりカセイカリを中和
し、過剰のアクリロニトリルを減圧下に除去し、シアノ
エチル化物を得た。
このシアノエチル化物300gを1のオートクレーブに入
れ、ラネーニッケルを触媒として20kg/cmの水素圧を
かけて水素添加を行い、式C CH(C
)CHOCNHで表される2−オクチルド
デシルオキシプロピルアミン(A−1と略記する)を得
た。
合成例2 n−オクチルアルコールとn−ドデシルアルコールを1:
1モル比でゲルベ反応させた。得られた混合大分岐アル
コールから合成例1と同様の方法で大分岐アルコキシプ
ロピルアミン(A−2と略記する)を得た。
合成例3 2−テトラデシルオクタデシルアルコールを原料アルコ
ールとして、合成例1と同様にして、式C CH
(C )CHOCNHで表される2−テト
ラデシルオクタデシルオキシプロピルアミンを得、さら
に合成例1と同様の方法でシアノエチル化した後、水素
添加して式 C CH(C )CHO(CNH)
Hで表される2−テトラデシルオクタデシルオキシプ
ロピルプロピレンジアミン(A−3と略記する)を得
た。
合成例4 2−ヘプチルウンデカノールを原料アルコールとして、
合成例1と同様な方法で、式 で表わされる大分岐アルコキシプロピルアミン(A−4
と略記する)を得た。
合成例5 日産ファインオキソコール140[代表構造 または を原料アルコールとして、合成例1と同様な方法で、代
表的な構造として、 または で表わされる大分岐アルコキシプロピルアミン(A−5
と略記する)を得た。
本発明の(A)成分のその他の化合物例を表1に示す。
<(B)成分の化合物例> 実施例に用いた本発明の(B)成分の化合物例を以下に
示す。
B−1 :分子量900のポリブテニル基 B−2 :分子量800のポリブチル基 B−3 R−NHCHCHNH:分子量1000のポリブチル基 B−4 :分子量700のポリブチル基 実施例1 表2に示す添加剤についてスラッジ沈積防止及び除去効
果を見るために下記の方法により分散性試験を行った。
高マイル数走行後のエンジンのクランクケースから削り
取られたスラッジのヘキサン不溶性、クロロホルム可溶
性部分を、試験添加剤を含有する典型的な基礎ガソリン
にクロロホルム溶液としてスラッジ量が600ppmになるよ
う加えた。添加剤濃度を100ppm、200ppm、400ppmで行
い、スラッジ溶液添加30分後のスラッジの量を調べた。
判定は3段階とし、スラッジの沈澱がないときを○、若
干あるときを△、沈澱が多いときを×とした。
添加剤を入れない場合、スラッジはガソリンに不溶であ
り沈澱する。
結果を表2に示した。
表2から明らかな如く、本発明品は優れたスラッジ分散
力を有している。
実施例2(実車走行テスト) 燃料油添加剤の清浄性保持力を以下のテストで評価し
た。
燃料油添加剤をレギュラーガソリンに対し、250ppm添加
したガソリンを用いて、一般道路を走行し、テスト前後
での吸気系統(吸気弁、吸気ポート、キャブレター)及
び燃焼室の状況をエンジンを分解して、デポジットの付
着度合を視認することにより評価した。但し、吸気弁
は、テスト前後の重量を測定し、デポジット付着量を求
めた。テスト車としてはトヨタカリーナ1800cc(エンジ
ン型式1S)を用いて行なった。
テスト車は、テスト前に吸気系統及び燃焼室を清掃し、
デポジットを除去して用いた。
テスト前後での清浄性保持度合の判定は以下の基準で行
なった。効果判定の基準は燃料油添加剤無添加の結果に
基づいた。
結果を表3に示す。
〔発明の効果〕 本発明の燃料油添加剤は、表3の実車テストの結果をみ
ても分かるように、低添加量で吸気系統、特に吸気弁の
清浄性保持能力が優れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)炭素数3〜18のアルキル分岐
    を持ち、この分岐部分を含めた炭素数が9〜37であるア
    ルキル基を有し、かつ、(b)炭素数2〜4のオキシア
    ルキレン基を1つ以上有するアミン又はアミンオキサイ
    ドと、 (B)下記一般式(I)、(II)又は(III) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
    ニル基、 AはNHCHpqNH−又は NHCHpqNH−CO−NH(CHpNHq、 pは1〜3の整数、qは0〜5の整数、XはH又は は炭素数15〜100のアルキル基又はアルケニル基を
    示す。) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
    ニル基、XはH又は は炭素数15〜100のアルキル基又はアルケニル基、
    pは1〜3の整数、qは0〜5の整数を示す。) RNHCHpqNH−X …(III) (式中、Rは炭素数15〜100のアルキル基又はアルケ
    ニル基、XはH又は炭素数15〜100のアルキル基又は
    アルケニル基、pは1〜3の整数、qは0〜5の整数を
    示す。) で表わされる化学構造を有し、かつ分子量700〜5000の
    化合物 とを含有することを特徴とする燃料油添加剤組成物。
  2. 【請求項2】(A)の化合物が下記一般式(1),
    (2)又は(3)で表される化合物である請求項1記載
    の燃料油添加剤組成物。 〔式中、R,Rは炭素数3〜18の炭化水素残基であっ
    て、かつRとRの炭素数の和は8〜36である。 nは0又は1〜4の整数。 Yは式 で表されるアミン又はアミンオキサイド残基、 Y,Yは式 又は で表されるアミン又はアミンオキサイド残基を示す(こ
    こでBは炭素数2〜4のアルキレン基、mは0〜10の整
    数、Rは−,−CHCONH−,−CHCH(OH)−,−CH
    CO−から選ばれる基、Eは−又は炭素数1〜4のアルキ
    レン基、R,RはH又は炭素数1〜4のアルキル基、
    ヒドロキシアルキル基又はアミノアルキル基、Lは1又
    は2である)。〕
  3. 【請求項3】(A)の化合物が下記一般式(4)又は
    (5)で表される化合物である請求項1記載の燃料油添
    加剤組成物。 (式中、R,Rは炭素数3〜16でかつRとRの炭
    素数の和が10〜32の炭化水素残基、lは1又は2) (式中R,Rは炭素数3〜15でかつRとRの炭素
    数の和が8〜30の炭化水素残基、lは1又は2)
  4. 【請求項4】請求項1記載の(A)の化合物と(B)の
    化合物、及び鉱油又は合成油を含有することを特徴とす
    る燃料油添加剤組成物。
  5. 【請求項5】合成油が、下記一般式(6)又は(7)で
    表される化合物である請求項4記載の燃料油添加剤組成
    物。 (式中R,R はそれぞれ炭素数1〜30のアルキル
    基、R′は水素又は炭素数1〜20のアルキル基、Dは炭
    素数3〜4のアルキレン基、d=1〜50の整数。)
  6. 【請求項6】合成油が、分子量400〜2000のポリブテン
    又はその水素添加物、或いはポリプロピレン又はその水
    素添加物である請求項4記載の燃料油添加剤組成物。
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